JPH10338869A - フォトクロミック硬化性組成物 - Google Patents
フォトクロミック硬化性組成物Info
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- JPH10338869A JPH10338869A JP15241397A JP15241397A JPH10338869A JP H10338869 A JPH10338869 A JP H10338869A JP 15241397 A JP15241397 A JP 15241397A JP 15241397 A JP15241397 A JP 15241397A JP H10338869 A JPH10338869 A JP H10338869A
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Abstract
度、初期着色に優れるばかりでなく、硬化体の硬度など
の物理的性質にも優れた硬化体を与えるフォトクロミッ
ク化合物と重合性単量体との組成物を得る。 【解決手段】 (A):トリメチロールプロパントリメ
タクリレート等の3官能乃至6官能の(メタ)アクリレ
ート系重合性単量体10〜100重量部、並びに
(B):トリプロピレグリコールジメタクリレート等の
2官能の(メタ)アクリレート系単量体、(C):グリ
シジルメタクリレート等の上記(A)及び(B)以外の
(メタ)アクリレート系単量体、又は(D):α−メチ
ルスチレン等のスチリル系単量体の少なくとも一種類の
成分からなる重合性単量体0〜90重量部からなる重合
性単量体100重量に対して0.001〜10重量部の
フォトクロミック化合物を配合したフォトクロミック硬
化性組成物。
Description
特性の発色濃度が高く、退色速度が速く、しかも初期着
色の小さなフォトクロミック硬化体の製造に好適な組成
物に関する。
をひいてきた現象であって、ある化合物に太陽光あるい
は水銀灯の光のような紫外線を含む光を照射すると速や
かに色が変わり、光の照射を止めて暗所に置くと元の色
に戻る可逆作用のことである。この性質を有する化合物
は、フォトクロミック化合物と呼ばれ、従来から種々の
構造の化合物が合成されてきたが、これらのフォトクロ
ミック化合物は室温付近での発色濃度が充分ではない。
ック化合物としてフルギド系フォトクロミック化合物
(以下、単にフルギド化合物と略す)、スピロオキサジ
ン系フォトクロミック化合物(以下、単にスピロオキサ
ジン化合物と略す)及びクロメン系フォトクロミック化
合物(以下、単にクロメン化合物と略す)などが種々知
られている(USP4882438、USP49606
78、USP5130058、USP5106998、
特開平 2−28154号、特開平3−11074号、
WO94/22854、WO95/05371、USP
4913544、EP0600669)。これらのフォ
トクロミック化合物は室温付近で高い発色濃度を示すも
のの、紫外線を遮断した時に元の色に戻る速さ(以下、
退色速度と呼ぶ)が遅く、満足できるものではない。さ
らに、発色濃度の高いスピロオキサジン化合物やクロメ
ン化合物では、紫外線を照射しない状態での着色(以
下、初期着色と呼ぶ)が大きいという問題点を有する。
スとなる重合性単量体、重合触媒さらには添加剤の影響
も受けることが知られており、フォトクロミック化合物
の上記問題点をマトリックスの改良で解決する手法も提
案されている。例えば、USP3627690号公報に
は、クロメン化合物に微量の塩基性成分又は弱酸性成分
を加えることにより、退色速度を向上させた組成物に関
する提案がなされている。また、特開平8−28631
7号公報や特開平2−302754号公報には、フォト
クロミック化合物にカルボン酸の金属塩を添加すること
で、発色濃度や退色速度を改良したフォトクロミック組
成物が示されている。さらに、EP−0227337号
公報には、特定の重合性単量体を用いることにより重合
触媒の使用量を減少せしめ、特定のスピロオキサジン化
合物の分解を抑制するフォトクロミック物品の製造方法
が提案されている。
用されている重合性組成物の系に上記の手法を適用した
ところ、十分な効果が得られなかったり、他の物性が低
下したりするという問題があることが明らかとなった。
移温度を低くせしめるような単量体を添加して硬化体の
硬度を低くすると、フォトクロミック化合物の発色濃度
が大きくなることは知られているが、メガネレンズなど
の用途においては材料強度の点から該方法を採用するに
は問題がある。
ような従来技術の欠点を補う新しい技術の開発するこ
と、即ち、フォトクロミック特性の発色濃度を大きくし
ながら、尚かつ退色速度を速くし、初期着色を小さし、
しかも硬化体の物理的特性を満足させるフォトクロミッ
ク硬化性組成物を提案することである。
色濃度、速い退色速度並びに小さな初期着色を有する、
フォトクロミックレンズに代表されるフォトクロミック
硬化体を得るために、種々の硬化性組成物について鋭意
研究を続けた。その結果、特定の重合性単量体を含むフ
ォトクロミック硬化性組成物が、フォトクロミック特性
の発色濃度が高く、退色速度が速いばかりでなく、しか
も初期着色の小さなフォトクロミック硬化体を与えるこ
とを見い出し、本発明を完成させるに至った。
記一般式(1)又は一般式(3)で示される3官能乃至
6官能の(メタ)アクリレート系重合性単量体10〜1
00重量部、並びに(ii)(B):下記一般式(4)
で示される2官能の(メタ)アクリレート系重合性単量
体、(C):上記(A)及び(B)以外の(メタ)アク
リレート系重合性単量体、又は(D):スチリル系重合
性単量体のうちの少なくとも一種からなる重合性単量体
0〜90重量部からなる重合性単量体100重量部に対
して、[2]フォトクロミック化合物を0.001〜1
0重量部含有してなることを特徴とするフォトクロミッ
ク硬化性組成物である。
