JP2730720B2 - 車両用無段変速機の変速制御方法 - Google Patents

車両用無段変速機の変速制御方法

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JP2730720B2
JP2730720B2 JP62213874A JP21387487A JP2730720B2 JP 2730720 B2 JP2730720 B2 JP 2730720B2 JP 62213874 A JP62213874 A JP 62213874A JP 21387487 A JP21387487 A JP 21387487A JP 2730720 B2 JP2730720 B2 JP 2730720B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、車両用無段変速機の変速制御方法に係わ
り、特に、不整地等、駆動輪と走行路面との摩擦変化が
激しく、駆動輪のスリップによる過回転やロック等が生
じやすい状況下で使用される車両に搭載された無段変速
機の変速制御に用いて好適な変速制御方法に関するもの
である。 [従来の技術] 従来知られている車両用無段変速機の制御方法とし
て、エンジン回転数および車速を制御因子とし、これら
の状況に応じた適切な変速比とすべく、前記無段変速機
のアクチュエータを駆動することが挙げられる(例えば
特開昭57−161346号公報参照)。この場合、前述した車
速については、通常、駆動輪の回転速度をもって代表さ
せている。 [発明が解決しようとする問題点] 本発明は、前述した従来の技術における次のような問
題点を解決せんとするものである。 すなわち、例えば不整地等で使用される車両に搭載さ
れた無段変速機を前述したような方法によって制御する
と、車両の駆動輪が低い摩擦の状況下におかれることか
ら走行中における急激なスロットル操作により、駆動輪
がスリップして過回転したり、あるいは、急激な制動操
作により、駆動輪が走行中にもかかわらず停止、もしく
はそれ以前において回転が低下するいわゆるロック状態
になってしまい、駆動輪から検出している制御因子とし
ての車速と実車速との間にずれが生じ、この結果、実車
速に応じた適切な変速制御が行えなくなってしまうおそ
れがあるといった問題点である。 そしてこのような問題点により、次のような現象を誘
発することも想定される。 例えば前記駆動輪がスリップによる過回転を起こした
場合においては、前述した制御方法では、駆動輪の過回
転により車速が上昇したと判断して無段変速機の変速比
を最小値側(TOP側)に調整してしまう。そして、スリ
ップ状態から脱して駆動輪と走行路面との間の摩擦力が
回復したときに、車速が充分でないにも拘わらず変速比
が最小値側(TOP側)となり、車速に応じた適切な駆動
力が得られず充分な加速性能を発揮できない。 一方、急激な制動操作により、駆動輪がロック状態な
いしはそれに近い状態まで回転が低下した場合において
は、無段変速機の変速比を必要以上に大きい方(LOW
側)へ調整してしまい、前述したように駆動輪と走行路
面との間の摩擦力が回復したときに、エンジンブレーキ
が大きく作用してしまい、円滑な操作が損なわれる。 [問題点を解決するための手段] 本発明は前述した従来の問題点を有効に解消し得る車
両用無段変速機の変速制御方法を提供することを目的と
し、この目的を達成するための第1の発明は、車両に搭
載されたエンジンと駆動輪との間に配設された無段変速
機を変速制御するに際し、エンジンの回転数と、車速と
見なした駆動輪の回転速度とを制御因子とするととも
に、車両における基準上限加速度(第1基準加速度V1)
と基準下限加速度(第2基準加速度V2)とを設定し、前
記駆動輪の回転加速度が前記基準上限加速度を超えた場
合には加速時スリップと判断し、前記駆動輪の回転加速
度が前記基準下限加速度を超えた場合には減速時ロック
と判断し、前記加速時スリップ判断時点からスリップ脱
出判定までの間、及び該加速時スリップ脱出判定からの
