JP2734129B2 - 刺繍ミシンのデータ処理装置 - Google Patents

刺繍ミシンのデータ処理装置

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JP2734129B2
JP2734129B2 JP27474689A JP27474689A JP2734129B2 JP 2734129 B2 JP2734129 B2 JP 2734129B2 JP 27474689 A JP27474689 A JP 27474689A JP 27474689 A JP27474689 A JP 27474689A JP 2734129 B2 JP2734129 B2 JP 2734129B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は刺繍ミシンのデータ処理装置に関するもので
あり、特に、閉領域を刺繍ミシンの縫目で埋めるのに必
要な針位置データの作成を自動化する技術に関するもの
である。
発明の背景 本出願人は先に、次のような針位置データの自動作成
が可能な刺繍ミシンのデータ処理装置を開発した。これ
は、(a)刺繍ミシンの縫目で埋められるべき全体閉領
域の外形線を表す閉領域データに基づいて、全体閉領域
を複数の部分閉領域に分割する閉領域分割手段と、
(b)複数の部分閉領域の各々の外形線のうち全体閉領
域が縫目で埋められていくべき刺繍進行方向と直角な方
向において互に対向する2つの部分を交互につなぐ縫目
を形成する針位置データを作成する針位置データ作成手
段と含むように構成されている。
本出願人は全体閉領域を部分閉領域に分割する態様を
いくつか考えた。第37図〜第39図に示す分割閉領域A1
A7,B1,B2,C1〜C4のように、全体閉領域を一列に並ぶ
複数の分割閉領域(これが本発明における「部分閉領
域」の一態様である)に、それら分割閉領域の各々の長
手方向(分割閉領域を一直線で近似させた場合のその直
線の方向)と中心線方向(分割閉領域を一曲線または折
れ線で近似させた場合のそれら曲線または折れ線の各位
置における方向)とがほぼ一致する状態となるまで分割
する態様や、第38図に示す第1〜第8ブロック(図にお
いて丸印の中に数字を付して示す)のように、全体閉領
域または分割閉領域を一列に並ぶ複数のブロック(これ
が本発明における「部分閉領域」の一態様である)に、
それらブロックの各々が三角形状または四角形状となる
まで分割する態様を含むいくつかの態様を考えたのであ
る。
なお、「ブロックが三角形状または四角形状を成す」
とは、ブロックがそれの属する全体閉領域の外形線上に
設定される複数の設定点のうちの3つまたは4つによっ
て規定されることを意味し、また、「複数の設定点」は
例えば、全体閉領域が多角形である場合、すなわち、全
体閉領域が現実に多角形であるか、または、現実には多
角形ではないが多角形で近似される場合には、その多角
形を規定する複数の頂点であり、外形線がスプライン関
数等の関数で近似される場合には、その関数により規定
される複数の点である。第37図〜第39図の全体閉領域A,
BおよびCはいずれも多角形であって、頂点が設定点で
ある。
針位置データの作成態様はそれら2つの態様のいずれ
をとるかによって異なる。全体閉領域を分割閉領域に分
割する態様をとる場合には、各分割閉領域の外形線を例
えばその長手方向(これが本発明における「刺繍進行方
向」の一態様である)に沿って延びる2つの部分外形線
に分割した場合のそれら2つの部分外形線(これが本発
明における「刺繍進行方向と直角な方向において互に対
向する2つの部分(以下、単に2つの対向部分とい
う)」の一態様である)を交互につなぐ縫目を形成する
針位置データが作成されることになり、また、全体閉領
域または分割閉領域をブロックに分割する態様をとる場
合には、各ブロックを画定する3つまたは4つの線素
(直線または曲線)のうち、そのブロックの属する全体
閉領域または分割閉領域の長手方向(これが本発明にお
ける「部分閉領域の列の方向」の一態様である)と直角
な方向において互に対向する2つの線素(これが上記
「2つの対向部分」の一態様である)を交互につなぐ縫
目を形成する針位置データが作成されることになる。
そして、本出願人は、全体閉領域を分割閉領域に分割
するための具体的な方法を開発した。これらは、全体閉
領域を複数の分割閉領域に、それら分割閉領域の各々の
外形線上の複数の設定点のうち可及的に離れた2設定点
の各々とそれら以外の設定点の各々とを結ぶ複数の線分
全部が各分割閉領域に内包される状態となるまで分割す
る方法である。なお、第37図〜第39図の例はいずれもこ
の方法を実行する開発装置により得られたものであり、
第37図においては全体閉領域Aが分割閉領域A1〜A7に、
第38図においては全体閉領域Bが分割閉領域B1とB2に、
第39図においては全体閉領域Cが分割閉領域C1〜C4に分
割されている。
この開発装置においては、全体閉領域の形状如何によ
っては、第37図の分割閉領域A1,A3およびA7のように、
分割閉領域が三角形状を成すことがある。
三角形状の分割閉領域は2つの態様のいずれかをと
る。第1の態様は、分割閉領域がそれの属する全体閉領
域の端部に位置する態様であって、分割閉領域の外形線
をそれの3つの設定点によって3つの線素に分割した場
合のそれら3つの線素のうちの2つの各々が、全体閉領
域の外形線を概してそれの長手方向に沿って延びる2つ
の部分外形線に分割した場合のそれら部分外形線の各々
に属する態様である。一方、第2の態様は、分割閉領域
が全体閉領域の中間部に位置する態様であって、3つの
線素のうちの一つが一方の部分外形線上に、分割閉領域
の3つの設定点のうちその一つの線素に属しない設定点
(その線素と対向する設定点)が他方の部分外形線上に
それぞれ位置する態様である。
そして、三角形状分割閉領域が第1の態様をとる場合
には、一方の部分外形線に属する線素と他方の部分外形
線に属する線素とが前記「2つの対向部分」に該当する
から、分割閉領域に刺繍を施せばそれら2つの線素を交
互につなぐ縫目が形成され、一方、第2の態様をとる場
合には、一方の部分外形線に属する線素と他方の部分外
形線に属する設定点とが「2つの対向部分」に該当する
から、分割閉領域に刺繍を施せばその線素と設定点とを
交互につなぐ縫目が形成されることになる。第37図の分
割閉領域A1においては、3つの線素である線分1−2
(頂点1と2を結ぶ線分),線分2−16および線分16−
1のうち線分1−2と線分16−1とがそれぞれ各部分外
形線に属するから、分割閉領域A1は第1の態様をとり、
その結果、第40図に示すように、線分1−2と線分16−
1とを交互につなぐ縫目が形成されることになる。ま
た、第37図の分割閉領域A3においては、3つの線素であ
る線分15−3,線分3−14および線分14−15のうち線分14
−15が他方の部分外形線、分割閉領域の3つの設定点で
ある頂点15,3および14のうち頂点3が一方の部分外形線
に属するから、分割閉領域A3は第2の態様をとり、その
結果、第40図に示すように、頂点3と線分15−14とを交
互につなぐ縫目が形成されることになる。
また、本出願人は、分割閉領域をブロックに分割する
具体的な方法として次の方法を開発した。これは、実施
例において詳細に記載されているように、全体閉領域を
それの複数の設定点の各々を通る複数の分割線で、全体
閉領域の長手方向に沿った複数の補助ブロックに分割
し、全体閉領域の、それら各補助ブロックにおける中心
線方向を求め、互に隣接した2つの補助ブロックを仕切
る分割線の方向を、それら2つの補助ブロックの各々の
中心線方向の合成方向と可及的に直角となるように修正
し、それによって補助ブロックを実ブロックに変更する
