JPH06271656A - 脂肪族ポリエステル及びその製造方法 - Google Patents

脂肪族ポリエステル及びその製造方法

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JPH06271656A
JPH06271656A JP8810393A JP8810393A JPH06271656A JP H06271656 A JPH06271656 A JP H06271656A JP 8810393 A JP8810393 A JP 8810393A JP 8810393 A JP8810393 A JP 8810393A JP H06271656 A JPH06271656 A JP H06271656A
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glycol
aliphatic polyester
mol
succinic acid
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Yoshiaki Iwaya
嘉昭 岩屋
Minoru Nishinohara
稔 西之原
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Unitika Ltd
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  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生分解性を有し,成形体として利用し得る融
点100℃以上の高分子量の脂肪族ポリエステル及びそ
の製造方法を提供する。 【構成】 下記一般式(1)及び(2)で示される構成
単位からなり,還元比粘度が少なくとも0.8である脂
肪族ポリエステル。 −O−(CH2)4 −O−CO−(CH2)2 −CO− (1) −O−A−O−CO−(CH2)2 −CO− (2) 〔式中Aは,−(CH2)n −, −(CH2 CH2 O )m
−CH2 CH2 −, 【化1】 を示し,nは4を除く2〜20までの整数を表し,mは
1〜20までの整数を表し,lは0〜20までの整数を
表す。R1 ,R2 は,水素原子又は炭素数1〜3のアル
キル基を表し,R1 及びR2 が同時に水素原子であるこ
とはない。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,土壌中の微生物等によ
って分解し,かつ成形体として利用し得る高分子量の脂
肪族ポリエステル及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】合成繊維,フィルムその他成形体として
利用されているプラスチックスは,軽くて丈夫である利
点に加えて,安価に,かつ大量に安定して供給できる
等,我々の生活に豊かさと便利さをもたらし,プラスチ
ックス文明といえる現代の社会を構築してきた。しかし
ながら,近年,地球的規模での環境問題に対して,自然
環境の中で分解する高分子素材の開発が要望されるよう
になり,その中でも特に微生物によって分解されるプラ
スチックスは,環境適合性材料や新しいタイプの機能性
材料として業界で大きな期待が寄せられている。
【0003】従来より,脂肪族ポリエステルは生分解性
があることはよく知られており,その中でも特に微生物
によって生産されるポリ−3−ヒドロキシ酪酸エステル
(PHB)や合成高分子であるポリ−ε−カプロラクト
ン(PCL)及びポリグリコール酸(PGA)は,その
代表的なものである。
【0004】PHBを主体とするバイオポリエステル
は,優れた環境適合性と物性を有しているので工業的に
生産が行われているが,生産性に乏しく,コスト面から
ポリエチレンに代表される汎用プラスチックスとして代
替し得るには限界がある(繊維と工業,47巻,532
頁(1991)参照のこと)。また,PCLについて
は,繊維,フィルムに成形可能な高重合度のものが得ら
れているが,融点が65℃以下で耐熱性に乏しく,広い
用途には適用できない〔ポリマー サイエンス テクノ
ロジー(Polym. Sci. Technol.),3巻,61頁(197
3)参照のこと〕。さらに,生体吸収性の縫合糸として
実用化されているPGAやグリコリド−ラクチド(9:
1)共重合体は,非生物的な加水分解を受けた後,生体
