JP2737290B2 - アルデヒド類の除去方法 - Google Patents

アルデヒド類の除去方法

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公昭 松田
伊知郎 小坂
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はアルデヒド類の除去方法に関する。さらに詳
しくは、ヒドラジノ基を有する塩基性イオン交換樹脂の
鉱酸塩を使用して、アルデヒド類を含有する溶液または
気体からアルデヒド類を効率よく除去する方法に関する
ものである。
<従来の技術> 近年、臭気に関する種々の問題が生じており、臭気閥
値の観点からアルデヒドの除去が重要な問題となってき
ている。
従来から、アルデヒドを吸着するものとして活性炭、
活性白土、シリカゲル、アルミナ等の無機吸着剤が知ら
れている。また官能基として第1級または第2級アミノ
基を有する塩基性イオン交換樹脂も吸着剤として知られ
ている。(「実用イオン交換」宮原、大曲、酒井共著P1
52、化学工業社 昭和47年発行) <発明が解決しようとする課題> これらの吸着剤は低濃度のアルデイド類に対して平衡
吸着量が低く、必ずしも満足すべき脱臭効果が得られな
い。
本発明者は、ヒドラジノ基を有する塩基性イオン交換
樹脂の鉱酸塩が、アルデヒド類に対して特異的吸着性を
示すことを見出し、上記課題を解決し本発明を完成する
に至った。
<課題を解決するための手段> 本発明は、ヒドラジノ基を有する塩基性イオン交換樹
脂の鉱酸塩とアルデヒド類を接触させることを特徴とす
るアルデヒド類の除去方法である。
ヒドラジノ基を有する塩基性イオン交換樹脂の鉱酸塩
は、ヒドラジノ基を有する塩基性イオン交換樹脂を鉱酸
で処理して得られる。
鉱酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸等が挙げられ
る。
ヒドラジノ基を有する塩基性イオン交換樹脂の樹脂基
体、形状、製造方法は特に限定されないが、クロメチル
基、ニトリル基、塩素や臭素等のハロゲン原子等のアミ
ン反応性基を有した、スチレン、フェノール、エチレ
ン、プロピレン、塩化ビニル、アクリロニトリル、α−
クロルアクリロニトリル、シアン化ビニリデン、メタア
クリロニトリル等の単量体を主成分とする重合体(以下
アミン反応性基を有した樹脂と称す)にヒドラジンまた
はその誘導体、例えば4−アミノフェニルヒドラジン、
4−アミノシクロヘキサンカルボヒドラジド、α−ヒド
ラジンイミダゾール−4−プロピオン酸等を反応させた
重合体等が挙げられる。
アミン反応性基を有した単量体としては、ニトリル基
を有するものが好ましく、塩としては塩酸塩、硫酸塩が
好ましい。
本発明で除去されるアルデヒド類は特に限定されない
が、一般には、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、
ブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、ヘキシルアルデ
ヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド、α−メチル
アクロレイン、α−エチルアクロレイン、α−メチルク
ロトンアルデヒド、β−メチルクロトンアルデヒド、ヘ
キセナール、プロピナール、2−ブチナール、グリオキ
ザール、コハク酸アルデヒド、グルタルアルデヒド、フ
ルフラール、ヒドロキシメチルフルフラール、アジプア
ルデヒド等、脂肪族アルデヒド類、不飽和アルデヒド類
および環状アルデヒド類が挙げられる。
アルデヒド類と本発明のイオン交換樹脂との接触方法
は特に制限されるものではなく、例えば本発明はイオン
交換樹脂を充填した塔内へアルデヒド類を含有する液体
または気体を通す連続法、またアルデヒド類を含有する
液体または気体を収容した容器中にイオン交換樹脂を加
え、撹拌または静置する方法等いずれの方法によっても
アルデヒド類を除去することができる。
本発明のイオン交換樹脂とアルデヒド類を含有する溶
液または気体の接触温度は、特に制限されるものではな
いが、通常100℃以下で実施される。
また接触時間も特に制限されるものではなく、適宜予
備実験を行うことにより設定することができる。
<発明の効果> 本発明のヒドラジノ基を有する塩基性イオン交換樹脂
