JP2734926B2 - 用紙取り出し装置 - Google Patents

用紙取り出し装置

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JP2734926B2
JP2734926B2 JP5064420A JP6442093A JP2734926B2 JP 2734926 B2 JP2734926 B2 JP 2734926B2 JP 5064420 A JP5064420 A JP 5064420A JP 6442093 A JP6442093 A JP 6442093A JP 2734926 B2 JP2734926 B2 JP 2734926B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、用紙取り出し装置、特
に、画像形成装置の側方に配置されたビンから用紙を装
置前方側に取り出すための用紙取り出し装置に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、複写機等の画像形成装置に
は、画像形成処理が施された用紙をソート処理するため
のソータが取り付けられる場合がある。また、ソート処
理された用紙に対してステープル処理を行うためのステ
ープル装置を有するソータも既に利用されている。
【0003】従来のこの種のソータとして、たとえば特
開平1−231757号公報に示された装置がある。こ
の装置では、複写機から排出されてきた用紙をソート処
理して収納するための複数のビンが上下方向に移動自在
に配置されている。そして、用紙導入部に順次移動して
くるビンに用紙が排出される。また、この用紙導入部に
ステープル装置が設けられ、ビン内の用紙がステープル
処理されるようになっている。
【0004】ところが、前記公報に示されたソータで
は、ステープル処理した後の用紙をそのまま各ビンに収
容する構成であるために、ビン数を越える部数のソート
処理及びステープル処理を行うことができない。このた
め、多量にコピー処理を行う場合は、いちいちオペレー
ターがビン内からステープル処理された用紙を取り出す
必要がある。
【0005】また、特開昭63−165270号公報に
示された装置では、用紙をソート処理するソート部とは
別に、用紙にステープル処理を行うためのステープル部
が設けられている。この装置でステープル処理を行う場
合には、ソート部でソートされた用紙をステープル部に
搬送し、ここでステープル処理を行う。このためこの装
置では、ソート部に設けられたビン数以上の部数の用紙
をステープル処理することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記特開昭63−16
5270号公報に示された装置では、ビンの下方にステ
ープル装置が設けられ、さらにその下方に処理された用
紙を収容するスタック部が配置されている。このため、
オペレーターが処理された用紙を取り出しにくいという
問題がある。
【0007】そこで本願出願人は、ソータから用紙を装
置前方側に取り出すための用紙取り出し装置を備えた複
写機を既に提案している(特願平4−111935
号)。この装置では、ステープル処理された用紙がソー
タから装置前方側のスタック部に取り出されるので、排
出された用紙の取り出しが容易である。前記装置では、
用紙取り出し装置において、用紙をソータから取り出す
ためのハンド機構が設けられており、このハンド機構は
用紙搬送路の上方に配置されている。用紙搬送路は、ソ
ータから、その装置前方側で下方のスタック部に用紙を
導くために、途中で下方に湾曲している。このため、ハ
ンド機構は、装置前方側に移動することで用紙の搬送の
妨げとならない位置に退避できる。しかし、ハンド機構
及びその機構が用紙搬送路から上方に配置されているた
め、高さ方向の寸法が大きくなってしまうという問題が
ある。
【0008】本発明の目的は、ソータから用紙を装置の
前方側に排出できるようにした装置において、高さ方向
の寸法を抑えることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る用紙取り出
し装置は、画像形成装置の側方に配置されたビンから用
紙を取り出すための装置であり、ケースと、用紙収容部
と、用紙搬送路と、用紙把持機構とを備えている。前記
ケースは、ビンの画像形成装置前方側に配置されてい
る。前記用紙収容部は、ケース下部に配置され、用紙を
収容するためのものである。前記用紙搬送路は、ビンと
用紙収容部との間に形成され、用紙を挟持して用紙収容
部方向に搬送する回転体対を含むものである。前記用紙
把持機構は、ビン内の用紙を把持して用紙搬送路の回転
体対のビン側先端位置に導出するとともに、ケース内部
であって用紙搬送路と用紙収容部との間の空間に退避可
能となっている。
【0010】
【作用】本発明に係る用紙取り出し装置では、ビン内に
収容された用紙は、用紙把持機構によって把持され、装
置前方側に配置されたケースの用紙搬送路を介してケー
ス下部の用紙収容部に取り出される。このようにして、
処理された用紙は装置の前方側に取り出されるので、処
理された用紙を容易に取り出せる。
【0011】またこの装置では、用紙把持機構が用紙搬
送路の内側に配置されている。この用紙搬送路の内側
は、ビンから用紙を取り出す際の取り出し位置と、ケー
ス下部の用紙収容部との間のデッドスペースとなってい
るので、このデッドスペース内に用紙把持機構を配置す
ることにより、用紙搬送路上部に用紙を把持するための
機構が突出することがなく、取り出し装置の高さ方向の
小型化を図ることができる。
【0012】
【実施例】全体構成及び複写機本体 図1及び図2に本発明の一実施例による複写機の全体構
成を示す。図1において、この複写機は、複写機本体1
と、複写機本体1の左側方に配置されたステープルソー
タ(以下、単にソータと記す)2と、ソータ2の前方側
(オペレータ側)に配置された用紙取り出し装置(以
下、マルチスタッカと記す)3とを有している。
【0013】図2に示すように、複写機本体1は、ケー
ス5と、ケース5の中央部に配置された画像形成部6
と、画像形成部6の上方に配置された原稿走査部7と、
画像形成部6に対し用紙を供給したり画像形成部6から
用紙を排出したりする用紙搬送装置8とを有している。
画像形成部6は、中央に配置された感光体ドラム、及び
その周囲に配置された帯電装置、現像装置、転写装置、
用紙分離装置及びクリーニング装置を有している。原稿
走査部7は、画像形成部6の上方に配置された光学系9
と、光学系9の上方に配置された原稿台10と、原稿台
10上に設けられた自動原稿搬送装置11とを有してい
る。自動原稿搬送装置11は、そのケース上面に設けら
れた原稿載置部12と、ケース内部に配置された原稿移
動ベルト等からなる原稿搬送部13とを有している。用
紙搬送装置8は、画像形成部6よりも用紙搬送方向上流
側に配置された用紙供給路と、下流側に配置された用紙
搬出路とを有しており、用紙搬出路の途中には定着装置
14が設けられている。
【0014】さらに、定着装置14の下流側には、用紙
をソータ2側に排出するための排出ローラ15と、用紙
を反転するための反転装置16とが設けられている。ケ
ース5の下部には、反転装置16を通過してきた用紙を
搬送する中間搬送路17と、用紙を一旦収納する中間ト
レイ18とが設けられている。中間トレイ18の下方に
