JP5945404B2 - 鉄筋構造及び鉄筋施工方法 - Google Patents
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このコンクリート構造物を構成する主筋やフープ筋等の鉄筋は、その1本の長さに限りがあるので、複数本の鉄筋を接続して使用することがある。
また、フープ筋を構成する一方の補強筋の端部に雄ねじ部を設け、他方の補強筋の端部に潰頭部を設け、この潰頭部に雌ねじが形成された接合部材を回転自在に係止し、この接合部材と雄ねじ部とを螺合する剪断補強筋の従来例がある(特許文献2)。
また、複数の主筋を、それぞれ間隔を開けて配置し、これらの主筋の外周に複数本の補強筋を巻き付ける鉄筋構造であって、複数の補助筋の端部同士を接続するための鉄筋継手具を、補助筋の一方の端部と他方の端部とが重なり合った部分に螺旋状の銅線を巻き付け、一方の補強筋の端部と他方の補強筋の端部とが向かい合っていない非対向面に対して鉄筋継手具が間隔を開けて圧接して補強筋同士を拘束する従来例がある(特許文献4)
鉄筋コンクリート構造物では、コンクリート被り厚が規定されているため、鉄筋を含む鉄筋構造部分が大きくなると、その分だけ構造物の外径が大きくなるという課題がある。
特許文献2で示される従来例では、補強筋の頭部に接続部材が設けられている構成であるため、接続部分が大きな径となり、特許文献1と同様の課題が生じる。
これに対して、特許文献3や特許文献4で示される従来例では、特許文献1や特許文献2で示される課題は回避されるとしても、次の課題が生じることになる。
特許文献4で示される従来例では、補助筋の一方の端部と他方の端部とが重なり合った部分に螺旋状の銅線を巻き付け、一方の補強筋の端部と他方の補強筋の端部とが向かい合っていない非対向面に対して鉄筋継手具が間隔を開けて圧接する構成であるため、接合作業が煩雑だけでなく、銅線で補助筋の端部同士をしっかり巻き付けていないと、接合が不十分となるという課題がある。
この構成の本発明では、雄ねじ部の径が鉄筋本体の径より小さく形成されているため、雄ねじ部に螺合するカプラーの内周径を小さなものにすることができる。カプラーの外周径と内周径との差である肉厚の寸法は従来と同じであるとしても、カプラーの内周径を小さくできるから、カプラーの外周径を従来に比べて小さくすることができる。雄ねじ部の外径寸法とカプラーの外径寸法とを小さくすることで、機械式鉄筋継手の存在する部分の剪断補強筋の形状や寸法を、それが存在しない部分の剪断補強筋と同等に抑えることができ、その結果、剪断補強筋の種類が増えなくなり、鉄筋の管理が容易となる。
しかも、鉄筋とカプラーとに力がかかった際に、鉄筋本体に比べて径の小さな雄ねじ部に力が集中したとしても、本発明では、鉄筋本体と雄ねじ部とを有する鉄筋は雄ねじ部を含む端部側が熱処理されているため、熱処理された雄ねじ部が鉄筋本体の熱処理されていない部分に比べて引張強度が大きい(熱処理されていない部分に比べて1.9倍〜2.3倍)ものとなるから、力が細い雄ねじ部に集中することがなく、雄ねじ部が太い鉄筋本体に比べて破損しやすくなることを防止できる。なお、本発明において、「雄ねじ部を含む端部側が熱処理される」とは、雄ねじ部のみが熱処理されることを除く趣旨である。雄ねじ部のみを熱処理すると、雄ねじ部の根元から破断する恐れがあるが、雄ねじ部を含む端部側の所定領域までが熱処理されると雄ねじ部の根元から破断することがない。
この構成の本発明では、まず、熱処理工程において、鉄筋用棒状体の端部側を高周波焼入れ等によって熱処理し、その後、細径加工工程において、研削その他の手段によって、熱処理された鉄筋用棒状体の端部の径を他の部分の径より小さくし、その後実施されるねじ形成工程では、通常のねじ加工によって、細く加工された鉄筋用棒状体の端部に雄ねじ部を形成する。そのため、本発明では、簡単な方法により前述の鉄筋を施工することができる。
図1には本実施形態にかかる鉄筋構造の断面が示されている。
