JP7345170B2 - 鉄筋コンクリート造梁及び構造物 - Google Patents
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また、このように、瘤付きの複数の補強筋を適切に配置することで、開口周りの強度を確保することが可能となる。
このように、補強筋として瘤付きの高強度鉄筋を用いることにより耐力の向上と、その必要定着長さを短くすることが可能となる。瘤をつけて瘤の位置で支圧を受け支持するため従来使用されている直棒(瘤無し)に比較して補強筋長さを大幅に短縮できる。
このように、補強筋が母材の周りに母材と同じ材料で母材の径より1.5倍以上大きい突形状の瘤を備えていることで、開口周りの強度を効果的に確保することが可能となる。
本実施形態の鉄筋コンクリート造梁1は、図1乃至図3に示すように、梁主筋2と、梁主筋2を囲むように配設されたせん断補強筋3とを備えている。鉄筋コンクリート造梁1は、その幅方向に貫通する開口10と、開口10の周囲を囲うように配設された開口補強部11と、を備え、開口補強部11は、瘤Kが形成された複数の開口補強筋20(後述する横筋21、縦筋22、斜め筋23)を有している。なお、図1では、説明のためにコンクリートの図示を省略し、開口10を破線で示している。
図1に示すように、開口補強筋20は、鉄筋コンクリート造梁1の延在方向に配設された複数の横筋21と、横筋21の延在方向と直交する方向(換言すると上下方向)に配設された複数の縦筋22と、横筋21及び縦筋22と交差するように配設された複数の斜め筋23と、を有している。図2及び図4乃至図6に示されるように、複数の開口補強筋20が備える瘤Kは、開口10の径(具体的には、開口10の直径D)に対応した位置に配置されている。原則、開口10の端部位置に、開口10を挟むように各1個ずつ瘤Kを位置させることとするが、開口10での応力によっては瘤Kを、開口10を挟むようにして、それぞれ複数個(2個以上)配することも可能とする。
横筋21(水平補強筋)は、図4に示されるように、両方の端部21aの間に複数の瘤K(中央瘤K1及び端部瘤K2)を備えることがある。図4に示される横筋21は、2つの中央瘤K1を備える場合を示している。2つの中央瘤K1の間の距離は、開口10の直径Dに対応している。より詳細には、開口10及び横筋21を含む断面において、開口10の端部から、横筋21の延在方向に対して垂線を引いた位置に、中央瘤K1が位置するようになっている。このとき、中央瘤K1の位置の許容される誤差は、図4に示す位置から±10%以内、好ましくは±5%以内である。なお、補強対象となる開口のサイズが大きくない場合は、瘤を1個配するだけでもよい。
縦筋22(鉛直補強筋)は、図5に示されるように、両方の端部22aの間に複数の瘤K(中央瘤K1及び端部瘤K2)を備えている。図5に示される縦筋22は、2つの中央瘤K1を備えており、2つの中央瘤K1の間の距離は、開口10の直径Dに対応している。より詳細には、開口10及び縦筋22を含む断面において、開口10の端部から、縦筋22の延在方向に対して垂線を引いた位置に、中央瘤K1が位置するようになっている。このとき、中央瘤K1の位置の許容される誤差は、図5に示す位置から±10%以内、好ましくは±5%以内である。
斜め筋23(傾斜補強筋)は、図6に示されるように、両方の端部23aの間に複数の瘤K(中央瘤K1及び端部瘤K2)を備えている。図6に示される斜め筋23は、2つの中央瘤K1を備えており、2つの中央瘤K1の間の距離は、開口10の直径Dに対応している。より詳細には、開口10及び斜め筋23を含む断面において、開口10の端部から、斜め筋23の延在方向に対して垂線を引いた位置に、中央瘤K1が位置するようになっている。このとき、中央瘤K1の位置の許容される誤差は、図6に示す位置から±10%以内、好ましくは±5%以内である。
本実施形態の鉄筋コンクリート造梁1の梁せいHは、1500mm以上、例えば、2m~3.5mとすることも可能である。図5に示すように、縦筋22は、中央瘤K1と近い方の端部22aとの間の距離が0.5D~0.75Dであり、全長は2D~2.5Dである。つまり、開口10の直径Dを、梁せいHの1/3超1/2以下と大きくすることも可能である。梁せいHを1500mmと仮定すると、開口10の直径を500mm超750mm以下とすることが可能である。
図7に示されるように、開口補強筋20(横筋21、縦筋22、斜め筋23)が備える突形状の端部瘤K2は、棒状の母材Bの端部側に、母材Bの周りに母材Bと同じ材料で形成されている。端部瘤K2のサイズは、母材Bの径dより1.5倍以上であり、好ましくは2倍以上である。
