JPH07109536A - 鍛造用アルミニウム合金及びその熱処理 - Google Patents

鍛造用アルミニウム合金及びその熱処理

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JPH07109536A
JPH07109536A JP5254358A JP25435893A JPH07109536A JP H07109536 A JPH07109536 A JP H07109536A JP 5254358 A JP5254358 A JP 5254358A JP 25435893 A JP25435893 A JP 25435893A JP H07109536 A JPH07109536 A JP H07109536A
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Akio Hashimoto
昭男 橋本
Yamaji Kitaoka
山治 北岡
Hiroji Namekawa
洋児 滑川
Kiyoshi Takagi
潔 高木
Hideo Yoshioka
英夫 吉岡
Ken Kanezashi
研 金指
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Nikkei Techno Research Co Ltd
Nissan Motor Co Ltd
Nippon Light Metal Co Ltd
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Nikkei Techno Research Co Ltd
Nissan Motor Co Ltd
Nippon Light Metal Co Ltd
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    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C21/00Alloys based on aluminium
    • C22C21/02Alloys based on aluminium with silicon as the next major constituent
    • C22C21/04Modified aluminium-silicon alloys
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D21/00Casting non-ferrous metals or metallic compounds so far as their metallurgical properties are of importance for the casting procedure; Selection of compositions therefor
    • B22D21/002Castings of light metals
    • B22D21/007Castings of light metals with low melting point, e.g. Al 659 degrees C, Mg 650 degrees C
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22FCHANGING THE PHYSICAL STRUCTURE OF NON-FERROUS METALS AND NON-FERROUS ALLOYS
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    • C22F1/04Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of aluminium or alloys based thereon
    • C22F1/043Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of aluminium or alloys based thereon of alloys with silicon as the next major constituent

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 良好な鋳造性を確保しつつ、機械的特性に優
れた鍛造用アルミニウム合金を得る。 【構成】 Si:2.0〜3.3%,Mg:0.2〜
0.6%,Ti:0.01〜0.1%,B:0.000
1〜0.01%,Fe:0.015%以下で、更にN
a:0.001〜0.01%,Sr:0.001〜0.
05%,Sb:0.05〜0.15%及びCa:0.0
005〜0.01%のうちの何れか1種又は2種以上を
含有し、P/Caの重量比が1.0以下の条件でP含有
量を0.001%以下に規制し、残部がAlからなる組
成を持ち、鋳造組織に含まれる共晶Siの大きさが平均
長さで20μm以下の鋳造用アルミニウム合金である。 【効果】 僅かな据込み率で中実度が高い鍛造製品を得
ることができ、伸び率,引張り強さ等の機械的強度も良
好である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車部品,家電製品
等に使用され、鍛造後にT6 処理を施した状態で30k
gf/mm2 以上の引張り強さ及び15%以上の伸びを
呈する鍛造用アルミニウム合金に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム合金の代表的な鍛造用素材
として、6061合金が使用されている。しかし、60
61合金は、押出し工程を経て鍛造用素材にされること
から、コスト高になる。また、押出し材を鍛造するの
で、製品形状がおのずと単純な形状に限定される。その
ため、形状が複雑な製品を得る場合、鍛造用素材を鋳造
で得る必要が生じる。鋳造によって所定の形状が付与さ
れた素材、すなわち予形材で鍛造が可能な材料として
は、AC4C,AC4CH等がJISで掲げられる。し
かし、AC4C,AC4CH等のアルミニウム合金は、
6061合金に比較し伸び率等の引張り特性が劣り、形
状特性に優れた鍛造製品を得ることができない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】AC4C,AC4CH
等のアルミニウム合金を鋳造することにより得られた鍛
造用素材の伸び率を大きくするため、Si含有量を3重
量%程度まで少なく、更にNa、Sr、Sb等を添加
し、共晶Siを微細化することが、特開昭54−134
07号公報で紹介されている。共晶Siの微細化によっ
て、伸び率がある程度改善される。しかし、依然として
6061合金の伸び率には及ばず、鍛造性に問題が残っ
ている。また、得られた鍛造製品の耐力が十分でないこ
とから、所定の構造強度をだすために厚肉化することを
余儀なくされていた。その結果、軽量化部品としてのア
ルミニウム材料の長所を活用できない現状である。本発
明者等は、この点に関し、共晶Siの微細化により性質
改善したアルミニウム合金を特開平5−9637号公報
で紹介した。本発明は、この先願を更に改良したもので
あり、Fe含有量,P/Ca比等を規制し共晶Siを十
分に微細化することにより、鍛造性を始めとして引張り
強さ,伸び等に優れたアルミニウム合金を提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の鍛造用アルミニ
ウム合金は、その目的を達成するため、Si:2.0〜
3.3重量%,Mg:0.2〜0.6重量%,Ti:
0.01〜0.1重量%,B:0.0001〜0.01
重量%,Fe:0.15重量%以下で、更にNa:0.