り、R6はエチレン基又はプロピレン基であり、dは0
〜10の整数であり(dが0の時は単なる結合手を表
す。)、eは0又は1である(eが0の時は単なる結合
手を表す。)。}で示される有機基であり、R1は水素
原子又は置換基を有していても良い炭素数1から4のア
ルキル基であり、aは3又は4である。〕
も良い前記一般式(2)で示される有機基であり、R2
及びR4は互いに異なっていても良い水素原子又は置換
基を有していても良い炭素数1〜4のアルキル基であ
り、R3は炭素数1〜4のアルキレン基または−CH2O
CH2−であり、b及びcはそれぞれ0〜3の整数であ
り、b+cは3〜6である。}
れ異なっていても良い水素原子又はメチル基であり、f
及びgはそれぞれ0〜14の整数であり、f+gは3〜
14である。) 本発明のフォトクロミック硬化性組成物では、(A):
上記一般式(1)または(3)で示される3官能乃至6
官能の(メタ)アクリレート系重合性単量体を配合する
ことにより、発色濃度、退色速度及び初期着色などのフ
ォトクロミック特性の向上されたメガネレンズなどに好
適に使用し得る硬化体を与えることができる。
組成物は、(i)(A):前記一般式(1)又は一般式
(3)で示される3官能乃至6官能の(メタ)アクリレ
ート系重合性単量体{以下、単に(A)成分ともいう}
10〜100重量部、並びに(ii)(B):下記一般
式(4)で示される2官能の(メタ)アクリレート系重
合性単量体{以下、単に(B)成分ともいう}、
(C):上記(A)及び(B)以外の(メタ)アクリレ
ート系重合性単量体{以下、単に(C)成分ともい
う}、又は(D):スチリル系重合性単量体{以下、単
に(D)成分ともいう}のうちの少なくとも一種からな
る重合性単量体0〜90重量部からなる重合性単量体
(以下、単に重合性単量体[1]ともいう)を使用す
る。
一般式(1)又は(3)で示される(メタ)アクリレー
ト系重合性単量体であれば特に限定はされない。ここで
前記一般式(1)中のR1は水素原子又は置換基を有し
ていても良い炭素数1から4のアルキル基である。ここ
で上記炭素数は置換基中の炭素数は含まない(以下、他
の基についても炭素数を言うときは、置換基中の炭素数
は含まない。)。該アルキル基を具体的に例示すると、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロ
ピル基、t−ブチル基等が挙げられる。また、これらの
アルキル基が有してもよい置換基としては、公知の置換
基が何ら制限なく用いられる。該置換基を具体的に例示
すると、ヒドロキシル基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素
などのハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、プロポ
キシ基などのアルコキシ基が挙げられる。また、前記一
般式(1)中のaは3または4である。aが2以下の時
はフォトクロミック特性の向上と硬化体の物性を両立さ
せることはできない。
般式(2)で表される。一般式(2)中のR6はエチレ
ン基またはプロピレン基である。R6はこれら何れの基
であっても構わないが、硬化体の硬度を大きくするとい
う観点ではエチレン基が好ましく、また、フォトクロミ
ック特性の初期着色を小さくするという観点ではプロピ
レン基が好ましい。また、dは0〜10の整数である
(dが0のときは単なる結合手を表す)。dが10を越
えると、硬化体の硬度が小さくなり、本発明の効果が十
分に発現されない。dのさらに好ましい範囲は0〜6で
ある。また、eは0又は1である(eが0のときは単な
る結合手を表す)。eが2以上の時は原料の入手が著し
く困難になるため現実的ではない。また、該単量体の安
定性を考慮すると、eは1であることが好ましい。
それぞれ独立に前記一般式(1)中のZ1と同義であ
り、一般式(2)で表される。また。一般式(3)中の
R3は炭素数1〜4のアルキレン基又は−CH2OCH2
−である。該アルキレン基としては公知の基が何ら制限
なく用いられるが、該アルキレン基を具体的に例示する
と、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラ
メチレン基、ジメチルメチレン基、1,2−ジメチルエ
チレン基等を挙げることができる。R3はアルキレン基
と−CH2OCH2−の何れであっても構わないが、原料
入手の容易さから、−CH2OCH2−が好ましい。
R4は互いに異なっていても良い水素原子又は置換基を
有していても良い炭素数1〜4のアルキル基である。こ
こで置換基を有していても良い炭素数1〜4のアルキル
基としては前記R1と同様のものが挙げられる。
れぞれ0〜3の整数であり、b+cは3〜6である。b
+cが3より小さいときはフォトクロミック特性の向上
と硬化体の物性を両立させることはできない。
用できる化合物を具体的に例示すると、 1)トリメチロールプロパントリメタクリレート 2)1,1,1−トリス(メタクリロイルオキシエトキ
シメチル)プロパン 3)1,1,1−トリス(メタクリロイルオキシエトキ
シメチル)−2−ヒドロキシエタン 4)1,1,1−トリス(メタクリロイルオキシエトキ
シメチル)−2−メトキシエタン 5)1,1,1−トリス(メタクリロイルオキシエトキ
シメチル)−2−クロロエタン 6)1,1,1−トリス[メタクリロイルオキシトリ
(エトキシ)メチル]プロパン 7)1,1,1,1’,1’,1’−ヘキサ(メタクリ
ロイルオキシエトキシメチル)エチルエーテル 8)1,1,1,3,3,3−ヘキサ[メタクリロイル
オキシノナ(エトキシ)メチル]プロパン 9)1,1,1−トリス(アクリロイルオキシエトキシ
メチル)プロパン 等を挙げることができる。
おいて使用する重合性単量体[1]100重量部中の
(A)成分の量は10〜100重量部、好適には10〜
90重量部、更に好適には20〜80重量部である。重
