JP2744925B2 - 生分解性高分子量脂肪族ポリエステルカーボネート共重合体及びその製造方法 - Google Patents

生分解性高分子量脂肪族ポリエステルカーボネート共重合体及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は生分解性高分子量脂肪族
ポリエステルカーボネート共重合体及びその製造方法に
関し、さらに詳しく言えば成形加工可能な実用物性を有
し、土中や水中の微生物等により分解する生分解性脂肪
族ポリエステルカーボネート共重合体及びその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチックの特徴は、軽くて、丈夫で
あることや、分解しにくい等の性質にある。特に汎用プ
ラスチックは、工業的に大量生産され、日常生活や産業
分野で広く利用され、その使用量が著しく増加してい
る。多くのプラスチックは自然環境中で分解されないた
め、近年プラスチックの廃棄による環境破壊が問題とさ
れるようになって来た。そのため環境中で微生物によっ
て分解する生分解性を有するポリマーの開発が求められ
ている。最近、生分解性脂肪族ポリエステルとして有望
なものがいくつか開発されているがそれぞれ下記に示す
ような問題点がある。ポリヒドロキシブチレート(PH
B)を代表とする微生物産生の種々の脂肪族ポリエステ
ルが開発されているが、現段階では生産性が低く、コス
ト高であり、医用材料として研究されている。またPH
Bは融点と熱分解温度との温度差が小さく、成形加工時
の熱分解が問題となる。ポリカプロラクトンは、工業化
されている数少ない脂肪族ポリエステルであり、生分解
性を有するポリマーであるが、融点が60℃と低いため
耐熱性に問題があり、用途が限定されている。ポリラク
チド類は生体吸収性材料として医用分野で用いられてい
るが、高価であり、その製造工程も複雑である。
【0003】α,ω−脂肪族ジオールと、α,ω−脂肪
族ジカルボン酸との重縮合によって製造される脂肪族ポ
リエステルはカローザスらを始めとして数多くのポリマ
ーの合成研究が報告されてきた(ジャーナル オブ ア
メリカン ケミカル ソサイアティ、51巻2560ペ
ージ、(1929)、54巻1559ページ(193
2)、ディー マクロモレキュール ケミー、5巻、5
ページ、(1950))。しかし、脂肪族ポリエステル
の合成においては次のような問題点がある。脂肪族ポリ
エステルは、脂肪族ジカルボン酸と過剰のジオールを出
発原料として脱水縮合反応及び脱ジオール反応によって
合成される。そのため脱水反応や脱ジオール反応によっ
て生成する水やジオールを反応系内から効率よく取り除
かないと反応が平衡となり分子量が向上しない。また重
縮合反応を進めるために触媒量を多く用いたり、高温下
で反応を行うと、ポリマーの熱分解反応が起こるため分
子量低下のみならず、副反応が引き起こされ、着色や架
橋等の原因となり、ポリマーの性能を低下させてしま
う。このようなことからこれまで6,000程度の分子
量のものしか得られず、繊維やフィルムとして加工する
には十分ではなかった。これらの脂肪族ポリエステルの
分子量を向上させるために、ヘキサメチレンジイソシア
ネートなどのジイソシアネート類で連結させることが報
告されている(ポリマー ジャーナル,2巻、387
頁、1971 及び特開平4−189822)。しか
し、これらの連結剤を用いる方法はプレポリマーの分子
量を揃える必要があること、重合反応途中で連結剤を添
加しなければならない等、操作が煩雑である。また、ポ
リマー鎖中にエステル結合以外のウレタン結合を有する
こと、さらにポリマーの物性として着色やミクロゲルの
生成が見られること等から問題である。
【0004】このように重縮合法による脂肪族ポリエス
テルには合成法や物性に上記のような問題点があるため
に、脂肪族ポリエステルは高分子量化合物(ポリマー)
として用いられるよりも、低分子量化合物(オリゴマ
ー)や両末端に水酸基などの官能基を有する反応性オリ
ゴマーとして、可塑剤、潤活油等の添加剤に、塗料や接
着剤等のベースレジンとして広く用いられて来た。その
ため工業的には、ポリエチレンテレフタレートやポリブ
チレンテレフタレート等の芳香族ポリエステルの研究と
は対照的に、脂肪族ポリエステルの高分子量化に関する
研究はほとんど検討されておらず、さらに、脂肪族ポリ
エステルカーボネートの高分子量化についての報告は見
あたらない。
【0005】一方、ポリマーの生分解性評価について
は、これまでにいくつかの研究がなされている。脂肪族
ポリエステル、特に脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオー
ルから重縮合によって誘導される低分子量の脂肪族ポリ
エステル、たとえばポリエチレンアジペート、ポリブチ
レンアジペート等のカビによる分解(ジャーナル オブ
ファーメンタル テクノロジー 52巻393ページ
(1974))や、酵素による分解(ポリマー サイエ
ンス テクノロジー,3巻61頁(1973)、アグリ
カルチャー アンド バイオロジカル ケミストリー
