JP6256928B2 - プレテンション緊張材の製造方法並びにプレテンション緊張材を用いた工法、コンクリートにプレテンションを導入する方法 - Google Patents

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Description

本発明はプレテンション緊張材及びプレテンション緊張材の製造方法並びにプレテンション緊張材を用いた工法、コンクリートにプレテンションを導入する方法に関する。
プレテンション構造に使用する緊張材(PC鋼棒、鋼線等)は、引張強度が一般のRC構造に使用される鉄筋(普通鉄筋とも呼ぶ)の3〜5倍の高強度な鋼材である。PC鋼材はコンクリートにプレテンションを導入するため、強度は高いほど有効となり、鋼材に高周波誘導加熱処理を行うなどして高強度化を図っている。
即ち、一般に強度を高めるために鋼材への高周波加熱焼き入れを行っており、表面焼き入れにより金属部分の耐摩耗性や疲れ強さを向上させることが行われている。この方法を用い、鉄筋に適切な高周波数と、充てる時間を調整することにより、鋼の表層から中心まで強度を高めることが知られている。
そして、この高強度鋼材をプレテンション構造の緊張材として使用することによってPC構造として用いられてきた。
一方で、加熱焼き入れした鋼材は、熱に弱く、溶接や、高温加熱すると金属の焼き戻し作用が働き、耐力の低下を生じさせるため、プレテンションに必要な緊張力が得られなくなる。
このことから、高強度維持が必要な緊張材としてのPC鋼材は、その鋼材に対して溶接や、高温を加えることは禁止されている。
近年は普通鉄筋(従来の建築RC構造ではSD490)の高強度化が進み、引張強度が785N/mm2級の高強度鉄筋が生産されている。大きな緊張力を必要としないケースでは、この鉄筋を緊張材に使用することは可能である。
例えば、床版に限定して使用する場合にPC鋼線(撚り線も含む)を使うケースでは、コンクリートの強度発現後、コンクリートと鋼線を同時に切断して使用されているのが現在のPC床版技術である。
このような技術の場合は、切断端部付近では付着性能が働かず(付着力不足で鋼線とコンクリートが一体とならない)、端部ではプレテンション力の働かないゾーンが現出している、つまりPC床版でありながら、RC構造になっている、という問題があった。
RC構造として使用する鉄筋において、コンクリートと一体化するためには、鉄筋とコンクリートが、その境界で滑らない、つまり鉄筋とコンクリートとの境界において付着性能が必要である。
一方、プレテンション緊張材(プレキャストコンクリート部材も含む)を構成するプレテンション用鋼材(PC鋼線またはPC鋼撚り線)においても、鋼材強度が高いため、コンクリートとの付着性能が不足することから、コンクリートとプレテンション緊張材としての鋼材とが付着するまでの間、専用の定着装置が用いられている。
本来、プレテンションコンクリート構造は、梁・柱用部材が主であるが、プレテンション方式によって、床版および小梁へプレテンションを導入させる場合には、プレテンション緊張材としてのPC 鋼線を緊張してコンクリートを打設し、所要のコンクリート強度発現後に鋼線とコンクリートを床版としての所要長さで切断して建設現場へ搬入して使用している。
この場合、切断面には定着装置が無いため、切断面から一定の長さはプレテンション力が不足した状態になっている。
つまり、プレテンションコンクリート構造の切断端部付近ではコンクリートと鋼線との間で付着性能が働かず(付着力不足)、端部ではプレテンション力の効かないゾーンが現出している状態を呈している、ことになる。
最近、床版に使用する鉄筋(SD295)の2倍を超す引張強度を有する高強度鉄筋(引張強度:785 N/mm2、SD295は295N/mm2)が製造されるようになり、その利用の一環として、プレテンション緊張材としての緊張用棒鋼を採用することが考えられる。
ここでは、必要な定着耐力(または付着耐力)を確保するためには、定着長さ(付着長さ)も鋼材の耐力の大きさに相応して長くなってくる。
プレテンション方式では、端部に定着具を使用しない場合、プレテンション緊張材としてのPC 鋼材の緊張力は鋼材とコンクリートの付着力で固定させることになる。したがって、その緊張力を完全にコンクリートに伝達するには、図13で示すように、一定区間(一定の長さ)が必要である。その長さを定着長さ(伝達長さ)と呼んでいる。
プレテンション緊張材として高強度鉄筋だけの場合は、棒鋼の付着力だけに依存せざるを得ない。従来技術のように棒鋼の周表面の付着力だけでは、引張に使用する鋼材が高強度になるに従い、定着長さは長く必要になってくる。
前述のようなケースの場合では、プレテンションコンクリート構造には定着が十分でないエリアは、プレテンションの効力は発生していない状態になっている。
また、プレテンション緊張材として普通鉄筋によるPCa床版および小梁(フルPCa、ハーフPCa)の場合は、床版および小梁がその許容耐力に達する前にひび割れが発生する。このひび割れは美観上、好ましいものではない。
従来から、プレテンションを導入するプレキャスト部材(PCa床版など)のプレテンション緊張材の端部側でコンクリートとの定着長さが不足することによる定着性能は、余り考慮することなく、施工されている。
しかし、プレテンションを導入するプレキャスト部材においては、プレテンション緊張材とコンクリートとの端部側の必要定着長さを極力短くすることによって、構造的性能を向上させることが好ましい。
したがって、構造性能的には、プレテンションの働かないプレテンション緊張材及びコンクリートの端部側の領域は、より短いこと(必要定着長さが短いこと)が望ましい。
特に、定着装置を使わないプレテンション緊張材の端部側は、必要定着長さを可能な限り短くすることが望まれ、それに向けた改善は常に求められているテーマである。
本発明の目的は、高強度鉄筋(SD390以上)をプレテンション緊張材として使用し、定着装置を使用しないときに、そのプレテンション緊張材の所要定着長さの最短での確保を容易にすることのできるプレテンション緊張材を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記プレテンション緊張材の製造方法並びにプレテンション緊張材を用いた工法、コンクリートにプレテンションを導入する方法を提供することにある。
このとき、瘤は所定間隔をおいて少なくとも二つ形成し、一番端部側の瘤を緊張用とし、該一番端部側より内部側の瘤はコンクリート内に埋設されるように構成すると好適である。
このように構成すると、緊張用の瘤を緊張することができるので、プレテンション緊張材の端部を加工する必要がなくなる。
そして、本発明のプレテンション緊張材によれば、高強度鉄筋を使用してコンクリートにプレテンションを有効に働かせるとき、付着を必要とする部分(高強度鉄筋の端部側)の付着効果を向上させることができる。
