JPH06145283A - 生分解性ポリマー - Google Patents

生分解性ポリマー

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JPH06145283A
JPH06145283A JP4324926A JP32492692A JPH06145283A JP H06145283 A JPH06145283 A JP H06145283A JP 4324926 A JP4324926 A JP 4324926A JP 32492692 A JP32492692 A JP 32492692A JP H06145283 A JPH06145283 A JP H06145283A
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JP
Japan
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polymer
aliphatic
diisocyanate
formula
aliphatic polyester
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JP4324926A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Iwaya
嘉昭 岩屋
Toshiro Ikeda
俊郎 池田
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 融点が100℃以上であり,かつ繊維やフィ
ルムに成形可能で,汎用性のプラスチックスとして使用
することができる生分解性ポリマーを提供する。 【構成】 下記一般式(1)で示される繰り返し単位か
らなる,ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)より求
めたポリスチレン換算での数平均分子量が5,000〜
100,000である生分解性ポリマー。 【化1】 (式中,xは2又は4,yは0又は2,zは2〜10,
nは5〜500の整数を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,土壌中の微生物等によ
って容易に分解する生分解性ポリマーに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】合成繊維,フィルムその他成形体として
利用されているプラスチックスは,軽くて丈夫である利
点に加えて,安価,かつ大量に安定して供給できる等,
我々の生活に豊かさと便利さをもたらし,プラスチック
ス文明といえる現代の社会を構築してきた。しかしなが
ら,近年,地球的規模での環境問題に対して,自然環境
の中で分解する高分子素材の開発が要望されるようにな
り,その中でも特に微生物によって分解されるプラスチ
ックスは,環境適合材料や新しいタイプの機能性材料と
して業界で大きな期待を寄せられている。
【0003】従来より,脂肪族ポリエステルは生分解性
があることはよく知られており,その中でも特に微生物
によって生産されるポリ−3−ヒドロキシ酪酸エステル
(PHB)や合成高分子であるポリ−ε−カプロラクト
ン(PCL),ポリエチレンアジペート(PEA),ポ
リグリコール酸(PGA)及びポリ−L−乳酸(PL
A)は,その代表的なものである。
【0004】PHBを主体とするバイオポリエステル
は,優れた環境適合性と物性を有しているので工業的生
産が行われているが,生産性に乏しく,ポリエチレンに
代表される汎用性プラスチックスに代替し得るにはコス
ト面から限界がある〔フィジカル テクノロジー( Phy
s. Technol),16巻,第32頁(1985)参照のこ
と〕。また,PCLやPEAについては,繊維,フィル
ムに成形可能なものが得られているが,融点が65℃以
下であり,耐熱性に劣り,広い用途は期待できない〔イ
ンターナショナル バイオディテリオレイシェン ブレ
ティン(Int. Biodetn. Bull),11巻,第127頁
(1975)及びジャーナル ファーメンテイション
テクノロジー(J. Ferment. Technology),54巻,第
603頁(1976)参照のこと〕。さらに,生体吸収
性の縫合糸として実用化されているPGAやグリコリド
−ラクチド(9:1)共重合体は,非生物的な加水分解
を受けた後,生体内で代謝吸収されるが,高価であるこ
とに加えて耐水性に劣るので,汎用性のプラスチックス
として使用するには適していない〔サージェリー ジャ
イナコロジー オブステトリクス( Surg. Gynecol. Ob
stet), 141巻,第1頁(1975)参照のこと〕。
【0005】他方,α,ω−脂肪族ジオールと,α,ω
−脂肪族ジカルボン酸との融解重縮合によって製造され