内で代謝吸収されるが,高価であることに加えて耐水性
に劣るので,汎用プラスチックスとして使用するには適
していない。
【0005】他方,α,ω−脂肪族ジオールとα,ω−
脂肪族ジカルボン酸との融解重縮合によって製造される
脂肪族ポリエステル,例えば,ポリエチレンサクシネー
ト(PES)やポリエチレンアジペート(PEA)及び
ポリブチレンサクシネート(PBS)は古くから知られ
たポリマーで,安価に製造でき,かつ土中への埋没テス
トでも微生物により生分解されることが確認されている
〔インターナショナルバイオディテリオレイション ブ
レティン(Int. Biodetetn. Bull.),11巻,127頁
(1975)及びポリマー サイエンス テクノロジー
(Polym.Sci. Technol.),3巻,61頁(1973)参
照のこと〕が,これらのポリマーは熱安定性に乏しく,
重縮合時に分解反応を併発するので,通常は,2,00
0〜6,000程度の分子量(クロロホルムを用いて濃
度0.5g/デシリットル,30℃で測定した還元比粘
度ηsp/Cは0.3以下)のものしか得られず,繊維
やフィルムとして加工するには十分でなかった。
【0006】そこで,これらの脂肪族ポリエステルの分
子量を上げるためにヘキサメチレンジイソシアナートや
トルエンジイソシアナート等のジイソシアナート類で処
理することが報告されている〔ポリマー ジャーナル
(Polymer J.),2巻,387頁(1971)及び特開
平4−189822号公報参照のこと〕が,これらの方
法では,分子量を増大させる効果があるものの,通常は
反応工程が2段階になり,工程が繁雑になること,ま
た,得られたポリエステルについては,その結晶性や融
点が若干低下することに加えて,分子中にウレタン結合
が含まれてくるので,生分解性が多少劣るという問題点
があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記実状に鑑み,本発
明の課題は,生分解性を有し,成形体として利用し得る
融点100℃以上の高分子量の脂肪族ポリエステル及び
このような高分子量の脂肪族ポリエステルを容易に得る
ことができる脂肪族ポリエステルの製造方法の提供にあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,上記課題
を解決するために種々検討した結果,コハク酸とグリコ
ールから製造したポリブチレンサクシネートをベースと
する脂肪族ポリエステルは,上記課題を解決することが
できるものであるという知見を得,このような脂肪族ポ
リエステルは特定の触媒を用いることによって容易に製
造することができるという知見を得,この知見に基づい
て本発明に到達した。
【0009】すなわち本発明の要旨は,第1に,下記一
般式(1)及び(2)で示される構成単位からなり,還
元比粘度が少なくとも0.8である脂肪族ポリエステル
である。 −O−(CH2)4 −O−CO−(CH2)2 −CO− (1) −O−A−O−CO−(CH2)2 −CO− (2) 〔式中Aは,−(CH2)n −, −(CH2 CH2 O )m
−CH2 CH2 −,
【0010】
【化2】
【0011】を示し,nは4を除く2〜20までの整数
を表し,mは1〜20までの整数を表し,lは0〜20
までの整数を表す。R1 ,R2 は,水素原子又は炭素数
1〜3のアルキル基を表し,R1 及びR2 が同時に水素
原子であることはない。〕
【0012】第2に,コハク酸,テトラメチレングリコ
ール及び一般式(3)で示されるグリコールをIIA族元
素系触媒及びIVA族元素系触媒の存在下に重縮合するこ
とを特徴とする請求項1記載の脂肪族ポリエステルの製
造方法。 HO−A−OH (3) 〔式中Aは,前記Aと同じ。〕
【0013】以下,本発明について詳細に説明する。本
発明の脂肪族ポリエステルはコハク酸とグリコールから
なるポリブチレンサクシネートをベースとする脂肪族ポ
リエステルであり、一般式(1)及び一般式(2)で示
される構成単位よりなる。本発明の脂肪族ポリエステル
において,Aとしては,−(CH2)n −, −(CH2
CH2 O )m −CH2 CH2 −,
【0014】
【化3】
【0015】を示し,nは4を除く2〜20までの整数
を表し,mは1〜20までの整数を表し,lは0〜20
までの整数を表す。R1 ,R2 は,水素原子又は炭素数
