JPH05202951A - 自動クラッチの制御装置 - Google Patents

自動クラッチの制御装置

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Publication number
JPH05202951A
JPH05202951A JP4269531A JP26953192A JPH05202951A JP H05202951 A JPH05202951 A JP H05202951A JP 4269531 A JP4269531 A JP 4269531A JP 26953192 A JP26953192 A JP 26953192A JP H05202951 A JPH05202951 A JP H05202951A
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JP
Japan
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clutch
control
tire grip
speed
wheel speed
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Application number
JP4269531A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Tanaka
浩 田中
Maki Okayasu
真木 岡安
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Priority to JP4269531A priority Critical patent/JPH05202951A/ja
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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エンジンブレーキ時にタイヤグリップ状態に
対して適切にクラッチ接断制御して、車両の安全性、操
舵性と共にエンジンブレーキ効果を確保する。 【構成】 自動クラッチ3に無段変速機10を組合わせ
た駆動系の制御ユニット27により、アクセル開放のエ
ンジンブレーキ走行モードをセレクトしてエンジンブレ
ーキ作用するとき、低μ路の路面等でタイヤグリップを
減じて車輪速が急激に低下すると、クラッチ切断制御し
て車輪速の低下を防止し、車両の安定性等を確保する。
この状態で、高μ路の路面等に変化してタイヤグリップ
が急に回復すると、直ちにクラッチ接続制御してエンジ
ンブレーキ効果を有効に確保する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の駆動系に装備さ
れて自動的に接断する自動クラッチの制御装置に関し、
詳しくは、エンジンブレーキ時のタイヤグリップに対す
るクラッチ接断制御に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動変速機や無段変速機が搭載
されて自動的に変速する車両においては、降坂走行での
エンジンブレーキを確保するため、通常走行レンジに対
して変速段を低速側に限定したエンジンブレーキ用の走
行レンジが各別に設けられている。そこで、降坂時には
このエンジンブレーキ用レンジをセレクトすることで、
エンジンの大きいブレーキ力が駆動系を介して車輪側に
作用し、車両を低速で安全に走行することが可能にな
る。
【0003】ところでこの場合には、車輪のブレーキ力
をタイヤと路面のグリップ力を介して路面側に伝えて制
動作用するものであるから、タイヤと路面のグリップ力
が高μ路の状態にあることが必要不可欠である。従っ
て、雪道等の低μ路の路面において、上述のようにエン
ジンブレーキ用レンジをセレクトして強力にエンジンブ
レーキ作用する際に、エンジンブレーキ力がタイヤのグ
リップ力を上回ってタイヤロック気味になると、滑走に
より車輪速が急激に低下して操舵不能になることがあ
る。そこで、このような走行条件においては、車両の安
全性,操舵性を確保するため、車輪のエンジンブレーキ
