JP2735574B2 - 印刷原板処理機の循環洗水調整装置及び印刷原板処理機の洗水の有効寿命を延長する方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、平版印刷原板又はクリーニング、エッチン
グ及び化学的処理の平板シートをスプレー現像する改良
された装置に関する。

従来の技術 平版印刷原板を製造する場合には、感光性塗膜を支持
体、通常薄いす撓性金属シートに塗布し、このようにし
てプリセンシタイズ印刷板が得られる。原板には、原板
がネガで作用する場合には、適当に選んだ現像剤で感光
性物供を不溶にし、原板がポジで作用する場合には現像
で可溶にするマスクを通して画像に応じて露光する。平
版原板の場合には、現像剤の作用は原板の塗膜の非画像
帯域を完全に除去するので、その痕跡は金属支持体には
存在しない。このように処理されると金属支持体は塗膜
を有せず、もはやインキを受容しない。原板の画像帯域
と非画像帯域との明らかな区別は、平版原板の製造では
重要である。

露光した平版原板は、手工又は機械で現像してもよ
い。手工で現像する場合には、現像剤は原板と軟かいス
ポンジ又はパッドとして注ぎ、これで原板の表面を非画
像帯域が完全に除去されるまで摩擦する。過剰の摩擦又
は過度に活性の化学現像剤による画像に対する損傷を避
けるためには、留意しなければならない。

オフセット印刷原板の手工による現像の欠点は大き
い。工程は緩慢で費用がかかる。所望しない塗膜を除去
するために現像液を使用する場合の均一な圧力は殆んど
得ることが不可能であり、現像液の曝露は不均一であ
る。このようにして屡々欠点を有する印刷が、手工によ
る変動圧の使用による不適当な現像から生じる。所望し
ない塗膜を除去するために摩擦する前の原板の一定帯域
上の現像剤の乾燥は、原板に残渣を残す。手工法での他
の難点は、現像液の使用の際である。現在行なわれてい
るのは、大量の現像剤を現像スポンジ又はパッドおよび
原板の中心に注ぐ。この量は原板を処理するのに十分で
あり、更に“貯ぞう器”からスポンジを使用する。この
方法は、除去した感光性塗膜による処理液の高度の汚染
並びに蒸発による液体の化学変化をもたらし、これは次
には化学的性質の能力を減少して、ハーフトーンの重要
な帯域で所望しない塗布の不完全な除去が生じるか、又
はその能力を増大して画像の腐食が生じる。

更に１度に片面をためで現像し、原板をひっくり返す
両面の原板の現像によって、第２の面を現像する場合
に、第１の現像面の画像又は非画像帯域にための汚染物
質の破片によって損傷が生じる。

この欠損は、原板が印刷機に装入されるまで明らかに
はならず、原板の現像費を招く。これらのすべての問題
は、原板のサイズが大きくなるにつれて重大になる。

多くの原板を現像する場合には、現像剤を機械的に使
用して原板を現像する機械を使用する。

常用の手工によるかかる原板の現像に関連した欠点
を、密閉現像剤装置を備えることによって克服する自動
処理機が利用されている。この装置は印刷原板の収容個
所、連続的運搬装置、現像剤を原板の両面に同時に及び
両面の全面に均一に使用する現像個所を有し、塗膜を軟
らかくする予浸漬個所、一組の洗浄ブラシと一組のベロ
アタイプのスクラッパーパッドとの固定しない浄遊組立
物（１方は原板の上及び他方は下に、洗浄ブラシとスク
ラッパーパッドとの間への原板の容易な装入が促進され
る方法で配置）からなる摩擦又は洗除装置を有する。更
に、洗浄及び洗除組立物は、原板の表面を横切って相互
に反対方向に往復運動をすることができる。原板が現像
系中に存在しない場合には、上部及び下部の洗浄及び洗
除装置は、相互にあい対して摩擦する。更に組立物の末
端に圧搾装置が存在し、これは次の運搬圧搾ローラに接
触する。

