JP3054188B2 - 新規共重合体及びその製造方法 - Google Patents

新規共重合体及びその製造方法

Info

Publication number
JP3054188B2
JP3054188B2 JP2317738A JP31773890A JP3054188B2 JP 3054188 B2 JP3054188 B2 JP 3054188B2 JP 2317738 A JP2317738 A JP 2317738A JP 31773890 A JP31773890 A JP 31773890A JP 3054188 B2 JP3054188 B2 JP 3054188B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
poly
acid
reaction
hydroxybutyric acid
bond
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2317738A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04189818A (ja
Inventor
良一 長谷川
修二 蔵重
克久 福永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kayaku Co Ltd filed Critical Nippon Kayaku Co Ltd
Priority to JP2317738A priority Critical patent/JP3054188B2/ja
Publication of JPH04189818A publication Critical patent/JPH04189818A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3054188B2 publication Critical patent/JP3054188B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、新規なポリ3−ヒドロキシ酪酸の改質物及
びその製造方法に関する。更に詳しくは、3−ヒドロキ
シ酪酸単位及び6−ヒドロキシカプロン酸単位及びジイ
ソシアネート結合を有する共重合物及びその製造方法に
関する。これらは、微生物により分解される生分解性プ
ラスチックスとして有用である。
(従来の技術) 微生物(主としてバクテリヤ)のエネルギー貯蔵分質
としてポリ(3−ヒドロキシ酪酸)が広く自然界に存在
する事は良く知られている。またこのポリ(3−ヒドロ
キシ酪酸)を生分解性のプラスチックスとして利用しよ
うとする研究が近年盛んになってきている。
微生物の生産するポリ(3−ヒドロキシ酪酸)は光学
活性であり、極めて規則性が高いために結晶性が良すぎ
て、大変もろい物性を有する。従って、これを現在用い
られている様なプラスチックスと類似した性質に改質し
て実用的な生分解性プラスチックスとして用いる技術が
求められている。
EP052,460には、Cl、CNを持ったビニル重合体とブレ
ンドさせる方法が提案されている。また、特開昭57−15
0393においては、3−ヒドロキシ酪酸に、3−ヒドロキ
シ吉草酸が共重合した高分子を微生物の醗酵生産により
製造する方法が記載されている。
(発明が解決しようとする課題) 従来の技術における、3−ヒドロキシ酪酸のホモポリ
マーが有するもろい性質を改善する解決策としてのブレ
ンドによる方法は、生分解性のない成分を混合するため
本来の主旨に反するし、また、均一性が悪く透明なフィ
ルム等が得られ難いために共重合体を醗酵生産する方法
が注目されてきた。しかし、醗酵による共重合体の生産
は微生物の重合酵素の基質特異性の低さに起因している
という理由から一般的にポリ(3−ヒドロキシ酪酸)に
比べて醗酵生産単位が低いという問題点がある。従って
コストが高いという工業的に大きな問題点を持ってい
る。一方醗酵生産による共重合体の製造においては、そ
の組成や分子量に関しコントロールが難しく一定の品質
が確保されにくいという問題もかかえている。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上記問題の解決のために、新規な3−ヒド
ロキシ酪酸単位を含む共重合体を提供する。即ち、本発