001〜0.01重量%,Sr:0.001〜0.05
重量%,Sb:0.05〜0.15重量%及びCa:
0.0005〜0.01重量%のうち何れか1種又は2
種以上を含有し、P/Caの重量比が1.0以下の条件
でP含有量を0.001重量%以下に規制し、残部がA
lからなり、鋳造組織に含まれる共晶Siの大きさが平
均長さで20μm以下であることを特徴とする。
【0005】本発明の鍛造用アルミニウム合金は、更に
Cu:0.2〜0.5重量%,Zr:0.01〜0.2
重量%,Mn:0.02〜0.5重量%及びCr:0.
01〜0.3重量%のうちの何れか1種又は2種以上を
含有することもできる。所定の組成に調製されたアルミ
ニウム合金溶湯は、デンドライトアームスペーシングが
60μm以下となるように、冷却速度0.5℃/秒以上
で凝固させながら鋳造される。得られた鋳塊は、450
℃以上の温度での昇温速度が50℃/時間以下となる加
熱条件で500〜550℃の温度領域に加熱し、該温度
領域に1〜24時間保持する均質化熱処理が施される。
このようにして得た鍛造用素材は、鍛造後に540〜5
50℃に0.5〜2時間加熱し、水冷し、6時間以内に
140〜180℃に2〜20時間加熱する戻し処理を施
し、次いで室温まで空冷する熱処理が施される。
【0006】
【作用】本発明の鍛造用アルミニウム合金においては、
鋳造性を確保すると共に、高靭性化及び伸びを向上させ
るため、AC4C,AC4CH等の従来のアルミニウム
合金に比較してSi含有量を低めに設定している。共晶
Siの微細化を図るため、Na,Sr,Sb,Ca等を
添加すると共に、微細化阻害元素であるP含有量を規制
している。共晶Siの微細化は、特にCaに関してはP
/Caの重量比が1.0以下の条件下でCaを合金元素
として含有させることによって更に促進される。また、
十分な伸びを確保できる範囲内でMgを増量することに
より、耐力の向上を図っている。この条件が満された予
形材を鍛造すると、据込み率(圧下率)で20%程度の
僅かな塑性加工により、6061合金に匹敵する靭性を
得ることが可能となる。
【0007】以下、本発明で特定した合金成分,その含
有量等に関する条件を説明する。 Si:本発明の鍛造用アルミニウム合金は、鋳造で得ら
れた予形材を鍛造することにより、所定形状をもつ製品
とされる。この予形材を得るために、溶湯の流動性,引
け性等が良く、鋳造割れ等の欠陥が発生しないことが要
求される。この鋳造性を確保する上から、Siを含有さ
せることが必要である。しかし、多量のSi含有は、ア
ルミニウム合金の伸びや機械的強度を低下させる。この
点から、本発明においては、Si含有量を2.0〜3.
