JP2729220B2 - 冷蔵ショーケース - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、スーパーマーケット等
において、食品を冷蔵状態で陳列する冷蔵ショーケース
に関し、特に、食品を陳列した陳列用カートを、簡単に
出し入れして、商品の陳列や補充を容易に行い得るよう
にした冷蔵ショーケースに関する。

【０００２】

【従来の技術】スーパーマーケット等では、生鮮食品用
の陳列棚を冷蔵ショーケースとして構成して、食品の品
質を保全するようにしている。

【０００３】従来の冷蔵ショーケースでは、一般に、陳
列棚の上方に設置した庇体の前縁から、下方に向けて冷
風を吹き下ろし、床面に設置した吸引用ダクトで冷風を
吸引することにより、陳列棚の前面に冷風のエアカーテ
ンを形成している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】また冷蔵ショーケース
は、一般に、陳列棚を通路に面して設置され、陳列棚に
対する食品の陳列や補充は、前面の通路側から行われ
る。

【０００５】すなわち、食品を陳列補充する際には、他
の場所に設置されている冷蔵倉庫内で、補充すべき食品
を台車（以下、搬送カートという）に載せ、この搬送カ
ートを、店内の通路を経て冷蔵ショーケースの前面まで
移動させて、搬送カートから食品を陳列棚に移し代え
る。

【０００６】したがって、食品を陳列棚に補充する間
は、通路に搬送カートを停止させておかねばならないの
で、顧客の通行を妨げ、買物のじゃまになる。食品の補
充の間も、顧客が容易に通行できるように通路の幅を大
きくすると、売場の有効面積が減少して、店舗の使用効
率が悪くなる。

【０００７】このような不都合を改善する手段として、
定位置に固設された陳列棚に代えて、搬送カート自体を
陳列棚として形成し、冷蔵倉庫内で搬送カートに食品を
陳列状態に載置した後、これを冷蔵ショーケース内へ移
動させて、そのまま陳列棚として使用できるようにした
ものがある。

【０００８】しかし、この場合も、冷蔵ショーケースの
前面の床面上に冷風の吸入ダクトが設置されるため、ま
ず、吸入ダクトを取り外して搬送カートの通路を開放し
た後、使用ずみの搬送カートを冷蔵ショーケースから引
き出し、新しい搬送カートを冷蔵ショーケース内に入れ
てから、吸入ダクトを床面に再装着しなければならず、
少なからぬ時間と労力を必要とする。

【０００９】このように搬送カートの交換に時間がかか
ると、やはり顧客のじゃまになり、また、搬送カート上
の食品が室温に曝される時間が長くなって、食品の鮮度
が低下する。

【００１０】本発明は、従来の冷蔵ショーケースにおけ
るこれらの不都合を改善し、陳列棚を備える搬送カート
を、迅速かつ容易に搬出入できるようにした冷蔵ショー
ケースを提供することを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明は、建物の壁面の前面に近接させて設けた水
平の庇体を、建物の天井の下面に固着するとともに、庇
体の左右両側で、それぞれ側面板の上端を支持させるこ
とにより、前後面が開口し、かつ後部が建物の壁面に近
接する門型の陳列用ブースを形成し、前記庇体の後縁に
外気吸入口を、同じく前縁に下方を向く冷気吹出口を、
また、庇体の下面に外気冷却用ユニットを設け、もっ
て、前記陳列用ブース内における床面上に、冷気用吸入
ダクトを設けることなく、陳列棚を兼ねる移動可能な搬
送カートを配置したことを特徴としている。

【００１２】

【作用】庇体に取付けた蒸発器からの冷風は、庇体の前
縁の吹出口から、床面に向けて下方に吹き下ろされ、建
物の壁面の前面に沿って上昇した後、庇体の後縁の吸入
口へ循環する。庇体の下方の床面には、従来のような吸
入ダクトを設ける必要はないため、陳列棚を兼ねる搬送
カートを、冷蔵ショーケースに迅速かつ容易に搬出入で
きる。

