JPH10331437A - 既存柱梁の耐震補強構造 - Google Patents
既存柱梁の耐震補強構造Info
- Publication number
- JPH10331437A JPH10331437A JP15447897A JP15447897A JPH10331437A JP H10331437 A JPH10331437 A JP H10331437A JP 15447897 A JP15447897 A JP 15447897A JP 15447897 A JP15447897 A JP 15447897A JP H10331437 A JPH10331437 A JP H10331437A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- column
- existing
- reinforcing
- beams
- reinforcing metal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、既存構築物内に新たにブレ−ス材
や耐震壁を設けたり、柱を全面補強することなく、RC
造及びS造の既存構築物の柱梁の接合部のみを補強する
だけで、柱梁の耐力の向上を図る、既存柱梁の耐震補強
構造を提供することにある。 【解決手段】 上記の課題を解決するため、本発明は、
既存の柱と梁が接合する位置に補強金具を介装し、同金
具を前記柱及び梁とアンカ−材により接合し、また、相
隣る前記補強金具同士を柱脚及び柱頭部において接合し
た既存柱梁の耐震補強構造を提供する。
や耐震壁を設けたり、柱を全面補強することなく、RC
造及びS造の既存構築物の柱梁の接合部のみを補強する
だけで、柱梁の耐力の向上を図る、既存柱梁の耐震補強
構造を提供することにある。 【解決手段】 上記の課題を解決するため、本発明は、
既存の柱と梁が接合する位置に補強金具を介装し、同金
具を前記柱及び梁とアンカ−材により接合し、また、相
隣る前記補強金具同士を柱脚及び柱頭部において接合し
た既存柱梁の耐震補強構造を提供する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリ−ト系や
鉄骨系の既存構築物に対する耐震補強構造に関するもの
であって、建築物や、工作物等の架台、道路及び鉄道等
の高架式構築物等に適用する。
鉄骨系の既存構築物に対する耐震補強構造に関するもの
であって、建築物や、工作物等の架台、道路及び鉄道等
の高架式構築物等に適用する。
【0002】
【従来の技術】従来より、鉄筋コンクリ−ト(以下、R
Cと略す。)造や鉄骨鉄筋コンクリ−ト造の既存構築物
に対して耐震補強を行う場合は、通常柱に鉄筋を巻き付
けてコンクリ−トを打ち増ししたり、柱の外周全面に繊
維シ−トや鋼板を巻付けて補強を行っている。また、鉄
骨(以下、Sと略す。)造の既存構築物に対して耐震補
強を行う場合は、通常S柱に直接鋼板を溶接して補強を
行っていた。しかしいずれの場合も、柱と梁を一体とし
た補強は特に行われていなかった。
Cと略す。)造や鉄骨鉄筋コンクリ−ト造の既存構築物
に対して耐震補強を行う場合は、通常柱に鉄筋を巻き付
けてコンクリ−トを打ち増ししたり、柱の外周全面に繊
維シ−トや鋼板を巻付けて補強を行っている。また、鉄
骨(以下、Sと略す。)造の既存構築物に対して耐震補
強を行う場合は、通常S柱に直接鋼板を溶接して補強を
行っていた。しかしいずれの場合も、柱と梁を一体とし
た補強は特に行われていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年における構築物の
耐震に関する意識の高まりから、RC造及びS造の既存
構築物に対して、従来よりも大きな地震が発生した場合
を想定した耐震補強を行う要請が強くなっている。この
ような大地震に対する耐震補強に、前記従来の補強を既
存のRC柱やS柱に適用すると、その柱自体は耐震性を
発揮するが、同柱と接続する梁は、通常柱と一体の耐震
補強は行われていないため、柱と対比して耐力不足にな
ることがある。そのため、大梁は大地震時に亀裂が発生
したり、変形する恐れがある。また、従来の柱の補強に
は、補強作業に多大な手間を要し工事が長期化してい
た。
耐震に関する意識の高まりから、RC造及びS造の既存
構築物に対して、従来よりも大きな地震が発生した場合