る脂肪族ポリエステル,例えばポリエチレンサクシネー
ト(PES)やポリエチレンアジペート(PEA)は,
古くから知られたポリマーで,安価に製造でき,かつ土
中への埋没テストでも微生物により生分解されることが
確認されている〔インターナショナル バイオディテリ
オレイシェン ブレティン(Int. Biodetn. Bull),1
1巻,第127頁(1975)及びポリマーサイエンス
テクノロジー(Polym.Sci.Techno
l.),3巻,第61頁(1973)参照のこと〕が,
これらのポリマーは熱安定性に乏しく,重縮合時に分解
反応を併発するので,通常は,2,000〜6,000
程度の分子量のものしか得られず,繊維やフィルムとし
て加工するには十分でなかった。
【0006】これらの脂肪族ポリエステルの分子量を上
げるために,ヘキサメチレンジイソシアナートやトルエ
ンジイソシアナートなどのジイソシアナート類で処理す
ることが報告されている〔ポリマー ジャーナル(Po
lymer J.),2巻,第387頁(1971),
及び特開平4−189822号公報参照のこと〕が,こ
れらの方法では分子量を増大させる効果がある旨の開示
はあるものの,生分解性については何ら開示されていな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記実状に鑑み,本発
明の課題は,融点が100℃以上であり,かつ繊維やフ
ィルムに成形可能で,汎用性のプラスチックスとして使
用することができる生分解性ポリマーの提供にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,上記課題
を解決するために種々検討した結果,脂肪族ポリエステ
ルをウレタン結合で鎖延長した特定の脂肪族ポリエステ
ルが,上記課題を解決することができるという知見を
得,この知見に基づいて本発明に到達した。
【0009】すなわち,本発明は,下記一般式(1)で
示される繰り返し単位からなる,ゲル濾過クロマトグラ
フィー(以下GPCという)より求めたポリスチレン換
算での数平均分子量が5,000〜100,000であ
る生分解性ポリマーを要旨とするものである。
【0010】
【化2】
【0011】(式中,xは2又は4,yは0又は2,z
は2〜10,nは5〜500の整数を表す。)
【0012】以下,本発明について詳細に説明する。本
発明のポリマーは,GPCにより求めたポリスチレン換
算での数平均分子量が5,000〜100,000であ
る。この数平均分子量が5,000未満であると,繊維
やフィルムに成形することが困難となり,また,数平均
分子量が100,000を越えると,生分解性を有しな
くなる。本発明において,一般式(1)で示される繰り
返し単位を有する生分解性ポリマーは,まず第1に,脂
肪族ジカルボン酸もしくはそのジエステルとグリコール
とを窒素下に減圧下で重縮合させ,末端にOH基を有す
る脂肪族ポリエステルを合成した後,一般式(2)で示
される脂肪族ジイソシアナートを溶融下で反応させるこ
とにより得ることができる。
【0013】
【化3】
【0014】本発明において用いられる脂肪族ポリエス
テルの製造方法には,特に制限はなく,各種公知の製造
方法で得ることができる。例えば,J. Am.Chem.Soc.,5
2巻,第718頁(1930)に記載された方法に従っ
て,脂肪族ジカルボン酸と過剰のグリコールとを触媒の
存在下に窒素下で100〜190℃の温度下で反応させ
てオリゴマーを合成した後,徐々に減圧,加熱すること
により脱水及び脱グリコール化して,所定の脂肪族ポリ
エステルを得る。
【0015】脂肪族ポリエステルを構成する脂肪族ジカ
ルボン酸もしくはそのジエステルとしては,シュウ酸,
コハク酸,シュウ酸ジメチル,シュウ酸ジエチル,コハ
ク酸ジメチル,コハク酸ジエチル等があげられ,グリコ
ールとしては,エチレングリコール,1,4−ブタンジオ
ールがあげられる。これらの組み合わせ以外について
も,公知文献(例えば,近代工業化学,17巻,朝倉書
店,193〜212頁,参照のこと)に種々記載されて
いるが,上記の組み合わせ以外は,本発明の目的である
融点100℃以上のものを得にくくなるので,好ましく
ない。
【0016】本発明において,前記の脂肪族ポリエステ
ルを製造する際の脂肪族ジカルボン酸もしくはそのジエ
ステルとグリコールとの仕込み比率としては,通常は
1:1〜1:2.2のモル比とするのが好ましく, 1:1
〜1:1.6の範囲がより好ましく,特に,1:1〜1:
1.4の範囲で用いるのが最適である。反応条件について
は,エステル化反応(エステル交換反応も含む)により
オリゴマーをつくるときは,100〜190℃で1〜1
0時間の範囲が好ましく,150〜190℃で2〜5時
間の範囲がより好ましい。また,脱水及び脱グリコール
化による重合反応は,0.1〜5mmHgの減圧下で190〜
260℃で1〜10時間の範囲で行うのが好ましく,0.
