JP2727185B2 - 芳香族ポリイミド多層フィルムの製造方法 - Google Patents

芳香族ポリイミド多層フィルムの製造方法

Info

Publication number
JP2727185B2
JP2727185B2 JP62213847A JP21384787A JP2727185B2 JP 2727185 B2 JP2727185 B2 JP 2727185B2 JP 62213847 A JP62213847 A JP 62213847A JP 21384787 A JP21384787 A JP 21384787A JP 2727185 B2 JP2727185 B2 JP 2727185B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyamic acid
aromatic
solvent
film
aromatic polyamic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP62213847A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6456771A (en
Inventor
浩 井上
徹治 平野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP62213847A priority Critical patent/JP2727185B2/ja
Publication of JPS6456771A publication Critical patent/JPS6456771A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2727185B2 publication Critical patent/JP2727185B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、芳香族ポリイミド多層フィルムの製造方法
に関するものである。 [発明の背景] 耐熱性および各種物性の優れた芳香族ポリイミドフィ
ルムを、磁気記録媒体、印刷回路基板用フィルムなどの
用途に利用するために、基体となる芳香族ポリイミドフ
ィルムの表面に、接着性の付与、適度な凹凸の形成など
各種の目的で基体フィルムとは別の特性機能を付与した
ポリイミドを積層して、多層構造を有するフィルムとす
ることが考えられている。 上述のような多層構造を有する芳香族ポリイミドフィ
ルムの製造方法のひとつとして、溶媒を含有する自己支
持性芳香族ポリアミック酸フィルム(基本フィルム)上
に、芳香族ポリアミック酸溶液を塗布したのち、加熱処
理することによって自己支持性フィルムおよび塗布層の
溶媒を除去するとともにイミド化し、基体フィルム層と
塗布層とが一体化した芳香族ポリイミド多層フィルムを
製造する方法が、特公昭55−2193号公報に開示されてい
る。 しかしながら、本発明者の検討によると、基体フィル
ムとして自己支持性芳香族ポリアミック酸フィルムを用
い、該フィルムに張力がかかった状態で芳香族ポリアミ
ック酸溶液組成物を塗布する場合には、亀裂(ソルベン
トクレージング)が発生することがある。このソルベン
トクレージングは、基体フィルムの芳香族ポリアミック
酸が芳香族ポリアミック酸溶液組成物の溶媒に部分的に
溶解され、フィルムの脆化部分に力が作用するときに生
じるものである。多層構造を有する芳香族ポリイミドフ
ィルムを工業的に製造しようとする場合には、長尺の基
体フィルムを原反ロールから巻き出し、他方のロールに
巻き取りながら、塗布、加熱などの加工を行なうことが
一般的であり、基体フィルムに張力がかかることが避け
られない。 そこで、ソルベントクレージングを発生させることな
く、多層構造を有する芳香族ポリイミドフィルムを工業
的に安定して製造することのできる方法の開発が望まれ
る。 [発明の目的] 本発明の目的は、自己支持性芳香族ポリアミック酸フ
ィルムに、ソルベントクレージングを発生させることな
く塗布加工を行なうことができる芳香族ポリアミック酸
コーティング溶液組成物を使用して芳香族ポリイミド多
層フィルムを工業的に安定して製造する方法を提供する
ことにある。 [発明の要旨] 本発明は、有機溶媒を10〜50重量%含有し、延伸操作
が施された自己支持性芳香族ポリアミック酸フィルムの
少なくとも片面に、芳香族ポリアミック酸を25℃におい
て2重量%以上溶解することのない貧溶媒10〜60重量%