図1において、鉄筋構造は、直列に配置された複数本(図では2本)の棒状の異形鉄筋1と、これらの異形鉄筋1の端部同士を接続するカプラー2と、このカプラー2を締め付けるとともに一方の異形鉄筋1に設けられたナット部材3とを備えている。
異形鉄筋1は、鉄筋本体10と、この鉄筋本体10の端部に設けられた雄ねじ部11とが一体に形成されたものであり、異形鉄筋の母材を加工して形成される。この異形鉄筋の母材は、所定の規格降伏点、例えば、SD390(規格降伏点が390N/mm2)のものを用い、JISで規定される呼び名がD22、D25、D32、D38のものを用いる。
雄ねじ部11は鉄筋本体10側にねじが形成されていない細径部110と、この細径部110に一体形成されたねじ部本体111とを備え、このねじ部本体111の径D1は鉄筋本体10の径D0より小さく形成されている。ねじ部本体111の先端部分は円錐台状に形成される。
また、鉄筋本体10と細径部110との間は所定の円弧状(例えば、R1)とされる。
図2において、カプラー2は、異形鉄筋1よりも引張強度が大きい略円筒状の部材である。カプラー2の内部には、ねじ部11と螺合する雌ねじ部20が形成されており、かつ、その軸方向の一端側は雌ねじ部20の径より大きな内径を有する大径部21とされる。例えば、カプラー2は、その軸方向の長さが76mmであり、その外径寸法が30mmであり、大径部21は、その軸方向長さが12mmであり、その内径寸法が21.5mmである。
ナット部材3は、鉄筋1の雄ねじ部11に螺合されるものであり、JISで規格されたものを用いることができる。
[熱処理工程]
雄ねじ部11が形成される前の鉄筋用棒状体1Aを用意し、この鉄筋用棒状体1Aの端部側を熱処理する。
この熱処理は高周波加熱で行う。つまり、図3(A)で示される通り、鉄筋用棒状体1Aの端部を高周波加熱コイルCに挿入し、この高周波加熱コイルCに通電して鉄筋用棒状体1Aをその端部から寸法Lまで行う。高周波加熱コイルCに交流電流を流すと、交番磁束がコイル内の鉄筋用棒状体1Aに集中し、電磁誘導作用によって渦電流が誘起され、その結果、ジュール熱が発生して加熱される。この高周波誘導加熱により、加熱部分の機械的な強度が増すことになる。この熱処理は所定の強度、例えば、焼入れ硬さHRCが34〜36となるまで実施する。
なお、カプラー2も高周波誘導加熱等の熱処理により強度を大きくする。
図3(B)で示される通り、熱処理工程で熱処理された鉄筋用棒状体1Aの端部の径を他の部分の径より小さくする。そのため、バイトPを鉄筋用棒状体1Aの端部に押し当てながら鉄筋用棒状体1Aを回転する。この細径加工処理は鉄筋用棒状体1Aの端部から寸法M、つまり、雄ねじ部11の長さに相当する長さまで実施する。まず、鉄筋用棒状体1Aの端面から所定長さまで細径部11Bを形成し、この細径部11Bより直径の小さな直径D1の細径部110を形成する(図1参照)。
[ねじ形成工程]
図3(C)で示される通り、細径加工工程で細く加工された鉄筋用棒状体1Aの端部の細径部11Bに雄ねじを形成する。
図3(C)では、NS旋盤用のバイトTが図示されており、このバイトTを鉄筋用棒状体1Aの細径部11Bに押し当てながら鉄筋用棒状体1Aを回転することで異形鉄筋1の雄ねじ部11が製造される。なお、雄ねじを形成する方法はこれに限定されるものではなく、例えば、内周部に刃が形成されたダイスを用いてもよく、転造盤を用いてもよい。
まず、図4(A)で示される通り、異形鉄筋1、カプラー2、ナット部材3及び異形鉄筋1を用意し、図4(B)で示される通り、一方の異形鉄筋1の雄ねじ部11にナット部材3とカプラー2とを螺合する。ナット部材3を雄ねじ部11の基端側に配置し、カプラー2を雄ねじ部11の中心から先端側にかけて配置する。この際、カプラー2は、その端部から雄ねじ部11の先端が露出するようにしておく。そして、ナット部材3及びカプラー2が雄ねじ部11に螺合された一方の異形鉄筋1を他方の異形鉄筋1に近接させる。