洗浄及び洗除装置に入る前に、現像剤はユニークな予
浸漬室で原板の両面には使用する。原板が予浸漬室に入
ると、非画像帯域の塗膜は軟化し、次の洗浄及び洗除組
立物は所望しない小さい帯域の塗膜を有効に洗浄又は洗
除する。これによって、高品質の画像が保証される。更
に現像剤は、原板に洗浄及び洗除個所で洗浄ブラッシュ
及びスクラッパーパッドによって連続的に使用する。次
いで原板は、過剰量の現像剤及び除去された原板の過剰
量の非画像物質を除去するために水洗工程に入る。一定
の現像機では、現像剤は原板に管によって計量し、スポ
ンジ又はブラッシュで分散させ、このスポンジ又はブラ
ッシュは、更に原板から剥離溶解した非画像の粒子を分
離するために役立つ。現像機の次の工程では、使用ずみ
の現像剤及び分離した非画像塗膜は原板から水で洗い落
される。最終工程では、水洗した湿潤面にゴム溶液を塗
布し、その過剰量は除去し、これによって原板を印刷に
供するか又は保存する。

或る場合には処理液は、原板の面に向いているスプレ
ーノズルによって供給する。他の装置では、あふれる現
像剤及びゴム溶液は貯ぞう器に戻し、これから再びスプ
レーノズルによって供給する。ポジで作業する原板の現
像剤の場合には、循環は現像剤の空気混和のために不可
能である。この場合には空気混和を避けるためには、新
らしい現像剤を原板に使用することができるのに過ぎな
い。

グラフィックアートに使用される現像機に関しては、
他の目的は次のものである： −高価な現像剤及び仕上げ剤の必要量を減少する。

−操作の速度を増大する。

−現像剤の完全性を増大する。

−画像帯域と非画像帯域との区別を増大する。

−非腐蝕性現像剤の使用が可能で、このようにして画像
に対する損傷を減少する。

露光した平版印刷原板の処理機では、通常原板はスプ
レーヘッド下に運搬し、このスプレーヘッドによって現
像液、洗水及び仕上げ溶液（個々の原板の必要性によ
り）を続いて分配する。各々の溶液の作用には適当な時
間の間隔を設け、場合によってかき傷をつけない柔らか
いブラッシュ、洗除パッド、スクイザーその他によって
促進する。

原板処理機は米国特許第4239368号、第3995343号、第
3937175号、第3738249号、第3809105号、第3771428号、
第4081577号及び第4091404号明細書から公知である。

公知処理機での問題は、過剰量の洗水の使用である。
実際に多くの印刷所の経験では、処理機に供給する洗水
の年間コストは、処理機自体のコストを越える。洗水を
“ワッショット”で使用する場合には、洗水がまだ十分
な洗浄力を有するのにも拘らず、ただ１回の使用後に捨
てる。この容量の結果として、印刷所は経済性を得るた
めに、洗水を処理機で幾度も使用することを望む。しか
しながら原板の写真面の非画像帯域を除去する場合に、
流されて、水を汚染する。屡々処理機はフィルターを有
し、このフィルターははがれた塗膜粒子を除去して、こ
の塗膜フレークの原板上への沈着を阻止する。かかる処
理機は米国特許第4239368号明細書に示されている。し
かしながら、時間が経つうちに洗水の濾過しない部分
は、それ自体非濾過成分で汚染される。これは、容認で
きないで溶液のpHを高めるアルカリ性塗膜成分である。
かかる場合には、溶液は捨てるか又は周期的にpHを検査
して新しい水を添加する。しかしながらこれは問題を有
する。それというのも溶液は連続的に検査されず、中和
酸の添加はpHを中性にするが、溶液の導電率は、洗水が
迅速に作用しなくなる程度に増大するからである。

発明が解決しようとする課題 本発明によって、平版印刷原板の改良された処理機が
得られ、この処理機ではpH及び導電率を連続的に監視
し、pH調整溶液を必要によって連続的に添加すると共
に、洗水の導電率を許容される作用範囲内で維持する。

