JP2715339B2 - 電子写真式平版印刷用原版 - Google Patents

電子写真式平版印刷用原版

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JP2715339B2 JP31154790A JP31154790A JP2715339B2 JP 2715339 B2 JP2715339 B2 JP 2715339B2 JP 31154790 A JP31154790 A JP 31154790A JP 31154790 A JP31154790 A JP 31154790A JP 2715339 B2 JP2715339 B2 JP 2715339B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、電子写真方式で製版される電子写真式平版
印刷用原版に関するものであり、特に該平版印刷原版の
光導電層形成用結着樹脂の改良に関する。
(従来技術) 現在ダイレクト製版用のオフセット原版には多種のも
のが提案され且つ実用化されているが、中でも導電性支
持体上に酸化亜鉛のごとき光導電性粒子及び結着樹脂を
主成分とした光導電層を設けた感光体において、通常の
電子写真工程を経てその感光体表面に親油性の高いトナ
ー画像を形成させ、続いて該表面をエッチ液と言われる
不感脂化液で処理し非画像部分を選択的に親水化するこ
とによってオフセット原版を得る技術が広く用いられて
いる。
良好な印刷物を得るには、先ず、オフセット原版に、
原画が忠実に複写されると共に、感光体表面が不感脂化
処理液となじみ易く非画像部が充分に親水化されると同
時に耐水性を有し、更に印刷においては、画像を有する
光導電層が離脱しないこと、及び湿し水とのなじみがよ
く、印刷枚数が多くなっても汚れが発生しない様に充分
に非画像部の親水性が保持されること等の性能を有する
必要がある。
これらの性能には光導電層中の酸化亜鉛と結着樹脂の
比率が影響することは既に知られている。例えば、光導
電層の酸化亜鉛粒子に対する結着樹脂の比率を小さくす
れば、光導電層表面の不感脂化性が向上し、地汚れは少
なくなるが、他方で光導電層自体の内部凝集力が低下
し、機械的強度不足による耐刷力の低下が生じる。逆に
結着樹脂の比率を大きくすると、耐刷力は向上するが、
地汚れが増大する。特に地汚れは、光導電層表面の不感
脂化性の良否に関係する現象であることは言うまでもな
いが、光導電層表面の不感脂化性は光導電層中の酸化亜
鉛と結着樹脂の比率のみによって左右されるものではな
く、結着樹脂の種類によっても大きく左右されることが
明らかになってきている。
古くから公知の樹脂として、例えばシリコーン樹脂
(特公昭34−6670号)、スチレン−ブタジエン樹脂(特
公昭35−1950号)、アルキッド樹脂、マレイド酸樹脂、
ポリアミド(特公昭35−11219号)、酢酸ビニル樹脂
(特公昭41−2425号)、酢酸ビニル共重合体(特公昭41
−2426号)、アクリル樹脂(特公昭35−11216号)、ア
クリル酸エステル共重合体(例えば特公昭35−11219
号、特公昭36−8510号、特公昭41−13946号等)等が知
られている。しかし、これらの樹脂を用いた電子写真感
光材料においては、1)光導電層の帯電性が低い、2)
複写画像の画像部の品質(特に網点再現性・解像力)が
悪い、3)露光感度が低い、4)オフセットマスターと
して用いるために不感脂化処理しても不感脂化が行なわ
れず、このためオフセット印刷した際に印刷物に地汚れ
を生ずる、5)感光層の膜強度が充分でなく、オフセッ
ト印刷すると感光層の脱離等が生じ、印刷枚数を多くで
きない、6)複写画像作成時の環境(例えば高温高湿)
にその画質が影響されやすい、等のいずれかの問題があ
った。
特にオフセット原版としては、前記の様に不感脂化性
不充分による地汚れ発生が大きな問題であり、これを改
良するために不感脂化性を向上させる酸化亜鉛結着用樹
脂の開発が種々検討されてきている。例えば、特公昭50
−31011号では、フマル酸存在下で(メタ)アクリレー
ト系モノマーと他のモノマーと共重合させた重量平均分
子量1.8〜10×104でガラス転移点10〜80℃の樹脂と(メ
タ)アクリレート系モノマーとフマル酸以外の他のモノ
マーとから成る共重合体とを併用したもの、特開昭53−
54027号では、カルボン酸基をエステル結合から少なく
とも原子数7個離れて有する置換基をもつ(メタ)アク
リル酸エステルを含む三元共重合体を用いるもの、特開
昭54−20735号及び特開昭57−202544号では、アクリル
酸及びヒロドキシエチル(メタ)アクリレートを含む4
元又は5元共重合体を用いるもの、特開昭58−68046号
では、炭素数6〜12のアルキル基を置換基とする(メ
タ)アクリル酸エステル及びカルボン酸含有のビニルモ
ノマーを含む3元共重合体を用いるもの等が光導電層の
