JP2754257B2 - 走行式型枠支保工 - Google Patents

走行式型枠支保工

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JP2754257B2 JP1243941A JP24394189A JP2754257B2 JP 2754257 B2 JP2754257 B2 JP 2754257B2 JP 1243941 A JP1243941 A JP 1243941A JP 24394189 A JP24394189 A JP 24394189A JP 2754257 B2 JP2754257 B2 JP 2754257B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ボックスカルバートの内型枠等の支持と移
動を行うための走行式型枠支保工に関するものである。
(従来の技術) 地下道や坑道等の各種カルバートや高架構造物等を構
築するにあたっては、各種の移動式内型枠装置が用いら
れ、施工の効率化が図られてきている。
この種装置としては、従来、例えば特公昭63−51236
号公報に示されているように、脚車を取付けた支持枠体
(台車)に内型枠を支持し、内型枠の走行移動と型枠の
整形、脱形を行えるようにしたものが用いられている。
(発明が解決しようとする課題) ところで、上記の台車は、支持枠体の四隅の支柱に走
行脚車を取付けた構造のものであるが、この支持枠体
は、コンクリートの打設によって型枠にかかる大きな荷
重を支持することになるので、施工するカルバート等の
構造物が大形である場合は、四隅の支柱のほかに多くの
中柱を立てて各支柱に荷重の分散を図らなければならな
い。この場合、各支柱には走行移動時と大荷重支持時と
に状態を簡易に切換えるための手段を施すことが必要と
なってくる。
その手段としては、各支柱の荷重支持時には支柱と床
面との間にキャンバーやクサビを挿入してやるとか、或
は従来の仮設支柱のように下端にネジジャッキを設ける
等が一般的に行われているが、しかし、それら従来の手
段では、走行移動時と荷重支持時との切換え操作が面倒
であると共に、特に大荷重を受けた状態にある支柱の床
面からの解放のためのクサビの取り外しやネジジャッキ
のゆるめを行う操作は困難であって、そのために、多く
の人手と時間とを要することになって、移動型枠装置を
使用することの利点が減殺されることになる、といった
問題がある。
また、この種装置は、床面上に施設されたレールに沿
って施工位置まで移動し、型枠のセットをするが、この
場合、型枠の長さ方向の位置決めはレール上の移動位置
の調節で簡単にできることになるが、型枠の巾方向の位
置はレールの施設位置によって拘束されるため、レール
の施設には正確さが要求され、施設に多くの時間がかか
ることになる。そして、装置搬入後レールの施設に狂い
があることがわかった場合には、レールの手直しに多く
の手間と時間とを要することになり、作業能率を一層低
下させるということになる。
本発明は、上記の問題を解決して、各支柱の走行移動
時と荷重支持時との状態の切換え操作及び支柱の荷重解
除を多くの人手を要することなく簡易に行えるようにす
ると共に、レールの施設が不正確であったり、レールの
施設に狂いが生じた場合でも、型枠の巾方向への位置の
調節を容易に行えるようにし、施工能率及び経済性の向
上を図ることのできる、移動式型枠支保工を提供しよう
とするものである。
(課題を解決するための手段) 上記の目的を達成するための本発明の構成について、
実施例に対応する図面を参照して説明すると、本発明は
縦横に配列した支柱2,2,3,3を横枠材4,4で結合して四角
形状の箱枠体1を形成し、上記各支柱2,3の下端部に
は、下端に座体13を設けたネジ杆14を一端部に昇降自在
に螺着した梃子杆8を水平軸10回りに傾動自在に取付け
た梃子装置6を設け、また、上記支柱の中の各隅柱2,2
には、車輪20,20を昇降調節自在にかつ方向転換自在に
設けた脚車装置16を装着したことを特徴とするものであ
る。
(実施例) 以下、本発明支保工の実施例について、図面を参照し
て説明する。
図において、1は支保工の枠組みを形成する箱枠体
で、隅柱2,2及び中柱3,3を縦横に配列し、それら各柱2,
2,3,3を互に水平方向の横枠材4,4により結合して平面及
び側面が四角形の枠状となるように形成されており、縦
列した支柱の上端には、型枠を載設するための縦桁5,5
が結合されている。
上記箱枠体1の構成部材である隅柱2及び中柱3の各