1〜1mmHgの減圧下で200〜250℃で2〜5時間の
範囲で行うのがより好ましい。
【0017】また,重合触媒としては,一般にポリエチ
レンテレフタレートを製造する際に用いられている触媒
を用いることができ,例えば,リチウム,ナトリウム,
カリウム,セシウム,マグネシウム,カルシウム,バリ
ウム,ストロンチウム,亜鉛,アルミニウム,チタン,
コバルト,ゲルマニウム,スズ,鉛,アンチモン,ビス
マス,ホウ素,鉄,マンガン,ニッケル等の金属,その
有機金属化合物,有機酸塩,金属アルコキシド,金属酸
化物等があげられる。特に好ましい化合物としては,酢
酸カルシウム,酢酸亜鉛,酢酸マンガン,三酢化アンチ
モン,二酸化ゲルマニウム,テトラ−n−ブチルチタネ
ート,塩化第1錫等があげられ,これらの触媒は,2種
以上使用してもよい。また,その際,使用する触媒量と
しては,脂肪族ジカルボン酸もしくはそのジエステル1
モルに対して1×10-4〜5×10-3モルが好ましく,
2×10-4〜1×10-3モルの範囲で用いるのがより好
ましい。
【0018】このようにして得られた脂肪族ポリエステ
ルは,融点が100℃以上であるものの,重縮合時に解
重合が同時に起こるため,末端基滴定法で求めた数平均
分子量が通常は2,000〜5,000のものでしかな
く,フィルム,繊維,シート等に成形しても脆いものし
か得られない。そこで,脂肪族ポリエステルを一般式
(2)で示される脂肪族ジイソシアナートで処理すると
ウレタン結合で鎖延長して生分解性という本来の目的を
損なうことなく,成形体として利用し得る数平均分子量
が5,000〜100,000であるポリマーを得るこ
とが可能となる。
【0019】本発明において用いられる一般式(2)で
示される脂肪族ジイソシアナートとしては, 例えば, エ
タンジイソシアナート,トリメチレンジイソシアナー
ト,テトラメチレンジイソシアナート,ペンタメチレン
ジイソシアナート,ヘキサメチレンジイソシアナート,
ペプタメチレンジイソシアナート,オクタメチレンジイ
ソシアナート,ノナメチレンジイソシアナート,デカメ
チレンジイソシアナート等があげられ,その中でも特に
ヘキサメチレンジイソシアナートが好ましい。
【0020】脂肪族ポリエステルに反応させる脂肪族ジ
イソシアナートの量としては,脂肪族ポリエステルのO
H末端基1当量に対してイソシアナート基1.5当量以下
であることが好ましく,0.5〜1.2当量の範囲で用いる
ことがより好ましい。このようにすれば,同一分子内に
含まれるエステル基とウレタン結合の数の比が5〜50
0,好ましくは10〜100の範囲にあり,数平均分子
量が5,000〜100,000である生分解性のポリ
マーを得ることができる。また,脂肪族ポリエステルと
脂肪族ジイソシアナートとの反応条件としては,使用す
る脂肪族ジイソシアナートによって選択されるが,ヘキ
サメチレンジイソシアナートを用いるときは,100〜
200℃で0.5〜5時間,常圧,窒素化もしくは1〜1
00mmHgの減圧下で行うことが好ましい。
【0021】上記のようにして得られる本発明の生分解
性ポリマーは,融点100℃以上の熱可塑性ポリマーで
あり,従来使用される成形方法をそのまま適用して,繊
維,フィルム,シート,各種成形物に成形することがで
きる。本発明の生分解性ポリマーの微生物選択性は特に
明らかではないが,通常の土壌中への埋没試験や下水処
理場等で採用される活性汚泥曝気槽に浸漬する方法によ