明は、 (1)下記構成単位x,y,zよりなる高分子化合物であ
り、 x:ポリ3−ヒドロキシ酪酸単位 y:ポリ6−ヒドロキシカプロン酸単位 z:ジイソシアネート化合物より生成する (x,y,zの結合順は任意であり、xとyの結合はエステ
ル結合であり、x又はyのカルボン酸側とzの結合は、
上記構造より脱CO2を起こしたアミド結合となっている
場合を含む。m,nは1以上の整数であり、Rは二官能性
イソシアネートの結合基である。) xとyの繰返し単位(モノマー単位)のモル組成比が
1:0.1〜1:10であり、zの含有量の代用値として、N原
子の元素分析値が0.03%〜0.6%となっている新規共重
合体および (2)光学活性のポリ3−ヒドロキシ酪酸を酸触媒の存
在下、各々の繰返し単位(モノマー単位)を基にした時
のモル組成比が1:0.1〜1:10である量のポリ6−ヒドロ
キシカプロン酸又は6−ヘキサノリドを反応させ、その
反応物にジイソシアネート化合物を反応させる事を特徴
とする上記の新規共重合体の製造方法を提供する。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の共重合体は、ゲルパーミエションクロロマト
グラフ法(G,P,C)において、ポリスチレンンを標準と
した時の重量平均分子量が104〜106程度のものがよく、
特に3×104〜5×105程度のものがよい。
その組成は、3−ヒドロキシ酪酸単位と6−ヒドロキ
シカプロン酸単位の含有比が1:0.1〜1:10であるが、1:
0.15〜1:5である場合が特に良い。また、ジイソシアネ
ート単位の含有量を表わす数値としてN原子の元素分析
値を取った場合0.03%〜0.6%となっている改質物が良
好な性質を有している。特に、この範囲の中でも0.04〜
0.4%のものが良い性能を有している。
ここで言う良好な性質とは前記したポリ3−ヒドロキ
シ酪酸のもろい性質がなく、フィルムや成型物とした時
に延性を持ち、充分な引張、曲げ、衝撃強度等を有する
ものを指す。
一般式(OCN−R−NCO)で示されるジイソシアネート
成分としては工業的に安価で入手できる、1,4−ジイソ
シアナトブタン、1,6−ジイソシアナトヘキサン、1,12
−ジイソシアナト−ドデカン等のアルキレンジイソシア
ネート化合物が使用できる。分岐構造を含むアルキレン
ジイソシアネート化合物、不飽和結合を含む脂肪族ジイ
ソシアネート化合物も使用できる。
脂環式のジイソシアネート化合物としては、例えば、
イソホロンジイソシアネート、1,4−ジイソシアナトヘ
キサン等が使用できる。
芳香族のジイソシアネート化合物としては、例えば、
トリレンジイソシアネート、3,3−ジメチル−4,4′−ジ
イソシアナトビフェニル、4,4′−ジイソシアナトジフ
ェニルメタン等が工業的に安価に入手できるが、特にこ
れ等には限定されない。改質物中におけるジイソシアネ
ート成分の含有率は前記の様に相当低いものである。し
かし、脂肪族ジイソシアネートを用いた時は軟く、芳香
族ジイソシアネートを用いた時は硬いといった傾向がみ
られる。
また、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリ
コール等に過剰のジイソシアネート化合物を反応して得
られた末端がジイソシアネート基となっている高分子化
合物等も使用できる。これらのうちで特に良好な結果を
与えるのは、脂肪族のジイソシアネート化合物である。
ジイソシアネート成分を使用する理由は、ウレタン結合
を持たせる事による弾性の付与をはじめとする強度の向
上であり、全体の分子量向上である。しかし、ジイソシ
アネート成分を多量に用いすぎるとポリ3−ヒドロキシ
酪酸単位やポリ−6−ヒドロキシカプロン酸単位のエス
テル結合に対しアミド結合が多くなるため、溶媒に対す
る溶解性や、生分解性に対する悪影響が出る。
次に、本発明の共重合体の製造方法につき説明する。
本発明の製造方法は、まず初めに、ポリ3−ヒドロキ
シ酪酸とポリ6−ヒドロキシカプロン酸又は6−ヘキサ
ノリドとの反応を行う。ポリ3−ヒドロキシ酪酸とポリ
6−ヒドロキシカプロン酸の反応はエステル交換反応で
あり、ポリ3−ヒドロキシ酪酸と6−ヘキサノリドの反
応は主にブロック共重合と言う事ができる。
本発明においては、いづれの反応を用いてもかまわな
いが、前者のポリマー同志のエステル交換反応は長時間
を要する。
通常の反応時間においてはいづれもブロック共重合体