その後、図4(C)で示される通り、一方の異形鉄筋1の雄ねじ部11と他方の異形鉄筋1の雄ねじ部11との先端同士を当接させ、カプラー2を他方の異形鉄筋1の雄ねじ部11に回転させながら移動させ、その端部を他方の異形鉄筋1の鉄筋本体10の端面に当接させ、さらに、ナット部材3を同様に回転させながら移動させ、その端部をカプラー2の他端側に当接させる。これにより、カプラー2で双方の異形鉄筋1の雄ねじ部11同士を連結し、このカプラー2の回り止めをナット部材3で行う。
(1)棒状の鉄筋本体10に雄ねじ部11が設けられた異形鉄筋1と、雄ねじ部11に螺合されるカプラー2とを備えた鉄筋構造において、雄ねじ部11の径D1が鉄筋本体10の径D0より小さく形成されているので、雄ねじ部11に螺合するカプラー2の内周径を小さなものにすることができる。そのため、カプラー2の内周径を小さくできることから、カプラー2の外周径も小さくすることができ、これにより、コンクリート構造物の外径を小さくすることができる。その上、隣合う異形鉄筋1の雄ねじ部11同士がカプラー2で大きな強度をもって連結されることになる。
異形鉄筋1の雄ねじ部11にカプラー2の一端側を螺合し、このカプラー2の他端側をカプラー2の内径と同じ寸法の外径を有するPC用鋼棒を螺合した試験体を異形鉄筋、カプラー、PC鋼棒のサイズの異なる3種類を用意し、3種類の試験体について、それぞれ2個ずつ、合計6個の実施例を用意した。これらの6個の実施例1〜6について、一方向の引っ張り試験(試験体を0から規格降伏点になるまで引っ張り、破断させる)を実施した。さらに、前述の3種類の試験体の実施例7〜9に対して一方向の繰り返し試験(規格降伏点の0.02倍から0.95倍までの荷重を30回繰り返して破断させる)を実施した。異形鉄筋1は、その母材がSD390(規格降伏点が390N/mm2)のものを用いる。なお、異形鉄筋1の焼入れ硬さHRCは34〜36である。
この試験で用いられる引張試験機は、上下のヘッドと、これらのヘッドの間に設けられる変位計とを備え、上ヘッドにPC鋼棒を固定し、下ヘッドに異形鉄筋を固定し、カプラー2の表裏面にそれぞれ歪みゲージを設け、この状態で、上下のヘッドを離隔した際に試験体が破断した際の引張強度、引張強さを求めた。
これに対して、比較例として、異形鉄筋の母材を実施例のサイズに合わせてそれぞれ2個ずつ、合計9個用意し、これらの比較例1〜9について、一方向引っ張り試験を実施した。この試験は前述の試験機を用いるもので、上下のヘッドに異形鉄筋部材の両端部を固定し、実施例1〜6と同様の試験を行った。
異形鉄筋1の鉄筋本体10の呼び名がD25、公称断面積が506.7mm2、雄ねじ部11の呼び名がM22(P2.0)、有効断面積が311.65mm2、平行部断面積が330.06mm2である。異形鉄筋1の雄ねじ部11の長さは
47mmであり、このうち、ねじ部本体111の長さは38mmである。雄ねじ部11がカプラー2に螺合される長さは35mmであり、PC用鋼棒のねじ部がカプラー2に螺合される長さは35mmである。カプラー2は、その外径寸法が31.5mmであり、その軸方向長さが70mmである。
一方向引っ張り試験を実施し、その試験結果は、雄ねじ部11が破断し、この破断時の試験体の引張強度jPbが375kNであり、引張強さjσbが1203.3N/mm2であった。なお、jσb=jPb/(雄ねじ部の有効断面積)である。
[実施例2]
実施例1と同じ試験体であり、試験結果は、雄ねじ部11が破断し、この破断時の試験体の引張強度jPbが381kNであり、引張強さjσbが1222.5N/mm2であった。なお、jσb=jPb/(雄ねじ部の有効断面積)である。
異形鉄筋1の鉄筋本体10の呼び名がD32、公称断面積が794.2mm2、雄ねじ部11の呼び名がM27(P2.0)、有効断面積が487.3mm2、平行部断面積が510.70mm2である。異形鉄筋1の雄ねじ部11の長さは52mmであり、このうち、ねじ部本体111の長さは43mmである。雄ねじ部11がカプラー2に螺合される長さは40mmであり、PC用鋼棒のねじ部がカプラー2に螺合される長さは40mmである。カプラー2は、その外径寸法が39.5mmであり、その軸方向長さが80mmである。