経過時間が所定の設定時間以下の場合、または、前記減
速時ロック判断時点からの該ロックの経過時間が所定の
設定時間以下の場合は、前記基準上限加速度または前記
基準下限加速度を超える直前の変速比に保持するよう制
御することを特徴としている。 また、第2の発明は、車両に搭載されたエンジンと駆
動輪との間に配設された無段変速機を変速制御するに際
し、エンジンの回転数と、車速と見なした駆動輪の回転
速度とを制御因子とするとともに、車両における基準上
限加速度(第1基準加速度V1)と基準下限加速度(第2
基準加速度V2)とを設定し、前記駆動輪の回転加速度が
前記基準下限加速度を超えた場合には減速時ロックと判
断し、その減速時ロックの経過時間が設定時間以上の場
合には、その経過時間から算出した推定実車速に適合し
た変速比に調整するよう制御することを特徴としてい
る。 [作用] 本発明の第1の発明においては、駆動輪の回転加速度
が基準上限加速度を超えた等には加速時スリップと判断
し、その加速時スリップ判断時点からスリップ脱出判定
までの間、及び加速時スリップ脱出判定からの経過時間
が所定の設定時間を過ぎなければ変速比を保持する。ま
た、駆動輪の回転加速度が基準下限加速度を超えた場合
には減速時ロックと判断し、その減速時ロックの経過時
間が設定時間を過ぎなければ変速比を保持する。また、
第2の発明においては、駆動輪の回転加速度が基準下限
加速度を超えた場合には減速時ロックと判断し、その減
速時ロックの経過時間が設定時間以上の場合に、その経
過時間から算出した推定実車速に適合した変速比に調整
する。いずれの場合も、急加速時に生じたスリップ状態
あるいは急減速時に生じたロック状態から脱したとき
に、実車速に適合した変速比が確保され、適切な駆動力
が得られる。 [実施例] 以下、本発明を、不整地走行用自動二輪車に搭載され
た油圧式無段変速機の変速制御に適用した一実施例につ
いて、図面に基づき説明する。 第1図、第2図は不整地走行用自動二輪車の全体構成
を示す。図中符号1は車体フレーム、Eは車体フレーム
1に支持された2サイクルエンジン、TMはエンジンEの
後段に配された無段変速機である。 この場合の無段変速機TMは、油圧式のものであり、出
力軸2と入力軸(入力部材)3が同一軸線上にある。そ
して、両軸2、3を、エンジンEのクランク軸4と平行
になるよう車体の左右方向に向けて配置されており、入
力軸3がチェーン5を介してクランク軸4に連結されて
いる。また、無段変速機TMは、エンジンEのクランケー
スとしてのケーシング6内に前記チェーン5等とともに
収容され、前記出力軸2の出力端部のみが車体左方向か
ら外部に露出させられている。 また、Wfは非駆動の前輪、WrはエンジンEから駆動力
が伝達される駆動輪としての後輪であり、車体フレーム
1の前部上方には燃料タンク7、また後部のシートレー
ル1a上にはシート8が固定されている。 前記前輪Wfは、車体フレーム1前部のヘッドパイプ9
に取り付けられたフロントフォーク10の下端に支持さ
れ、ヘッドパイプ9の上にはハンドル11が取り付けられ
ている。 一方、前記後輪Wrは、車体フレーム1に対し、クッシ
ョンユニット12の反力を受けながら揺動するよう取り付
けられたスイングアーム13の先端に支持されており、車
体の左側に配したチェーン14により、無段変速機TMの出
力軸2へ連結されている。 このように、この自動二輪車においては、動力伝達手
段チェーン5、14を用いることにより、クランク軸4、
無段変速機TMの入力軸3、出力軸2、後輪Wrの総てを、
第2図に矢印で示す同一方向に回転させるようにしてい
る。 なお、符号15はエアクリーナ、16は排気管、17はアク
セルグリップ、18はクラッチレバーである。また、19
a、19bは、ともにブレーキペダルである。 この場合、左右いずれのブレーキペダル19a、19bを操
作しても後輪Wrに制動をかけることができるようになっ
ている。 次に、第3図に基づいて動力伝達系の油圧回路を説明