が得られる。これらの化合物の使用量については、ポリ
3−ヒドロキシ酪酸をその繰返し単位(即ち、3−ヒド
ロキシ酪酸)のモル数で表現した時、このモル数を基準
に、1:0.1〜1:10、好しくは1:0.15〜1:5である量の同じ
くその繰返し単位(即ち、6−ヒドロキシカプロン酸)
のモル数で表現されたポリ6−ヒドロキシカプロン酸又
は6−ヘキサノリド(この場合は、ポリマーではないの
で、そのもののモル数)を用いる。この場合、6−ヘキ
サノリド(通称ε−カプロラクトン)を用いる法が、結
果が良好である。しかし、6−ヘキサノリドを用いる場
合には、系内に水、アルコール等の活性水素を有する化
合物で存在すると、低分子量物等が、副生したり、共重
合体の組成分布が広がったりする。反応は有機溶媒の存
在下又は、無溶媒下において実施する。有機溶媒として
は、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、
ジクロロベンゼン類等の芳香族炭化水素や、ハロゲン化
炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭
素、ジクロロエタン類、トリクロロエタン、テトラクロ
ロエタン、テトラクロロエチレン等のハロゲン化炭化水
素、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ア
セトフェノン、プロピオフェノン等のケトン類、ジグラ
イム、ジオキサン、テトラハイドロフラン、ジイソプロ
ピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール、フェネ
トール等のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニト
リル等のニトリル類、γ−ブチロラクトン、γ−バレロ
ラクトン等の活性の低いラクトン類、ピリジン、メチル
ピリジン、キノリン類、酢酸エチル、乳酸エチルの様な
エステル類等をあげる事ができる。溶媒の使用量は反応
物の仕込み重量の合計に対し、3〜20倍程度用いるのが
適当である。溶媒中には水、アルコール類等の分子量低
下の原因になるものはできるだけ除去しておくのが望ま
しい。しかし、一般的には、用いる原料等に微量に含ま
れる水のために一定量の分子量の低下が起こる。触媒と
しては酸性化合物が有効であり、例えば、HCl、H2SO4
H3PO4、HClO4等の無機酸、メタンスルホン酸、トリフル
オロ酢酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸が使用で
きる。またAlCl、BF3、FeCl3、TiCl4、トリアルチルA
l、ジアルキルAl、トリアルキルZn、等も使用できる。P
bo、チタン酸化合物、アンチモン化合物、スズ化合物も
有効である。
触媒の使用量は、反応物の仕込重量の合計に対し、0.
1〜10%程度使用するのが好ましい。反応温度は低い方
が望ましいので活性の高いものを用いるのがよい。
反応は以上の成分を仕込み、30〜180℃、好ましくは5
0〜150℃にて攪拌を行う。反応時間は6−ヘキサノリド
を用いた場合には、3〜20時間程度でよいがポリ6−ヒ
ドロキシカプロン酸を用いた場合には10〜50時間が必要
となる。この様にして、第1段のブロック共重合体の製
造を行った後、一旦、生成物を取り出してもよい。勿論
そのまま次のジイソシアネート類との反応を継続するこ
とも出来る。一旦取り出す際には、メタノール、エタノ
ール、アセトン、エーテル、ヘキサン、ヘプタン、水等
の比較的溶解度の低い溶媒中に注ぎ沈澱させるか、溶媒
を蒸留にて追出すのがよい。次にジイソシアネートの反
応を説明する。反応の溶媒は、第1段の共重合において
用いた溶媒と同じものが、使用できる。その使用量も大
体第1段の反応における使用量と同じでよい。しかし、
粘度が上昇し攪拌が困難になる様なら更に溶媒を加えて
もよい。ジイソシアネート類は前記した様に特に制限な
く種々のものが使用できる。ジイソシアネート類の使用
量は厳密には系内に存在する(ポリ3−ヒドロキシ酪酸
トポリ6−ヒドロキシカプロン酸)のブロック共重合体
の分子数と同じ分子数用いるのが最も良い。
しかし、脂肪族ジイソシアネート化合物を使用する場
合は、かなり反応性が低いので過剰に用いるのがよい。
そこで、第1段で得られるブロック共重合体のポリスチ