の鉱酸塩は、従来の吸着剤に比べアルデヒド類の吸着容
量及び吸着速度が著しく大きく、容易にアルデヒド類を
除去することができるのでその工業的価値は大きい。
本発明により溶液中のアルデヒド類及び気体状のアル
デヒド類のいずれも効率良く吸着除去することができる
ので、例えば化学工場の廃水処理、し尿の湿式酸化処理
工場の脱臭、糖液中からのアルデヒドの除去、タバコの
煙等からの刺激成分の除去等に有効である。
<実施例> 以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、
本発明方法はこれらの実施例に限定されない。
実施例1 架橋度4モル%のアクリロニトリル−ジビニルベンゼ
ン共重合樹脂60重量部に400重量部の80%飽水ヒドラジ
ンを加え、100〜105℃で8時間反応を行った。反応生成
物を濾過、水洗し、さらに2規定塩酸水溶液1000重量部
に1時間浸漬後水洗したところ、233重量部(未乾燥)
の塩基性イオン交換樹脂の塩酸塩を得た。(以下本樹脂
を樹脂Aと称する)。
樹脂A2mlを、アセタアルデヒドを25mg含む25重量%濃
度の異性化糖50mlに加え、室温で1時間撹拌して接触処
理を行った後、処理液のアセトアルデヒド濃度の分析を
行ったところ0.05mg/以下であった。
実施例2〜4・比較例1〜4 クロルメチル化スチレン−ジビニルベンゼン共重合体
20重量部と、80%飽水ヒドラジン100重量部を加え80℃
で6時間反応を行った。
反応生成物を濾過、水洗後、2規定硫酸水溶液500重
量部に1時間浸漬し濾過水洗したところ55重量部(未乾
燥)の塩基性イオン交換樹脂の硫酸塩を得た(以下本樹
脂を樹脂Bとする)。
フェノール94重量部、レゾルシン0.1重量部のイミノ
ジアセトニトリル95重量部と25重量%のホルマリン105
重量部とを加え80℃で4時間反応を行い、次いで同温で
減圧脱水50重量部した後80重量%の抱水ヒドラジン120
重量部を加え105、℃で6時間反応を行った。反応後樹
脂を粉砕し水洗した後、1規定塩酸水溶液500重量部に3
0分間浸漬した。その後、濾過水洗を行い312重量部(未
乾燥)の塩基性イオン交換樹脂の塩酸塩を得た(以下本
樹脂を樹脂Cとする)。
架橋度8モル%のアクリル酸−グリシジルメタクリレ
ート共重合体1000重量部にN,N−ジメチルホルムアミド1
00重量部と、1,2−ジクロルエタン3000重量部を加え、9
0℃に保温しながら塩化カルボニル1980重量部、を14時
間で吹き込み、アクリル酸−グリシジルメタクリレート
共重合体のカルボン酸基を塩素化し、濾過、乾燥したと
ころ1180重量部のカルボニルクロリド基を有した樹脂を
得た。
次いで20%抱水ヒドラジン2000重量物を加え90℃で4
時間反応を行った。
反応生成物を濾過、水洗した後、2規定塩酸水溶液50
00重量部に3時間浸漬した。その後、濾過、水洗を行い
3150重量部(未乾燥)の塩基性イオン交換樹脂の塩酸塩
を得た。(本樹脂を樹脂Dとする。) 樹脂B、C及びDならびに樹脂A、B、C及びDを鉱
酸塩処理する前のイオン交換樹脂(以下各々A前駆体、
B前駆体、C前駆体、D前駆体と称する)を実施例1と
同様にして撹拌し、接触処理を行い、処理液のアセトア
ルデヒド濃度の分析を行ったところ、第1表に示す結果
を得た。
実施例5〜8 クロトンアルデヒドを20mg/含む水溶液50ml中に、
前記樹脂A〜Dを1ml加え、室温で2時間撹拌して接触
を行った後、処理液のクロトンアルデヒド濃度の分析を
行った。結果を第2表に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C02F 1/42 C07C 47/09 C07C 47/09 B01D 53/34 120D

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒドラジノ基を有する塩基性イオン交換樹
    脂の鉱酸塩とアルデヒド類を接触させることを特徴とす
    るアルデヒド類の除去方法。
JP1222458A 1989-08-28 1989-08-28 アルデヒド類の除去方法 Expired - Lifetime JP2737290B2 (ja)

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