支柱の下端には、それぞれ梃子装置6が設けられてい
る。この装置は第7図、第8図にも拡大図で示すよう
に、支柱2,3の下端に着脱自在に設けられた取付部材7
に、横長の枠状に形成された梃子杆8が、その長さ方向
の中心より一端部寄りの個所において、水平軸10により
傾動自在に枢着された構造となっている。そして、この
梃子杆8には、その水平軸による枢着個所より短い方の
杆部8aの下面に座板9が設けられ、また、長い方の杆部
8bの先端部内には、上下方向のネジ孔11aを螺設した駒
部材11が杆部8bを横断する方向の水平ピン12,12により
回動自在に設けられており、この駒部材11のネジ孔11a
には、下端に台型に形成した座体13を回動自在に設けた
ネジ杆14が螺合され、ネジ杆14を回転させることにより
ネジ杆14が昇降し、したがって座体13の位置が上下に移
動できるようになっている。
各支柱2,3はコンクリートの打設にあたって、上記梃
子装置6を介して床面に接し、その荷重を受けることに
なる。この場合、図示のように、梃子杆8の短い杆部8a
の座板9と長い杆部8bに設けた座体13の各下面と床面と
の間に当座15,15を介挿する。そして、梃子杆8の端部
にあるネジ杆14を回転させれば梃子杆8が傾動して水平
軸10を介して支柱2,3の上下位置が調節、設定できるこ
とになるのである。
四隅にある隅柱2,2には箱枠体1を走行移動させるた
めの脚車装置16,16が装着されている。この脚車装置16
は第9図、第10図にも拡大図で示すように、脚筒17に油
圧式やネジ式等の調節ジャッキ18によって昇降調節自在
に設けた脚柱19の下端部に車輪20,20を設けた台車21
が、ボルト・ナット22,22等により着脱自在に取付けら
れ、その取付位置の変更により、車輪20,20が施工構造
物の長手方向即ち箱枠体1の長手方向に転動する第9図
のような位置から、それに直角な方向即ち施工構造物の
巾方向に転動する第10図のような位置まで転換できるよ
うになっており、隅柱2にブラケット23,23を介して装
着されている。
本発明の走行式型枠支保工は上述のように構成されて
おり、施工する構造物内の基礎コンクリートの床面に敷
設された一対のレール24,24に脚車装置16,16の車輪20,2
0を介して載置され、施工構造物の長手方向に走行移動
されることになる。そして、箱枠体1の縦桁5,5上には
スラブ型枠23が載設されると共に、スラブ型枠25の両端
には側壁型枠26,26が伸縮装置27,27により傾動調節自在
に枢着28,28されて、カルバート等の移動内型枠装置が
構成されることになるのである。
本発明支保工を移動させる際は、第3図、第4図に示
すように、脚車装置16のジャッキ18を伸長し、隅柱2,2
を介して架体1全体を持ち上げて各支柱2,3の下端を浮
かせ、梃子装置6の下に介挿した当座15,15を取除き、
型枠を載設した支保工を脚車装置16,16に支持させてレ
ール24,24上を押進、走行させ、支保工を所定の施工位
置に移動させる。その際、支保工に載設した型枠の施工
構造物の巾方向における位置が所定の状態よりずれてい
るときには、各隅柱2,2の梃子装置6,6の梃子杆8,8の両
端部の下に当座15,15を挿入して、ネジ杆14を回転し座
板9と座体13とをそれぞれ当座15,15に圧接させて、支
保工の重量を隅柱2,2で支持させる。そして、各脚車装
置16のジャッキ18を縮め、ボルト・ナット22,22を外し
て台車21の方向を第9図の状態から第10図の状態へと90
度転換して再びボルト・ナット22,22により固定すると
共に、脚車装置16の下方に位置するレール24の両側に、
レール24と直交する方向の横移動用の短いレール29,29
を施設した後、脚車装置16,16のジャッキ18を伸し車輪2
0,20をレール29,29に載せて、脚車装置16,16により支保
工を支持させ、車輪20,20を介して支保工をレール29,29
上で移動させ、施工構造物の巾方向に対する支保工の位
置調節を行うようにする(第5図、第6図参照)。
このようにして、支保工即ちこれに載設の型枠の位置
を決定した後は、脚車装置16,16のジャッキ18の操作に
より箱枠体1の高さを調節してスラブ型枠25を所定の高
さ位置に設定し、各支柱2,3の梃子装置16,16の下に当座
15,15を挿入し、ネジ杆14を回転して梃子杆8,8を傾動調
節し、座板9と座体13とをそれぞれ当座15,15に圧接さ
せ、続いて各脚車装置16のジャッキ18を縮めて車輪22,2