は、複数の給紙カセット19が縦方向に並べて配置され
ている。またケース5の右側下部には、用紙を連続して
供給するための給紙デッキ20が配置されている。給紙
デッキ20の上方には、手差し給紙経路21が配置され
ている。
【0015】ソータ ソータ2は、複数のビン25及びこれらのビン25を上
下方向に駆動するための駆動部26を含むビンユニット
27と、複写機本体1とビンユニット27との間に配置
され複写機本体1からの用紙をビンユニット27に搬送
する搬送ユニット28と、ビンユニット27の上流側
(複写機本体1側)の搬送ユニット28下方に配置され
た処理ユニット29とを有している。またビンユニット
27は、複数のビン25の用紙排出側先端を支持する支
持フレーム30を有している。
【0016】各ビン25は、図3の平面図で示すよう
に、平板状の部材で形成されている。そして、排出方向
の先端側から内部に向かって、用紙取り出し用の切欠き
25aが形成されている。また、後方側(装置奥側)に
は、用紙を前方側に幅寄せするための幅寄せ部材31が
移動するための上下方向に貫通する幅寄せ用の孔25b
が形成されている。この孔25bは、ビン25が用紙の
搬送方向(装置左右方向で、以下横方向とも記す)に沿
って移動できるように当該方向に延び、また幅寄せ部材
31が装置の前後方向に移動し得るようにその方向に延
びている。ビン25の用紙導入側(複写機本体1側)端
部の両側には、それぞれ外方に突出するトラニオン32
が設けられており、トラニオン32は、駆動部26を構
成するスパイラルカム33の溝33aにかみ合ってい
る。また、ビン25の排出側先端の両側には、外方に突
出する突出部34が形成されており、この突出部34
は、支持フレーム30に形成されたホルダ部30aに係
止している。このようにして、ビン25は排出方向の先
端が支持フレーム30によって支持され、また導入側が
スパイラルカム33によって支持され、図2で示すよう
に、排出側の先端が上方に位置するように 傾斜して配
置されている。
【0017】また、ビン25の複写機本体1側の端部に
は、図4及び図5で示すように、L字状のストッパー3
5が装着されている。ストッパー35は、ピン36によ
ってビン25の両端に回動自在に支持されており、図4
の実線で示す規制位置と、一点鎖線で示す退避位置とを
とり得る。ストッパー35は、規制位置ではその立壁部
35aがビン25内の用紙の後端に当接して用紙の落下
を防止している。またストッパー35の立壁部35a上
端部には、図3及び図5で示すようにガイドコロ37が
回転自在に取り付けられている。なお、ストッパー35
は、通常の状態では図示しないスプリング等の付勢部材
によって図4の実線で示す規制位置に維持されている。
【0018】ビンユニット27の駆動部26は、ビン2
5の複写機本体1側の前後端部において、各トラニオン
32と対向するように配置された1対のスパイラルカム
33を有している。スパイラルカム33は、その表面に
螺旋状の溝33aを有しており、ソータ2の上部から下
部にわたって縦方向に配置されている。各スパイラルカ
ム33の上端及び下端は、ソータ2のフレーム2aに回
転自在に支持されており、図6に拡大して示すように、
下端にはプーリ40が固定されている。1対のスパイラ
ルカム33のうち装置後方側に設けられたスパイラルカ
ム33の下端には、駆動プーリ41が固定されている。
この駆動プーリ41には、ベルト42等を介して駆動モ
ータ43(図2参照)が連結されている。
【0019】スパイラルカム33の外表面に形成された
螺旋溝33aは、上下部分においてほぼ同ピッチで形成
されているが、処理ユニット29と対向する部分(ほぼ
中央部分)の2ピッチ分については他のピッチよりも広
く形成されている。これにより、処理ユニット29と対
向するビン25の上下に、他の部分に比較して広い間隔
が形成される。
【0020】図7に示すように、ビンユニット27の上
端にはビン上フレーム27aが、また下端にはビン下フ
レーム27bがそれぞれビン25とほぼ同じ傾斜で設け
られている。さらに、処理ユニット29と対応するビン
25の側方にはガイドビン27cが設けられている。こ
のガイドビン27cは、後述するように、ビン25を複
写機本体1側に引き込む際のビンの移動ガイドとなるも
のである。各ビンフレーム27a,27bの先端は支持
フレーム30に固定され、また複写機本体1側の端部に
はそれぞれピンが設けられており、下ビンフレーム27
bのピンはスパイラルカム33の溝に係合し(図6参
照)、上ビンフレーム27aのピンはフレームのトラニ
オン案内溝2b(図3参照)に挿入されてビンユニット
27を支持している。また、ガイドビン27cの基端部
はソータフレーム2aの先端に固定されている。ガイド
ビン27cはビン25の傾斜に沿って用紙排出方向の先
端側に延びており、先端部分にはガイド溝45aが形成
されたガイド部材45が固定されている。また、上下の
ビンフレーム27a,27bの用紙導入側の端部には、
ビン25内に用紙があるか否かを検出するための1対の
フォトセンサ46a,46bが設けられている。
【0021】また、ソータ2には、処理位置に移動され
たビン25を複写機本体側方の処理ユニット29に移動
させ、さらに元の位置に戻すためのビン移動機構50が
設けられている。この移動機構50を図8に示す。ビン
移動機構50はソータフレーム2aに設けられており、
ビン25との連結部51と、連結部51を介してビン2
5を移動させるための駆動部52と有している。連結部
51は連結部材53を有している。連結部材53はビン
25の装置奥側に設けられており、その係止片53a
が、トラニオン32とトラニオン32の側方に設けられ
たピン54との間に挿入されている。連結部材53には
接続部53bが設けられ、この接続部53bによって連
結部51と駆動部52とが連結されている。駆動部52
は、モータ55と、モータ55の軸に固定されたウォー
ムギア56と、ウォームギア56に噛み合うウォームホ
イール57と、ウォームホイール57と一体に回転する
スプロケット58と、このスプロケット58にチェーン
59を介して連結されるスプロケット60とを有してい
る。そして、チェーン59と連結部材53の接続部53
bとが連結されている。このような構成では、モータ5
5を回転させることにより、ビン25をガイド部材61
に沿って用紙の排出方向に移動させることが可能であ
る。なお、ガイドレール61はソータフレーム2aに固
定されている。
【0022】ここでは、ビン25を処理ユニット29側
に引き込んで処理するようにしているが、このときガイ
ドビン27cを設けているので、ガイド部材として支持
フレーム30を設ける必要がない。したがって、ビン2
5の前後側方に大きく開口を設けることができる。ま
た、図9に示すように、このソータ2は、処理ユニット
29と対向する位置で伸退するビン25上の用紙を押さ
えるための用紙押圧機構65を有している。この用紙押
圧機構65はビン25と一体に移動するものであり、ビ
ン25の両側面のソータフレーム2aに配置されてい
る。
【0023】この用紙押圧機構65は、駆動部66と押
圧部67とを有している。駆動部66は、駆動用のモー
タ71と、ウォームギア72と、ウォームギア72に噛
み合うウォームホイール73aと、スプロケット73
b,74,75,76,77,78とを有している。ス
プロケット73b,74〜78にはチェーン79が架け