する。 同図において、油圧式無段変速機TMは、定吐出量油圧
ポンプPと可変容量型油圧モータMとを、油圧閉回路21
を構成するように相互に接続したものであり、油圧ポン
プPは、エンジンEによって駆動される入力軸3に連結
され、油圧モータMは、出力軸2およびチェーン(伝動
装置)14を介して後輪Wrに連結されている。 油圧閉回路21は、油圧ポンプPの吐出口および油圧モ
ータMの吸入口間を接続する油路21aと、油圧モータM
の吐出口および油圧ポンプPの吸入口間を接続する油路
21bとを備えている。また、これら油路21a、21bには、
入力軸3により駆動される補給ポンプFの吐出口が、補
給油路22および逆止弁23、24を介して接続されており、
油タンクTから汲み上げられる作動油が、補給油路22を
介して前記油圧閉回路21に補給されるようになってい
る。さらに、補給油路22の途中には、この補給油路22の
油圧を一定に保つためにリリーフ弁25が設けられてい
る。 また、前記油圧閉回路21を構成する両油路21a、21b間
は、前記クラッチレバー18の操作に応じて作動するクラ
ッチ弁26を介して接続されている。このクラッチ弁26と
しては、両油路21a、21b間を短絡させる開度と、両油路
21a、21b間を遮断する開度との間を、中間開度位置を経
て切換えることのできる絞り弁が用いられている。 このクラッチ弁26が両油路21a、21を短絡させたとき
には、油圧ポンプPと油圧モータMとの間の作動油の授
受が行なわれず、油圧ポンプPと油圧モータM間は動力
遮断状態となる。また、クラッチ弁26が両油路21a、21b
を遮断したときには、油圧ポンプPおよび油圧モータM
間に作動油の循環作用が生じて駆動力の伝達が行われ、
車両走行状態となる。 前者の状態がいわゆるクラッチを切った状態、後者の
状態がクラッチをつないだ状態である。 さらにクラッチ弁26が中間開度をとるとき、その開度
の応じて油圧モータMから油圧ポンプPへ送り込まれる
作動油の量が調整されている。いわゆる半クラッチ状態
となる。 また、油圧モータMには、その容量を調整する操作部
材27が設けられている。この操作部材27はアクチュエー
タ28に連結されており、アクチュエータ28は、コンピュ
ータから成る制御手段Cによってその作動が制御される
とともに、この制御に伴い、前記油圧モータMの容量を
調整して、前記入力軸3に対する出力軸2の回転数、す
なわち、変速比を変化させるようになっている。 この場合、制御手段Cには、エンジンEのスロットル
開度θを検出するスロットル開度センサSaと、エンジン
Eの回転数Neすなわち入力軸3の回転数を検出するエン
ジン回転数センサSbと、車速Vを代表する後輪(駆動
輪)Wrの回転速度を検出する車速センサScと、アクチュ
エータ28の作動位置すなわち変速比eを検出する変速比
検出センサSeとが接続されており、制御手段Cはそれら
のセンサSa、Sb、ScおよびSeからの入力信号を読み取り
ながら、第4図に示す手順に基づいてアクチュエータ28
の作動を制御する。 ところで、制御手段Cには、変速制御に当たっての制
御条件として、予め設定された2つの基準加速度が記憶
されている。 その一つは後輪Wrのスリップによる過回転に対する制
御に用いられる正の基準加速度(以下第1基準加速度と
称す)1で、他の一つは後輪Wrのロックに対する制御
に用いられる負の基準加速度(以下第2基準加速度と称
す)2である。 前記第1基準加速度1は、前記の自動二輪車を路面
上で最大限加速しながら走行させた場合のスリップが発
生しない後輪Wrの最大回転加速度である。つまり通常走
行時における正方向の加速度の限界値である。 したがって、この第1基準加速度1を越えて後輪Wr
の回転速度が急上昇したことを検出した場合に、後輪Wr
がスリップによる過回転を起こしていると判断すること
ができる。 なお、後輪Wrの回転加速度は、回転速度Vの時間的
変化、つまり =(Vn−Vn-1)/(Tn−Tn-1) として算出することができる。ただし、 Tn−Tn-1=T(一定) である。 この判定の原理を第4図(a)、(b)を用いてさら