レンを基準にした推定数平均分量より計算されるモル数
に対し、脂肪族ジイソシアネート化合物の場合は、0.9
倍〜60倍使用するのがよく、反応性の高い芳香族ジイソ
シアネート化合物の場合は、0.9倍〜10倍程度使用する
のがよい。一般にこの反応は比較的低分子量の場合、使
用量がブロック共重合体の2倍モルを越えると全く重合
度は上昇しない。しかし、本発明の場合には、予想に反
して2倍モル越えた量用いても分子量が増加する事が見
出された。その理由は、高分子同志の反応が高分子とジ
イソシアネート化合物(低分子)の反応に比べて優先す
るためではないかと考えられる。一種の高分子のカゴ
(篭)効果の様なものではないかと推定される。ジイソ
シアネート類は反応の進行に伴い、徐々に追加していく
のが望ましい。ジイソシアネート化合物とOH基の反応
は、ウレタン結合を形成する。
COOHとの反応は、一旦−CO−O−CONH−で表されるカ
ルバミン酸とCOOH基との酸無水物を形成するが、これは
脱CO2反応を起こして、−CONH−で表されるアミド結合
を形成すると予想される。
反応温度は20℃〜150℃程度が使用できるが、特に40
〜120℃が望ましい。
反応時間は2〜10時間程度とするのがよい。この時、
G.P.C等にて分子量の上昇する様子を追跡し変化しなく
なる点を終点とするのがよい。反応終了後は、メタノー
ル、エタノール、アセトン、エーテル、ヘキサン、ヘプ
タン、水、等の比較的溶解度の低い溶媒中に注ぎ沈澱さ
せるか、溶媒を蒸留にて追出すのがよい。
この製造方法により、ポリ3−ヒドロキシ酪酸のもろ
い性質が改善され、強度の強い改質物が安定した品質で
得られる。
実施例1 200mlの四口フラスコにポリ3−ヒドロキシ酪酸(ポ
リスチレン基準の重量平均分子量▲▼≒330′000、
数平均分子量▲▼≒150′000)(以後これを原料と
して用いる。)10g、無水の1,2−ジクロロエタン100g、
メタンスルホン酸0.1gを仕込み、N2ガスを導入しつつ85
℃にて溶解された。ここに6−ヘキサノリド13.3gを約
1時間で滴下し、18時間同温度で反応させた。反応終了
後、反応混合物を500mlのメタノール中に注いだ。生成
した沈澱を真空乾燥機で乾燥し、20.8gの白色の3−ヒ
ドロキシ酪酸と6−ヒドロキシカプロン酸のブロック共
重合体を得た。G.P.Cクロマトグラフによるポリスチレ
ン基準の分子量は重量平均分子量▲▼=6.5×104
あり、数平均分子量▲▼=3.2×104であった。多分
散度▲▼/▲▼=2.0であった。
この様にして得られた反応物10gを100ml容量の四口フ
ラスコに取り、1,2−ジクロロエタンを50g加えて昇温
し、85℃にて溶解させた。ここに1,6−ジイソシアナト
ヘキサン1.7ml(約30倍モル)を加えた。N2を導入しつ
つ85℃にて5時間攪拌し、反応させた。反応終了後、反
応混合物のアセトン−メタノール(1:1)の混合溶媒1
中に注ぎ沈澱を生成させた。生成した沈澱をろ過し、
真空乾燥を行い8.5gの白色の改質物を得た。このもの
は、▲▼=1.0×105、▲▼=4.3×104、▲
▼/▲▼=2.3の平均分子量を有していた。(いづ
れもG.P.Cによるポリエスチレン基準の値)またこのも
のは元素分析により0.18%のN分を含有している事が判
った。
1H−NMR測定により、3−ヒドロキシ酪酸単位のメチ
ンプロトンδ=5.25(1H,m)、6−ヒドロキシカプロン
酸単位の酸素についたソチレンプロトンδ=4.05(2H,
t)の積分値を比較したところ1:0.9の割合で、3−ヒド
ロキシ酪酸単位と6−ヒドロキシカプロン酸単位を含有
している事が示された。以後、大まかな両成分の含有比
は、この方法により行った。
示差熱量計による熱測定の結果、171.2℃と291.8℃に
吸熱ピークが存在し、融点は171.2℃であった。このも
のは、クロロホルムに溶解した後、ガラス板上にあけ、
フィルムを形成させたところ、良好な延性、弾性及び強
度を有する半透明のフィルムが得られた。
実施例2 実施例1で得た目的物4gを30gの1,2−ジクロロエタン
に加熱溶解させ、300mlのアセトンを入れ攪拌している
中に注ぎ、生成したゲル状物をろ過して取り、低重合物
等の不純分を除去する精製を行った。同時に一部アセト
ンによる分画を行なわれ、真空乾燥により得られた共重
合体は2.6gであった。分子量は、▲▼=1.3×105
▲▼=7.5×104多分散度は▲▼/▲▼=1.
