JP2745184B2 - 管路を補修する方法及び装置 - Google Patents

管路を補修する方法及び装置

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JP2745184B2
JP2745184B2 JP5106112A JP10611293A JP2745184B2 JP 2745184 B2 JP2745184 B2 JP 2745184B2 JP 5106112 A JP5106112 A JP 5106112A JP 10611293 A JP10611293 A JP 10611293A JP 2745184 B2 JP2745184 B2 JP 2745184B2
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sheet
pipe
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tubular
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隆善 井本
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Ashimori Engineering Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、下水道管などの主とし
て地中に埋設された管路を補修するための方法、装置及
び補修材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来一般に地中に埋設された管路に損傷
部や継手部があると、そこから流体が漏出したり外部の
地下水が浸入したりすることがある。従ってそれを防止
するために、それらの損傷部や継手部を補修することが
行われる。
【0003】一般にそれらの管路を補修する場合には、
その管路内に筒状の内張り材を挿通し、その内張り材を
管路内面に沿わせた状態で硬化させ、長尺の管路全体に
内張りして補修することが行われていた。
【0004】特に下水道管に対する補修方法して、硬化
性樹脂液に高強度繊維を分散させ、その硬化性樹脂液を
増粘させてなるシート材を主体とするシート状物を、筒
状に丸めて両側縁をずれ可能に重ね合わせて筒状シート
状物となし、当該筒状シート状物で内張りして補修する
方法が知られている。
【0005】すなわち、前記筒状シート状物を管路に挿
通して内圧をかけ、前記重ね合わせ部をずらせることに
より筒状シート状物を拡張して管路内面に密着させ、次
いで筒状シート状物内に加圧水蒸気を送入して加熱し、
前記硬化性樹脂液を硬化させるものであって、管路の内
側に硬化した筒状シート状物よりなる剛直なFRP製の
管を形成して内張りするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこの方法
は、長尺の管路の全長に亙って内張りを施すための方法
であるが、管路に局部的に損傷があるような場合には、
その局部的な損傷を補修するために長尺の管路全体に内
張りを施すことは不経済であり、その損傷部のみを補修
することが好ましい。
【0007】とは言え管路の損傷部などに局部的な内張
りを施す場合には、内張り部分が短いために、管路の全
長に亙って内張りする場合とは違った、別個の問題が生
じるのである。
【0008】例えば下水道管に前述の方法により内張り
を施す場合について言えば、内張りは管路の内側に剛直
な管を形成することにより行われるが、その新たに形成
された管は管路内面に一体に接着するとは限らず、管外
面と管路内面との間に間隙が生じ、管路の損傷部などか
ら地下水が浸入して、前記間隙を通じて管路内に浸入す
ることがある。
【0009】長尺の管路の全長に亙って内張りした場合
であれば、地下水は狭い間隙を伝って長い距離を浸入す
ることになるため、浸入水の量は殆ど問題となることは
ないが、局部的に内張りを施した場合には損傷部と内張
りの端末との距離が短いために地下水の浸入を阻止する
ことができず、大量の地下水が下水に混入することが避
けられない。
【0010】また工事の施工に当っても、損傷部から地
下水が浸入している状態の下で工事を行わねばならない
ケースが少くなく、損傷部付近の浸入水が大量にある状
態で工事を行わねばならない。そのため、硬化性樹脂液
が水に触れて硬化反応が阻害されたり、また水の冷却作
用により硬化性樹脂液が十分に加熱されず、硬化に長時
間を要することが多い。
【0011】本発明はかかる事情に鑑みなされたもので
あって、特に下水道管などの管路の損傷部を局部的に補
修し、損傷部からの地下水の浸入を有効に阻止すること