また、本発明のプレテンション緊張材を用いることによって、コンクリート床版の端部側にまでプレテンションを導入することができるので、ひび割れ発生のコントロールができると共に、耐力も向上するので、プレキャスト部材(PCa床版など)としての性能向上が図れるため、より短いスパンでの製作(部材を短くできる)も可能になる。
このように、緊張する治具を考慮して、高強度鉄筋の端部側に近い必要な部位に突形状の瘤を形成し、この瘤と、緊張する棒鋼と一体とすることで、コンクリートに対して、プレテンション緊張材と瘤とを同時に引張力を働かせ、付着応力に加えて瘤の支圧効果が加味され、所要付着長さを大幅に短くすることができる。例えば、後施工アンカー筋では付着性能を向上(付着力と支圧力の合力)させることで、埋め込む支持長さを短く(浅く)することが可能となる。
また前記課題は、本発明のプレテンション緊張材の製造方法によれば、緊張する棒状の母材の端部側に、前記母材の周りに前記母材と同じ材料で前記母材の径より1.5倍以上大きい瘤を少なくとも一つ形成してなるプレテンション緊張材を製造するにあたって、前記母材の端部側の所定位置を加熱手段によって加熱し、前記棒状の母材を熔融させて母材の周りに突形状の瘤を形成させ、前記母材と前記瘤とが同一の材によって一体に形成し、前記棒状の母材を挿通可能で瘤の形状に合わせた空間を有すると共に加熱可能な型に、前記棒状の母材を挿通させ、前記空間に位置する前記母材を前記空間内で加熱すると共に、前記型の空間に向けて前記棒状の母材を前記型の外側から押し込み、前記型内の母材が熔融して突形状の瘤を形成することにより、解決される。
このように構成することにより、本発明に係るプレテンション緊張材を容易に製造することができ、瘤を形成するために、別個の材料を接合する必要はなく、母材のまま瘤を作ることが可能となる。
本発明のプレテンション緊張材の製造方法によって製造されるプレテンション緊張材は、緊張する棒状の母材の端部側に、前記母材の周りに前記母材と同じ材料で前記母材の径より1.5倍以上大きい突形状の瘤を少なくとも一つ形成してなる。
なお本明細書において「瘤」とは、緊張材の径に対して1.5倍以上大きい形状の突起物等であって、コンクリートを打設したときに、コンクリートと緊張材とを定着させることのできるものをいう。
プレテンション緊張材の定着長さは、鋼材の表面の粗面状況(異形節など)に依存し、粗面では短くなり、滑面(丸鋼)は長くなる。棒鋼のまま定着させる場合は径により差が出るが、一般にプレテンション緊張材としてPC 鋼棒の場合で、400mm〜450mmと言われている。
プレテンション構造において、従来のプレテンション緊張材には緩やかな異形節は使われているが、母材の径より1.5倍以上大きい突形状の瘤を設け、付着力及び支圧力を働かせる技術は用いられていない。
本発明のプレテンション緊張材の製造方法によって製造されるプレテンション緊張材は、プレテンション緊張材として緊張する棒状の母材の端部側に、前記母材の周りに前記母材と同じ材料で前記母材の径より1.5倍以上大きい突形状の瘤を少なくとも一つ形成していることにより、この瘤で付着力及び支圧力が働き、定着長さが短く、必要緊張力を発揮出来るようになる。
つまり、同一の材で一体に形成した突形状の瘤を有するプレテンション緊張材で、緊張した場合は、緊張加力時の母材と瘤が同時に緊張力を受けた伸びを示す。その状況下で、瘤の位置からコンクリートの支圧効果が働き、先の床版で付着性能の働かなかったゾーンに付着効果に支圧効果を発揮させ、性能の向上を図ることが可能になる。
このように、プレテンション緊張材に1個または複数の突形状の瘤を作成し、この瘤の箇所において、付着力によってコンクリートと一体にすることに加えて、突形状の瘤の支圧でプレテンションの有効働き位置を端部に近づけることが可能となる。
このとき、前記棒状の母材は電炉で製造する鉄筋からなると、好適である。
電炉で製造する鉄筋は化学成分の成分調整で高強度(785N/mm2)を実現しているため溶接しても耐力は低下しない。一方、同強度の高炉鉄筋の場合は溶接した場合、耐力の低下をきたすことが判っている。従って、同強度であれば、電炉鉄筋が好ましいが、本発明から高炉鉄筋を排除する趣旨ではない。
また前記瘤は、前記棒状の母材の断面形状に依存しない外形形状を形成していると、好適である。
この瘤は、プレテンション緊張材の棒状の周りに形成されるが、棒状の同芯円だけでなく、偏芯円も含み、棒状の母材の断面形状に依存しない外形形状で、用途に適した形状を選択し付与する。プレテンション緊張材を加熱熔融させて瘤を複数個作成し、定着装置を併用しない緊結が可能となる。
また棒状の母材として、一体の棒鋼から作成することによって、瘤の形状は、このプレテンション緊張材の鋼材を使用する用途と、部位によって、サイズや形状(軸芯から見て平面的には同芯円のものから、偏芯円のものまで)を選択して作成することが可能になる。
さらに、前記加熱手段は、ファイバーレーザー熱線であると、好適である。
建設部門で建築材料(鉄筋や鉄骨)を溶接によって接合する場合は、母材強度の確保が必要であり、一般に炭酸ガス溶接(サイト作業)、や電融接合(工場製作二次加工品対応)が主流である。ファイバーレーザー熱線は建設の分野では利用されていないが、ファイバーレーザー熱線で切断していない鉄筋を部分的に熔融させることができる。
このように加熱手段として、ファイバーレーザー熱線を用いると、従来の炭酸ガス溶接(熔融)に比して、瘤を形成する所要時間を短くすることが可能である。
プレテンション緊張材としての高強度鉄筋の強度を低下させることなく(電炉鉄筋の場合は問題ない)、ファイバーレーザー熱線が使用できるので、電融接合のような高圧電力も必要としないなど、熔融時間も短いファイバーレーザー熱線の使用が最適である。
瘤の形成は、鋼材を熔融軟化させるため、型の空間形状に依存し、同芯型、偏芯型、楕円型、多角形の金型をあてがい形状を成形する。
前記課題は、本発明のプレテンション緊張材の製造方法によれば、テーブル状の架台の長手方向に、案内手段を前記架台に沿って形成し、前記架台上の所定位置に瘤作成用の型を固定し、前記案内手段に案内されて瘤作成用の加熱手段を移動可能にし、前記瘤作成用の型を、プレテンション緊張材を構成する母材を保持できるように挿通孔を形成し、該挿通孔と連通し前記型内部に前記瘤を形成する空間を形成し、前記空間に前記加熱手段による熱を導入可能な連通路を形成し、前記型に、前記棒状の母材を位置させ、前記型の空間に位置する前記母材に前記連通路を通して加熱すると共に、前記母材の前記空間内での熔融に合わせて、前記型の空間に向けて前記棒状の母材を前記型の外側から押し込み、前記棒状の母材が熔融して前記母材の周りに突形状の瘤を形成させ、前記母材と前記瘤とが同一の材で一体に形成して一つの瘤を形成し、一つの瘤を形成し終えたら、必要であれば次の瘤を作成するために、前記架台の前記案内手段に案内させて移動させ、前記と同様に次の瘤を形成すること、により解決される。