渡されている。チェーン79は、ビン移動機構50の連
結部材53に形成された嵌合部53cとガイド部53d
間を通過するように配置されている。また、チェーン7
9には、スプロケット74,76間においてビン25の
上方側に、接続部材80を介して軸81aが設けられて
おり、この軸81aには押圧部材81が支持されてい
る。
【0024】スプロケット74には、一端が回動自在に
支持されたアーム75aが連結されており、その先端に
はスプロケット75が回転自在に連結されている。この
ため、スプロケット75はスプロケット74を支点に揺
動自在であり、かつアーム75aとの間に接続されたバ
ネ75bによって図9の時計回りに付勢されている。ま
た、スプロケット77は上下動自在で下方向に付勢され
ており、これにより、チェーン79には所定の力のテン
ションがかかり、各スプロケットとチェーン79との間
の噛合位置がずれないようになっている。
【0025】このような構成により、接続部材80はチ
ェーン79によって図9の実線で示す位置と一点鎖線で
示す位置とをとり得る。一点鎖線で示す用紙押圧位置で
は、軸81aが嵌合部53cとガイド部53d間に嵌合
される。このように軸81aが連結部材53に嵌合した
状態で、ビン25の移動に伴って伸退する。なお、押圧
部材81は図示しない付勢部材によってビン25の上面
に対して付勢されている。
【0026】ソータフレーム2aには、図10に示すよ
うに、用紙処理位置に移動してきたビン25のストッパ
ー35を解除するためのガイド部材85が設けられてい
る。ガイド部材85は、ストッパー35のガイドコロ3
7を下方向に案内するもので、前後方向に対向して設け
られている。ガイド部材85は、上レール85a及び下
レール85bからなり、先端には開口部85cが形成さ
れている。
【0027】このような構成では、処理ユニット29側
に引き込まれたビン25は、そのガイドコロ37がガイ
ド部材85に案内されて下方に移動し、これによりスト
ッパー35が下方向に回動して用紙後端を露出させる。
この状態では、ビン25上の用紙後端に処理することが
可能である。なお、図10に示す状態では、用紙押圧部
材81によってビン25上の用紙が押さえられているの
で、ビン25から処理ユニット29側に用紙が落下する
ことはない。
【0028】処理ユニット29は、図11及び図12に
示すように、固定フレーム90と、この固定フレーム9
0に対してスライド自在であり装置前方側に引き出し可
能なベーステーブル91と、このベーステーブル91に
対して移動自在な移動テーブル92とを有している。そ
して、移動テーブル92上には、ステープル装置93と
パンチ装置94とが配置されている。
【0029】ベーステーブル91の装置後方側の下面に
はテーブル移動用のモータ95が固定されている。一
方、ベーステーブル91の装置前方側にはギアプーリ9
6が固定されており、このギアプーリ96とモータ95
先端に固定されたギアプーリ97との間にタイミングベ
ルト98が架け渡されている。このタイミングベルト9
8には、移動テーブル92下面に形成された連結部92
aが連結されており、タイミングベルト98の循環によ
って移動テーブル92がベーステーブル91上を移動す
るようになっている。なお、移動テーブル92の下面に
は、図12に示すように、軸受99が固定されており、
ベーステーブル91に前後方向に配置されたガイド軸1
00に沿って移動可能となっている。また、移動テーブ
ル92の側部には、複数のガイドローラ101が設けら
れており、このガイドローラ101がベーステーブル9
1の支持部91aにガイドされている。
【0030】なお、図11に示すように、移動テーブル
92の前方端下面には検知板102が固定されており、
ベーステーブル91の基準位置にはホームポジション検
知用のフォトセンサ103が固定されている。ステープ
ル装置93の概略構成を図12に示す。このステープル
装置93は、下顎部材110と、この下顎部材110に
対して回動自在に装着された上顎部材111と、上顎部
材111を下降させるための駆動部112と、上顎部材
111を初期位置に復帰させるための復帰機構113と
から構成されている。下顎部材110は、移動テーブル
92上に固定された支持部材114に対して、一端を支
点として所定の範囲で回動自在となっている。これによ
り、ステープル装置93全体を、所定の範囲で上下方向
に位置調整することが可能である。
【0031】このソータ2においては、支持フレーム3
0とソータフレーム2a(図13参照)との間の前方及
び後方は開口120(図7参照)となっている。ソータ
フレーム2aの先端部分において装置前方側には、幅寄
せ用の固定基準板121と、昇降基準板122とが設け
られている。これらの基準板121,122は、スパイ
ラルカム33の用紙排出方向先端側に隣接して配置され
ている。昇降基準板122は、固定された上側基準板1
22aと、シャッタ部材として機能する昇降自在な下側
基準板122bとによって構成されている。下側基準板
122bは、図7の実線で示す閉位置と、一点鎖線で示
す開位置とをとり得る。下側基準板122bが開いた状
態では、処理ユニット29に対応するビン25の下段の
ビン25の側方が開放される。
【0032】ソータフレーム2aの先端には、図13に
示すように、下側基準板122bを昇降するための昇降
機構125が設けられている。昇降機構125は、ソー
タフレーム2aの先端に設けられた取り付けフレーム1
26と、この取り付けフレーム126に固定されたモー
タ127と、取り付けフレーム126内に回転自在に支
持されたギア列128とを有している。ギア列128は
モータ127によって駆動され、その出力側のピニオン
128aは下側基準板122bに固定されたラック12
9に噛み合っている。
【0033】このような構成により、モータ127を駆
動することにより、下側基準板122がラック129と
ともに昇降する。なお、下側基準板122bは、ソータ
フレーム2aに固定されたスライドガイド130に案内
されて昇降するようになっている。ここでは、スパイラ
ルカム33がストッパ35の立壁部35aより用紙先端
側(搬送方向下流側)に配置されている。このため、ス
パイラルカム33の近傍に幅寄せ用の基準板121、1
22を配置しても、用紙の長手方向の中央部分に近い部
分を基準板121、122に当接させることができる。
そして、スパイラルカム33と基準板121、122と
を近接して配置できるので、これらを覆うためのソータ
フレーム2aを用紙先端側に延ばす必要がなく、ソータ
フレーム2aの小型化が実現できる。また、ソータフレ
ーム2aの先端部分に昇降基準板122bが位置するこ
ととなり、これを駆動するための昇降機構125もソー
タフレーム2a先端に配置できる。このため、ソータ2
全体を小型化することができる。
【0034】ソータ2の搬送ユニット28は、図2に示
すように、導入部28aと、導入部28aから分岐して
設けられたソート用搬入路28bと、ノンソート用搬入
路28cとを有している。導入部28aには、導入ロー
ラ131と分岐爪132とが設けられている。またソー
ト用搬入路28bは、導入部28aとソート用のビン2
5との間に設けられており、スパイラルカム33によっ
て上下の間隔が拡げられたビン25上に用紙を導く。ま
た、ノンソート用搬入路28cは、ソータ2の上部に配
