JP2733266B2 - 帯電防止性塩素含有重合体組成物及び帯電防止剤 - Google Patents

帯電防止性塩素含有重合体組成物及び帯電防止剤

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、帯電防止性塩素含有重合体組成物に関する
もので、より詳細には、耐ブリードアウト性、耐水性、
耐候性に優れ、持続した帯電防止性能が得られる塩素含
有重合体組成物に関する。本発明はまたこの目的に使用
する帯電防止剤にも関する。
(従来の技術) 樹脂成形品に帯電防止機能を付与する目的で、種々の
帯電防止剤を配合することは種々の分野で広く行われて
いる。帯電防止剤には内部帯電防止剤と外部帯電防止剤
とに大別されるが、それぞれ一長一短がある。導電性カ
ーボンブラック、金属粉末、錫酸化物系導電剤等のフィ
ラー状の導電剤は、得られる導電性が大きく、導電性能
の耐久性及び持続性にも顕著に優れているが、樹脂中に
多量に配合しなければならないこと、従って帯電防止の
コストも比較的高いこと、及び樹脂成形品を着色したり
不透明化する傾向が大きいこと等の欠点がある。
一方、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性
剤、ノニオン系界面活性剤等の帯電防止剤は、樹脂中に
少量配合してこれを成形品表面に移行させて、帯電防止
性能を発現させるものであるが、その帯電防止機能上成
形品の表面にブリードアウトしてその外観特性(平滑性
や表面光沢)を損うことが避けられなく、また水との接
触で流失したり、或いは光や熱の作用で変質して、帯電
防止機能が失われる等、帯電防止性能の持続性に劣ると
いう欠点がある。また、界面活性剤型帯電防止剤の内、
帯電防止機能に最も優れていると言われるカチオン系界
面活性剤は塩化ビニル樹脂を劣化させる傾向があること
も知られている(特開昭48−65238号公報)。
特開昭61−213231号公報には、有機帯電防止剤と有機
変性粘土とから成る帯電防止剤組成物が記載されてお
り、この組成物は樹脂マトリックス中で導電性のストラ
クチュアを形成することも記載されている。
(発明が解決しようとする問題点) 上記先行技術は、有機変性粘土、すなわち層間に有機
カチオンを組込んだスメクタイト粘土と、有機帯電防止
剤との組合わせを樹脂中に配合することにより導電性を
付与するものであるが、有機変性粘土を塩化ビニル樹脂
に配合すると、これを紫色乃至黒色に著しく着色すると
いう欠点がある。また有機変性粘土と共に配合された有
機帯電防止剤は程度の差はあれ成形品表面にブリードア
ウトする傾向がある。
従って、本発明の目的は、導電剤配合による塩化ビニ
ル樹脂等の着色や熱劣化傾向を抑制しながら、耐ブリー
ドアウト性、耐水性、耐候性に優れ、持続した帯電防止
性能が得られる塩素含有重合体組成物を提供することに
ある。
本発明の他の目的は、塩素含有重合体に対する着色傾
向がなく、しかも該重合体に対して優れた帯電防止性能
を付与し得る新規帯電防止剤を提供するにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明によれば、第四級アンモニウム塩−過塩素酸塩
錯体(A)を、式 M・nSiO2 式中、Mはアルカリ土類金属を示し、 nは1.2乃至5の数である、 で表される組成を有し、平均粒径が44μm以下且つ80ml
/100g以上の吸油量を有するケイ酸アルカリ土類金属塩
(B)に、A:B=0.25:1乃至1.5:1の範囲の重量比で保持
せしめた複合体から成ることを特徴とする帯電防止剤を
提供される。
本発明によればまた、上記複合体を、鉛系安定剤並び
に可塑剤及び/又滑剤と共に塩素含有重合体に配合した
ことを特徴とする帯電防止性塩素含有重合体組成物が提
供される。
(作用) 本発明に用いる帯電防止剤は、第4級アンモニウム−
過塩素酸錯体を含有することが第一の特徴である。第4
級アンモニウム塩はカチオン系導電剤として周知のもの
