JP2728139B2 - インク制御装置用のデーター収集方法と装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、特許請求の範囲第１項の上位概念に記載し
た方法及び装置に関する。

〔従来の技術〕

印刷機において、インク供給のための制御装置を設け
ることは現在では一般的に行われている。データは印刷
像の全体に亘って収集され、そして前もって記録されて
いる目標データと比較される。このような方法を実施す
るための装置は通常、濃度測定装置と、データを収集し
評価するためのコンピュータ装置と、遠隔制御可能なイ
ンク出し調整装置とを有している。しかしながらこれら
の装置、例えば濃度測定装置等はモータ駆動式の自動濃
度計として組み込まれるために極めて高価である。それ
以外にも印刷枚葉紙上には、複数の測定領域を網羅する
印刷コントーロールパッチが設けられなければならず、
これは印刷品質の評価のためにもコンピュータ装置には
不可欠なものである。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明の課題は、装置コストの大幅な削減を図り、そ
の他にも専用の印刷コントロールパッチの配設が不要と
なるにもかかわらず確実なデータの収集が保障されるイ
ンク制御装置用のデータ収集方法と装置を提供すること
である。

〔課題を解決するための手段〕

前記課題は、特許請求の範囲第１項の特徴部分に記載
された本発明による方法並びに特許請求の範囲第２項の
特許部分に記載された本発明による装置によって解決さ
れる。

本発明の別の有利な実施例は従属請求項に記載され
る。

本発明による方法と装置によって得られる大きな利点
は、従来装置のようなデータ収集のための高価な測定装
置が不要となり、大幅なコスト削減が図れることであ
る。特に本発明によれば、融通性の高いフレキシブルな
手動濃度計又は手動分光光度計を用いて印刷枚葉紙上の
データを任意に収集することが可能となる。さらに濃度
計又は分光光度計と共働する表示装置によって、データ
が正しい場所において正しい時点でしかも純粋にデータ
処理技術のみで確実に収集されることが保障される。こ
れによりインク供給制御のための専用の印刷コントロー
ルパッチはもはや不要となる。それ以外にも、使用され
る濃度計又は分光光度計は、インク制御に用いられてい
ない領域の特別な測定のためにも使用することができ
る。

〔実施例〕

次に本発明を図面に基づき詳細に説明する。

図１には実際に用いられている印刷枚葉紙の概略図が
示されている。この場合様々な印刷パターンが種々異な
る領域に配設されている。例えば、印刷面の一部にはテ
キストが含まれ、また別の部分には画像が含まれてい
る。このような構造は、欄（コラム）形式で配置される
ことが多い。極端な場合には印刷枚葉紙は例えば同じ大
きさの８又は16のエリアに分割され、それに伴って同じ
幅の４又は８の欄に細分される。図１の場合では、これ
らの欄にそれぞれ符号A,B,Cが付されている。このよう
に印刷枚葉紙上では、縦方向に相互に並列する複数の領
域に分割することが行われるので、印刷機のインク機構
におけるインク供給ではこのような分割構造が考慮さ
れ、これらのゾーンA,B,Cがインク制御に用いられる。

図２には、像ゾーンを決定するための装置が概略的に
示されている。この装置にはコンピュータ１が含まれて
おり、このコンピュータ１によってデータの処理と編成
が行われる。コンピュータ１には像ゾーンメモリ２が接
続されている。この像ゾーンメモリ２は入力装置３にも
接続されている。入力装置３では、印刷枚葉紙のどの位
置に像ゾーンの境界を設けるかが決定される。これは例
えばインク制御装置に設けられたキーボードを介して、
載置された印刷枚葉紙と平行して行うことが可能であ
る。しかもパーソナルコンピュータの可視補助器具も同
じ目的のために用いることが可能で、像ゾーンに相当す
るマーキングがパーソナルコンピュータの表示スクリー
ン上に再生される。例えばこれは印刷機内のインク出し
素子の配置構成に従ったシンボルによって行われる。さ
らに前記コンピュータ１にはデータ収集装置４が接続さ
れており、そのデータは像データメモリ５の中に納めら
れる。コンピュータ１は、データバス６によって、多数
のインク出し調整ユニット７と接続されている。これに
よりコンピュータ１は、一方では像ゾーンメモリ２とイ
ンク出し調整ユニット７の間の接続を形成し、他方では
像データメモリ５とインク出し調整ユニット７との間の
接続を形成する。このことは次のようにして行われる。
すなわち特定の像ゾーン、例えばゾーンＢがコンピュー
タ１によって制御される際にコンピュータ１が像ゾーン
メモリ２との接続に基づいて、ゾーンＢに関連するイン
ク出し調整ユニット７のみが作動されるように行われ
る。しかも、データ収集装置４により測定から得られた
像ゾーンは、特定の像ゾーンに関連付けられて像データ
メモリ５の中に納められる。コンピュータ１は、像ゾー
ンメモリ内において関連する像ゾーンを常に読出し問合
わせすることが可能であるため、これらの動作が可能で
ある。