7であった。精製び分画された共重合体は、元素分析に
より0.17%のN分を含有していた。このものを、硫酸を
触媒とするカロエタノール分解した後、ガスクロマトグ
ラフにより、3−ヒドロキシ酪酸単位と6−ヒドロキシ
カプロン酸単位の組成を定量したところ、1:0.53であっ
た。
実施例3 50mlの四口フラスコにポリ3−ヒドロキシ酪酸3g、無
水1,2−ジクロロエタン30g、メタンスルホン酸0.05gを
仕込み、85℃にて溶解させた。ここに6−ヘキサノリド
4gを約2時間を用いて滴下した。この後、10時間反応し
た後、OCN(CH26NCO 1mlを添加反応させた(この時の
数平均分子量は▲▼=3.1×104であり、OCN(CH2
6NCOは約25倍モル使用した事になる。)6時間反応後、
200mlのアセトン中に反応混合物を注ぎ沈殿を生成させ
た。沈殿をろ別し真空乾燥した。この様にして、一段で
低重合物等を除き、アセトンにより分画した共重合体5.
1gを得た。このものは▲▼=8.5×104、▲▼=
5.3×104▲▼/▼▼=1.6の分子量分布を持っ
ていた。元素分析によるN分の含有量は0.18%であっ
た。また、実施例2で行ったカロエタノール分解法によ
る3−ヒドロキシ酪酸単位と6−ヒドロキシカプロン酸
単位の組成比は、1:0.6であった。示差熱量計による熱
測定の結果、170.9℃と291.5℃に吸熱ピークが存在し、
融点は170.9℃であった。
クロロホルムに溶解し、ガラス板上でフィルムを作成
した。良好な延性、及び強度を有していた。
実施例4 50mlの四口フラスコにポリ3−ヒドロキシ酪酸3g、6
−ヘキサノリド2g、無水1,2−ジクロロエタン25g、メタ
ンスルホン酸0.05gを仕込み攪拌した。N2ガス導入をし
つつ昇温し、85℃で5時間反応した後、1,6−ジイソシ
アナトヘキサン1mlを仕込み同温度で更に7時間反応さ
せた。反応終了後、アセトン−メタノール(2:1)の混
合溶媒200ml中に注き生成した沈殿をろ過し真空乾燥し
た。3.5gの改質物を得た。
分子量は▲▼=8.8×104、▲▼=4.2×104
▲▼/▲▼=2.1であった。元素分析の結果N
の含有量は、0.24%であった。
1H−NMR測定により、3−ヒドロキシ酪酸成分と、6
−ヒドロキシカプロン酸成分は約1:0.3の組成比となっ
ていた。
示差熱量計により熱測定の結果、137.7℃に小さな吸
熱ピーク174.8℃,291.3℃に大きな吸熱ピークが存在
し、融点は174.8℃であった。実施例1と同じ方法でフ
ィルムを作製したところ良好な強度を有していた。
実施例5 50mlの四口フラスコのポリ3−ヒドロキシ酪酸3g、6
−ヘキサノリド4g、1,2−ジクロロエタン30g,メタンス
ルホン酸0.03gを仕込み攪拌した。N2ガスを導入しつつ
昇温し、85℃で18時間反応させた。ここに4,4′−ジイ
ソシアナトジフェニルメタンを0.058仕込んだ。ポリ3
ーヒドロキシ酪酸と6−ヘキサノリドの反応物が▲
▼≒30000であるため、4,4′−ジイソシアナトジフェニ
ルメタンはこれとほぼ等モル仕込んだ事になる。2.5時
間後、4,4′−ジイソシアナトージフェニルメタンを同
量追加し、85℃で4.5時間反応させた。その後反応混合
物をアセトン−メタノール(2:1)の混合物200mlにあ
け、沈殿を生成させた。沈殿をろ過して集め真空乾燥機
で乾燥し5.8gの改質物を得た。このもののポリスチレン
を標準にした時の分子量は▲▼=7.9×104、▲
▼4.2×104であり、▲▼/▲▼=1.9であっ
た。1H−NMR測定より3−ヒドロキシ酪酸成分と6−ヒ
ドロキシカプロン酸成分は約1:0.8のモル比で含有され
ている事が判った。Nについての元素分析の結果は0.17
%であった。示差熱量測定により、168.5℃と298.8℃に
吸熱ピークがみられ融点は168.5℃であった。実施例
1、2と同じくフィルムを作製したところやや硬くて延
びが少いが、良好な性質を示した。
実施例6 50mlの四口フラスコにポリ3−ヒドロキシ酪酸2g、6
−ヘキサノリド8g、1,2−ジクロロエタン50g、メタンス
ルホン酸0.05gを仕込み、N2ガスを導入しつつ昇温し、8
5℃で8.5 時間反応させた。一部サンプリングし、G.P.C
クロマトグラフを取ったところポリスチレン基準の分子
量として▲▼=5.1×104、▲▼=2.4×104、▲
▼/▲▼=2.1の結果が得られた。ここにイソ
ホロンジイソシアネート0.9 ml(約10倍モル)を加え第
2段目の改質反応を行った。85℃で5時間反応後、反応
混合物をアセトン−メタノール(1:1)の混合物500ml中
にあけ、沈殿を生成させた。これをろ別してとり、真空
乾燥して、7.4gの改質物を得た。このもののポリスチレ
ンを標準とする分子量は、▲▼=8.4×104、▲
