JP6585369B2 - 異形鉄筋の製造方法及び異形鉄筋 - Google Patents

異形鉄筋の製造方法及び異形鉄筋 Download PDF

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本発明は、異形鉄筋の製造方法及び異形鉄筋に関する。
鉄筋コンクリート造において、大地震時等の大きな荷重が作用したときに、柱や梁の主筋に引張力が作用して抜け出さないように、一般的に端部が90度、あるいは90度以上に折り曲げて定着されている(非特許文献1及び非特許文献2)。
特に、最上階の上側の梁主筋は、上側のコンクリートがひび割れて十分に定着性を発揮できないことから、一般の工法では90度曲げが必須になっている。
また、複数の主筋の周囲を囲う帯筋には、平面矩形状とするために、4つの角部を90度に折り曲げた形状の異形鉄筋がある。
通常、1本の鉄筋を折り曲げるために、一対のロールが用いられる。例えば、平面矩形状の帯筋を加工するため、直線状の鉄筋を固定ロールと可動ロールとの間に送り、可動ロールを固定ロールの軸を中心に回動させる従来例がある(特許文献1)。
特許第5297600号公報
鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説(日本建築学会2010年) 機械式鉄筋定着工法設計指針(一般財団法人日本建築総合試験所2010年)
鉄筋は、高強度になるほど延性が低下し、伸び率が小さくなるため、高強度の鉄筋の折り曲げ直径は低高度より大きくするように規定されている。建物では、直交する方向にも鉄筋が配置されるが、配筋の自由度が大きくなるため、折り曲げ直径(曲率半径)は小さい方がよい。
例えば、JISG3112において、強度が295MPa(N/mm)や345MPa(N/mm)で鉄筋径がD16の鉄筋折り曲げ直径は、3d(dは鉄筋直径)で曲げることが許容されている。これに対して、490MPa(N/mm)で鉄筋径がD29〜D41の鉄筋では6d以上で曲げなければならず、しかも、折り曲げ角度は90度までとされている。
JIS規格でないSD590やSD685といった異形鉄筋は、強度や伸び等の機械的性質の性能を満足するように成分調整や製造方法の工夫がされている。しかしながら、JISで規定されたSD390等の普通強度の異形鉄筋を熱処理して600MPa以上の高強度にした鉄筋は、SD590等のような材料への処方を施していないため、曲げ性能に劣り、曲げたときに亀裂が生じる。
つまり、異形鉄筋の強度と伸びとが反比例の関係にあり、強度が大きい鉄筋では、伸びが小さくなる。そのため、鉄筋の屈曲部の曲率半径を小さくすると、屈曲部が伸びにくくなる。特に、異形鉄筋では、節部の近傍より節の底部に伸びが集中することになるので、亀裂が生じやすい。
本発明の目的は、屈曲部の曲率半径を小さくすることができる異形鉄筋の製造方法及び異形鉄筋を提供することにある。
本発明の異形鉄筋は、周面に節部と底部とが軸方向に並んで形成され、かつ、軸方向に沿って平坦面が形成されるとともに、屈曲部が一部に形成された異形鉄筋であって、前記屈曲部のうち少なくとも外側になる部分には、前記節部の一部を欠損して欠損面が形成され、前記欠損面は、前記平坦面と連続し、かつ、前記平坦面に対して所定角度の平面であることを特徴とする。
本発明では、屈曲部の曲率半径を小さなものにできるので建物における配筋の自由度が大きくなる。
本発明の異形鉄筋の製造方法は、前述の異形鉄筋を製造する方法であって、前記節部と前記底部とが軸方向に並んで形成された棒状部軸方向に沿って平坦面を形成する工程と、前記棒状部の前記屈曲部を形成する予定部位における前記節部の一部を欠損して欠損面を形成する欠損面形成工程との一方を実施した後、他方を実施し、前記平坦面を形成する工程と前記欠損面形成工程を実施した後に、前記欠損面が外側となり前記欠損面とは反対側に位置する部分が内側となるように前記棒状部を折り曲げる折曲工程を実施することを特徴とする。