【００１３】

【実施例】図１は、本発明の冷蔵ショーケースの一実施
例の外観を示す前方斜視図である。図２は、図１の冷蔵
ショーケースの縦断側面図である。

【００１４】建物（３０）の壁面（２９）の前面に近接
して、建物（３０）の天井（４）の下面に、取付ブラケ
ット（５）を介して、水平の庇体（１）を、別ボルト
（１２）をもって固着してある。

【００１５】庇体（１）の左右側縁により、それぞれ側
面板（２）の上端を支持させることにより、前後面が開
口し、かつ後部が側面（２９）に近接する門型の陳列用
ブースを形成してある。

【００１６】左右の側面板（２）の間の床面（６）は、
その前面の通路及び後面の床面と等高の平坦面となって
おり、陳列棚を兼ねる搬送カート（３）を、陳列用ブー
スの前後から搬出入できるようにしてある。

【００１７】庇体（１）は、水平のフレーム（１１）の
前端に垂下部（１ａ）を有している。

【００１８】フレーム（１１）の中央部下面には、外気
冷却用ユニット、例えば冷却機と連結された蒸発器（１
３）が装着されている。冷却機の本体（図示省略）は、
庇体（１）と分離して、床面（６）の適所に設けられて
いる。

【００１９】蒸発器（１３）の下面には、蒸発器（１
３）から排出される水滴を庇体（１）の後部へ排出させ
るためのドレインパン（１４）が設けられいる。

【００２０】フレーム（１１）の後端には、格子状をな
す吸入口（１５）を取付けてある。吸入口（１５）は、
下部がやや前傾して、後下方からの気流を吸入し易いよ
うになっている。

【００２１】吸入口（１５）の前側に吸気フアン（１
６）を設け、吸入口（１５）から吸入した外気を、蒸発
器（１３）に送りこむようにしてある。

【００２２】フレーム（１１）の前端の垂下部（１１
ａ）の下端に、後方を向き、かつ格子状をなす冷気吹出
口（１７）を取付けてある。冷気吹出口（１７）の後部
はやや下傾しており、蒸発器（１３）から出る冷却され
た空気を、前下方へ向けて吹き出すようにしてある。

【００２３】冷気吹出口（１７）の後端と吸入口（１
５）の下端との間に、カバー板（１８）を架設してあ
り、カバー板（１８）の下面前部には、陳列用ブース内
を照明するためのランプ（１９）を取付けてある。

【００２４】フレーム（１１）の上面前部に、前方へ突
出する支持板（２０）を固着し、支持板（２０）の前端
より垂下するランプカバー（２２）の後側に、後記する
表示パネル（２４）を照明するランプ（２１）を取付け
てある。

【００２５】フレーム（１１）の前端の垂下部（１１
ａ）の下端と、支持板（２０）の中間部の下面との間に
は、下部が後方へ傾く支持板（２３）を固着し、支持板
（２３）の前面には、この冷蔵ショーケースで販売する
商品名を表示した表示パネル（２４）を止着してある。

【００２６】陳列用ブース内における床面（６）には、
従来のような冷気吸入用ダクトは設けられておらず、床
面（６）は完全な平面となっている。

【００２７】陳列棚を兼ねる搬送カート（３）は、車輪
（２５）を備える台車（２６）の左右両側より支持枠
（２７）（２７）を立設し、かつ左右の支持枠（２７）
（２７）間に、複数段の棚板（２８）を架設したもので
ある。支持枠（２７）は、図１に示すように、左右方向
の中間にも設けて、３個とすることもある。

【００２８】他の個所に設けた冷蔵倉庫内で、搬送カー
ト（３）の棚板（２８）上に、所要の食品類を載置した
後、搬送カート（３）を、陳列用ブースの中へ移動させ
る。この場合、陳列用ブース内の床面（６）は、店内の
通路と同一面に形成されており、かつ、床面（６）から
突出する障害物がないので、搬送カート（３）を迅速か
つ容易に陳列用ブース内に搬出入することができる。