このように構成すると、瘤を端部で各々局部的に作成するのに比して、型が固定されているが、この型の位置に加熱手段(例えばプラズマ放熱器)を移動できるので、生産性が向上することになる。
また前記課題は、本発明のプレテンション緊張材を用いた工法によれば、前記プレテンション緊張材の瘤部分を埋め込んで、端部から若干の距離を露出させ、カプラーに前記露出部分を保持させ、前記カプラーを必要な緊張力で緊張した後、緊張力を維持させ、前記プレテンション緊張材の瘤による支圧と、端部でのコンクリートとの付着によって、より端部に近い箇所までコンクリートにプレテンションを導入する。
より詳しくは、前記カプラーは、少なくともプレテンション緊張材側には楔を有する対向するナットと、各ナットにそれぞれ逆ねじ切りを有し前記対向するナット間に配置した接続体と、から構成され、前記カプラーを緊張するカプラー引張部材をジャッキによって緊張し、前記カプラーを必要な緊張力で緊張した後、緊張力を維持させ、前記接続体の回転によって前記ナットを引き寄せ、他方に回転させることで引き離し、前記プレテンション緊張材の瘤による支圧と、端部でのコンクリートとの付着によって、より端部に近い箇所までコンクリートにプレテンションを導入すること、により解決される。
このように、ジャッキ側緊張用棒鋼とは原則カプラーで楔により緊結して緊張するが、緊張用棒鋼の相対する端部をねじ切りして緊結することもある。
このように構成すると、簡単にプレテンションを与えることができ、また緊張の調整が可能となる。つまり、プレテンション緊張材の端部側がねじ切りをしていてもしていなくてもカプラーナットのねじが逆ねじになっているので、前記カプラーナット(或いは接続体)を一方に回転させ、両鉄筋を引き寄せ、他方に回転させることで引き離し、床版内鉄筋と補助鉄筋を引き寄せたり、引き離したりすることでコンクリートにプレテンションを調整しながら導入することができる。
このように構成すると、1回転することでねじの一山分だけ鉄筋が移動する(伸縮)ので、ジャッキ無しでも緊張力(大小にもよるが)を導入することが可能である。ジャッキなど持ち込めないような場面において、好適に緊張力を導入することができる。
したがって、コンクリートの所定の強度が発現してカプラーナット(或いは接続体)を回転させることによって緊張力を導入したり、逆回転をさせることによって棒鋼とナットを切り離すことが可能となる。
前記課題は、本発明のプレテンション緊張材を用いた工法によれば、コンクリートにプレテンションを導入する方法であって、緊張する棒状の母材の端部側に、前記母材の周りに前記母材と同じ材料で前記母材の径より1.5倍以上大きい突形状の瘤を少なくとも一つ形成してなるプレテンション緊張材を用い、コンクリートに埋め込む前記プレテンション緊張材の自由端部をカプラー内に配置した楔によって定着させ、前記プレテンション緊張材をジャッキで緊張し、必要な緊張力で緊張した後、前記ジャッキ先端は楔を介してコーンで反力受けをして、緊張力を維持させ、前記プレテンション緊張材の瘤による支圧と、端部でのコンクリートとの付着によって、より端部に近い箇所までコンクリートにプレテンションを導入すること、によって解決される。
このように楔を用いた構成にすると、プレテンション緊張材にねじ切りをしなくてもよくなり、作業が容易となる。
本発明のプレテンション緊張材を用いたコンクリートにプレテンションを導入する方法によれば、コンクリートにプレテンションを導入する方法であって、緊張する棒状の母材の端部側に、前記母材の周りに前記母材と同じ材料で前記母材の径より1.5倍以上大きい突形状の瘤を少なくとも一つ形成してなるプレテンション緊張材を用い、コンクリートに埋め込む前記プレテンション緊張材のうち自由端側の瘤を残して定着用瘤としてコンクリート内に位置させ、自由端側の瘤を緊張用の瘤として型枠外に位置させ、前記プレテンション緊張材の瘤とジャッキ側とを瘤接続用カプラーで接続し、瘤接続用カプラーを緊張し、緊張用の瘤で定着用瘤を緊張して、より端部に近い箇所までコンクリートにプレテンションを導入すること、によって解決される。このように構成すると、自由端側の瘤と型枠内の瘤との間で、型枠の両側に瘤を位置させることになり、プレテンション緊張材をカプラーと瘤を利用して、緊張させることが容易に可能となる。
このとき、前記緊張用の瘤がコンクリートで埋まるような型枠を形成し、プレテンション緊張材が定着した後で前記緊張用の瘤のジャッキを除荷し、前記カプラーを除去し、前記緊張用の瘤の周りの型枠にコンクリートを打設するように構成すると好適である。
このような構成にすると、緊張用の瘤を切断等せずに、そのままコンクリートに埋め込むことになるので、切断作業が不要となる。
本発明によれば、瘤で付着力及び支圧力が働き、定着長さが短く、必要緊張力を発揮出来るようになる。定着長さが短く、必要緊張力を発揮出来るようになる。つまり、瘤の箇所において、付着力によってコンクリートと一体にすることに加えて、瘤状突起の支圧でプレテンションの有効働き位置を端部に近づけることが可能となる。
床版の端部側にまでにプレテンションを導入することができ、ひび割れ発生のコントロールができると共に、耐力も向上するので、床版としての性能向上が図れるため、より短いスパン(部材を短くできる)での製作も可能になる。
また、同一の材で一体に形成した瘤を有する緊張材で、緊張した場合は、緊張加力時の母材と瘤が同時に緊張力を受けた伸びを示す。その状況下で、瘤の位置からコンクリートの支圧効果が働き、先の床版で付着性能の働かなかったゾーンに付着効果に支圧効果を発揮させ、性能の向上を図ることが可能になる。
この瘤は、棒状の周りに形成されるが、棒状の同芯円だけでなく、偏芯円も含み、棒状の母材の断面形状に依存しない外形形状で、用途に適した形状を選択し付与する。緊張材を加熱熔融させて瘤を複数個作成し、定着装置を併用しない緊結が可能となる。
本発明によれば、加熱熔融を、ファイバーレーザー熱線によって行うようにでき、従来の炭酸ガス溶接(熔融)に比して、瘤を形成する所要時間を短くすることが可能である。
また、瘤を端部で各々局部的に作成するのに比して、型が固定されているが、この型の位置にプラズマ放熱器が移動できるので、生産性が向上することになる。
本発明のように、カプラーを用いることで、カプラーのねじの一山分だけ鉄筋が移動する(伸縮)ので、ジャッキ無しでも緊張力(大小にもよるが)を導入することが可能である。ジャッキなど持ち込めないような場面において、好適に緊張力を導入することができる。
本発明のように楔を用いた構成にすると、プレテンション緊張材にねじ切りをしなくてもよくなり、作業が容易となる。