に詳しく説明する。 第4図は、前記自動二輪車を一定の速度V0で走行させ
ていて、ある時点でスロットルを開いたところ路面の状
態によりスリップによる過回転を起こし、次いでスリッ
プ状態から脱出して再び車速V0で走行した場合の現象
を、後輪Wrの回転速度および加速度の変化として示して
いる。 第4図(a)は、時間を横軸にとって後輪Wrの回転速
度の変化を示している。 詳述すれば、一定の速度V0で走行中、時刻T0でスロッ
トルを若干開いた。この操作により、後輪Wrがスリップ
し、この後輪Wrの回転速度が急上昇して過回転を生じ、
時刻T1で路面の変化に応じて車輪回転速度の変化率が小
さくなり、時刻T2で最大速度となったのちに減速し始
め、時刻T3で走行路面に確実に食いつき、実車速に応じ
た回転速度となった場合の後輪Wrの回転速度の変化を想
定している。 このように想定した走行状態における加速度の変化
は、第4図(b)に示すとおりである。 すなわち、加速度は、時刻T0で上昇を開始し、高い
値のまま時刻T1まで推移したのちに、時刻T1を過ぎて低
下を始め、時刻T2で零となる。次いで減速時は加速度
が負になり、時刻T3で再び零となる。 一方、こうして後輪Wrがスリップし過回転を生じたこ
とを判定する基準として、第4図(a)(b)中に一点
鎖線で示される基準曲線が与えられる。 この基準曲線は、時刻T0でスリップを伴わずに最大に
加速した場合の速度変化および加速度変化をそれぞれ表
している。 これは、実験等により得られるデータをもとに設定さ
れる。 これらの曲線から、スリップして過回転を生じている
ときと、スリップしていないときの比較ができ、車輪の
過回転の判定を下すことができる。この場合特に、第4
図(b)に示すような第1基準加速度1が設定される
ので、この第1基準加速度1以上になったらスリップ
による過回転が始まったと判断することができる。これ
がスリップ開始の判定の原理である。第4図中Psはスリ
ップ開始と判定したときを示す。 スリップ脱出の判定については、車輪の回転に負の変化
がでたこと、つまり後輪Wrの加速度が正から負に移り
変わることをもって、その判断の基準とする。第4図に
示す例の場合、時刻T2でスリップ脱出と判断する。Peは
スリップ脱出したと判定したときを示す。 一方、前記第2基準加速度2は、前記自動二輪車を
路面上で走行させていて、急制動をかけた場合に後輪Wr
にロックを生じさせない負の最大加速度である。つま
り、通常走行時における負の加速度の限界値である。 したがって、この第2基準加速度2を越えて後輪Wr
の回転速度の加速度が減少させられた場合には、後輪Wr
がロックし実車速より急減速状態にあると判断できる。 さらに、前記制御手段Cには、ある設定時間TSが記憶
されている。 この設定時間TSは、種々の要素に基づき任意に設定す
ることができる。 例えば、前述したスリップやロックの間隔等、あるい
は、走行路面の状態によって変化する摩擦係数等に基づ
いて適宜設定される。 次いで、第5図に基づき制御手段Cの制御手順を説明
する。 (ステップS1) 系の初期化を行い、ステップS2へ移行する。 (ステップS2) エンジン回転センサSbからの信号によりエンジン回転
数Neを読み込み、ステップS3へ移行する。 (ステップS3) 車速センサScからの信号により車速Vを読み込み、ス
テップS4へ移行する。 (ステップS4) 後輪Wrの回転速度の加速度が0以上、つまり減速し
ていないかどうかを判断し、減速状態にない場合には、
ステップS5へ移行し、減速状態にある場合にはステップ
S9へ移行する。 (ステップS5) 後輪Wrがスリップして過回転しているか否か判断し、
その判断に応じてスリップ制御すべきか否か判定する。
すなわち、まずスリップを開始したか否かを≧1で
あるか否かにより判定する。≧1であれば、スリッ
プ開始と判断しスリップ制御を行なうべく指令を発す
る。この指令はスリップ脱出の判断が下されて所定時間