本実施形態の鉄筋コンクリート造梁1を用いると、基礎梁などの鉄筋コンクリート梁にサイズの大きな開口10を設けることが可能となるため、設備の集中管理を行うオフィスビルなどの建物(構造物)に利用することができる。つまり、実施形態の鉄筋コンクリート造梁1を基礎梁として備える建物(構造物)を提供することができる。
本実施形態に係る鉄筋コンクリート造梁1では、開口10の周囲を囲うように配設された開口補強部11が、瘤Kが形成された複数の開口補強筋20を備え、瘤Kが開口10の直径Dに対応した位置に配置されている。このような構成によって、クラックの発生が予想される位置の耐力を確保することが可能となる。つまり、サイズの大きい開口10を設けた場合であっても、瘤付き鉄筋を開口補強筋20として用いるという施工上簡便な方法で、開口10周りの強度を確保することが可能となっている。
以上までに本実施形態の鉄筋コンクリート造梁に関して、その構成及び利用方法についての一実施形態を例に挙げて説明してきたが、上述の実施形態は、あくまでも一例に過ぎず、他の例も考えられる。
2 梁主筋
3 せん断補強筋
10 開口
11 開口補強部
20 開口補強筋(補強筋)
21 横筋
21a 端部
22 縦筋
22a 端部
23 斜め筋
23a 端部
K 瘤
K1 中央瘤
K2 端部瘤
B 母材
D 直径
H 梁せい
TL ひび割れ
Claims (5)
- 鉄筋コンクリート造梁であって、
幅方向に貫通する開口と、
前記開口の周囲を囲うように配設された開口補強部と、を備え、
前記開口補強部は、瘤が形成された複数の補強筋を有しており、
前記瘤は、前記開口及び前記補強筋を含む断面において、前記開口の端部から、前記補強筋の延在方向に対して垂線を引いた位置に配置されており、
複数の前記補強筋は、
前記鉄筋コンクリート造梁の延在方向に配設された複数の横筋と、
該横筋の延在方向と直交する方向に配設された複数の縦筋と、
前記横筋及び前記縦筋と交差するように配設された複数の斜め筋と、を有していることを特徴とする鉄筋コンクリート造梁。 - 複数の前記補強筋は、降伏点が590~1275N/mm2の高強度鉄筋であることを特徴とする請求項1に記載の鉄筋コンクリート造梁。
- 複数の前記補強筋は、母材の周りに前記母材と同じ材料で前記母材の径より1.5倍以上大きい突形状の瘤を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄筋コンクリート造梁。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の鉄筋コンクリート造梁を基礎梁又は梁せいが1500mm以上のとして備えることを特徴とする構造物。
- 開口部補強構造であって、
幅方向に貫通する開口と、
前記開口の周囲を囲うように配設された開口補強部と、を備え、
前記開口補強部は、瘤が形成された複数の補強筋を有しており、
前記瘤は、前記開口及び前記補強筋を含む断面において、前記開口の端部から、前記補強筋の延在方向に対して垂線を引いた位置に配置されており、
前記開口が、壁式ラーメン構造又は壁厚が250mmを超える連層耐震壁において、窓又は出入口として設けられたものであることを特徴とする開口補強構造。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010242482A (ja) | 2009-03-16 | 2010-10-28 | Tm Giken Co Ltd | 鉄筋コンクリート有孔梁の補強金具 |
JP2015172299A (ja) | 2014-03-12 | 2015-10-01 | 大和ハウス工業株式会社 | Rc造梁における開口部補強構造 |
JP2017203357A (ja) | 2016-05-13 | 2017-11-16 | 未来建築研究所株式会社 | プレテンション緊張材及びプレテンション緊張材の製造方法並びにプレテンション緊張材を用いた工法、コンクリートにプレテンションを導入する方法 |
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- 2019-09-19 JP JP2019170728A patent/JP7345170B2/ja active Active
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