さらに自由端側の瘤と型枠内の瘤との間で、型枠の両側に瘤を位置させることになり、プレテンション緊張材をカプラーと瘤を利用して、緊張させることが容易に可能となる。
また緊張用の瘤をコンクリートで埋設するように構成すると、緊張用の瘤を切断等せずに、そのままコンクリートに埋め込むことになるので、切断作業が不要となる。
なお、図面等は床版を中心に表現しているが長期荷重で同様に支配される小梁状部材(部材幅より、部材背が高い)のものも対象とすることができる。
本発明に係るプレテンション緊張材とコンクリートの付着力との関係を瘤一つの例で説明するもので、(a)はコンクリートとプレテンション緊張材の緊張力を説明する概念図、(b)は残存導入力と定着長さとの関係を説明する概念図である。 本発明に係るプレテンション緊張材とコンクリートの付着力との関係を瘤三つの例で説明するもので、(a)はコンクリートと高強度鉄筋の緊張力を説明する概念図、(b)は残存導入力と定着長さとの関係を説明する概念図である。 瘤のサイズや形状のバリエーションの一例を示す概略説明図である。 瘤を形成する工程を示す説明図である。 型の例を示す説明図である。 緊張ジャッキと反対側でプレテンション緊張材を保持するときの説明図である。 カプラーを用いた実施例を示す概略説明図である。 二つの瘤を用いて、一方をコンクリートに埋め込み他方を緊張に利用する例を示す説明図である。 緊張に利用した瘤を切断しない例を示す説明図である。 楔によって緊張させる説明図である。 他の例を示す製造ラインを説明する概略平面図である。 図11の概略側面図である。 プレテンション緊張材とコンクリートとの関係を示す他の例であり、(a)は平面から見た図、(b)は側面から見た図、(c)は側面から見た図である。 従来のプレテンション方式における鋼材とコンクリートの付着力との関係を説明するもので、(a)はコンクリートと高強度鉄筋の緊張力を説明する概念図、(b)は残存導入力と定着長さとの関係を説明する概念図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する部材,配置等は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
図1乃至図13は本発明の実施形態を示すものであり、図1はプレテンション緊張材とコンクリートの付着力との関係を瘤一つの例で説明するもので、(a)はコンクリートとプレテンション緊張材の緊張力を説明する概念図、(b)は残存導入力と定着長さとの関係を説明する概念図、図2はプレテンション緊張材とコンクリートの付着力との関係を瘤三つの例で説明するもので、(a)はコンクリートとプレテンション緊張材の緊張力を説明する概念図、(b)は残存導入力と定着長さとの関係を説明する概念図、図3の(a)〜(f)は瘤のサイズや形状のバリエーションの一例を示す概略説明図、図4の(a)〜(c)は瘤を形成する工程を示す説明図、図5の(a)〜(c)は型の例を示す説明図、図6は緊張ジャッキ側のプレテンション緊張材とカプラーナットで接続する状態の説明図、図7はカプラーを用いた実施例を示す概略説明図であり(a)はカプラーの外側に逆ねじ切りされて、外周に接続体が配置されたカプラーの例、(b)はカプラーの内側に逆ねじ切りされ、逆ねじとなった接続体が配置されたカプラーの例、図8は二つの瘤を用いて、一方をコンクリートに埋め込み他方を緊張に利用する例を示す説明図、図9は緊張に利用した瘤を切断しない例を示す説明図、図10は楔によって緊張させる説明図、図11は他の例を示す製造ラインを説明する概略平面図、図12は図11の概略側面図、図13はプレテンション緊張材とコンクリートとの関係を示す他の例である。(a)は平面から見た図、(b)は側面から見た図、(c)は側面から見た図である。
本発明に係るプレテンション緊張材Sは、高強度鉄筋等からなる棒状の母材10と、この母材10の周りに前記母材10と同じ材料で前記母材10の径より1.5倍以上大きい突形状の瘤11と、この瘤11を少なくとも一つ形成した、ことを主たる構成要素としている。
プレテンション緊張材Sとしての棒状の鋼材からなる母材10とコンクリート20の付着力との関係を、図1で示すように、瘤11が一つの例で説明すると、プレテンション緊張材Sとして、突形状の瘤11を有する高強度鉄筋からなる部材10を内部に埋設するように、コンクリート20を打設して、プレテンション緊張材Sとコンクリート20を一体に形成する。ここで「瘤」とは、緊張材の径に対して1.5倍以上大きい形状の突起物等であって、コンクリートを打設したときに、コンクリートとプレテンション緊張材とを定着させることのできるものをいう。
棒状の母材10は電炉で製造する鉄筋を用いることができる。電炉で製造する鉄筋は化学成分の成分調整で高強度(785N/mm2)を実現しているため溶接しても耐力は低下しない。一方、同強度の高炉鉄筋の場合は溶接した場合耐力の低下をきたすことが判っている。しかし、電炉鉄筋ではなく高炉鉄筋であっても、電炉鉄筋よりも強度の高いものを用いることによって十分対応することが可能である。
同一の材で一体に形成した突形状の瘤11を有するプレテンション緊張材Sで緊張した場合は、緊張加力時の母材10と瘤11が同時に緊張力を受けた伸びを示す。その状況下で、瘤11の位置からコンクリート20の支圧効果が働き、従来のような床版で付着性能の働かなかったゾーンに、瘤11によって付着効果に支圧効果を発揮させ、性能の向上を図ることが可能になる。
プレテンション緊張材Sの定着長さは、母材10である鋼材の表面の粗面状況(異形節など)に依存し、粗面では短くなり、滑面(丸鋼)では長くなる。プレテンション緊張材Sを棒鋼で作成し、そのまま定着させる場合は径により差が出るが、一般にPC鋼棒で、400mm〜450mmと言われている。
プレテンション構造において、従来のプレテンション緊張材には緩やかな異形節は使われているが、本発明のように、母材10の径より1.5倍以上大きい突形状の瘤11を設け、付着力及び支圧力を働かせる技術は用いられていない。
プレテンション緊張材Sとして緊張する棒状の母材10の端部側に、母材10の周りに母材10と同じ材料で前記母材10の径より1.5倍以上大きい突形状の瘤11を少なくとも一つ形成していることにより、この瘤11で付着力及び支圧力が働き、定着長さが短く、必要緊張力を発揮出来るようになる。
このように、プレテンション緊張材Sとしての高強度鉄筋を使用してプレテンションを有効に働かせるとき、付着を必要とする部分(高強度鉄筋の端部側)の付着効果を向上させることができる。
図1の例では一つの瘤11を形成した例を示しており、ジャッキ等(図示せず)により、プレテンション緊張材Sを緊張した後、ジャッキによる緊張力を除荷すると、図1で示すように、緊張力Pが、埋め込まれたプレテンション緊張材Sに伝わり、瘤11により、付着力が高まり定着長さを瘤11の位置近傍までとすることができる。つまり、導入プレテンション力が十分に達成でき、残存導入力が十分になるまでの、定着長さを短くすることができる。