置されたノンソート用ビン133と分岐部28aとの間
に設けられ、ノンソートモード時に用紙をノンソート用
ビン133に導く。
【0035】マルチスタッカ 図14及び図15にマルチスタッカ3の全体構成を示
す。図14はマルチスタッカ3の正面図であり、図15
はマルチスタッカ3を図14の矢印Z方向から見た側面
図である。マルチスタッカ3はケース3aを有してお
り、取り出し位置に位置するビン25の処理済み用紙を
把持して用紙取り出し装置3内に引き寄せるためのスタ
ッカハンド機構150と、スタッカハンド機構150に
よって装置前方側に引き寄せられた用紙を排出する排出
機構151と、排出された用紙を収容するスタック部1
52と、ビン25から取り出された用紙をスタック部1
52に案内するための用紙搬送路153とから構成され
ている。
【0036】スタッカハンド機構150は、図14及び
図15をそれぞれ拡大して示す図16及び図17で示す
ように、ベース板159と、ベース板159上を横方向
に移動する移動板160と、移動板160上に装置の前
後方向に移動自在に設けられた第1ハンド取付板161
及び第2ハンド取付板162と、各ハンド取付板16
1,162に装着された第1ハンド163及び第2ハン
ド164と、各ハンド163、164を前後方向に移動
させるための第1駆動機構165と、移動板160を横
方向に移動させるための第2駆動機構166とを備えて
いる。第1ハンド取付板161は移動板160上での横
方向の移動が禁止され、一方、第2ハンド取付板162
は移動板160上を横方向に移動し得る。
【0037】ベース板159は、ほぼビン25と同じ角
度で傾斜して配置されている。移動板160の装置前方
側の端部には、図17に示すようにコロ167が設けら
れ、また他端側にはスライド用のガイド168が横方向
に配置されている。移動板160は、第2駆動機構16
6によって複写機本体1側に移動される。なお、ソータ
2の複写機本体1側の端部には、ストッパーコロ169
が設けられている。このストッパーコロ169には第2
ハンド取付板162が当接するようになっている。各ハ
ンド163,164及び第2ハンド取付板162の下部
にはコロ170が設けられ、移動板160上を装置の前
後方向に移動する。第2ハンド取付板162には横方向
にガイド溝を有するスライドガイド171が固定されて
いる。第1ハンド取付板161は、このスライドガイド
171に係止する係止部を有している。
【0038】各ハンド163,164はハンドフレーム
175を有している。コロ170はハンドフレーム17
5の下端に設けられている。またハンドフレーム175
は、各ハンド取付板161,162に設けられた縦方向
スライドガイド172に沿って上下移動することが可能
である。また移動板160には、ハンド退避用のガイド
部材177が設けられている。ガイド部材177は、退
避してきた各ハンド163,164のコロ170を下方
に案内して、各ハンド163,164の上部が用紙搬送
路153の内側(下方)に退避できるようになってい
る。なお、第2ハンド取付板162には、第1ハンド1
63が第2ハンド164から離れて両者が所定の間隔に
なったことを検出するためのセンサ178が固定されて
いる。
【0039】また、各ハンド163,164は、図17
で示すように、上下1対の把持部180,181を有し
ている。各把持部180,181は、ピン182によっ
てハンドフレーム175に回動自在に支持されている。
上把持部180の支持部の下部と、下把持部181の支
持部の上部には、互いに噛み合うギアが形成されてい
る。そして、上把持部180の後端はバネ183により
開く方向に付勢されている。また、下把持部181の後
端には、バネ184の一端が係止されており、その他端
はハンドフレーム175に装着されたソレノイド185
のプランジャ先端に係止されている。このような構成に
より、ソレノイド185がオフの場合にはバネ183に
よって上把持部180が上方に開き、これに伴って下把
持部181も下方に開く。一方、ソレノイド185がオ
ンになってそのプランジャが縮退すると、バネ184に
よって下把持部181が閉じる方向に回転し、これに伴
って上把持部180はバネ183の付勢力に抗して閉じ
る方向に回動する。
【0040】第1駆動機構部165は、モータ190
と、モータ190の軸先端に固定されたギアプーリ19
1と、第1取付板161の連結部材192に固定された
複数のギアプーリ193と、各ギアプーリ間に架け渡さ
れたタイミングベルト194とを有している。これによ
り、モータ190が回転すると、タイミングベルト19
4によって連結部材192が移動し、ハンド取付板16
1、162を介して2つのハンド163,164が前後
方向に移動する。
【0041】一方、第2駆動機構166は、ベース板1
59下面に固定されたモータ195と、複数のギアプー
リとを含むギア列196(図17参照)と、タイミング
ベルト197とから構成されている。タイミングベルト
197には、移動板160下面に固定された係止部材1
98が連結されている。なお、ベース板159上には、
移動板160の位置検知用のフォトインタラプタ19
9,200が所定の間隔で設けられている。さらに、移
動板160には、各ハンド163,164がホームポジ
ションに位置していることを検出するためのフォトイン
タラプタ201が設けられている。
【0042】排出機構151は、2対のローラ装置20
5,206と、このローラ装置205,206を駆動す
るためのローラ駆動機構207から構成されている。ロ
ーラ装置205,206は、図17に示すように、用紙
搬送路153に沿って配置された駆動ローラ208及び
従動ローラ209から構成されている。両ローラ20
8,209の間には、処理済みの用紙を搬送するための
ベルト210が架け渡されている。そして、各ローラ2
08,209の上方には、押さえローラ211が配置さ
れている。押さえローラ211は、支持部材212の先
端に回転自在に取り付けられている。支持部材212
は、マルチスタッカ3の上部を覆うカバー3aに回動自
在に取り付けられている。
【0043】ローラ駆動機構207は、モータ213
と、モータ213の軸先端に装着されたギアプーリ21
4と、ローラ装置205,206のそれぞれの駆動ロー
ラ208を連結する回転軸215と、回転軸215の先
端に固定されたギアプーリ216と、両プーリ214,
216間に架け渡されたタイミングベルト217とから
構成されている。
【0044】用紙搬送路153は、下ガイド220と、
カバー3aの下面に形成されたリブによって形成される
上ガイド221及び立壁部224とを有している。カバ
ー3aは、立壁部224を構成する下側のフレームに対
してピン222により開閉自在である。下ガイド220
及び上ガイド221によって構成される用紙搬送路15
3において、ローラ装置205,206を通過した直後
の下方に湾曲した部分には、弾性部材としての樹脂フィ
ルム223が下ガイド220に設けられている。この弾
性部材223は上流端が下ガイド220に固定されてお
り、用紙搬送路153を搬送されてくる用紙を、立壁部
224に当たるように案内し、用紙の落下スピードを落
とすためのものである。また、図14に示すように、用
紙搬送路153の側壁225は、搬送されてくる用紙の
側面(ビン25内における用紙の後端面)に沿って傾斜
している。すなわち、ビン25の傾斜に対してほぼ直交