本発明では、棒状部の屈曲部を形成する予定部位にある節部(螺旋状に形成されたねじ節と複数が互いに平行に配置された竹節又は横節とを含む)の一部を欠損させて欠損面を形成した後、この欠損面が外側となるように棒状部を折り曲げる。欠損面を形成することで、棒状部を折り曲げる際に、屈曲部を形成する予定部位の外側の伸びが平均化され、特定の部位に応力が集中しにくくなる。
即ち、本発明では、棒状部を折り曲げる際に、伸び応力が大きくなる部分の節部を一部欠損しているので、応力が集中せず、亀裂が生じにくくなって屈曲部の曲率半径を小さなものにできる。
しかも、異形鉄筋の屈曲部以外の部分は節部を欠損していないので、異形鉄筋を用いてコンクリート造を施工した際に、異形鉄筋本来の付着力は維持される。
本発明では、前記平坦面を形成する工程を実施した後、前記欠損面形成工程を実施し、前記欠損面形成工程は、予め製造された前記棒状部の前記節部の一部を切削する構成が好ましい。
この構成では、欠損面を形成するにあたり、節部の一部を切削するという手法を用いるので、欠損面の形成を容易に行うことができる。
本発明では、前記欠損面形成工程は、前記節部のうち前記棒状部の欠損面とは反対側にある一部を欠損する工程を含む構成が好ましい。
この構成では、屈曲部を形成する予定部位のうち棒状部を折り曲げる際に、外側に位置する部分の節部だけでなく、内側に位置する部分の節部を欠損するので、屈曲部の外側の伸びと内側の縮みとは、それぞれ平均化され、特定の部位に応力がより集中しにくくなる。即ち、棒状部を折り曲げる際に、伸び応力が大きくなる部分の節部の一部だけでなく、圧縮応力が大きくなる部分の節部の一部も欠損するので、伸びと圧縮とがそれぞれ平均化できる。
そのため、棒状部を折り曲げる際に生じる亀裂をより効率的に防止できるため、屈曲部の曲率半径をより小さなものにできる。
本発明では、前記異形鉄筋は、降伏点又は0.2%耐力がJISG3112で規定される普通強度より降伏点又は0.2%耐力が大きく設定された高強度である構成が好ましい。
この構成では、高強度の異形鉄筋において、前述の効果を奏することができる。
本発明では、前記欠損面形成工程を実施した後に、前記平坦面を形成する工程を実施する構成が好ましい
本発明では、前記欠損面形成工程は、切削刃を前記棒状部に押し当てる切削加工であり、前記切削加工は、−20℃以上50℃以下の温度環境下で実施する構成が好ましい。
この構成では、−20℃以上50℃以下という常温の環境下で切削作業を行うから、青熱脆性が現れることを防止できる。
本発明の第1実施形態にかかる異形鉄筋を示す平面図。 折り曲げる前の棒状部の一部を示すもので、(A)は側面図、(B)はB−B線に沿う矢視断面図。 折り曲げる前の棒状部の一部を示すもので、(A)は正面図、(B)はB−B線に沿う矢視断面図。 屈曲部の一部を示す斜視図。 第1実施形態にかかる異形鉄筋の製造装置の概略図。 (A)〜(D)は第1実施形態にかかる異形鉄筋の製造方法を説明する概略図。 実験例において屈曲部が形成される予定部位に歪センサが設置された状態を示す要部斜視図。 測定回数と歪量との関係の実験結果を示すグラフ。 第2実施形態にかかる異形鉄筋の製造装置の概略図。
[第1実施形態]
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
第1実施形態を図1から図8に基づいて説明する。
[異形鉄筋]
図1には第1実施形態の異形鉄筋1が示されている。
第1実施形態の異形鉄筋1は、柱や梁の主筋に引張力が作用して抜け出さないようにするためのものである。