一方向の引っ張り試験を実施し、その試験結果は、雄ねじ部11の首下部が破断し、この破断時の試験体の引張強度jPbが568kNであり、引張強さjσbが1112.2N/mm2であった。jσb=jPb/(雄ねじ部の平行部断面積)である。
[実施例4]
実施例3と同じ試験体であり、試験結果は、雄ねじ部11の首下部が破断し、この破断時の試験体の引張強度jPbが573kNであり、引張強さjσbが1122.0N/mm2であった。jσb=jPb/(雄ねじ部の平行部断面積)である。
異形鉄筋1の鉄筋本体10の呼び名がD38、公称断面積が1140mm2、雄ねじ部11の呼び名がM33(P2.0)、有効断面積が750.35mm2、平行部断面積が779.31mm2である。異形鉄筋1の雄ねじ部11の長さは63mmであり、このうち、ねじ部本体111の長さは54mmである。雄ねじ部11がカプラー2に螺合される長さは51mmであり、PC用鋼棒のねじ部がカプラー2に螺合される長さは51mmである。カプラー2は、その外径寸法が48mmであり、その軸方向長さが102mmである。
一方向の引っ張り試験を実施し、その試験結果は、雄ねじ部11の首下部が破断し、この破断時の試験体の引張強度jPbが863kNであり、引張強さjσbが1107.4N/mm2であった。jσb=jPb/(雄ねじ部の平行部断面積)である。
[実施例6]
実施例5と同じ試験体であり、試験結果は、雄ねじ部11の首下部が破断し、この破断時の試験体の引張強度jPbが863kNであり、引張強さjσbが1107.4N/mm2であった。jσb=jPb/(雄ねじ部の平行部断面積)である。
実施例1と同じ試験体であり、一方向繰り返し試験を実施した。その試験結果は、雄ねじ部11が破断し、この破断時の試験体の引張強度jPbが370kNであり、引張強さjσbが1187.2N/mm2であった。jσb=jPb/(雄ねじ部の有効断面積)である。
[実施例8]
実施例2と同じ試験体であり、試験結果は、雄ねじ部11の首下部が破断し、この破断時の試験体の引張強度jPbが571kNであり、引張強さjσbが1118.1N/mm2であった。jσb=jPb/(雄ねじ部の平行部断面積)である。
[実施例9]
実施例3と同じ試験体であり、試験結果は、雄ねじ部11の首下部が破断し、この破断時の試験体の引張強度jPbが859kNであり、引張強さjσbが1102.3N/mm2であった。jσb=jPb/(雄ねじ部の平行部断面積)である。
異形鉄筋母材の呼び名がD25、公称断面積が506.7mm2である。
一方向引っ張り試験を実施し、その試験結果は、母材の途中位置が破断し、この破断時の引張強度Pbが303kNであり、引張強さσbが598.0N/mm2であった。なお、σb=Pb/(異形鉄筋母材の公称断面積)である。
[比較例2]
比較例1と同じ試験体であり、試験結果は、母材の途中位置が破断し、この破断時の引張強度Pbが302kNであり、引張強さσbが596.0N/mm2であった。なお、σb=Pb/(異形鉄筋母材の公称断面積)である。
[比較例3]
比較例1と同じ試験体であり、試験結果は、母材の途中位置が破断し、この破断時の引張強度Pbが303kNであり、引張強さσbが598.0N/mm2であった。なお、σb=Pb/(異形鉄筋母材の公称断面積)である。
異形鉄筋母材の呼び名がD32、公称断面積が794.2mm2である。
一方向引っ張り試験を実施し、その試験結果は、母材の途中位置が破断し、この破断時の引張強度Pbが497kNであり、引張強さσbが625.8N/mm2であった。なお、σb=Pb/(異形鉄筋母材の公称断面積)である。
[比較例5]
比較例4と同じ試験体であり、試験結果は、母材の途中位置が破断し、この破断時の引張強度Pbが498kNであり、引張強さσbが627.0N/mm2であった。なお、σb=Pb/(異形鉄筋母材の公称断面積)である。
[比較例6]
比較例4と同じ試験体であり、試験結果は、母材の途中位置が破断し、この破断時の引張強度Pbが496kNであり、引張強さσbが624.5N/mm2であった。なお、σb=Pb/(異形鉄筋母材の公称断面積)である。