するような角度で取り付けられている。なお、従動ロー
ラ209の下流側には、用紙のジャムを検知するための
フォトインタラプタ230が設けられている。
【0045】スタック部152はケース3aの下部に設
けられており、用紙搬送路153を構成する側壁225
に対してほぼ垂直な底壁226を有している。またこの
底壁226は、図15に示すように装置の後方側に延び
上方に傾斜している。このスタック部は、図1から明ら
かなように、側方に取り出し用の開口227を有してい
る。
【0046】このようなマルチスタッカ3では、用紙取
り出し位置にあるビン25とスタック部152との間
の、用紙搬送路153内側にスタッカハンド機構151
が配置されている。このため、ビン25とスタック部1
52との間のデッドスペースを有効に利用でき、スタッ
カハンド機構151を用紙搬送路153の上方に配置し
た場合に比較して高さを抑えることができる。
【0047】また、ハンド163,164は横方向に移
動できるため、ビン25内において、スパイラルカム3
3より複写機本体1側に用紙後端が位置するように収納
されている場合でも、用紙を装置前方側にスムーズに取
り出すことが容易となる。したがって、ソータ2の横方
向の長さを短くできる。さらに、スタック部152の側
方には取り出し用の開口227が設けられているので、
用紙の排出動作途中でスタック部152から排出された
用紙を取り出すことができる。特に、多量のコピー処理
を行う場合、スタック部152に用紙が満載されると各
部の動作が一旦停止するが、ここでは、処理途中にスタ
ック部152から用紙を取り出して、多量の連続して行
うことができる。
【0048】制御部 図1に示すように、複写機本体1の上面手前側部分に
は、複写機本体1を操作するための操作パネル250が
設けられている。操作パネル250には、ソート/ノン
ソートモードを指定するためのキーと、ステープル/ノ
ンステープルモードを指定するためのキーと、パンチ/
ノンパンチモードを指定するためのキーと、ステープル
及びパンチ位置を指定するためのキーと、複写枚数を設
定するためのテンキーと、その他のキーが設けられてい
る。
【0049】ソータ2の前面上端部には、ソータ2に対
してオペレータが直接指令を入力するための操作パネル
251が配置されている。操作パネル251には、ステ
ープル及びパンチ処理とビンからの用紙を取り出すため
の処理とを平行して行わせるためのマルチキー等が設け
られている。なお、このマルチキーを押すことにより、
ビン25内の用紙を強制的にスタック部152に排出す
ることも可能である。
【0050】図18にこの複写機の概略制御ブロック図
を示す。複写機本体1は、複写機本体1における複写動
作及び自動原稿搬送装置11の動作を制御する複写機本
体制御部255を有し、ソータ2はソータ制御部256
を有し、またマルチスタッカ3はマルチスタッカ制御部
257を有している。各制御部255,256,257
は、CPU、RAM、ROMを含むマイクロコンピュー
タから構成されている。各制御部255,256,25
7間はバスを介して互いに接続されており、各制御部間
で種々の情報の交換が可能である。
【0051】複写機本体制御部255には、前述の操作
パネル250と、画像形成部249と、他の入出力部と
が接続されている。ソータ制御部256には、前述の操
作パネル251と、各種のセンサ258と用紙搬送部2
59と、ビン25を横方向に移動させるビン横移動部2
60と、ビン25内の用紙を押圧するための用紙押さえ
部261と、ステープル及びパンチ処理部262と、ビ
ンを上下方向に移動させるためのビン上下移動部263
と、他の入出力部とが接続されている。またマルチスタ
ッカ制御部257には、各種のセンサ264と、第1ハ
ンド駆動部265と、第2ハンド駆動部266と、ハン
ド163,164を前後方向に移動させるためのハンド
前後移動部267と、ハンドを横移動させるためのハン
ド横移動部268と、ローラ装置駆動部269と、他の
入出力部とが接続されている。
【0052】複写機本体の動作 複写機本体1側では、図19のステップS1において、
複写枚数を「1」に設定する等の初期設定を行う。この
初期設定では、モード設定として、ノンソートモード、
ノンステープルモード、ノンパンチモードが設定され
る。次にステップS2では、複写枚数を設定するための
入力を受け付ける等の条件入力処理を行う。ステップS
3では、後述するモード選択処理を行う。ステップS4
では、プリントボタンによるコピー開始指令を受け付け
る。コピー開始指令がなされれば、画像形成部や自動原
稿搬送装置11を制御することによりコピー動作を行
う。このコピー動作中においては、給紙カセット19や
給紙デッキ20から画像形成部6に用紙が搬送され、画
像形成部6で用紙にトナー画像が転写され、さらに定着
装置14で定着処理された後に用紙は排出ローラ15に
よってソータ2の導入部28に導かれる。ソータ2内に
導かれた用紙に対する処理に関しては後述する。ステッ
プS4でのコピー処理が終わればステップS2に戻る。
【0053】ステップS3におけるモード選択処理の詳
細を図20及び図21に示す。図20において、ステッ
プS5ではソートキーが押されたか否かを判断し、ステ
ップS6ではステープルキーが押されたか否かを判断
し、図21のステップS7ではマルチキーが押されたか
否かを判断する。ソートキーが押されれば、ステップS
5からステップS6に移行する。既にソートモードが設
定されている場合にはステップS7に移行し、ソートモ
ードを解除する。一方、ソートモードが設定されていな
い場合にはステップS6からステップS8に移行する。
ステップS8では、複写設定枚数が全ビン数(ここでは
20個)を越えているか否かを判断する。越えている場
合には、ステップS9に移行して自動的にマルチモード
を設定する。また、設定部数が20枚以下の場合にはス
テップS8からステップS10に移行し、ソートモード
をセットする。
【0054】ステープルキーが押された場合には、ステ
ップS6からステップS11に移行する。ステップS1
1では、ステープルモードが既に設定されているか否か
を判断する。既に設定されている場合にはステップS1
2に移行し、ステープルモードを解除する。一方、ステ
ープルモードが設定されていない状態でステープルキー
が押された場合には、ステップS11からステップS1
3に移行する。ステップS13では、複写設定枚数が2
0枚を越えているか否かを判断する。越えている場合に
はステップS14に移行してマルチモードをセットす
る。また複写設定枚数が20枚以下の場合にはステップ
S13からステップS15に移行し、ステープルモード
をセットする。
【0055】またマルチキーが押された場合には、ステ
ップS7からステップS16に移行する。ステップS1
6では、既にマルチモードが設定されているか否かを判
断し、既に設定されている場合にはステップS17に移
行する。ステップS17ではマルチモードを解除する。
また、マルチモードが設定されていない場合にはステッ
プS16からステップS18に移行し、マルチモードを
セットする。ソータの動作 ソータ2では、図22のステップP1において初期設定
を行う。ここでは、ステープル装置及びパンチ装置を初
期位置に配置したり、分岐爪132をノンソート用ビン
133側にセットする等の処理を行う。
【0056】ステップP2では、各種のモードのリセッ
