JP2741288B2 - 鋼材とプレキャスト・コンクリート版との荷重伝達構造 - Google Patents

鋼材とプレキャスト・コンクリート版との荷重伝達構造

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JP2741288B2
JP2741288B2 JP2412498A JP41249890A JP2741288B2 JP 2741288 B2 JP2741288 B2 JP 2741288B2 JP 2412498 A JP2412498 A JP 2412498A JP 41249890 A JP41249890 A JP 41249890A JP 2741288 B2 JP2741288 B2 JP 2741288B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主としてせん断力や曲
げモーメントを伝達する鋼材とプレキャスト・コンクリ
ート版との荷重伝達構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄骨造の建物における鉄骨とプレ
キャスト・コンクリート版との接合部等では、通常、図
9や図10に示すような荷重伝達手段がとられている。
【0003】図9の鋼材aとプレキャスト・コンクリー
ト版bとの間の荷重伝達手段は、プレキャスト・コンク
リート版bに、適所にて切欠c又は窓孔を設けるととも
に、該切欠c等に沿えてひげ鉄筋e付き鋼板dを打込み
して、該鋼板dの一部をその切欠c等に表出させること
で、この表出させた鋼板dの一部を接合相手の鋼材aに
密着させて溶接fするものである。なお、その切欠c等
乃至周辺にコンクリートを充填することもある。
【0004】図10の鋼材aとプレキャスト・コンクリ
ート版bとの荷重伝達手段は、プレキャスト・コンクリ
ート版bの適所に切欠cや窓孔を設け、該切欠c等に対
応させて鋼材aの適所にスタッドジベルgを溶接し、そ
のプレキャスト・コンクリート版を鋼材に密着させた
後、切欠c等乃至その周辺の所要部にコンクリートを充
填して、切欠c等とスタッドジベルgとの間のコンクリ
ートの支圧力によって荷重を伝達するものである。
【0005】また、実開平1−64506号公報には、
プレキャスト・コンクリート版の接合部にひげ鉄筋付き
螺合二重筒を用いたものが示されている。この場合のひ
げ鉄筋付き螺合二重筒は、それぞれ下端部に複数のモル
タル注入用切欠を有する外筒と内筒とを螺合させ、か
つ、外筒の外周に複数のひげ鉄筋を溶接したものであ
り、プレキャスト・コンクリート版の上下両面を適度に
窪ませた接合部に、そのひげ鉄筋付き外筒にて貫通させ
て打込みしている。而して、その接合部を鋼桁上に載
せ、内筒を螺動させて高さ調整した後、内筒の下端を鋼
桁に溶接し、次いで、内筒内及び版上面の窪みにモルタ
ルを充填し、該モルタルを上記切欠を介して版下面の窪
みにも注入するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図9の場
合、耐力についての計算上は、一般には鋼板dと鋼材a
の溶接部のせん断力とひげ鉄筋eの引き抜き耐力のいず
れか小さい方の耐力としているが、実験によると、プレ
キャスト・コンクリート版bに埋設された鋼板dの端部
とコンクリート部の支圧耐力が耐力を決定しており、鋼
板dの角部からの斜めひび割れが最終耐力となっている
ことが判明した。つまり、ひげ鉄筋eは、耐力決定要因
とはならず、靭性にのみ寄与しているのであり、所要の
耐力が得られていないのである。特に、鋼板dの角部が
鋭角になるほど応力集中によりそのひび割れを早めてい
る。また、プレキャスト・コンクリート版bの製造に当
たり切欠c等の形成のために複雑な形状を持つ型枠が必
要なこと、ひげ鉄筋eを鋼板dにあらかじめ溶接する作
業が必要なこと、ひげ鉄筋eがプレキャスト・コンクリ