図1において、異形鉄筋1は、第一棒状部21と第二棒状部22とが直角に配置されており、第一棒状部21と第二棒状部22との間には、曲率半径rの屈曲部3が設けられている。異形鉄筋1は、1本の棒状部2を折り曲げて形成されている。
異形鉄筋1の直径は、例えば、25mm以上である。
第1実施形態では、異形鉄筋1は、降伏点又は0.2%耐力は限定されるものではないが、降伏点又は0.2%耐力がJISG3112で規定される普通鉄筋の強度より降伏点又は0.2%耐力が大きく設定された高強度鉄筋が好ましい。
ここで、普通鉄筋の降伏点又は0.2%耐力は、295MPa(N/mm)以上390MPa(N/mm)以下であり、高強度である異形鉄筋1の降伏点又は0.2%耐力は、490MPa(N/mm)以上1000MPa(N/mm)以下である。
図2及び図3には、折り曲げられる前の棒状部2の一部が示されており、図2は棒状部2を一方向から見た図であり、図3は図2とは直交する方向から見た図である。
図2及び図3に示される通り、棒状部2は、軸方向に沿って節部2Aと底部2Bとが連続して形成されている。節部2Aは断面が楕円形状となっている。隣合う節部2Aの基端を接続する面が底部2Bである。
図2及び図3では、節部2Aは、螺旋状に形成されたねじ節であるが、本実施形態では、複数の節部2Aが互いに平行に配置された竹節又は横節であってもよい。
棒状部2は、節部2Aと底部2Bとを軸方向に沿って切削した平坦面2Cが形成されている。
平坦面2Cは、棒状部2の軸芯を挟んで互いに反対側に形成されており、これらの平坦面2Cにより、節部2A及び底部2Bとは2つの領域に区切られている。
平坦面2Cは、節部2Aを削除した第一面2C1と、底部2Bを切削した第二面2C2とから構成されている。
第1実施形態では、第一棒状部21と第二棒状部22とのそれぞれに節部2A、底部2B及び平坦面2Cが形成されている。
図4には屈曲部3の外周面の一部が示されている。
図2から図4において、屈曲部3のうち外側となる部分には節部2A及び底部2Bの一部を欠損した欠損面3Aが形成されている。欠損面3Aは、屈曲部3を構成する部分の全てあるいは一部に形成されるものであり、図4では2箇所の節部2Aに形成されている。
欠損面3Aは、平坦面2Cと連続し、かつ、平坦面2Cに対して角度αの平面である。角度αは、概ね10°以上25°以下である。
欠損面3Aは、平坦面2Cの両側にそれぞれ形成されている。
本実施形態では、屈曲部3のうち軸芯を挟んで欠損面3Aとは反対側の部位に欠損面3Bが形成されている(図2及び図3参照)。欠損面3A,3Bと平坦面2Cとのなす角度は同じであっても、部位によって相違するものでもよい。
欠損面3Bは、屈曲部3の内側にある節部2Aの一部を欠損して形成されるものであり、平坦面2Cの両側にそれぞれ形成されている。なお、第1実施形態では、欠損面3Bを省略し、欠損面3Aのみを形成するものとしてもよい。
次に、第1実施形態の異形鉄筋の製造装置を説明する。
[異形鉄筋の製造装置]
図5には異形鉄筋の製造装置の概略が示されている。
図5において、異形鉄筋の製造装置は、棒状部2の節部2A(図5では図示省略)の一部を欠損して欠損面3A,3B(図5では図示省略)を形成する欠損面形成機構4と、欠損面形成機構4で欠損面3A,3Bが形成された棒状部2を折り曲げる折曲機構5と、棒状部2を切断して1本の異形鉄筋1を成形する切断機構6と、切断機構6で切断された異形鉄筋1を搬出する図示しない搬出機構とを備えている。
欠損面形成機構4には、図示しない送り機構により、節部2A、底部2B及び平坦面2C(図5では図示省略)が形成された棒状部2が送り込まれる。
欠損面形成機構4は、棒状部2の屈曲部3を形成する予定部位における節部2Aの一部を切削して欠損面3A,3Bを形成するものであり、フライスからなる切削刃4A,4Bを棒状部2に押し当てる切削加工をする。