って,生分解性を容易に確認することができる。すなわ
ち,成形品を土壌中に所定期間埋没させた後,この成形
品の分子量を測定するか,あるいはその表面形態を埋設
前のそれと比較することにより確認することができる。
【0022】
【実施例】以下,本発明を実施例によって具体的に説明
する。なお,実施例中のそれぞれの評価は次のようにし
て行った。
【0023】(1)OH価 得られたポリマーを溶融状態で過剰の無水コハク酸と作
用させ,末端をCOOH基に変換した後,ポリマーをク
ロロホルムもしくはジメチルスルホキシドに溶解させ,
次いで,アセトンで再沈殿することの繰り返しにより精
製し,フェノールフタレインを指示薬としてN/50カ
セイソーダエタノール溶液で非水滴定することにより求
めた。
【0024】(2)数平均分子量(Mn) ウォターズ(Waters)社製のGPC(ゲル濾過クロマト
グラフィー)測定装置を用い,ポリスチレン換算した値
を求めた。なお,測定条件としては,実施例1,2のポ
リマーは溶出剤としてクロロホルムを用いて35℃で測
定し,実施例3,4のポリマーはジメチルスルホキシド
を用いて60℃で測定した。
【0025】(3)外 観 目視もしくは光学顕微鏡観察より判定した。 A:ひどく損傷 B:かなり損傷 C:やや損傷
D:不 変
【0026】(4)フィルム強度 JIS K−7327に従い,所定サイズの試料を作成
し,インテスコ社製精密万能試験機2020型を用いて
測定した。
【0027】(5)還元比粘度(ηsp/C) ウベローデ粘度計を用いて,濃度0.5g/デシリットル
でのポリマー溶液粘度を測定することにより求め,分子
量の目安とした。なお,測定条件としては,実施例1,
2のポリマーはクロロホルムを用いて30℃で測定し,
実施例3,4のポリマーはジメチルスルホキシドを用い
て60℃で測定した。
【0028】実施例1 側管のついた重合反応管中に,42.2g(0.36モル)
のコハク酸,29.0g(0.47モル)のエチレングリコ
ール,0.021gの酢酸カルシウム1水和物,0.035
gの三酸化アンチモンを仕込み,反応管を180℃の油
浴中に浸して混合物を融解し,毛管を反応管の底に届く
ように入れた。窒素をゆっくり融解物中に流し,180
℃の温度で3時間保って, 生成する水と過剰のエチレン
グリコールを留去した。次いで,温度を240℃に上
げ,窒素を流しながら,20mmHgの減圧下で1時間,5
mmHgの減圧下で1時間,さらに,1mmHg以下の減圧下で
2時間加熱して,粘調液51.4gを得た。この粘調液は
脂肪族ポリエステルであり,ηsp/Cは0.36であ
り,OH価は0.20ミリ当量/gであった。
【0029】次に,上記粘調液の温度を180℃に下
げ,0.52g(6.2ミリ当量)のヘキサメチレンジイソ
シアナートを少しずつ加え,180℃で1時間,窒素気
流下で反応させることにより,目的とするポリマーを得
た。このポリマーのηsp/Cは0.46であり,融点は
104℃で,Mnは2.0×104 であった。
【0030】実施例2 実施例1において,エチレングリコール29.0gの代わ
りに1,4−ブタンジオール42.3g(0.47モル)を用
いること以外は,実施例1と同様にして粘調液61.9g
を得た。この粘調液は脂肪族ポリエステルであり,ηs
p/Cは0.35であり,OH価は0.22ミリ当量/gで
あった。次に,上記粘調液の温度を180℃に下げ,0.