▼=4.6×104であり、▲▼/▲▼=1.8であっ
た。
1H−NMR測定により、3−ヒドロキシ酪酸成分と、6
−ヒドロキシカプロン酸成分の組成比は約1:2.2であっ
た。Nについての元素分析の結果は0.22%てあった。示
差熱量測定により、65.2℃と175.0℃、301.0℃に吸熱ピ
ークがみられ融点は175.0℃であった。実施例1、2と
同じ方法で作製したフィルムは延性があり、強い強度の
ものが得られた。
実施例7 50ml四口フラスコにポリ3−ヒドロキシ酪酸3g、ポリ
6−ヒドロキシ−カプロン酸(ポリスチレン基準の▲
▼≒2×104、▲▼≒1.2×104)4g、1,2−ジクロ
ロエタン30g、無水硫酸0.05gを仕込み、N2ガスを導入し
つつ昇温し、85℃で32時間反応させた。この後、ここ
に、1,6−ジイソシアナトヘキサン1mlを仕込み、85℃で
6時間反応させた。反応終了後、アセトン−メタノール
(2:1)の混合物200ml中にあけ、沈殿を生成させた。こ
れをろ別して取り真空乾燥したところ、5.6gの改質物を
得た。ポリスチレンを標準とする分子量は▲▼=8.
3×104、▲▼=4.2×104、▲▼/▲▼=2.
0あった。1H−NMR測定より、3−ヒドロキシ酪酸成分と
6−ヒドロキシカプロン酸成分の組成比は約1:0.9であ
った。Nについての元素分析の結果は、0.27%であっ
た。示差熱量測定により、170.3℃と294.3℃に吸熱ピー
クが存在し融点は170.3℃であった。クロロホルムに溶
解し、常法により作製したフィルムは、延性があり、強
い強度を有していた。
実施例8 実施例1とほぼ同様に改質を行ったが、1,6−ジイソ
シアナトヘキサンの使用量を1/3量とした。全く同様の
反応条件及び処理を行い、8.0gの改質物を得た。
ポリスチレンを標準とする分子量は▲▼=8.2×1
04、▲▼=4.6×104、▲▼/▲▼=1.8で
あった。Nについての元素分析値は0.20%であった。示
差熱量測定により、172.0℃と、295.8℃に吸熱ピークが
存在し、融点は172.0℃であった。常法に延性のある強
いフィルムを得ることができた。
引張強度試験 温度23℃、湿度60%において、各実施例で得た40〜70
μmのフィルムの引張強度を測定した。伸長速度は2cm/
minとした。尚試験片は1cm幅のものを用いた。
結果を以下に示す。
引張強度 破断時伸び (kgf/mm2) (%) 実施例1 1.7 450 3 2.3 470 4 2.4 50 5 2.3 10 6 1.6 520 7 1.5 90 8 1.9 210 (発明の効果) 本発明によりかたくてもろいフィルムしかできないポ
リ3−ヒドロキシ酪酸から延性、強度等の面ですぐれた
フィルムを形成する能力を持つ改質物を得る事ができる
様になった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/685 C08G 18/42 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記構成単位x,y,zよりなる高分子化合物
    であり、 x:ポリ3−ヒドロキシ酪酸単位 y:ポリ6−ヒドロキシカプロン酸単位 z:ジイソシアネート化合物より生成する (x,y,zの結合順は任意であり、xとyの結合はエステ
    ル結合であり、x又はyのカルボン酸側とzの結合は、
    上記構造より脱CO2を起こしたアミド結合となっている
    場合を含む。m,nは1以上の整数であり、Rは二官能性
    イソシネアートの結合基である。) xとyの繰返し単位(モノマー単位)のモル組成比が1:
    0.1〜1:10であり、zの含有量の代用値として、N原子
    の元素分析値が0.03%〜0.6となっている新規共重合
    体。
  2. 【請求項2】光学活性のポリ3−ヒドロキシ酪酸を酸触
    媒の存在下各々の繰返し単位(モノマー単位)を基にし
    た時のモル組成比が1:0.1〜1:10である量のポリ6−ヒ
    ドロキシカプロン酸又は6−ヘキサノリドを反応させ、
    その反応物にジイソシアネート化合物を反応させる事を
    特徴とする特許請求の範囲第(1)項に記載した新規共
    重合体の製造方法。
JP2317738A 1990-11-26 1990-11-26 新規共重合体及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3054188B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2317738A JP3054188B2 (ja) 1990-11-26 1990-11-26 新規共重合体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2317738A JP3054188B2 (ja) 1990-11-26 1990-11-26 新規共重合体及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04189818A JPH04189818A (ja) 1992-07-08