と、芳香族ポリアミック酸を25℃において20重量%以上
溶解する良溶媒90〜40重量%とからなる混合溶媒に、芳
香族ポリアミック酸が溶解されてなる芳香族ポリアミッ
ク酸コーティング溶液組成物(但し、芳香族ポリアミッ
ク酸コーティング溶液組成物の芳香族ポリアミック酸が
自己支持性芳香族ポリアミック酸フィルムのポリアミッ
ク酸と組成が異なるものであるか、あるいは芳香族ポリ
アミック酸コーティング溶液組成物中の固形分組成と自
己支持性芳香族ポリアミック酸フィルム中の固形分組成
とは互いに相違する)を塗布したのち、該塗布物を加熱
処理することにより、上記自己支持性芳香族ポリアミッ
ク酸フィルムと塗布層とを一体化し、溶媒を除去すると
ともにイミド化してなることを特徴とする芳香族ポリイ
ミド多層フィルムの製造方法にある。 [発明の詳細な記述] 以下に本発明について詳しく説明する。 本発明の芳香族ポリアミック酸コーティング溶液組成
物は、芳香族ポリアミック酸の貧溶媒と良溶媒とを特定
の割合にて混合してなる溶媒に、芳香族ポリアミック酸
が溶解されてなる組成物である。 上述の芳香族ポリアミック酸コーティング溶液組成物
は、たとえば、芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジ
アミン成分とを略等モル、芳香族ポリアミック酸の良溶
媒中で重合し、該溶媒に芳香族ポリアミック酸が均一に
溶解している芳香族ポリアミック酸溶液を得、次いで該
芳香族ポリアミック酸の良溶媒溶液に、芳香族ポリアミ
ック酸の貧溶媒を添加することにより調製することがで
きる。 上記の芳香族テトラカルボン酸成分としては、芳香族
テトラカルボン酸、およびその酸無水物、塩、エステル
を挙げることができるが、特に酸二無水物を用いること
が好ましい。芳香族テトラカルボン酸の例としては、3,
3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸、2,2′,3,3′
−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3′,4′−ビフェ
ニルテトラカルボン酸、3,3,′,4,4′−ベンゾフェノン
テトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)メタン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)
プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)チオエ
ーテル、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホ
ン、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、ピロメリ
ット酸などを挙げることができる。 また、上記の芳香族ジアミン成分としては、4,4′−
ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェ
ニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルプロパン、ベ
ンチジン、3,3′−ジメチルベンチジン、4,4′−ジアミ
ノジフェニルスルフィド、4,4′−ジアミノジフェニル
スルホン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジ
アミン、3,3′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジ
アミノジフェニルプロパン、3,3′−ジアミノジフェニ
ルスルフィド、3,3′−ジアミノジフェニルスルホ4ン
などを挙げることができる。 これらの芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミ
ン成分とは、それぞれ一種類ずつ用いても良いが、それ
に限定される必要はなく、どちらかを二種類以上、また
は、両成分とも二種類以上用いても良い。 前記の芳香族ポリアミック酸の良溶媒は、上記の芳香
族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とから形
成されるポリアミック酸を、25℃において20重量%以上
の濃度で均一に溶解することができる溶媒である。この
ような溶媒として、例えば、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルム
アミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチル−2
−ピロリドン、ヘキサメチルスルホルアミドなどのアミ
ド類、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドな
どのスルホキシド類、ジメチルスルホン、ジエチルスル
ホンなどのスルホン類から選ばれる有機極性溶媒を挙げ
ることができる。これらの溶媒は、単独で用いてもよ
く、混合して用いてもよい。 芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分と
を芳香族ポリアミック酸の良溶媒中で重合させる方法
は、公知の方法により行なえばよく、例えば、前記の芳
香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とを略
等モル、前記の芳香族ポリアミック酸の良溶媒中、100
℃以下、好ましくは0〜80℃の温度範囲にて0.1〜60時
間重合し、該溶媒に芳香族ポリアミック酸が2〜50重量
%の範囲で均一に溶解している芳香族ポリアミック酸の
良溶媒溶液を得る。 上記の芳香族ポリアミック酸の良溶媒溶液に添加する
貧溶媒は、前記の芳香族ポリアミック酸を、25℃におい
て2重量%以上、好ましくは1重量%以上の濃度で溶解
することのない溶媒である。このような溶媒として、例
えば、水、アルコール類、エチレングリコール、キノリ
ン、イソキノリンなどを挙げることができる。これらの
貧溶媒は、単独で用いてもよく、混合して用いてもよ
い。 貧溶媒として、キノリンとイソキノリンとをそれぞれ
単独で、もしくは混合して用いるときには、その使用量
は前記芳香族ポリアミック酸溶液組成物の溶媒全量の10
〜60重量%、さらには20〜60重量%とすることが好まし
く、それ以外の単独もしくは混合溶媒を用いる場合に
は、その使用量を前記芳香族ポリアミック酸溶液組成物
の溶媒全量の10〜40重量%、さらには20〜40重量%とす
ることが好ましい。 前記の貧溶媒の添加は、前記の芳香族ポリアミック酸
の良溶媒溶液に、貧溶媒を単独で添加しても良く、貧溶
媒と良溶媒とを混合して添加しても良い。貧溶媒と良溶
媒とを混合して添加することにより、前記芳香族ポリア
ミック酸溶液組成物の溶媒の混合割合およびポリマー濃
度を所望に応じて調整できるので好都合である。 前記芳香族ポリアミック酸溶液組成物の溶媒における
貧溶媒と良溶媒との混合割合は、貧溶媒10〜60重量%に
対して良溶媒90〜40重量%の範囲とすることが必要であ
る。貧溶媒の使用量が前記芳香族ポリアミック酸溶液組
成物の溶媒全量の10重量%未満であるときには、後述の
ソルベントクレージング防止効果が充分ではなく、ま
た、貧溶媒の使用量が溶媒全量の60重量%を超えるとき
には、混合溶媒に対する芳香族ポリアミック酸の溶解性
が低下する傾向があり、好ましくない。 前記の芳香族ポリアミック酸溶液組成物のポリマー濃
度は、基体フィルムに付与しようとする特性機能に応じ
て任意に設定してよいが、一般的には0.01〜25重量%、
さらに0.05〜20重量%の範囲とすることが好ましい。 本発明の芳香族ポリアミック酸コーティング溶液組成
物は、前述のように、芳香族ポリアミック酸の良溶媒中
で芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分と
を重合し、芳香族ポリアミック酸が生成したのちに貧溶
媒を添加して調製することが望ましい。貧溶媒が存在す
る混合溶媒中に芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジ
アミン成分とを添加した場合には、重合反応が進行しな
いことがある。 本発明の芳香族ポリアミック酸コーティング溶液組成
物は、ゲル化、イミド化などに影響を及ぼさない範囲
で、無機質粒子など各種添加剤を含んでいてもよく、こ
れらの各種添加剤により基体フィルムに新たな特性を付
与することができる。上記の無機質粒子として、例え
ば、コロイダルシリカ、二酸化ケイ素、導電性金属、導
電性金属酸化物などを挙げることができる。上記添加物
は、上記芳香族ポリアミック酸溶液に直接添加したのち
分散させてもよく、前記良溶媒などの溶媒に予め分散さ
せたのち添加し、さらに分散させてもよい。 本発明の芳香族ポリミック酸コーティング溶液組成物
を用いることにより、芳香族ポリイミド多層フィルムを
工業的に有利に製造することができる。 上記の製造方法においては、基体フィルムとして自己
支持性芳香族ポリアミック酸フィルムを用い、該フィル