トを行う。この結果、ソート/ノンソートモードに関し
てはノンソートモードが、ステープル/ノンステープル
モードに関してはノンステープルモードが、パンチ/ノ
ンパンチモードに関してはノンパンチモードがそれぞれ
セットされる。次にステップP3では、処理枚数や設定
モードの内容等の処理条件情報が複写機本体1側から送
られてきたか否かを判断する。処理条件の入力があれば
ステップP4に移行して条件に応じた動作モードを設定
する。
【0057】またステップP5ではノンソートモードで
あるか否かを判断し、ステップP6ではソートモードで
あるか否かを判断し、ステップP7ではステープルモー
ドであるか否かを判断し、ステップP8ではマルチモー
ドであるか否かを判断し、さらにステップP9ではソー
タ2の操作パネル上のマルチキーが押されたか否かを判
断する。
【0058】ノンソートモードの場合にはステップP5
からステップP10に移行してノンソート処理を実行す
る。またソートモードが設定されている場合にはステッ
プP6からステップP11に移行してソート処理を実行
する。ステープルモードが設定されている場合にはステ
ップP7からステップP12に移行してステープル処理
を実行し、またマルチモードが設定されている場合には
ステップP8からステップP13に移行してマルチ処理
を実行する。マルチキーが押された場合には、ステップ
P9からステップP14に移行してビン25内の用紙を
強制的に排出処理する。
【0059】ソート処理 ソートモードが選択されている場合には、図23に示す
ソート処理を実行する。この場合は、まずステップP2
0でソート搬送処理を行う。すなわち、分岐爪132を
切り換えて複写機本体1からの用紙をソート用搬入路2
8b側に案内し、モータ43を駆動してビンユニット2
7の各ビン25を順次上下移動させながら用紙を排出す
る。
【0060】次にステップP21では、幅寄せ部材31
を前方側に移動させて幅合わせ動作を行う。これによ
り、ビン25内に載置された用紙が、装置前方側の基準
板121,122に当接して幅合わせ動作が行われる。
次にステップP22では、ソータ2に導入された用紙が
最終の用紙であるか否かを判断する。最終の用紙でない
場合にはステップP23に移行する。ステップP23で
は、後述する停止信号がマルチスタッカ制御部257か
ら送出されてきているか否かを判断する。送出されてき
ている場合にはステップP24に移行して停止信号が解
除されるのを待つ。この停止信号は、スタック部152
に用紙が満載されたときに出力されるものであり、スタ
ック部152の用紙が取り出されれば解除信号が出力さ
れる。解除信号が出力された場合にはステップP24か
らステップP25に移行する。また停止信号が送られて
きていない場合にもステップP23からステップP25
に移行する。
【0061】ステップP25では、ビンの移動方向を変
更する必要があるか否かを判断する。全てのビンが、用
紙が導入されてくる位置から上方あるいは下方に移動し
ている場合には移動方向を変更する必要がある。この場
合は、ステップP25からステップP26に移行してビ
ンユニット27の移動方向を変更する。また、変更の必
要がない場合にはステップP25からステップP27に
移行して、同じ方向に1ビン分だけビン25を移動させ
る。ステップP26及びP27の処理が終了すればステ
ップP20に戻り、前述の処理を繰り返し実行する。こ
のようにして各ビン25内に用紙を仕分けして最終紙と
なった場合には、ステップP22からステップP28に
移行する。ステップP28では、ソータ2の導入部28
aの駆動を停止させる。そしてステップP29に移行
し、ソート完了信号を複写機本体制御部255及びマル
チスタッカ制御部257に対して送出する。
【0062】ステープル(パンチ)処理 ステープルモードが選択されている場合には、図24に
示す処理が実行される。ステープル処理とパンチ処理と
は同様の制御であるので、ここでは、ステープル処理に
ついて説明する。まずステップP30において、全ビン
25をステープル処理する場合の初期位置に移動させ
る。次にステップP31において、用紙押圧機構65に
よってビン25内にソート処理された用紙を押さえるた
めの処理を実行する。すなわちこの場合には、モータ7
1が回転し、これによりウォームホイール73aが回転
してタイミングベルト79が循環する。これにより、図
9の実線位置に示す位置にあった接続部材80がビン2
5側に移動する。そして、接続部材80に支持された軸
81aが連結部材53に係止し、ビン25上に積載され
た用紙を上方から押さえる。
【0063】次にステップP32では、処理ユニット2
9と対向する位置にあるビン25を処理ユニット29内
の処理位置に引き込む。すなわち、駆動モータ55を回
転させることにより、タイミングベルト59を循環さ
せ、接続部53bを介して連結部材53を処理ユニット
29側に移動させる。これにより、連結部材53と係止
しているビン25は処理ユニット29側に引き込まれ
る。このとき、ビン25のストッパー35上部に設けら
れたガイドコロ37がガイド部材85によって下方に案
内される。これにより、ビン25のストッパー35は図
10の一点鎖線で示すように下方に回動し、用紙の後端
部が露出した状態になってステープル装置93のステー
プル位置に移動させられる。
【0064】次にステップP33では、後述するステー
プル処理を実行する。ステップP34ではビン25をソ
ート位置に戻し、さらにステップP35では用紙押圧機
構65による用紙の押さえを解除する。これらは、先と
全く逆の動作によって行われる。ステップP36では、
ソート処理された用紙に対するステープル処理が全て終
了したか否かを判断する。終了していない場合にはステ
ップP37に移行する。ステップP37では、マルチス
タッカ制御部257から停止信号が出力されているか否
かを判断する。出力されている場合にはステップP38
に移行する。ステップP38では、停止信号が解除され
るのを待つ。停止信号が出力されていない場合及び停止
信号が解除された場合には、ステップP39に移行す
る。ステップP39では、ビンを1段分移動させてステ
ップP31に戻る。ソート処理された用紙に対するステ
ープル処理が全て終了した場合には、ステップP35で
YESと判断されてこのステープル処理サブルーチンを
抜け出す。
【0065】図25にステープル処理P33の具体的な
制御を示す。まずステップP40では、ステープル処理
が1か所であるか否かを判断する。1か所のステープル
処理が指定された場合にはステップP41に移行し、ス
テープル装置58をホームポジション、すなわち処理基
準位置に固定したままでステープル処理を実行する。一
方、2か所にステープル処理を実行する場合には、ステ
ップP40でNOと判断されてステップP42に移行す
る。ステップP42では、第1位置にステープル装置を
移動させる。そしてステップP43では、第1位置にス
テープル処理を実行する。次にステップP44では、第
2位置にステープル装置を移動させ、ステップP45で
ステープル処理を実行する。2か所にステープル処理が
施されれば、ステップP46でステープル装置をホーム
ポジションに戻して図24のステップP34に移行す
る。
【0066】マルチ処理 マルチモードが設定された場合には、図26に示すマル
チ処理を実行する。このマルチ処理では、まずステップ