41巻265頁(1977)、42巻1071頁(19
78))等微生物分解に関する報告があり、生分解性を
有するポリマーとして注目されている。しかし高分子量
のポリマーの生分解性についての報告は見られない。さ
らに脂肪族ポリエステルカーボネート共重合体の生分解
性についての報告も見あたらない。実用的な面から言え
ば、生分解性を制御することは重要な課題である。しか
し、ポリエチレンアジペートやポリカプロラクトンなど
のような融点の低い(60℃前後)耐熱性の劣るポリマ
ーは実用性は低いが、生分解速度が大である傾向があ
り、生分解性に関しては優れたポリマーと言える。一
方、ポリブチレンサクシネートのような融点の高い(1
00℃以上)実用性を期待できるポリマーは逆に生分解
の速度が小である傾向があり、生分解性に関しては劣っ
たポリマーと言える。このような現段階では生分解速度
を自在に制御調製できる生分解生と優れた実用物性とを
兼ね備えたポリマーはこれまでに見あたらず、開発が待
たれるところである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術に見られる諸問題を解決することをその課題
とする。すなわち、本発明は、フィルムや繊維等に成形
加工可能な実用物性を有し、同時に生分解性を有する高
分子量脂肪族ポリマーおよびその製造方法を提供するこ
とをその課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、脂肪族ジオール成分
と脂肪族ジカルボン酸成分と炭酸成分とからなる3成分
ランダム共重合体であって、一般式(1)
【化1】 (式中、Rは炭素数1〜12の二価脂肪族基、R
炭素数2〜12の二価脂肪族基、pはポリエステルカー
ボネート共重合体中に含まれる前記一般式(1)で示さ
れるエステル部のモル分率を示す)で表わされるエステ
ル部と、一般式(2)
【化2】 (式中、Rは前記と同じ意味を有し、qはポリエステ
ルカーボネート共重合体中に含まれる前記一般式(2)
で表わされるカーボネート部のモル分率を示す)で表わ
されるカーボネート部からなり、qが0.02〜0.3
0の範囲にあり、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィーより求めたポリスチレン換算の数平均分子量が1
5,000以上の生分解性高分子量脂肪族ポリエステル
カーボネート共重合体が提供される。また、本発明によ
れば、脂肪族ジカルボン酸ジエステルと脂肪族ジオール
と炭酸ジエステルからなる反応原料をエステル交換触媒
の存在下でエステル交換反応させるに際し、反応原料中
の反応性分の使用モル比が、式 1.0≦(B)/(A+C)≦1.05 (3) 0.02≦(C)/(A+C)≦0.3 (4) (式中、Aは脂肪族ジカルボン酸ジエステルの使用モル
数、Bは脂肪族ジオールの使用モル数、Cは炭酸ジエス
テルの使用モル数を示す)を満足するとともに、脂肪族
ジカルボン酸ジエステル中に不純物として含まれる脂肪
族カルボン酸の含有量が0〜0.1モル%の範囲にある
ことを特徴とする前記生分解性高分子量脂肪族ポリエス
テルカーボネート共重合体の製造方法が提供される。
【0008】本発明で用いる脂肪族ジカルボン酸ジエス
テルとしては、次の一般式(5)で表わされるものを挙
げることができる。 R3OOC−R1−COOR4 (5) 前記式中、R1は2価の脂肪族基を示し、R3およびR4
は脂肪族基又は芳香族基を示す。前記R1で示される二
価脂肪族基としては、炭素数1〜12、好ましくは2〜
8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基が挙げられる。
好ましいアルキレン基は、−(CH22−、−(C
24−等の炭素数2〜6の直鎖状低級アルキレン基で
ある。また、二価脂肪族基R1は反応に不活性な置換
基、例えばアルコキシ基やケト基等を有することができ
る。また、その分子鎖中に酸素やイオウ等のヘテロ原子
を含有することもできる。R3及びR4で示される脂肪族
基としては、炭素数1〜6、好ましくは1〜4の直鎖状
又は分岐鎖状のアルキル基や、シクロヘキシル基などの
炭素数5〜12のシクロアルキル基を挙げることができ
る。またR3及びR4で示される芳香族基としては、フェ
ニル基、トリル基、ベンジル基等が挙げられる。R3
びR4としては、炭素数1〜6、好ましくは1〜3の低
級アルキル基が好ましい。
【0009】脂肪族ジカルボン酸ジエステルの具体例と
しては、例えば、コハク酸ジメチル、コハク酸ジエチ
ル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、ピメリ
ン酸ジメチル、アゼライン酸ジメチル、セバシン酸ジメ
チル、セバシン酸ジエチル、デカンジカルボン酸ジメチ
ル、ジグリコール酸ジメチル、ケトピメリン酸ジメチ
ル、マロン酸ジメチルや、メチルマロン酸ジメチル、コ
ハク酸ジフェニル、アジピン酸ジフェニル等を挙げるこ
とができる。これらのものは単独又は混合物の形で用い
ることができる。
【0010】本発明で用いる脂肪族ジオールとしては、