方法である。なお、第38図に示す例はこの方法を実行す
る開発装置により得られるものであって、この例におい
ては、分割閉領域B1が第1〜第4ブロックに、分割閉領
域B2が第5〜第8ブロックに分割されている。
この場合にもブロックが三角形状を成すことがある。
上記第1,第4、第5および第8ブロックはいずれも三角
形状を成すブロックである。この場合にも、前記分割閉
領域が三角形状を成す場合と同様に、第1、第4,第5お
よび第8ブロックのように、ブロックを画定する3つの
線素のうちの2つがそれぞれ、ブロックの属する分割閉
領域の2つの部分外形線に属する第1の態様と、3つの
線素のうちの一つが一方の部分外形線、3つの設定点の
一つが他方の部分外形線に属する第2の態様とが存在す
る。
発明が解決しようとする課題 全体閉領域を分割閉領域に分割する際には三角形状の
分割閉領域を生じさせないことが一般的に望ましい。し
かし、三角形状分割閉領域が前記第2の態様をとる場合
には、分割閉領域における縫目が第40図の分割閉領域A3
のように、図において二点鎖線で示す縫糸が一設定点に
集中する状態で形成されてしまい、縫目密度が均一な縫
目が得られないという問題が生じる。
また、三角形状ブロックが前記第2の態様をとる場合
には、分割閉領域が三角形状を成す場合と同様に、縫糸
が一設定点に集中する縫目が形成されてしまうという問
題が生じる。
ブロックが第1の態様をとる場合には次のような問題
が生じる。例えば、第38図の第1ブロックのように、ブ
ロックがそれの属する分割閉領域の端部に位置する端ブ
ロックであると同時に全体閉領域の端ブロックでもあ
り、かつ、その分割閉領域がほぼ長方形を成す場合に
は、ブロックをそれの針位置データに基づく縫目で埋め
ると、ブロックが、分割閉領域を縫目で埋めていくのに
望ましい方向とは異なる方向に進行する縫目で埋められ
ることとなり、分割閉領域における縫目の進行方向が端
ブロックとそれに隣接するブロックとの間で比較的急激
に変化し、分割閉領域の形状に適した方向に進行する縫
目が得られないという問題が生じるのである。
また、例えば、第38図の第4ブロックおよび第5ブロ
ックのように、ブロックが分割閉領域の端ブロックでは
あるが全体閉領域の端ブロックではない場合、すなわ
ち、ブロックの3つの線素のうちの一つが別の分割閉領
域の外形線にも属していて、ブロックの属する分割閉領
域とその別の分割閉領域とを仕切る分割線である場合に
も問題が生じる。分割線上には普通針落ち点が存在しな
いのが望ましいが、この場合には、全体閉領域を縫目で
埋めると、分割線上に針落ち点があるために縫糸の折返
しが全体閉領域の内部において生じてしまい、第38図に
示すように、全体閉領域における縫目が分割線上で途切
れるという問題が生じるのである。
以上、全体閉領域をいくつかの手法で部分閉領域(分
割閉領域またはブロック)に分割する際に三角形状部分
閉領域が生じる場合の問題を説明したが、それら以外の
手法で分割する際に三角形状部分閉領域が生じる場合に
も同様な問題が生じると推定される。
本発明は、全体閉領域を分割する際に三角形状部分閉
領域が生じることを防止することにより上記の問題を解
決することを課題として為されたものである。
課題を解決するための手段 そして、本発明の要旨は第1図に示すように、前記閉
領域分割手段および針位置データ作成手段を含む刺繍ミ
シンのデータ処理装置に、前記部分閉領域が三角形状を
成す場合に、その部分閉領域が四角形状を成すように前
記全体閉領域を分割する特殊分割手段を設けたことにあ
る。なお、以下、この特殊分割手段との関係において閉
領域分割手段を一般分割手段ということにする。
作用 本発明装置においては、一般分割手段と特殊分割手段
との共同作用によって全体閉領域が四角形状を成す複数
の部分閉領域に分割される。長方形状を成す全体閉領域
の一例である全体閉領域Dのブロックへの分割を前記開
発装置により行わせた場合の針位置データの一例を第41
図に、その分割を本発明の一態様により行わせた場合の
針位置データの一例を第42図に示す。これらの図から明
らかなように、本発明の一態様により得られる針位置デ
ータに基づいて刺繍を行えば、第41図に矢印で示す不適
当な方向(全体閉領域Dの長手方向と異なる方向)の縫
目は生じない。
特殊分割手段は例えば、一般分割手段により実際に生
じさせられた三角形状部分閉領域を四角形状部分閉領域
に変更する形式とすることができる。この場合には、一
般分割手段による全体閉領域の2つの部分閉領域への分
割が終了する毎に、その分割によって生じた部分閉領域
の各々が三角形状を成すか否かを判定し、そうであれば
その三角形状部分閉領域を四角形状部分閉領域に変更す
る態様としたり、一般分割手段による全体閉領域のすべ
ての部分閉領域への分割が終了した後に、それら複数の
部分閉領域の各々が三角形状を成すか否かを判定し、そ
うであれば各三角形状部分閉領域を四角形状部分閉領域
に変更する態様としたりすることができる。
また、一般分割手段を、それが全体閉領域を分割すれ
ばその全体閉領域の形状如何を問わず三角形状部分閉領
域が必ず生じる全体閉領域の場所に対しては作動しない
態様とするとともに、特殊分割手段を、その場所に対し
てのみ作動し、全体閉領域のその場所を四角形状部分閉
領域に分割する態様とすることができる。一度も三角形
状部分閉領域を生じさせることなく全体閉領域を分割す
る態様とすることができるのである。例えば、一般分割
手段が、前述のように、全体閉領域をそれの複数の設定
点の各々を通る複数の分割線で、全体閉領域の長手方向
に沿った複数のブロックに分割する形式である場合に
は、それらブロックのうち全体閉領域の両端に位置する
端ブロックが必ず三角形状を成すから、全体閉領域の端
部が「三角形状部分閉領域が必ず生じる全体閉領域の場
所」である。
また、一般分割手段と特殊分割手段は、三角形状部分
閉領域が最終的には全く存在しないように全体閉領域を
分割する態様とすることは可能なのであるが、そうする
とかえって全体閉領域の形状に適しない方向に進行する
縫目を形成する針位置データが作成されてしまう場合が
ある。例えば、第43図に示す全体閉領域Eのように、全
体閉領域がそれの端部において、その全体閉領域の中心
線方向に対してほぼ対称的にかつ全体閉領域の外方へ尖
る場合である。この場合には、その端部に位置すべき部
分閉領域が四角形状を成すように分割すると、その部分
閉領域に第44図において矢印で示す不適当な方向に進行
する縫目が生じてしまう。したがって、このような事情
を考慮する必要がある場合には、一般分割手段と特殊分
割手段を、一般分割手段によって生じさせられる三角形
状部分閉領域が四角形状を成すことが望ましい場合に限
って、三角形状部分閉領域が四角形状を成すように全体
閉領域を分割する態様とすることが望ましい。なお、一
般分割手段によって生じさせられ三角形状部分閉領域が
四角形状を成すことが望ましいか否かの判定はオペレー
タによって行わせても、コンピュータ等を用いて自動的
に行わせてもよい。
発明の効果 以上の説明から明らかなように、本発明に従えば、全
体閉領域を部分閉領域に分割する際に不要な三角形状部
分閉領域が生じなくなり、全体閉領域にそれの形状に適
した針位置データが作成できるという効果が得られる。
実施例 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
第2図において10はミシンテーブルであり、このミシ
ンテーブル10上にはベッド12およびミシン機枠14が設け
られている。ミシン機枠14は、ベッド12から立ち上がっ
た脚柱部16と、その脚柱部16の上端から片持ち状にかつ
ベッド12にほぼ平行に延びる上方アーム18とから成る。
このミシン機枠14には、針棒22が針棒台(図示省略)に