であるが、本発明ではこれを過塩素酸塩錯体の形で使用
するものである。第4級アンモニウムカチオンに対する
対イオン(アニオン)としては、種々の無機アニオンが
知られているが、一般にはクロライドイオンが対イオン
として用いられている。これは、第4級アンモニウム塩
の導電機構は、対イオン(アニオン)が移動することに
よるイオン導電であると信じられるが、クロライドイオ
ンがアニオンの中でもイオン半径が小さいことから、イ
オン伝導速度が大きいためと思われる。
本発明は、第4級アンモニウム塩を過塩素酸錯体の形
で用いると、第4級アンモニウムクロリドを塩素含有重
合体に配合した場合に見られる塩素含有重合体の着色傾
向が有効に解消されるという知見に基づくものである。
即ち、第4級アンモニウムクロライドを塩素含有重合体
に配合すると重合体を紫色乃至黒色に発色させ、また過
塩素酸塩を塩素含有重合体に配合するとやはり重合体を
紫色乃至黒色に発色させることが認められるが、全く予
想外のことに、これらを錯体の形で用いると上記発色傾
向がほぼ完全に解消されるのである。
本発明に用いる錯体では、カチオンとしての第4級ア
ンモニウムイオンと、アニオンとしての過塩素酸イオン
とが存在するが、この錯体では従来のカチオン系導電剤
とは全く異なった導電機構でイオン伝導が行われるもの
と信じられる。即ち、本発明の導電剤は、従来の第4級
アンモニウムクロライド系導電剤に比して、アンモニウ
ム基準で約20%の著しく少ない量でほぼ同じレベルの導
電性を示す。これは、対イオンであるアニオン移動によ
りイオン伝導性が得られるのではなく、むしろ錯体中の
プロトン移動によるイオン伝導性が得られるのではない
かと思われる。
次に、この第4級アンオニウム−過塩素酸錯体を、ケ
イ酸アルカリ土類塩に保持させた複合体とすることが、
本発明の第二の特徴である。即ち、ケイ酸アルカリ土類
塩は、表面活性を有し且つ内部に空隙を有する無機物粉
体であることから、第4級アンモニウム−過塩素酸錯体
を保持しながら、塩素含有重合体中に分散して、該錯体
の成形体表面への移行を抑制する作用を行なう。またケ
イ酸アルカリ土類塩は、それ自体塩素含有重合体に対す
る優れた熱安定剤でもあることから、塩素含有重合体の
着色傾向をより解消するように有益な作用を行なう。複
合体を塩素含有重合体中に微細化分散させるという見地
から、用いるケイ酸アルカリ土類塩は44μm以下、特に
15μm以下の平均粒径(メジアン径)を有するべきであ
り、また、錯体を保持して表面へのブリードアウトを防
止するという見地からは、80ml/100g以上、特に100ml/1
00g以上の吸油量を有するべきである。
本発明の樹脂組成物での導電機構は、複合体に含まれ
るキャリア(プロトン)が可塑剤及び/又は滑剤を通し
て移動するイオン伝導であると思われる。これは塩素含
有重合体組成物中の可塑剤及び/又は可塑剤の量を増大
させると、ある範囲迄はその量の増大に伴って体積固有
抵抗が減少するという事実とよく符合している。
本発明の帯電防止剤は、鉛系安定剤並びに可塑剤及び
/又は滑剤との組合せで塩素含有重合体に配合して使用
するのがよい。というのは、この帯電防止剤は鉛系安定
剤との組合せで用いた場合に、重合体を着色する傾向が
最も小さく且つ配合重合体組成物の熱安定性も最も延長
されるからである。可塑剤及び/又は滑剤は、その本来
の作用に加えて、配合重合体組成物の体積固有抵抗を減
少させる補助的作用を行なうことが注目されるべきであ
る。
(発明の好適態様) 錯体 本発明に用いる第4級アンモニウム塩原料は、従来カ
チオン系導電剤やカチオン系界面活性剤として知られて
いる任意のものが使用される。その適当な例は、これに
限定されないが、次の通りである。
特に下記式 式中、R1,R2,R3及びR4の各々はその内の少なくとも1
個の炭素数10乃至24のアルキル基であるという条件下に
1価炭化水素基であり、Xはアニオンである、 の4級アンモニウム塩。例えばハロゲン化ジメチルジア