を目的とするものである。
【0012】
【課題を解決する手段】而して本発明の装置は、紫外線
透過性を有する筒体と、当該筒体の外面に嵌合された筒
状の金網と、前記筒体の両端に取付けられて当該筒体を
管路の内面に支持しつつ管路に沿って移動し得る支持部
材と、前記筒体の両端部の外側に形成された、拡張チュ
ーブを止着する取付けリングと、前記筒体と取付けリン
グとの間に圧力流体を送入する加圧手段と、前記筒体内
に配置された紫外線照射灯と、前記筒体内に空気を流通
させて前記紫外線照射灯を冷却する冷却手段とよりなる
ことを特徴とするものである。
【0013】また本発明の方法は、前記装置の前記筒体
の外方に、紫外線透過性を有する柔軟な拡張チューブを
嵌合し、当該拡張チューブの両端を前記取付けリングに
止着し、その拡張チューブを膨ませた状態でその外周
に、紫外線硬化性樹脂液に高強度繊維を分散させ、その
紫外線硬化性樹脂液を増粘させてなるシート材を主体と
した、管路の内周長よりやゝ大きい幅を有するシート状
物を巻き付け、当該シート状物の両側縁をずれ可能に重
ね合わせて管路の内径より僅かに小さい径を有する筒状
シート状物を形成し、前記拡張チューブ内の圧力流体を
抜いて拡張チューブを縮径し、前記筒状シート状物及び
その内側に配置された拡張チューブを部分的にその長さ
方向に折畳んで張出し部を形成し、その張出し部を中央
部の外周に重ねて取付けリングの径とほゞ同程度の筒状
に形成した状態において、装置を管路内を移動させて管
路の損傷部に搬送し、当該損傷部において前記加圧手段
により前記筒体と拡張チューブとの間に圧力流体を送入
し、拡張チューブを膨ませて筒状シート状物を拡張し、
当該筒状シート状物を損傷部の管路内面に圧接しつつ、
紫外線照射灯を点灯し、筒状シート状物に紫外線を照射
してシート材を硬化させることを特徴とするものであ
る。
【0014】本発明の方法においては、前記筒状シート
状物の両端部外周に水を吸収して膨脹する材料よりなる
環状シール材を嵌合することが好ましい。また前記シー
ト材の内面又は外面の少なくとも一方に、織布を貼着し
ていることが好ましい。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【実施例】以下本発明を図面に従って説明する。
【0026】図1は、本発明の装置の一実施例を示すも
のである。1,2は支持部材であって、当該支持部材
1,2の間には、石英ガラスなどの紫外線透過性を有す
る材料よりなる筒体3が介装されており、該筒体3の外
周には目の粗い金網29が嵌合されている。そして両支
持部材1,2は連結ロッド4により、互いに連結されて
いる。
【0027】各支持部材1,2には複数の脚体5が回動
自在に取付けられ、ばね手段6により外方に開くように
付勢されており、各脚体5にはそれぞれ管路7の内面に
当接する転輪8が取付けられている。
【0028】そして各支持部材1,2の外周には、後述
する拡張チューブ19の端末を取付けるための、環状の
取付けリング10が形成されている。
【0029】また後部の支持部材1には紫外線照射灯1
1のソケット12が取付けられており、当該ソケット1
2に取付けられた紫外線照射灯11は、前記筒体3内に
配置されている。
【0030】前記ソケット12の支持部材1に対する取
付け部には透孔13が穿設されており、またソケット1
2の後部には冷却ファン14が取付けられていて、当該
冷却ファン14により前記透孔13を通して筒体3内に
空気を流通させ、前記紫外線照射灯11を冷却するよう
になっている。
【0031】15は加圧手段としての送気管であって、
支持部材1における筒体3と取付けリング10との間に
圧縮空気を送入するようになっている。
【0032】また16はコネクター17を介して後部支
持部材1に取付けられたケーブルであって、そのケーブ
ル16内には前記送気管15並びに、紫外線照射灯11
及び冷却ファン14に電力を供給するための電線が通っ
ており、そのケーブル16は管路7内を通ってその端末
は管路7外に通じている。
【0033】18は前部の支持部材2に取付けられた遮
蔽板であって、水などが筒体3内に浸入するのを防止し
ている。
【0034】図1において、前記筒体3の外方には筒状
の拡張チューブ19が嵌合され、その両端は支持部材
1,2の取付けリング10,10に止着されており、そ
の外側には後述する筒状シート状物21が嵌合されてい
る。
【0035】なお図1における拡張チューブ19は、図
面の下半部においては装置の取付けリング10に取付け
た状態を示し、上半部においては拡張チューブ19と筒
体3との間に圧縮空気を送入して拡張チューブ19が膨
まされ、管路7内面に圧接した状態を示している。