1〜3のアルキル基を表し,R1 及びR2 が同時に水素
原子であることはない。〕で示される基が挙げられ,そ
の中でも−CH2 CH2 −,−CH2 CH2 OCH2
2 −,
【0016】
【化4】
【0017】で示される基が好ましい。また,本発明の
脂肪族ポリエステルの還元比粘度は少なくとも0.8で
あり,0.8未満では,成形加工性及び成形体とした際
の強度が低くなる。また,式(1)で示される構成単位
と一般式(2)で示される構成単位との割合は,モル比
で1:0.05〜1:0.30とすることが好ましい。
本発明において,一般式(1)及び一般式(2)で示さ
れる構成単位を有する脂肪族ポリエステルは,特定触媒
を用いることを除けば,各種公知の方法で製造すること
ができる。例えば,J. Am. Chem. Soc.,52巻,718
頁(1930)に記載された方法に従って,コハク酸と
テトラメチレングリコール及び一般式(3)で示される
グリコールとを,特定の重合触媒の存在下,窒素下で1
20〜250℃の温度で反応させてオリゴマーを合成し
た後,徐々に減圧,加熱することにより脱水及び脱グリ
コール化し,目的とする脂肪族ポリエステルを得ること
ができる。
【0018】本発明に用いられる一般式(3)で示され
るグリコールの具体例としては,エチレングリコール,
トリメチレングリコール,ペンタメチレングリコール,
ヘキサメチレングリコール,ヘプタメチレングリコー
ル,オクタメチレングリコール,ノナメチレングリコー
ル デカメチレングリコール,ウンデカメチレングリコ
ール,ドデカメチレングリコール,トリデカメチレング
リコール,エイコサンメチレングリコール,ジエチレン
グリコール,トリエチレングリコール,プロピレングリ
コール,ジプロピレングリコール,2,2−ジメチルプロ
パン−1,3−ジオール等があげられ,その中でもエチレ
ングリコール,ジエチレングリコール,プロピレングリ
コールが好ましい。
【0019】本発明において,オリゴマーを合成する際
のコハク酸とグリコールとの仕込み比率としては,モル
比で通常1:1〜1:2.2にするのが好ましく,1:
1.05〜1:1.6にするのがより好ましく,1:1
〜1:1.5にするのが最も好ましい。また,テトラメ
チレングリコールと一般式(3)で示されるグリコール
との仕込み比率としては,1:0.3〜1:1.01の
範囲で用いるのが好ましい。さらに,反応条件について
は,オリゴマーを作るときは,120〜250℃で1〜
10時間の範囲が好ましく,150〜220℃で2〜5
時間の範囲で,大気圧下,窒素気流下で行うのがより好
ましい。また,脱水及び脱グリコール化による重合反応
は,0.01〜10mmHgの減圧下で150〜250℃で
1〜10時間の範囲で行うのが好ましく,0.1〜1mm
Hgの減圧下で200〜240℃で2〜5時間の範囲で行
うのがより好ましい。
【0020】本発明における重合触媒としては,IIA族
元素及びIVA族元素が用いられるが,IIA族元素は,オ
リゴマーを合成する際に添加するのが好ましく,IVA族
元素については,オリゴマー合成時もしくは脱水及び脱
グリコール化による重合反応時に添加するのが好まし
い。
【0021】IIA族元素系触媒としては,例えば,ベリ
リウム,マグネシウム,カルシウム,ストロンチウム,
バリウム,ラジウム等の金属,その有機金属化合物,有
機酸塩,金属アルコキシド,金属酸化物,金属水酸化
物,炭酸塩,リン酸塩,硫酸塩,硝酸塩,塩化物等が挙
げられるが,その中でも酢酸塩の形態で用いるのが好ま
しい。特に好ましい触媒の具体例をあげれば,酢酸マグ
ネシウム・4水和物,酢酸カルシウム・1水和物,酢酸
ストロンチウム・1/2水和物,酢酸バリウム等であ
り,これらの触媒は,2種以上使用してもよい。また,
その際,使用する触媒量は,コハク酸1モルに対して1
×10-4〜5×10-3モルが好ましく,2×10-4〜1
×10-3モルの範囲で用いるのがより好ましい。
【0022】また,IVA族元素系触媒としては,例え
ば,チタン,ジルコニウム,ハフニウム等の金属,その
有機酸塩,金属アルコキシド,金属酸化物,金属水酸化
物,炭酸塩,リン酸塩,硫酸塩,硝酸塩,塩化物等が挙
げられ,特に好ましい触媒の具体例を挙げれば,テトラ
−n−ブチルチタネート,テトライソプロピルチタネー
ト等のテトラアルキルチタネート類で,これらの触媒は
2種以上使用してもよい。その際に使用する触媒量は,