切削刃4Aは、屈曲部3を形成する予定部位のうち外側の部位に欠損面3Aを形成するものである。棒状部2を挟んだ反対側には切削刃4Aで棒状部2を押す力を受ける受ローラ41が配置されている。平坦面2Cを挟んで両側に欠損面3Aを形成するため、矢印Aに示される通り、棒状部2が軸方向を中心に回動自在とされている。
切削刃4Bは、屈曲部3を形成する予定部位のうち内側の部位に欠損面3Bを形成するものである。棒状部2を挟んだ反対側には切削刃4Bで棒状部2を押す力を受ける受ローラ42が配置されている。切削刃4Bは切削刃4Aに対して棒状部2の軸方向に離れて配置されている。
折曲機構5は、欠損面3Aが外側となり欠損面3Aとは反対側に位置する欠損面3Bが内側となるように棒状部2を折り曲げるものであり、固定ローラ51、可動ローラ52及び一対のガイドローラ53を備えている。
可動ローラ52は、棒状部2を挟んで固定ローラ51とは反対側に配置され、かつ、固定ローラ51の軸芯を回動中心として回動自在とされている。ガイドローラ53は、可動ローラ52が回動操作された際に棒状部2にかかる反力を押さえる機能を備える。
切断機構6は、カッター61と受台62とを備えている。
[異形鉄筋の製造方法]
以上の構成の異形鉄筋の製造装置を用いて異形鉄筋1を製造する方法を図6に基づいて説明する。第1実施形態では、外周面に節部2A、底部2B及び平坦面2Cが形成された棒状部2を予め製造しておき、この棒状部2を欠損面形成機構4に送る。
まず、欠損面形成工程を実施する。欠損面形成工程では切削加工が実施されるが、この切削加工は、−20℃以上50℃以下の温度環境下で実施される。
図6(A)で示される通り、棒状部2の屈曲部3を形成する予定部位のうち内側に相当する部位の節部2A(図6では図示を省略)を切削刃4Bで切削して欠損面3Bを形成する。欠損面3Bは、受ローラ42で棒状部2を受けながら切削刃4Bを節部2Aの一部に当てながら回転させて形成する。
欠損面3Bを所定長さに渡って形成するため、棒状部2を矢印Bの通り、進退させる。これにより、平坦面2Cの両側のうち一方に接続される欠損面3Bが形成される。1つの欠損面3Bが形成されたなら、矢印Aの通り、棒状部2を回動させた後、棒状部2を矢印Bの通り、進退させ、平坦面2Cのうち他方に接続される欠損面3Bを所定長さに渡って形成する。
2箇所の欠損面3Bが形成されたら、欠損面3Bが受ローラ41の位置になるまで棒状部2を送り出す。
図6(B)で示される通り、屈曲部3を形成する予定部位のうち外側に相当する部位を切削刃4Aで切削して欠損面3Aを形成する。欠損面3Aは、受ローラ41で棒状部2を受けながら切削刃4Aを回転させて形成するが、欠損面3Bの形成と同様に、棒状部2を進退させる。そして、1つの欠損面3Aが形成されたなら、棒状部2を回動させ、その後、棒状部2を進退させ、平坦面2Cのうち他方に接続される欠損面3Aを形成する。これにより、欠損面3Aはいわば「ハ」の字状に形成される。なお、本実施形態では、節部2Aが竹節又は横節である場合には、節部2Aを周方向に切削することになる。
2箇所の欠損面3Aが形成されたら、棒状部2を折曲機構5まで送り出す。
図6(C)で示される通り、可動ローラ52を固定ローラ51の軸芯を中心に回動させて棒状部2を折り曲げる。
図6(D)で示される通り、カッター61を作動させて棒状部2を切断する。
これにより、異形鉄筋1が製造される。異形鉄筋1は図示しない搬出機構で装置外に搬出される。
従って、第1実施形態では、次の効果を奏することができる。