【0036】図3は本発明の補修材9を示すものであ
る。この補修材9において20はシート状物であって、
紫外線硬化性樹脂液にガラス繊維などの高強度繊維を分
散させ、その紫外線硬化性樹脂液を増粘させてなるシー
ト材22を主体とするものであって、管路7の内周長よ
りやゝ大きい幅を有している。
【0037】シート状物20はシート材22のみよりな
るものであってもよいが、シート材22の内面又は外面
の少くとも一方に、織布23を貼着したものを使用する
のが好ましい。
【0038】シート材22は樹脂液に繊維を分散させて
増粘しただけのものであって、硬化しない状態において
は強度が小さく、筒状シート状物21の径を拡張する際
に過度に伸びたり破断したりする可能性があるが、筒状
シート状物21の外面に織布23を貼着することにより
補強され、径を拡張する際に過度に伸びたり破断したり
することが防止される。
【0039】また筒状シート状物21を拡張するとき
に、当該筒状シート状物21とその内側の拡張チューブ
19との間に空気が封入され、硬化後の内面があばた状
となることがあるが、筒状シート状物21の内面に織布
23を貼着することにより、封入された空気が織布23
の繊維を伝って逃げるため、筒状シート状物21の内面
が平滑になり、あばた状となることはない。
【0040】而してこの筒状シート状物21は、紫外線
不透過性の袋体25に封入されて補修材9を構成し、そ
のまま補修工事に供される。
【0041】図4は本発明の補修材9の他の実施例であ
って、前記シート状物20を丸めて両側縁をずれ可能に
重ね合わせて筒状となし、筒状シート状物21を形成し
たものである。
【0042】そしてその筒状シート状物21の内側に
は、紫外線透過性を有するプラスチックよりなる、柔軟
な拡張チューブ19が挿通されており、また前記筒状シ
ート状物21の両端部には、それぞれ環状のシール材2
4が嵌合されている。そしてその状態で袋体25内に封
入されている。
【0043】前記シール材24は、水を吸収して膨脹
し、体積を大巾に増大すると共に、その変形を外部から
拘束することにより圧力を発生する性質を有する材料が
使用される。かかる材料としては、水膨潤性ゴム又は水
膨脹性ゴムとして各種のものが市販されており、それら
のうちから適当な性能のものを選択して使用することが
できる。
【0044】これらの材料の一例を挙げれば、結晶性の
ジエン系ゴムに、高吸水性樹脂を配合したものが知られ
ている。結晶性のジエン系ゴムとしては、例えばクロロ
プレンゴムとスチレン−ジエンランダム共重合ゴムとの
ブレンド物が使用され、また高吸水性樹脂としては、ポ
リアクリル酸塩の架橋化物、イソブチレン−無水マレイ
ン酸共重合体塩の架橋化物、ポリビニルアルコール・ア
クリル酸共重合体塩の架橋化物などを挙げることができ
る。
【0045】前記補修材9においては、拡張チューブ1
9の外側にシート状物20を巻回することにより筒状シ
ート状物21が形成されており、前記拡張チューブ19
は筒状シート状物21よりやゝ長く、その両端部は筒状
シート状物21の両端からそれぞれ突出せしめられてい
る。
【0046】次に本発明の装置を使用し、本発明の補修
材9を使用して管路7の損傷部26を補修する具体的方
法について説明する。
【0047】先ず図3に示される補修材9を使用して補
修する方法について説明する。この場合には、別に用意
された拡張チューブ19を装置の筒体3の外側に嵌合
し、当該拡張チューブ19の両端部を支持部材1,2の
取付けリング10に被せ、金属バンド28で気密に止着
する。この状態において補修材9と筒体3との間の空所
は、気密に密閉される。
【0048】そして前記補修材9の袋体25からシート
状物21を取出し、これを拡張チューブ19の外側に巻
き付け、その両側縁をずれ可能に重ね合わせて筒状シー
ト状物21を形成する。
【0049】このとき拡張チューブ19として内圧で膨
脹し得るチューブを使用し、取付けリング10の直径に
ほゞ等しい径の拡張チューブ19を取付け、その外周に
筒状シート状物21を巻き付けると共に、その筒状シー
ト状物21の両側縁をずれ可能に大きく重ね合わせてお
く。
【0050】この状態で装置を管路7の端末から管路7
内に挿入し、前方から牽引索などで牽引して、管路7内
を進行させる。
【0051】このとき脚体5は支持部材1,2から外方
に付勢されて管路7内面に当接し、装置を管路7のほゞ
中心位置に保持すると共に、転輪8が転動することによ
り管路7内を進行することができる。
【0052】そして装置を管路7の損傷部26に到達せ
しめ、筒状シート状物21に嵌合したシール材24が損
傷部26の前後を挾む位置に配置する。この状態が図1
の下半部及び図2(a)に示されている。