ルキルアンモニウム、硫酸ジメチルジアルキルアンモニ
ウム、ハロゲン化ジメチルベンジルアルキルアンモニウ
ム、硫酸ジメチルベンジルアルキルアンモニウム及びそ
の誘導体(ここで、アルキル基はラウリル、ステアリル
等の炭素数10以上のものである)。
下記式 式中、R5は炭素数8乃至24のアルキル基である の4級アンモニウム塩。例えばドデシルピリジニウム、
クロライドの如きアルキルピリジニウム・クロライド。
過塩素酸塩原料としては、式 M(ClO4・nH2O …(3) 式中、Mは無機又は有機のカチオンであり、 mは1乃至3の数値であり、nは1乃至6の数である の塩、例えば過塩素酸リチウム、過塩素基酸カリウム、
過塩素酸リチウム、過塩素酸カルシウム等が挙げられ
る。
本発明に用いる錯体は、上記第4級アンモニウム塩と
過塩素酸塩とを適当な反応媒体中で加熱下に反応させる
ことにより得られる。第4級アンモニウム塩と過塩素酸
塩とは等モル(化学量論的量)で用いるのが最もよい結
果を与えるが、この量比は、所望によっては、0.8:1乃
至1:5のモル比内で変化させることもできる。反応媒体
としては、両者を溶解させ得る溶媒、例えばテトラヒド
ロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド等
の強極性溶媒を用いることもできるが、この場合には、
帯電防止剤を製造するための何れかの段階で溶媒を除去
する手段が必要となる。
本発明者等は、ジオクチルフタレート等の可塑剤中で
第4級アンモニウム塩と過塩素酸塩との反応が可能であ
ると共に、反応により生成する錯体はこれが可塑剤中に
均一に溶解した溶融液として得られ、溶媒の除去操作を
必要とせずに後述するケイ酸アルカリ土類塩の保持が容
易に行われることを見出した。可塑剤は、第4級アンモ
ニウム塩と過塩素酸塩との合計量当り5乃至500重量
%、特に50乃至200重量%の量で用いるのがよい。
反応は、50乃至150℃、特に80乃至100℃の温度で行う
のが望ましい。反応時間の終点は、全体が均質化し、透
明となることにより確認することができる。
本発明の錯体は一般に個体であり、第1図に示す図中
のA、B、C、D及びEは、それぞれ過塩素酸リチウ
ム、ジメチルジステアリルアンモニウムクロライド、塩
化リチウム及び本発明の合成錯体である試料No.B−1と
試料No.B−2のX線回折像を示す。
ケイ酸塩 本発明に用いるケイ酸アルカリ土類塩は、前述した粒
度と吸油量とを有るものである。更に、このケイ酸塩
は、0.5cc/g以上、特に1乃至4cc/gの細孔容積と、100m
2/g以上、特に200乃至400m2/gの比表面積とを有するこ
とが好ましい。
ケイ酸アルカリ土類塩は、ケイ酸カルシウム、ケイ酸
マグネシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸ス
トロンチュウム、ケイ酸鉛或いはこれらの混合塩であっ
てよい。一般に、入手の容易さ及び性能の点でケイ酸カ
ルシウムが好ましい。ケイ酸塩は、所謂正塩でも、塩基
性塩でも酸性塩でもよいが、 一般には、式 MO・nSiO2 …(4) 式中、Mはアルカリ土類金属を示す、nは1.2乃至5
の数、特に1.3乃至4の数である、 の組成を有することが好ましい。このケイ酸塩は、一般
にX線回折学的に実質上非晶質であることが好ましい
が、前述した特性を有する限り、トバモライト型、 の結晶構造を有するものであってよい。
このケイ酸アルカリ土類塩は、ケイ酸アルカリ或いは
シリカのヒドロゾル、ヒドロゲル、キセロゲル或いはそ
の他の非晶質シリカと、アルカリ土類水酸化物或いはア
ルカリ土類水溶性塩とを前述したケイ酸塩が得られるよ
うに反応させることにより製造される。好適なケイ酸塩
は、粘土鉱物を酸処理して得られる層状シリカとアルカ
リ土類水酸化物を反応させることにより得られる。この
ケイ酸塩は、粘土特性と吸油性とに優れている。
複合体 本発明によれば、ケイ酸アルカリ土類金属塩の粉体に