2を上昇させる。それによって、各脚車装置16はレール2
4,24より浮き上り、支保工の各支柱2,3はそれぞれ梃子
装置6及び当座15,15を介して床面に直接支持されるこ
とになる。その状態でコンクリートが打設され、それに
ともなう鉛直方向の荷重は各支柱2,3分担されることに
なるのである。
打設したコンクリートの硬化後は、型枠を剥離して次
の施工場所へ移動させるのであるが、それには、脚車装
置16の台車21の方向を第9図のような状態に変換させて
おいて、各支柱2,3における梃子装置6のネジ杆14を回
転させ、梃子杆8を第7図の鎖線で示すように傾動させ
れば、各支柱2,3が下降し、箱枠体1の高さが下り型枠2
3がコンクリートより剥離されることになる。この場
合、各支柱2,3には打設したコンクリートによる大きな
荷重がかかっているので、従来の下端にネジジャッキを
設けた支柱では、ジャッキの回転操作が非常に困難であ
るが、本発明で上記のように、回転させるネジ杆14は梃
子を応用していることにより、簡易に操作できることに
なる。なお、側壁型枠26の方は伸縮装置27を縮めること
によって内方に傾動されてコンクリートより剥離される
ことになる。
コンクリートより型枠を剥離した後は、各脚車装置16
のジャッキ18を伸して車輪20,20をレール24,24上に載
せ、脚車装置16,16に支保工及び型枠の重量をかけるよ
うにして、各支柱2,3の下に介挿した当座15,15を取除
き、再びレール24,24上を次のコンクリート施工場所に
向けて走行移動させる。以下上記の作業を繰返して施工
を進めて行くのである。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明の型枠支保工は、縦横に
配列した支柱を横枠材で結合して四角形状の箱枠体を形
成し、上記各支柱の下端部には、下端に座体を設けたネ
ジ杆を一端部に昇降自在に螺着した梃子杆を水平軸回り
に傾動自在に取付けた梃子装置を設け、また、上記支柱
の中の各隅柱には、車輪を昇降調節自在かつ方向転換自
在に設けた脚車装置を装着した構成のものであるから、
次のような優れた効果を奏するものである。
(1)箱枠体の各支柱の下端部に梃子装置を設けると共
に、四隅の支柱には昇降自在の脚車装置を設けたので、
支保工の走行移動が円滑にできると共に、コンクリート
打設時にはその大きな荷重を各支柱に分担して受けさせ
ることができることになり、全体として支保工の軽量化
が図れる。
(2)走行移動とコンクリート打設時との切換え操作が
容易にできる。
(3)各支柱の受けたコンクリート打設による荷重の解
除を行うネジ杆の操作が、梃子を応用したことにより、
軽易にでき、作業能率が大巾に向上できる。
(4)脚車装置は車輪の方向転換が自在としてあるの
で、施工構造物の巾方向に対する支保工の移動調節が容
易にでき、したがって、レールの施設を精度よく行わな
くてもすむと共に、レールの施設に狂いが生じてもその
修正作業をしないでもすむことにより、レール施設にと
もなう作業が容易で能率よくできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す正面図、第2図は同側
面図、第3図は走行移動時の状態を示す要部正面図、第
4図は同側面図、第5図は脚車装置の車輪を方向転換し
た状態を示す要部正面図、第6図は同側面図、第7図は
梃子装置の拡大正面図、第8図は第7図のA−A断面
図、第9図は脚車装置を示す拡大側面図、第10図は同車
輪を方向転換したところを示す図である。 1……箱枠体、2……隅柱、3……中柱 4……横枠材、5……縦桁、6……梃子装置 8……梃子杆、10……水平軸 11……駒部材、12……ピン 13……座体、14……ネジ杆、15……当座 16……脚車装置、17……脚筒 18……ジャッキ、19……脚柱 20……車輪、21……台車 24,29……レール

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】縦横に配列した支柱を横枠材で結合して四
    角形状の箱枠体を形成し、上記各支柱の下端部には、下
    端に座体を設けたネジ杆を一端部に昇降自在に螺着した
    梃子杆を水平軸回りに傾動自在に取付けた梃子装置を設
    け、また、上記支柱の中の各隅柱には、車輪を昇降調節
    自在にかつ方向転換自在に設けた脚車装置を装着したこ
    とを特徴とする、走行式型枠支保工。
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