力を一時的に緩めるように制御することが望まれる。
【0004】従来、上記低μ路での走行での制御に関し
ては、例えば特開昭61−129330号公報の先行技
術がある。ここで、自動変速機を搭載した車両におい
て、車輪の回転数の差が所定の値を超えた場合は、クラ
ッチを半ば遮断状態に切換えるように制御することが示
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記先行技
術のものにあっては、主として発進,加速時の車輪スリ
ップを対象としたものであるから、エンジンブレーキ時
の場合にはそのまま適応することができない。
【0006】ここで、自動変速する変速機には自動的に
接断する自動クラッチを組合わせた駆動系に構成されて
おり、上述の低μ路のエンジンブレーキ時にタイヤロッ
ク気味になった場合は、自動クラッチの切断制御により
エンジンブレーキ力を一時的に緩和することが可能にな
る。しかし、この場合にクラッチ切断のままに保持する
と、タイヤのグリップ力が路面の高μ路等により回復し
てもエンジンブレーキが効かなくなって好ましくない。
従って、このようにエンジンブレーキ時にクラッチ切断
制御する場合には、タイヤグリップの回復状況を監視し
て迅速にクラッチ接続するように制御することも必要に
なる。
【0007】本発明は、この点に鑑みてなされたもの
で、エンジンブレーキ時にタイヤグリップの状態に対し
て適切にクラッチ接断制御して、車両の安全性,操舵性
を確保すると共にエンジンブレーキ効果を確保すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、自動クラッチと自動的に変速する変速機を組
合わせた駆動系のクラッチ及び変速制御系において、ア
クセル開放のエンジンブレーキ走行モードを検出するエ
ンジンブレーキ検出手段と、車輪速の減速度からタイヤ
グリップの低下を判断するタイヤグリップ低下判定手段
と、車輪速の加速度からタイヤグリップの回復を判断す
るタイヤグリップ回復判定手段と、エンジンブレーキ時
にタイヤグリップが低下するとクラッチ切断制御し、タ
イヤグリップが回復するとクラッチ接続制御するクラッ
チ接断補正手段とを備えるものである。
【0009】
【作用】上記構成に基づき、自動クラッチが接続制御さ
れ、自動的に変速される変速機からの変速動力が車輪側
に伝達することで、車両走行する。そして、降坂時にア
クセル開放のエンジンブレーキ走行モードがセレクトさ
れると、エンジンブレーキが効くようになり、このとき
低μ路の路面等でタイヤグリップを減じて車輪速が急激
に低下すると、クラッチ切断制御されて車輪速の低下を
防止し、車両の安定性等を確保する。この状態で、高μ
路の路面等に変化してタイヤグリップが急に回復する
と、直ちにクラッチ接続制御されてエンジンブレーキ効
果を有効に確保する。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2において、電磁粉式の自動クラッチに無段変
速機を組合わせた駆動系について説明すると、エンジン
1のクランク軸2が電磁粉式クラッチ3のドライブメン
バ4に連結する。電磁粉式クラッチ3は、その出力側に
クラッチコイル5を備えるドリブンメンバ6を有し、ク
ラッチコイル5に流れるクラッチ電流により、前記両メ
ンバ4,6の間のギャップに電磁粉を結合集積し、これ
による結合力でクラッチが接続制御されるように構成さ
れている。
【0011】上記電磁粉式クラッチ3のドリブンメンバ
6は、前後進切換装置9を介して無段変速機10のプラ
イマリ軸11に連結し、このプライマリ軸11のプライ
マリプーリ12とセカンダリ軸13のセカンダリプーリ
14とにベルト15が巻装される。セカンダリ軸13
は、リダクションギヤ16を介してディファレンシャル
装置17に連結し、ディファレンシャル装置17から車
軸18を介して左右の車輪19に伝動構成される。
【0012】無段変速機10は、制御ユニット27から
のライン圧信号と変速信号が入力する油圧制御回路28
を有し、この油圧制御回路28で各制御弁により所定の
ライン圧Psとプライマリ圧Ppを生じる。そして、ラ