合性単量体[1]100重量部中の(A)成分の量が1
0重量部未満である場合にはフォトクロミック特性の向
上と硬化体の物性の両立が困難となる。(A)成分はフ
ォトクロミック特性の向上と硬化体の物理的特性の保持
を両立させために必須の成分であって、その作用機構は
明確ではないが、恐らく、(A)成分を使用するとマト
リックスの自由体積が大きくなるものと推定できる。こ
のため、マトリックス中でフォトクロミック化合物が比
較的自由に動くことができ、発色濃度が大きくなり、退
色速度が速くなっているものと考えられる。
て(A)成分のみを用いても発現するが、組成物の成型
性の改良及び得られる硬化体の物理的特性やフォトクロ
ミック特性を向上させるため、(B)成分、(C)成分
又は(D)成分の少なくとも一種類からなる重合性単量
体を重合性単量体[1]100重量部中に最大90重量
部まで加えても構わない。
一般式(4)で示される(メタ)アクリレート系重合性
単量体であれば特に限定されない。ここで前記一般式
(4)中のR7、R8、R9及びR10はそれぞれ異なって
いても良い水素原子またはメチル基である。R8及びR9
は、硬化体の硬度を大きくするという観点では水素原子
が好ましく、また、フォトクロミック特性の初期着色を
小さくするという観点ではメチル基が好ましい。
14である。f+gが14より大きい場合は硬化体の硬
度が小さくなり、また、3より小さい場合は硬化体が脆
くなる。f+gのより好ましい範囲は4〜9である。
用できる化合物を具体的に例示すると、 1)トリエチレングリコールジメタクリレート 2)テトラエチレングリコールジメタクリレート 3)ノナエチレングリコールジメタクリレート 4)テトラデカエチレングリコールジメタクリレート 5)トリプロピレングリコールジメタクリレート 6)テトラプロピレングリコールジメタクリレート 7)ノナプロピレングリコールジメタクリレート 8)ノナエチレングリコールジアクリレート 等を挙げることができる。
体の物理的特性を調整するために好適に用いられる。即
ち、重合性単量体[1]中の(A)成分の量が多いと硬
化体は硬くなる傾向があり、(B)成分の量が多いと硬
化体は柔らかくなる傾向がある。従って、用途ごとに要
求される硬さ(或いは柔らかさに)応じて、重合性単量
体[1]100重量部に対して0〜90重量部の範囲で
(B)成分の量を適宜決定すればよい。(B)成分の好
適な配合量は重合性単量体[1]100重量部に対して
0〜70重量部、さらに0〜60重量部である。
配合することにより、フォトクロミック化合物の耐久性
を高くしたり、硬化体の屈折率を調節したりすることが
できる。(C)成分は、(A)成分及び(B)成分以外
の(メタ)アクリレート系重合性単量体であれば特に限
定されない。好適に用いられる(C)成分を例示すれ
ば、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリ
シジル(メタ)アクリレート、ビスフェノールA−モノ
グリシジルエーテル−メタクリレート、4−グリシジル
オキシブチルメタクリレート、3−(グリシジル−2−
オキシエトキシ)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレ
ート、3−(グリシジルオキシ−1−イソプロピルオキ
シ)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−(グ
リシジルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−2
−ヒドロキシプロピルアクリレート、(メタ)アクリル
酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸ブチル、イソボルニル(メタ)アクリレート、(メ
タ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニ
ル、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチ
ル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリ
コール(メタ)アクリレート、アルコキシポリエチレン
グリコール(メタ)アクリレート、アルコキシポリプロ
ピレングリコール(メタ)アクリレート、トリフロロメ
チル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレ
ート系単量体;ポリブチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリ
レート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、2,2’−ビス(4−メタクリロイルオキシエトキ
シフェニル)プロパンのアクリル酸およびメタクリル酸
エステル化合物、2,2’−ビス(4−メタクリロイル
オキシ・ポリエトキシフェニル)プロパンのアクリル酸
およびメタクリル酸エステル化合物、2,2’−ビス
(4−メタクリロイルオキシプロポキシフェニル)プロ
パンのアクリル酸およびメタクリル酸エステル化合物、
2,2’−ビス(4−メタクリロイルオキシ・ポリプロ
ポキシフェニル)プロパンのアクリル酸およびメタクリ
ル酸エステル化合物、2,2’−ビス(3,5−ジブロ
モ−4−メタクリロイルオキシエトキシ)プロパンのア
クリル酸およびメタクリル酸エステル化合物、水添加ビ
スフェノールAエチレンオキサイド又はプロピレンオキ
サイド付加物のアクリル酸およびメタクリル酸エステル
化合物、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アク
リレート、ジメチロールトリシクロデカンポリエトキシ
ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート、エチレングリコール又はポリエ