次の一般式(6)で表わされるものを挙げることができ
る。 HO−R2−OH (6) 前記式中、R2は2価の脂肪族基を示す。二価脂肪族基
としては、炭素数2〜12、好ましくは2〜8の直鎖状
又は分岐鎖状のアルキレン基が挙げられる。好ましいア
ルキレン基は、−(CH22−、−(CH24−等の炭
素数2〜6の直鎖状低級アルキレン基である。また、二
価脂肪族基R2は反応に不活性な置換基、例えばアルコ
キシ基やケト基等を挙げることができる。また、その分
子鎖中に酸素やイオウ等のヘテロ原子を含有することも
できる。脂肪族ジオールの具体例としては、例えば、エ
チレングリコール、1、3−プロパンジオール、1,3
−ブタンジオール、2−メチル−プロパンジオール、
1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペ
ンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、
オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、
ドデカメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール等を用いることができる。これらのものは単
独で用いてよいし、2種以上組合せて用いてもよい。さ
らに1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン
等の三官能グリコールを少量併用してもよい。
【0011】本発明で用いる炭酸ジエステル成分として
は、下記一般式(7)で表わされるものを挙げることが
できる。 R5OCOOR6 (7) 前記式中、R5及びR6は、脂肪族基又は芳香族基を示
す。脂肪族基としては、炭素数1〜6、好ましくは1〜
4のアルキル基やシクロヘキシル基等の炭素数5〜12
のシクロアルキル基を挙げることができる。芳香族基と
しては、フェニル基、トリル基、ナフチル基、ベンジル
基等を挙げることができる。R5及びR6としては、炭素
数1〜6、好ましくは1〜3の低級アルキル基が好まし
い。また、前記R5及びR6は、アルコキシ基等の反応に
不活性な置換基を有することができる。炭酸ジエステル
の具体例としては、例えば、ジメチルカーボネート、ジ
エチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジブチ
ルカーボネート、ジフェニルカーボネート、メチルフェ
ニルカーボネート等が挙げられる。
【0012】本発明の生分解性高分子量脂肪族ポリエス
テルカーボネート共重合体は、脂肪族ジカルボン酸ジエ
ステルと脂肪族ジオールと炭酸ジエステルとをエステル
交換反応させることによって製造される。これらの反応
成分の使用モル比は、下記の式を満足するように規定さ
れる。 1.0≦(B)/(A+C)≦1.05 (3) 0.02≦(C)/(A+C)≦0.3 (4) 反応成分の好ましい使用モル比は、下記の式を満足する
ように規定される。 1.0≦(B)/(A+C)≦1.03 (5) 0.05≦(C)/(A+C)≦0.25 (6) 前記式中、Aは脂肪族ジカルボン酸ジエステルの使用モ
ル数、Bは脂肪族ジオールの使用モル数、Cは炭酸ジエ
ステルの使用モル数を示す。
【0013】反応成分の使用モル比が前記式(3)の範
囲を逸脱すると、得られるポリマーの分子量が十分に高
くならなくなる等の問題が生じるので好ましくない。ま
た、炭酸ジエステルの使用モル比が前記式(4)の範囲
より少ないと、得られるポリマーは、その結晶性が高く
なりすぎ、柔軟性のない硬いものとなり、また、生分解
性の向上も不十分となり、一方、前記範囲より多くなる
と、得られるポリマーは、融点が低くなりすぎ、また、
その結晶性も極端に低下するため、耐熱性及び機械的物
性の劣ったものとなる。
【0014】本発明においては、脂肪族ジカルボン酸ジ
エステル中に不純物として含まれる脂肪族カルボン酸
(モノカルボン酸及びジカルボン酸)の含有量を、0〜
0.1モル%、好ましくは0〜0.01モル%の範囲に
保持する。その含有量が前記範囲より多くなると、得ら
れるポリマーの分子量が十分高くならない等の問題を生
じるので好ましくない。
【0015】本発明のエステル交換反応は、好ましくは
触媒の存在下で実施される。この場合の触媒としては、
従来公知のエステル交換触媒が用いられる。このような
触媒としては、リチウム、カリウムなどのアルカリ金
属、マグネシウム、カルシウム、バリウムなどのアルカ
リ土類金属、スズ、アンチモン、ゲルマニウム等の典型
金属、鉛、亜鉛、カドニウム、マンガン、コバルト、ニ
ッケル、ジルコニウム、チタン、鉄等の遷移金属、ビス
マス、ニオブ、ランタン、サマリウム、ユウロピウム、
エルビウム、イッテルビウム等のランタノイド金属等の
各種金属の化合物、例えば、酢酸塩、炭酸塩、ホウ酸
塩、酸化物、水酸化物、水素化合物、アルコラート、ア
セチルアセトネートキレート等を挙げることができる。
また含窒素塩基性化合物や、ホウ酸、またはホウ酸エス
テルなども触媒として用いられる。
【0016】アルカリ金属化合物としては、具体的に