このように、図14で示すような従来の定着長さを、短くすることができ、プレテンション残存を短くでき、プレテンション緊張材Sにおける支圧と付着応力を端部側からの距離を大きくとることができる。
図2は、図1に比して瘤11を少し小さめにして、3つ用いた例を示すもので、瘤11の位置において、導入プレテンション力が、段階的に増加し、支圧及び付着力が段階的に増加する例を示している。他の作用効果は前記した図1と同様の作用効果を奏するものである。
図3は瘤11のバリエーションを例示するものであり、例えば(a)は棒状のプレテンション緊張材Sに対して、外形は楕円形であるが、径の断面形状に対して同芯円状のものを示すものであり、(b)は同じく偏芯円状のもの、(c)は同じく同芯楕円状のもの、(d)は偏芯楕円状のもの、(e)は同じく同芯方形状のもの、(f)は同じく偏芯方形状のものを示している。つまり、瘤11は、棒状の母材10の断面形状に依存しない外形形状を形成している。
瘤11の形状は、この緊張用鋼材を使用する用途と、部位によって、サイズや形状(軸芯から見て平面的には同芯円のものから、偏芯円のものまで)を選択して作成することができるものである。プレテンション緊張材Sを加熱熔融させて瘤11を複数個作成し、定着装置を併用しない緊結が可能となる。
このように、各種形状のものを用いることができるが、要は、プレテンション緊張材Sの瘤11によってコンクリート20側に緊張を与えるときに、コンクリート20とプレテンション緊張材Sとの間でプレテンション残存が大きくなるような瘤11であれば、形状等は問わないものである。
なお、プレテンション緊張材Sは、高強度鉄筋として、PCa床版用の鉄筋のほか、PCa柱梁、大型プレキャストボックスカルバート、プレキャスト側溝、L型擁壁やPC矢板等土木建築分野のコンクリート構造物の主筋、及び後施工アンカー筋にも利用出来る。後施工アンカー筋では付着性能を向上(付着力と支圧力の合力)させることで、埋め込む支持長さを短く(浅く)することが可能となる。
プレテンション緊張材Sの製造は、図4で示すような瘤11を形成する工程で製造することができる。図4では同芯円状の瘤11を製造する方法を示しており、(a)は型30に棒状のプレテンション緊張材Sを配置した状態の説明図であり、型30として、棒状のプレテンション緊張材Sを配置できる挿通孔31を貫通するように形成し、型30の中央部には瘤11の形状に合わせた空間32を形成している。この空間32に向けて、外部から熱を導入できる通路33を形成している。
そして、(b)に示すように、型30に棒状のプレテンション緊張材Sである母材10を挿通させ、型30の空間32に位置する母材10に、加熱手段104により、通路33から熱を導入して加熱する。このとき、型30の空間32で熔融し始めたプレテンション緊張材Sである母材10に、棒状のプレテンション緊張材Sの型30の外側で両方から押し込み、(c)で示すように、型30内の母材10が熔融して、型30の空間32の形状によって瘤11の形状を形成する。
瘤11の形成は、母材10である鋼材を熔融軟化させるため、型30の空間32の形状に依存し、同芯型、偏芯型、楕円型、多角形の型30をあてがい形状を成形する。
この実施例のように、瘤11を形成するために、別個の材料を接合する必要はなく、母材10のまま瘤11を作ることが可能となる。
加熱手段104としては、ファイバーレーザー熱線を用いても良い。建設部門で建築材料(鉄筋や鉄骨)を溶接によって接合する場合は、母材強度の確保が必要であり、一般に炭酸ガス溶接(サイト作業)、や電融接合(工場製作二次加工品対応)が主流である。ファイバーレーザー熱線は建設の分野では利用されていないが、ファイバーレーザー熱線で切断していない鉄筋を部分的に熔融させるものである。
このように加熱手段104を、ファイバーレーザー熱線とすると、従来の炭酸ガス溶接(熔融)に比して、瘤11を形成する所要時間を短くすることが可能である。
高強度鉄筋の強度を低下させることなく(電炉鉄筋の場合は問題ない)、ファイバーレーザー熱線が使用できるので、電融接合のような高圧電力も必要としないなど、熔融時間も短いファイバーレーザー熱線の使用が最適である。このようにすることによって、母材10と瘤11とが同一の材で一体に形成できる。
なお、上記型30は、棒状のプレテンション緊張材Sを配置できる挿通孔31と、加熱するための通路33を形成した一体型を用いたが、分割型を用いた型を使用してもよい。図5は分割型40を用いた例を示すものであり、(a)は方形状(矩形状)の瘤11を形成するための空間32、(b)は同芯円状で2.5倍の大きさの瘤11を形成するための空間32、(c)は同じく1.5倍の瘤11を形成するための空間32がそれぞれ形成され、それぞれの瘤11の形状を製造する状態を示す図であり、これらの図は型内の空間形状等のバリエーションを示している。
また、図5で示す分割型40は、型の中心で分割した例を示しているが、分割型40は、プレテンション緊張材Sを配置できるように形成していれば、型の中心で分割することなく、適宜製造が容易なように、分割型40の偏った位置で分割してもよい。
図6は、緊張ジャッキと反対側でプレテンション緊張材を保持するときの反力受け手段80を使った一例の説明図である。プレテンション緊張材Sのジャッキの反対側の端部で、皿状ヘッド81を反力受け手段80に接触固定させる。この位置を反力点位置として、ジャッキの緊張力をプレテンション緊張材Sにプレテンション(プレストレス)を発生させる。
次に、本発明のプレテンション緊張材Sを用いたコンクリート20にプレテンションを導入する方法について、説明する。
図7で示す例は、(a)と(b)の二種類のカプラーシステムである。先ず、図7(a)について説明するが、カプラー60を構成するナット60a、60bの外側に逆ねじ切り60cされて、外周に接続体66が配置されたカプラーの例である。
先ずプレテンション緊張材Sの端部から瘤11までの距離を若干の長さXを(端部から200mm程度)残し、突出部13を突出させる(突出部は緊張材13とも称する)。一方、不図示のジャッキ側緊張材棒鋼65とカプラー60を介して接続する。
カプラー60と楔61,62が噛み合い、対向する楔61,62によって、緊張材13と接続部65を緊結し接続することができる。
一方、カプラー60の外側にカバーリング66が設置されているが、このカバーリング66には、カプラー60の外面の中央寄りの所定位置及び接続体66としてのカバーリングの内面には、それぞれカプラー60の中央部を境に左右逆ねじ60c、66cが形成されている。なお符号50は、型枠を示すものである。
