JP2736843B2 - 異形鉄筋及びその製造方法、製造ロール - Google Patents

異形鉄筋及びその製造方法、製造ロール

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JP2736843B2
JP2736843B2 JP4221924A JP22192492A JP2736843B2 JP 2736843 B2 JP2736843 B2 JP 2736843B2 JP 4221924 A JP4221924 A JP 4221924A JP 22192492 A JP22192492 A JP 22192492A JP 2736843 B2 JP2736843 B2 JP 2736843B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築用に使用されるネ
ジフシを有する異形鉄筋(ネジフシ鉄筋、異形棒鋼とも
称される)の種類を区別表示する圧延マークを表示した
異形鉄筋及びその製造方法、製造ロールに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、かかる異形鉄筋aにはJIS G
3112の規定に準拠して鉄筋種類を区別する表示が
成されており、図5、6に示す様に傾斜した節(ネジフ
シ)b、b'…の一部を欠損させて、棒鋼本体c表面に突
起状の圧延マークdを設けており、又JIS規定には
「文字などを浮き彫りにする場合には、その部分の節を
欠いてもよい。」の規定があり、かかる記載により一般
的に上記の様な位置に圧延マークdを設けていた。
【0003】上記異形鉄筋aのコンクリート埋設におけ
る使用形態の一例としては、カプラー、ナット等を利用
して2本以上の異形鉄筋aを一直線状に連結しており、
かかる連結時には傾斜した節b、b'…を螺子山として利
用しているために、節b、b'…の一部が欠損しているこ
とは螺子山の一部不存在に相当し、嵌合力、強度低下に
繋がる欠点を有していた。
【0004】又、上記異形鉄筋aは上下2段の圧延ロー
ルe、e'を使用して圧延製造しており、かかる圧延ロー
ルe、e'はその中央部に異形鉄筋aの挿通孔用の半面に
相当する半円形状の凹部f、f'を設けると共に、該凹部
f、f'に節b、b'…用の溝g、g'…を多数刻設してお
り、従って溝g、g'…だけの刻設時には凹部f、f'の円
周方向に沿って一直線状に溝刻設を行うだけで良いが、
圧延マークdの位置を節b、b'…の一部欠損部hに設け
る時には、溝g、g'…線上の所定個所に圧延マークdに
対応する刻設部iを残して溝刻設を両方向から行わねば
ならず、又節b、b'…と一部欠損部hの傾斜継目jの加
工を必要としたり凹部f、f'内の加工作業性の悪い位置
で作業を行わねばならず、これらの結果、圧延ロール
e、e'の加工が困難となる欠点を有していた。
【0005】又、圧延ロールe、e'の加工費用面におい
ても、一直線状の溝g、g'…は旋盤加工が可能となる
が、刻設部iが存在する溝g、g'…に関しては放電加工
を行わねばならず、加工費用が高騰する欠点を有し、更
に一対の圧延ロールe、e'で節b、b'…と圧延マークd
の形成を同時に行っているために、同一形状の節b、b'
…であっても鉄筋種類と圧延マークdが異なれば、複雑
形状の圧延ロールe、e'を多数準備したり交換せねばな
らず、この様な段取り面においても欠点を有していた。
【0006】上記の様にJIS規定に準拠した異形鉄筋
aを圧延製造するための圧延ロールe、e'は、慣用的に
上記形状の異形鉄筋a用であり、従って異形鉄筋aにお
ける圧延マークdの位置を見直さなければ圧延ロール
e、e'における欠点も解決出来なかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、節を棒鋼本
体の全周に設けて螺合力を確保する様にした異形鉄筋を
提供せんとしたり、圧延ロールにおける節対応の溝と圧
延マーク対応の刻設部の加工を容易とするために、異形
鉄筋における圧延マークの位置を変更すると共に、これ
に対応して圧延ロールにおける圧延マークの刻設部の位
置を変更したり、圧延ロールの段取りを容易にする様に
した異形鉄筋及びその製造方法、製造ロールを提供せん
とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来技術
に基づく、異形鉄筋における圧延マークの位置から発生
する課題、即ち節の一部欠損による螺合力等の低下が発
生する課題、圧延ロールの製造加工が困難な課題に鑑
み、該課題に対応した新規な構成に係る共通事項の圧延
マークの位置及び圧延マークの刻設部の位置を特定する
こと、即ち異形鉄筋に刻設する圧延マークの位置を軸線
方向側面の略平坦部にすることによって、節を棒鋼本体
の全周に設ける様にし、又異形鉄筋と圧延ロールの製造