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウ
ム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、
酢酸カリウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウ
ム、ステアリン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、
水素化ホウ素リチウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、
安息香酸リチウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二
水素カリウム、リン酸二水素リチウムなどが用いられ
る。
【0017】アルカリ土類金属化合物としては、具体的
には、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグ
ネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウ
ム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水
素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭
酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウ
ム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチ
ウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウ
ム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロン
チウムなどが用いられる。
【0018】典型金属化合物としては、具体的には、ジ
ブチルスズオキシド、ジブチルスズジラウレート、三酸
化アンチモン、酸化ゲルマニウム、炭酸ビスマスオキシ
ド、酢酸ビスマスオキシドなどが用いられる。
【0019】遷移金属化合物としては、具体的には、酢
酸鉛、酢酸亜鉛、アセチルアセトネート亜鉛、酢酸カド
ニウム、酢酸マンガン、マンガンアセチルアセトネー
ト、酢酸コバルト、コバルトアセチルアセトネート、酢
酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトネート、酢酸ジル
コニウム、ジルコニウムアセチルアセトネート、酢酸チ
タン、テトラブトキシチタネート、テトライソプロポキ
シチタネート、チタニウムオキシアセチルアセトネー
ト、酢酸鉄、アセチルアセトネート鉄、酢酸ニオブなど
が用いられる。
【0020】希土類化合物としては、酢酸ランタン、酢
酸サマリウム、酢酸ユウロピウム、酢酸エルビウム、酢
酸イッテルビウムなどが用いられる。
【0021】含窒素塩基性化合物としては、具体的に
は、テトラメチルアンモニウムヒドロオキシド、テトラ
エチルアンモニウムヒドロオキシド、テトラブチルアン
モニウムヒドロオキシド、トリメチルベンジルアンモニ
ウムヒドロオキシドなどのテトラアルキルまたはアリー
ル、アルアリールアンモニウムヒドロオキシド類、トリ
メチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルベンジルア
ミン、トリフェニルアミンなどの三級アミン類、R2
H(式中、Rはメチル、エチルなどのアルキル、フェニ
ル、トルイルなどのアリール基などである)で示される
二級アミン類、RNH2(式中、Rは上記と同じであ
る)で示される一級アミン類、あるいはアンモニア、テ
トラメチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチ
ルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモ
ニウムテトラフェニルボレート、テトラメチルアンモニ
ウムテトラフェニルボレートなどの塩基性塩などが用い
られる。これらのうち、テトラアルキルアンモニウムヒ
ドロキシド類が特に好ましい。
【0022】ホウ酸エステルとしては、具体的には、ホ
ウ酸トリメチル、ホウ酸トリヘキシル、ホウ酸トリヘプ
チル、ホウ酸トリフェニル、ホウ酸トリトリル、ホウ酸
トリナフチルなどが用いられる。
【0023】これらの触媒は単独で用いても、2種以上
組合せて用いてもよい。また、触媒は、原料として用い
られる脂肪族ジカルボン酸ジエステル1モルに対して、
10-7〜10-3モル、好ましくは10-6〜5×10-4
ルの割合で用いることが好ましい。この範囲より触媒量
が少なくなると反応がうまく進行せず反応に長時間を要
する。この範囲より多くなると重合時のポリマーの熱分
解、架橋、着色等の原因となる。また、ポリマーの成形
加工において熱分解等の原因となり好ましくない。
【0024】本発明のエステル交換反応(重縮合反応)