チレングリコールとグリシジル(メタ)アクリレートの
反応生成物、プロピレングリコール又はポリプロピレン
グリコールとグリシジル(メタ)アクリレートの反応生
成物、ビスフェノールAエチレンオキサイド又はプロピ
レンオキサイド付加物とグリシジル(メタ)アクリレー
トの反応生成物、水添加ビスフェノールAエチレンオキ
サイド又はプロピレンオキサイド付加物とグリシジル
(メタ)アクリレートの反応生成物、ウレタンアクリレ
ート等の多官能性(メタ)アクリレート系単量体等が挙
げられる。これらの(メタ)アクリレート系単量体は一
種または二種以上を混合して使用してもよく、その配合
比は使用する用途に応じて決定すればよい。重合性単量
[1]100重量部中の(C)成分の配合量は0〜90
重量部の範囲であれば特に限定されないが、70重量部
以下、特に0.1〜60重量部になるように選択するの
が好適である。
高める働きをする。(D)成分はスチリル系重合性単量
体であれば特に限定されない。好適に使用できる(D)
成分としては、スチレン、クロロスチレン、α−メチル
スチレン、α−メチルスチレンダイマー、ビニルナフタ
レン、イソプロペニルナフタレン、ブロモスチレン、ジ
ビニルベンゼン等が挙げられる。これらのスチリル系単
量体は一種または二種以上を混合して使用でき、その配
合比は使用する用途に応じて決定すればよい。重合性単
量[1]100重量部中の(D)成分の配合量は0〜9
0重量部の範囲であれば特に限定されないが、70重量
部以下、特に0.1〜60重量部になるように選択する
のが好適である。
ロミック化合物について説明する。は、本発明で使用す
るフォトクロミック化合物はフォトクロミック作用を示
す化合物を何ら制限なく採用することができる。例え
ば、フルギド化合物、クロメン化合物及びスピロオキサ
ジン化合物等のフォトクロミック化合物がよく知られて
おり、本発明においてはこれらのフォトクロミック化合
物を使用することができる。上記のフォトクロミック化
合物としては、USP4882438、USP4960
678、USP5130058、USP510699
8、WO94/22854、WO95/05371、U
SP4913544、EP0600669等で公知の化
合物を好適に使用できる。これらのフォトクロミック化
合物は1種又は2種以上を混合して使用でき、その配合
比は使用する用途に応じて決定すればよい。
メン化合物及びスピロオキサジン化合物は、本発明によ
るフォトクロミック特性の向上効果が他のフォトクロミ
ック化合物に比べて特に大きいために好適に使用するこ
とができる。本発明において好適に使用できるクロメン
化合物は一般式(5)で表すことができる。
それぞれ同一または異なる水素原子、アルキル基、アリ
ール基、置換アミノ基、飽和複素環基又は不飽和複素環
基であり、R13およびR14は、一緒になって環を形成し
ていてもよく、
いてもよい芳香族炭化水素基または不飽和複素環基であ
る。〕 上記式(5)中、R11、R12、R13およびR14で示され
るアルキル基としては、メチル基、エチル基等の炭素数
1〜4のアルキル基を挙げることができ、アリール基と
してはフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基
等の炭素数6〜10のアリール基を挙げることができ
る。また、置換アミノ基は、上記したようなアルキル基
またはアリール基で水素原子の少なくとも1つが置換さ
れたアミノ基を挙げることができ、また、飽和複素環基
は、ピロリジン環、イミダゾリジン環、ピペリジン環、
ピペラジン環、モルホリン環等の窒素原子、酸素原子、
またはイオウ原子を環構成原子として1〜2個含む5〜
6員環から誘導される一価の基を挙げることができる。
また、不飽和複素環基としては、フラン環、ベンゾフラ
ン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール
環、インドール環、ピリジン環、キノリン環、イソキノ
リン環等から誘導される炭素数4〜9の基を挙げること
ができる。
なって形成する環は、ノルボルニリデン基、ビシクロ
[3.3.1]9−ノニリデン基等をあげることができ
る。
炭化水素基としては、ベンゼン環1個またはその2〜3
個の縮合環から誘導される二価の基を挙げることがで
き、また、二価の不飽和複素環基としては、酸素原子、
窒素原子、またはイオウ原子を環構成原子として1〜2
個含む5〜7員環またはこれとベンゼン環との縮合環か
ら誘導される二価の基を挙げることができる。二価の芳
香族炭化水素基を具体的に例示すると、ベンゼン環、ナ
フタレン環、フェナントレン環、アントラセン環等から
誘導される炭素数6〜14の基をあげることができ、ま
た、二価の不飽和複素環基を具体的に例示すると、フラ
ン環、ベンゾフラン環、ピリジン環、キノリン環、イソ
キノリン環、ピロール環、チオフェン環、チオフェン
環、ベンゾチオフェン環等から誘導される炭素数4〜9
の基を挙げることができる。
いが、例えば、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子:
メチル基、エチル基等の炭素数1〜10のアルキル基:
メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキ
シ基:フェニル基、トリル基、キシリル基等の炭素数6
〜10のアリール基:炭素数7〜14のアルコキシアリ
ール基(炭素数1〜4のアルコキシ基で置換された炭素
数6〜10のアリール基):ピペリジノ基、モルホリノ
基、インドリノ基、ジメチルアミノ基等の炭素数1〜1
0の置換アミノ基:ニトロ基:シアノ基等を例示するこ
とができる。
物としては、特にR11およびR12が共に水素原子であ
り、R13およびR14がそれぞれ同一または異なるアリー
ル基であるか、または不飽和複素環基であるか、若しく
はこれらが一緒になって形成されたビシクロ〔3.3.