を想定した耐震補強を行う要請が強くなっている。この
ような大地震に対する耐震補強に、前記従来の補強を既
存のRC柱やS柱に適用すると、その柱自体は耐震性を
発揮するが、同柱と接続する梁は、通常柱と一体の耐震
補強は行われていないため、柱と対比して耐力不足にな
ることがある。そのため、大梁は大地震時に亀裂が発生
したり、変形する恐れがある。また、従来の柱の補強に
は、補強作業に多大な手間を要し工事が長期化してい
た。
【0004】
【本発明の目的】上記のような課題を解決するためにな
された本発明は、既存構築物内に新たにブレ−ス材や耐
震壁を設けたり、柱を全面補強することなく、RC造及
びS造の既存構築物の柱梁の接合部のみを補強するだけ
で、柱梁の耐力の向上を図ることができる、既存柱梁の
耐震補強構造を提供することにある。
された本発明は、既存構築物内に新たにブレ−ス材や耐
震壁を設けたり、柱を全面補強することなく、RC造及
びS造の既存構築物の柱梁の接合部のみを補強するだけ
で、柱梁の耐力の向上を図ることができる、既存柱梁の
耐震補強構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、既存の柱と梁が接合する位置
に補強金具を介装し、同金具を前記柱及び梁とアンカ−
材により接合したことを特徴とする、既存柱梁の耐震補
強構造にあり、請求項2の発明は、相隣る補強金具同士
を柱脚及び柱頭部において接合したことを特徴とする、
既存柱梁の耐震補強構造にあり、前記補強金具は、直角
に組んだ鋼板にリブ板を固着して構成したことを特徴と
する、既存柱梁の耐震補強構造にある。
めに、請求項1の発明は、既存の柱と梁が接合する位置
に補強金具を介装し、同金具を前記柱及び梁とアンカ−
材により接合したことを特徴とする、既存柱梁の耐震補
強構造にあり、請求項2の発明は、相隣る補強金具同士
を柱脚及び柱頭部において接合したことを特徴とする、
既存柱梁の耐震補強構造にあり、前記補強金具は、直角
に組んだ鋼板にリブ板を固着して構成したことを特徴と
する、既存柱梁の耐震補強構造にある。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を説明する。 <イ>前提条件 従来よりも大きな地震が発生した場合を想定した既存構
築物に対する耐震補強を行う場合に、本発明は、新たに
ブレ−ス材や耐震壁を設置したり、柱を全面補強するこ
となく、短期間に、必要且つ十分な耐震補強構造に改善
するための要請に応えるものである。本発明は、既存柱
梁の接合部に補強金具を介装して一体且つ強固に補強す
る。本発明の実施例は、既存の柱を中心にして、直交す
る両方向に既存梁が接続したときの柱梁端部の補強状況
が図1に示してあるが、構築物の骨組の性状に応じて、
一方向の梁、或いは特定の梁を対象として補強を行うこ
とができるのは勿論であり、要は、柱及び梁の端部を一
体且つ同時に耐震補強することが主旨である。
の形態を説明する。 <イ>前提条件 従来よりも大きな地震が発生した場合を想定した既存構
築物に対する耐震補強を行う場合に、本発明は、新たに
ブレ−ス材や耐震壁を設置したり、柱を全面補強するこ
となく、短期間に、必要且つ十分な耐震補強構造に改善
するための要請に応えるものである。本発明は、既存柱
梁の接合部に補強金具を介装して一体且つ強固に補強す
る。本発明の実施例は、既存の柱を中心にして、直交す
る両方向に既存梁が接続したときの柱梁端部の補強状況
が図1に示してあるが、構築物の骨組の性状に応じて、
一方向の梁、或いは特定の梁を対象として補強を行うこ
とができるのは勿論であり、要は、柱及び梁の端部を一
体且つ同時に耐震補強することが主旨である。
【0007】<ロ>補強金具の実施形態 以下の各補強金具は、既存柱梁の接する位置に介装し
て、同柱梁の接合部近傍を補強し、一体且つ強固にする
金具である。 (a)補強金具Aを図2に、設置状態を図1に示す。補
強金具Aは、側面から見て直角三角形状であって、三角
を形成する水平板6、垂直板7、斜板5とそれらにより
囲まれたリブ板4とから溶接により構成してある。補強
金具Aの水平板6及び垂直板7には、アンカ−材8,9
が貫通する孔(符号省略)が夫々に複数個(図示では各
2箇所)明けてある。尚、18,19は夫々アンカ−材
8,9のナットである。
て、同柱梁の接合部近傍を補強し、一体且つ強固にする