は、有機溶媒の存在下でも実施することができるが、経
済性の観点からは、好ましくは、有機溶媒を用いること
なく、各反応成分を溶融させた状態で実施される。ま
た、このエステル交換反応においては、副生物としてヒ
ドロキシ化合物(アルコール及び/又はフェノール)が
生成されるが、このヒドロキシ化合物は反応系から除去
される。このためには、反応系を減圧にしたり、反応系
に不活性ガスを流通させたりなどして、反応系内の蒸気
状で存在するヒドロキシ化合物を連続的に系外へ除去す
る。また、反応装置として、蒸留塔を有する反応蒸留塔
を用いて、副生するヒドロキシ化合物を蒸留塔を介して
系外へ除去させることができる。
【0025】本発明のエステル交換反応は、2段階で好
ましく実施される。例えば、本発明のエステル交換反応
は、反応初期の段階では80℃〜250℃、好ましくは
100℃〜200℃、さらに好ましくは120℃〜18
0℃の反応温度で、0.5〜5時間、好ましくは1〜4
時間、窒素雰囲気下、常圧で反応させる。次いで反応系
を減圧にしながら反応温度を高めて反応を行い、最終的
には180℃〜270℃、好ましくは190℃〜240
℃の反応温度で減圧度3Torr以下、好ましくは1T
orr以下で3〜6時間反応を行うことが好ましい。
【0026】本発明のポリマーは、脂肪族ジオールと脂
肪族ジカルボン酸ジエステルとのエステル交換反応によ
り生成した前記一般式(1)で表わされるエステル部分
と、脂肪族ジオールと炭酸ジエステルとのエステル交換
反応により生成した前記一般式(2)で表わされるカー
ボネート部分とを含有するランダム共重合体(ポリエス
テルカーボネート)である。共重合体中のカーボネート
部のモル分率は0.02〜0.30、好ましくは0.0
5〜0.25部であり、エステル部は0.70〜0.9
8、好ましくは0.75〜0.95である。但しp+q
=1である。
【0027】本発明のポリマーは、ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー(GPC)により求めたポリスチ
レン換算の数平均分子量(以下、単に数平均分子量とも
言う)が15,000以上、好ましくは18,000以
上を有する。その数平均分子量の上限は、通常、80,
000である。本発明のポリマーの好ましい数平均分子
量は、18,000〜80,000の範囲である。ま
た、本発明のポリマーは、80℃以上の融点を有し、そ
の融点とその熱分解温度との差は100℃以上であり、
実用的な耐熱性と機械的強度を有し、さらに、良好な熱
成形性を有する。本発明において、脂肪族ジカルボン酸
ジエステルとしてコハク酸ジエステル及び脂肪族ジオー
ルとしてブタンジオールを用いて得られるポリマーは、
融点が高くかつ十分な結晶性を有し、しかもポリマー中
のカーボネート結合の含有量により生分解性を制御する
ことが可能であり、生分解性の点でもすぐれたものであ
る。
【0028】本発明の脂肪族ポリエステルカーボネート
共重合体の生分解性ついては、通常、ポリマーの生分解
性の試験方法として土中の埋め込み試験や下水処理場の
活性汚泥爆気槽中への水没試験等がよく利用されてお
り、これらの試験で、ポリマーの分子量低下や重量減少
により生分解性を判断する場合が多い。しかし、これら
の方法のみでは非生物的加水分解(非酵素的加水分
解)、つまり単なる加水分解と生物的加水分解(酵素加
水分解)のどちらで分解が進んでいるか判断することは
困難である。そこで環保業第5号、薬発第615号及び
49基局392号定められた微生物による化学物質の分
解度試験(修正MITI法)を利用して、ポリマーの分
解に伴う微生物の酸素消費量を測定する方法を用いて生
分解性を判断した。本発明のポリマーは良好な生分解性
を有することが確認された。しかもポリマー中のカーボ
ネート結合の含有量で生分解性を制御することが可能で
あることも確認された。
【0029】本発明の脂肪族ポリエステルカーボネート
共重合体は生分解性を有しているだけでなく、生分解性
を制御することができ、融点も高く、熱可塑性で成形加
工性を有しているので様々な用途に適している。例え
ば、フィルム、繊維、シート、ボトル等に成形加工する
ことができ、包装材料、釣り糸、不織布、農業用マルチ
フィルム等に利用することができる。また、塗料、接着
剤、可塑剤、相容化剤としても利用できる。さらに、ポ
リエチレンやポリプロピレンのポリオレフィンとのアロ
イ用のポリマーとして利用でき、それらの用途代替とし
て適用できる。
【0030】
【実施例】次に本発明を実施例によって具体的に説明す
る。脂肪族ポリエステルカーボネート共重合体の種々の
物性値は下記の方法により測定して求めた。 (分子量及び分子量分布)ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー(GPC)法を用いて標準ポリスチレンか
ら校正曲線を作成し、数平均分子量(Mn)、重量平均
分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を求め
た。溶離液はクロロホルムを用いた。 (熱的性質)示差走査熱量分析装置(DSC)により融