より上下方向に移動可能に取り付けられ、その下端部に
縫針24が固定されている。針棒22は針棒抱き等を介して
ミシンモータ26(第3図参照)に接続されており、ミシ
ンモータ26の駆動によって針棒22および縫針24が上下往
復運動させられる。また、ベッド12の上面には開口が形
成されている。この開口は針板30によって塞がれてお
り、針板30には針孔38が形成されている。
さらに、ミシンテーブル10,ベッド12上には、刺繍枠4
2がミシンの左右方向であるX軸方向と、前後方向であ
るY軸方向とに移動可能に取り付けられている。刺繍枠
42は円環状の外枠44と、外枠44の内側に嵌められる内枠
46とを有し、それら枠44,46により加工布を保持する。
外枠44にはX軸方向においてミシン機枠16から離れる向
きに延び出すスライド部48が形成され、ミシンテーブル
10上にY軸方向に設けられた一対のガイドパイプ50に摺
動可能に嵌合されている。これらガイドパイプ50の両端
部は連結部材52,54によって連結されている。連結部材5
2は送りねじ56,X軸送りモータ58によってX軸方向に移
動させられるようになっている。ガイドパイプ50の一端
は連結部材52を介して送りねじ56および回転伝達軸60に
よって支持され、他端は連結部材54と、その連結部材54
にそれと一体的に移動可能かつ自由回転可能に保持され
ている図示しないボールとを介してミシンテーブル10の
上面に支持されている。スライド部48,連結部材52,54に
は一対の無端のワイヤ62が係合させられており、ワイヤ
62が回転伝達軸60,Y軸送りモータ64によって移動させら
れることによりスライド部48がY軸方向に移動させられ
る。刺繍枠42は、連結部材52のX軸方向の移動とスライ
ド部48のY軸方向の移動とによって水平面内の任意の位
置に移動させられるのであり、この移動と縫針24の上下
動とによって加工布に刺繍が施される。
本ミシンは、制御装置70によって制御される。制御装
置70は、第3図に示すように、CPU72,ROM74,RAM76およ
びバス78等を含むコンピュータを主体とするものであ
る。バス78には入力インタフェース80が接続され、入力
インタフェース80にはキーボード82,外部記憶装置84が
接続されている。外部記憶装置84には縫目で埋められる
複数の全体閉領域の外形線を表す全体閉領域データが予
め記憶されている。このデータは、多角形である全体閉
領域の外形線を規定する複数の頂点の各々の座標(ミシ
ンに想定されているXY座標)を表すデータを含んでい
る。なお、本ミシンにおいて刺繍は、各全体閉領域にお
いて相対向する2本の部分外形線(後に詳述する)を交
互につないで縫目を形成することにより行われる。
バス78にはまた出力インタフェース100が接続され、
出力インタフェース100にはモータ駆動回路104,106およ
び108を介してミシンモータ26,X軸送りモータ58および
Y軸送りモータ64が接続されている。出力インタフェー
ス100には前記外部記憶装置84も接続されている。ま
た、RAM76には第4図に示すように、後述の全体閉領域
データ領域,分割閉領域データ領域,最小,最大点デー
タ領域,分割前スタック,分割後スタック,頂点スタッ
ク,帰属関係データ領域,分割線データ領域,補助線デ
ータ領域,実ブロックデータ領域,針位置データ領域等
がワーキング領域と共に設けられている。さらに、ROM7
4には第5図にフローチャートで表す針位置データ作成
用ルーチンが記憶されている。ROM74にはまた、その針
位置データ作成用ルーチンに関連するルーチンとして第
6図〜第11図にフローチャートでそれぞれ表すルーチン
も記憶されている。以下、針位置データの作成について
説明する。
電源投入後、オペレータからキーボード82を介して針
位置データ作成指令が出されれば、まず、第5図のステ
ップS1(以下、単にS1で表す。他のステップについても
同じ)において、外部記憶装置84から全体閉領域データ
が読み出されてそれがRAM76の全体閉領域データ領域に
記憶される。そして、S2において、第6図のルーチンが
実行される。
まず、S111において、全体閉領域データ領域に記憶さ
れている複数の全体閉領域の各々を指定する指定データ
全部が分割前スタックに入れられる。その後、S112にお
いて、そのスタックに指定データが全く入れられていな
いか否か、すなわち分割前スタックが空であるか否かが
判定される。現在そうではないから、S113において、第
12図の左に示す例のように、分割前スタックに最後に入
れられた指定データ(以下、最新の指定データという)
がその分割前スタックから取り出されて、それにより指
定される閉領域(今回は全体閉領域)が今回の閉領域に
決定される。その後、S114において、第7図のルーチン
が実行される。
まず、S251において、今回の閉領域に対応する閉領域
データがそれが記憶されているデータ領域から読み出さ
れ、その閉領域データに基づいて、閉領域の外形線上の
複数の頂点のうち最も離れた2頂点が求められるととも
に、それら頂点のうちX座標が小さい方が最小点、大き
い方が最大点に決定される。最小点を表す最小点データ
と、最大点を表す最大点データとは共に今回の閉領域に
対応付けられて最小,最大点データ領域に記憶される。
例えば、第13図に示す全体閉領域Fにおいては、頂点1
〜10のうち頂点1と6とが最も離れているから、頂点1
が最小点(図においてPMINで表す)、頂点6が最大点
(図においてPMAXで表す)とされる。
S251においてはさらに、閉領域の長手方向すなわち最
小点と最大点とを通る直線の方向がXY座標のX軸方向と
一致するように閉領域が回転させられるべく閉領域デー
タが変換され、さらに、閉領域の外形線を最小点と最大
点とで2つの部分外形線に区切った場合のそれら部分外
形線の各々について、それら各部分外形線上の複数の頂
点(最小点と最大点とを除く)のうちY座標が最小であ
る頂点が求められ、2つの部分外形線のうち各部分外形
線のY座標が最小である頂点の、Y座標が大きい方が上
側外形線、小さい方が下側外形線に決定される。例え
ば、第13図においては、頂点1,2,3,4,5および6を結ぶ
複数の辺の集合が上側外形線、頂点1,10,9,8,7および6
を結ぶ複数の辺の集合が下側外形線とされる。
続いて、S252において、頂点の指定データが頂点スタ
ックに入れられる。そのスタックから最新の指定データ
を順に取り出し続ければ、上側外形線上の各頂点(最小
点より2つだけ前方の頂点から、最大点までの複数の頂
点の各々)の指定データが最小点側から最大点側に向か
って順次取り出された後、下側外形線上の各頂点(最小
点より2つだけ前方の頂点から、最大点までの複数の頂
点の各々)の指定データが最小点側から最大点側に向か
って順次取り出されるように入れられるのである。な
お、「前方」は最小点側から最大点側に向かう方向、
「後方」はその逆の方向を意味する。その後、S253にお
いて、頂点スタックが空であるか否かが判定される。現
在そうではないから、判定結果がNOとなり、S254におい
て、そのスタックから最新の指定データが取り出され
て、それにより指定される頂点が今回の頂点とされる。
その後、S255において今回の頂点と最小点を結ぶ線分
が求められ、S256においてその線分が今回の閉領域に内
包されるか否かが判定される。具体的には、今回の頂点
が上側外形線に属する場合には、今回の頂点より一つだ
け後方の頂点(以下、直後頂点という)がその今回の頂
点と最小点とを通る直線の下方に存在するか否かが判定
され、一方、今回の頂点が下側外形線に属する場合に
は、直後頂点がその直線の上方に存在するか否かが判定
され、存在すれば内包されないと判定され、存在しなけ
れば内包されると判定される。内包されると判定されれ