課題を解決するための手段 本発明によって、印刷原板処理機の循環洗水調整装置
が得られ、この装置は、 （ａ）洗水を含有する密閉ハウジング、原板の入口及び
出口及び入口と出口との間で原板に洗水を使用する装置
を有する原板処理機、 （ｂ）ハウジングの外部に洗水貯ぞう器、 （ｃ）貯ぞう器から洗水を使用する処理機の装置に洗水
を送る装置、 （ｄ）洗水を使用する処理機の装置から洗水を採集し、
これを貯ぞう器に戻す装置、 （ｅ）貯ぞう器中の洗水のpHを連続的及び自動的に測定
する装置、 （ｆ）pH計器に応答し、pH調整組成物を貯ぞう器中の洗
水に予め決められたpHで自動的に添加することのできる
噴射装置 からなる。

更に本発明によって、印刷原板処理機の洗水の有効寿
命を延長する方法が得られ、この方法は （ａ）処理機の外部に洗水の貯ぞう器を設け、貯ぞう器
から処理機に洗水を送り、処理機から使用した洗水を採
集し、これを貯ぞう器に戻し、 （ｂ）貯ぞう器の洗水のpHを自動的及び連続的に測定
し、 （ｃ）pH調整組成物を貯ぞう器の洗水中に自動的に噴射
し、洗水のpHを予め決められた範囲内で維持することを
特徴とする。

実施例 図面に示されるように、原板処理機10は、新しい水の
コック代りに外部の貯ぞう器14に結合した洗水の導入ホ
ース12を有する。好ましい実施形式では、貯ぞう器14は
151.4〜208.2（40〜55ガロン）のタンクである。ホー
ス12は排水ポンプ16に結合している。操作する場合に
は、排水ポンプ16によって水が貯ぞう器14から原板処理
機10の洗水工程に送られる。使用した洗水は、処理機か
ら貯ぞう器に排水管18を通って戻る。pH計器20は、貯ぞ
う器の水のpHを貯ぞう器14中に存在するゾンデ22によっ
て連続的に監視する。pH計器によって水のpHの連続的監
視が得られ、pHが予め決められた一定の値に達すると、
pH計器はインジェクター24にシグナルを発して、pH調整
組成物、例えば酸をタンク26から送る。好ましい実施形
式では、pHが原板の洗浄残渣のために余りにも大きくな
ると、少量のクエン酸が貯ぞう器の水を中和する。好ま
しいpHの範囲は約6.5〜7.5、更に好ましくは約6.8〜7.
2、最も好ましくは約7.0である。インジェクター24は、
ソレノイドのバルブ及びポンプを有している（これは図
示されていないが、当業者には公知である）。更に図面
には、完結した処理原板の出口すべり道及びスタンド28
を示している。好ましい実施形式によって、洗水の導電
率の連続的自動測定が導電率計器30によって得られる。
この計器は電気的に導電率のゾンデ32に接続している。
計器は洗水の貯ぞう器中に配置されているゾンデ32を含
有する。新しい水道水を使用して初めに系に電気を通じ
る場合には、水は電気導電率約100〜150モーを有する。
原板を洗浄し、酸を添加してアルカリ性を中和する場合
には、イオン化成分を系に添加し、導電率は徐々に上昇
する。導電率が不利な水準に上ると、警報機34によって
シグナルが発生され、洗水は変化しなければならない。
導電率は、場合により単に新しい水道水を添加して下げ
ることができるが、これは１時的解決であるのに過ぎな
い。最も経済的方法はこの時点で、即ち導電率が約5000
〜8000モーを越える場合に、洗水を全部とりかえること
である。

図面では、インジェクター24及びインジェクター24へ
の警報機34の分岐点からの電線に連結した新しい水のコ
ックは点線で示されており、これは付加的装置である。
導電率計器30及びpH計器20は、原板処理機10の外に配置
されているが、原板処理機に統合されていてもよい。

【図面の簡単な説明】

図面は、本発明による循環洗水調整装置の系統図であ
る。 10……原板処理機、12……ホース、14……洗水貯ぞう
器、16……排水ポンプ、18……排水管、20……pH計器、
22……ゾンデ、24……インジェクター、26……タンク、
28……スタンド、30……導電率計器、32……ゾンデ、34
……警報機