金具である。 (a)補強金具Aを図2に、設置状態を図1に示す。補
強金具Aは、側面から見て直角三角形状であって、三角
を形成する水平板6、垂直板7、斜板5とそれらにより
囲まれたリブ板4とから溶接により構成してある。補強
金具Aの水平板6及び垂直板7には、アンカ−材8,9
が貫通する孔(符号省略)が夫々に複数個(図示では各
2箇所)明けてある。尚、18,19は夫々アンカ−材
8,9のナットである。
【0008】(b)補強金具Bを図3に示す。補強金具
Bは、水平板16と垂直板17とで直角に組み、その直
角内に三角形の2枚のリブ板4,4が間隔をおいて溶接
により取付けてある。リブ板4は必要に応じて枚数を増
やしてもよい。補強金具Bの水平板16及び垂直板17
には、アンカ−材8,9が貫通する孔(符号省略)が夫
々に複数個(図示では各4箇所)明けてある。尚、その
他の符号は補強金具Aの場合と同一にしてある。
Bは、水平板16と垂直板17とで直角に組み、その直
角内に三角形の2枚のリブ板4,4が間隔をおいて溶接
により取付けてある。リブ板4は必要に応じて枚数を増
やしてもよい。補強金具Bの水平板16及び垂直板17
には、アンカ−材8,9が貫通する孔(符号省略)が夫
々に複数個(図示では各4箇所)明けてある。尚、その
他の符号は補強金具Aの場合と同一にしてある。
【0009】(c)補強金具Cを図4に示す。補強金具
Cは、補強金具Aと同型で、垂直板3の幅を拡大し既存
柱11と略同一にしてある。補強金具Cは、既存柱11
を中心にして4方向に設置し、相隣る垂直板3,3同士
を溶接W接合して柱11脚部を囲んである。それによ
り、柱梁の曲げ耐力が更に増大すると共に、柱の対角方
向の作用力に対して柱11の抵抗力が増大する。尚、そ
の他は補強金具Aの場合と同一にしてある。
Cは、補強金具Aと同型で、垂直板3の幅を拡大し既存
柱11と略同一にしてある。補強金具Cは、既存柱11
を中心にして4方向に設置し、相隣る垂直板3,3同士
を溶接W接合して柱11脚部を囲んである。それによ
り、柱梁の曲げ耐力が更に増大すると共に、柱の対角方
向の作用力に対して柱11の抵抗力が増大する。尚、そ
の他は補強金具Aの場合と同一にしてある。
【0010】(d)補強金具Dを図5に示す。補強金具
Dは、補強金具Bと同型で、垂直板13の幅を拡大し既
存柱11と略同一にしてある。尚、その他の機能及び作
用は前記補強金具Cと同様である。
Dは、補強金具Bと同型で、垂直板13の幅を拡大し既
存柱11と略同一にしてある。尚、その他の機能及び作
用は前記補強金具Cと同様である。
【0011】(e)補強金具Eを図6に示す。補強金具
Eは、既存柱11がRC造、梁10がS造の場合の接合
部に用いる。補強金具Eは、補強金具A,B,C,Dと
殆ど同型で、異なる点は、補強金具Eを側面から見た形
状が不等辺三角形である。即ち同金具Eの垂直板(長
辺)27は、既存柱11の側面にアンカ−材19により
接合してあり、水平板26は、S梁10の上フランジ1
5に溶接接合してある。25は既存のRCスラブであ
る。
Eは、既存柱11がRC造、梁10がS造の場合の接合
部に用いる。補強金具Eは、補強金具A,B,C,Dと
殆ど同型で、異なる点は、補強金具Eを側面から見た形
状が不等辺三角形である。即ち同金具Eの垂直板(長
辺)27は、既存柱11の側面にアンカ−材19により
接合してあり、水平板26は、S梁10の上フランジ1
5に溶接接合してある。25は既存のRCスラブであ
る。
【0012】(f)補強金具Fを図7に示す。補強金具
Fは、既存柱21梁10がS造の場合の接合部に用い
る。補強金具Fは、補強金具A,B,C,Dと殆ど同型
で、異なる点は、補強金具Fを側面から見た形状が不等
辺三角形である。即ち同金具Fの垂直板(三角形の長
辺)37は既存柱21の側面に,水平板36はS梁10
の上フランジ15に夫々溶接接合してある。
Fは、既存柱21梁10がS造の場合の接合部に用い
る。補強金具Fは、補強金具A,B,C,Dと殆ど同型
で、異なる点は、補強金具Fを側面から見た形状が不等
辺三角形である。即ち同金具Fの垂直板(三角形の長
辺)37は既存柱21の側面に,水平板36はS梁10
の上フランジ15に夫々溶接接合してある。
【0013】前記の各補強金具は、水平板と垂直板が直
角の場合の例であるが、それに限定しない。例えば、梁
端部が垂直ハンチを有する場合、補強金具は鈍角を有す