P50においてソート処理を実行する。このソート処理
は、図23に示したステップP20〜ステップP29の
処理と同様の処理である。
【0067】ソート処理が終了すれば、ステップP51
に移行して全ビン25をステープル処理する際の初期位
置に移動させる。また昇降基準板122を下降させる。
そしてステップP52ではステープル処理を実行する。
ステープル処理は、前述の図24及び図25に示したス
テップP31〜ステップP39及びステップP40〜ス
テップP46処理と同様である。
【0068】次にステップP53では、ビンを移動(下
降)しても良いか否かを判断する。最初のビン25につ
いては問題なくYESと判断されるが、2段目以降で
は、取り出し位置のビン25から用紙が取り出されたか
否かによって判断する。次にステップP54では、ビン
25を1段分だけ下降させる。そしてステップP55で
は、マルチスタッカ制御部257に対して移動完了信号
を送出する。これによってマルチスタッカ3では、ビン
25からの用紙の取り出し処理が実行される。
【0069】ステップP56では、ステープル処理され
た用紙が載置された全てのビン25から用紙が取り出さ
れたか否かを判断する。まだビン25に用紙が残ってい
る場合はステップP57に移行する。ステップP57で
は、用紙が移載された全てのビン25に対してステープ
ル処理を終了したか否かを判断する。終了していない場
合はステップP52に戻り、ステップP52〜ステップ
P56の処理を繰り返し実行する。全ての用紙に対して
ステープル処理が終了すればステップP53に移行し、
ステップP53〜ステップP55の処理、すなわち、最
後のビンを1段分下降させる処理を実行する。
【0070】このようにしてソータに収納された全ての
用紙がマルチスタッカ3側に取り出されると、ステップ
P56からステップP58に移行し、昇降基準板122
を上昇させる。次に、ステップP59では、設定部数分
のソート処理、ステープル処理及び取り出し処理が終了
したか否かを判断する。終了していない場合にはステッ
プP59からステップP50に戻る。すなわち、ビン数
以上の複写部数が設定された場合には、全ビンに対して
ソート処理、ステープル処理を実行し、さらに用紙取り
出し処理を行った後に残りの複写部数に対して同様の処
理を繰り返し実行する。設定された複写部数の全てにつ
いて処理が終了した場合にはステップP59でYESと
判断され、ステップP60に移行する。ステップP60
では、終了信号を送出する。
【0071】マルチスタッカの制御 図27にマルチスタッカ3の制御フローチャートを示
す。ステップQ1では初期設定を行う。この初期設定で
は、第1及び第2ハンド163,164を退避位置に設
定したり、移動板160をホームポジションに移動させ
る等の処理を行う。次にステップQ2では、ソータ制御
部256から移動完了信号が送出されてきたか否か、あ
るいはソータ2の操作パネルのマルチキーが押されたか
否かを判断する。移動完了信号が送出されてきたり、マ
ルチキーが押された場合には、ステップQ2からステッ
プQ3に移行する。ステップQ3では、両ハンド16
3,164を図29のAに示す退避位置からB位置に突
出させる。なお、このときソータ2側の下基準板122
bは下降して開いた状態にある。両ハンド163,16
4が突出させられると、移動テーブル160が移動する
ことにより両ハンド163,164はストッパーコロ1
69側に移動する。そして、C位置で停止する。ステッ
プQ4では、ハンド163,164がC位置、すなわち
取り出し位置にきたか否かを判断する。両ハンド16
3,164が取り出し位置にくるのを待ってステップQ
5に移行する。ステップQ5では、ハンド163,16
4をさらにビン25側に突出させ、D位置に移動させ
る。なお、各ハンド163,164は初期状態ではソレ
ノイドがオフであり、上下の把持部材180,181は
開いている(図17一点鎖線で示す姿勢)。
【0072】次に、ステップQ6で第1ハンド163の
ソレノイド185をオンして用紙の側端部を把持する。
そして、ステップQ7で移動板160を移動させること
により、第1ハンド163を用紙の排出方向(複写機本
体1から離れる方向)に移動させる。ステップQ8で
は、第1ハンド163が第2ハンド164から所定距離
離れたか否かを判断する。これは、センサ178が第1
ハンド163によりオンしたか否かにより判断する。こ
の時点では、第1ハンド163とともに移動する第1ハ
ンド取付板161が、第2ハンド取付板162に固定さ
れたスライドガイド171の溝端部に当接している。ま
た、この時点では、用紙後端は固定基準板121に当接
している。このため、用紙後端が装置前方側に移動して
用紙が傾くのを防止できる。
【0073】ステップQ8でYESと判断されると、ス
テップQ9に移行する。ステップQ9では、一旦移動板
160の移動を停止させる。そしてステップQ10で
は、第2ハンド164のソレノイド185をオンして用
紙後端を把持する。次にステップQ11では、移動板1
60の移動を再開し、ステップQ12では、各ハンド1
63,164が引き出し位置、すなわち、図29のE位
置にきたか否かを判断する。各ハンド163,164が
E位置にきたことが検出されると、ステップQ13に移
行し、移動板160の移動を停止させる。ステップQ1
4では、両ハンド163,164を装置前方側に移動さ
せて用紙をビン25内から取り出すとともに、ローラ装
置205,206をハンド163,164の移動速度に
同期した低速回転で駆動する。次に、ステップQ15で
は、ハンド163,164が用紙の把持を解除する位置
にきたか否かを判断する。この把持解除位置は、用紙の
側端がローラ装置205,206の従動ローラ209に
把持された位置であり、各ハンド163,164の移動
量(第1駆動機構165のモータ190のパルス検知で
検出する)によって判断する。なお、この判断は、ジャ
ム検知用のフォトインタラプタ230を用いて行うよう
にしてもよい。ハンド163,164が把持解除位置に
くると、ステップQ16に移行して各ハンド163,1
64のソレノイド185をオフし、用紙の把持を解除す
る。そしてローラ装置205,206をオフする。
【0074】この状態からさらにハンド163,164
を装置前方側に退避させる。すると、各ハンド163,
164の下端に取り付けられたガイドローラ170がガ
イド部材177に沿って下方に案内され、ハンドは用紙
搬送路153の内側に退避する。ステップQ17では、
各ハンド163,164が図17の実線で示す退避位置
に移動したか否かを判断する。各ハンド163,164
が退避するのを待ってステップQ18に移行する。ステ
ップQ18では、ローラ装置205,206を再びオン
し、前記の用紙取り出し時よりは高速でローラを回転さ
せて用紙をスタック部152側に排出する。このとき、
用紙は用紙搬送路153に案内されてスタック部152
側に案内されるが、弾性部材223によって用紙は搬送
路153の立壁部224に当接し、その落下速度が抑え
られる。また、用紙搬送路153の側面225は、図1
4に示すように用紙の搬送姿勢に沿って傾斜しており、
さらにスタック部152の底面226も搬送してくる用
紙の端面が均一に当たるように傾斜している。このた
め、スタック部152に用紙が落下した際の衝突による
衝撃が緩和され、用紙端面が損傷するのを防止できる。
【0075】ステップQ19では、用紙が各ハンド16