3重量%の範囲に設定した。この範囲のSi含有量は、
必要とする伸びや機械的強度を得ると共に、鋳造性も良
好にする。Si含有量が3.3重量%を超えると、ミク
ロ組織でも検出されるように粒界に比較的多量の共晶S
iが晶出し、伸び,機械的強度等が劣化する。逆に、S
i含有量が2.0重量%未満では、鋳造性が悪くなる。
特に、Si含有量1〜2重量%未満の範囲では、流動性
が最も悪く、鋳造割れ等の欠陥が発生し易い。
【0008】Mg:Siと共存して熱処理によりMg2
Siとして析出し、引張強さ,耐力等の機械的強度を向
上させる。しかし、Mg含有量が0.6重量%を越える
と,伸び,衝撃値等が大きく低下する。また、6061
合金の性能に近づけるためには、Si含有量の低下によ
って伸びを増大させた分、Mg含有量を可能な限り増量
して強度向上を図る。このようなMgの効果を発現させ
るため、0.2重量%以上のMg含有が必要である。 Ti,B:アルミニウム合金の鋳造組織は、Ti及びB
の併用添加により微細化される。鋳造組織の微細化に伴
い、粒界に析出する不純物やシュリンケージ等が細かく
分散され、機械的特性が向上する。このような効果を得
るため、0.01重量%以上のTi及び0.0001重
量%以上のBを含有させることが必要である。しかし、
Ti含有量及びB含有量がそれぞれ0.1重量%及び
0.01重量%を超えると、析出する介在物が多くな
り、却って靭性,強度,伸び等が劣化する。
【0009】Fe:原料から混入する不純物であり、多
量に含まれるとFe系金属間化合物を晶出し、伸びを低
下させる。Fe系晶出物に起因する悪影響は、Fe含有
量を0.15重量%以下に規制することによって抑制さ
れる。 Na,Sr,Sb,Ca:共晶Siを微細化して伸び,
衝撃値等を向上させるため、Na,Sr,Sb,Ca等
が添加される。共晶Siの微細化作用は、0.001重
量%以上のNa,0.001重量%以上のSr,0.0
5重量%以上のSb或いは0.0005重量%以上のC
aを含有させることにより得られる。特に、Caは、P
/Caの重量比が1.0以下の条件で添加したときに共
晶Siの微細化に効果を発揮する。しかし、これら添加
元素は、ガスの吸収及び化合物の生成を促進させると共
に、引け性を変化させる傾向を呈する。その結果、多量
にNa,Sr,Sb,Ca等を添加すると、アルミニウ
ム合金の靭性が劣化する。この点で、Na,Sr,Sb
及びCa含有量の上限を、それぞれ0.01重量%,
0.05重量%,0.15重量%及び0.01重量%に
設定した。
【0010】P:Na,Sr,Sb,Ca等の添加元素
は、合金中のPと反応し、共晶Siの微細化に有効に作
用しなくなる。そのため、本発明においては、微細化効
果を阻害するPを0.001重量%以下に規制して、N
a,Sr,Sb,Ca等の作用を効率よく発揮させる。 Cu:アルミニウム合金の強度を向上させる上で、必要
に応じて添加される元素である。0.2〜0.5重量%
のCuをMgと併用添加するとき、十分な伸びを確保で
きる範囲で耐力の向上が図られる。 Zr,Mn,Cr:加工時におけるアルミニウム合金の
再結晶を防止するため、必要に応じて添加される元素で
ある。再結晶防止を図る上で、0.01重量%以上のZ
r,0.02重量%以上のMn或いは0.01重量%以
上のCrを含有させることが必要である。しかし、これ
ら元素を多量に添加すると、マトリックスの硬度が上昇
し、却って加工性が低下する。そこで、Zr含有量,M
n含有量及びCr含有量の上限を、それぞれ0.2重量
%,0.5重量%及び0.3重量%に規定した。
【0011】共晶Siの平均長さ:本発明のアルミニウ
ム合金においては、共晶Siの大きさが平均長さで20
μm以下の小さなものである。微細な共晶Siは、材料
の伸びを増大させる。また、予形材に含まれる気孔を微
細なものにすると共に、僅かな据込み率の鍛造によって
気孔率を急激に低減させ、中実度の高い鍛造製品を得る
要因となる。これに対して、従来のアルミニウム合金を
鍛造して実質的に気孔のない鍛造製品を得ようとする
と、据込み率を50%以上に設定することが必要であ
る。