1〕9−ノニリデン基またはノルボルニリデン基であ
り、
素数1〜10のアルコキシ基若しくは炭素数1〜10の
置換アミノ基で置換されていてもよいナフタレン環から
誘導される基である化合物が好適に使用できる。
キサジン化合物は一般式(6)で表すことができる。
16およびR17は、それぞれ同一または異なるアルキル
基、シクロアルキル基、シクロアルアルキル基、アルコ
キシ基、アルキレンオキシアルキル基、アルコキシカル
ボニル基、アルコキシカルボニルアルキル基、アリール
基、アラルキル基、アリーロキシ基、アルキレンチオア
ルキル基、アシル基、アシロキシ基またはアミノ基であ
り、R16およびR17は、一緒になって環を形成してもよ
く、R15、R16およびR17は置換基を有してもよく、置
換基としては上記のような基のほかに、ハロゲン原子、
ニトロ基、シアノ基または複素環基等が上げられる。ま
た、
もよい芳香族炭化水素基または不飽和複素環基であり、
もよい芳香族炭化水素基または不飽和複素環基である。
置換基としては上記のR15、R16およびR17で述べた置
換基と同じ基を選択できるが、中でも
い、アルキル基、アルコキシ基またはアリル基等であ
り、またR18およびR19は互いに結合、環化し、含窒素
複素環を形成しても良い。)で示される基が初期のフォ
トクロミック性能においてその発色濃度が高い点で好適
である。
性の向上作用はフルギド化合物に対しても発現する。本
発明で用いられるフルギド化合物は一般式(7)で表さ
れる。
の芳香族炭化水素基または二価の不飽和複素環基であ
り、R20は、アルキル基、アリール基または一価の複素
環基であり、
リデン基であり、Xは、酸素原子、 基 >N−R21、 基 >N−A1−B1−(A2)m−(B2)n−R22、 基 >N−A3−A4、または基 >N−A3−R23であ
り、(ここで、R21は、水素原子、アルキル基またはア
リール基であり、A1、A2およびA3は、同一もしくは
異なっていてもよい、アルキレン基、アルキリデン基、
シクロアルキレン基またはアルキルシクロアルカン−ジ
イル基であり、B1およびB2は、同一もしくは異なって
いてもよい、
れぞれ独立して0または1を示すが、mが0の時はnは
0であり、R22は、アルキル基、ナフチル基またはナフ
チルアルキル基であり、A4は、ナフチル基であり、R
23は、ハロゲン原子、シアノ基またはニトロ基であ
る。)〕 上記式(7)中、
複素環基は、前記式(5)における基と同様であり、こ
れらの各基の置換基は特に制限されないが、例えば、塩
素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子:メチル基、エチル
基等の炭素数1〜20のアルキル基:メトキシ基、エト
キシ基等の炭素数1〜20のアルコキシ基:フェニル
基、トリル基、キシリル基等の炭素数6〜10のアリー
ル基:アミノ基:ニトロ基:シアノ基等を例示すること
ができる。
基、アリール基および複素環基は、上記した炭素数1〜
4のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、およ
び、酸素原子、窒素原子、またはイオウ原子を環構成原
子として1〜2個含む5〜7員環またはこれとベンゼン
環との縮合環から誘導される一価の基を挙げることがで
きる。
基、アリール基は上記R20と同様である。A1、A2およ
びA3で示されるアルキレン基は、メチレン基、エチレ
ン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン
基等の炭素数1〜4の基であることが好ましく、アルキ
リデン基は、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロ
ピリデン基等の炭素数2〜4の基であることが好まし
く、また、シクロアルキレン基は、シクロヘキシレン基
が好ましく、さらにアルキルシクロアルカン−ジイル基
は、ジメチルシクロヘキサン−ジイル基が好ましい。
ルキル基は上記R20と同様であり、ナフチルアルキル基
は、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等の炭素数1
1〜14の基であることが好ましい。
も、フォトクロミック作用の耐久性等を勘案すると、R
20がアルキル基であり、Xが>N−Rであり、Rは炭素
数1〜4のシアノアルキル基、炭素数1〜4のニトロア
ルキル基、または炭素数3〜9のアルコキシカルボニル
アルキル基(炭素数1〜4のアルコキシ基と炭素数1〜
4のアルキレン基を含む)であり、
炭素数7〜14のアルコキシアリール基(炭素数1〜4
のアルコキシ基で置換された炭素数6〜10のアリール
基)で置換されていてもよい複素環基、特にチオフェン
環から誘導される基である化合物が好ましい。
ズに使用する場合は、グレーまたはブラウン等の色調が
好まれるが、このような色調は単一のフォトクロミック
化合物では得られないために、二種以上の異なるフォト
クロミック化合物を混合する方法が採用される。上記し
たフルギド化合物及びスピロオキサジン化合物は一般に
橙〜青に発色するが、これに黄〜橙に発色するクロメン
化合物を混合することにより、グレー、ブラウン等の中
間色を得ることができる。
して好適に使用できるクロメン化合物、スピロオキサジ
ン化合物及びフルギド化合物を具体的に示すと、次のよ
うな化合物を例示することができる。
〔h〕クロメン〕 2)スピロ〔ビシクロ〔3.3.1〕ノナン−9,2′
−〔2H〕ベンゾ〔h〕クロメン〕 3)7′−メトキシスピロ〔ビシクロ〔3.3.1〕ノ
ナン−9,2′−〔2H〕ベンゾ〔h〕クロメン〕 4)7′−メトキシスピロ〔ノルボルナン−2,2′−
〔2H〕ベンゾ〔h〕クロメン〕 5)3,3−ビス(3−フルオロ−4−メトキシフェニ
ル)−6−モルホリノ−3H−ベンゾ〔f〕クロメン 6)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−6−モル