(1)外周面に節部2Aと底部2Bとが軸方向に沿って連続形成された棒状部2を折り曲げて屈曲部3が一部に形成された異形鉄筋1を製造するにあたり、棒状部2の屈曲部3を形成する予定部位における節部2Aの一部を欠損して欠損面3Aを形成し、欠損面3Aが外側となり欠損面3Aとは反対側に位置する部分が内側となるように棒状部2を折り曲げた。そのため、屈曲部3を形成する予定部位の外側の伸びが平均化され、特定の部位に応力が集中せず、亀裂が生じにくくなる。そのため、屈曲部3の曲率半径rを小さなものにできる。しかも、異形鉄筋1の屈曲部3以外の部分は節部2Aを欠損していないので、異形鉄筋1を用いてコンクリート造を施工した際に、異形鉄筋本来の付着力は維持される。
(2)異形鉄筋1における屈曲部3の曲率半径rを小さなものにできるため、建物における配筋の自由度が大きくなる。
(3)予め製造された棒状部2の節部2Aの一部を切削するため、欠損面3Aの形成を容易に行うことができる。
(4)節部2Aのうち棒状部2の互いに反対側に位置する欠損面3A,3Bを形成すれば、棒状部2を折り曲げる際に、屈曲部3の外側の伸びと内側の縮みとは、それぞれ平均化され、特定の部位に応力がより集中しにくくなる。そのため、棒状部2を折り曲げる際に生じる亀裂をより効率的に防止できるため、屈曲部3の曲率半径rをより小さなものにできる。
(5)棒状部2には節部2Aと底部2Bとを軸方向に沿って切削した平坦面2Cが形成され、欠損面3A,3Bは平坦面2Cと連続した面であるため、欠損面3A,3Bの形成を容易に行うことができる。しかも、屈曲部3の外側の伸びがより平均化され、特定の部位への応力集中が防止されるため、屈曲部3の曲率半径をより小さなものにできる。
即ち、第1実施形態では、節部2Aを平坦面2Cと連続する付け根から欠損させたので、他の部位を欠損する場合に比べて、応力集中を防止することができる。
欠損面3A,3Bを形成する部位が節部2Aを平坦面2Cと連続する付け根としたことが好ましい理由を図7及び図8に基づいて説明する。
図7には、節部2Aと底部2Bとを軸方向に沿って切削した平坦面2Cを有する直線状の異形鉄筋が図示されている。図7において、底部2Bのうち平坦面2Cに近接した位置に第一歪センサS1を設置し、平坦面2Cのうち隣合う底部2Bの中間位置に第二歪センサS2を設置し、平坦面2Cのうち隣合う節部2Aの中間位置に第三歪センサS3を設置し、節部2Aの傾斜面に第四歪センサS4を設置し、節部2Aの先端面に第五歪センサS5を設置する。
この状態で、異形鉄筋を1回につき角度3°加えるように折り曲げ、第一歪センサS1、第二歪センサS2、第三歪センサS3、第四歪センサS4及び第五歪センサS5からの信号を受けて軸方向の歪み量を測定した。この測定を6回行った結果を図8に示す。
図8に示される通り、第一歪センサS1で検出した軸方向ひずみ量が他のセンサで検出した軸方向のひずみ量より大きなものであった。これから、直線状の異形鉄筋を折り曲げた際に、節部2Aの平坦面2Cと連続する付け根が最も軸方向ひずみ量が多いことがわかり、この位置に欠損面3A,3Bを形成することで、軸方向ひずみ量が減少できる。
(6)異形鉄筋1を、降伏点又は0.2%耐力がJISG3112で規定される普通強度より降伏点又は0.2%耐力が大きく設定された高強度とすれば、高強度の異形鉄筋1において、前述の効果を奏することができる。
(7)欠損面3A,3Bを形成するために、切削刃4A,4Bを棒状部2に押し当てる切削加工を実施した。しかも、切削加工を、−20℃以上50℃以下の温度環境下で実施したから、青熱脆性が現れることを防止できる。つまり、この温度領域を超える高温で切削加工を行うと、青熱脆性が現れることになる。
第1実施形態の効果を確認するための実験例について説明する。
本実験例で使用した異形鉄筋の仕様は次の通りである。
製造元:(株)伊藤製鐵所
鉄筋名:ネジonicon (ねじ節鉄筋)
元の規格:SD390 (JIS G 3112)
呼び名: D35
成分(%):C:0.25, Si:0.21, Mn:0.99,V:0.044, (不純物P:0.026, S:0.036)