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−58254（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−175641（ＪＰ，Ａ)

Claims (15)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】洗水を含有する密閉ハウジング、原板の入
   口及び出口及び入口と出口との間で原板に洗水を適用す
   る装置からなる循環洗水調整装置を備えた印刷原板処理
   機において、洗水貯蔵器（14）は前記印刷原板処理機
   （10）の外側に配置されており、前記貯蔵器は、洗水を
   洗水貯蔵器（14）から印刷原板処理機（10）の洗水適用
   装置へポンプ供給するポンプ（16）を有し；排水管（1
   8）は洗水適用装置から洗水を捕集し、これを貯蔵器（1
   4）に返送し;pH計器（20）は、洗水を供給する前記洗水
   貯蔵器（14）中のpH測定ゾンデ（22）と電気的に接続さ
   れており；インジェクター（24）は導線を介して前記pH
   計器（20）と接続されており、測定されたpHに応答し；
   及び導電率計器（30）は、洗水を供給する前記洗水貯蔵
   器（14）中に配置された導電率測定ゾンデ（32）と電気
   的に接続されていることを特徴とする、循環洗水調整装
   置を備えた印刷原板処理機。
2. 【請求項２】インジェクター（24）が導線を介して導電
   率計器（30）と接続されており、測定された導電率に応
   答し、予め決められた導電率に達するまで導電率調整組
   成物が自動的に洗水貯蔵容器（14）へ添加される、請求
   項１記載の印刷原板処理機。
3. 【請求項３】洗水中の導電率が予め決められた値に達す
   ると、警報装置（34）がシグナルを発する、請求項２記
   載の印刷原板処理機。
4. 【請求項４】印刷原板の湿式洗浄装置が原板に洗水を適
   用する装置の一部を構成している、請求項１記載の印刷
   原板処理機。
5. 【請求項５】印刷原板の運搬装置が備えられている、請
   求項１記載の印刷原板処理機。
6. 【請求項６】請求項１記載の印刷原板処理機中で使用さ
   れる洗水の有効寿命を延長する方法において、前記の印
   刷原板処理機の外側の洗水貯蔵器から洗水を印刷原板処
   理機へポンプ供給し；印刷原板処理機からの使用した洗
   水を捕集し、洗水貯蔵器へ返送し；洗水貯蔵器中の洗水
   のpH及び導電率を自動的及び連続的に測定し；洗水のpH
   を予め決められた範囲内に保持するために、pH調整組成
   物を洗水貯蔵器中の洗水中へ自動的に噴射し；及び洗水
   の導電率を予め決められた範囲内に保持するために、導
   電率調整組成物を洗水貯蔵器中の洗水中へ噴射すること
   を特徴とする、印刷原板処理機の洗水の有効寿命を延長
   する方法。
7. 【請求項７】前記のpHの範囲が6.5〜7.5である、請求項
   ６記載の方法。
8. 【請求項８】前記のpHの範囲が6.8〜7.2である、請求項
   ６記載の方法。
9. 【請求項９】前記のpH調整組成物が酸を含有する、請求
   項６記載の方法。
10. 【請求項１０】前記のpH調整組成物がクエン酸を含有す
    る、請求項９記載の方法。
11. 【請求項１１】洗水の状態が予め決められた値の導電率
    に達するとシグナルを発する、請求項６記載の方法。
12. 【請求項１２】導電率の範囲が、約5000〜約8000ジーメ
    ンスである、請求項６記載の方法。
13. 【請求項１３】前記の導電率調整組成物が水を含有す
    る、請求項６記載の方法。
14. 【請求項１４】予め決められた導電率のシグナルが発せ
    られた後、洗水を廃棄する、請求項11記載の方法。
15. 【請求項１５】前記の洗水の廃棄を、洗水の導電率が約
    5000ジーメンスを越えた後に行う、請求項６から11まで
    のいずれか１項記載の方法。