る水平板と垂直板とリブ板とで台形状に形成され、直角
の場合と同様の作用効果が得られる。また、リブ板は三
角形に限らずそれ以上の多角形でもよい。
角の場合の例であるが、それに限定しない。例えば、梁
端部が垂直ハンチを有する場合、補強金具は鈍角を有す
る水平板と垂直板とリブ板とで台形状に形成され、直角
の場合と同様の作用効果が得られる。また、リブ板は三
角形に限らずそれ以上の多角形でもよい。
【0014】<ハ>補強金具による既存柱梁の補強構造
の形態 (a)RC柱梁の補強構造(図1〜図5) 図1及び図2に示すように、補強金具Aが既存柱11の
上下梁1,2の接合する位置に夫々4個据付けてある。
据付け構法は、柱梁の接合部近傍において、アンカ−材
8を上部梁2の下面及び下部梁1の上面に、アンカ−材
9を柱頭及び柱脚の側面に、夫々彫込み又は打込みなど
の手段によりセットする。次いで、前記位置に補強金具
A据付ける。即ち補強金具Aの水平板6のアンカ−孔が
梁1,2のアンカ−材8に、垂直板7のアンカ−孔が柱
11のアンカ−材9に夫々挿入されナット18,19に
より接合してある。また、図3は補強金具Bを用いて柱
11梁1,2を上記と同様に補強した場合である。更
に、図4及び図5は補強金具C,Dを用いて柱11梁
1,2を前記と同様に補強した場合である。この場合は
柱脚及び柱頭の垂直板3,3(13,13)同士を溶接
W接合することにより、柱11梁1,2の曲げ耐力が著
しく増大し、柱11の対角方向の作用力に対しても抵抗
力が増す。
の形態 (a)RC柱梁の補強構造(図1〜図5) 図1及び図2に示すように、補強金具Aが既存柱11の
上下梁1,2の接合する位置に夫々4個据付けてある。
据付け構法は、柱梁の接合部近傍において、アンカ−材
8を上部梁2の下面及び下部梁1の上面に、アンカ−材
9を柱頭及び柱脚の側面に、夫々彫込み又は打込みなど
の手段によりセットする。次いで、前記位置に補強金具
A据付ける。即ち補強金具Aの水平板6のアンカ−孔が
梁1,2のアンカ−材8に、垂直板7のアンカ−孔が柱
11のアンカ−材9に夫々挿入されナット18,19に
より接合してある。また、図3は補強金具Bを用いて柱
11梁1,2を上記と同様に補強した場合である。更
に、図4及び図5は補強金具C,Dを用いて柱11梁
1,2を前記と同様に補強した場合である。この場合は
柱脚及び柱頭の垂直板3,3(13,13)同士を溶接
W接合することにより、柱11梁1,2の曲げ耐力が著
しく増大し、柱11の対角方向の作用力に対しても抵抗
力が増す。
【0015】(b)RC柱S梁の補強構造 図6に示すように、補強金具Eが既存RC柱11とS梁
10の接合する位置に据付けてある。据付け構法は、先
ず、柱11及び梁10接合部近傍の既存床スラブ25を
除去し、柱脚の側面にアンカ−材9をセットする。次い
で、補強金具Eの垂直板27(三角形の長辺)のアンカ
−孔が柱11のアンカ−材9に挿入されナット19によ
り接合し,水平板26はS梁10の上フランジ15に溶
接接合してある。また、補強金具Eの代りに補強金具
B,C,Dを用いて、上記と同様の構法で柱11梁1,
2を補強することができる(図3、図4及び図5参
照)。この場合水平板26,6,16のアンカ−材18
は不要となる。
10の接合する位置に据付けてある。据付け構法は、先
ず、柱11及び梁10接合部近傍の既存床スラブ25を
除去し、柱脚の側面にアンカ−材9をセットする。次い
で、補強金具Eの垂直板27(三角形の長辺)のアンカ
−孔が柱11のアンカ−材9に挿入されナット19によ
り接合し,水平板26はS梁10の上フランジ15に溶
接接合してある。また、補強金具Eの代りに補強金具
B,C,Dを用いて、上記と同様の構法で柱11梁1,
2を補強することができる(図3、図4及び図5参
照)。この場合水平板26,6,16のアンカ−材18
は不要となる。
【0016】(c)S造柱梁の補強構造 図7に示すように、補強金具Fが既存S柱21のS梁1
0と接する位置に据付けてある。据付け構法は、先ず、
S柱21及びS梁10接合部近傍の既存床スラブ25を
除去し、補強金具Fの垂直板37(三角形の長辺)はS
柱21に、水平板36はS梁10の上フランジ15に夫
々溶接接合してある。また、補強金具Fの代りに補強金
具B,C,Dを用いて、上記と同様の構法で柱11梁
1,2を補強することができる(図3、図4及び図5参