ホリノ−3H−ベンゾ〔f〕クロメン 7)3−(3−トリフルオロメチル−4−メトキシフェ
ニル)−3−(4−メトキシフェニル)−6−チオモル
ホリノ−3H−ベンゾ〔f〕クロメン スピロオキサジン化合物: 1)1’−メトキシカルボニルメチル−8''−メトキシ
−6''−(4−メチルピペラジノ)ジスピロ(シクロヘ
キサン−1,3’−(3H)インドール−2’−(1’
H),3''−(3H)ナフト(3,2−a)(1,4)
オキサジン) 2)6’−フルオロ−1’,5’−ジメチル−6''−モ
ルホリノジスピロ(シクロヘキサン−1,3’−(3
H)インドール−2’−(1’H),3''−(3H)ナ
フト(3,2−a)(1,4)オキサジン) 3)6’−フルオロ−5’−メチル−1’−イソブチル
−6''−モルホリノジスピロ(シクロヘキサン−1,
3’−(3H)インドール−2’−(1’H),3''−
(3H)ナフト(3,2−a)(1,4)オキサジン) 4)3’,3’−ジメチル−1’−イソプロピル−6''
−インドリノスピロ−(3H)インドール−2’−
(1’H),3''−(3H)ナフト(3,2−a)
(1,4)オキサジン 5)3’,3’−ジメチル−1’−イソブチルスピロ−
(3H)インドール−2’−(1’H),3''−(3
H)ナフト(3,2−a)(1,4)オキサジン フルギド化合物: 1)N−シアノメチル−6,7−ジヒドロ−4−メチル
−2−フェニルスピロ(5,6−ベンゾ〔b〕チオフェ
ンジカルボキシイミド−7,2−トリシクロ〔3.3.
1.1〕デカン) 2)N−シアノメチル−6,7−ジヒドロ−2−(p−
メトキシフェニル)−4−メチルスピロ(5,6−ベン
ゾ〔b〕チオフェンジカルボキシイミド−7,2−トリ
シクロ〔3.3.1.1〕デカン) 3)N−シアノメチル−6,7−ジヒドロ−4−メチル
スピロ(5,6−ベンゾ〔b〕チオフェンジカルボキシ
イミド−7,2−トリシクロ〔3.3.1.1〕デカ
ン) 4)6,7−ジヒドロ−N−メトキシカルボニルメチル
−4−メチル−2−フェニルスピロ(5,6−ベンゾ
〔b〕チオフェンジカルボキシイミド−7,2−トリシ
クロ〔3.3.1.1〕デカン) 5)6,7−ジヒドロ−4−メチル−2−(p−メチル
フェニル)−N−ニトロメチルスピロ(5,6−ベンゾ
〔b〕チオフェンジカルボキシイミド−7,2−トリシ
クロ〔3.3.1.1〕デカン) 6)N−シアノメチル−6,7−ジヒドロ−4−シクロ
プロピル−3−メチルスピロ(5,6−ベンゾ〔b〕チ
オフェンジカルボキシイミド−7,2−トリシクロ
〔3.3.1.1〕デカン) 7)N−シアノメチル−6,7−ジヒドロ−4−シクロ
プロピル−スピロ(5,6−ベンゾ〔b〕チオフェンジ
カルボキシイミド−7,2−トリシクロ〔3.3.1.
1〕デカン) 本発明のフォトクロミック硬化性組成物におけるフォト
クロミック化合物の配合量は、重合性単量体〔1〕10
0重量部に対して0.001〜10重量部の範囲であ
る。重合性単量体〔1〕100重量部に対するフォトク
ロミック化合物の配合量が0.001重量部未満の場合
はフォトクロミック特性の可逆的な耐久性が損なわれ、
また、10重量部を越えるときには硬化体の初期着色が
大きくなる。良好なフォトクロミック性能を得るための
フォトクロミック化合物の好適な配合量は、重合性単量
体〔1〕100重量部に対して0.01〜5重量部、特
に0.01〜1重量部の範囲である。
は、更に離型剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、紫外線
安定剤、酸化防止剤、着色防止剤、帯電防止剤、蛍光染
料、染料、顔料、香料等の各種安定剤、添加剤を必要に
応じて混合して使用することができる。
とフォトクロミック化合物の耐久性をさらに向上させる
ことができるために好適である。特に、フルギド化合物
は、紫外線安定剤による耐久性向上の効果が大きいため
に、前記したようなフルギド化合物とクロメン化合物と
を混合して使用する場合にこれらの化合物の中間色の経
時的な変化を良好に防止することができる。
光安定剤、ヒンダードフェノール光安定剤、イオウ系酸
化防止剤を好適に使用することができる。
のではないが、通常は、重合性単量体〔1〕100重量
部に対して各紫外線安定剤の配合量が0.001〜10
重量部、さらに0.01〜1重量部の範囲であることが
好適である。
を併用する場合には、亜リン酸エステル化合物を加える
ことにより、これらのフォトクロ化合物の混合色の経時
的な変化を抑えることができる。したがって、フルギド
化合物とクロメン化合物とを併用する系に上記した紫外
線安定剤と亜リン酸エステル化合物の両者を使用するこ
とは、本発明において最も好適である。亜リン酸エステ
ル化合物の配合量は、重合性単量体〔1〕100重量部
に対して、0.001〜10重量部、さらに0.01〜
1重量部であることが好ましい。
と、フォトクロミック作用の他にも赤外線吸収能も有す
るフォトクロミック硬化体を得ることができる。赤外線
吸収剤としてはポリメチン系化合物、ジイモニウム系化
合物、シアニン系化合物、アントラキノン系化合物、ア
ルミニウム系化合物が使用できるが、分子吸光係数が大
きく、小量の添加で効果を発揮するジイモニウム系化合
物が好適である。
〔1〕100重量部に対して、0.0001〜1重量
部、さらに0.001〜0.01重量部であることが好
ましい。
体を得る重合方法は特に限定的でなく、公知のラジカル
重合方法を採用できる。重合開始手段は、種々の過酸化
物やアゾ化合物などのラジカル重合開始剤の使用、又
は、紫外線、α線、β線、γ線等の照射あるいは両者の
併用によって行うことができる。代表的な重合方法を例
示すると、エラストマーガスケット又はスペーサーで保
持されているモールド間に、ラジカル重合開始剤を混合
した本発明のフォトクロミック組成物を注入し、空気炉
中で酸化させた後、取り外す注型重合が採用される。
ず、公知のものが使用できるが、代表的なものを例示す