【0053】次いで管路7外から、ケーブル16及び送
気管15を通して、筒体3と筒状シート状物21との間
の空所27内に圧縮空気などの圧力流体を送入する。こ
れにより拡張チューブ19は、内圧により膨脹せしめら
れ、その外側に巻回された筒状シート状物21は、シー
ト状物20の重ね合わせ部が互いにずれ合うことにより
拡張し、さらに筒状シート状物21の外側に嵌合された
シール材24も径を拡張する。
【0054】そして図1の上半部及び図2(b)に示さ
れるように、筒状シート状物21は管路7の内面に圧接
され、シール材24は損傷部26の前後を挾んだ位置に
おいて、筒状シート状物21外面と管路7内面との間に
挟持される。
【0055】この状態で紫外線照射灯11を点灯して紫
外線を照射すると、その紫外線は筒体3及び拡張チュー
ブ19を透過してシート状物20に照射され、シート材
22中の紫外線硬化性樹脂が硬化する。
【0056】また冷却ファン14を作動させて筒体3内
に空気を通し、紫外線照射により発熱した紫外線照射灯
11を空冷して、拡張チューブ19や筒状シート状物2
1が過熱されるのを防止する。
【0057】筒状シート状物21が十分に硬化したなら
ば、紫外線照射灯11への通電を停止し、空所27内を
減圧して拡張チューブ19を硬化した筒状シート状物2
1の内面から剥がし、装置を管路7外に取出す。
【0058】これによって管路7の損傷部26が補修材
9によって補修され、内部流体の漏出や地下水の浸入が
防止される。
【0059】以上の説明においては、拡張チューブ19
として装置の取付けリング10の直径にほゞ等しい径を
有する、内圧によって膨脹可能のチューブを使用すると
共に、筒状シート状物21もシート状物20を拡張チュ
ーブ19の外側にほゞぴったりと巻き付けられており、
流体圧力により拡張チューブ19の径を拡張し、筒状シ
ート状物21もその両側縁がずれることにより径を拡張
させて、管路7の内面に密着させている。
【0060】しかしながらこの方法では、筒状シート状
物21の重ね合わせ部がずれるときに全体に均一にずれ
ることができず、部分的に剥がれて捲れ上り、管路7内
面に適切に密着し得ないことがある。
【0061】このような場合には、拡張チューブ19と
して管路7の内径よりやゝ小さい径のチューブを使用
し、これを送気管15から筒体3と拡張チューブ19と
の間に圧力流体を送入して膨ませておき、その外周に筒
状シート状物21を巻き付けてその両側縁をずれ可能に
重ね合わせ、管路7の内径より僅かに小さい外径の筒状
シート状物21を形成するのが好ましい。
【0062】この場合には、拡張チューブ19は装置の
取付けリング10より径が大きいので、拡張チューブ1
9の端末の径を縮小して取付けリング10に取付けるこ
とが必要であり、拡張チューブ19の端末の周方向の数
箇所において折畳み、拡張チューブ19を縮径すること
が好ましい。
【0063】また装置を管路7の損傷部26の位置に搬
送するまでは、筒状シート状物21も管路7内径より十
分小さく縮径しておく必要があるので、図5に示すよう
に、当該筒状シート状物21を拡張チューブ19と共に
部分的にその長さ方向に折畳んで、側方に張出し部30
を形成し、その張出し部30を中央部31の外周に重ね
て、取付けリング10の径にほゞ同程度にまで縮径した
円筒状に形成するのが好ましい。
【0064】この状態で装置を損傷部26の位置まで搬
送し、拡張チューブ19の内側に流体圧力を送入して加
圧すると、拡張チューブ19及び筒状シート状物21は
先ず折畳んだ状態から断面円形にまで膨み、次いで筒状
シート状物21の外径と管路7の内径との僅かな径の差
の分は筒状シート状物21の重ね合わせ部がずれること
により拡張して、管路7内面に密着する。
【0065】図4の補修材9を使用する場合には、補修
材9においてシート状物20が筒状に丸められて筒状シ
ート状物21を形成しており、その内側に拡張チューブ
19を有しているので、拡張チューブ19を挿通した筒
状シート状物21を袋体25から取出し、これを直接装
置に嵌合し、拡張チューブ19の両端部を支持部材1,
2の取付けリング10に被せ、気密に止着する。
【0066】それ以後は図3の補修材9を使用した場合
について説明したと同様に、装置を管路7の損傷部26
に搬送し、そこで流体圧力で拡張チューブ19を膨ませ
て筒状シート状物21を管路7内面に圧接せしめ、紫外
線照射灯11で紫外線を照射してシート材22を硬化さ
せる。
【0067】またこの場合においても、拡張チューブ1
9が取付けリング10とほゞ同程度の径を有し、その外
周にほゞ同形の筒状シート状物21を嵌合したものであ
ってもよいが、前述と同様に管路7の内径よりやゝ小さ
いものを使用し、前述と同様に縮径して取付けることが