照)。この場合水平板36,6,16及び垂直板37,
17,3,13のアンカ−材8,9は不要となる。
0と接する位置に据付けてある。据付け構法は、先ず、
S柱21及びS梁10接合部近傍の既存床スラブ25を
除去し、補強金具Fの垂直板37(三角形の長辺)はS
柱21に、水平板36はS梁10の上フランジ15に夫
々溶接接合してある。また、補強金具Fの代りに補強金
具B,C,Dを用いて、上記と同様の構法で柱11梁
1,2を補強することができる(図3、図4及び図5参
照)。この場合水平板36,6,16及び垂直板37,
17,3,13のアンカ−材8,9は不要となる。
【0017】前記各補強金具の水平板、垂直板のアンカ
−孔を長孔とすることにより、同金具の据付け精度の調
節が可能となる。
−孔を長孔とすることにより、同金具の据付け精度の調
節が可能となる。
【0018】前記各補強金具の据付けに際し、同金具の
水平板及び垂直板とRC柱梁との接合面に隙間が生じる
ときは、予めモルタルや樹脂等により平滑にするか、同
金具を据付けた後に上記材料を隙間に注入することによ
り密着性がよくなる。
水平板及び垂直板とRC柱梁との接合面に隙間が生じる
ときは、予めモルタルや樹脂等により平滑にするか、同
金具を据付けた後に上記材料を隙間に注入することによ
り密着性がよくなる。
【0019】
【作用】構築物の骨組に地震時の水平力が作用した時の
柱梁の応力及び耐力の比較を図8に示す。補強前の骨組
の設計用水平力がPのとき、柱11梁2の曲げモ−メン
トは破線で示してある。補強後の骨組、即ち、柱11梁
2の曲げモ−メントは実線で示してある。 <イ>補強後の梁耐力 設計用水平力Pにより、補強前の梁2のj−j面に最大
モ−メントM1 が、k−k面にM2 が夫々生じる。補強
後の梁2の最大モ−メントはj−j面にM1 ´が、k−
k面(非補強面)にM2 ´が夫々生じる。従って、この
M1 ´(>M1 )により補強金具Aを設定し、梁2の曲
げ耐力は非補強面のM2 ´(>M2 )により決まる。即
ち、M2 ´=M1 , M2 ´>M2 から補強後の骨組
に作用する水平力をP´(>P)とすれば
柱梁の応力及び耐力の比較を図8に示す。補強前の骨組
の設計用水平力がPのとき、柱11梁2の曲げモ−メン
トは破線で示してある。補強後の骨組、即ち、柱11梁
2の曲げモ−メントは実線で示してある。 <イ>補強後の梁耐力 設計用水平力Pにより、補強前の梁2のj−j面に最大
モ−メントM1 が、k−k面にM2 が夫々生じる。補強
後の梁2の最大モ−メントはj−j面にM1 ´が、k−
k面(非補強面)にM2 ´が夫々生じる。従って、この
M1 ´(>M1 )により補強金具Aを設定し、梁2の曲
げ耐力は非補強面のM2 ´(>M2 )により決まる。即
ち、M2 ´=M1 , M2 ´>M2 から補強後の骨組
に作用する水平力をP´(>P)とすれば
【0020】P´=P×M2 ´/M2 =P×M1 /M2
【0021】故に、補強後の梁2の曲げ耐力は、補強前
のそれのM1 /M2 倍に改善される。 尚、補強金具A
の設置範囲は、柱11と接する位置から梁2の内法スパ
ンL0 の1/4以内とすることが好ましい。
のそれのM1 /M2 倍に改善される。 尚、補強金具A
の設置範囲は、柱11と接する位置から梁2の内法スパ
ンL0 の1/4以内とすることが好ましい。
【0022】<ロ>補強後の柱耐力 設計用水平力Pにより、補強前の柱11のm−m面に最
大モ−メントM3 が、n−n面にM4 が夫々生じる。補
強後の柱11の最大モ−メントはm−m面にM3 ´が、
n−n面(非補強面)にM4 ´が夫々生じる。従って、
このM3 ´(>M3 )により補強金具Aを設定し、柱1
1の曲げ耐力は非補強面のM4 ´(>M4 )により決ま
る。即ち、M4 ´=M3 , M4 ´>M4 ,補強後の骨
組に作用する水平力をP〃 (>P)とすれば
大モ−メントM3 が、n−n面にM4 が夫々生じる。補
強後の柱11の最大モ−メントはm−m面にM3 ´が、
n−n面(非補強面)にM4 ´が夫々生じる。従って、
このM3 ´(>M3 )により補強金具Aを設定し、柱1
1の曲げ耐力は非補強面のM4 ´(>M4 )により決ま
る。即ち、M4 ´=M3 , M4 ´>M4 ,補強後の骨
組に作用する水平力をP〃 (>P)とすれば
【0023】 P〃 =P×M4 ´/M4 =P×M3 /M4