図示しないジャッキ先端とから続く緊張材65を緊張することによって、カプラー60と楔61、62が噛み合い緊張材13と接続部65が緊結する。そして、接続体(カバーリング)66を回転することにより、これに応じてプレテンション緊張材Sに緊張を調整しながら与えることができる。
カプラー60の接続体(カバーリング)66を一方に回転させれば、両緊張材13と接続部65を引き寄せ、他方に回転させることで引き離し、床版内鉄筋であるプレテンション緊張材Sの端部と補助鉄筋である緊張材65を引き寄せたり、引き離したりすることで、コンクリート20にプレテンションを導入することができる。
したがって、コンクリート20の所定の強度が発現して接続体(カバーリング)66を回転させることによって緊張力を導入したり、逆回転をさせることによって棒鋼と楔を切り離すことが可能となる。
次に、図7(b)について説明する。この例では、カプラー60と接続体66としての芯棒63を用いたもので、カプラー60の内側に逆ねじ切りされ、逆ねじとなった接続体が配置されたカプラーの例である。なお、前記図7(a)と同一部材には、同一符号を付して、その説明を省略する。
カプラー60は、接続体としての芯棒63と対向する楔61,62によって、緊張材13と接続部65を接続することができる。図7(b)のように、カプラー60の内周の所定位置には、内面左右逆ねじ切り60d,60eを形成しておく。二分割されたカプラー60の内部には、カプラー60の内面左右逆ねじ切り60d,60eに合わせた逆ねじ切り63a,63bした引き寄せ用の接続体としての芯棒63とが、組み合わされて一体のカプラー60が構成されている。
図示しないジャッキ先端から続く緊張材65を緊張することによって、カプラー60と楔61,62が噛み合い緊張材13と接続部65が緊結する。
カプラー60内のカバーリング(接続体)66としての芯棒63を回転することにより、図7(a)と同様に、両緊張材13と接続部65を引き寄せ、他方に回転させることで引き離し、床版内鉄筋であるプレテンション緊張材Sの端部と補助鉄筋である緊張材65を引き寄せたり、引き離したりすることで、コンクリート20にプレテンションを導入することができる。これに応じてプレテンション緊張材Sに調整しながら緊張を与えることができる。
つまり、プレテンション緊張材Sの一端をセットし、緊張力を与え、楔で固定されたカプラー60を介して不図示のジャッキによる緊張力を維持させ、プレテンション緊張材Sの瘤11による支圧と、端部でのコンクリート20と付着させ、より端部に近い箇所までコンクリート20にプレテンションを導入させることができる。
このように構成すると、簡単にプレテンションを与えることができ、また緊張の調整が可能となる。そして、カバーリング(接続体)66としての芯棒63を1回転することでねじの一山分だけ鉄筋が移動する(伸縮)ので、ジャッキ無しでも緊張力(大小にもよるが)を導入することが可能である。ジャッキなど持ち込めないような場面において、好適に緊張力を導入することができる。
図8はカプラーを使用せず、瘤を利用した別の緊張方法を示したものである。図8(a)は平面からみた図、図8(b)は断面から見た図であり、端部側にある二つの瘤を利用し、コンクリート20にプレテンションを導入する場合について示したものである。
プレテンション緊張材Sのうち自由端側の緊張用瘤11a(11)を残し、定着用瘤11b(11)としてコンクリート20内に位置(埋設)させ、自由端側の緊張用瘤11(11a)として型枠50の外に位置させる。
緊張用瘤11(11a)を瘤接続用カプラー70に接続し、この瘤接続用カプラー70にジャッキ(不図示)と接続できるような接続部73を接続し、ジャッキによって緊張させる。本実施例の瘤接続用カプラー70は、強固な枠からなる本体71と、母材10が通る溝72と、接続部73が通る溝72から構成されている。本例では瘤接続用カプラー70の溝72は、母材10、接続部73のどちらも対応可能なように構成されている。
そして、瘤接続用カプラー70を緊張し、緊張用瘤11(11a)で定着用瘤11(11b)を緊張して、より端部に近い箇所までコンクリート20にプレテンションを導入する。
このように構成すると、自由端側の瘤11(11a)と型枠内の瘤11(11b)との間で、型枠の両側に瘤11(11a,11b)を位置させることになり、プレテンション緊張材Sを瘤接続用カプラー70と瘤11を利用して、緊張させることが容易に可能となる。
このとき、図9(a)で示すように、緊張用瘤11がコンクリート20で埋まるような型枠50を形成する。この型枠50は瘤接続用カプラー70側に向けて広がるように壁が形成されており、プレテンション緊張材Sの緊張用瘤11の周囲(外周)部分が凹部51になるように形成されている。
プレテンション緊張材Sが定着した後で、緊張用の瘤11の緊張を解くため、瘤接続用カプラー70で緊張していたジャッキ90を外して緊張力を外し除荷する。この状態では、緊張用の瘤11の周囲が型枠50より、凹んだ状態の凹部51となっている。
また、ジャッキ90は支持枠91で支持され、型枠50に当接して、ジャッキ90の反力を吸収するようになっている。
次に、瘤接続用カプラー70を除去し、緊張用瘤11の周りの型枠52にコンクリート22を打設し、緊張用瘤11の周りをコンクリートで埋めるようにして、型枠50と面一になるように構成している。
このような構成にすると、緊張用瘤11を切断等せずに、そのままコンクリート20に埋め込むことになるので、切断作業が不要となる。
図7で示したようにねじ切りをするかわりに、図10で示すような楔とコーンを使用し、専用のカプラー60を用いることもできる。すなわち、図10は、プレテンション緊張材Sの端部側の瘤11から先の端部をねじ切りしないで、プレテンション緊張材Sを用いてコンクリート20にプレテンションを導入する方法を示すものである。
本例の方法では、図10(a)で示すような装置を用いている。すなわち、楔93と、この楔93を収容するコーン94と、楔93の移動を阻止するストッパ95と、ストッパ95に接続されたジャッキ96とを備えている。そして、ストッパ95は楔93の移動を許容する凹部95aが形成されており、楔はコーン94とストッパ95の凹部95aの空間内で移動できるように構成されている。
緊張の手順は、次のように行う。
先ず、プレテンション緊張材Sの自由端部をカプラー内に配置した楔93によって定着させ、次に、プレテンション緊張材Sをジャッキで緊張し、必要な緊張力で緊張した後、ジャッキ96の先端は楔93を介してコーン94で反力受けして、緊張力を維持させ、プレテンション緊張材Sの瘤11による支圧と、端部でのコンクリート20との付着によって、より端部に近い箇所までコンクリート20にプレテンションを導入することができる。
そして、ジャッキ96の緊張を外すと、図10(b)で示すように、楔93はコーン94とストッパ95の凹部95aの空間内で移動できるので、プレテンション緊張材Sと共に楔がコンクリート20側に移動するが、プレテンションが掛かった状態で、楔の作用によって緊張が維持したままとなる。