経過するまで持続する。スリップ脱出の判断は、<0
であるか否か、つまり後輪回転に負の変化が表れたか否
かで判定する。負の変化が表れていない場合はスリップ
制御が持続する。 なお、この場合、スリップ脱出と判断してから所定時
間経過するまでスリップ制御を継続するのは、スリップ
脱出の判定を<0に基づいて行なうからである。つま
り<0になった時点T2では、第4図に示すようにまだ
車輪速度Vが大きい。したがって、この時点で直ぐスリ
ップ制御を解除することはできず、そのため所定時間継
続させるのである。第4図の例においては、所定時間と
してT3−T2以上とることが望ましい。 そして、スリップ制御すると判断した場合はステップ
S6に移行し、しないと判断した場合にはステップS9へ移
行する。 (ステップS6) スリップ制御を開始した時点でカウンタに対し設定時
間TSをセットするとともにタイマで計時を開始し、ステ
ップS7に移行する。 (ステップS7) 無段変速機TMの変速比を、スリップ開始直前の変速比
に維持すべく、アクチュエータ28へ信号を出力し、ステ
ップS8へ移行する。 (ステップS8) 前回の車速Vを更新しないよう実行し、ステップS2に
戻る。 ステップS8において、前回の車速Vを更新しない理由
は以下のとおりである。 スリップの開始後、ある時間スリップしたまま後輪Wr
の回転速度が上昇したとする。この際、加速度は最初
急上昇して第1基準加速度1を越えるかもしれない
が、スリップ定常となるに従い、加速度自体は低下す
る。第4図(b)の(イ)で示す区間である。この区間
では、加速度の低下により、途中で<1となってし
まい、実際には、まだ速度が上昇しながらスリップして
いる(第4図(a)、(b)の区間(ロ))にも拘わら
ず、ステップS5でスリップしていないと判断することに
なる。このような誤判断を排除するため、車速Vを更新
しないようにするのである。 一方、このように前回車速Vを更新しないようにした
場合、一旦ステップS5でスリップが開始したと判断する
と、スリップ制御が継続してしまう。そこで、ステップ
S5内では独自にスリップ脱出の判断を下すようになって
いる。前記したように、ステップS5においては、<0
であるか否か、つまり後輪Wrの加速度に負の変化が表れ
たか否かを判断するのであるが、その際、判断の基準と
して前回車速Vの信号が必要である。ところが、前回車
速Vは更新しないようにしてある。したがって、スリッ
プ脱出を判断するために、別に車速VをVNとして格納し
ておく。そして、V−VM<0になったらスリップ脱出と
判断し、前回車速を更新する。もちろん前回車速より今
回車速が小さくなればスリップ脱出と判断する。 そうすることにより、スリップ開始の判断とスリップ
脱出の判断が、実情に即して下されることになる。 (ステップS9) タイマで計測した時間が前記ステップS6で設定した時
間TS以上になったか否かを判断し、時間TSに満たないと
きはステップS7に移行し、時間TS以上のときは、ステッ
プS10に移行する。 (ステップS10) 後輪Wrの回転速度の加速度が<0であるか否かを
判断し、<0である場合には、ステップS11へ移行し
<0でない場合にはステップS13へ移行する。 (ステップS11) 後輪Wrの回転速度の加速度が≦2であるか否か
を判断し、≦2である場合、すなわち、後輪Wrがロ
ックした場合にはステップS12へ移行し、≦2でな
い場合、すなわち、ロック状態でない場合にはステップ
S13へ移行する。 (ステップS12) 前回読み込んだ車速VFが設定値V1以上であるか否かを
判断し、設定値V1未満の場合には通常制御を行うべくス
テップS13へ移行し、設定値V1以上である場合には、ス
テップS16へ移行する。 (ステップS13) 実際のエンジン回転数Neと、スロットル開度θにより
与えられる目標エンジン回転数および車速Vに基づき最
適な変速比を算出し、ステップS14へ移行する。 (ステップS14) 変速比検出センサSeから送られる現在の変速比eと、