【0024】故に、補強後の柱11の耐力は、補強前の
それのM3 /M4 倍に改善される。
それのM3 /M4 倍に改善される。
【0025】<ハ>補強後の骨組の耐力 補強後の柱梁からなる骨組の耐力は、前記<イ>又は<
ロ>の小さい方の値で決まる。即ち、骨組の耐力はM1
/M2 倍又はM3 /M4 倍に改善される。
ロ>の小さい方の値で決まる。即ち、骨組の耐力はM1
/M2 倍又はM3 /M4 倍に改善される。
【0026】
【発明の効果】本発明は以上説明したようになるから次
のような効果を得ることができる。 <イ>既存柱の柱脚及び柱頭の既存梁と接する位置に補
強金具を介装して、同柱及び梁と接合したことによっ
て、 (a)柱梁は補強金具の方杖効果により曲げ耐力が向上
する。 (b)構築物内に、新たにブレ−ス材や耐震壁を設ける
必要がなく、構築物の使用形態を変えずに耐震性能の向
上が図れる。 (c)柱梁の端部だけを補強するので、作業手間が少な
く施工期間の短縮、及びコストの低減が図れる。 <ロ>相隣る補強金具同士を柱脚及び柱頭部において接
合したことによって、 (a)柱梁の前記曲げ耐力が更に向上する。 (b)柱梁接合部の剪断耐力が著しく増大する。 (c)任意の方向の作用力に対する柱の抵抗力が増大す
る。 <ハ>補強金具は、略直角に組んだ鋼板に三角形のリブ
板を固着して構成したことによって、 (a)構造が簡明であり、製作・運搬が容易である。 (b)台車やチェンブロックにより容易に据付けられる
ので、大規模な据付装置を必要としない。
のような効果を得ることができる。 <イ>既存柱の柱脚及び柱頭の既存梁と接する位置に補
強金具を介装して、同柱及び梁と接合したことによっ
て、 (a)柱梁は補強金具の方杖効果により曲げ耐力が向上
する。 (b)構築物内に、新たにブレ−ス材や耐震壁を設ける
必要がなく、構築物の使用形態を変えずに耐震性能の向
上が図れる。 (c)柱梁の端部だけを補強するので、作業手間が少な
く施工期間の短縮、及びコストの低減が図れる。 <ロ>相隣る補強金具同士を柱脚及び柱頭部において接
合したことによって、 (a)柱梁の前記曲げ耐力が更に向上する。 (b)柱梁接合部の剪断耐力が著しく増大する。 (c)任意の方向の作用力に対する柱の抵抗力が増大す
る。 <ハ>補強金具は、略直角に組んだ鋼板に三角形のリブ
板を固着して構成したことによって、 (a)構造が簡明であり、製作・運搬が容易である。 (b)台車やチェンブロックにより容易に据付けられる
ので、大規模な据付装置を必要としない。
【図1】 本発明に係る、RC柱梁に第1実施例の補強
金具を設置した状態の正面図
金具を設置した状態の正面図
【図2】 第1実施例の補強金具の斜視図
【図3】 第2実施例の補強金具の斜視図
【図4】 第1実施例の補強金具を連結した状態の斜視
図
図
【図5】 第2実施例の補強金具を連結した状態の斜視
図
図
【図6】 第3実施例の補強金具をRC柱S梁接合部に
設置した状態の正面図
設置した状態の正面図
【図7】 第4実施例の補強金具をS柱梁接合部に設置
した状態の正面図
した状態の正面図
【図8】 耐震補強前と後の柱梁の作用力及び曲げ耐力
の比較説明図
の比較説明図
Claims (3)
- 【請求項1】既存の柱と梁が接合する位置に補強金具を
介装し、同金具を前記柱及び梁とアンカ−材により接合
したことを特徴とする、 既存柱梁の耐震補強構造。 - 【請求項2】請求項1に記載の既存柱梁の耐震補強構造
において、 相隣る補強金具同士を柱脚及び柱頭部において接合した
ことを特徴とする、 既存柱梁の耐震補強構造。 - 【請求項3】請求項1又は2に記載の既存柱梁の耐震補
強構造において、 補強金具は、直角に組んだ鋼板にリブ板を固着して構成
したことを特徴とする、 既存柱梁の耐震補強構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15447897A JPH10331437A (ja) | 1997-05-28 | 1997-05-28 | 既存柱梁の耐震補強構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15447897A JPH10331437A (ja) | 1997-05-28 | 1997-05-28 | 既存柱梁の耐震補強構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10331437A true JPH10331437A (ja) | 1998-12-15 |