前記錯体を保持させ。錯体(A)とケイ酸アルカリ土類
金属塩(B)との比率は、ケイ酸塩の吸油量等によって
も相違するが、一般にA:B=0.25:1乃至1.5:1、特に0.5:
1乃至1:1の重量比で両者を用いることが望ましい。
複合体の製造に際しては、ケイ酸アルカリ土類塩の粉
体を、必要により加熱下に混合しながら、この中に錯体
の溶融液乃至溶液を滴下し或いはスプレーしながら、混
合を続行すればよい。溶剤を用いた場合には、溶媒を留
去させればよく、前述した可塑剤を用いた場合にはその
まま混合系を冷却すればよい。
本発明によれば、このようにケイ酸塩粒子に錯体が保
持された自由流動性の粉体が得られるので、これを塩素
含有重合体等の樹脂に配合するための帯電防止剤として
用いればよい。
塩素含有重合体組成物 本発明の帯電防止剤は、塩素含有重合体100重量部当
り0.5乃至60重量部、好適には1乃至10重量部、最適に
は2.0乃至5.0重量部の量で配合して用いるのがよい。上
記範囲よりも少ないと体積抵抗を十分に下げられず、帯
電防止性が低下し、上記範囲よりも多いと、樹脂色相や
機械的強度の点で不利となり易い。
塩素含有重合体としては、塩化ビニルのホモポリマー
乃至コポリマー、塩化ビニリデン樹脂、塩素化ポリエチ
レン、塩素化ポリプロピレン、塩素化塩化ビニル樹脂等
が挙げられる。
鉛系安定剤としては、それ自体公知の任意のもの、特
に三塩基性乃至四塩基性硫酸鉛、塩基性亜リン酸鉛、塩
基性ケイ酸鉛、塩基性炭酸鉛、塩基性マレイン酸鉛、塩
基性フタル酸鉛、塩基性ステアリン酸鉛、高級脂肪酸鉛
或いはこれらの2種以上の組合せが挙げられる。これら
の鉛系安定剤は塩素含有重合体100重量部当り0.5乃至10
重量部、特に2乃至5重量部の量で配合する。
可塑剤としても、塩素含有重合体用可塑剤として公知
の任意のもの、例えばフタル酸エステル、脂肪族二塩基
酸エステル、リン酸エステル、ヒドロキシ多価カルボン
酸エステル、モノ脂肪酸エステル、多価アルコールエス
テル、エポキシ系可塑剤、ポリエステル系可塑剤が使用
される。また滑剤としては、各種ワックス剤、例えば石
油系ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレン
ワックス、脂肪酸乃至その誘導体、動植物ワックス等が
使用される。樹脂100重合部当り、可塑剤は10乃至100重
量部、特に20乃至60重量部の量、滑剤は0.5乃至3.0重量
部、両者の合計で10乃至100重量部、特に25乃至70重量
部の量で用いるのがよい。
(発明の効果) 本発明によれば、第4級アンモニウム−過塩素酸塩錯
体をケイ酸アルカリ土類塩に保持させた複合体を帯電防
止剤とすることにより、塩素含有重合体の着色乃至劣化
を解消しながら、耐ブリードアウト性、耐水性、耐候性
に優れ、持続した帯電性能が得られた。
(実施例) 実施例1 本発明によって得られた各種の多孔質ケイ酸アルカリ
土類金属塩(試料A)と第4級アンモニウム塩−過塩素
酸塩錯体(試料B)との複合体(試料C)から成る塩素
含有重合体用の帯電防止剤について説明する。
(i)各種の多孔質ケイ酸アルカリ土類金属塩の調製 試料No.A−1(ケイ酸カルシウム) ケイ酸分原料として市販のケイ酸ソーダ溶液を硫酸中
に滴定して強酸性液中にゲル化させ、次いで水洗して得
られたケイ酸ゲルとカルシウム原料として市販の消石灰
を用いて、両原料の水性スラリーをCaO:SiO2基準で0.3:
1,0.6:1及び0.8:1のモル範囲になるように混合し、次い
でそれぞれこのスラリーを90℃の加温下に3時間の加温
処理を行った後、濾過、140℃で乾燥させた後、アトマ
イザーにて粉砕分級をし、それぞれ試料No.A−1−1,A
−1−2及びA−1−3のケイ酸カルシウムを調製し
た。
試料No.A−2(ケイ酸カルシウム) ケイ酸分原料として、山形県東田川郡松根産のα−ク
リストバライト30%含有の酸性白土をポットミルで湿式
粉砕して得られた水性スラリーにCaO:SiO2のモル比が0.