【0012】鋳造条件:所定の組成に調製されたアルミ
ニウム合金溶湯は、金型鋳造,DC鋳造等によって鋳塊
に鋳造される。このとき、鋳造組織を微細化するため、
冷却速度0.5℃/秒以上の速度で凝固させることが必
要である。鋳造組織は、冷却速度に依存し、冷却速度が
大きいと初晶α相の樹脂間隔、すなわちデンドライトア
ームスペーシングが小さくなる。したがって、デンドラ
イトアームスペーシングを測定することによって微細化
度を知ることができる。冷却速度0.5℃/秒以上で凝
固させた鋳塊では、デンドライトアームスペーシングが
60μm以下になっており、共晶Siが十分に微細化さ
れた鋳造組織をもつ。これに対し、0.5℃/秒未満の
緩慢な速度で凝固させた鋳塊では、デンドライトアーム
スペーシングが60μmを超えるものがあり、平均長さ
20μmを超える大きな共晶Siが晶出している。この
ような粗い組織は、材料の伸びを低下させる原因とな
る。
【0013】鋳塊の均質化熱処理:均質化熱処理によ
り、共晶Siの球状化及び合金成分の均質化が図られ
る。共晶Siが球状化したものでは、材料の伸びが増大
し、鍛造時に割れ等の欠陥が発生しない。そのため、鍛
造速度を上昇させることが可能になり、生産性が向上す
る。共晶Siの球状化は、熱処理温度が高くなるに従っ
て活発に進行する。しかし、過度に高い熱処理温度で
は、共晶組織がバーニングし易く、鍛造時に割れを発生
させる原因となる。熱処理時間に関し、短時間では共晶
Siの球状化が不十分であり、長すぎても効果の向上は
みられない。このようなことから、本発明においては、
均質化熱処理条件を、500〜550℃×1〜24時間
に設定した。また、鋳塊を均質化温度に昇温するとき、
450℃以上の温度領域における昇温速度を50℃/時
間以下にすることが必要である。この温度領域における
昇温速度が50℃/時間を超えると、共晶組織がバーニ
ングし易くなる。しかし、450℃未満の温度領域にお
いては、昇温速度の如何によってバーニングが影響され
ることはない。この点、450℃までを急速に昇温し、
次いで50℃/時間以下の速度で500〜550℃の均
質化温度に加熱することが好ましい。
【0014】鍛造後の熱処理:鍛造されたアルミニウム
合金は、均質化処理後の冷却過程でα−晶内に析出した
Si粒子を再固溶させるために溶体化される。本発明で
規定している溶体化処理は、従来の溶体化処理に比較し
て高温に設定されているので、α相内のSi粒子の再固
溶を短時間で完了できる。また、共晶Siを更に球状化
させ、伸びの増大に寄与する。すなわち、従来の溶体化
処理が520〜535℃×3〜10時間であったのに対
し、本発明における溶体化処理は540〜550℃×
0.5〜2時間である。540〜550℃に加熱された
アルミニウム合金は、固溶Siの析出を防止するため水
焼入れされる。このようにしてSi粒子の析出を抑える
ことにより、アルミニウム合金の強度が改善される。ア
ルミニウム合金は、水焼入れしたままの状態に維持され
ると、Mg2 Siを自然に析出させ、強度が低下する。
そこで、水焼入れ後6時間以内に、140〜180℃×
2〜20時間の戻し処理をアルミニウム合金に施し、所
定の強度を確保する。水焼入れから戻し処理までの時間
が6時間を超えると、Mg2 Siの過剰析出に起因した
強度低下がみられ、後続する戻し処理での機械的性質が
不安定になる。
【0015】戻し処理の条件は、材料設計上で必要とさ
れる機械的性質によって設定されるものであるが、強度
30kgf/mm2 ,伸び15%以上の条件に対しては
140〜180℃×2〜20時間に設定される。加熱温
度140℃未満では、強度及び伸びが不足する。逆に、
180℃を超える加熱温度では、過時効によって強度の
低下が起こる。加熱時間は、2時間未満の短時間加熱で
は所定の効果が得られず、20時間を超えても更なる効
果の向上がみられない。この戻し処理によって、30k
gf/mm2 以上の引張り強さ及び15%以上の伸びを
もつアルミニウム合金が安定して得られる。
【0016】
【実施例】表1に示した合金成分の素材をJIS 4号
の舟形鋳型を使用して鋳造した。鋳型温度は150℃