Family
ID=15585136
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15447897A Pending JPH10331437A (ja) | 1997-05-28 | 1997-05-28 | 既存柱梁の耐震補強構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10331437A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1108831A1 (en) | 1999-12-17 | 2001-06-20 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Root wrapping type aseismic reinforcement construction and method for base of column member |
JP2008013957A (ja) * | 2006-07-04 | 2008-01-24 | Fujita Corp | 鋼構造物の耐震補強構造 |
JP2008255646A (ja) * | 2007-04-04 | 2008-10-23 | Taisei Corp | 柱補強構造 |
CH699432B1 (de) * | 2006-12-21 | 2010-03-15 | Stahlton Ag | Vorrichtung zur Verhinderung des Schubversagens (Durchstanzen) einer Flachdecke bzw. eines Fundamentes. |
JP2014084653A (ja) * | 2012-10-24 | 2014-05-12 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | 鉄塔の補強構造 |
CN108643602A (zh) * | 2018-05-21 | 2018-10-12 | 同济大学 | 一种适用于混凝土梁柱节点的外包锚钢加固结构 |
JP2019163592A (ja) * | 2018-03-19 | 2019-09-26 | 東日本旅客鉄道株式会社 | 柱脚補強構造 |
WO2019198492A1 (ja) * | 2018-04-13 | 2019-10-17 | 日本電信電話株式会社 | 補強部材及び施工方法 |
JP2022006375A (ja) * | 2020-06-24 | 2022-01-13 | 鹿島建設株式会社 | 既設橋脚の基礎フーチング補強方法 |
-
1997
- 1997-05-28 JP JP15447897A patent/JPH10331437A/ja active Pending
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6438904B1 (en) | 1999-12-17 | 2002-08-27 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Root wrapping type aseismic reinforcement construction and method for base of column member |
EP1108831A1 (en) | 1999-12-17 | 2001-06-20 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Root wrapping type aseismic reinforcement construction and method for base of column member |
JP2008013957A (ja) * | 2006-07-04 | 2008-01-24 | Fujita Corp | 鋼構造物の耐震補強構造 |
CH699432B1 (de) * | 2006-12-21 | 2010-03-15 | Stahlton Ag | Vorrichtung zur Verhinderung des Schubversagens (Durchstanzen) einer Flachdecke bzw. eines Fundamentes. |