3,164上を通過したか否かを判断する。通過するの
を待ってステップQ20に移行する。ステップQ20で
は、ソータ制御部256側から終了信号が送出されてき
たか否かを判断する。ソータ2側のビン25に用紙がま
だ残っている場合には、ステップQ20から図28のス
テップQ21に移行する。ステップQ21では、スタッ
ク部152内に用紙が満載されているか否かを判断す
る。用紙がスタック部152に満載されており、それ以
上用紙の収容が困難な場合には、ステップQ21からス
テップQ22に移行する。ステップQ22では、複写機
本体制御部255の操作パネル250にその旨のメッセ
ージを表示するための信号を送る。そして、ステップQ
23では、ソータ制御部256及び複写機本体制御部2
55に対して停止信号を送出する。これにより、一旦各
部の動作が停止する。次にステップQ24では、用紙が
スタック部152から取り除かれ、解除信号が送出され
るのを待つ。解除信号が出力されれば図27のステップ
Q2に戻って前記と同様の処理を繰り返し実行する。ま
たステップQ21でYESと判断された場合にもステッ
プQ2に戻り同様の処理を繰り返し実行する。
【0076】ソータ2側のビンに収容された用紙の全て
を取り出した場合には、ソータ制御部256から終了信
号が出力される。マルチスタッカ制御部257が終了信
号を受けた場合にはステップQ20でYESと判断さ
れ、マルチ処理を終了する。このようなマルチ処理を実
行することにより、ソータ2から処理済みの用紙を装置
前方側のスタック部152内に取り出すことができる。
【0077】ここでは、前述のように、ハンド163,
164が横方向と前後方向の両方向に移動するので、ス
パイラルカム33より複写機本体1側に用紙後端が位置
するようにビン25を配置しても、ビン25からスムー
ズに用紙を取り出すことができる。また、ビン25から
用紙を取り出す際に用紙後端がストッパー35の立壁部
35aから離れるので、用紙を前方に引き出す際に用紙
が傾き易くなる。しかし、ここでは2つのハンド16
3,164によって用紙側部を把持しているので、排出
時の用紙の傾きを少なくできる。しかも、用紙の後端が
固定基準板121から離れる以前に第2ハンド164で
用紙後端を把持するので、用紙の傾きをさらに抑えるこ
とができる。
【0078】また、用紙排出時に、ハンド163,16
4が退避した後はローラ装置205,206を高速回転
させているので、ハンド163,164の次サイクルへ
の開始タイミングを早くできる。このため、全体の処理
時間を短縮できる。また、用紙搬送路153の一部を構
成するカバー3aは開閉自在であり、しかも、押えロー
ラ211がカバー3aに装着されている。このため、用
紙搬送路153でジャムが生じた場合でも、容易にジャ
ム処理が行える。
【0079】またこのスタック部152は、側方に取り
出し用の開口227を有しているので、スタック部15
2の収容能力を越えた複写部数が設定された場合でも、
オペレーターが途中でスタック部152から排出された
用紙を取り出すことにより、動作を一旦停止させること
なく連続してマルチ処理を行うことができる。また、ビ
ン数以下の複写部数が設定され、マルチモードが設定さ
れていない場合には、ビン25内に処理済みの用紙が取
り残されたまま動作が終了するが、この場合にはオペレ
ーターがソータ2の操作パネル251に備えられたマル
チキーを押すことにより、図27及び図28の取り出し
処理を実行して強制的に処理済みの用紙をスタック部1
52側に取り出すことができる。
【0080】〔他の実施例〕 (a)前記実施例では、ビン25の駆動機構としてスパ
イラルカム33を用いたが、他の構成を用いてもよい。 (b)ハンドの個数は2個に限定されるものではない。 (c)用紙搬送路153において、弾性部材223が下
ガイド220に固定されているが、この弾性部材223
は上ガイド221に固定してもよく、同様の効果が得ら
れる。
【0081】
【発明の効果】以上のように本発明に係る用紙取り出し
装置では、ソータから装置の前方側に用紙を取り出すよ
うにした装置において、用紙を取り出すための把持機構
を、用紙搬送路の内側に配置したので、ビンから用紙を
取り出すための取り出し位置とケース下部の用紙収容部
との間の空間を効率良く利用でき、高さ方向の寸法を小
さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例が採用された複写機の全体斜
視図。
【図2】前記複写機の縦断面概略構成図。
【図3】前記複写機のソータに用いられるビンの平面
図。
【図4】前記ビンの断面部分図。
【図5】前記ビンの斜視部分図。
【図6】前記ビンを駆動するための機構を示す側面図。
【図7】前記ソータの縦断面部分図。
【図8】前記ソータのビン移動機構の概略構成図。
【図9】前記ソータの用紙押え機構の概略構成図。
【図10】前記ソータの断面部分図。
【図11】前記ソータの処理ユニットの移動機構を示す
側面図。
【図12】前記ソータの処理ユニットの正面図。
【図13】前記ソータに用いられる用紙基準板の駆動部
の平面図。
【図14】前記複写機のマルチスタッカの縦断面概略正
面図。
【図15】前記マルチスタッカの断面側面図。
【図16】前記マルチスタッカの断面正面部分図。
【図17】前記マルチスタッカの断面側面部分図。
【図18】前記複写機の制御ブロック図。
【図19】複写機本体の制御フローチャート。
【図20】複写機本体のモード選択処理のフローチャー
ト。
【図21】複写機本体のモード選択処理のフローチャー
ト。
【図22】前記ソータの制御フローチャート。
【図23】前記ソータのソート処理のフローチャート。
【図24】前記ソータのステープル処理の制御フローチ
ャート。
【図25】ステープル処理の具体的な制御フローチャー
ト。
【図26】前記ソータのマルチ処理の制御フローチャー
ト。
【図27】マルチスタッカの制御フローチャート。
【図28】マルチスタッカの制御フローチャート。
【図29】用紙の取り出し処理を説明するためのハンド
機構の平面図。
【符号の説明】
1 複写機本体 3 マルチスタッカ 25 ビン 150 スタッカハンド機構 152 スタック部 153 用紙搬送路 163,164 ハンド 205,206 ローラ装置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像形成装置の側方に配置されたビンから
    用紙を取り出すための用紙取り出し装置であって、 前記ビンの前記画像形成装置前方側に配置されたケース
    と、 前記ケース下部に配置され、用紙を収容するための用紙
    収容部と、 前記ビンと用紙収容部との間に形成され、前記用紙を挟
    持して前記用紙収容部方向に搬送する回転体対を含む用
    紙搬送路と、 前記ビン内の用紙を把持して前記用紙搬送路の回転体対
    の前記ビン側先端位置に導出するとともに、前記ケース
    内部であって前記用紙搬送路と前記用紙収容部との間の
    空間に退避可能な用紙把持機構と、 を備えた用紙取り出し装置。
JP5064420A 1993-03-23 1993-03-23 用紙取り出し装置 Expired - Lifetime JP2734926B2 (ja)

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