で、冷却速度を約1.5℃/秒とした。
【0017】
【表1】
【0018】得られた鋳造材を引張り試験し、また鋳造
組織を観察して共晶Siの平均長さを求めた。調査結果
を示す表2から明らかなように、試料番号2の鋳造材
は、Fe含有量が多いために伸びが不足している。試料
番号6の鋳造材は、P/Caが2であることから伸びが
不足しており、平均長さ25μmと共晶Siが大きく成
長している。
【0019】
【表2】
【0020】実施例2:鋳造で得られた合金材料は、凝
固速度の違いにより鋳塊のデンドライトアームスペーシ
ングが異なる。デンドライトアームスペーシングが大き
すぎると、共晶Siが20μmを超えるようになり、材
料の伸びが低下する。また、荷重が加わったとき、共晶
Siとマトリックスとの界面を起点として破断等が発生
する。この点、本発明合金においては、共晶Siが20
μm以下の微細な晶出物として分散されているため、鍛
造によって亀裂を発生させることなく、伸び率が大きな
中実の製品にすることが可能である。
【0021】冷却速度がデンドライトアームスペーシン
グ(DAS)及び共晶Siの平均長さに与える影響、ひ
いては鋳造材の機械的性質に与える影響を表3に示す。
この場合、Si:2.8重量%,Mg:0.3重量%,
Ti:0.02重量%,B:0.006重量%,Fe:
0.07重量%,Ca:0.006重量%及びP:0.
0005重量%の組成をもち、P/Ca比が0.08の
アルミニウム合金を使用した。なお、冷却速度を変える
方法としては、JIS 4号の舟型を200℃に保持す
る方法(冷却条件1),同じく430℃に保持する方法
(冷却条件2)及び冷却速度を大きくする溶湯鍛造法
(冷却条件3)を採用した。
【0022】
【表3】
【0023】表3から明らかなように、冷却速度が遅い
試料番号12では、デンドライトアームスぺーシング及
び共晶Siが大きく成長しており、低い伸びが示されて
いる。これに比較して、冷却速度が大きい試料番号13
は、極めて大きな伸びを示している。このことから、デ
ンドライトアームスぺーシング及び共晶Siを微細にす
ることにより、伸びを改善できることが確認された。
【0024】実施例3:試料番号11の鋳造材に均質化
熱処理を施し、熱処理条件が機械的性質に与える影響を
調査した。なお、均質化熱処理に際しては、共晶Siが
バーニングを起こさないように、450℃以上の温度領
域における昇温速度を30℃/時に設定した。また、均
質化処理温度に加熱した後は、何れも1.0℃/秒の速
度で冷却した。
【0025】
【表4】
【0026】表4から明らかなように、比較的低温に加
熱した試料番号15の鋳造材では、均質化が不十分なた
め伸びが不足している。高温加熱した試料番号16で
は、バーニングの発生により伸びが極端に低下してい
る。また、適正な加熱温度であっても短時間の均質化処
理では、試料番号17にみられるように十分な伸びが得
られていない。これに対し、試料番号14の鋳造材は、
均質化処理後に高い引張り強さ及び伸びを示している。
【0027】実施例4:均質化処理した試料番号14の
鋳造材に、400℃で1時間加熱する予熱を施した後、
据込み率20%で鍛造し、次いでT6 処理を行った。得
られた鍛造材から試験片を切り出し、引張り試験に供し
た。表5は、その試験結果を表したものである。
【0028】
【表5】
【0029】本発明に従ってT6 処理した試料番号18
の鍛造材では、30kgf/mm2以上の引張り強さ及
び15%以上の伸びを示している。溶体化処理温度が低
い試料番号19では、伸びが低くなっている。試料番号
20の鍛造材では、溶体化処理時間が長い割に伸びが試
料番号18と変わらず、処理時間に見合った性質改善が
行われていない。試料番号21は、試料番号18に比較
して強度が若干低下しており、しかも戻し時間までが長
いために作業性に劣る。戻し温度が高すぎる試料番号2
2では、過時効現象が発生したために引張り強さ及び伸
び共に低下している。また、戻し時間が短すぎる試料番
号23の鍛造材は、逆に強度不足となっている。
【0030】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の鍛造用