当該異形鉄筋には熱処理を施しているが、熱処理前の耐力は430N/mmであり、引張強さは628N/mmであり、伸びは18%である。熱処理前の異形鉄筋の曲げ特性は、曲げ角度がJISの規定では5dにおいて180°である。ここで、dは鉄筋呼び名であり鉄筋径に近似する。
熱処理をした後の異形鉄筋であって、互いに対向する位置に欠損面3A,3Bを形成した場合では、耐力は878N/mmであり、引張強さは978N/mmであり、伸びは10%である。熱処理後の異形鉄筋の曲げ特性は、前述の通り、小さな折り曲げ直径で曲げることが望ましい。
熱処理をした後の異形鉄筋であって、外側にのみ欠損面3Aを形成した場合では、耐力は896N/mmであり、引張強さは995N/mmであり、伸びは10%である。熱処理後の異形鉄筋の曲げ特性は、曲げ角度が90°である場合、6dである。
熱処理をした後の異形鉄筋であって、いずれの欠損面3A,3Bを形成しない場合では、耐力は902N/mmであり、引張強さは1003N/mmであり、伸びは10%である。熱処理後の異形鉄筋の曲げ特性は、曲げ角度が90°である場合、8dは可能であったが、6dは不可能であった。
以上の実験例から、屈曲部3に2箇所の欠損面3A,3Bを形成した場合には、曲げ特性が最もよく、外側の欠損面3Aのみを形成した場合では、欠損面3A,3Bを形成した場合よりも劣るが、欠損面3Aを形成していない場合に比べると、良好なことがわかる。なお、以上の実験では、ねじ節が形成された異形鉄筋で行ったが、竹節又は横節が形成された異形鉄筋でも同様の結果が生じることが想定される。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図9に基づいて説明する。
第2実施形態は、異形鉄筋1の製造方法が第1実施形態と異なるもので、異形鉄筋1の構造は第1実施形態と同じである。
第2実施形態では第1実施形態と同様の構成要素は同一符号を付して説明を省略する。
図9には異形鉄筋の製造装置の概略が示されている。
図9において、異形鉄筋の製造装置は、折曲機構5及び切断機構6の上流側に棒状部形成機構7が配置された構成である。
棒状部形成機構7は、鋼棒を圧延する第一圧延部71、第二圧延部72及び第三圧延部73と欠損面形成部70とを備えている。なお、図9では、第三圧延部73を欠損面形成部70に対して下流側に配置しているが、本実施形態では、第三圧延部73を欠損面形成部70より上流側に配置してもよい。
第一圧延部71は、それぞれ成型凹部を有する一対の圧延ローラ71A,71Bを備えている。第二圧延部72は、第一圧延部71から送られる鋼棒を熱間圧延するものであり、一対の圧延ローラ72A,72Bを備えている。これらの圧延ローラ72A,72Bは、螺旋状の節部を形成するための周面を有する。
欠損面形成部70は、第1実施形態の欠損面形成機構4と同様の構成でもよいが、一対の欠損面形成用の一対のローラを備えた構成でもよい。
第三圧延部73は、一対の圧延ローラ73A,73Bを備えており、第二圧延部72から送られた鋼棒に最終的な圧延工程を施すとともに、平坦面を形成する。
以上の構成の異形鉄筋の製造装置を用いて、異形鉄筋1を製造する方法について説明する。
まず、棒状部形成機構7により、節部2A、底部2B、平坦面2C及び欠損面3A,3B(図9での図示を省略)が形成された棒状部2を製造する。つまり、第一圧延部71及び第二圧延部72により、鋼棒に節部2A及び底部2Bを形成した後、欠損面形成部70により、欠損面3A,3Bを形成し、さらに、第三圧延部73により、平坦面2Cを形成して棒状部2を製造する。
そして、第1実施形態と同様に、折曲機構5で棒状部2を折り曲げて屈曲部3を形成し、切断機構6により棒状部2を切断して異形鉄筋1を製造する。