点及びガラス転移点を求めた。また熱重量分析装置(T
G)により熱分解温度を求めた。また、実施例において
得られた脂肪族ポリエステルカーボネート共重合体の生
分解性は下記のようにして測定した。 (生分解性評価)生分解性試験は、土中埋め込みによる
方法と活性汚泥による方法の2種類を用いた。以下にそ
の試験方法を示す。 (土中埋め込み試験) (1)試験方法 恒温恒湿槽の中で市販の堆肥土壌を用いて、ポリマーの
プレスシートの埋め込み試験を30日間行った。分解率
は重量減少率で示した。 (2)試験条件: (i) 土壌 : 市販の堆肥 (ii) 試料形態: 40×40×0.15mmプレス
シート (iii)試験温度: 30℃ (iv) 試験期間: 30日 (活性汚泥による試験) (1)試験方法 環保業第5号、薬発第615号及び49基局392号定められた
微生物による化学物質の分解度試験を参考にした。 (2)試験条件: (i) 試験装置:閉鎖系酸素消費量測定装置(大倉電
器製クーロメーター) (ii) 活性汚泥:都市下水処理場活性汚泥 (iii)試料形態:粉末 (iv) 試験濃度:試料−100ppm(仕込量30
mg) 汚泥− 30ppm(仕込量 9mg) (v) 試験温度:25±1℃ (vi) 試験期間:4週間 (3)分解度算出方法(酸素消費量から算出する) BOD:供試物質の生化学的酸素要求量(測定値)(m
g) B :基礎培養液の酸素消費量(測定値)(mg) TOD:理論的酸素要求量(理論値)(mg)
【0031】実施例1 撹拌棒付き内容量200mlのガラス製4つ口フラスコ
にコハク酸ジメチルエステル39.46g、1,4−ブ
タンジオール28.39g、ジフェニルカーボネート
6.43g、触媒として酢酸亜鉛二水和物22mgを仕
込み、窒素雰囲気下180℃で反応を開始した。1.0
時間後、反応温度を徐々に上昇させながら、減圧を開始
し、3.0時間後に反応温度210℃、真空度0.5T
orrに到達した後、さらに3時間反応を行った。得ら
れたポリマーは、Mn:38,500、Mw:84,7
00、Mw/Mn:2.3の分子量及び分子量分布を有
し、融点110℃、熱分解温度315℃の熱的性質を有
した。得られたポリマーの13C−NMRによる構造解
析の結果、172ppmにエステル結合のカルボニルの
炭素に由来する吸収が、155ppmにカーボネート結
合のカルボニルの炭素に由来する吸収が観測された。ま
た、1H−NMRよりエステル結合とカーボネート結合
の組成比(モル比)は90:10で仕込組成比と一致し
た。0.15x20x100mmのダンベルを作成し、
機械的強度を測定したところ、弾性率45MPa、伸度
250%であり、フィルム成形可能で柔軟性のある強靭
なものであった。生分解性試験を行った結果、土中埋め
込み法ではプレスシートの重量減少率24%であった。
また活性汚泥法では分解度40%であった。
【0032】実施例2 撹拌棒付き内容量200mlのガラス製4つ口フラスコ
にコハク酸ジメチルエステル35.07g、1,4−ブ
タンジオール28.39g、ジフェニルカーボネート1
2.85g、触媒として酢酸亜鉛二水和物20mgを仕
込んだ以外は実施例1と同様に反応を行ない目的のポリ
マーを得た。得られたポリマーは、Mn:41,00
0、Mw:90,200、Mw/Mn:2.2の分子量
及び分子量分布を有し、融点102℃、熱分解温度31
5℃の熱的性質を有した。得られたポリマーの13C−
NMRによる構造解析の結果、172ppmにエステル
結合のカルボニルの炭素に由来する吸収が、155pp
mにカーボネート結合のカルボニルの炭素に由来する吸
収が観測された。また、1H−NMRよりエステル結合
とカーボネート結合の組成比は81:19でほぼ仕込組
成と一致した。0.15x20x100mmのダンベル
を作成し、機械的強度を測定したところ、弾性率40M
Pa、伸度310%であり、フィルム成形可能で柔軟性
のある強靭なものであった。生分解性試験を行った結
果、土中埋め込み法ではプレスシートの重量減少率38
%であった。また活性汚泥法では分解度65%であっ
た。
【0033】実施例3 撹拌棒付き内容量200mlのガラス製4つ口フラスコ
にコハク酸ジメチルエステル41.65g、1,4−ブ
タンジオール28.39g、ジメチルカーボネート1.
35g、触媒としてテトラブチルチタネート10mgを
仕込み、窒素雰囲気下170℃で反応を開始した。1.
0時間後、反応温度を徐々に上昇させながら、減圧しは
じめ、3.5時間後に反応温度200℃、真空度0.5
Torrに到達した後、さらに3時間反応を行った。得
られたポリマーは、Mn:35,000、Mw:80,
500、Mw/Mn:2.3の分子量及び分子量分布を
有し、融点113℃、熱分解温度322℃の熱的性質を
有した。得られたポリマーの13C−NMRによる構造
解析の結果、172ppmにエステル結合のカルボニル
の炭素に由来する吸収が、155ppmにカーボネート
結合のカルボニルの炭素に由来する吸収が観測された。
また、1H−NMRよりエステル結合とカーボネート結
合の組成比は95:5でほぼ仕込組成と一致した。0.