好ましい。
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【作用】請求項1の発明においては、既に述べたよう
に、取付けリング10間に拡張チューブ19を取付け、
その外側に筒状シート状物21を嵌合した状態で、装置
を管路7の損傷部26にまで搬送することができ、拡張
チューブ19の内側に流体圧力を作用させることによ
り、筒状シート状物21を拡張し、管路7内面に密着さ
せ、紫外線照射灯11で筒状シート状物21に紫外線を
照射し、筒状シート状物21を構成するシート材22の
紫外線硬化性樹脂液を硬化させ、損傷部26を補修する
ことができる。
【0078】またこの発明においては、筒体3の外面に
金網29を嵌合しているので、筒状シート状物21を硬
化させた後拡張チューブ19内を減圧させて収縮させた
とき、紫外線照射灯11により加熱されて高温になった
筒体3に収縮した拡張チューブ19が接触して焼付き、
筒体3の透過性を低下させるのを防止することができ
る。
【0079】拡張チューブ19の焼付きを防止する目的
のみであれば、金網29を筒体3の表面より外方に離し
て設けるほうが好ましいが、金網29が紫外線照射灯1
1から離れると筒状シート状物21に金網29の影が映
り、硬化が部分的に不均一になり勝ちであるので好まし
くない。
【0080】さらに冷却手段としての冷却ファン14が
設けられているので、当該冷却ファン14で筒体3内に
強制的に空気を通し、紫外線照射により発熱した紫外線
照射灯11を冷却して、拡張チューブ19や筒状シート
状物21が過熱されるのを防止することができる。
【0081】また本発明の請求項2の発明の方法におい
ては、シート状物20が紫外線の照射により硬化するも
のであって、硬化のために加熱する必要がなく、速かに
硬化させることができると共に、紫外線硬化性樹脂液は
水により硬化反応を阻害されることがないので、損傷部
26から地下水が浸入するような状態の下においても、
樹脂液は確実に硬化することができる。
【0082】なお長尺の管路全体に対する内張り方法に
おいても、紫外線の照射により樹脂液を硬化させる方法
が知られているが、この場合には樹脂液を硬化させるた
めにはある程度の時間に亙って紫外線を照射する必要が
あるので、長尺の内張り材を全長に亙って硬化させるた
めには、それを管路内面に圧接した状態において、その
内張り材内を紫外線照射灯を極めてゆっくりと移動させ
る必要があり、内張り工事に極めて長時間を要する。
【0083】従って長尺の管路の場合には加熱硬化方式
による内張り方法に較べて作業効率が極端に悪いのであ
るが、本発明のように局部的な補修を行う場合には、当
該補修箇所のみにおいて紫外線照射灯を点灯すればよ
く、極めて短時間で効率良く補修を行うことができる。
【0084】また請求項3の発明の方法においては、管
路7内面において硬化した筒状シート状物21の両端部
において、筒状シート状物21外面と管路7内面との間
にシール材24が介装されるので、損傷部26から筒状
シート状物21と管路7との間を伝って地下水が浸入す
ることがあれば、その地下水がシール材24に吸収され
てシール材24を膨脹させる。
【0085】そして膨脹したシール材24の表面は軟化
し、筒状シート状物21及び管路7の表面に密着すると
共に、筒状シート状物21及び管路7によりシール材2
4の膨脹が変形拘束されて圧力が発生し、筒状シート状
物21及び管路7に対して強く圧着される。
【0086】従って膨脹したシール材24が筒状シート
状物21と管路7との間をシールし、それ以上地下水が
浸入するのを阻止すると共に、その地下水の水圧によっ
てシール材24が押し潰されることはなく、シール性を
持続する。
【0087】また請求項4の発明においては、シート材
22の外面に織布23が貼着されているので、筒状シー
ト状物21が重ね合わせ部においてずれて径を拡張する
際に、部分的に過度に伸びたり破断したりするのを防ぐ
ことができ、全体に亙って均一な厚みで管路7に密着す
ることができる。
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【発明の効果】本発明によれば、下水道管などにおいて
局部的に損傷部がある場合において、長尺の管路をその
全長に亙って内張りすることなく、損傷部のみを補修す
ることができ、損傷部からの流体の漏出や地下水の浸入
などを、有効に防止することができる。
【0093】また損傷部から地下水が浸入している状態
の下で補修工事を行う場合においても、第一の方法によ
れば紫外線硬化性樹脂液が水の存在下においても硬化が
可能であることにより、また請求項2の発明の方法によ