8になるように消石灰を加え、同様にして95℃の加温下
に3時間の撹拌処理をし、次いで濾過、140℃で乾燥し
同様に粉砕分級をして試料No.A−2のケイ酸カルシウム
を調製した。
試料No.A−3(ケイ酸マグネシウム) ケイ酸原料として新潟県北蒲原郡中条町産の酸性白土
の酸処理物であるSiO2含量98.5%の活性ケイ酸を用い
て、その水性スラリーにMgO:SiO2のモル比が0.8:1にな
るように市販の酸化マグネシウムを加え、同様にして95
℃の加温下に3時間の撹拌処理をして以下同様にして乾
燥・粉砕・分級して試料No.A−3のケイ酸マグネシウム
を調製した。
試料No.A−4(ケイ酸バリウム) ケイ酸原料として、試料No.A−3で用いた活性ケイ酸
の水性スラリーにBaO:SiO2のモル比が0.8:1.0になるよ
うに市販の水酸化バリウムを加え、ポットミル中で湿式
粉砕した後、オートクレーブ中で150℃で3時間の水熱
処理をした後、同様にして濾過、乾燥、粉砕、分級して
試料No.A−4のケイ酸バリウムを調製した。
試料No.A−5(ケイ酸亜鉛) ケイ酸原料として試料No.A−3で用いた活性ケイ酸の
水性スラリーにZnO:SiO2のモル比が0.8:1.0になるよう
に市販の酸化亜鉛を加え、同じくポットミルで均質スラ
リーとした後、試料No.A−4と同様にオートクレーブ中
で150℃で5時間の水熱処理をした後、同様に濾過、乾
燥、粉砕、分級して試料No.A−5のケイ酸亜鉛を調製し
た。
試料No.A−6(ケイ酸鉛) ケイ酸原料としては市販の2号ケイ酸ソーダ水溶液を
用い鉛原料としては、リサージを酢酸に溶解させて調製
した酢酸鉛水溶液を用い、PbO:SiO2の酸化物基準で1:3
のモル割合になるように上記両水溶液を撹拌下60分を要
して同時注下しさらに10%苛性ソーダ水溶液を用いて、
pHを6.5〜7.5に調整しさらに60分間熟成後、得られたケ
イ酸鉛の白色スラリーを濾過水洗して200℃で24時間乾
燥し粉砕して40μ以下の微粒子に分級して試料No.A−5
のケイ酸鉛を調製した。
試料No.A−7(ケイ酸鉛−カルシウム) ケイ酸原料として、市販の1種メタケイ酸ソーダを用
い、鉛原料としては市販試薬の酢酸鉛を、またカルシウ
ム原料としては市販試薬の塩化カルシウムを用いPbO:Ca
O:SiO2の酸化物基準で1:1:2のモル割合になるように配
合し、ポットミル中で湿式複分解反応させた後、得られ
た白色スラリーを濾過洗滌し、次いで200℃で24時間乾
燥後、粉砕して40μ以下の微粒子に分級して試料No.A−
6のケイ酸鉛−カルシウムを調製した。
試料No.A−8(ケイ酸カルシウム−亜鉛) ケイ酸原料およびカルシウム原料は実施例1に記載と
同様の方法で得られたものを用い亜鉛原料としては市販
の1号亜鉛鉛華を用いCaO:ZnO:SiO2の酸化物基準として
2:1:4のモル割合になるように配合しポットミル中で湿
式混合粉砕した後、オートクレーブ中で10kg/cm23時間
水熱合成し次いで200℃で24時間乾燥してから粉砕して4
0μ以下の微粒子に分級して試料No.A−7のケイ酸カル
シウム−亜鉛を調製した。
(ii)第4級アンモニウム塩−過塩素酸塩錯体の調製 試料No.B−1 1のエルレンマイヤーフラスコ中、テトラヒドロフ
ラン750mlに過塩素酸リチュウムの1水塩11.6gを室温下
に溶解させ、次いでジメチルジステアリルアンモニウム