15x20x100mmのダンベルを作成し、機械的強
度を測定したところ弾性率47MPa、伸度220%で
あり、フィルム成形可能で強じんなものであった。生分
解性試験を行った結果、土中埋め込み法ではプレスシー
トの重量減少率20%であった。また活性汚泥法では分
解度38%であった。
【0034】実施例4 撹拌棒付き内容量200mlのガラス製4つ口フラスコ
にコハク酸ジメチルエステル35.51g、セバシン酸
ジメチルエステル6.22g、1,4−ブタンジオール
28.39g、ジフェニルカーボネート6.43g、触
媒としてジルコニウムアセチルアセトネート24mgを
仕込み、窒素雰囲気下180℃で反応を開始した。1.
0時間後、反応温度を徐々に上昇させながら、減圧しは
じめ、3.0時間後に反応温度210℃、真空度0.5
Torrに到達した後、さらに3時間反応を行った。得
られたポリマーは、Mn:35,500、Mw:85,
200、Mw/Mn:2.3の分子量及び分子量分布を
有し、融点103℃、熱分解温度316℃の熱的性質を
有した。得られたポリマーの13C−NMRによる構造
解析の結果、172ppmにエステル結合のカルボニル
の炭素に由来する吸収が、155ppmにカーボネート
結合のカルボニルの炭素に由来する吸収が観測された。
0.15x20x100mmのダンベルを作成し、機械
的強度を測定したところ弾性率35MPa、伸度280
%であり、フィルム成形可能で柔軟性のある強靭なもの
であった。生分解性試験を行った結果、土中埋め込み法
ではプレスシートの重量減少率27%であった。また活
性汚泥法では分解度64%であった。
【0035】実施例5 撹拌棒付き内容量200mlのガラス製4つ口フラスコ
にコハク酸ジメチルエステル39.46g、1,4−ブ
タンジオール25.68g、1,10−デカンジオール
2.70g、ジフェニルカーボネート6.23g、触媒
としてチタニウムオキシアセチルアセトネート8mgを
仕込み、窒素雰囲気下170℃で反応を開始した。1.
5時間後、反応温度を徐々に上昇させながら、減圧しは
じめ、3.5時間後に反応温度210℃、真空度0.5
Torrに到達した後、さらに3時間反応を行った。得
られたポリマーは、Mn:36,000、Mw:82,
800、Mw/Mn:2.2の分子量及び分子量分布を
有し、融点100℃、熱分解温度315℃の熱的性質を
有した。得られたポリマーの13C−NMRによる構造
解析の結果、172ppmにエステル結合のカルボニル
の炭素に由来する吸収が、155ppmにカーボネート
結合のカルボニルの炭素に由来する吸収が観測された。
また、1H−NMRよりエステル結合とカーボネート結
合の組成比は91:9であり、1,4−ブタンジオール
と1,10−デカンジオール成分の含有量9:1とほぼ
仕込組成比と一致した。0.15x20x100mmの
ダンベルを作成し、機械的強度を測定したところ、弾性
率38MPa、伸度320%であり、フィルム成形可能
で柔軟性のある強靭なものであった。生分解性試験を行
った結果、土中埋め込み法ではプレスシートの重量減少
率33%であった。また活性汚泥法では分解度55%で
あった。
【0036】実施例6 ジフェニルカーボネートの代りにメチルフェニルカーボ
ネート4.56g、と触媒として酢酸亜鉛二水和物の代
わりにテトラブチルチタネート10mgを仕込む以外は
実施例1と同様に反応させた。得られたポリマーは、M
n:43,500、Mw:93,700、Mw/Mn:
2.3の分子量及び分子量分布を有し、融点109℃、
熱分解温度310℃の熱的性質を有した。得られたポリ
マーの13C−NMRによる構造解析の結果、172pp
mにエステル結合のカルボニルの炭素に由来する吸収
が、155ppmにカーボネート結合のカルボニルの炭
素に由来する吸収が観測された。また、1H−MNRよ
りエステル結合とカーボネート結合の組成比(モル比)
は90:10で仕込組成比と一致した。0.15x20
x100mmのダンベルを作成し、機械的強度を測定し
たところ弾性率43pa、伸度290%であり、フィル
ム成形可能で柔軟性のある強靱なものであった。生分解
性試験を行なった結果、土中埋め込み法ではプレスシー
トの重量減少率23%であった。また活性汚泥法では分
解度37%であった。
【0037】比較例1 撹拌棒付き内容量200mlのガラス製4つ口フラスコ
にコハク酸ジメチルエステル43.84g、1,4−ブ
タンジオール28.39g、触媒として酢酸亜鉛二水和
物22mgを仕込み、窒素雰囲気下180℃で反応を開
始した。1.5時間後、反応温度を徐々に上昇させなが
ら、減圧を開始し、3.0時間後に反応温度210℃、
真空度0.5Torrに到達した後、さらに4.0時間
反応を行った。実施例1と同様に重合反応を行なった。
得られたポリマーは、Mn:36,000、Mw:8
2,800、Mw/Mn:2.3の分子量及び分子量分
布を有し、融点118℃、熱分解温度315℃の熱的性
質を有した。0.15x20x100mmのダンベルを
作成し、機械的強度を測定したところ、弾性率55MP
a、伸度150%であり、フィルム成形可能で強靭で硬