異形鉄筋母材の呼び名がD38、公称断面積が1140mm2である。
一方向引っ張り試験を実施し、その試験結果は、母材の途中位置が破断し、この破断時の引張強度Pbが734kNであり、引張強さσbが643.9N/mm2であった。なお、σb=Pb/(異形鉄筋母材の公称断面積)である。
[比較例8]
比較例7と同じ試験体であり、試験結果は、母材の途中位置が破断し、この破断時の引張強度Pbが734kNであり、引張強さσbが643.9N/mm2であった。なお、σb=Pb/(異形鉄筋母材の公称断面積)である。
[比較例9]
比較例7と同じ試験体であり、試験結果は、母材の途中位置が破断し、この破断時の引張強度Pbが733kNであり、引張強さσbが643.0N/mm2であった。なお、σb=Pb/(異形鉄筋母材の公称断面積)である。
実施例1〜6と比較例1〜9とを対比すると、破断時の引張強度が実施例1〜6が比較例1〜9に比べて大きいことがわかる(実施例1〜9では、雄ねじ部11で破断しても、その引張強度が比較例の異形鉄筋の母材に比べて高い)。
同様に、呼び名がD32である実施例3,4と比較例4〜6とを比較すると、実施例1の引張強度jPbが568kN、実施例4の引張強度jPbが573kNであるのに対して、比較例4の引張強度Pbが497kN、比較例5の引張強度Pbが498kN、比較例6の引張強度Pbが496kNと低いため、実施例3,4が比較例4〜6に対して機械的強度が大きい。実施例3の引張強度iPbの比較例4〜6の引張強度Pbに対する比率(iPb/Pb)は1.14であり、実施例4の引張強度iPbの比較例4〜6の引張強度Pbに対する比率(iPb/Pb)は1.15である。呼び名がD38である実施例5,6と比較例7〜9とを比較すると、実施例5,6の引張強度jPbが863kNであるのに対して、比較例7,8の引張強度Pbが643.9kN、比較例9の引張強度Pbが643.0kNと低いため、実施例5,6が比較例7〜9に対して機械的強度が大きい。実施例5,6の引張強度iPbの比較例7〜9の引張強度Pbに対する比率(iPb/Pb)は1.18である。
例えば、前記実施形態では、鉄筋を異形鉄筋1としたが、本発明では、丸鋼棒の鉄筋でもよい。また、本発明では、ナット部材3を省略してもよい。さらに、異形鉄筋1は直線状のものを例示したが、複数の主筋の周りに設けられるフープ筋として使用するために、平面矩形状や平面円形とした形状であってもよい。
Claims (2)
- 棒状の鉄筋本体に雄ねじ部が設けられた鉄筋と、前記雄ねじ部に螺合されるカプラーとを備えた鉄筋構造であって、
前記雄ねじ部は、前記鉄筋本体側に配置されねじが形成されていない細径部と、前記細径部に一体形成されねじが形成されたねじ部本体とを有し、前記細径部の外径は前記ねじ部本体の外径より小さく形成され、
前記雄ねじ部の径は前記鉄筋本体の径より小さく形成され、前記鉄筋は前記雄ねじ部を含む端部側が熱処理され、
前記カプラーは前記鉄筋より引張強度が大きい
ことを特徴とする鉄筋構造。 - 棒状の鉄筋本体の端部にねじが形成されていない細径部と前記細径部に一体形成されねじが形成されたねじ部本体とを有する雄ねじ部がカプラーと螺合される鉄筋構造を施工する方法であって、
鉄筋用棒状体の端部側を熱処理する熱処理工程と、
この熱処理工程で熱処理された前記鉄筋用棒状体のうち所定長さに渡った端部の径を他の部分の径より小さくし、前記端部の径より前記端部と前記他の部分との間の径を小さくして前記細径部を形成する細径加工工程と、
この細径加工工程で細く加工された前記鉄筋用棒状体の前記所定長さに渡った端部にねじを設けて前記ねじ部本体を形成するねじ形成工程と、
このねじ形成工程でねじ部本体が形成された鉄筋を複数配置し、これらの鉄筋のねじ部本体同士を前記鉄筋より引張強度が大きいカプラーで螺合する鉄筋接続工程と、を備えたことを特徴とする鉄筋施工方法。
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