イン圧Psを油路28aにより常にセカンダリプーリ1
4のシリンダ14aに供給して伝達トルクに応じたプー
リ押付力を付与する。また、走行条件によりプライマリ
圧Ppを油路28bによりプライマリプーリ12のシリ
ンダ12aに作用し、ベルト15の巻付け径の比を変え
て自動的に無段変速するように構成される。
【0013】制御系について説明すると、セレクトレバ
ー側のシフト位置センサ20、アクセルペダル側のアク
セルスイッチ21、エンジン回転数センサ22、スロッ
トル開度センサ23、プライマリプーリ回転数センサ2
4、セカンダリプーリ回転数センサ25を有する。そし
て、これらの各信号が制御ユニット27に入力し、制御
ユニット27からのクラッチ制御信号が出力して、電磁
粉式クラッチ3を接断制御する。また、制御ユニット2
7からの変速信号とライン圧信号が油圧制御回路28に
出力し、無段変速機10を変速制御するようになってい
る。
【0014】図1において電子制御系について説明す
る。先ず、無段変速制御系について説明すると、変速制
御部30とライン圧制御部31とを有する。変速制御部
30は実変速比算出部32でプライマリプーリ回転数セ
ンサ24のプライマリプーリ回転数Npとセカンダリプ
ーリ回転数センサ25のセカンダリプーリ回転数Nsと
により実変速比iを算出し、目標変速比算出部33で予
め設定される目標プライマリプーリ回転数Npdとセカ
ンダリプーリ回転数Nsとにより目標変速比isを算出
する。そして変速速度算出部34では、これらの実変速
比i,目標変速比isの偏差等により変速速度di/d
tを求め、これに応じた変速信号を変速制御弁35に出
力して実変速比iを目標変速比isに追従制御する。
【0015】また無段変速機10のシフト位置には、通
常走行時のDレンジ,エンジンブレーキ用のDsレンジ
等が設けられる。そして、シフト位置センサ20で検出
されるこれらのD,Dsレンジ等の信号は目標変速比算
出部33に入力し、Dsレンジの場合には目標変速比i
sを所定の変速比より低速段側に制限して定めるように
なっている。
【0016】ライン圧制御部31は、センサ23のスロ
ットル開度θ,センサ22のエンジン回転数Neにより
エンジントルクTを求め、これと実変速比iにより目標
ライン圧Psdを設定する。そしてこの目標ライン圧P
sdに応じたライン圧信号をライン圧制御弁36に出力
して、伝達トルクに応じライン圧制御する。
【0017】次いで、電磁粉式クラッチの制御系につい
て説明すると、シフト位置センサ20、アクセルスイッ
チ21の信号、エンジン回転数センサ22、スロットル
開度センサ23及びセカンダリプーリ回転数Nsによる
車速信号が入力するクラッチ制御部40を有する。この
クラッチ制御部40は、P,Nのシフト位置の信号が入
力する逆励磁モード判定部41を有し、例えばアイドル
回転時やP,Nレンジの場合に逆励磁モード判定する。
そして、出力判定部44でこのモードを判定すると、電
流制御部45により逆向きの微少電流を電磁粉式クラッ
チ3に流し、残留磁気を除いて完全に解放する。またこ
の逆励磁モード判定信号,アクセルスイッチ踏込み信
号,セカンダリプーリ回転数Nsに基づく車速Vの信号
が入力する通電モード判定部42を有する。この通電モ
ード判定部42は、各走行状態を判断して発進モード電
流設定部43a,ドラツグモード電流設定部43b及び
直結モード電流設定部43cを選択する。
【0018】発進モード電流設定部43aは、エンジン
回転数Ne,スロットル開度θ,車速V,走行レンジ等
の関数で発進特性が与えられており、更にエアコンやチ
ョーク使用の有無に応じ補正して、クラッチ電流を設定
する。ドラッグモード電流設定部43bは、アクセル開
放の減速時に設定車速以下になると、微少のドラッグ電
流を定め、電磁粉式クラッチ3を切断してエンストを防
止し、且つ無段変速機10を含む駆動系にドラツグトル
クを与えてガタ詰め等を行う。この場合にDレンジで
は、特に車両停止直前まで零電流に定めて惰行性を確保
する。直結モード電流設定部43cは、各走行レンジに
おいてスロットル開度θ,エンジン回転数Ne,アクセ
ルスイッチの関数で直結電流を定め、電磁粉式クラッチ
3を節電しつつ係合状態に保持する。これらの電流設定