いものであった。生分解性試験を行った結果、土中埋め
込み法ではプレスシートの重量減少率11%であった。
また活性汚泥法では分解度3%であった。
【0038】比較例2 撹拌棒付き内容量200mlのガラス製4つ口フラスコ
にコハク酸ジメチルエステルの代わりにコハク酸 2
8.34gを用い、1,4−ブタンジオール 28.3
9g、ジフェニルカーボネート 12.85g、触媒と
してテトラブチルチタネート10mgを仕込み、窒素雰
囲気下180℃で反応を開始した。1.5時間後、反応
温度を徐々に上昇させながら、減圧し開始し、3.5時
間後に反応温度210℃、真空度0.5Torrに到達
した後、さらに4時間反応を行った。得られたポリマー
は、Mn:26,500、Mw:76,700、Mw/
Mn:2.9の分子量及び分子量分布を有し、融点10
0℃、熱分解温度305℃の熱的性質を有した。得られ
たポリマーの13C−NMRによる構造解析の結果、1
72ppmにエステル結合のカルボニルの炭素に由来す
る吸収が、155ppmにカーボネート結合のカルボニ
ルの炭素に由来する吸収が観測された。しかし、1H−
NMRよりエステル結合とカーボネート結合の組成比は
89:11で仕込組成比(80:20)と比較してポリ
マー中のカーボネート結合の含有量はかなり少なく、仕
込み組成比を反映していなかった。また分子量向上にも
時間を要した。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、重縮合反応において脂
肪族ポリエステルポリマーを製造する際、炭酸エステル
を用いることで高分子量脂肪族ポリマーを容易に製造す
ることが出来る。また、ポリマー主鎖中にカーボネート
結合を有することで優れた生分解性を有する。したがっ
て本発明の生分解性高分子量脂肪族ポリエステルカーボ
ネート共重合体は各種成形加工に広く利用することがで
きる。
フロントページの続き (72)発明者 高橋 郁夫 東京都港区西新橋2−8−11 第7東洋 海事ビル8F 財団法人地球環境産業技 術研究機構 CO2固定化等プロジェク ト室内 (72)発明者 河本 憲治 東京都港区西新橋2−8−11 第7東洋 海事ビル8F 財団法人地球環境産業技 術研究機構 CO2固定化等プロジェク ト室内 (72)発明者 増田 隆志 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術 院物質工学工業技術研究所内 (72)発明者 松田 昭男 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術 院物質工学工業技術研究所内 審査官 大熊 幸治 (56)参考文献 特開 平7−53693(JP,A) 特開 平7−53695(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族ジオール成分と脂肪族ジカルボン
    酸成分と炭酸成分とからなる3成分のランダム共重合体
    であって、一般式(1) 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜12の二価脂肪族基、R
    炭素数2〜12の二価脂肪族基、pはポリエステルカー
    ボネート共重合体中に含まれる前記一般式(1)で示さ
    れるエステル部のモル分率を示す)で表わされるエステ
    ル部と、一般式(2) 【化2】 (式中、Rは前記と同じ意味を有し、qはポリエステ
    ルカーボネート共重合体中に含まれる前記一般式(2)
    で表わされるカーボネート部のモル分率を示す)で表わ
    されるカーボネート部からなり、qが0.02〜0.3
    0の範囲にあり、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
    ィーより求めたポリスチレン換算の数平均分子量が1
    5,000以上の生分解性高分子量脂肪族ポリエステル
    カーボネート共重合体。
  2. 【請求項2】 Rが−(CH−を示し、R
    −(CH−を示す請求項1のポリエステルカーボ
    ネート。
  3. 【請求項3】 脂肪族ジカルボン酸ジエステルと脂肪族
    ジオールと炭酸ジエステルからなる反応原料をエステル
    交換触媒の存在下でエステル交換反応させるに際し、反
    応原料中の反応成分の使用モル比が、式 1.0≦(B)/(A+C)≦1.05 (3) 0.02≦(C)/(A+C)≦0.3 (4) (式中、Aは脂肪族ジカルボン酸ジエステルの使用モル
    数、Bは脂肪族ジオールの使用モル数、Cは炭酸ジエス
    テルの使用モル数を示す)を満足するとともに、脂肪族
    ジカルボン酸ジエステル中に不純物として含まれる脂肪
    族カルボン酸の含有量が0〜0.1モル%の範囲にある
    ことを特徴とする請求項1の生分解性高分子量脂肪族ポ
    リエステルカーボネート共重合体の製造方法。
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