ると、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイ
ルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロ
イルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド等のジア
シルパーオキサイド;t−ブチルパーオキシ−2−エチ
ルヘキサネート、t−ブチルパーオキシネオデカネー
ト、クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパー
オキシベンゾエート等のパーオキシエステル;ジイソプ
ロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチル
パーオキシジカーボネート等のパーカーボネート;アゾ
ビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等をあげること
ができる。
や開始剤の種類、前記の単量体の組成によって異なり、
一概に限定できないが、一般的には、重合性単量体
〔1〕100重量部に対して0.001〜10重量部、
好ましくは0.01〜5重量部の範囲が好適である。
トクロミック硬化体の性状に影響を与える。この温度条
件は、開始剤の種類と量や単量体の種類によって影響を
受けるので一概に限定はできないが、一般的に比較的低
温で重合を開始し、ゆっくりと温度を上げていき、重合
終了時に高温下に硬化させる所謂テーパ型の2段重合を
行うのが好適である。重合時間も温度と同様に各種の要
因によって異なるので、予めこれらの条件に応じた最適
の時間を決定するのが好適であるが、一般に2〜40時
間で重合が完結するように条件を選ぶのが好ましい。
ミック硬化体は、その用途に応じて以下のような処理を
施すこともできる。即ち、分散染料などの染料を用いる
染色、シランカップリング剤やケイ素、ジルコニウム、
アンチモン、アルミニウム、スズ、タングステン等のゾ
ルを主成分とするハードコート剤や、SiO2、Ti
O2、ZrO2等の金属酸化物の薄膜の蒸着や有機高分子
の薄膜の塗布による反射防止処理、帯電防止処理等の加
工および2次処理を施すことも可能である。
を重合して得られる硬化体は、フォトクロミック特性の
発色濃度、退色速度、初期着色に優れるばかりでなく、
硬化体の硬度などの物理的性質にも優れる。さらに透明
性、耐溶剤性、耐熱性、耐衝撃性、コート性及び染色性
に優れたフォトクロミック硬化体を得ることができる。
成物を重合して得られる硬化体は、フォトクロミック性
を有する有機ガラスとして有用であり、例えば、フォト
クロミックレンズ等の用途に好適に使用することができ
る。
施例を掲げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。
びフォトクロミック化合物は下記の化合物である。
クリレート系単量体: TMPT:トリメチロールプロパントリメタクリレート TMEP:1,1,1−トリス(メタクリロイルオキシ
エトキシメチル)プロパン TEOE:1,1,1−トリス(メタクリロイルオキシ
エトキシメチル)−2−ヒドロキシエタン TECE:1,1,1−トリス(メタクリロイルオキシ
エトキシメチル)−2−クロロエタン TMTP:1,1,1−トリス[メタクリロイルオキシ
トリ(エトキシ)メチル]プロパン HMEE:1,1,1,1’,1’,1’−ヘキサ(メ
タクリロイルオキシエトキシメチル)エチルエーテル (B)成分の2官能(メタ)アクリレート系単量体: 3PG:トリプロピレングリコールジメタクリレート 4PG:テトラプロピレングリコールジメタクリレート
(ポリプロピレングリコールジメタクリレートの混合物
で、オキシプロピレン鎖の平均モル数が4である単量
体) 9PG:ノナプロピレングリコールジメタクリレート
(ポリプロピレングリコールジメタクリレートの混合物
で、オキシプロピレン鎖の平均モル数が9である単量
体) 4G:テトラエチレングリコールジメタクリレート(ポ
リエチレングリコールジメタクリレートの混合物で、オ
キシエチレン鎖の平均モル数が4である単量体) (C)成分の(メタ)アクリレート系単量体 GMA:グリシジルメタクリレート HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート BPE:2,2−ビス(メタクリロイルオキシエトキシ
フェニル)プロパン (D)成分のスチリル系単量体 MS:α−メチルスチレン DMS:α−メチルスチレンダイマー フォトクロミック化合物: クロメン化合物; c1:スピロ〔ビシクロ〔3.3.1〕ノナン−9,
2′−〔2H〕ベンゾ〔h〕クロメン〕 c2:7′−メトキシスピロ〔ビシクロ〔3.3.1〕
ノナン−9,2′−〔2H〕ベンゾ〔h〕クロメン〕 c3:3,3−ビス(3−フルオロ−4−メトキシフェ
ニル)−6−モルホリノ−〔3H〕ベンゾ〔f〕クロメ
ン c4:3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−6−モ
ルホリノ−〔3H〕ベンゾ〔f〕クロメン スピロオキサジン化合物; s1:6’−フルオロ−1’,5’−ジメチル−6''−
モルホリノジスピロ(シクロヘキサン−1,3’−(3
H)インドール−2’−(1’H),3''−(3H)ナ
フト(3,2−a)(1,4)オキサジン) s2:6’−フルオロ−5’−メチル−1’−イソブチ
ル−6''−モルホリノジスピロ(シクロヘキサン−1,
3’−(3H)インドール−2’−(1’H),3''−
(3H)ナフト(3,2−a)(1,4)オキサジン) s3:3’,3’−ジメチル−1’−イソブチルスピロ
−(3H)インドール−2’−(1’H),3''−(3
H)ナフト(3,2−a)(1,4)オキサジン フルギド化合物; f1:N−シアノメチル−6,7−ジヒドロ−4−メチ
ル−2−フェニルスピロ(5,6−ベンゾ〔b〕チオフ
ェンジカルボキシイミド−7,2−トリシクロ〔3.