像データは第３図に示した種類の配置構成によって収
集される。図示のように、この目的に対してコンピュー
タ１は、像ゾーンメモリ２と像データメモリ５に接続さ
れる。前記データ収集装置４は、濃度計８と表示装置9,
10とを有している。しかも評価ユニット11がコンピュー
タ１の内部の付加的に設けられて、表示ユニットおよび
濃度計８に接続されている。

この配置は、データ収集および、以下に述べるよう
に、各インク濃度値の測定のために用いられる。コンピ
ュータ１により、像データの測定のための初期化が行わ
れた後で、表示装置９には測定スタンバイ状態がトリガ
される。これは例えば発光ダイオードを用いた表示でも
よい。それと同時に表示器10の中の特定の（そのつど
の）像ゾーンとの関連性が評価ユニット11によって示さ
れる。これはデジタル表示で行われてもよい。こうし
て、濃度計がスタンバイ状態にあるかどうか、及び像ゾ
ーンが測定できる状態かどうかを、印刷者は直ちに見る
ことができる。印刷者が測定を実行した後に、データは
評価ユニット11に転送され、妥当性検査や完全性に関す
るチェックが行われる。測定期間中においては通常は表
示器９の発光ダイオードによって、濃度計が現在、他の
目的のために作動できないことが表示される。前記検査
（ないしチェック）の結果が良好な場合には、評価ユニ
ット11に転送されたデータが特定の像ゾーンに関連付け
られて像データメモリ５の中にファイルされる。さらに
表示器９にはイネーブル信号が送出されて、濃度計が再
び他の目的のために使用可能となったことが表示され
る。最後に、像ゾーンは表示器10によってデジタル表示
で、前もって決められた測定サイクルで決められている
次の像ゾーンに切換られる。そこでデータが次の像ゾー
ンに関して収集される。

このデータ収集装置に対しては前述した濃度計の他に
分光光度計を用いてもよい。この場合はコンピュータ１
内の評価アルゴリズムもそれに合わせて相応に変更され
る。

図４にはデータ収集に適した手動の濃度計12が示され
ている。この濃度計12は、旋回可能な測定ヘッド13と、
位置設定装置14を備えたベースを含んでいる。この位置
設定装置14により濃度計は、測定することが必要である
どの場所においても（任意の位置に）自由に移動して位
置決めできるようになる。濃度計12は、データ線路15を
介してコンピュータ１に接続される。濃度計12、詳細に
はその測定ヘッド13上には、光学装置16が設けられてい
る。この装置16は、クリップによって測定ヘッド13に取
付けることも、ゴムバンドで測定ヘッド13上に固定する
ことも可能である。そのためこの光学装置16はあらゆる
構造の濃度計に取付けることができる。またこの光学装
置16も、２本の線路17を介してコンピュータ１に接続さ
れる。濃度計12の測定ヘッド13は、スタンバイ状態では
図示のように斜め上方に向けて傾斜しており、そのため
前記光学装置16上の表示器9,10の視認性は良好である。
コンピュータ１によって、発光ダイオード９ないしデジ
タル表示器10は次のように制御される。すなわち実施す
べきないしは実施可能な操作処理に関する情報が直接操
作者に提供されるように制御される。測定ヘッド13が押
し下げられている場合、すなわち印刷ゾーンのインク濃
度値のために印刷ゾーンの測定が行われている間は、ダ
イオード９は濃度計が現在測定中である旨を表示する赤
色の発光ダイオードを発光するように切換られる。この
時に他方の第２のダイオードは発光しない。この第２の
ダイオードは、データがコンピュータ１に転送されそこ
で検査が終了した場合に、赤色光の点滅か又は緑色光の
点滅で発光する。この場合赤色光の点滅は、エラーの通
知もしくは不完全なデータ転送を表し、緑色光の点滅
は、測定の完了と次の測定のスタンバイ状態を表してい
る。それに応じて第１の発光ダイオードも緑色発光に切
換られる。同時にデジタル表示器も、前述したように測
定に関して前もって決められているシーケンスに従い、
次の像ゾーンを文字または数字シーケンスによって表示
する。こうして濃度計により与えられる制御表示は、そ
の回路に関しては独立しており、単に測定場所における
動作に関する効果的な、そして迅速で有効かつ具体的な
情報を操作者に対して提供することだけに用いられる。

前述したシーケンスは、インク調整装置の合理化及び
簡素化を考慮したものである。本発明の特に大きな利点
は、複雑で高価な自動インク測定装置が不要となること
である。その他にも自由に位置決めのできる手動濃度計
12はシートＸの内側のどこの測定にも利用することがで
きる。もちろん印刷コントロールパッチが無駄になるわ
けではなく、手動の濃度測定はそのような印刷コントロ
ールパッチにおける任意に選択されたインク測定ゾーン
においても実行することができる。しかも濃度計は、印
刷者がその経験から臨界的であることがわかっている特
定個所に関して測定することもできる。また表示形態
は、前述したような発光ダイオード９とデジタル表示器
10による光学装置16に限定されるものではなく、例えば
ここには音響的な表示装置または指示装置を用いること
も可能である。