ムの少なくとも片面に前述の芳香族ポリアミック酸コー
ティング溶液組成物を塗布したのち、該塗布物を加熱処
理して溶媒を除去するとともにイミド化し、基体フィル
ム層と塗布層とが一体化した芳香族ポリイミド多層フィ
ルムを製造する。 ただし、芳香族ポリアミック酸コーティング溶液組成
物の芳香族ポリアミック酸が自己支持性芳香族ポリアミ
ック酸フィルムのポリアミック酸と組成が異なるもので
あるか、あるいは芳香族ポリアミック酸コーティング溶
液組成物中の固形分組成と自己支持性芳香族ポリアミッ
ク酸フィルム中の固形分組成とは互いに相違するものと
する。すなわち、本発明の目的とする多層フィルムは、
基体となる自己支持性フィルムに、その基体フィルムと
は異なる特性機能を付与するために製造されるものであ
るから、基体フィルムと塗布フィルムとの間で、芳香族
ポリアミック酸の組成が相違する(用いる化学成分が相
違するか、あるいは量比が相違するなど)か、あるいは
互いに異なる添加剤を含有するもの、または一方にのみ
添加剤が含まれているような相違が存在することが必要
である。 上記自己支持性芳香族ポリアミック酸フィルムは、芳
香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とから
有機極性溶媒中で合成された芳香族ポリアミック酸から
得られた、有機溶媒を含有するフィルムであることが好
ましい。 上記自己支持性芳香族ポリアミック酸フィルムの芳香
族ポリアミック酸の合成に用いられる芳香族テトラカル
ボン酸成分および芳香族ジアミン成分としては、前述の
芳香族ポリアミック酸溶液組成物の芳香族ポリアミック
酸を合成する場合に例示したものと同じ、芳香族テトラ
カルボン酸成分および芳香族ジアミン成分を挙げること
ができる。これらの芳香族テトラカルボン酸成分と芳香
族ジアミン成分は、それぞれ一種類ずつ用いても良い
が、それに限定される必要はなく、どちらかを二種類以
上、または、両成分とも二種類以上用いても良い。 前記自己支持性芳香族ポリアミック酸フィルムの芳香
族ポリアミック酸の合成に使用される有機極性溶媒とし
ては、芳香族ポリアミック酸を均一に溶解する溶媒を用
いる。そのような有機極性溶媒の例としては、N,N−ジ
メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N
−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム
などのアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド、ヘキサメ
チルフォスホルアミド、ジメチルスルホン、テトラメチ
レンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン、ピリ
ジン、エチレングリコール、テトラメチル尿素、クレゾ
ール、フェノールなどを挙げることができる。これらの
有機極性溶媒は、ベンゼン、トルエ、ベンゾニトリル、
キシレン、ソルベントナフサ、およびジオキサンのよう
な他の有機溶媒と混合して使用することができる。 前記芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成
分とから有機極性溶媒中で芳香族ポリアミック酸を合成
する方法は、それ自体公知の方法を採用することができ
る。 また、芳香族ポリアミック酸溶液からフィルムを製造
する方法としては、特にその方法は限定されるものでは
なく、例えば、前記の芳香族ポリアミック酸が前記の有
機溶媒に均一に溶解しているポリアミック酸溶液を金属
ベルトあるいは金属ロール上に流延し、200℃以下の温
度で自己支持性を持つようになるまで溶媒を蒸発させる
ことによって、溶媒をフィルム重量に対して10重量%以
上含有するフィルムを製造することができる。 本発明の方法においては、上記自己支持性芳香族ポリ
アミック酸フィルムは、有機溶媒をフィルム全体の重量
に対して10〜50重量%含有していることが必要であり、
さらには20〜50重量%含有していることが好ましい。 上記のように製造した自己支持性フィルムは、ついで
延伸処理される。この延伸処理により、最終的に得られ
るポリイミドフィルムの強度と寸法安定性が向上する。 次に、上記のようにして延伸したフィルムの少なくと
も片面に、前述の本発明の芳香族ポリアミック酸コーテ
ィング溶液組成物を塗布する。塗布層の厚みは、乾燥後
に基体フィルムに付与しようとする特性機能に応じ任意
に設定してよいが、一般的には0.01〜20μm、さらに0.
05〜10μmの範囲とすることが好ましい。塗布する方法
としては、特にその方法は限定されるものではなく、例
えば、グラビアコート法、ドクターブレード法、リバー
スロールコート法などを挙げることができる。 基体フィルムの芳香族ポリアミック酸組成と塗布液の
芳香族ポリアミック酸組成とは、同一であってもよく、
異なっていてもよいが、基体フィルムと塗布液との間
に、添加剤の添加あるいは種類などで相違がある場合に
は、形成される多層フィルムの物理的耐久性などの各種
特性を考慮すると、同一とすることが好ましい。。 上記のようにして調製した塗布物(積層体)を加熱処
理する。この加熱処理は、まず、50〜200℃の温度で一
次加熱処理し、次いで150℃以上の温度、好ましくぱ180
〜500℃の温度で二次加熱処理して行なうことが望まし
い。二次加熱処理は、温度を変化させず一段で行なって
もよく、また、200℃付近で加熱し、ついで400℃付近で
加熱を行なうといったように、温度を変化させて二段以
上の多段で行なってもよい。上記加熱処理は、熱風炉、
赤外線加熱炉などを公知の種々の装置を使用して行なう
ことができる。 上記の加熱処理によって、前記塗布物(積層体)から
溶媒を除去するとともにアミック酸を閉環してイミド化
し、基体フィルム層および該基体フィルム層とは物性機
能の異なる塗布層の一体化した芳香族ポリイミド多層フ
ィルムを得る。 次に本発明の実施例および比較例を示す。 [実施例1] 3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
とパラフェニレンジアミンとを、N,N−ジメチルアセト
アミド溶媒中で、25℃で4時間重合して得られた芳香族
ポリアミック酸の溶液[ポリマー濃度:20重量%、25℃
の溶液粘度(回転粘度計によって測定した溶液粘度):5
00ポイズ]をガラス板上に均一な厚さに流延し、その結
果形成された薄膜を、100℃で10分間加熱処理して、溶
媒含有率がフィルム重量に対して35重量%であり、厚さ
が25μmの自己支持性芳香族ポリアミック酸フィルムを
得た。 一方、上記と同様にして調製した芳香族ポリアミック
酸溶液50gに、イソキノリン49gを添加し、さらに、コロ
イダルシリカ[平均粒子径:204Å、固形分濃度:10重量
%、溶媒:N,N−ジメチルアセトアミド]1gを均一に分散
して、芳香族ポリアミック酸コーティング溶液組成分
[ポリマー濃度:10重量%、25℃の溶液粘度(回転粘度
計によって測定した溶液粘度):50ポイズ]を得た。上
記芳香族ポリアミック酸コーティング溶液組成物の溶媒
は、芳香族ポリアミック酸の良溶媒(N,N−ジメチルア
セトアミド)50重量%と、貧溶媒(イソキノリン)50重
量%とからなる。 上記の自己支持性芳香族ポリアミック酸フィルムをガ
ラス板から剥離し、該フィルムに対して一方向に1kg/cm
幅の張力をかけて延伸し、その片面に上記の芳香族ポリ
アミック酸コーティング溶液組成物をドクターブレード
により塗布したのち、120℃で5分間一次加熱し、次い
で200℃で10分間、さらに420℃で5分間二次加熱するこ
とによって二層構造の芳香族ポリイミドフィルムを得
た。ソルベントクレージングは、発生しなかった。 この二層構造の芳香族ポリイミドフィルムの塗布層の
厚みは1μmであり、表面粗さ(Rmax)が450Å、表面
突起密度が4.0×107個/mm2の表面特性を有しており、磁
気記録媒体用ベースフィルムとして好適な特質を備えて
いた。 [実施例2] 3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
と4,4′−ジアミノジフェニルエーテルとを、N,N−ジメ
チルアセトアミド溶媒中で、25℃で1時間重合して得ら
れた芳香族ポリアミック酸の溶液[ポリマー濃度:20重
量%、25℃の溶液粘度(回転粘度計によって測定した溶
液粘度):500ポイズ]を使用して芳香族ポリアミック酸
コーティング溶液組成物を調製した以外は、実施例1と
同様にして、二層構造の芳香族ポリイミドフィルムを得
た。ソルベルトクレージングは、発生しなかった。 この二層構造の芳香族ポリイミドフィルムの塗布層の
厚みは1μmであり、表面粗さ(Rmax)が500Å、表面
突起密度が6.0×107個/mm2の表面特性を有しており、磁
気記録媒体用ベースフィルムとし好適な物質を備えてい
た。 [比較例1] 実施例1で調製した芳香族ポリアミック酸溶液に、N,
N−ジメチルアセトアミド49gを添加し実施例1で使用し
たものと同じコロイダルシリカ1gを均一に分散して芳香
族ポリアミック酸コーティング溶液組成物を調製した以
外は、実施例1と同様にして、二層構造の芳香族ポリイ
ミドフィルムの製造を試みたが、芳香族ポリアミック酸
溶液組成物の塗布時に自己支持性芳香族ポリアミック酸
フィルムに微小クラック(ソルベントクレージング)が
多数発生し、正常なフィルムが得られなかった。 [実施例3] 3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
とパラフェニレンジアミンとを、ジメチルスルホン溶媒
中で、25℃で4時間重合して得られた芳香族ポリアミッ
ク酸の溶液[ポリマー濃度:20重量%、25℃の溶液粘度
(回転粘度計によって測定した溶液粘度):300ポイズ]
50gに、蒸留水27gとジメチルスルホン22.9gとからなる
混合溶媒を添加し、さらに、二酸化ケイ素0.1gを均一に
分散して、芳香族ポリアミック酸コーティング溶液組成
物[ポリマー濃度:10重量%、25℃の溶液粘度(回転粘
度計によって測定した溶液粘度):80ポイズ]を調製し
た以外は、実施例1と同様にして、二層構造の芳香族ポ
リイミドフィルムを得た。上記芳香族ポリアミック酸溶
液組成物の溶媒は、芳香族ポリアミック酸の良溶媒(ジ
メチルスルホン)70重量%と、貧溶媒(水)30重量%と
からなる。ソルベントクレージングは、発生しなかっ
た。 この二層構造の芳香族ポリイミドフィルムの塗布層の
厚みは1μmであり、表面粗さ(Rmax)が800Å、表面
突起密度が2.5×107個/mm2の表面特性を有しており、磁
気記録媒体用ベースフィルムとし好適な特質を備えてい
た。 [実施例4] 蒸留水の代わりにイソプロパノールを使用して芳香族
ポリアミック酸コーティング溶液組成物を調製した以外
は、実施例3と同様にして、二層構造の芳香族ポリイミ
ドフィルムを得た。ソルベントクレージングは、発生し
なかった。 この二層構造の芳香族ポリイミドフィルムの塗布層の
厚みは1μmであり、表面粗さ(Rmax)が500Å、表面
突起密度が6.0×107個/mm2の表面特性を有しており、磁
気記録媒体用ベースフィルムとして好適な特質を備えて
いた。 [比較例2] 実施例3で芳香族ポリアミック酸コーティング溶液組
成物を調製するために使用した芳香族ポリアミック酸溶
液に、ジメチルスルホン49.9gを添加し、二酸化ケイ素
0.1gを均一に分散して芳香族ポリアミック酸コーティン
グ溶液組成物を調製した以外は、実施例1と同様にし
て、二層構造の芳香族ポリイミドフィルムの製造を試み
たが、芳香族ポリアミック酸溶液組成物の塗布時に自己
支持性芳香族ポリアミック酸フィルムに微小クラック
(ソルベントクレージング)が多数発生し、正常なフィ
ルムが得られなかった。 [発明の効果] 本発明の芳香族ポリイミド多層フィルムの製造方法を
利用することにより、自己支持性芳香族ポリアミック酸
の基体フィルムに、ソルベントクレージングを発生させ
ることなく、多層構造を有する芳香族ポリイミドフィル
ムを工業的に安定して製造することができる。 このようにして、芳香族ポリイミド本来の優れた耐熱
性、機械的強度などに加えて、磁気記録媒体、印刷回路
基板用ベースフィルムなどの用途に好適な各種の特性機
能を新たに付与された芳香族ポリイミド多層フィルムを
得ることができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−76196(JP,A) 特開 昭50−133234(JP,A) 特開 昭51−103147(JP,A) 特開 昭56−118421(JP,A) 特開 昭59−130240(JP,A) 特開 昭59−160139(JP,A) 特開 昭60−15427(JP,A) 特開 昭60−49031(JP,A) 特開 昭60−184557(JP,A) 特開 昭61−62524(JP,A) 特開 昭61−64730(JP,A) 特開 昭56−118857(JP,A) 特開 昭62−66932(JP,A) 特開 昭63−67145(JP,A) 特開 昭57−63254(JP,A) 特開 昭58−157190(JP,A) 特開 昭62−140822(JP,A) 特開 昭48−7067(JP,A) 特公 昭46−22937(JP,B1) 特公 昭43−3036(JP,B1) 特公 平6−55491(JP,B2)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.有機溶媒を10〜50重量%含有し、延伸操作が施され
    た自己支持性芳香族ポリアミック酸フィルムの少なくと
    も片面に、芳香族ポリアミック酸を25℃において2重量
    %以上溶解することのない貧溶媒10〜60重量%と、芳香
    族ポリアミック酸を25℃において20重量%以上溶解する
    良溶媒90〜40重量%とからなる混合溶媒に、芳香族ポリ
    アミック酸が溶解されてなる芳香族ポリアミック酸コー
    ティング溶液組成物(但し、芳香族ポリアミック酸コー
    ティング溶液組成物の芳香族ポリアミック酸が自己支持
    性芳香族ポリアミック酸フィルムのポリアミック酸と組
    成が異なるものであるか、あるいは芳香族ポリアミック
    酸コーティング溶液組成物中の固形分組成と自己支持性
    芳香族ポリアミック酸フィルム中の固形分組成とは互い
    に相違する)を塗布したのち、該塗布物を加熱処理する
    ことにより、上記自己支持性芳香族ポリアミック酸フィ
    ルムと塗布層とを一体化し、溶媒を除去するとともにイ
    ミド化してなることを特徴とする芳香族ポリイミド多層
    フィルムの製造方法。 2.上記貧溶媒が、キノリンまたはイソキノリンである
    特許請求の範囲第1項記載の芳香族ポリイミド多層フィ
    ルムの製造方法。 3.上記貧溶媒が、水、アルコールおよびエチレングリ
    コールからなる群より選ばれた溶媒であって、該貧溶媒
    の使用量が10〜40重量%の範囲にある特許請求の範囲第
    1項記載の芳香族ポリイミド多層フィルムの製造方法。
JP62213847A 1987-08-27 1987-08-27 芳香族ポリイミド多層フィルムの製造方法 Expired - Lifetime JP2727185B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62213847A JP2727185B2 (ja) 1987-08-27 1987-08-27 芳香族ポリイミド多層フィルムの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62213847A JP2727185B2 (ja) 1987-08-27 1987-08-27 芳香族ポリイミド多層フィルムの製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9166532A Division JP3019806B2 (ja) 1997-06-09 1997-06-09 芳香族ポリイミド多層フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6456771A JPS6456771A (en) 1989-03-03
JP2727185B2 true JP2727185B2 (ja) 1998-03-11

Family

ID=16646001

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62213847A Expired - Lifetime JP2727185B2 (ja) 1987-08-27 1987-08-27 芳香族ポリイミド多層フィルムの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2727185B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01245064A (ja) * 1988-03-28 1989-09-29 Nippon Steel Chem Co Ltd 被覆用組成物及びその使用法
KR100308878B1 (ko) * 1999-05-10 2001-09-29 정수용 라면의 지방함량 감소방법 및 장치

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS533796B2 (ja) * 1973-11-09 1978-02-09
JPS50133234A (ja) * 1974-04-10 1975-10-22
US4014834A (en) * 1975-02-04 1977-03-29 E. I. Du Pont De Nemours And Company Aqueous solutions of polyamide acids which can be precursors of polyimide polymers
JPS56118856A (en) * 1980-02-25 1981-09-18 Nitto Electric Ind Co Manufacture of flexible polyimide resin laminate
JPS56118857A (en) * 1980-02-25 1981-09-18 Nitto Electric Ind Co Thermofusing polyimide composite film and its manufacture
JPS56118421A (en) * 1980-02-25 1981-09-17 Nitto Electric Ind Co Ltd Heat-shrinkable polyimide film and production thereof
JPS59130240A (ja) * 1983-01-14 1984-07-26 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd ポリイミド製造用ポリアミド酸組成物
JPS59160139A (ja) * 1983-03-04 1984-09-10 Hitachi Ltd 感光性重合体組成物
JPS6015427A (ja) * 1983-07-08 1985-01-26 Mitsubishi Chem Ind Ltd ポリアミド酸の化学閉環法
JPS6049031A (ja) * 1983-08-29 1985-03-18 Japan Synthetic Rubber Co Ltd ポリアミツク酸溶液の製造方法
JPS60184557A (ja) * 1984-03-02 1985-09-20 Toray Ind Inc 光学的異方性ド−プの製造方法
US4535115A (en) * 1984-08-20 1985-08-13 Gulf Oil Corporation Method of preparation of polyimide acids
JPS6164730A (ja) * 1984-09-06 1986-04-03 Sumitomo Bakelite Co Ltd 耐熱性樹脂の製造方法
JPS6266932A (ja) * 1985-09-19 1987-03-26 三菱化学株式会社 積層フイルム及びその製造法
JPS62136365A (ja) * 1985-12-04 1987-06-19 Toshiba Mach Co Ltd ポリシング装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6456771A (en) 1989-03-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6908590B2 (ja) ポリアミド酸、熱可塑性ポリイミド、樹脂フィルム、金属張積層板及び回路基板
JP7109946B2 (ja) ポリイミドフィルム
JPS61111359A (ja) ポリイミド膜
JPWO2009019968A1 (ja) 多層ポリイミドフィルム、積層板および金属張積層板
EP1145845B1 (en) Composite film
JP5254752B2 (ja) 多層ポリイミドフィルム
JP3515792B2 (ja) ポリイミドフィルムおよびその製造方法
KR20070007296A (ko) 배선기판용 적층체
WO2018163884A1 (ja) 透明電極用基材フィルムおよびその製造方法
JP2727185B2 (ja) 芳香族ポリイミド多層フィルムの製造方法
JPH047333A (ja) 新規ポリイミド
JP2004122372A (ja) ポリイミドフィルムおよびその製造方法
JP7230148B2 (ja) 金属張積層板及び回路基板
JPH08244168A (ja) 金属箔積層ポリイミドフィルムの製造法
JP4131367B2 (ja) フレキシブルプリント配線板用ベースフィルムおよびその製造方法
JPH06313055A (ja) 粗面化ポリイミドフィルムの製造法
JP3019806B2 (ja) 芳香族ポリイミド多層フィルム
JP5571839B2 (ja) ポリイミドフィルムおよびそれを基材とした銅張積層体
JPH0349291A (ja) 可撓性プリント回路基板
JP3293146B2 (ja) フレキシブル配線基板の製造方法
TW200835720A (en) Polyimide film and process for producing the same
JPH0812773A (ja) 粗面化ポリイミドフィルムの製造法
TWI837183B (zh) 覆金屬積層板的製造方法及電路基板的製造方法
KR102445910B1 (ko) 높은 치수 안정성을 가지는 폴리이미드 필름 및 그 제조방법
JP5196344B2 (ja) ポリイミドフィルムの接着性を向上させる方法

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071212

Year of fee payment: 10