クロライドの55gを加え、マグネットスタラーにて撹拌
下の70℃で反応生成物が均質な溶融液状態になるまで還
流をした。
その後次いで60乃至70℃の減圧下でテトラヒドロフラ
ンを留去し、透明な溶融体を生成させた。この生成物は
室温でチーズ状の固形物であった。なおこの反応生成物
のX線回折線図の第1図から明らかなように、原料の過
塩素酸塩、ジメチルジステアリルクロライド及び副生す
ると思われる塩化リチウムの回折線ピークとは異なる格
子定数d=4,16,8,10,12,10及び24,10Åに主要ピークを
有する反応生成物である。
又、反応生成物の赤外線吸収スペクトルの第2図に示
すごとく、2920.58cm-1及び2853.07cm-1にジメチルジス
テアリルアンモニウムのメチル基及びメチレン基のC−
H伸縮振動の吸収があり、又1469.945cm-1に同物質のメ
チル、メチレン基の変角振動があり、又、1089.91cm-1
に過塩素酸イオンの振動吸収がみられる。
以上から本反応生成物は本発明による新規な第4級ア
ンモニウム塩−過塩素酸塩錯体と思われる。
試料No.B−2 ジ・2−エチルヘキシルフタレートの100gに過塩素酸
ナトリウムの1水塩の5gを加え、120℃の加熱下に溶解
させた。
次いでこれにトリメチル・モノステアリル・アンモニ
ウム・クロライドの22gを添加し、反応系が均質な透明
状態になるまで90乃至100℃の温度で反応させた。
なお得られた反応生成物は室温で試料No.B−1と同様
の形状を呈し、そのX線回折線図及び赤外線吸収スペク
トルから試料No.B−1と同様の新規な錯体と思われる。
(iii)複合体(帯電防止剤)の調製 上記(i)及び(ii)で調製した試料Aと試料Bを用
いて下記の方法で、試料A及び試料Bとの複合体である
本発明による帯電防止剤を調製した。
試料Bの粉末の所定量を100℃に加温された容量10
の撹拌転動型ミキサーに入れ、次いでこの試料Aの吸油
量(ml/100g)の30乃至80%に相当する試料Bの80乃至9
0℃での熔融物を転動下に添加した。次いで転動下に室
温まで冷却をし、粉末状の本願発明による帯電防止剤を
得た。その性状を第1表に示した。
実施例2. 実施例1で得られた本発明による帯電防止剤を鉛系安
定剤に配合した塩素含有重合体組成物に用いて、厚さ1m
mのポリ塩化ビニル軟質シートを作成した。
次いで、下記に示す測定方法で初期着色、耐熱性、耐
ブリードアウト性及び耐電防止性を評価し、その結果を
第2表に示した。
(PVC樹脂組成物のシート化方法) 1)日本ビニル4000M(=1500)のCVC樹脂を用いた塩
素含有樹脂組成物のそれぞれを3.5インチロール、160℃
で5分間混練をし、次いで175℃、160kg/cm2で5分間の
プレスをし、厚さ1.0mmのシートとする。
(測定方法) 1)熱安定性 上記試料シートを約3×10cmに切断し、180℃に保た
れたギヤオーブン中で、その温度条件下にバクロし、そ
のバクロ時間によるシートの熱劣化による着色状態を観
察し、この時の着色状態を0,1,2,3,4,5の6段階で評価
表現し、この時の0を無着色とし、着色状態の進行と共
に数字を大きくし、全く黒色化したものを5とし、熱劣
化状態を見て熱安定性の評価試験とした。また特に、バ
クロ15分までを初期着色として、この初期着色性を評価
ポイントの1つとして表示した。