アルミニウム合金は、鋳造材として使用可能なまでSi
量を低減して伸びを改善し、結晶粒や晶出物の微細化に
よって機械的強度を確保している。そして、鋳造材に含
まれている共晶Siが微細であるため、鍛造性が良好
で、僅かな据込み率で中実度が高く機械的特性の良好な
製品が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北岡 山治 東京都港区三田3丁目13番12号 日本軽金 属株式会社内 (72)発明者 滑川 洋児 東京都港区三田3丁目13番12号 日本軽金 属株式会社内 (72)発明者 高木 潔 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 吉岡 英夫 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 金指 研 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si:2.0〜3.3重量%,Mg:
    0.2〜0.6重量%,Ti:0.01〜0.1重量
    %,B:0.0001〜0.01重量%,Fe:0.1
    5重量%以下で、更にNa:0.001〜0.01重量
    %,Sr:0.001〜0.05重量%,Sb:0.0
    5〜0.15重量%及びCa:0.0005〜0.01
    重量%のうちの何れか1種又は2種以上を含有し、P/
    Caの重量比が1.0以下の条件でP含有量を0.00
    1重量%以下に規制し、残部がAlからなり、鋳造組織
    に含まれる共晶Siの大きさが平均粒径で20μm以下
    であることを特徴とする鍛造用アルミニウム合金。
  2. 【請求項2】 Si:2.0〜3.3重量%,Mg:
    0.2〜0.6重量%,Ti:0.01〜0.1重量
    %,B:0.0001〜0.01重量%,Fe:0.1
    5重量%以下で、更にNa:0.001〜0.01重量
    %,Sr:0.001〜0.05重量%,Sb:0.0
    5〜0.15重量%及びCa:0.0005〜0.01
    重量%のうちの何れか1種又は2種以上,Cu:0.2
    〜0.5重量%,Zr:0.01〜0.2重量%,M
    n:0.02〜0.5重量%及びCr:0.01〜0.
    3重量%のうちの何れか1種又は2種以上を含有し、P
    /Caの重量比が1.0以下の条件でP含有量を0.0
    01重量%以下に規制し、残部がAlからなり、鋳造組
    織に含まれる共晶Siの大きさが平均長さで20μm以
    下であることを特徴とする鍛造用アルミニウム合金。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の組成をもつアルミ
    ニウム合金溶湯を溶製し、デンドライトアームスペーシ
    ングが60μm以下となるように、前記溶湯を鋳造する
    際に冷却速度0.5℃/秒以上で凝固させることを特徴
    とする鍛造用アルミニウム合金の鋳造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の組成をもつアルミ
    ニウム合金溶湯を溶製し、該溶湯を鋳造して得た鋳塊を
    450℃以上の温度での昇温速度が50℃/時間以下と
    なる加熱条件で500〜550℃の温度領域に加熱し、
    該温度領域に1〜24時間保持することを特徴とする鍛
    造用アルミニウム合金の均質化熱処理方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載のアルミニ
    ウム合金を鍛造した後、540〜550℃に0.5〜2
    時間加熱し、水冷し、6時間以内に140〜180℃に
    2〜20時間加熱する戻し処理を施し、次いで室温まで
    空冷することを特徴とする鍛造品の熱処理方法。
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