ばS253に戻って、次の頂点についての内包判定が行われ
る。
これに対して、内包されないと判定されれば、S257に
おいて、直後頂点が分割基点に決定されるとともに、2
つの部分外形線上の複数の頂点(ただし、分割基点と、
分割基点と同じ部分外形線上の頂点のうちその分割基点
と隣接する頂点とを除く)に属し、かつ、分割基点と共
同して、閉領域に内包される線分を規定する複数の頂点
のうち分割基点に最も近い頂点(以下、分割基点に可及
的に近い頂点という)が、その分割基点と共同して分割
線を規定する規定点に決定される。その後、S258におい
て、その分割線で閉領域が2つの分割閉領域に分割さ
れ、それら分割閉領域の外形線をそれぞれ表す2つの分
割閉領域データが作成される。分割閉領域データは前記
閉領域の回転の影響が除去されるように変換されて分割
閉領域データ領域に記憶される。例えば、第13図におい
ては、最小点である頂点1と頂点3とを結ぶ線分1−3
は内包されるが、線分1−4は内包されないから、頂点
3が分割基点、頂点9が規定点とされ、その結果、全体
閉領域Fが線分3−9で分割閉領域F1とF2とに分割され
る。S258においてはまた、それら2つの分割閉領域がい
ずれの全体閉領域に属するのかを表す帰属関係データが
帰属関係データ領域に記憶される。帰属関係データ領域
の一例を第14図に示す。なお、図において数字は全体閉
領域の番号または分割閉領域の番号を表している。ま
た、S258においては、分割線を規定する分割基点と規定
点とを表す分割線データが分割線データ領域に記憶され
る。以上で本ルーチンの一回の実行が終了する。
以上の説明は最小点と各頂点とを結ぶ複数の線分の少
なくとも一つが閉領域に内包されない場合を説明した
が、それら線分全部が閉領域に内包されてS253の判定結
果がYESとなる場合には、S259において、頂点スタック
がクリアされた後、頂点の指定データが再び頂点スタッ
クに入れられる。ただし、今回は前記の場合とは異な
り、頂点スタックから最新の指定データを順に取り出し
続ける場合には、上側外形線上の各頂点(最小点から、
最大点より2つだけ後方の頂点までの複数の頂点の各
々)の指定データが最大点側から最小点側に向かって順
次取り出された後、下側外形線上の各頂点(最小点か
ら、最大点より2つだけ後方の頂点までの複数の頂点の
各々)の指定データが最大点側から最小点側に向かって
順次取り出されるようにされる。
その後、S260において、頂点スタックが空であるか否
かが判定される。現在そうではないから、判定結果がNO
となり、S261において、そのスタックから最新の指定デ
ータが取り出されて、それにより指定される頂点が今回
の頂点とされる。
続いて、S262において、今回の頂点と最大点を結ぶ線
分が求められ、S263においてその線分が今回の閉領域に
内包されるか否かが判定される。具体的には、今回の頂
点が上側外形線に属する場合には、今回の頂点より一つ
だけ前方の頂点(以下、直前頂点という)がその今回の
頂点と最大点とを通る直線の下方に存在するか否かが判
定され、一方、今回の頂点が下側外形線に属する場合に
は、直前頂点がその直線の上方に存在するか否かが判定
される。存在すれば内包されないと判定され、存在しな
ければ内包されると判定される。内包されると判定され
ればS260に戻って、次の頂点についての内包判定が行わ
れる。
これに対して、内包されないと判定されれば、S264に
おいて、直前頂点が分割基点に決定されるとともに、S2
57の場合と同様に、分割基点に可及的に近い頂点がその
分割基点と共同して分割線を規定する規定点に決定され
る。その後、S258において、その分割線で閉領域が2つ
の分割閉領域に分割される。
また、最小点と各頂点とを結ぶ複数の線分も最大点と
各頂点とを結ぶ複数の線分もすべて閉領域に内包される
場合には、S253の判定結果もS260の判定結果もYESとな
り、閉領域が分割されることなく本ルーチンの一回の実
行が終了する。
その後、第6図のS115において、S114の実行により閉
領域が分割されたか否かが判定される。第7図のS258の
実行時には分割フラグが1に設定されるようになってい
るから、そのフラグが1に設定されていれば分割された
と判定されて、S116において、第12図に示す例のよう
に、2つの分割閉領域の各々に対応する指定データが分
割前スタックに入れられ、一方、分割されなかったと判
定されれば、S117において、第15図に示す例のように、
今回の閉領域に対応する指定データが分割後スタックに
入れられる。S112〜S117の実行は、分割前スタックが空
になるまで繰り返される。
なお、第7図のルーチンのある回の実行により生じた
2つの分割閉領域の各々が本ルーチンの次回の実行によ
り2つに分割されることがあり、したがって、上記説明
において「今回の閉領域」は本ルーチンの実行前の閉領
域を意味し、一方、「分割閉領域」は実行後の閉領域を
意味している。
その後、第5図のS3において、全体閉領域の数がLと
して記憶され、S4において、全体閉領域の番号を示すl
の値が1に設定される。その後、S5において、今回の全
体閉領域すなわち第l閉領域に属する複数の分割閉領域
の数がMとして記憶され、S6において、分割閉領域の番
号を示すmの値が1に設定される。
続いて、S7において、今回の分割閉領域すなわち第m
分割閉領域に対応する分割閉領域データが分割閉領域デ
ータ領域から読み出された後、その分割閉領域データに
基づいて今回の分割閉領域が三角形を成す分割閉領域
(以下、三角分割閉領域という)であるか否かが判定さ
れる。三角分割閉領域でないと判定された場合には、S8
においてmの現在値がM以上であるか否かが判定され、
そうでなければS9においてmの値が1だけ増加させられ
てS7に戻る。一方、三角分割閉領域であると判定された
場合には、S10において、第8図のルーチンが実行され
る。
このルーチンにおいてはまず、S301において、分割閉
領域の属する全体閉領域においてその分割閉領域の直ぐ
前方(全体閉領域の最小点側から最大点側に向かう方
向)に三角形以外の多角形を成す分割閉領域(以下、非
三角分割閉領域という)が存在するか否が判定される。
例えば、第37図の分割閉領域A1やA3のように、今回の分
割閉領域の直前の分割閉領域が非三角分割閉領域である
場合には、S301の判定結果がYESとなり、S302におい
て、その非三角分割閉領域が、今回の三角分割閉領域を
四角形に変更するために利用される隣接分割閉領域に決
定される。
続いて、S303において、三角分割閉領域の3つの頂点
のうち、三角分割閉領域と隣接分割閉領域との境界であ
る境界辺(それら2つの分割閉領域の分割線でもある)
上にない一頂点が頂点aに決定される。その後、S304に
おいて、分割線データ領域に記憶されている分割線デー
タに基づいて、三角分割閉領域の3つの辺のうち頂点a
を含む2辺(頂点aを境界にして互に接続される2辺)
が共に分割線でないか否かが判定される。例えば、第37
図の分割閉領域A1のように、頂点1(頂点a)を含む2
辺である線分1−2および線分16−1のいずれもが分割
線でない場合には、判定結果がYESとなるが、同図の分
割閉領域A3のように、頂点15(頂点a)を含む2辺であ
る線分15−3と線分14−15のうちの一方である線分15−
3が分割線である場合には、判定結果がNOとなる。
S304の判定結果がYESである場合には、S305におい
て、頂点aを含む2辺のうち分割閉領域の属する全体閉
領域の中心線方向との角度がより直角に近い方が、それ
の上に縫針24を落とすことを禁止すべき辺(以下、針落
ち禁止辺という)とされるとともに、その針落ち禁止辺
を頂点aと共同して規定する頂点が頂点bに決定され
る。例えば、第37図の分割閉領域A1においては、線分1