3.1.1〕デカン) f2:N−シアノメチル−6,7−ジヒドロ−2−(p
−メトキシフェニル)−4−メチルスピロ(5,6−ベ
ンゾ〔b〕チオフェンジカルボキシイミド−7,2−ト
リシクロ〔3.3.1.1〕デカン) f3:N−シアノメチル−6,7−ジヒドロ−4−メチ
ルスピロ(5,6−ベンゾ〔b〕チオフェンジカルボキ
シイミド−7,2−トリシクロ〔3.3.1.1〕デカ
ン) 実施例1〜17、比較例1〜3 表1に示した(A)〜(D)成分及びフォトクロミック
化合物よりなる組成物に、ラジカル重合開始剤としてt
−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネートを1重量
部添加してよく混合した。この混合液をガラス板とエチ
レン−酢酸ビニル共重合体からなるガスケットで構成さ
れた鋳型の中へ注入し、注型重合を行った。重合は空気
炉を用い、30℃から90℃で18時間かけ、徐々に温
度を上げていき、90℃に2時間保持した。重合終了
後、鋳型を空気炉から取り外し、放冷後、硬化体を鋳型
のガラス型から取り外した。
クロミック特性、硬化体の物性及を以下の方法で試験し
た。
ホトニクス製のキセノンランプL−2480(300
W)SHL−100をエアロマスフィルター(コーニン
グ社製)を介して20℃±1℃、フォトクロミック硬化
体表面でのビーム強度365nm=2.4mW/cm2,
245nm=24μW/cm2で120秒間照射して発
色させ、目視で発色色調を判断した。また、ε(120
秒)−ε(0秒)の値を求め、発色濃度とした。但し、
ε(120秒)は、最大吸収波長におけるフォトクロミ
ック硬化体の上記条件下での光照射120秒間の後の吸
光度であり、ε(0秒)は、光照射時の最大吸収波長に
おける未照射硬化体の吸光度である。
る時間t1/2で表した。
長における吸光度で表した。
てL−スケールでの値を測定した。
Claims (2)
- 【請求項1】 [1](i)(A):下記一般式(1)
又は一般式(3)で示される3官能乃至6官能の(メ
タ)アクリレート系重合性単量体10〜100重量部、
並びに(ii)(B):下記一般式(4)で示される2
官能の(メタ)アクリレート系重合性単量体、(C):
上記(A)及び(B)以外の(メタ)アクリレート系重
合性単量)、又は(D):スチリル系重合性単量体のう
ちの少なくとも一種からなる重合性単量体0〜90重量
部からなる重合性単量体100重量部に対して、[2]
フォトクロミック化合物を0.001〜10重量部含有
してなることを特徴とするフォトクロミック硬化性組成
物。 【化1】 〔式中、Z1は下記一般式(2) 【化2】 {式中、R5は水素原子又はメチル基であり、R6はエチ
レン基又はプロピレン基であり、dは0〜10の整数で
あり(dが0の時は単なる結合手を表す。)、eは0又
は1である(eが0の時は単なる結合手を表す。)。}
で示される有機基であり、R1は水素原子又は置換基を
有していても良い炭素数1〜4のアルキル基であり、a
は3又は4である。〕 【化3】 {式中、Z2及びZ3は互いに異なっていても良い前記一
般式(2)で示される有機基であり、R2及びR4は互い
に異なっていても良い水素原子又は置換基を有していて
も良い炭素数1〜4のアルキル基であり、R3は炭素数
1〜4のアルキレン基または−CH2OCH2−であり、
b及びcはそれぞれ0〜3の整数であり、b+cは3〜
6である。} 【化4】 (式中、R7、R8、R9及びR10はそれぞれ異なってい
ても良い水素原子又はメチル基であり、f及びgはそれ
ぞれ0〜14の整数であり、f+gは3〜14であ
る。) - 【請求項2】 請求項1記載のフォトクロミック硬化性
組成物を硬化させてなるフォトクロミック性硬化体。
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