2)H・T(塩素捕捉能) 供試シートを1.0mm3の細片にし、この細片2gを径1.5c
mの試験管にとり、試験管口にグリセリンで濡らしたコ
ンゴーレッド試験紙を試験管壁に触れぬ様に固定し、18
0℃に保たれた油浴中にその試験管を浸漬し、PVCが熱分
解して塩化水素が発生し、コンゴーレッド紙を青変させ
るまでの時間を測定し、この時間から、塩素捕捉能によ
る熱安定性を評価した。
3)耐ブリードアウト性 供試シートを70℃、90%関係温度の雰囲気中に7日間
保持し、次いでシート表面のブリードアウト性を方法で
目視評価した。
◎:ブリードアウト無し △:少々ブリードアウト有り ×:大量にブリードアウト有り 4)帯電防止性 厚さ1.0mmの供試シートを、24時間室温で放置し、JIS
K1723に準拠し、同シートの体積固有抵抗[V.R(Ω−c
m)]及び表面抵抗[S・R(Ω)]を測定し、帯電防
止性を評価した。
5)引張破壊伸(%) JIS K−7113に準拠して測定した。
6)吸油量(ml/100g) JIS K−5101・19に準拠して測定した。
7)赤外線吸収スペクトル(IR) 日本分光工業(株)製のA302型の赤外線吸収スペクト
ルを使用した。
8)X線回折 本実施例においては、理学電気(株)製X線回折装置
(X線発生装置4036A1、ゴニオメーター2125D1、計数装
置5071)を用いた。
以上第2表から明らかなように、本発明による帯電防
止剤は従来の第4級アンモニウムクロライド系導電剤に
比して、著しく少ないアンモニウム基の添加で、優れた
帯電防止性を示す。また無機多孔質ケイ酸塩の複合体と
することで優れた耐ブリードアウト性を示すと共に、特
に従来、鉛系安定剤と組合せ使用できなかったポリエス
テル系可塑剤が使用されることもに理解される。
【図面の簡単な説明】
第1図はX線回折線図で、図中のA,B,C,D及びEはそれ
ぞれ過塩素酸リチウム、ジメチルジステアリルアンモニ
ウムクロライド、塩化リチウム、合成錯体(試料No.B−
1)及び合成錯体(試料No.B−2)を示す。 第2図は実施例1で得られた合成錯体の赤外線吸収スペ
クトルを示す。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第四級アンモニウム塩−過塩素酸塩錯体
    (A)を、式 M・nSiO2 式中、Mはアルカリ土類金属を示し、 nは1.2乃至5の数である、 で表される組成を有し、平均粒径が44μm以下且つ80ml
    /100g以上の吸油量を有するケイ酸アルカリ土類金属塩
    (B)に、A:B=0.25:1乃至1.5:1の範囲の重量比で保持
    せしめた複合体を、鉛系安定剤並びに可塑剤及び/又滑
    剤と共に塩素含有重合体に配合したことを特徴とする帯
    電防止性塩素含有重合体組成物。
  2. 【請求項2】第四級アンモニウム塩−過塩塩素酸塩錯体
    (A)を、式 M・nSiO2 式中、Mはアルカリ土類金属を示し、 nは1.2乃至5の数である、 で表される組成を有し、平均粒径が44μm以下且つ80ml
    /100g以上の吸油量を有するケイ酸アルカリ土類金属塩
    (B)に、A:B=0.25:1乃至1.5:1の範囲の重量比で保持
    せしめた複合体から成ることを特徴とする帯電防止剤。
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