部43a,43b,43cのクラッチ電流信号は出力判
定部44で選択され、電流制御部45からその信号に応
じたクラッチ電流を電磁粉式クラッチ3に出力してクラ
ッチ制御するようになっている。
【0019】そこで、上記無段変速機制御系とクラッチ
制御系において、エンジンブレーキ時のクラッチ接断制
御について説明する。先ず、シフト位置センサ20とア
クセルスイッチ21の信号が入力するエンジンブレーキ
検出部47を有し、アクセル開放のDsレンジの場合に
エンジンブレーキの走行モードを検出する。また、セカ
ンダリプーリ回転数Nsの車輪速Vwが入力するタイヤ
グリップ低下判定部48と、タイヤグリップ回復判定部
49を有する。タイヤグリップ低下判定部48は、車輪
速Vwの減速度dVw/dtを算出し、この減速度dV
w/dtが設定値a以上に大きい場合は低μ路でのタイ
ヤロックによる車輪速Vwの低下を判断する。タイヤグ
リップ回復判定部49は、車輪速Vwの加速度dVw/
dtを算出し、この加速度dVw/dtが設定値b以上
に大きくなった場合にタイヤグリップの回復を判断する
のであり、これらの判断信号がクラッチ接断補正部50
に入力する。
【0020】クラッチ接断補正部50は、アクセル開放
のエンジンブレーキ時にタイヤグリップ低下信号が入力
すると、タイマ51により所定のクラッチ切断時間To
ffをセットして、クラッチ電流制御部45にクラッチ
切断信号を出力する。また、このような状況においてタ
イヤグリップ回復信号が入力すると、直ちにクラッチ接
続信号をクラッチ電流制御部45に出力するようになっ
ている。
【0021】次に、この実施例の作用について説明す
る。先ず、Dレンジをセレクトしてアクセルを踏込む
と、制御ユニット27のクラッチ制御部40において発
進モード電流設定部43aが出力判定部44により選択
され、電流制御部45により徐々に上昇するクラッチ電
流が電磁粉式クラッチ3に流れ、これに応じたクラッチ
トルクを生じる。そして、クラッチミートして所定の直
結車速に達すると、直結モード電流設定部43cが選択
されて直結電流が電磁粉式クラッチ3に流れ、クラッチ
係合した状態に保持される一方、アクセル開放の減速時
に所定の車速に達すると、ドラツグモード電流判定部4
3bが選択されて微少のドラッグ電流が流され、電磁粉
式クラッチ3を切断してエンストを防止し、且つ駆動系
にドラッグトルクを与えてガタ詰めが行われる。また、
シフト位置がP又はNレンジの場合でエンジン回転数N
eが低回転のときは、逆励磁モードが判定され、出力判
定部44により通常とは逆向きの微少電流が流される。
これにより電磁粉式クラッチ3の残留磁気が除かれ、ク
ラッチが完全に解放制御される。
【0022】また上述のように電磁粉式クラッチ3が接
続すると、エンジン動力が無段変速機10に入力し、こ
の無段変速機10による変速動力が車輪19の側に伝達
して車両走行する。このとき、無段変速機制御系のライ
ン圧制御部31からのライン圧信号がライン圧制御弁3
6に出力して、ライン圧制御される。また変速制御部3
0では、Dレンジであることから、目標変速比isが変
速全域に設定される。即ち、停車及び発進時には目標変
速比isが最大変速比の低速段に設定され、車速と共に
プライマリプーリ回転数Npが上昇すると、目標変速比
isが順次高速段側に設定されるようになる。そして、
この目標変速比isと実変速比iとによる変速速度の変
速信号が変速制御弁35に出力することで、プライマリ
圧Ppが零の状態から増大してプライマリプーリ12に
作用する。そこで、ベルト15は順次プライマリプーリ
12の側に移行して、自動的に最小変速比の高速段にア
ップシフト制御される。また、走行中にアクセル開度が
増大したり、減速時に車速低下すると、目標変速比is
が低速段側に設定されるようになり、こうして自動的に
ダウンシフト制御される。
【0023】上述の変速制御による車両走行において、
降坂時にアクセル開放してDsレンジをセレクトする
と、変速制御部30において目標変速比isが所定の変
速比より低速段側に制限して設定される。そこで、無段
変速機10では、プライマリ圧Ppの低下により強制的
にダウンシフトされ、これによりエンジン回転数Neが