−2が針落ち禁止辺とされる。一方、S304の判定結果が
NOである場合には、S306において、頂点aを含む2辺の
うち分割線である方が針落ち禁止辺とされるとともに、
その針落ち禁止辺を頂点aと共同して規定する頂点が頂
点bに決定される。例えば、第37図の分割閉領域A3にお
いては、線分15−3が針落ち禁止辺とされる。
いずれの場合にもその後、S307において、今回の分割
閉領域の3つの頂点のうちそれぞれ頂点aおよび頂点b
であるとされた頂点を除く一つの頂点が頂点cに決定さ
れる。続いて、S307において、今回の分割閉領域と隣接
分割閉領域とを一緒に囲む一本の外形線を頂点aから頂
点bに向かう方向にたどる場合のその頂点bの直前頂点
が頂点dに決定され、S308において、その外形線を頂点
aから頂点cに向かう方向にたどる場合のその頂点cの
直前頂点が頂点eに決定される。例えば、第37図の分割
閉領域A1については、頂点3が頂点d、頂点15が頂点e
とされる。これら頂点a〜eの決定結果を表すデータは
RAM76の所定のデータ領域に記憶される。以上のように
して頂点a〜eが決定されたならば、本ルーチンの一回
の実行が終了する。
それに対して、例えば、第37図の分割閉領域A7のよう
に、分割閉領域の前方に非三角分割閉領域が存在しない
ためにS301の判定結果がNOとなる場合には、S310におい
て、分割閉領域の後方に非三角分割閉領域が存在するか
否かが判定される。存在する場合には、判定の結果がYE
Sとなり、S311において、その非三角分割閉領域が今回
の分割閉領域に対応する隣接分割閉領域に決定されて、
S303〜S309が順次実行される。例えば、第37図の分割閉
領域A7については、頂点10が頂点a、頂点9が頂点b、
頂点11が頂点c、頂点8が頂点d、頂点12が頂点eとさ
れる。
また、分割閉領域の後方にも非三角分割閉領域が存在
しない場合には、S310の判定結果がNOとなり、S312にお
いて、今回の分割閉領域が三角形のままであることを許
容する三角形許可フラグが1に設定される。以上で本ル
ーチンの一回の実行が終了する。
その後、第5図のS11において、今回の分割閉領域に
対応する三角形許可フラグが1であるか否かが判定され
る。そうであればS8へ移行するが、そうでなければS12
において第9図のルーチンが実行されることにより、三
角分割閉領域が四角形に変更される。
まず、S401において、隣接分割閉領域の頂点dを通
り、かつ、今回の三角分割閉領域の線分abに平行な直線
である第1参照線と、隣接分割閉領域の頂点eを通り、
かつ、線分abに平行な直線である第2参照線とが求めら
れ、S402において、第1参照線が線分acまたは線分ceと
交差する場合と、第2参照線が線分bdと交差する場合と
のいずれかであるか否かが判定されることにより、今回
の三角分割閉領域の四角形への変更が可能であるか否か
が判定される。例えば、第16図のように、第1参照線
(図においてLR1で表す)が線分acとも線分ceとも交差
せず、かつ、第2参照線(図においてLR2で表す)が線
分bdと交差しない場合には、判定の結果がNOとなって、
今回は三角形の四角形への変更が行われることなく、本
ルーチンの一回の実行が終了する。
それに対して、例えば、第17図および第18図のよう
に、第1参照線が線分acまたは線分ceと交差する場合
と、第19図のように、第2参照線が線分bdと交差する場
合とのいずれかである場合には、S402の判定結果がYES
となり、S403において、第1参照線が線分acと交差する
か否かが判定される。例えば、第17図のように、そうで
あれば、判定の結果がYESとなり、S404において、今回
の三角分割閉領域と隣接分割閉領域との分割線が線分cd
に変更され、三角分割閉領域が頂点a,b,dおよびcによ
って規定される四角形に変更される。今回の分割閉領域
に対応する分割閉領域データが、分割閉領域が四角形と
なるように変更されるとともに、その分割閉領域データ
の変更に合わせて隣接分割閉領域データが変更されるの
である。以上で本ルーチンの一回の実行が終了する。
また、第1参照線が線分acと交差しないためにS403の
判定結果がNOとなる場合には、S405において、第1参照
線が線分ceと交差するか否かが判定される。例えば、第
18図のように、そうであれば、判定の結果がYESとな
り、S406において、線分bdを、線分acと線分cf(頂点c
と、線分ceと第1参照線との交点fとを結ぶ線分)との
長さの比と等しい比で内分する分割点gが求められる。
なお、分割点gはこの他に、例えば、線分bdを、線分ac
と線分ceとの長さの比と等しい比で内分する点として設
定することもできる。その後、S407において、線分cgが
新たな分割線として求められ、今回の分割閉領域と隣接
分割閉領域とが線分cgで2つの分割閉領域に分割し直さ
れる。その結果、今回の分割閉領域が頂点a,b,gおよび
cによって規定される四角形に変更される。
また、第19図のように、第1参照線が線分acとも線分
ceとも交差しないが、第2参照線が線分bdと交差するた
めにS405の判定結果がNOとなる場合には、S408におい
て、線分bh(頂点bと、線分bdと第2参照線との交点h
とを結ぶ線分)を、線分acと線分ceとの長さの比と等し
い比で内分するための分割点iが求められる。なお、分
割点iはこの他に、例えば、線分bdを線分acと線分ceと
の長さの比と等しい比で内分する点として設定すること
もできる。続いて、S409において、線分ciが新たな分割
線として求められ、今回の分割閉領域と隣接分割閉領域
とが線分ciで2つの分割閉領域に分割し直される。その
結果、今回の分割閉領域は頂点a,b,iおよびcによって
規定される四角形に変更される。
以上のようにして第9図のルーチンの一回の実行が終
了すれば、第5図のルーチンに戻る。その後、S7〜S12
の実行が繰り返されるうちにS8の判定結果がYESとなれ
ば、S13へ移行する。
S13においてはmの値が1に設定される。その後、S14
において、今回の分割閉領域すなわち第m分割閉領域が
四角形を成すか否かが判定される。まず、分割閉領域が
四角形ではないと仮定して説明する。この場合には、S1
5において、第10図のルーチンが実行される。
このルーチンにおいては、まず、S501において、今回
の分割閉領域の最小点と最大点とが求められ、それらを
表す最小点データと最大点データとが最小,最大点デー
タ領域に記憶される。その後、S502において、それら最
小点データと最大点データとに基づいて、最小点と最大
点とを通る直線の方向が分割閉領域の長手方向として求
められ、S503において、分割閉領域に対応する分割閉領
域データが分割閉領域データ領域から読み出された後、
S502において求められた長手方向とXY座標のX軸方向と
が一致するように分割閉領域が回転させられるべく、分
割閉領域データが変換される。
続いて、S504において、分割閉領域の上側外形線上の
頂点の数と下側外形線上の頂点の数とが比較され、両者
のいずれが少ないかが判定される。さらに、S504におい
ては、各々が長手方向に直角すなわちY軸方向に平行で
あり、かつ、頂点の数が少ない方の部分外形敬線(頂点
の数が互いに等しい場合には上側外形線)上の複数の頂
点の各々を通る複数の補助線が設定されるとともに、各
補助線上の頂点の属する部分外形線とは異なる部分外形
線と、その補助線との交点が、その補助線上の頂点とし
て共同して分割線を規定する規定点の候補(以下、候補
規定点という)に決定される。この際、各補助線に対応
付けられて、その補助線上の頂点と、それに対応する候
補規定点とを表す補助線データが補助線データ領域に記
憶される。なお、複数の補助線のうち最小点を通る第0
補助線に対応する頂点および規定点はいずれも最小点に