〔発明の効果〕

本発明によれば高品質な測定を確保しながらも安価
な、データ収集方法と装置が提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は像ゾーンを有する印刷シートを示す図であり、 第２図は像ゾーン限定のための装置を示す図であり、 第３図は手動濃度計を動作させるための装置を示す図で
あり、 第４図は表示装置を有する手動濃度計を示す図である。 １……コンピュータ、２……像ゾーンメモリ、３……入
力装置、４……データ収集装置、５……像データメモ
リ、６……データバス、７……インク出し調整ユニッ
ト、８……濃度計、9,10……表示器、11……評価ユニッ
ト、12……手動濃度計、13……測定ヘッド、14……位置
設定装置、15……データ線路、16……光学装置、

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アルノ・ヴユール ドイツ連邦共和国ミユールハイム・マイ ン・ヴアルトハイマー・シユトラーセ 26 (72)発明者 ウルリツヒ・ベーレント ドイツ連邦共和国ドライアイヒ・アル テ・ボーゲンガツセ 15 (72)発明者 ラルフ・シエーフアー ドイツ連邦共和国フレールスハイム・ヴ イツカー・フリーデンスシユトラーセ 17 (72)発明者 ギュンター・ツィージング ドイツ連邦共和国ロートガウ５・アムゼ ルヴェーク ３ (56)参考文献 特開 昭61−40159（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−27708（ＪＰ，Ａ) 実開 昭57−126028（ＪＰ，Ｕ)

Claims (6)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ゾーンごとに分割されたインク出し調節装
   置を制御するために、データーを生じさせる濃度計また
   は分光光度計、データを蓄積するメモリー、およびデー
   ターを評価するコンピュータを用いて、印刷機における
   インク供給を制御するために印刷像のデーターを収集す
   る方法において、 枚葉紙の印刷像はその構成（ないしその題材）に従って
   像ゾーンに分割され、前記各像ゾーンはインク出し調節
   装置の異なる多数のインクメータリングゾーンにわたっ
   て広がることができ、像ゾーンデーターは像ゾーンメモ
   リー（２）内に入力され、インク濃度値は各像ゾーンの
   像領域においてその濃度計または分光光度計によって測
   定され、そのようにして得られたデーターはコンピュー
   タ（１）に伝達され、コンピューターはそれらのデータ
   の完全性と正しさについてそれらをチェックし、チェッ
   クの結果が満足できる状態であった場合にはデーターは
   像データーメモリー（５）内にファイルされ、濃度計ま
   たは分光光度計は次の測定に対する準備状態におかれ、
   そして測定サイクルにおける次のステップが告知され、
   一方データーチェックが満足すべきものでない場合には
   障害報知が発せられて、そして濃度計は測定サイクルに
   おける同じステップに対して再度準備状態とされること
   を特徴とする方法。
2. 【請求項２】特許請求の範囲第１項に記載の方法を実施
   するための装置において、 像ゾーンメモリ（２）はコンピュータ（１）に前置接続
   されて、像ゾーンを決定するための入力装置（３）に接
   続されており、コンピューター（１）は像データを読込
   むためのデーター収集装置（４）と、像データーを収納
   するための像データーメモリー（５）に接続されてお
   り、コンピューター（１）は、データー収集装置（４）
   の動作状態を表示するための表示装置（9,10）に接続さ
   れており、前記コンピューター（１）により、データー
   バス（６）を介して多数のインクメータリングゾーン毎
   のインク出し調整ユニット（７）が制御されるように構
   成されていることを特徴とする装置。
3. 【請求項３】コンピューター（１）にデーター線路（1
   5）によって接続されている手動の濃度計または分光光
   度計がデーター収集装置（４）として用いられる、特許
   請求の範囲第２項記載の装置。
4. 【請求項４】像ゾーンを決定するための入力装置（３）
   が、各インク出し調整ユニットのための制御装置を持つ
   パーソナルコンピューターか又はマッチングテーブルで
   ある、特許請求の範囲第２項記載の装置。
5. 【請求項５】前記データー収集装置（４）の動作状態の
   ための表示装置（9,10）は、データー収集およびデータ
   ー伝送に関する信号を表示するための発光ダイオード
   （９）を有する光学表示ユニットと、測定されるべき像
   ゾーンに関する指示を表示するためのディジタル表示器
   （10）とからなる、特許請求の範囲第２項または第３項
   記載の装置。
6. 【請求項６】上記表示装置（9,10）は、市販の手動の濃
   度計（12）または分光光度計にも、付属物として取り付
   けることが可能で、コンピューター（１）とは独立的に
   接続されている、特許請求の範囲第５項記載の装置。