80g(9.5ミリ当量)のヘキサメチレンジイソシアナ
ートを少しずつ加えて,180℃で0.5時間,窒素気流
下で反応させた後,180℃,5mmHgの減圧下で1時間
反応させることにより,目的とするポリマーを得た。こ
のポリマーのηsp/Cは0.50であり,融点は110
℃で,Mnは2.2×104 であった。
【0031】実施例3 側管のついた重合反応管中に,45.0g(0.50モル)
の無水シュウ酸,54.0g(0.60モル)の1,4−ブタ
ンジオール,0.030gの酢酸亜鉛2水和物を入れ,反
応管を120℃の油浴中に浸して混合物を融解し,毛管
を反応管の底に届くように入れた。窒素をゆっくり融解
物中に流し,150℃の温度で2時間要して生成する水
と過剰のエチレングリコールを留去した。次いで,温度
を170℃に上げ,0.050gの三酸化アンチモンを加
えた後,窒素を流しながら,10mmHgの減圧下で2時
間,さらに,1mmHg以下の減圧下で2時間加熱すること
により,粘調液72.0gを得た。この粘調液は脂肪族ポ
リエステルであり,ηsp/Cは0.20であり,OH価
は0.50ミリ当量/gであった。
【0032】次に,上記粘調液の温度を130℃に下
げ,3.0g(36ミリ当量)のヘキサメチレンジイソシ
アナートを少しずつ加え,170℃で1時間,窒素気流
下で反応させることにより,目的とするポリマーを得
た。このポリマーのηsp/Cは0.30であり,融点は
105℃で,Mnは1.2×104 であった。
【0033】実施例4 側管のついた重合反応管中に,59.0g(0.50モル)
のシュウ酸ジメチル,62.1g(1.0モル)のエチレン
グリコール,0.10gのテトラn−ブチルチタネートを
入れ,反応管を120℃の油浴中に浸して混合物を融解
し,毛管を反応管の底に届くように入れた。窒素をゆっ
くり融解物中に流し,180℃の温度で2時間を要して
生成するメタノールと過剰のエチレングリコールを留去
した。次いで,温度を180℃に保ち,窒素を流しなが
ら,1mmHg以下の減圧下で5時間加熱することにより,
粘調液58.0gを得た。この粘調液は脂肪族ポリエステ
ルであり,ηsp/Cは0.13であり,OH価は2.6ミ
リ当量/gであった。
【0034】次に,上記の粘調液の温度を130℃に下
げ,12.7g(151ミリ当量)のヘキサメチレンジイ
ソシアナートを少しずつ加え,180℃で0.5時間,窒
素気流下で反応させた後,180℃,1mmHgの減圧下で
1時間反応させることにより,目的とするポリマーを得
た。このポリマーのηsp/Cは0.30(濃度0.5g/
デシリットル,60℃,ジメチルスルホキシド中)で,
融点は178℃であり,Mnは1.1×104 であった。
【0035】実施例5〜8 実施例1〜4で得られたポリマーを,熱プレス機を用い
てその融点より10〜20℃高い温度で融解加圧し,1
00μm厚のフィルムを得た。次いで,このフィルムを
5cm×5cmに切断し,土中(個人住宅の庭,表層5〜1
0cmのところ)に埋め込み,初期,3か月,6か月後の
フィルムの状態を調べることにより生分解性の評価を行
った。その結果を表1に示す。
【0036】なお,比較サンプルとして,市販のポリエ
チレンフィルム,ポリエステルフィルム(いずれも10
0μm厚)を用いて同様に実施したが,外観,フィルム
強度とも,いずれも変化が認められなかった。表1よ
り,本発明のポリマーが生分解性を有していることは明
らかである。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】以上述べたように,本発明の生分解性ポ
リマーは,汎用性プラスチックスに代替し得るものであ
り,100℃以上の融点をもち,フィルム,繊維,シー
ト等に成形可能であり,十分な強度と耐久性をもってい
る。しかも,使用後は土中や水中の微生物により速やか
に安全な物質に分解されるので,環境保全上極めて有用
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示される繰り返し単
    位からなる,ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)よ
    り求めたポリスチレン換算での数平均分子量が5,00
    0〜100,000である生分解性ポリマー。 【化1】 (式中,xは2又は4,yは0又は2,zは2〜10,
    nは5〜500の整数を表す。)
JP4324926A 1992-11-09 1992-11-09 生分解性ポリマー Pending JPH06145283A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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