設定され、また、最大点を通る第N補助線に対応する頂
点および規定点はいずれも最大点に設定される。
なお、第20図〜第26図にそれぞれ、上側外形線上の頂
点の数が下側外形線上の頂点の数より少ない場合の一例
を示す。図においてPnとDnとはそれぞれ第n頂点と第n
規定点とを示している。また、第27図に補助線データの
一例を示す。
その後、S505において、分割閉領域に設定された補助
線の数から1を差し引いた値がNとして記憶された後、
S506において、補助線の番号を示すnの値が1に設定さ
れる。第1補助線が今回の補助線に決定されるのであ
る。S507において、nの現在値がN以上であるか否かが
判定されるが、現在そうではないから、S508において、
分割閉領域データに基づいて、第n補助線上の頂点であ
る第n頂点の属する部分外形線とは異なる部分外形線上
の複数の頂点のうち、第n項点に対応する第n規定点の
X座標より小さいX座標を有する頂点であって、かつ、
それらのうち最も大きいX座標を有する第n直後頂点
(図においてPRで表す)が求められる。第n直後頂点は
第n規定点の後方に存在する頂点のうち第n規定点に最
も近い頂点なのである。その後、S509において、分割閉
領域データに基づいて、第n頂点の属する部分外形線と
は異なる部分外形線上の複数の頂点のうち、第n頂点に
対応する第n規定点のX座標より大きいX座標を有する
頂点であって、かつ、それらのうち最も小さいX座標を
有する第n直前頂点(図においてPFで表す)が求められ
る。第n直前頂点は第n規定点の前方に存在する頂点の
うち第n規定点に最も近い頂点なのである。
その後、S510において、直後頂点のX座標が第n−1
規定点のX座標以下であり、かつ、直前頂点のX座標が
第n+1規定点のX座標以上であるか否かが判定され
る。直後頂点が第n規定点と第n−1規定点との間にな
く、かつ、直前頂点が第n規定点と第n+1規定点との
間にないか否かが判定されるのである。第20図のよう
に、そうであれば、S511において、直後頂点と直前頂点
とを結ぶ線分の中点が真の第n規定点(図においてDn
で表す)に選ばれる。そうでなければ、S512において、
直後頂点のX座標が第n−1規定点のX座標より大き
く、かつ、直前頂点のX座標が第n+1規定点のX座標
以上であるか否かが判定される。直後頂点が第n規定点
と第n−1規定点との間にあり、かつ、直前頂点が第n
規定点と第n+1規定点との間にないか否かが判定され
るのである。第21図のように、そうであれば、S513にお
いて、直後頂点が真の第n規定点に選ばれる。そうでな
ければ、S514において、直後頂点のX座標が第n−1規
定点のX座標以下であり、かつ、直前頂点のX座標が第
n+1規定点のX座標より小さいか否かが判定される。
直後頂点が第n規定点と第n−1規定点との間になく、
かつ、直前頂点が第n規定点と第n+1規定点との間に
あるか否かが判定されるのである。第22図のように、そ
うであれば、S515において、直前頂点が真の第n規定点
に選ばれる。
以上説明した3つの要件のいずれもが満たされない場
合、すなわち、第n規定点と第n−1規定点との間に
も、第n規定点と第n+1規定点との間にも頂点が存在
する場合には、S516において、第23図のように、まず、
Y軸方向に平行、かつ直後頂点と直前頂点とをそれぞれ
通る2本の直線が補助線として求められ、それら2補助
線の各々と、直後頂点および直前頂点の属する部分外形
線とは異なる部分外形線との2つの交点(図において
Dm,Dm+1で表す)が求められる。各々がY軸に平行であ
り、かつ、分割閉領域の外形線上の複数の頂点の各々を
通る複数の補助線を想定した場合に、それら補助線によ
って分割閉領域が分割される複数の補助ブロックのう
ち、第n補助線の両側にそれぞれ位置する第n補助ブロ
ックと第n+1補助ブロックとが求められるのである。
S516においてはさらに、第n補助ブロックの複数の辺
(3辺または4辺)のうちY軸方向において互に対向す
る2辺の各々に一致する2つのベクトルの和に平行であ
り、かつ、第n−1補助線上に始点、第n補助線上に終
点がある第n補助ブロック用ベクトルと、第n+1補助
ブロックの第n+1補助ブロック用ベクトルとの和が第
n補助線用ベクトルとして求められる。さらに、その第
n補助線用ベクトルに直角であり、かつ、第n頂点を通
る直線が参照線(図においてLREFで表す)として求めら
れる。
その後、S517において、第n頂点および直後頂点を通
る直後直線と参照線との成す角度θRと、第n頂点およ
び直前頂点を通る直前直線と参照線との成す角度θF
がそれぞれ求められるとともに、角度θRが角度θFより
小さいか否か、すなわち、直後直線が直前直線より参照
線に近いか否かが判定される。第23図のように、そうで
あれば、S513において直後頂点が真の第n規定点に選ば
れる。そうでなければ、S518において、角度θRが角度
θFより大きいか否か、すなわち、直前直線が直後直線
より参照線に近いか否かが判定される。第24図のよう
に、そうであれば、S515において直前頂点が真の第n規
定点に選ばれる。それらのいずれでもない場合、すなわ
ち、角度θRと角度θFとが等しい場合には、S519におい
て、直後直線と第n補助線との成す角度θR′と、直前
直線と第n補助線との成す角度θF′とがそれぞれ求め
られるとともに、角度θR′が角度θF′より小さいか否
か、すなわち、直後直線が直前直線より第n補助線によ
り近いか否かが判定される。第25図のように、そうであ
れば、S513において直後頂点が真の第n規定点に選ばれ
る。第26図のように、角度θR′が角度θF′より大きい
か、または、両者が等しい場合には、S515において、直
前頂点が真の第n規定点に選ばれる。
以上のようにして真の第n規定点が求められたなら
ば、S520においてnの値が1だけ増加させられてS507に
戻る。S507〜S520の実行は、その実行が第1補助線から
第N−1補助線まで行われるまで繰り返される。nの値
がNに達すれば、S521において、真の規定点が未だ決定
されていない頂点に対応するその真の規定点が求められ
る。上側外形線上の頂点の数と下側外形線上の頂点の数
とが一致しないなどの場合には、S507〜S520の実行によ
って真の規定点が対応させられていない頂点が存在する
場合があり、この場合には、S521においてそのような未
処理点に対応する規定点の決定が行われるのである。具
体的には、それら未処理点の各々がそれらの属する辺に
対応するX座標軸を内分する比率と同じ比率で、それら
未処理頂点に属する辺が分割閉領域の長手方向と直角な
方向において対向する部分外形線上の一辺を内分する点
の各々が規定点に設定される。例えば、第28図に示すよ
うに、頂点の数が上側外形線におけるより多い下側外形
線上において、上側外形線上に既に規定点が対応させら
れている複数の頂点のうち互に隣接する頂点PmとPm+5
の間に位置する4つの頂点Pm+1〜Pm+4の各々に規定点が
未だ対応させられていない場合には、それら4つの頂点
がX座標軸の、PmのX座標とPm+5のX座標との間の部分
を内分する比率と同じ比率でPmに対応する規定点DmとP
m+5に対応する規定点Dm+5とを結ぶ線分を内分する4つ
の点の各々が各対応する規定点に設定される。
その後、S522において、互に対応する頂点と規定点と
を結ぶ複数の線分で今回の分割閉領域が複数の実ブロッ
クに分割され、それら実ブロックの各々の外形線を表す
実ブロックデータが作成され、前記回転移動の影響を除
去すべくそれら実ブロックデータが変換された後、それ
らが実ブロックデータ領域に記憶される。S522において
はさらに、それら実ブロックがいずれの分割閉領域に属
するのかを表す帰属関係データが帰属関係データ領域に