コハク酸1モルに対して1×10-4〜5×10-3モルが
好ましく,2×10-4〜1×10-3モルの範囲で用いる
のがより好ましい。
【0023】上記の方法によれば,還元比粘度ηsp/
C(クロロホルムを用いて,濃度0.5g/デシリット
ルで30℃のときの値)が0.6以上である一般式
(1)及び一般式(2)で示される構成単位からなる脂
肪族ポリエステルが得られる。しかし,十分な成形加工
性と成形体としての強度を得るために還元比粘度は少な
くとも0.8とする。還元比粘度が0.8以上であれ
ば,ジイソシアナート類のような鎖延長剤で処理しなく
ても十分な成形加工性を有している。これらの高分子量
脂肪族ポリエステルは,従来の組成及び方法では全く得
られないものであり,ここに本発明の特徴がある。
【0024】本発明の脂肪族ポリエステルは,いずれも
熱可塑性であり,通常は100℃以上の融点を有してい
るので,様々の用途に適用することができる。例えば,
生分解性ポリマーとしてフィルム,繊維あるいはシート
等に加工して,各種ボトル,ショッピングバッグ,包装
材料,合成糸,釣糸,漁網,不織布,農業用マルチフィ
ルム等として利用することができる。また,本発明の脂
肪族ポリエステルは,これ以外にもホットメルト接着
剤,塗料,ウレタンエラストマーのベース樹脂としても
利用できる。
【0025】本発明の脂肪族ポリエステルを生分解性ポ
リマーとして利用する際,微生物選択性は特に明らかで
はないが,通常の土壌中への埋没試験や下水処理場で採
用される活性汚泥曝気槽に浸漬する方法によって生分解
性を容易に確認することができる。すなわち,成形品を
土壌中に所定期間埋没させた後,この成形品の分子量を
測定するか,あるいはその表面形態を埋没前のそれと比
較することにより確認することができる。
【0026】
【実施例】以下,本発明を実施例によって具体的に説明
する。なお,各値は以下のようにして求めた。
【0027】(1)還元比粘度(ηsp/C) ウベローデ粘度計を用いて,濃度0.5g/デシリット
ルでのポリマー溶液粘度を測定することにより求め,分
子量の目安とした。 測定条件:溶媒としてクロロホルムを用い,30℃で測
定した。
【0028】(2)融 点 ヤナコ社製微量融点測定装置MP−S3を用い,昇温速
度1〜2℃/minで測定した。
【0029】(3)外 観 目視もしくは光学顕微鏡観察により判定した。 A:ひどく損傷 B:かなり損傷 C:やや損傷
D:不 変
【0030】(4)フィルム強度 JIS K−7327に従い,所定サイズの試料を作成
し,インテスコ社製精密万能試験機2020型を用いて
測定した。
【0031】実施例1 まず,攪拌機及びガス導入管を付した3つ口フラスコに
コハク酸118g(1.00モル),テトラメチレング
リコール105g(1.17モル),エチレングリコー
ル8.08g(0.13モル)及び酢酸マグネシウム・
4水和物0.064g(3.0×10-4モル)を入れ,
200℃の油浴中に浸して混合物を融解した。窒素をゆ
っくり融解物中に流し,200℃で3時間要して生成す
る水と過剰のテトラメチレングリコール及びエチレング
リコールを留去し,オリゴマーを得た。次いで,テトラ
−n−ブチルチタネート0.34g(1.0×10-3
ル)を加え,温度を220℃に上げ,窒素下,2mmHgの
減圧下で2時間,さらに,温度を240℃に上げ,1mm
Hg以下の減圧下で1時間加熱することにより,粘調なポ
リマー液169gを得た。このポリマーのηsp/Cは
1.10(濃度0.5g/デシリットル,30℃,クロ
ロホルム中)であり,融点は114℃であった。
【0032】実施例2 まず,攪拌機及びガス導入管を付した3つ口フラスコに
コハク酸47.2g(0.400モル),テトラメチレ
ングリコール37.5g(0.410モル),エチレング
リコール6.24g(0.100モル)及び酢酸カルシ
ウム・1水和物0.021g(1.2×10-4モル)を
入れ,180℃の油浴中に浸して混合物を融解した。窒
素をゆっくり融解物中に流し,180℃で3時間要して
生成する水と過剰のテトラメチレングリコール及びエチ
レングリコールを留去し,オリゴマーを得た。次いで,
テトライソプロピルチタネート0.114g(4.0×
10-4モル)を加え,温度を220℃に上げ,窒素下,
2mmHgの減圧下で2時間,さらに,1mmHg以下の減圧下
で1時間加熱することにより,粘調なポリマー液67.