また図10(c)のように、突出したプレテンション緊張材Sの自由端部を切断する。
このように構成すると、プレテンション緊張材Sにねじ切りをしなくてもよくなる。
図11及び図12は、プレテンション緊張材Sの製造方法を示す他の実施例であり、これらの各実施例において、前記実施例と同一部材には、同一符号を付してその説明を省略する。
本例におけるプレテンション緊張材Sの製造装置100は、テーブル状の架台101と、瘤作成用の型102と、案内手段103と、加熱手段104と、を主要構成要素とする。本例では、例えば、長さが8m〜11mくらいの鉄筋棒(直径16mm)の両端に瘤11を作る例を示す。
本実施例の架台101は、8m〜11mくらいの鉄筋棒(直径16mm)の置けるテーブル状の架台101であり、高低差のあるプレテンション緊張材Sを載置する高い方の載置テーブル部分101aと、瘤11を製作する低い方の瘤形成テーブル部分101bと、これら高低差を転結する傾斜テーブル部分101cとから形成されている。高い方の載置テーブル部分101aは足の長い支持部を有し、低い方の瘤形成テーブル部分101bは上記足の長い支持部より足の短い支持部で支持されている。
そして、瘤11が形成されていないプレテンション緊張材Sの部材10を載置テーブル部分101aに置き、傾斜テーブル部分101cを利用して瘤形成テーブル部分101bに移動する。また瘤形成テーブル部分101bには、瘤11を形成する所定位置に予め瘤作成用の分割型40が固定されている。このとき、傾斜テーブル部分101cの瘤形成用の分割型40の位置には、母材10が容易に型に配置できるように、傾斜が緩く、分割型40の下型の上面に合うように形成されている。
本例における瘤作成用の分割型40は架台101の瘤形成テーブル部分101b上に固定された瘤作成用の型であり、上下の分割型40になっており、プレテンション緊張材Sを3本配置した後、ヒンジ45を介し上型と下型で型締めできるように構成されている。この分割型40の作用は図4及び図5と同様であるが、通路の位置と、分割型40がヒンジ45を介して型開き及び型締めが行えること、瘤11の形成をプレテンション緊張材Sが3本、同時に行えること等などが相違するが、プレテンション緊張材Sの本数等は、適宜採用できるので、瘤11を形成する分割型を3つ以外に構成したりすることができるのは勿論である。
案内手段103は、テーブル状の架台101に沿ってプレテンション緊張材Sの長さ方向に沿って移動用レールが敷設されて構成されている。しかし、移動用レールに限らず、エアキャスター等、テーブル状の架台101に沿ってプレテンション緊張材Sの長さ方向に移動できる手段であれば、特に限定するものではない。
この案内手段103に案内されて、加熱手段104が移動可能に構成されている。本例では支持台(台車)の上にプラズマ放熱器が載置されて構成された加熱手段104が、上記案内手段103に案内されて移動可能にされている。
また、加熱手段104としてのプラズマ放熱器は、案内手段103で所定位置である分割型40の位置に到達すると、その位置から瘤形成テーブル部分101bの分割型40に移動し、分割型40に形成された通路を介し、型内に形成された空間にそれぞれ加熱を行うように構成されている。
そして、本例では、加熱手段104を構成する筐体に、分割型40の両側に棒状の母材10を分割型40内方向に押し込むように、図示しないが、把持部と、この把持部に油圧シリンダ装置が接続された装置が駆動し、把持部で母材10を把持し、油圧シリンダで、加熱して熔融した母材10を型内側に押し込むことで、分割型40に形成された空間に向けて棒状の母材10を分割型40の外側から押し込み、棒状の母材10を熔融させて母材10の周りに突形状の瘤11を形成させ、母材10と瘤11とが同一の材で一体に形成して、一つの瘤11を形成するものである。図11の符号110は、加熱手段104の作業範囲を示すものである。
上記1つの瘤11が形成できたならば、必要であれば次の瘤11を作成するために、前記架台101の案内手段103に案内されて、予め固定された型(図11の架台101の瘤形成テーブル部分101b上に鎖線で示す)に移動させ、次の瘤11を形成する。
なお、図11及び図12の例では、分割型はプレテンション緊張材Sに一つの例を示しているが、瘤を2つ以上形成するには、作業領域に、予め分割型を複数配置して、加熱手段を順次移動させて、複数の瘤を形成することができる。
上記のように、片側の瘤11を作成し、案内手段103によって他端へ台車移動し、同様に瘤11を形成する。このように構成すると、母材10は動かさずに加熱手段104を移動させるために、生産性が向上する。
なお、上記のように分割型40ではなく構成することもできる。つまり、プレテンション緊張材を構成する棒状の母材を挿通できる挿通孔と、この挿通孔と連通し型内部に母材が熔融し瘤を形成する空間と、プラズマ放熱器による熱を空間に導入可能な連通路を有した型を固定する。
この型に、棒状の母材を挿通させ、型の空間に位置する母材に連通路を通して加熱する。
そして、母材の熔融に合わせて、型の空間に向けて棒状の母材を型の外側から押し込み、棒状の母材を熔融させて母材の周りに瘤を形成させる。
このようにして、母材と瘤とが同一の材で一体に形成する。一つの瘤を形成し終えたら、次の瘤を作成するために、前記架台の案内手段に案内されて移動させ、次の瘤を形成する。
図13はプレテンション緊張材Sとコンクリート20との関係を示す他としてPCa床版用の一例であり、(a)は平面から見た図、(b)は側面から見た図、(c)は側面から見た図である。図で示すように、本実施形態では、PCa床版の厚さを変化させ、プレテンション緊張材Sを埋設する部分を、他のコンクリート20の部分より厚さを増し、プレテンション緊張材Sの周りに、他のコンクリート厚さより、厚さの大きいコンクリート部分21としたものである。
すなわち、PCa床版は、コストメリットを考慮して可能な限り薄い方が好ましいが、版厚さは棒鋼の必要最小被り厚さや、運搬や仮設(施工)時にひび割れが入らないように構造計算をして決定される。
また、プレテンション緊張材Sの緊張時のコンクリート20の強度の程度によって、ひび割れ強さが異なってくる。プレテンション緊張材Sを緊張したジャッキを開放した後、コンクリート20に付着が伝達する段階で、コンクリート20の強度が低いと、コンクリート20に割裂現象が生じる(このため、必要最小限のコンクリート厚さが必要になる)。そのために現在はプレテンション緊張材Sの端部(床版の端部)にスプリング筋を配している例もあるが、プレテンション緊張材Sの周りのコンクリート厚さが必要なだけなので、プレテンション緊張材Sの周りのコンクリート20を150mm幅程度だけ他の部分より厚くした、厚さの大きいコンクリート21とし、その他は、通常のPCa床版と同じ厚さで製作したものである。