加工時に節と溝、圧延マークと刻設部を夫々別々に加工
する様にしたり、圧延ロールの溝を一直線状に切削する
様にして、上記課題を解決せんとしたものである。
【0009】又、従来の節と圧延マークを同時に形成す
ることで発生した段取りに手間を要する課題に鑑み、圧
延マークを形成する第1圧延ロールと、節を形成する第
2圧延ロールを別体とすることによって、鉄筋種類と圧
延マークが変わっても第1、第2圧延ロールに関する段
取りを不要或いは軽作業とする様にして、上記課題を解
決せんとしたものである。
【0010】
【作用】本発明における異形鉄筋にあっては、節と圧延
マークの位置は関係なく節は全周に存在して所定の螺合
力を発生し、又圧延ロールにあっては、節に対応する溝
と圧延マークに対応する刻設部が別々となり、溝は刻設
部に関係なく一方向から一直線状に刻設する。
【0011】又、溝と刻設部を有する圧延ロールは夫々
別体とすることにより、異なる種類の異形鉄筋の製造に
際して、溝を有する圧延ロールは共用し、且つ刻設部を
有する圧延ロールにおいても、毎回圧延ロールを交換す
ることなく簡単な加工を行うだけで、段取り面等を極力
減少させて製造を行う。
【0012】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明
すると、1は本発明に係る異形鉄筋であり、該異形鉄筋
1の棒鋼本体2の周面に多数の平行傾斜した節3、3a…
を突設すると共に、軸線方向の異形鉄筋1の側面に略平
坦部4を設けている。
【0013】5は鉄筋種類(SD295B〜SD490
等)を区別表示する圧延マークであり、該圧延マーク5
は略平坦部4に突出形成しており、具体的な圧延マーク
5としては丸状突起の個数で表示する事をメインとし、
丸状突起の代わりに数字、記号等を使用する場合もあ
り、又径の呼び名、製造業者名又はその略号等を圧延マ
ーク5として表示しても良い。
【0014】尚、JIS規定には圧延マーク5の位置に
ついての規定は特になく、「使用上有害な欠陥があって
はならない。」の外観規定があるだけで本願の位置に設
けても何ら支障はない。
【0015】次に本発明に係る異形鉄筋の作用について
説明すると、節3、3a…の一部欠損がなく棒鋼本体2の
表面全周に節3、3a…が存在して2本の異形鉄筋1を連
結する時に、連結具であるカプラー、ナット等との螺合
力が充分に得られる。
【0016】次に本発明に係る異形鉄筋の製造ロールに
ついて説明すると、6は鋼塊から棒状鋼Mに熱間圧延す
る前工程ロールであり、該前工程ロール6に続いて棒状
鋼Mの側面に圧延マーク5を圧延形成する第1圧延ロー
ル7と、圧延マーク5を形成した棒状鋼Mの全周に節
3、3a…を形成する第2圧延ロール8を順次連設してい
る。
【0017】9、9aは第1圧延ロール7の周長1m程
度の上下2段の圧延ロールであり、該圧延ロール9、9
aの中央部で外周面円周方向に半瓢箪形状の凹部10、
10aを陥没形成し、2個一対の凹部10、10aによ
り、略瓢箪形状の棒状鋼Mの挿通孔11を形成し、凹部
10、10aの中央部で円弧内方側に、異形鉄筋1の略
平坦部4に対応する平坦形成部12、12aを若干突出
状態で設け、該平坦形成部12、12aに異形鉄筋1の
圧延マーク5に対応する刻設部13、13aを設けてい
る。
【0018】14、14aは第2圧延ロール8の上下2
段の圧延ロールであり、該圧延ロール14、14aは両
者間に異形鉄筋1の略平坦部4に対応する所定間隔15
を設け、又圧延ロール14、14aの中央部で外周面円
周方向に半円形状の凹部16、16aを陥没形成し、2
個一対の凹部16、16aにより、略円形状の棒状鋼M
の挿通孔17を形成し、凹部16、16aの内面に異形
鉄筋1の節3、3a…に対応して若干傾斜した多数の溝
18、18a…を刻設している。
【0019】上記の様に刻設部13、13a と溝18、18a …
を夫々設ける圧延ロール9、9a、14、14a は異なるロー
ルのため、節3、3a…に対応した溝18、18a …を有する
圧延ロール14、14a にあっては、溝18、18a …を凹部1
6、16a に刻設する際に、凹部16、16a の円周面に沿っ
て一方向から一直線状に刻設する。
【0020】又、圧延マーク5に対応した刻設部13、13
a を有する圧延ロール9、9aにあっては、多種類の異形
鉄筋1の圧延製造時に順番を設定し、例えばSD295
Aの様に丸状突起のないものから製造を行い、次種類で
あるSD345の製造を行う時にドリルで刻設部13、13
a に穿孔して1個の丸状突起対応孔を設け、最後に丸状
突起3個のSD490の製造を行う様にして圧延ロール
9、9aの交換を極力減少させる。
【0021】次に異形鉄筋の製造方法について説明する
と、前工程ロール6を使用して鋼塊から徐々に小径とな
る様に棒状鋼Mに順次熱間圧延し、次に第1圧延ロール