記憶される。以上で本ルーチンの一回の実行が終了す
る。
その後、第5図のS16において、第11図のルーチンが
実行される。
まず、S601において、今回の分割閉領域すなわち第m
分割閉領域がそれの長手方向とXY座標のX軸方向とが一
致するように回転させられるべく分割閉領域データが変
換される。例えば、第29図に示すように、最小点と最大
点とを結ぶ直線がX軸方向と一致させられる。なお、以
下、分割閉領域の上側外形線上の複数の頂点(最小点と
最大点とを除く)を最小点側から最大点側に向かってそ
れぞれu1〜umで示し、一方、下側外形線上の複数の頂点
(最小点と最大点とを除く)を最小点側から最大点側に
向かってそれぞれd1〜dnで示すことにする。また、上側
外形線を構成する複数の辺のうち最小点を含む辺を左上
辺、最大点を含む辺を右上辺といい、下側外形線を構成
する複数の辺のうち最小点を含む辺を左下辺、最大点を
含む辺を右下辺ということにする。
第10図のルーチンにより分割閉領域を複数の実ブロッ
クに分割した場合には必ず分割閉領域の両端に三角ブロ
ックが存在することを避け得ない。今回の分割閉領域に
属する複数の実ブロックのうち最小点を含む実ブロック
(以下、左端ブロックという)も最大点を含む実ブロッ
ク(以下、右端ブロックという)も三角形を成すことを
避け得ないのである。そこで、本実施例においては、ま
ず、左端ブロックを四角形に変更することが望ましいか
否かが判定され、その後、右端ブロックを四角形に変更
することが望ましいか否かが判定されるようになってい
る。以下、具体的に説明する。
まず、S602において、分割線データ領域に記憶されて
いる分割線データに基づいて、今回の分割閉領域の左下
辺と左上辺とのうち、左下辺のみが分割線である場合
と、左上辺のみが分割線である場合と、いずれもが分割
線であるかまたはいずれもが分割線でない場合とのいず
れであるかが判定される。左下辺のみが分割線である場
合には、S603において、左下辺が針落ち禁止辺となるよ
うに左端ブロックに対応する頂点a〜eが決定され、そ
の決定結果がRAM76の所定領域に記憶される。
左端ブロックについての頂点a〜eの決定は三角分割
閉領域における決定に準じたものとされているから、簡
単に説明する。すなわち、左端ブロックの直ぐ前方にあ
る四角形を成す実ブロック(以下、四角ブロックとい
う)が左端ブロックを四角形に変更するために利用され
る隣接ブロックに決定された後、左端ブロックの3つの
頂点のうち、そのブロックと隣接ブロックとの境界であ
る境界辺(それら2つの実ブロックの分割線でもある)
上にない一頂点が頂点a、左端ブロックの3つの辺のう
ち針落ち禁止辺(今回は左下辺)を規定する2つの頂点
のうち頂点aとは異なる頂点が頂点b、左端ブロックの
3つの頂点のうち頂点aと頂点bとを除く頂点が頂点
c、左端ブロックと隣接ブロックとを一緒に囲む一本の
外形線を頂点aから頂点bに向かう方向にたどる場合に
その頂点bの直ぐ前方に存在する頂点が頂点d、隣接ブ
ロックの4つの頂点のうち頂点b,cおよびdに決定され
ていない頂点が頂点eに決定されるのである。
これらに対して、左上辺のみが分割線である場合に
は、S604において、左上辺が針落ち禁止辺となるよう
に、左端ブロックに対応する頂点a〜eが決定される。
また、左上辺も左下辺も分割線でないか、またはいず
れもが分割線である場合には、S605において、左上辺と
それより一つだけ前方の辺(以下、直前辺という)との
成す角度θu1と左下辺とそれの直前辺との成す角度θd1
とが比較される。そして、第30図(a)〜(c)のよう
に、角度θu1と角度θd1とが等しい場合には、S606にお
いて、左上辺とそれの直前辺とが互に接続される頂点u1
のX座標Xu1と、左下辺とそれの直前辺とが互に接続さ
れる頂点d1のX座標Xd1とが比較される。同図(a)の
ように、座標Xu1が座標Xd1より大きければ、S603におい
て、左下辺が針落ち禁止辺となるように左端ブロックの
頂点a〜eが決定され、また、同図(b)のように、座
標Xu1と座標Xd1とが等しければ、S607において、左端ブ
ロックに対応する三角形許可フラグが1に設定され、ま
た、同図(c)のように、座標Xd1が座標Xu1より大きけ
れば、S604において、左上辺が針落ち禁止辺となるよう
に左端ブロックの頂点a〜eが決定される。
なお付言すれば、同図(a)に該当する図形は例えば
左に傾斜した平行四辺形や第42図の長方形に代表され、
同図(b)に該当する図形は例えば第43図の菱形状図形
に代表され、同図(c)に該当する図形は例えば右に傾
斜した平行四辺形や第42図の長方形に代表される。
それに対して、例えば、第31図(a)〜(c)のよう
に、角度θu1が角度θd1より大きい場合には、S608にお
いて、座標Xu1と座標Xd1とが比較される。同図(a)の
ように、座標Xu1が座標Xd1より大きければ、S603におい
て、左下辺が針落ち禁止辺となるように左端ブロックの
頂点a〜eが決定され、また、同図(b)のように、座
標Xu1と座標Xd1とが等しいか、または、同図(c)のよ
うに、座標Xd1が座標Xu1より大きい場合には、S607にお
いて、三角形許可フラグが1に設定される。
なお付言すれば、第30図(a)〜(c)と第31図
(a)〜(c)とは針落ち禁止辺の設定態様が(c)に
おいて異なるのみであるが、これは、第30図(c)に示
す状態から角度θu1が角度θd1より大きい状態へ移行す
ると、左端ブロックが平行四辺形よりむしろ菱形状図形
に近くなると考え、第31図(c)の場合には針落ち禁止
辺が設定されないようにするためである。
それら2つの場合に対して、例えば、第32図(a)〜
(c)に示すように、角度θd1が角度θu1より大きい場
合には、S609において、座標Xu1と座標Xd1とが比較され
る。同図(a)のように、座標Xu1が座標Xd1より大きい
か、同図(b)のように、座標Xu1と座標Xd1とが等しい
場合には、S607において、左端ブロックの三角形許可フ
ラグが1に設定され、同図(c)のように、座標Xd1
座標Xu1より大きい場合には、S604において、左上辺が
針落ち禁止辺となるように左端ブロックの頂点a〜eが
決定される。
なお付言すれば、第30図(a)〜(c)と第32図
(a)〜(c)とは針落ち禁止辺の設定態様が(a)に
おいて異なるのみであるが、これは、第30図(a)に示
す状態から角度θd1が角度θu1より大きい状態へ移行す
ると、左端ブロックが平行四辺形よりむしろ菱形状図形
に近くなると考え、第32図(c)の場合には針落ち禁止
辺が設定されないようにするためである。
その後、S610〜S617において、右端ブロックについて
頂点a〜eの決定および三角形許可フラグの設定が行わ
れるが、これらは上述のS602〜S609に準じたものとされ
ていて、右端ブロックの直ぐ後方の四角ブロックが隣接
ブロックに決定されることと、座標Xu1と座標Xd1との大
小関係に対応する処理がS602〜S609におけるのと反対で
あることとが異なるだけであるため、それらの様子を第
33図〜第35図に示すことにより文章による説明を省略す
る。
第11図のルーチンの一回の実行が終了すれば、第5図
のS17において、今回の分割閉領域に属する実ブロック
の数がNとして記憶され、S18において、実ブロックの
番号を示すnの値が1に設定される。その後、S19にお
いて、今回の実ブロックすなわち第n実ブロックに対応
する実ブロックデータに基づいて、実ブロックが三角形
であるか否かが判定される。今回の実ブロックが三角形
でない場合には、判定の結果がNOとなり、S20において
nの現在値がN以上であるか否かが判定され、そうでな
ければS21においてnの値が1だけ増加させられてS19に
戻る。