ステップS13で計算した変速比を比較し、両者が同等で
あれば変速停止と判断してアクチュエータ28の変速作動
を停止してステップS2へ戻り、同等でない場合はステッ
プS15へ移行する。 (ステップS15) 変速比をステップS13において計算した値とすべくア
クチュエータ28を必要量作動させたのちに、ステップS2
に戻る。 (ステップS16) 後輪Wrのロック時間Tと設定時間TSとを比較し、T<
TSの場合には、摩擦による減速効果は無視できるものと
して判断し、ステップS17へ移行し、T≧TSの場合に
は、摩擦による減速効果が大きいものと判断し、ステッ
プS18へ移行する。 (ステップS17) 変速比を、後輪Wrがロックされる直前の値に保持した
のちにステップS2へ戻る。 (ステップS18) 後輪Wrのロック時間に応じて実車速を推定算出したの
ちにステップS19へ移行する。 (ステップS19) ステップS18において算出された推定車速に応じた適
切な変速比を算出しステップS20へ移行する。 (ステップS20) ステップS19において算出した変速比となるまで、ア
クチュエータ28を作動させたのちにステップS2へ戻る。 ここで、スリップに対する制御手順およびロックに対
する制御手順を個別に示したものが第6図および第7図
である。 次に、この実施例の作用を、ぬかるんだ箇所のある走
行路面において前記自動二輪車を走行させた場合を例に
とって説明する。 走行中ぬかるんだ箇所に到達し、急にスロットルを開
いて後輪Wrがスリップしたとすると、後輪Wrは空転に近
い状態になり、エンジン回転数および後輪Wrの回転速度
が急上昇する。 すると、後輪回転速度Vの上昇にしたがって、スリッ
プによる過回転が始まったことが判断され、無段変速機
TMの変速比が、スリップ開始直前の値に保持される。 これによって、後輪Wrと走行路面との間の摩擦力が回
復したときに、実車速に適合した変速比が確保されるこ
ととなり、駆動力が落ちることなく充分な加速性を維持
することができる。 一方、ぬかるんだ路面を走行中に急制動をかけて後輪
Wrをロックさせた場合、この後輪Wrの回転速度の急速な
減少にしたがって、前述したロック状態が検出され、こ
のロック時間の長さに応じて、無段変速機TMの変速比
が、ロック直前の値に保持されるかあるいは推定車速に
応じLOW側へ変速される。 したがって、走行路面と後輪Wrとの間の摩擦力が回復
したときに、実車速に適合した変速比が確保され、適切
なエンジンブレーキが得られあるいはエンジンの過回転
が防止される。 なお、上記実施例においては、車輪回転加速度が、あ
る決められた一つの設定値を基準としてスリップやロッ
クの判定を行うようにした例について示したが、これに
限られるものではない。 例えば、無負荷空転時の車輪回転速度の変化率つまり
加速度、および、無負荷空転状態から制動をかけて車輪
を停止させた場合の車輪回転の加速度は、予めデータと
してとっておくことができるので、この加速度曲線にあ
る誤差範囲内で近似するとき、これを基準として前述し
た判定を行うこともできる。 また、前輪、後輪で別々に車輪回転速度を検出してお
き、前輪の回転速度の変化と後輪の回転速度の変化との
比較によって前述した判定を行うこともできる。すなわ
ち、この場合基準値は変化することになる。 さらに、前記実施例においては、不整地走行用自動二
輪車に搭載した無段変速機の制御に適用した例について
説明したが、車両の種類、形式を問わずに種々のものに
適用することができ、前記無段変速機の種類も、油圧式
に限らず、ベルト駆動式、あるいはその他のものであっ
てもよい。 [発明の効果] 以上説明したように、本発明の第1の発明において
は、駆動輪の回転加速度が基準上限加速度を超えた場合
には加速度スリップと判断し、その加速時スリップ判断
時点からスリップ脱出判定までの間、及び加速時スリッ
プ脱出判定からの経過時間が所定の設定時間を過ぎなけ
れば変速比を保持する。また、駆動輪の回転加速度が基
準下限加速度を超えた場合には減速時ロックと判断し、