JP2008255646A (ja) * | 2007-04-04 | 2008-10-23 | Taisei Corp | 柱補強構造 |
JP2014084653A (ja) * | 2012-10-24 | 2014-05-12 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | 鉄塔の補強構造 |
JP2019163592A (ja) * | 2018-03-19 | 2019-09-26 | 東日本旅客鉄道株式会社 | 柱脚補強構造 |
JP2019183540A (ja) * | 2018-04-13 | 2019-10-24 | 日本電信電話株式会社 | 補強部材及び施工方法 |
WO2019198492A1 (ja) * | 2018-04-13 | 2019-10-17 | 日本電信電話株式会社 | 補強部材及び施工方法 |
US11821159B2 (en) | 2018-04-13 | 2023-11-21 | Nippon Telegraph And Telephone Corporation | Reinforcement member and construction method |
CN108643602A (zh) * | 2018-05-21 | 2018-10-12 | 同济大学 | 一种适用于混凝土梁柱节点的外包锚钢加固结构 |
CN108643602B (zh) * | 2018-05-21 | 2021-02-02 | 同济大学 | 一种适用于混凝土梁柱节点的外包锚钢加固结构 |
JP2022006375A (ja) * | 2020-06-24 | 2022-01-13 | 鹿島建設株式会社 | 既設橋脚の基礎フーチング補強方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4823790B2 (ja) | 柱ユニットおよび柱ユニットを用いた建物の施工方法 | |
KR101868677B1 (ko) | 메인 철골보와 보조 철골보를 연결하기 위한 연결 유닛 및, 이를 이용한 연결방법 | |
JPH10331437A (ja) | 既存柱梁の耐震補強構造 | |
JP3992401B2 (ja) | Rc耐震壁による既存建物の耐震補強方法 | |
JPH10331436A (ja) | 既存構築物における柱梁の耐震補強構造 | |
JP4577004B2 (ja) | 鋼コンクリート複合構造の梁とsrc構造の柱とからなる建物軸組の施工方法 | |
KR20140137665A (ko) | 철골철근 콘크리트 구조(src)의 확장된 주두부 구조 | |
JP3170535B2 (ja) | 制振構造 | |
JPH1096294A (ja) | 鉄骨・鉄筋コンクリート梁 | |
JP6633940B2 (ja) | 柱梁架構の補強構造 | |
JP4660810B2 (ja) | 境界梁ダンパー | |
JPH10184031A (ja) | 既設の柱梁架構の耐震補強方法 | |
JP2004238801A (ja) | 耐震補強構造 | |
JP4085023B2 (ja) | 鉄骨柱又は鋼管柱と梁鉄筋との接合構造 | |
JPH09317084A (ja) | 繊維強化プラスチック・コンクリート合成構造体 | |
JP2972962B2 (ja) | 仕口構造 | |
JP2002013297A (ja) | 耐震補強方法 | |
KR200296951Y1 (ko) | 철근콘크리트 슬라브를 위한 데크패널 | |
JPH0932311A (ja) | 既設建物の補強構造 | |
KR102401560B1 (ko) | 장스팬 구조 및 낮은 층고 구현을 위한 빔 | |
JPH08239807A (ja) | 複合柱脚構造物 | |
JPH0967940A (ja) | 既設建物の補強構造 | |
JP3579813B2 (ja) | 既存建物の補強構造およびその工法 | |
JP2023149165A (ja) | 既存骨組み部材の補強用連結部構造 | |
KR20040017560A (ko) | 철근콘크리트 슬라브를 위한 데크패널 |