上昇してエンジンブレーキ力が車輪19に作用し、エン
ジンブレーキが効くようになる。
【0024】またこのとき、車輪速Vwの変化状態によ
り電磁粉式クラッチ3が接断補正制御されるのであり、
これを図3のフローチャートを用いて説明する。先ず、
ステップS1からステップS2,ステップS3に進んで
Dsレンジへの切換と、Dsレンジのセレクト状態がチ
ェックされ、全くのDレンジの場合にはステップS4を
介してステップS5に進みクラッチ通常制御し、ステッ
プS6でタイマがクリアする。これに対してDsレンジ
の場合は、ステップS2,S3からステップS7に進ん
でエンジンブレーキ時の車輪速Vwの減速度dVw/d
tをチェックする。ここで、通常の高μ路の路面等でタ
イヤグリップが大きい条件では、そのグリップ力がエン
ジンブレーキ力より充分大きく、これにより車輪速Vw
は比較的小さい減速度dVw/dtで減速して正常にエ
ンジンブレーキが作用する。そこでこのような正常なエ
ンジンブレーキ時には、ステップS7から同様にステッ
プS5に進んで電磁粉式クラッチ3は通常の接続状態に
制御される。
【0025】上記エンジンブレーキ時において路面が低
μ路に変化してタイヤグリップが低下し、これに伴いタ
イヤロック気味になって、図4のように車輪速Vwが車
体速Vbに比べて急激に低下して、車輪速Vwの減速度
dVw/dtが設定値a以上になると、ステップS7か
らステップS8に進む。そしてこの場合は、クラッチ切
断信号が出力して電磁粉式クラッチ3が図4のように直
ちに切断制御されるのであり、これにより車輪19がエ
ンジン1から分離されて大きいブレーキ力が作用しなく
なる。このため、車輪19のタイヤはグリップ力が回復
し、これにより車両の安定性,操舵性等が良好に確保さ
れる。その後、ステップS9に進んでタイマで所定のク
ラッチ切断時間Toffにセットする。
【0026】こうしてクラッチ切断制御されると、車輪
速Vwの低下が減じて減速度dVw/dtは小さくな
り、このためこの条件ではステップS7からステップS
4を介してステップS10に進み、車輪速Vwの加速度
dVw/dtをチェックする。そこで、路面が高μ路に
変化してタイヤグリップが回復し、車輪速Vwの加速度
dVw/dtが図4のように設定値b以上に大きくなる
と、ステップS10からステップS11に進み、直ちに
クラッチ接続信号が出力してクラッチ接続制御され、そ
の後ステップS12でタイマをクリアする。このため、
この高μ路の条件では車輪19が再びエンジン1と連結
してブレーキ力が作用し、これによりDsレンジの本来
のエンジンブレーキが有効に効くようになる。
【0027】また、低μ路のままの状態で車輪速Vwの
加速度dVw/dtが図5のように小さい場合は、ステ
ップS10からステップS13に進み、タイマのクラッ
チ切断時間Toffをチェックする。そして、そのクラ
ッチ切断時間Toffに達しない場合は、ステップS1
4に進んでクラッチ切断制御が継続され、クラッチ切断
時間Toffに達するとステップS11,ステップS1
2に進んで、図5のようにクラッチ接続制御されてエン
ジンブレーキ状態に復帰する。
【0028】図6,図7において、本発明の他の実施例
として乾式クラッチに無段変速機を組合せた駆動系につ
いて説明すると、自動クラッチ3aは、フライホイール
4aにダイヤフラムスプリング5aを有するクラッチプ
レート6aが対向配置し、このスプリング5aにレリー
ズレバー7を介してアクチュエータの例えばDCモータ
8等が連結して構成される。
【0029】DCモータ8は、ブレーキ機構を内蔵して
通電の停止により任意の位置に停止保持するものであ
り、回転を直線変位に変換してレリーズレバー7を操作
する。ここで、例えばモータ8の正転によるレバー7の
操作でフライホイール4とクラッチプレート6aとを摩
擦力で機械的に係合し、DCモータ8の逆転によるレバ
ー7の操作でその係合を解く。また、このDCモータ8
の正逆転時に通電をデューティ制御し、回転速度を変化
してクラッチ位置の変化速度をデューティ比に応じて可
変する構成である。
【0030】制御系について説明すると、セレクトレバ
ー側のシフト位置センサ20、アクセルペダル側のアク
セルスイッチ21、エンジン回転数センサ22、スロッ
トル開度センサ23、プライマリプーリ回転数センサ2
4、セカンダリプーリ回転数センサ25、更にモータ側
でクラッチ位置を検出するクラッチ位置検出センサ26
を有する。そして、これらの各信号が制御ユニット2
7′に入力し、制御ユニット27′からのモータ信号が
DCモータ8に出力して、自動クラッチ3aを接断制御
する。また、制御ユニット27′からの変速信号とライ
ン圧信号が油圧制御回路28に出力し、無段変速機10
を変速制御するようになっている。
【0031】次いで、クラッチ制御系について説明する
と、シフト位置センサ20、アクセルスイッチ21の信
号、セカンダリプーリ回転数Nsによる車速信号が入力
するクラッチ制御部60を有する。このクラッチ制御部
60は、クラッチ断判定部41,半クラッチ判定部6
2,クラッチ接判定部63を有して、ドライバのセレク
ト,アクセル操作と走行条件によりクラッチ切断,半ク
ラッチ及びクラッチ接続をそれぞれ判断する。そしてこ
の判断結果に基づいて、目標クラッチ位置決定部64で
目標クラッチ位置Sdをそれぞれ定めて、モータ制御部
65に入力する。また、実クラッチ位置検出部46では
センサ26の信号により実クラッチ位置Sを検出して、
モータ制御部65に入力する。モータ制御部65はこれ
らの目標クラッチ位置Sdと実クラッチ位置Sの偏差を
算出し、偏差に応じたデューティ比のモータ信号をDC
モータ8に出力して、自動クラッチ3aを接断制御する
ようになっている。
【0032】そこで上記無段変速機制御系とクラッチ制
御系においても、エンジンブレーキ検出部47,タイヤ
グリップ低下判定部48,タイヤグリップ回復判定部4
9,タイマ51,及びこれらの判断信号によりクラッチ
接断を補正するクラッチ接断補正部50が設けられてい
る。
【0033】クラッチ接断補正部50は、アクセル開放
のエンジンブレーキ時にタイヤグリップ低下信号が入力
すると、タイマ51により所定のクラッチ切断時間To
ffをセットして、モータ制御部45にクラッチ切断信
号を出力する。また、このような状況においてタイヤグ
リップ回復信号が入力すると、直ちにクラッチ接続信号
をモータ制御部45に出力するようになっている。
【0034】次に、この実施例の作用について説明す
る。先ず、Dレンジをセレクトしてアクセルを踏込む
と、制御ユニット27′のクラッチ制御部40において
クラッチ切断から半クラッチ判断され、この場合の目標
クラッチ位置Sdがモータ制御部65に入力する。そこ
で、モータ制御部65から目標クラッチ位置Sdと実ク
ラッチ位置Sの偏差に応じたモータ信号がDCモータ8
に出力し、このモータ8が徐々に正回転するのであり、
これにより自動クラッチ3aが順次係合して半クラッチ
状態になる。そして所定の車速になると、クラッチ接続
判断されて目標クラッチ位置Sdが最大に設定され、こ
れ以降はDCモータ8により自動クラッチ3aが完全に
係合した状態に保持される。一方、アクセル開放の減速
時に所定の車速に達すると、クラッチ切断が判断されて
この場合の最小の目標クラッチ位置SdによりDCモー
タ8が逆回転し、これにより自動クラッチ3aは切断し
てエンストが防止される。こうして、自動クラッチ3a
はドライバの操作や走行条件により自動的に切断または
接続する。
【0035】また、Dsレンジでアクセル開放のエンジ
ンブレーキ時において、路面が底μ路に変化してタイヤ
グリップが低下し車輪速が急激に変化した場合は、自動
クラッチ3aは前記実施例と同様に接断制御される。
【0036】本発明の他の実施例として、自動クラッチ
に電磁粉式クラッチを用い、無段変速機に機械式無段変
速機を用いた場合について説明する。図8において、電
磁粉式クラッチ70について説明すると、入力側のドラ
イブメンバ70aと出力側のドリブンメンバ70bとを
有し、種々の信号を制御ユニット27aで処理してコイ
ル70cのクラッチ電流を制御することにより、両メン
バ70a,70bのギャップの電磁粉の結合力を変化し
て自動的に接断するように構成されている。
【0037】機械式無段変速機71は、プライマリプー
リ12にピトー圧センサ72が設けられてその回転に応
じたピトー圧Ptを生じ、センサシュー73が設けられ
て変速比iを検出するようになっている。油圧制御回路
74においてライン圧調整弁75はピトー圧Ptとセン
サシュー73の変速比iに対応したスプリング力が対向
して作用し、両者の関係で油路28aのライン圧Psを
制御する。また変速比制御弁76にはピトー圧Ptと、
アクセルペダル77からのケーブル78により回転する
シフトカム79のスプリング力が対向して作用し、両者
がバランスするように油路28bを介しプライマリシリ
ンダ12aに給排油してプライマリ圧Ppを変化し、変
速比iを機械的に制御する。またDsレンジの場合に
は、セレクトレバー80の操作に応じた作動圧を生じる
セレクト位置検出弁81とアクチュエータ82により、
変速比制御弁76のスプリング力を強制的に増大して、
変速比iを低速段側に制限するように構成されている。
【0038】図8において電磁粉式クラッチ70の制御
ユニット27aについて説明する。先ず、P、Nのシフ
ト位置の信号が入力する逆励磁モード判定部41を有
し、例えばアイドル回転時やP,Nレンジの場合に逆励
磁モード判定する。そして出力判定部44でこのモード
を判定すると、電流制御部45により逆向きの微少電流
を電磁粉式クラッチ70に流し、残留磁気を除いて完全
に解放する。また、この逆励磁モード判定信号,アクセ
ルスイッチ踏込み信号,セカンダリプーリ回転数Nsに
基づく車速Vの信号が入力する通電モード判定部42を
有する。この通電モード判定部42は、各走行状態を判
断して発進モード電流設定部43a,ドラックモード電
流設定部43b及び直結モード電流設定部43cを選択
する。
【0039】発進モード電流設定部43aは、エンジン
回転数Ne,スロットル開度θ,車速V,走行レンジ等
の関数で発進特性が与えられており、更にエアコンやチ
ョーク使用の有無に応じ補正して、クラッチ電流を設定
する。ドラックモード電流設定部43bは、アクセル開
放の減速時に設定車速以下になると、微少のドラック電
流を定め、電磁粉式クラッチ70を切断してエンストを
防止し、且つ無段変速機71を含む駆動系にドラックト
ルクを与えてガタ詰め等を行う。この場合にDレンジで
は、特に車両停止直前まで零電流に定めて惰行性を確保
する。
【0040】直結モード電流設定部43cは、各走行レ
ンジにおいてスロットル開度θ,エンジン回転数Ne,
アクセルスイッチの関数で直結電流を定め、電磁粉式ク
ラッチ70を節電しつつ係合状態に保持する。これらの
電流設定部43a,43b,43cのクラッチ電流信号
は出力判定部44で選択され、電流制御部45からその
信号に応じたクラッチ電流を電磁粉式クラッチ70に出
力してクラッチ制御するようになっている。
【0041】そこで、このような電磁粉式クラッチ制御
系にも、図1と同様にエンジンブレーキ検出部47,タ
イヤグリップ低下判定部48,タイヤグリップ回復判定
部49,タイマ51,及びこれらの信号によりクラッチ
電流を補正するクラッチ接断補正部50が設けられる。
【0042】従ってこの実施例では、発進時に、発進モ
ード電流設定部43aが出力判定部44により選択さ
れ、電流制御部45により徐々に上昇するクラッチ電流
が電磁粉式クラッチ70に流れ、これに応じたクラッチ
トルクを生じる。そしてクラッチミートして所定の直結
車速に達すると、直結モード電流設定部43cが選択さ
れて直結電流が電磁粉式クラッチ70に流れクラッチ係
合した状態に保持されるのであり、これによりエンジン
動力が無段変速機71に入力して車両走行する。そして
Dsレンジのエンジンブレ−キ時に路面μにより車輪速
が急激に変化すると、電磁粉式クラッチ70が同様に切
断制御される。
【0043】以上、本発明の実施例について説明した
が、自動変速機の駆動系にも適応することができる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電磁粉式等の自動クラッチと自動的に変速する変速機を
組合わせた駆動系において、エンジンブレーキの走行モ
ードで車輪速が急激に低下する場合には、自動クラッチ
を切断制御するので、車輪速の低下を防止して車両の安
定性、操舵性が確保されて安全性が向上する。このよう
なエンジンブレーキ時のクラッチ切断制御において、高
μ路の路面等によりタイヤグリップが回復すると直ちに
クラッチ接続制御するように構成されるので、エンジン
ブレーキが有効に効くようになる。更に、車輪速の回復
が少ない場合は、所定の時間経過するとクラッチ接続制
御するように構成されるので、エンジンブレーキの抑制
を最小限にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電磁粉式クラッチの制御装置の実
施例の制御系を示すブロック図である。
【図2】本発明が適応される駆動系と制御系の概略を示
す構成図である。
【図3】エンジンブレーキ時のクラッチ接断制御の作用
を示すフローチャートである。
【図4】エンジンブレーキ時に車輪速が急回復する場合
の動作状態を示すタイムチャートである。
【図5】エンジンブレーキ時に車輪速が緩やかに回復す
る場合の動作状態を示すタイムチャートである。
【図6】本発明を乾式自動クラッチに適用した他の実施
例の制御系を示すブロック図である。
【図7】乾式自動クラッチを適用した駆動系と制御系の
概略を示す図である。
【図8】電磁粉式クラッチと機械式無段変速機を組合わ
せた駆動系と油圧制御系の概略を示す構成図である。
【図9】本発明を電磁粉式クラッチに適用した他の実施
例の制御系を示すブロック図である。
【符号の説明】
3,70 電磁粉式クラッチ 3a 自動クラッチ 10 無段変速機 27,27′,27a 制御ユニット 30 変速制御部 31 ライン圧制御部 40,60 クラッチ制御部 47 エンジンブレーキ検出部 48 タイヤグリップ低下判定部 49 タイヤグリップ回復判定部 50 クラッチ接断補正部 51 タイマ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動クラッチと自動的に変速する変速機
    を組合わせた駆動系のクラッチ及び変速制御系におい
    て、アクセル開放のエンジンブレーキ走行モードを検出
    するエンジンブレーキ検出手段と、車輪速の減速度から
    タイヤグリップの低下を判断するタイヤグリップ低下判
    定手段と、車輪速の加速度からタイヤグリップの回復を
    判断するタイヤグリップ回復判定手段と、エンジンブレ
    ーキ時にタイヤグリップが低下するとクラッチ切断制御
    し、タイヤグリップが回復するとクラッチ接続制御する
    クラッチ接断補正手段とを備えることを特徴とする自動
    クラッチの制御装置。
  2. 【請求項2】 上記クラッチ接断補正手段は、エンジン
    ブレーキ時のクラッチ切断制御の際に車輪速が緩やかに
    回復する場合では、所定の時間によりクラッチ接続状態
    に復帰することを特徴とする請求項1記載の自動クラッ
    チの制御装置。
JP4269531A 1991-09-26 1992-09-11 自動クラッチの制御装置 Pending JPH05202951A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6878095B2 (en) 2001-10-22 2005-04-12 Nissan Motor Co., Ltd. Automatic-clutch control system of automatic clutch type transmission
US7230393B2 (en) 2002-08-29 2007-06-12 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Motor control apparatus and motor control method
JP2009210105A (ja) * 2008-03-06 2009-09-17 Mitsubishi Electric Corp 車両挙動安定化装置
JP2017194140A (ja) * 2016-04-22 2017-10-26 スズキ株式会社 自動変速機の変速制御装置

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