従って、第2実施形態では、第1実施形態の(1)から(6)と同様の効果を奏することができる他、次の効果を奏することができる。
(8)欠損面形成工程は、棒状部2を製造する工程で実施されているから、棒状部2を形成すると同時に欠損面3A,3Bも形成されることになり、異形鉄筋1の製造効率をよいものにできる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、本発明では、建築構造物以外にも、橋等の土木構造物に用いられる異形鉄筋にも適用することができる。
前記実施形態では、欠損面3A,3Bは、それぞれ平坦面2Cを挟んで両側に形成されたが、本発明では、両側ではなく一方にのみ形成するものでもよい。
本発明は、鉄筋コンクリート造の建築構造物や土木構造物に利用することができる。
1…異形鉄筋、2…棒状部、21…第一棒状部、22…第二棒状部、2A…節部、2B…底部、2C…平坦面、3…屈曲部、3A,3B…欠損面、4…欠損面形成機構、4A,4B…切削刃、5…折曲機構、7…棒状部形成機構、70…欠損面形成部、r…曲率半径

Claims (7)

  1. 周面に節部と底部とが軸方向に並んで形成され、かつ、軸方向に沿って平坦面が形成されるとともに、屈曲部が一部に形成された異形鉄筋であって、
    前記屈曲部のうち少なくとも外側になる部分には、前記節部の一部を欠損して欠損面が形成され、前記欠損面は、前記平坦面と連続し、かつ、前記平坦面に対して所定角度の平面である
    ことを特徴とする異形鉄筋。
  2. 請求項1に記載された異形鉄筋を製造する方法であって、
    前記節部と前記底部とが軸方向に並んで形成された棒状部軸方向に沿って平坦面を形成する工程と、前記棒状部の前記屈曲部を形成する予定部位における前記節部の一部を欠損して欠損面を形成する欠損面形成工程との一方を実施した後、他方を実施し、
    前記平坦面を形成する工程と前記欠損面形成工程を実施した後に、前記欠損面が外側となり前記欠損面とは反対側に位置する部分が内側となるように前記棒状部を折り曲げる折曲工程を実施する
    ことを特徴とする異形鉄筋の製造方法。
  3. 請求項2に記載された異形鉄筋の製造方法において、
    前記平坦面を形成する工程を実施した後、前記欠損面形成工程を実施し、
    前記欠損面形成工程は、予め製造された前記棒状部の前記節部の一部を切削する
    ことを特徴とする異形鉄筋の製造方法。
  4. 請求項3に記載された異形鉄筋の製造方法において、
    前記欠損面形成工程は、前記節部のうち前記棒状部の欠損面とは反対側にある一部を欠損する工程を含む
    ことを特徴とする異形鉄筋の製造方法。
  5. 請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載された異形鉄筋の製造方法において、
    前記異形鉄筋は、降伏点又は0.2%耐力がJISG3112で規定される普通強度よ
    り降伏点又は0.2%耐力が大きく設定された高強度である
    ことを特徴とする異形鉄筋の製造方法。
  6. 請求項2に記載された異形鉄筋の製造方法において、
    前記欠損面形成工程を実施した後に、前記平坦面を形成する工程を実施する
    ことを特徴とする異形鉄筋の製造方法。
  7. 請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載された異形鉄筋の製造方法において、
    前記欠損面形成工程は、切削刃を前記棒状部に押し当てる切削加工であり、前記切削加工は、−20℃以上50℃以下の温度環境下で実施する
    ことを特徴とする異形鉄筋の製造方法。
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