ート版bの配筋作業に障害となること等、多くの問題を
含んでいる。
【0007】図10の場合、スタッドジベル1本当たり
の耐力が小さく、数多くの切欠c等とスタッドジベルg
等が必要となる。したがって、プレキャスト・コンクリ
ート版bの製造において切欠c等の形状のために複雑な
形状を持つ型枠が必要なこと、鋼材aへの接合において
切欠c等とスタッドジベルgとの間にコンクリートを充
填する必要があること等の問題がある。
【0008】実開平1−64506号公報の場合、ひげ
鉄筋付き螺合二重筒の構造が上述の通りかなり複雑で、
製作が容易でなく、ほとんど高さ調整を要しない最近の
設計・施工において斯様な調整手段はかえって製作、施
工に手間をかけることとなる。また、この場合とて、プ
レキャスト・コンクリート版の製造に当たり版上下面の
窪みを形成かるために複雑な形状の型枠が必要なこと、
ひげ鉄筋を鋼板にあらかじめ溶接する作業が必要なこ
と、ひげ鉄筋がプレキャスト・コンクリート版の配筋作
業に障害となること等の問題点があり、更には、現場施
工においてモルタルの充填が不可欠である。
【0009】本発明は、従来のそれらの間題点を一掃し
ようとするものであり、荷重伝達力、接合耐力の向上、
並びに、作業の省力化、コストダウン等を図ることを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明は、鋼材1と接合させるプレキャスト・コンクリー
ト版2の接合部に、版厚さと同等乃至やや短い長さの丸
乃至角形の鋼管3を一端乃至両端の端面が版面と面一に
なる状態で中空にて貫通させて打込みするとともに、該
鋼管3の周りに環状の割裂補強筋5を埋設し、而して、
その鋼管3の一端面を接合相手の上記鋼材1に密着させ
て鋼管内にて相互に溶接一体化させることを特徴とす
る。
【0011】
【作用】如上の構成であるから、プレキャスト・コンク
リート版と鋼材との間のせん断力の伝達は、図7に示す
ように、せん断力Qによって発生するコンクリート内の
鋼管片側の支圧応力を鋼管が負担して、鋼管と鋼材との
間の溶接部のせん断強度によって伝達する。
【0012】また、プレキャスト・コンクリート版と鋼
材との間の曲げモーメントMの伝達は、図8に示すよう
に、プレキャスト・コンクリート版に発生した曲げモー
メントMによって鋼管の上部と下部に生じた一対の支圧
応力が、鋼管内の引張応力と圧縮応力の偶力に変換さ
れ、その応力を鋼管と鋼材との間の溶接部のせん断強度
によって鋼材に伝達する。
【0013】
【実施例】その1. 図1乃至図3は、第1の実施例であり、鉄骨梁たる鋼材
1の上に、床版たるプレキャスト・コンクリート版2を
接合した場合の荷重伝達構造を示している。
【0014】すなわち、鋼材1とプレキャスト・コンク
リート版2との接合部において、そのプレキャスト・コ
ンクリート版2の適所に、版厚さと同等乃至やや短い長
さの断面長方形の角形の鋼管3を、一端乃至両端の端面
が版面と面一になる状態で貫通させて埋設するととも
に、該鋼管の周りに割裂補強筋5を埋設し、該鋼管の一
端面を接合相手の鋼材1に密着させて、鋼管内面と鋼材
とを溶接4して成る。
【0015】割裂補強筋5は、環状であれば適宜形状で
よいが、楕円乃至円形が効果的である。鋼管3内には、
コンクリート等を充填してもよい。
【0016】図6は、実用例を示している。この場合、
接合部は、プレキャスト・コンクリート版2の形状等に
適合させて、中央に1箇所、左右に2箇所設け、割裂補
強筋5を円形にして内外二重に設けている。
【0017】その2. 図4は、第2の実施例であり、鋼管の鉄骨柱たる鋼材1
に、外周材としてプレキャスト・コンクリート版2の筒
体を接合した場合を示している。接合部の具体的構造は
前例と同じである。
【0018】その3. 図5は、第3の実施例てあり、ブレースである鋼材1
に、外周材としてプレキャスト・コンクリート版2の筒