その減速時ロックの経過時間が設定時間を過ぎなければ
変速比を保持する。 また、第2の発明においては、駆動輪の回転加速度が
基準下限加速度を超えた場合には減速時ロックと判断
し、その減速時ロックの経過時間が設定時間以上の場合
に、その経過時間から算出した推定実車速に適合した変
速比に調整する。 いずれの発明も、急加速時に生じたスリップ状態ある
いは急減速時に生じたロック状態から脱したときに、実
車速に適合した変速比が確保され、適切な駆動力が得ら
れるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】 図面は本発明の一実施例を説明するためのもので、第1
図は無段変速機が搭載された自動二輪車の平面図、第2
図は第1図に示す自動二輪車の側面図、第3図は動力伝
達系の油圧回路図、第4図(a)および第4図(b)は
スリップ判定の原理を説明するための図であり、第4図
(a)は駆動輪の回転速度の変化を示す図、第4図
(b)は駆動輪の回転加速度の変化を示す図、第5図は
本発明を実施するための制御手順を示すフローチャー
ト、第6図は駆動輪のスリップに対する制御手順のみを
抜き出したフローチャート、第7図は駆動輪のロックに
対する制御手順のみを抜き出したフローチャートであ
る。 E…エンジン、TM…無段変速機、Sb…エンジン回転数セ
ンサ、Sc…車速センサ、…駆動輪回転加速度、1…
最大基準加速度。
フロントページの続き (72)発明者 八木ケ谷 信幸 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 林 勉 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 片平 潔 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭52−25971(JP,A) 特開 昭60−192155(JP,A) 特開 昭63−74732(JP,A) 実開 昭61−161455(JP,U)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.車両に搭載されたエンジンと駆動輪との間に配設さ
    れた無段変速機を変速制御するに際し、エンジンの回転
    数と、車速と見なした駆動輪の回転速度とを制御因子と
    するとともに、車両における基準上限加速度(第1基準
    加速度V1)と基準下限加速度(第2基準加速度V2)とを
    設定し、 前記駆動輪の回転加速度が前記基準上限加速度を超えた
    場合には加速時スリップと判断し、 前記駆動輪の回転加速度が前記基準下限加速度を超えた
    場合には減速時ロックと判断し、 前記加速時スリップ判断時点からスリップ脱出判定まで
    の間、及び該加速時スリップ脱出判定からの経過時間が
    所定の設定時間以下の場合、 または、前記減速時ロック判断時点からの該ロックの経
    過時間が所定の設定時間以下の場合は、 前記基準上限加速度または前記基準下限加速度を超える
    直前の変速比に保持するよう制御することを特徴とする
    車両用無段変速機の変速制御方法。 2.車両に搭載されたエンジンと駆動輪との間に配設さ
    れた無段変速機を変速制御するに際し、エンジンの回転
    数と、車速と見なした駆動輪の回転速度とを制御因子と
    するとともに、車両における基準上限加速度(第1基準
    加速度V1)と基準下限加速度(第2基準加速度V2)とを
    設定し、 前記駆動輪の回転加速度が前記基準下限加速度を超えた
    場合には減速時ロックと判断し、その減速時ロックの経
    過時間が設定時間以上の場合には、その経過時間から算
    出した推定実車速に適合した変速比に調整するよう制御
    することを特徴とする車両用無段変速機の変速制御方
    法。
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