一方、今回の実ブロックが三角形である場合には、S1
9の判定結果がYESとなり、S22において、今回の実ブロ
ックに対応する三角形許可フラグが1であるか否かが判
定される。そうであればS20へ移行するが、そうでなけ
ればS23へ移行する。
S23においては、第9図のルーチンが実行されること
により、三角ブロックの四角形への変更が行われる。な
お、この変更の様子は三角分割閉領域を四角形に変更す
る場合に準じたものとされているため、一例を説明する
ことによって詳細な説明を省略する。例えば、第38図に
示す分割閉領域B1の第1ブロックと第4ブロックは共に
三角形であって、かつ、共に三角形であることが望まし
くない。したがって、それらブロックに対して第9図の
ルーチンが実行されれば、第36図に示すように、第1ブ
ロックについては、線分1−2が針落ち禁止辺に決定さ
れ、頂点1が頂点a、頂点2が頂点b、頂点14が頂点
c、頂点3が頂点d、頂点13が頂点eに決定される。第
1ブロックは第19図の場合に該当するから、第36図に示
すように、第1ブロックは頂点1,2,2′(頂点i)およ
び14によって規定される四辺形に変更されることにな
る。一方、第4ブロックについては、第38図に示すよう
に、線分5−12が分割線であるためにそれが針落ち禁止
辺に決定され、頂点5が頂点a、頂点12が頂点b、頂点
4が頂点c、頂点13が頂点d、頂点3が頂点eに決定さ
れる。第4ブロックは第18図の場合に該当するから、第
36図に示すように、第2ブロックは頂点12′(頂点
g),4,5および12によって規定される四辺形に変更され
ることになる。
その後、S19〜S23の実行が繰り返されるうちにS20の
判定結果がYESとなれば、S24へ移行する。S24において
は、今回の分割閉領域すなわち第m分割閉領域に属する
複数の実ブロックの各々に対応する頂点a〜eの決定が
行われていなければ、各実ブロックの4辺のうち、それ
の属する全体閉領域の長手方向と直角な方向において互
に対向する2辺を交互に結ぶ縫目を形成する針位置デー
タが作成され、一方、頂点a〜eの決定が行われていれ
ば、各実ブロックの頂点bと頂点d,gおよびiのいずれ
かとを結ぶ線分と、頂点aと頂点cとを結ぶ線分とを交
互につなぐ縫目を形成する針位置データが形成される。
したがって、各実ブロックが全体閉領域の端部に位置す
る端ブロックである場合でも、第36図の第1ブロックの
ように、端ブロックが、全体閉領域を縫目で埋める際に
望ましい刺繍進行方向と異なる方向に進行する縫目で埋
められることがなくなる上、同図の第4ブロックのよう
に、互に隣接した2つの分割閉領域を仕切る分割線を含
む実ブロックのその分割線上に針落ち点が存在しなくな
るために、全体閉領域における縫目が途切れることがな
くなる。
以上、今回の分割閉領域が四角形ではない場合を説明
したが、そうである場合を説明する。この場合には、S1
4の判定結果がYESとなり、直ちにS24へ移行する。そし
て、S24において、分割閉領域に対応する頂点a〜eの
決定が行われていなければ、分割閉領域の4辺のうち、
それの属する全体閉領域の長手方向と直角な方向におい
て互に対向する2辺を交互に結ぶ縫目を形成する針位置
データが作成され、一方、頂点a〜eの決定が行われて
いれば、分割閉領域の頂点bと頂点d,gおよびiのいず
れかとを結ぶ線分と、頂点aと頂点cとを結ぶ線分とを
交互につなぐ縫目を形成する針位置データが形成され
る。
いずれの場合にもS24の実行後は、S25において、mの
現在値がM以上であるか否かが判定され、そうでなけれ
ばS26においてmの値が1だけ増加させられてS14に戻る
が、そうであればS27へ移行する。S27においては、l
(全体閉領域の番号を示す)の現在値がL(全体閉領域
の数を示す)以上であるか否かが判定される。そうでな
ければS28においてlの値が1だけ増加させられてS5に
戻るが、そうであれば本ルーチンの一回の実行が終了す
る。
その後、オペレータからキーボード82を介して刺繍開
始指令が出されれば、針位置データ領域に記憶されてい
る針位置データに基づいてミシンが制御されることによ
り、加工布に所定の刺繍が施されることになる。
以上の説明から明らかなように、本実施例において
は、制御装置70のコンピュータの、第6図,第7図およ
び第10図の各ルーチンを実行する部分が一般分割手段を
構成し、コンピュータの、第5図のS7,S11,S12,S19およ
びS22を実行する部分と、第8図,第9図および第11図
の各ルーチンを実行する部分とが特殊分割手段を構成
し、コンピュータの、第5図のS24を実行する部分が針
位置データ作成手段を構成している。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明し
たが、この他にも特許請求の範囲を逸脱することなく当
業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施した態様で
本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成を概念的に示すブロック図であ
る。第2図は本発明の一実施例であるデータ処理装置を
刺繍ミシンと共に示す斜視図である。第3図は上記刺繍
ミシンを制御する制御装置の構成を示すブロック図であ
る。第4図は上記制御装置の主体を成すコンピュータの
RAMの構成を概念的に示す図である。第5図は上記コン
ピュータのROMに記憶されている針位置データ作成用ル
ーチンを示すフローチャートである。第6図〜第11図は
それぞれ、上記コンピュータのROMに記憶されているル
ーチンのうち、上記針位置データ作成用ルーチンに関連
するルーチンを示すフローチャートである。第12図およ
び第15図はそれぞれ、上記コンピュータのRAMに設けら
れている分割前スタックと分割後スタックを説明するた
めの図である。第13図は第7図のルーチンを説明するた
めの図である。第14図は上記実施例における帰属関係デ
ータ領域を概念的に示す図である。第16図〜第19図はそ
れぞれ、第9図のルーチンを説明するための図である。
第20図〜第28図はそれぞれ、第10図のルーチンを説明す
るための図である。第29図〜第35図はそれぞれ、第11図
のルーチンを説明するための図である。第36図は第38図
の全体閉領域に対して上記実施例装置を作動させた場合
の結果を示す図である。第37図〜第40図はそれぞれ、本
発明完成の背景を説明するために用いた全体閉領域のい
くつかの例を示す図である。第41図〜第44図はそれぞ
れ、本出願人が先に開発した開発装置による分割結果
と、本発明の一態様による分割結果とを比較するための
図である。 24:縫針、42:刺繍枠 70:制御装置 A,B,C,D,E,F:全体閉領域 A1〜A7,B1,B2,C1〜C4,F1,F2:分割閉領域

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】刺繍ミシンの縫目で埋められるべき全体閉
    領域の外形線を表す閉領域データに基づいて、全体閉領
    域を複数の部分閉領域に分割する一般分割手段と、 その一般分割手段によって生じさせられる部分閉領域が
    三角形状を成す場合に、その部分閉領域が四角形状を成
    すように前記全体閉領域を分割する特殊分割手段と、 前記複数の部分閉領域の各々の外形線のうち前記全体閉
    領域が前記縫目で埋められていくべき刺繍進行方向と直
    角な方向において互に対向する2つの部分を交互につな
    ぐ縫目を形成する針位置データを作成する針位置データ
    作成手段と を含むことを特徴とする刺繍ミシンのデータ処理装置。
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