7gを得た。このポリマーのηsp/Cは0.88(濃
度0.5g/デシリットル,30℃,クロロホルム中)で
あり,融点は104℃であった。
【0033】実施例3 酢酸マグネシウム・4水和物0.064gの代わりに酢酸
カルシウム0.053g(3.0×10-4モル)を用い
ること以外は,実施例2と全く同様にして目的とするポ
リマーを得た。このポリマーのηsp/Cは1.20
(濃度0.5g/デシリットル,30℃,クロロホルム
中)であり,融点は114℃であった。
【0034】実施例4 エチレングリコール8.08g(0.13モル)の代わ
りにジエチレングリコール13.8g(0.13モル)
を用いること以外は,実施例1と全く同様にして目的と
するポリマーを得た。このポリマーのηsp/Cは1.
05(濃度0.5g/デシリットル,30℃,クロロホ
ルム中)であり,融点は110℃であった。
【0035】実施例5 エチレングリコール8.08g(0.13モル)の代わ
りにプロピレングリコール9.13g(0.12モル)
を用いること以外は,実施例1と全く同様にして目的と
するポリマーを得た。このポリマーのηsp/Cは1.
00(濃度0.5g/デシリットル,30℃,クロロホ
ルム中)であり,融点は112℃であった。
【0036】参考例1〜5 実施例1〜5で得たポリマーを,熱プレス機を用いて,
その融点より30〜40℃高い温度で融解加圧し,50
μm厚のフィルムを作成した。このフィルムを5cm×5
cmに切断し,土中(個人住宅の庭,表層5〜10cmのと
ころ)に埋め込み,初期,3か月,6か月後のフィルム
の状態を調べ,生分解性の評価を行った。その結果を表
1に示す。
【0037】比較例1〜3 比較例として,市販のポリエチレンフィルム(比較例
1),ポリエステルフィルム(比較例2)及び実施例1
で酢酸マグネシウム・4水和物の代わりに酢酸亜鉛・4
水和物0.066g(3.0×10-4モル)を用いること
にして得た還元比粘度0.6の脂肪族ポリエステルフィ
ルム(比較例3)(いずれも50μm厚)を用いて同様
に初期,3か月,6か月後の状態を調べ,生分解性の評
価を行った。その結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1より,本発明の脂肪族ポリエステル
は,高分子量で,優れた生分解性を有していることが明
らかである。
【0040】
【発明の効果】本発明の脂肪族ポリエステルは,生分解
性を有しているとともに,融点が100℃以上の高分子
量で,成形性に優れている。したがって,各種形状に加
工して生分解性のフィルム,繊維,シートとして利用す
ることができる。さらに,本発明の製造方法によれば,
このような脂肪族ポリエステルを容易に得ることができ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)及び(2)で示される
    構成単位からなり,還元比粘度が少なくとも0.8であ
    る脂肪族ポリエステル。 −O−(CH2)4 −O−CO−(CH2)2 −CO− (1) −O−A−O−CO−(CH2)2 −CO− (2) 〔式中Aは,−(CH2)n −, −(CH2 CH2 O )m
    −CH2 CH2 −, 【化1】 を示し,nは4を除く2〜20までの整数を表し,mは
    1〜20までの整数を表し,lは0〜20までの整数を
    表す。R1 ,R2 は,水素原子又は炭素数1〜3のアル
    キル基を表し,R1 及びR2 が同時に水素原子であるこ
    とはない。〕
  2. 【請求項2】 コハク酸,テトラメチレングリコール及
    び一般式(3)で示されるグリコールをIIA族元素系触
    媒及びIVA族元素系触媒の存在下に重縮合することを特
    徴とする請求項1記載の脂肪族ポリエステルの製造方
    法。 HO−A−OH (3) 〔式中Aは,請求項1記載のAと同じ。〕
JP8810393A 1993-03-22 1993-03-22 脂肪族ポリエステル及びその製造方法 Pending JPH06271656A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5616681A (en) * 1994-11-01 1997-04-01 Nippon Shokubai Co., Ltd. Process for producing aliphatic polyester

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US5616681A (en) * 1994-11-01 1997-04-01 Nippon Shokubai Co., Ltd. Process for producing aliphatic polyester

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