体を接合した場合を示している。この場合も、接合部の
具体的構造は第1の実施例と同じである。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、プレキャスト・コンク
リート版2に、版厚さと同等乃至やや短い長さの丸乃至
角形の鋼管3を、一端乃至両端の端面が版面と面一とな
る状態て中空にて貫通させて打込みするので、プレキャ
スト・コンクリート版2自体の製作時にその鋼管3を版
全体の型枠中に窓孔等形成用型枠を兼ねて打込みするこ
とができて、鋼管3をプレキャスト・コンクリート版2
に適確にかつ強固に一体化させることがてき、しかも、
鋼管3の周りに環状の割裂補強筋5をを埋設しているの
で、鋼管3周辺のコンクリート強度及びコンクリート付
着力を向上させることができる。更に、プレキャスト・
コンクリート版2の接合部には、窪み、切欠等を要せ
ず、これらを形成するための型枠が不要であり、かつ、
打込みする鋼管3には、ひげ鉄筋等を溶接しないから溶
接の手間がかからず、したがって、プレキャスト・コン
クリート版2の製作において配筋に邪魔なひげ鉄筋等が
ないからプレキャスト・コンクリート版2自体の配筋が
容易となり、そして、環状の割裂補強筋5はこの配筋の
際に銅管3の周りの簡単の配備させることができて手間
がかからず、勿論、ひげ鉄筋付き切欠付きの高さ調整可
能な螺合二重筒等を要せず、よって、プレキャスト・コ
ンクリート版2自体の製作工程を簡略化でき、部材を単
純化、簡素化でき、製作コストを低減できる。
【0020】また、現場施工においては、打込みしたそ
の鋼管の端面を接合相手の鋼材に密着させて、鋼管内面
と鋼材とを溶接一体化させるので、プレキャスト・コン
クリート版と鋼材との間に、その溶接部を介して強力
に、せん断力、曲げモーメント等を伝達でき、その荷重
伝達力、接合耐力を従来に比べ格段に向上させることが
でき、確実に接合できる。しかも、接合箇所を少なくで
き、接合を省力化でき、施工コストを削減できる。な
お、窪み、切欠等を有しないので、窪み、切欠等への不
可欠なモルタルの充填等は必要ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施例の要部を示す截断斜視図であ
る。
【図2】 図1のII−II線の断面図である。
【図3】 第1の実施例を広い範囲で示す截断斜視図で
ある。
【図4】 第2の実施例を広い範囲で示す截断斜視図で
ある。
【図5】 第3の実施例を広い範囲で示す截断斜視図で
ある。
【図6】 第1の実施例の実用例を示す截断平面図であ
る。
【図7】 せん断力の伝達を示す説明図である。
【図8】 曲げモーメントの伝達を示す説明図である。
【図9】 ひげ鉄筋付き鋼板を用いた従来例を示す截断
斜視図である。
【図10】スタッドジベルを用いた従来例を示す截断斜
視図である。
【符号の説明】
1…鋼材 2…プレキャスト・コ
ンクリート版 3…鋼管 4…溶接部 5…割裂補強筋 a…鋼材 b…プレキャスト・コ
ンクリート版 c…切欠 d…鋼板 e…ひげ鉄筋 f…溶接部 g…スタッドジベル

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼材1と接合させるプレキャスト・コン
    クリート版2の接合部に、版厚さと同等乃至やや短い長
    さの丸乃至角形の鋼管3を一端乃至両端の端面が版面と
    面一になる状態で中空にて貫通させて打込みするととも
    に、該鋼管3の周りに環状の割裂補強筋5を埋設し、而
    して、その鋼管3の一端面を接合相手の上記鋼材1に密
    着させて鋼管内にて相互に溶接一体化させることを特徴
    とする鋼材とプレキャスト・コンクリート版との荷重伝
    達構造。
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