JP3054188B2 true JP3054188B2 (ja) 2000-06-19

Family

ID=18091487

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2317738A Expired - Fee Related JP3054188B2 (ja) 1990-11-26 1990-11-26 新規共重合体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3054188B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3408347B2 (ja) * 1994-06-08 2003-05-19 高砂香料工業株式会社 光学活性ブロック共重合ポリエステル及びその製造方法
JP5386798B2 (ja) * 2007-06-22 2014-01-15 東ソー株式会社 ポリ3−ヒドロキシブチレート系複合体

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04189818A (ja) 1992-07-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101649045B (zh) 一种可生物降解聚酯-聚酯多嵌段共聚物及其制备方法与应用
US4855377A (en) Novel copolycarbonate
JP3241505B2 (ja) 生分解性光学活性コポリマー及びその製造方法
JP2893531B2 (ja) ポリエステルマクロモノマー
US6316606B1 (en) Polymeric compound comprising glycopolymer and a method for decomposing the same
JP3054188B2 (ja) 新規共重合体及びその製造方法
JP2004517992A (ja) ポリウレタンの製造方法
JPH06157703A (ja) 熱可塑性脂肪族ポリエステル及び改質物
JP4790104B2 (ja) 高剛性及び高伸度を有するセグメント化ポリウレタン
GB1583439A (en) Preparation of methacrylate polymer/polyurethane blends
JP2744925B2 (ja) 生分解性高分子量脂肪族ポリエステルカーボネート共重合体及びその製造方法
JP3047199B2 (ja) (r)−3−ヒドロキシアルカン酸ユニットを有する生分解性光学活性ポリマー、その中間体オリゴマー、およびそれらの製造方法
US3948847A (en) Process for the manufacture of polymer solutions
JP3217142B2 (ja) 生分解性光学活性ポリマー、その中間体プレポリマー、およびそれらの製造方法
JP3537863B2 (ja) ヒドロキシ化合物、その製造方法及びその熱可塑性ポリウレタン
US7786326B2 (en) Polyacylurethanes based on diisocyanates and polyesterpolyols
JPH04351623A (ja) 新規ブロック共重合体及びその製造方法
JP5003324B2 (ja) 化合物、その製造方法及びその重合体
US6022930A (en) Process for producing polycondensable macromonomer
EP0982334B1 (en) A process for producing polycondensable macromonomer
JP2005307083A (ja) リサイクル性ポリウレタンおよびその製造法
JPH0477515A (ja) 放射線硬化型オリゴマー
US10294209B2 (en) Difunctional monomer compounds containing clickable pendant furyl group and polymers therefrom
JP3392469B2 (ja) 高分子量ポリエステルの製造方法
JP3187135B2 (ja) イソシアネート化合物

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees