JP2730246B2 - フォトクロミック材料 - Google Patents

フォトクロミック材料

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JP2730246B2 JP2984490A JP2984490A JP2730246B2 JP 2730246 B2 JP2730246 B2 JP 2730246B2 JP 2984490 A JP2984490 A JP 2984490A JP 2984490 A JP2984490 A JP 2984490A JP 2730246 B2 JP2730246 B2 JP 2730246B2
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、フォトクロミック材料に関するものであ
り、柔軟性、強伸度に優れる。
[従来技術] スピロオキサジン化合物が紫外光の照射により、無色
から有色に、また紫外光の遮断によって消色するフォト
クロミック性を有することは、知られており、これを利
用したフォトクロミック感光材料が種々提案されてい
る。従来、このスピロオキサジン化合物を含有するフォ
トクロミック材料は、耐光性が不充分で長時間の光照射
で劣化するという問題があった。
そこで、この耐光性を改良する手段として、特開昭63
-51492号公報には、水酸基を有するフォトクロミック物
質をウレタン樹脂の前駆体と反応硬化させることによっ
て得られるフォトクロミック性材料が示されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、かかる従来技術においては、屋外にお
ける耐候性,膜強伸度が不充分であるなどの問題があっ
た。
本発明は、従来技術の問題点を解決しようとするもの
であり、良好な耐光性を有し、かつ、膜強伸度にも優
れ、また、一般のシリコーン樹脂との優れた相溶性を有
するフォトクロミック材料を提供することを目的とす
る。
[課題を解決するための手段] 本発明は上記目的を達成するために下記の構成を有す
る。
「重合性成分として、少なくとも下記A成分およびB成
分を含む共重合体から成ることを特徴とするフォトクロ
ミック材料。
A成分:一般式[I]で表されるフォトクロミック化
合物。
(式中α環は、ピロリジン環、ピロール環、ピペリジン
環、テトラヒドロピリジン環、ジヒドロピリジン環、イ
ンドリン環、ベンズインドリン環、テトラヒドロキノリ
ン環、アクリジン環、ベンゾオキサゾリン環およびベン
ゾチアゾリン環から選ばれる一種であり、かつα環中の
窒素原子はYmR2または有機基Rと結合したものである。
ここで、Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20
のアルケニル基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数
6〜19のアリール基から選ばれる置換基を表す。
β環は、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン
環、フェナンスレン環、キノリン環、ジベンゾフラン
環、ジベンゾチオフェン環、カルバゾール環およびベン
ゾナフトチオフェン環から選ばれる1種である。
R1は水素、炭素数0〜20のアミノ基、炭素数1〜20の
アルコキシ基、炭素数7〜20のアラルコキシ基、炭素数
6〜14のアリーロキシ基、炭素数2〜20のアシルオキシ
基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜20のアラル
キル基および炭素数6〜20のアリール基から選ばれる置
換基を表す。
R2は、ラジカル重合性官能基を表す。
nは1以上の整数である。
Yは炭素数1〜20の有機基を表す。
mは、0または1を表す。ただし、YmR2がα環中の窒素
原子と結合している場合は、mは1を表す。
B成分:オルガノポリシロキサン基を置換基として有
するアクリルおよびメタアクリルモノマーから選ばれる
少なくとも1種のモノマー。」 本発明のフォトクロミック材料を構成する共重合体
は、前記一般式[I]で示されるフォトクロミック化合
物を重合性成分として少なくとも含有する。一般式
(I)においてα環は、ピロリジン環、ピロール環、ピ
ペリジン環、テトラヒドロピリジン環、ジヒドロピリジ
ン環、インドリン環、ベンズインドリン環、テトラヒド
ロキノリン環、アクリジン環、ベンゾオキサゾリン環お
よびベンゾチアゾリン環から選ばれる一種である。
このα環に含まれる窒素原子は、YmR2または有機基R
と結合して存在するものであり、 N−YmR2またはN−R で表される。
ここで、置換基Rの具体例としては、メチル基、エチ
ル基、オクタデシル基などの炭素数1〜20の鎖状アルキ
ル基、tert−ブチル基、2−メチルペンチル基などの炭
素数3〜20の分枝状アルキル基、シクロヘキシル基、ノ
ルボルニル基、アダマンチル基などの炭素数3〜10のシ
クロアルキル基、ビニル基、アリル基、ヘキセニル基、
1,3−ブタジエニル基、イソプロペニル基などの炭素数
2〜20のアルケニル基、ベンジル基、フェネチル基、
(2−ナフチル)メチル基などの炭素数7〜20のアラル
キル基、フェニル基、2−ナフチル基などの炭素数6〜
19のアリール基を表す。Rは置換されていてもよく、そ
のような場合、置換基の具体例としては、ヒドロキシ
基;アミノ基、ジベンジルアミノ基等のアミノ基;メト
キシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基;
ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基;メチル基、エ
チル基、トリフルオロメチル基、ブチル基などのアルキ
ル基;ベンジル基、4−(2,3−エポキシプロピル)フ
ェネチル基等のアラルキル基;フェニル基等のアリール
基;フロロ基、クロロ基等のハロゲン基;シアノ基;カ
ルボキシ基;ニトロ基;アセチル基等のアシル基;エト
キシカルボニル基、3,4−エポキシブチルオキシカルボ
ニル基等のアルコキシカルボニル基;カルバモイル基、
N−フェニルカルバモイル基等のカルバモイル基;(N
−(アセトキシ)プロピルカルバモイル)オキシ基等の
カルバモイルオキシ基;スルホン酸、その金属塩(例え
ばナトリウム、リチウム塩など)等のスルホン酸基が挙
げられる。
α環の窒素原子に結合し得る他のもうひとつの置換基
であるYmR2のYは炭素数1〜20の有機基であるが、その
具体例としては、メチレン基、プロピレン基などのアル
キレン基、 CH2CH2Oa(aは自然数を示す)などのアルキレンオキシ基、フェ
ニレン基、ナフチレン基などのアリーレン基、などが挙
げられる。ここで、Yで表される置換基はα環中に含ま
れる窒素原子とN−C−結合で存在するものである。
また、mは1でなければならない。さらに、R2はラジカ
ル重合性官能基であるが、その具体例としては、アクリ
ロキシ基、メタクリロキシ基、メタクリルアミド基、p
−ビニルベンゾイロキシ基、m−ビニルベンジル基、
(2−(メタ)アクリロキシアルキル)アミノ基、N−
(2−(メタ)アクリロキシ)アルキルカルバモイル
基、(N−(3−(メタ)アクリロキシ)アルキルカル
バモイル)オキシ基などが挙げられる。
以上のYmR2基は、α環中の窒素原子以外、およびβ環
中の各原子上、また、R1中などにも置換が可能であるこ
とは言うまでもないが、その場合にはmは0であっても
1であってもよい。また、YmR2の一般式(I)中に含ま
れる官能基数であるnは1以上の整数であるが、nが2
以上の場合には、そのYmR2はそれぞれ同種であっても、
異種であっても何ら問題はない。
一方、α環と同様に一般式(I)に含まれるところの
β環はベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フ
ェナンスレン環、キノリン環、ジベンゾフラン環、ジベ
ンゾチオフェフン環、カルバゾール環およびベンゾナフ
トチオフェン環から選ばれて成るものである。
α環およびβ環中には各種の置換基導入が可能であ
り、置換基の導入により、フォトクロミック特性のひと
つである発消色速度のコントロール、さらには発色色調
のコントロールなどを行うこともできる。導入可能で好
ましく適用される置換基の具体例としては、炭素数1〜
20のアルキル基、炭素数7〜20のアラルキル基および炭
素数6〜19のアリール基、さらにはα環中の3′位の炭
素を含めて炭素数3〜10のシクロアルキル基あるいはヒ
ドロキシ基、アミノ基、炭素数1〜20の有機置換アミノ
基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数7〜20のアラ
ルコキシ基、炭素数6〜19のアリーロキシ基、炭素数2
〜20のアシルオキシ基、ハロゲン基、シアノ基、カルボ
キシ基、ニトロ基、炭素数2〜20のアシル基、炭素数2
〜20のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カル
バモイルオキシ基、およびスルホン酸基から選ばれる置
換基を挙げることができる。
また、β環中にヘテロ原子を含むものは、その発色種
を短波長化させたり、吸収極大波長を複数個含ませるた
めの手段として、とくに有効である。中でも窒素原子を
含んだカルバゾール環や、酸素原子を含んだジベンゾフ
ラン環は合成が比較的容易であり、かつ前記特性が顕著
に発現されるという観点から好ましく用いられる。
以上の一般式(I)で表される重合性官能基を有する
スピロオキサジン化合物は、特開昭63-93788号公報、特
開昭63-199279号公報、特開昭63-250380号公報などにて
開示されており、当然、これらも本発明で使用可能なフ
ォトクロミック化合物である。
これらのフォトクロミック化合物は1種のみならず、
2種以上を併用して発色種の吸収波長をブロード化、混
合色化、さらには見掛けの耐久性向上などを行うことが
可能である。
これらフォトクロミック化合物が共重合体中に含有さ
れる割合は、該共重合体使用における目的とする機能に
よって異なるが、十分な発色濃度と経済性を考慮して決
められるものであり、一般的には、共重合体中、0.2重
量%以上、60重量%以下の割合で含有されることが好ま
しい。
本発明の共重合体は、以上のA成分とともにB成分と
してアクリルまたはメタアクリルオキシプロピル変性オ
ルガノポリシロキサン化合物を重合性成分として含む。
具体例としては、末端(メタ)アクリルオキシプロピル
ポリジメチルシロキサン、末端メチルフェネチル(メ
タ)アクリルオキシプロピルポリジメチルシロキサン、
末端(メタ)アクリルオキシポリジメチル−ポリジフェ
ニルシロキサンコポリマー、ポリジメチルポリメチル
(メタ)アクリルオキシプロピルシロキサンコポリマ
ー、末端(メタ)アクリルオキシポリメチルフェネチル
シロキサンなどが挙げられる。
これらのオルガノポリシロキサン基を有する(メタ)
アクリルモノマーが本発明共重合体中に含有される割合
は、該ポリマーが使用される製品形態によっても、ま
た、要求される製品特性によっても異なるが、通常は、
15重量%以上、95重量%以下であることが好ましい。こ
の含有割合が15重量%未満では、良好な膜強伸度が得ら
れにくく、また、95重量%を越えるとフォトクロミック
特性としての発色性および耐光性の点で不充分となる傾
向がある。
これらのB成分を共重合体中に含有することによって
本発明のフォトクロミック材料に、優れた強伸度と耐光
性とを付与することができる。さらには、シリコーン樹
脂との良好な接着性、あるいは、良好な酸素透過性をも
付与することができる。また、一般のシリコーン樹脂と
の優れた相溶性を付与することもでき、各種の変性ポリ
マーを得ることができる。
以上のかかるA成分およびB成分とともに、本発明に
おいて、重合性モノマーとして、共重合可能なものであ
ればいかなるものでも用いることができるが、重合度の
コントロール、他重合成分の選択が容易であること、さ
らにはポリマー中に任意の状態で分布可能なことなどか
ら、とくにラジカル重合性官能基を有するモノマーが好
ましい。かかる重合性官能基としては、アクリル基、メ
タクリル基、スチリル基、ビニル基などが具体例として
挙げられる。
上述の共重合可能なモノマーの具体的化合物例として
は、スチレン、スチレン誘導体、ジビニルベンゼン、ア
クリル酸エステル、メタクリル酸エステル、エチレング
リコールジメタクリレート、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル、メチルビニルケトン、ブタジエン、無水
マレイン酸、塩化ビニリデン等が挙げられ、また高いガ
ラス転移点を付与する点で好ましいモノマーとしてはビ
ニルカルバゾール、N−置換マレイミド、α−メチルス
チレン等が挙げられる。
本発明のフォトクロミック材料の耐光性をさらに向上
させるには、ヒンダードアミノ基および/またはアミド
基および/またはアミノアルキル基を置換基として有す
るアクリルおよび/またはメタアクリルモノマーを共重
合することが有効である。かかるヒンダードアミノ基等
の置換基を側鎖に有する(メタ)アクリレートモノマー
から得られるフォトクロミックポリマーの光安定化機構
は明らかではないが、発消色の繰り返し耐久性、いわゆ
る耐疲労性の向上に効果がある。
かかるヒンダードアミノ基、アミド基およびアミノア
ルキル基から選ばれる少なくとも一種を置換基として有
するモノマーの具体例としては、2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジニル(メタ)アクリレート、1,2,2,6,
6−ペンタメチル−4−ピペリジニル−(メタ)アクリ
レート、(メタ)アクリルアミド、N−n−ブトキシメ
チル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミ
ド、N,N−ジ−n−ブトキシ(メタ)アクリルアミド、
N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ
メトキシ(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエトキシ
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ−n−プロポキシ
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸ジメチル
アミノメチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチ
ル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メ
タ)アクリル酸ジメチルアミノブチル、(メタ)アクリ
ル酸ジエチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸ジエチ
ルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノプ
ロピル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノブチル、
(メタ)アクリル酸ジプロピルアミノメチル、(メタ)
アクリル酸ジプロピルアミノエチル、(メタ)アクリル
酸ジプロピルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジプ
ロピルアミノブチル、(メタ)アクリル酸−N,N−メチ
ルブチルアミノエチルなどのモノマーが挙げられる。
さらには、本発明フォトクロミック材料自身に三次元
架橋性を付与せしめる目的から、架橋性モノマーを共重
合成分として添加併用することも好ましい。かかるモノ
マーとしてはヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、
エポキシ基などの各種反応性官能基を有するビニルモノ
マー、アクリルモノマー、メタクリルモノマーが挙げら
れる。さらに具体的にはヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、(メタ)アクリル酸、ジアルキルアミノアル
キル(メタ)アクリレート、例えば、ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリ
レートなどがその例として挙げられる。一方、かかる共
重合体の架橋に際しては、架橋剤、架橋促進剤として各
種の公知のものが使用可能であり、例えばエポキシ樹
脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、無水多塩基酸、アミン化
合物およびその錯体、金属塩化合物、金属錯体、イソシ
アネート化合物、多官能メルカプト化合物、イミダゾー
ル化合物などが挙げられる。
また、本発明における共重合体の使用に際しては、こ
れらを架橋硬化せしめる目的から、三次元架橋型オルガ
ノポリシロキサン系組成物を添加併用することも有効で
ある。このオルガノポリシロキサン組成物は、常温で液
状でも固形状でもよいが、液状のものが作業性の面で好
ましく用いられる。一般に粘度は1〜1000poiseの範囲
のものが取り扱い易さから好ましく用いられる。
また、強い結合力と硬化した際の耐久性を得る為に
は、二液型で、加熱することにより付加反応し、硬化す
るタイプのものが好適に用いられる。このようなタイプ
の三次元架橋型オルガノポリシロキサン組成物の代表例
の1つとしては、末端にシラノール基を有するポリジメ
チルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリ
メチルビニルシロキサンなどのポリアルキル、ポリアル
ケニル、あるいはポリアリールシロキサンに各種の架橋
剤、例えば、テトラアセトキシシラン、テトラアルコキ
シシラン、テトラエチルメチルケトオキシムシラン、テ
トライソプロペニルシランなどの四官能シラン、さらに
はアルキルあるいはアルケニルトリアセトキシシラン、
トリケトオキシムシラン、トリイソプロペニルシラン、
またはトリアルコキシシランなどの3官能シランなどを
添加混合したもの、場合によってはあらかじめ反応させ
たものが挙げられる。さらにかかるオルガノポリシロキ
サンについて詳しく述べると、その分子構造は直鎖状、
分枝鎖状、網状、環状のいずれであってもよい。シラノ
ール基は、直鎖状や分枝鎖状の場合においては、分枝鎖
末端に位置することが好ましく、網状構造の場合には通
常1分子中に3個以上存在することが好ましい。
また、ケイ素原子に結合した有機基としては、アルキ
ル基、シアノエチル基等の置換アルキル基、ベンジル
基、1−メチル−2−フェニルエチル基等の無置換また
は置換アラルキル基、アリール基、アルケニル基などが
挙げられる。
また、三次元架橋型オルガノポリシロキサン系組成物
中には、かかるオルガノポリシロキサンの硬化作用を助
けるもの、あるいは、硬化物とした後の耐久性を向上さ
せるもの、また、樹脂組成物に均一性を付与するものな
どを添加することが好ましい。これらの特性付与に好ま
しく使用される例としては、酸素原子もしくは窒素原子
によってケイ素原子に連結した湿気加水分解性基を1分
子中に少なくとも3個有するシランあるいは低重合度ポ
リシロキサンを挙げることができる。酸素原子によって
ケイ素原子に連結した湿気加水分解性基としては、アル
コキシ基、アセトキシ基、ビニルオキシ基、ケトキシモ
基等が挙げられ、窒素原子によるものとしては、N,N−
ジオルガノアミノ基、N−オルガノアミド基、イソシア
ネート基等が挙げられる。具体例としては、ビニルトリ
エトキシシラン、エチルトリ(メチルエチルケトキシ
モ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリ
(α−メチルビニロキシモ)シラン、トリビニルペンタ
エトキシトリシロキサン等のシランあるいは低分子量ポ
リシロキサンがある。
また、他の加熱硬化性を有する三次元架橋型オルガノ
ポリシロキサン系組成物の代表例としては、Si-H結合を
有するポリシロキサンと不飽和基を有するポリシロキサ
ンを挙げることができ、白金化合物、パーオキサイドな
どの触媒存在下に硬化させて物品とすることができる。
具体的にはハイドロジェン変性ポリシロキサンとビニル
変性ポリシロキサンの混合物を挙げることができる。あ
るいは同一分子内にハイドロジェンとビニルの両基を含
んだものであってもよい。また、ハイドロジェンおよび
ビニル基がともに、ポリシロキサンの末端位にあっても
内部にあっても何ら問題はない。かかる変性ポリシロキ
サンにおける他の置換基としてはメチル基、エチル基、
オクチル基などのアルキル基、シアノエチル基、クロロ
プロピル基、γ−トリフロロプロピル基、メルカプトプ
ロピル基などの置換アルキル基、フェニル基などのアリ
ール基、フェネチル基、ベンジル基などのアラルキル基
など種々のものを挙げることができる。
すなわち、ハイドロジェン変性ポリシロキサン化合物
の具体例としては、末端水素ポリジメチルシロキサン、
ポリメチルハイドロシロキサン、ポリメチルハイドロ−
ジメチルシロキサンコポリマー、ポリメチルハイドロ−
メチルシアノプロピルシロキサンコポリマー、ポリメチ
ルハイドローメチルオクチルシロキサンコポリマー、ポ
リエチルハイドロシロキサン、ポリメチルハイドロシロ
キサン−ジフェニルシロキサン−ジメチルシロキサンコ
ポリマーなどが挙げられる。
一方、ビニル変性ポリシロキサン化合物の具体例とし
ては、末端ビニルポリジメチルシロキサン、末端メチル
フェニルビニルポリジメチルシロキサン、末端ビニルポ
リジメチルポリジフェニルシロキサンコポリマー、ポリ
ジメチルポリメチルビニルシロキサンコポリマー、末端
メチルジビニルポリジメチルシロキサン、末端ビニルポ
リジメチル−メチルビニルシロキサンコポリマー、末端
ビニルポリメチルフェネチルシロキサン、環状ビニルメ
チルシロキサンなどが挙げられる。
また、前記の触媒である白金化合物、パーオキサイド
としては、塩化白金酸、ジベンゾイルパーオキサイド、
ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、ビス(ジクロルベンゾイル)パーオキサイドなどが
挙げられる。
上述における三次元架橋型オルガノポリシロキサン系
組成物の代表的なものとしては、さらにはメルカプトア
ルキル基を有する変性ポリシロキサンとビニル変性、グ
リシドキシアルキル変性あるいはメタクリロキシアルキ
ル変性の各ポリシロキサンとの組合せ組成物も適用可能
である。
また、本発明のフォトクロミック材料中には、フォト
クロミック特性、例えば、発色濃度の向上などを目的に
各種の増感剤や紫外線吸収剤の添加なども好ましく用い
られる。
また、本発明のフォトクロミック材料は均一系、すな
わち透明であることが良好な発色性および均一な発色濃
度を得る上から好ましい。
さらに、本発明における共重合体には、強伸度を付与
する点で各種架橋剤を添加使用することも可能である。
添加可能な架橋剤としてはメラミン樹脂、尿素樹脂、エ
ポキシ樹脂などが挙げられる。さらには架橋反応を促進
させる目的から各種促進剤、たとえば酸、塩基、さらに
は各種の金属塩、金属キレート化合物、エポキシ硬化剤
などを併用することも可能である。
また、本発明におけるフォトクロミック材料中には、
二酸化チタン、チタンイエロー、カーボンブラック、群
青、弁柄等の無機顔料や、フタロシアニン系、アゾ系、
キナクリドン系、レーキ系等の有機顔料を必要に応じて
適宜、好ましく配合することができる。また、性能向上
のため、レベリング剤、増稠剤、増粘剤、チクソトロピ
ー性付与剤、消泡剤等を適宜、使用することができる。
本発明におけるA成分とB成分からなるポリマーに、
前述の三次元架橋型オルガノポリシロキサン系組成物を
添加することによりフォトクロミック材料を三次元架橋
する場合、その方法としては、通常、加熱によってなさ
れるが、その加熱温度としては室温から250℃が好まし
く適用される。また、加熱時間は温度にも大きく依存す
るが、通常は5分間から24時間程度が好ましく行われ
る。
本発明のフォトクロミック材料から得られる製品形態
およびその形成方法としては、種々の例が挙げられる。
例えば、塗膜状の製品として得る場合には、コーティン
グ法あるいは一般的な印刷法によって形成可能であり、
コーティング法としてはロールコータ法、カーテンフロ
ー法、リバースコータ法、バーコータ法、スキージ塗布
法等の方法があり、印刷法としてはスクリーン印刷法、
グラビア印刷法、パッド印刷法等を用いることができ
る。またシート状、ブロック状等の成形体として得る場
合には、キャスティング法、圧縮プレス法等の形成方法
が適応可能である。
本発明におけるフォトクロミック材料が、被膜として
用いられる場合、その厚みは発色性、コスト面で5μm
〜300μmの範囲が好適に用いられる。
本発明のフォトクロミック材料は、シリコーンゴム成
形品として、あるいはポリエステルフィルム、ポリプロ
ピレン、ポリイミドフィルム等の屈曲される物品に塗布
されるインキ層として、あるいはシリコーン板やシリコ
ーンボルトなどの成型品などとして、好ましく用いられ
る。
本発明によって、優れた柔軟性、展延性を有するフォ
トクロミック性の製品が得られ、特に、印刷物として好
適であり、スポーツ用品、レジャー用品、車用途、イン
テリア用途等、幅広く紫外線感応性を応用した分野に対
応できるものとなる。
[実施例] 以下に本発明の実施例を挙げて説明するが本発明はこ
れに限定されるものではない。
実施例1 n−ブチルメタクリレート、メチルメタクリレート、
ラウリルメタクリレート、1−ベンジル−3,3−ジメチ
ル−9′−メタクリロキシスピロ[インドリン−2,3′
−[3H]−ナフト[2,1−b](1,4)オキサジン]およ
び“FM-0711"(チッ素(株)製オルガノポリシロキサン
系化合物)の5種類からなるモノマーをアゾビスジメチ
ルバレロニトリルを開始剤としてトルエン中で重合温度
70℃、10時間、窒素雰囲気下で重合し、フォトクロミッ
ク化合物とオルガノポリシロキサン化合物が含まれる共
重合体を作製した。
次いで両末端シラノールジメチルポリシロキサン(粘
度50poise)100重量部、“サイロイド"160(富士デヴィ
ソン化学(株)製)20重量部、ヘキサメチルジシラザン
6重量部を密閉式ミキサーに投入し、均一混合し、さら
に減圧下で150℃で2.0Hr混練して流動性のある組成物を
得た。次に硬化剤としてビニルトリ(メチルエチルケト
キシモ)シラン10部を加えて混合したものを作成し、三
次元架橋型オルガノポリシロキサン系組成物とした。
この三次元架橋型オルガノポリシロキサン系組成物2
重量部に対して、前記のフォトクロミック共重合体1重
量部の割合で均一に混合し、塗布液とした。
競泳用シリコーンゴム製水泳キャップにスクリーン印
刷法を用いて印刷し、150℃で30分間加熱して硬化させ
た。塗膜は厚み20μmであった。塗膜は透明性に優れ、
接着性良好であり、ゴムの伸長にも充分耐えるものであ
った。この印刷物を3.0mW/cm2の紫外光量で照射すると
印刷物が青色に発色した。
またこの塗膜はフェードメータ20Hr後の発色テストに
おいても良好な発色性を示した。
実施例2 実施例1において、両末端シラノールジメチルポリシ
ロキサン100重量部に代えて“PRK-3"(トーレ・ダウコ
ーニング・シリコーン(株)製)印刷用インキ100重量
部を用い、硬化剤として、ビニルトリ(メチルエチルケ
トキシモ)シラン10重量部に代えて、“PRK-3"CAT(ト
ーレ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)10部を用
い、さらに、加熱条件150℃,30分間を、200℃,30分間に
する以外は実施例1と同様にして、フォトクロミック性
コーティングを得た。塗膜は厚み25μmであり、実施例
1と同様、透明性に優れ、伸長に充分耐える良好な塗膜
が得られ、良好な発色性と耐光性も得られた。
実施例3 実施例1と同様にして得られた塗布液をポリエステル
離型フィルムに、バーコータNo.30を用いて塗布した。
次いで150℃,30分間加熱して硬化させた。得られたフォ
トクロミック材料を含有したシートの厚みは70μmであ
った。このシートは展延性に富んだものであった。
このシートを3.0mW/cm2の紫外光量で照射するとシー
ト全体が青色に発色した。
またこの塗膜はフェードメータ50Hr後の発色テストに
おいても良好な発色性を示した。
比較例1 実施例1において、フォトクロミック性を有する共重
合体として、n−ブチルメタクリレート、メチルメタク
リレート、ラウリルメタクリレート、1−ベンジル−3,
3−ジメチル−9′−メタクリロキシスピロ[インドリ
ン−2,3′−[3H]−ナフト[2,1−b](1,4)オキサ
ジン]のみを用いた以外は、実施例1と同様にして、塗
膜の印刷された競泳用シリコーンゴム製水泳キャップを
得た。塗膜は厚み30μmであった。この塗膜は、実施例
1で得られた塗膜が透明であり、優れた強伸度を有して
いたのに比べて、白く濁った外観を示した。
[発明の効果] 本発明のフォトクロミック材料を用いることによって
得られたフォトクロミック性を有する材料には次のよう
な効果がある。
1.膜強伸度、展延性に優れている。
2.耐光性、発色性に優れている。
3.透明な外観を有し、シリコーンゴムなどへの接着性に
優れている。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合性成分として、少なくとも下記A成分
    およびB成分を含む共重合体から成ることを特徴とする
    フォトクロミック材料。 A成分:一般式[I]で表されるフォトクロミック化合
    物。 (式中α環は、ピロリジン環、ピロール環、ピペリジン
    環、テトラヒドロピリジン環、ジヒドロピリジン環、イ
    ンドリン環、ベンズインドリン環、テトラヒドロキノリ
    ン環、アクリジン環、ベンゾオキサゾリン環およびベン
    ゾチアゾリン環から選ばれる一種であり、かつα環中の
    窒素原子はYmR2または有機基Rと結合したものである。
    ここで、Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20
    のアルケニル基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数
    6〜19のアリール基から選ばれる置換基を表す。 β環は、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、
    フェナンスレン環、キノリン環、ジベンゾフラン環、ジ
    ベンゾチオフェン環、カルバゾール環およびベンゾナフ
    トチオフェン環から選ばれる1種である。 R1は水素、炭素数0〜20のアミノ基、炭素数1〜20のア
    ルコキシ基、炭素数7〜20のアラルコキシ基、炭素数6
    〜14のアリーロキシ基、炭素数2〜20のアシルオキシ
    基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜20のアラル
    キル基および炭素数6〜20のアリール基から選ばれる置
    換基を表す。 R2は、ラジカル重合性官能基を表す。 nは1以上の整数である。 Yは炭素数1〜20の有機基を表す。 mは、0または1を表す。ただし、YmR2がα環中の窒素
    原子と結合している場合は、mは1を表す。 B成分:オルガノポリシロキサン基を置換基として有す
    るアクリルおよびメタアクリルモノマーから選ばれる少
    なくとも1種のモノマー。
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