7を使用して横置き状の瓢箪形状の棒状鋼Mに熱間圧延
し、この時に平坦形成部12、12a の刻設部13、13a によ
り、棒鋼本体2の略平坦部4に圧延マーク5を突出形成
し、最後に棒状鋼Mの向きを変えて第2圧延ロール8を
使用して、棒状鋼Mの周面に節3、3a…を形成し、この
時に2本の圧延ロール14、14a 間に所定間隔15が有り、
該所定間隔15に圧延マーク5が位置して圧延マーク5が
潰れることなく熱間圧延を行う。
【0022】
【発明の効果】要するに本発明は、棒鋼本体2の周面に
節3、3a…を突設すると共に軸線方向に略平坦部4を設
け、該略平坦部4に圧延マーク5を設けたので、圧延マ
ーク5は節3、3a…に関係しないために節3、3a…が棒
鋼本体2の全周に整然と存在することにより、従来の節
b、b'…の一部欠損による螺合力等の欠損を解消するこ
とが出来、又この様な異形鉄筋1の形状により後述する
様な異形鉄筋1の製造に関する段取り面と、第2圧延ロ
ール8の圧延ロール14、14a の製造加工時における効果
も期待出来る。
【0023】又、鋼塊から棒状鋼Mに順次熱間圧延し、
次に棒状鋼Mの側面に圧延マーク5を圧延形成し、最後
に棒状鋼Mの周面に節3、3a…を形成する様にしたの
で、異形鉄筋1の種類及び圧延マーク5が変わっても、
節3、3a…を形成する第2圧延ロール8は交換せず、僅
かに第1圧延ロール7に対する穿孔作業だけで、段取り
替えを頗る容易に行うことが出来る。
【0024】又、棒状鋼Mに圧延する前工程ロール6に
続けて圧延マーク5を形成する第1圧延ロール7と
3、3a…を形成する第2圧延ロール8を順次連設した
異形鉄筋1の製造ロールであって、第1圧延ロール7に
あっては、上下の圧延ロール9、9aの外周面円周方向
に凹部10、10aを陥没形成すると共に該凹部1
0、10aに若干突出状態で設けた平坦形成部12、1
2aに圧延マーク5に対応する刻設部13、13aを設
け、又第2圧延ロール8にあっては、上下の圧延ロール
14、14a間に所定間隔15を設け、上下の圧延ロー
ル14、14aの外周面円周方向に凹部16、16aを
陥没形成すると共に該凹部16、16aに節3、3a
…に対応する溝18、18a…を刻設したので、圧延マ
ーク5の刻設部13、13aが節3、3a…とは直接関
係ない場所に位置し、従って刻設部13、13aと溝1
8、18a…は夫々別々に刻設出来、溝18、18a…
は一方向から一直線状に刻設可能となり、圧延ロール1
4、14aの製造加工を容易に行うことが出来る等その
実用的効果甚だ大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る異形鉄筋の平面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図2の拡大側面図である。
【図4】図3のAーA断面図である。
【図5】従来の異形鉄筋の平面図である。
【図6】図5の側面図である。
【図7】異形鉄筋の製造工程を示す図である。
【図8】第1圧延ロールの断面図である。
【図9】第2圧延ロールの正面図である。
【図10】従来の圧延ロールの正面図である。
【図11】図10のBーB断面図である。
【符号の説明】
2 棒鋼本体 3、3a… 節 4 略平坦部 5 圧延マーク 6 前工程ロール 7 第1圧延ロール 8 第2圧延ロール 9、9a 圧延ロール 10、10a 凹部 12、12a 平坦形成部 13、13a 刻設部 14、14a 圧延ロール 15 所定間隔 16、16a 凹部 18、18a … 溝

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 棒鋼本体の周面に節を突設すると共に軸
    線方向に略平坦部を設け、該略平坦部に圧延マークを設
    けたことを特徴とする異形鉄筋。
  2. 【請求項2】 鋼塊から棒状鋼に順次熱間圧延し、次に
    棒状鋼の側面に圧延マークを圧延形成し、最後に棒状鋼
    の周面に節を形成する様にしたことを特徴とする異形鉄
    筋の製造方法。
  3. 【請求項3】 棒状鋼に圧延する前工程ロールに続けて
    圧延マークを形成する第1圧延ロールと節を形成する
    2圧延ロールを順次連設した異形鉄筋の製造ロールであ
    って、 第1圧延ロールにあっては、上下の圧延ロールの外周面
    円周方向に凹部を陥没形成すると共に該凹部に若干突
    出状態で設けた平坦形成部に圧延マークに対応する刻設
    部を設け、 又第2圧延ロールにあっては、上下の圧延ロール間に所
    定間隔を設け、上下の圧延ロールの外周面円周方向に凹
    部を陥没形成すると共に該凹部に節に対応する溝を刻
    設したことを特徴とする異形鉄筋の製造ロール。
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