これにより、プレテンション緊張材Sの緊張時、運搬や仮設(施工)時にひび割れを含むクラックの発生を防止することが可能となる。
プレテンション緊張材は、高強度鉄筋として、PCa床版用の鉄筋のほか、PCa柱梁、大型プレキャストボックスカルバート、プレキャスト側溝、L型擁壁やPC矢板等土木建築分野のコンクリート構造物の主筋、及び後施工アンカー筋にも利用出来る。
10 母材
11(11a,11b) 瘤
13 突出部(緊張材)
20 コンクリート
21 厚さの大きいコンクリート
30 型
31 挿通孔
32 空間
33 通路
40 分割型
50,52 型枠
51 凹部
60 カプラー
60c,66c,60d,60e 逆ねじ
61,62,93 楔
63 芯棒
63a,63b 逆ねじ切り
65,73 接続部
66 カバーリング(接続体)
70 瘤接続用カプラー
71 本体
72 溝
80 反力受け手段
81 皿状ヘッド
90,96 ジャッキ
91 支持枠
94 コーン
95 ストッパ
95a 凹部
100 製造装置
101 架台
101a 載置テーブル部分
101b 瘤形成テーブル部分
101c 傾斜テーブル部分
102 型
103 案内手段
104 加熱手段
S プレテンション緊張材

Claims (9)

  1. 緊張する棒状の母材の端部側に、前記母材の周りに前記母材と同じ材料で前記母材の径より1.5倍以上大きい瘤を少なくとも一つ形成してなるプレテンション緊張材を製造するにあたって、前記母材の端部側の所定位置を加熱手段によって加熱し、前記棒状の母材を熔融させて母材の周りに突形状の瘤を形成させ、前記母材と前記瘤とが同一の材によって一体に形成し
    前記棒状の母材を挿通可能で瘤の形状に合わせた空間を有すると共に加熱可能な型に、前記棒状の母材を挿通させ、前記空間に位置する前記母材を前記空間内で加熱すると共に、前記型の空間に向けて前記棒状の母材を前記型の外側から押し込み、前記型内の母材が熔融して突形状の瘤を形成することを特徴とするプレテンション緊張材の製造方法。
  2. 前記瘤は、前記棒状の母材の断面形状に依存しない外形形状を形成していることを特徴とする請求項記載のプレテンション緊張材の製造方法。
  3. 前記加熱手段は、ファイバーレーザー熱線であることを特徴とする請求項記載のプレテンション緊張材の製造方法。
  4. テーブル状の架台の長手方向に、案内手段を前記架台に沿って形成し、前記架台上の所定位置に瘤作成用の型を固定し、前記案内手段に案内されて瘤作成用の加熱手段を移動可能にし、
    前記瘤作成用の型を、プレテンション緊張材を構成する母材を保持できるように挿通孔を形成し、
    該挿通孔と連通し前記型内部に前記瘤を形成する空間を形成し、
    前記空間に前記加熱手段による熱を導入可能な連通路を形成し、
    前記型に、前記棒状の母材を位置させ、前記型の空間に位置する前記母材に前記連通路を通して加熱すると共に、前記母材の前記空間内での熔融に合わせて、前記型の空間に向けて前記棒状の母材を前記型の外側から押し込み、前記棒状の母材が熔融して前記母材の周りに突形状の瘤を形成させ、前記母材と前記瘤とが同一の材で一体に形成して一つの瘤を形成し、
    一つの瘤を形成し終えたら、必要であれば次の瘤を作成するために、前記架台の前記案内手段に案内させて移動させ、前記と同様に次の瘤を形成することを特徴とするプレテンション緊張材の製造方法。
  5. 緊張する棒状の母材の端部側に、前記母材の周りに前記母材と同じ材料で前記母材の径より1.5倍以上大きい突形状の瘤を少なくとも一つ形成してなるプレテンション緊張材の瘤部分を埋め込んで、端部から若干の距離を露出させ、
    カプラーに前記露出部分を保持させ、
    前記カプラーを必要な緊張力で緊張した後、緊張力を維持させ、
    前記プレテンション緊張材の瘤による支圧と、端部でのコンクリートとの付着によって、より端部に近い箇所までコンクリートにプレテンションを導入することを特徴とするプレテンション緊張材を用いた工法。
  6. 前記カプラーは、少なくとも前記プレテンション緊張材側には楔を有する対向するナットと、各ナットにそれぞれ逆ねじ切りを有し前記対向するナット間に配置した接続体と、から構成され、
    前記カプラーを緊張するカプラー引張部材をジャッキによって緊張し、前記カプラーを必要な緊張力で緊張した後、緊張力を維持させ、
    前記接続体の回転によって前記ナットを引き寄せ、他方に回転させることで引き離し、
    前記プレテンション緊張材の瘤による支圧と、端部でのコンクリートとの付着によって、より端部に近い箇所まで前記コンクリートにプレテンションを導入することを特徴とする請求項記載のプレテンション緊張材を用いた工法。
  7. コンクリートにプレテンションを導入する方法であって、
    緊張する棒状の母材の端部側に、前記母材の周りに前記母材と同じ材料で前記母材の径より1.5倍以上大きい突形状の瘤を少なくとも一つ形成してなるプレテンション緊張材を用い、
    コンクリートに埋め込む前記プレテンション緊張材の自由端部をカプラー内に配置した楔によって定着させ、
    前記プレテンション緊張材をジャッキで緊張し、必要な緊張力で緊張した後、
    前記ジャッキ先端は楔を介してコーンで反力受けをして、緊張力を維持させ、
    前記プレテンション緊張材の瘤による支圧と、端部でのコンクリートとの付着によって、より端部に近い箇所までコンクリートにプレテンションを導入することを特徴とするコンクリートにプレテンションを導入する方法。
  8. コンクリートにプレテンションを導入する方法であって、
    緊張する棒状の母材の端部側に、前記母材の周りに前記母材と同じ材料で前記母材の径より1.5倍以上大きい突形状の瘤を少なくとも一つ形成してなるプレテンション緊張材を用い、
    コンクリートに埋め込む前記プレテンション緊張材のうち自由端側の瘤を残して定着用瘤として前記コンクリート内に位置させ、自由端側の瘤を緊張用の瘤として型枠外に位置させ、
    前記プレテンション緊張材の瘤とジャッキ側とを瘤接続用カプラーで接続し、瘤接続用カプラーを緊張し、前記緊張用の瘤で定着用瘤を緊張して、より端部に近い箇所までコンクリートにプレテンションを導入することを特徴とするコンクリートにプレテンションを導入する方法。
  9. 前記緊張用の瘤が前記コンクリートで埋まるような型枠を形成し、前記プレテンション緊張材が定着した後で前記緊張用の瘤のジャッキを除荷し、前記カプラーを除去し、前記緊張用の瘤の周りの型枠にコンクリートを打設することを特徴とする請求項記載のコンクリートにプレテンションを導入する方法。
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