ればシール材24が水に触れて膨潤することにより、損
傷部26を補修することができ、管路内への地下水の流
入を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の装置の一実施例を示す中央縦断面図
【図2】 図1におけるII−II断面図であって、(a)
は装置を管路内に挿入した状態、(b)は補修材を拡張
した状態を示す。
【図3】 本発明の補修材の一実施例を示す断面図
【図4】 本発明の補修材の他の実施例を示す斜視図
【図5】 本発明の装置の他の実施例を示すII−II断面
【符号の説明】
1,2 支持部材 3 筒体 7 管路 9 補修材 10 取付けリング 11 紫外線照射灯 15 送気管 19 拡張チューブ 20 シート状物 21 筒状シート状物 22 シート材 23 織布 24 シール材 25 袋体 26 損傷部 29 金網 30 張出し部 31 中央部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−252529(JP,A) 特開 平3−177698(JP,A) 特開 昭60−501001(JP,A) 特開 昭62−25032(JP,A) 特開 昭61−143129(JP,A) 特開 平2−74321(JP,A) 実開 昭61−18828(JP,U) 特公 平3−24941(JP,B2)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外線透過性を有する筒体(3)と、当
    該筒体(3)の外面に嵌合された筒状の金網(29)
    と、前記筒体(3)の両端に取付けられて当該筒体
    (3)を管路(7)の内面に支持しつつ管路(7)に沿
    って移動し得る支持部材(1,2)と、前記筒体(3)
    の両端部の外側に形成された、拡張チューブ(19)を
    止着する取付けリング(10)と、前記筒体(3)と取
    付けリング(10)との間に圧力流体を送入する加圧手
    段(15)と、前記筒体(3)内に配置された紫外線照
    射灯(11)と、前記筒体(3)内に空気を流通させて
    前記紫外線照射灯(11)を冷却する冷却手段(14)
    とよりなることを特徴とする、管路を補修する装置
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の管路を補修する装置の
    前記筒体(3)の外方に、紫外線透過性を有する柔軟な
    拡張チューブ(19)を嵌合し、当該拡張チューブ(1
    9)の両端を前記取付けリング(10)に止着し、その
    拡張チューブ(19)を膨ませた状態でその外周に、紫
    外線硬化性樹脂液に高強度繊維を分散させ、その紫外線
    硬化性樹脂液を増粘させてなるシート材(22)を主体
    とした、管路(7)の内周長よりやゝ大きい幅を有する
    シート状物(20)を巻き付け、当該シート状物(2
    0)の両側縁をずれ可能に重ね合わせて管路(7)の内
    径より僅かに小さい径を有する筒状シート状物(21)
    を形成し、前記拡張チューブ(19)内の圧力流体を抜
    いて拡張チューブ(19)を縮径し、前記筒状シート状
    物(21)及びその内側に配置された拡張チューブ(1
    9)を部分的にその長さ方向に折畳んで張出し部(3
    0)を形成し、その張出し部(30)を中央部の外周に
    重ねて取付けリング(10)の径とほゞ同程度の筒状に
    形成した状態において、装置を管路(7)内を移動させ
    て管路(7)の損傷部(26)に搬送し、当該損傷部
    (26)において前記加圧手段(15)により前記筒体
    (3)と拡張チューブ(19)との間に圧力流体を送入
    し、拡張チューブ(19)を膨ませて筒状シート状物
    (21)を拡張し、当該筒状シート状物(21)を損傷
    部(26)の管路(7)内面に圧接しつつ、紫外線照射
    灯(11)を点灯し、筒状シート状物(21)に紫外線
    を照射してシート材(22)を硬化させることを特徴と
    する、管路を補修する方法
  3. 【請求項3】 前記筒状シート状物(21)の両端部外
    周に水を吸収して膨脹する材料よりなる環状シール材
    (24)を嵌合することを特徴とする、請求項2に記載
    の管路を補修する方法
  4. 【請求項4】 前記シート材(22)の内面又は外面の
    少なくとも一方に、織布(23)を貼着していることを
    特徴とする、請求項2に記載の管路を補修する方法
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