【００２９】吸気フアン（１６）により吸入口（１５）
から吸入され、蒸発器（１８）を通って冷却された空気
は、冷気吹出口（１７）から下方に吹き出して、図２に
矢印で示すように、冷蔵ショーケースの前部を下降し、
搬送カート（３）の棚板（２８）上に陳列されている食
品を保冷した後、庇体（１）の後端の吸入口（１５）へ
還流する。

【００３０】陳列用ブースの後面は、建物の壁面に近接
しているから、冷気の循環は、より効果的に、かつ良好
に行われる。

【００３１】しかして、庇体（１）の後端の吸入口（１
５）は、下部を前方に向けて傾斜しているので、吸気フ
アン（１６）によって吸入される気流は、壁面（２９）
に沿って円滑に上昇するとともに、陳列用ブースの下部
を、前方から後方の壁面（２９）に向かって流れる気流
は、効果的に誘導される。そのため、冷気吹出口（１
７）から下方に向かって吹き出した冷気は、搬送カート
（３）を万遍なく確実に通過して、後方へ流れ、陳列し
た食品は、効率よく保冷される。

【００３２】

【発明の効果】（ａ） 食品類を保冷するための冷却ユ
ニット及び冷気循環用の吸入口と吹出口等を、すべて、
陳列用ブースにおける上方の庇体に設置してあり、床面
上並びに側面板の内方へ突出する部材がないので、搬送
カートを陳列用ブース内に、円滑かつ容易に搬出するこ
とができる。

【００３３】（ｂ） したがって、商品の陳列補充を、
通路に搬送カートを停止させておくことなく、迅速かつ
容易に行うことができ、顧客の買物を妨げることがな
く、店内の混雑防止に寄与するとともに、サービスの向
上が図られる。

【００３４】（ｃ） 陳列用ブースを、その後面を建物
の壁面に近接させて設置してあるから、冷気は、壁面の
前面に沿って円滑に上昇し、効果的に循環する。

【００３５】（ｄ） 庇体は天井に固着され、陳列用ブ
ースの側面板によって支持されていないから、側面板を
軽量かつ低強度のものとすることができ、しかも、庇体
の保持は強固である。

【００３６】（ｅ） 食品類を、冷蔵倉庫から陳列用ブ
ース内へ搬送する搬送カート自体を、陳列棚を兼ねるよ
うに構成したことにより、商品の陳列補充に際して、搬
送カートから陳列棚に移し代える手間がなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の冷蔵ショーケースの外観を
示す前方斜視図である。

【図２】冷蔵ショーケースの縦断側面図である。

【符号の説明】

（１）庇体 （２）側面板 （３）搬送カート （４）天井 （５）取付ブラケット （６）床面 （１１）フレーム （１２）吊りボルト （１３）蒸発器（冷却装置） （１４）ドレインパン （１５）吸入口 （１６）吸気フアン （１７）冷気吹出口 （１８）カバー板 （１９）ランプ （２０）支持板 （２１）表示パネル照明ランプ （２２）ランプカバー （２３）支持板 （２４）表示パネル

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−34455（ＪＰ，Ａ) 特公 昭56−11870（ＪＰ，Ｂ２) 特公 昭51−21560（ＪＰ，Ｂ２) 実公 昭51−23417（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 建物の壁面の前面に近接させて設けた水
   平の庇体を、建物の天井の下面に固着するとともに、庇
   体の左右両側で、それぞれ側面板の上端を支持させるこ
   とにより、前後面が開口し、かつ後部が建物の壁面に近
   接する門型の陳列用ブースを形成し、前記庇体の後縁に
   外気吸入口を、同じく前縁に下方を向く冷気吹出口を、
   また、庇体の下面に外気冷却用ユニットを設け、もっ
   て、前記陳列用ブース内における床面上に、冷気用吸入
   ダクトを設けることなく、陳列棚を兼ねる移動可能な搬
   送カートを配置したことを特徴とする冷蔵ショーケー
   ス。