不感脂化性の向上に効果があると記載されている。しか
し、これらの不感脂化性向上に効果があるとされる樹脂
であっても、現実に評価してみると地汚れ、耐刷力等に
おいて不充分であった。
更に、結着樹脂として、分解により親水性基を生成す
る官能基を含有する樹脂を用いるものが検討されてお
り、例えば分解によりヒドロキシル基を生成する官能基
を含有するもの(特開昭62−195684号、特開昭62−2104
75号、特開昭62−258476号)や分解によりカルボキシル
基を生成する官能基を含有するもの(特開昭62−212669
号)あるいは、分解によりヒドロキシル基又はカルボキ
シル基を生成する官能基を含有するとともに、ポリマー
間の橋架けにより水への溶解性防止と水膨潤性を持たせ
ることで更に地汚れ防止と耐刷向上を行なうもの(特開
平1−191157号、特開平1−197765号、特開平1−1918
60号、特開平1−185667号、特開平1−179052号、特開
平1−191158号等)等が知られている。
(発明が解決しようとする課題) しかし、これらは平版印刷用原版として現実に詳細に
評価してみると、非画像部の親水性を充分高め、地汚れ
防止が向上するに充分な量で、これらの樹脂を用いると
環境変動(高温・高湿あるいは低温・低湿)時に、電子
写真特性(特に暗中電荷保持性、光感度等)が変動し、
安定した良好な複写画像が得られなくなる場合が生じ
た。結果として、これを印刷用原版として用いた場合に
は印刷物の印刷画像の劣化あるいは地汚れ防止効果の減
少となってあらわれた。
又、デジタルダイレクト平版印刷用原版としての電子
写真式平版印刷用原版において、半導体レーザー光を用
いたスキャニング露光方式を採用した場合、可視光によ
る全面同時露光方式に比べ、露光時間が長くなり、また
露光強度にも制約があることから、静電特性、特に暗電
荷保持特性、光感度に対して、より高い性能が要求され
る。
これに対し、上記公知の原版では、電子写真特性が劣
化し、実際の複写画像も、地カブリが発生し易くなり、
且つ細線の飛びや文字のツブレが生じてしまい、結果と
して平版印刷用原版として印刷すると印刷物の画質は低
下してしまい、結着樹脂の非画像部分の親水性向上によ
る地汚れ防止の効果がなくなってしまった。
本発明は、この様な現状に鑑み、電子写真式平版印刷
用原版として静電特性(特に暗電荷保持性及び光感度)
に優れ、原画に対して忠実な複写画像を再現し、且つ印
刷物の全面一様な地汚れはもちろん点状の地汚れをも発
生させず、又、耐刷性の優れた平版印刷用原版を提供す
ることである。
更には、半導体レーザー光を用いたスキャニング露光
方式に有効な電子写真式平版印刷用原版を提供すること
である。
(課題を解決するための手段) 上記課題は導電性支持体上に、少なくとも1層の光導
電性酸化亜鉛と、結着樹脂とを含有することから成る光
導電層を設けて成る電子写真感光体を利用した平版印刷
用原版において、該結着樹脂が、フッ素原子及びケイ素
原子のうちの少なくともいずれか一方を含有する、分解
によりスルホ基、ホスホノ基、カルボキシル基及びヒド
ロキシル基の少なくとも1つの基を生成する官能基を含
有する一官能性単量体と、−PO3H2基、−COOH基、−SO3
H基、−OH基、 {R0は炭化水素基又は−OR′基(R′は炭化水素基を示
す)を表わす}及び環状酸無水物含有基から選択される
少なくとも1つの酸性基を含有する重合体成分を少なく
とも1種含有するAブロックと、下記一般式(I)で示
される重合体成分を少なくとも含有するBブロックとか
ら構成されるA・Bブロック共重合体のBブロックの重
合体主鎖の末端に重合性二重結合基を結合して成る重量
平均分子量1×103〜2×104の一官能性マクロモノマー
(M)とから少なくとも成るグラフト型共重合体を少な
くとも1種含有することを特徴とする電子写真式平版印
刷用原版により解決されることが見出された。
〔式(I)中、a1及びa2は各々水素原子、ハロゲン原
子、シアノ基又は炭化水素基を表わす。X1は−COO−、
−OCO−、CH2l1−OCO−、CH2l2−COO−(l1、l
2は1〜3の整数を表わす)、−O−,−SO2−、−CO
−、 −CONHCOO−、−CONHCONH−又は を表わす(ここでR22は水素原子又は炭化水素基を表わ
す)。
R21は炭化水素基を表わす。但しX1を表わす場合、R21は水素原子又は炭化水素基を表わ
す。〕 本発明は、平版印刷用原版の光導電層の結着樹脂の少
なくとも1種として、フッ素原子及び/又はケイ素原子
を少なくとも含有する、分解により少なくとも1つの親
水性基(スルホ基、ホスノホ基、カルボキシル基、及び
/又はヒドロキシル基)を生成する官能基を少なくとも
1つ含有する一官能性単量体と一官能性マクロモノマー
とから少なくとも成るグラフト型共重合体を含有する事
を特徴としている。これにより本発明による平版印刷用
原版は、原画に対して忠実な複写画像を再現し、非画像
部の親水性が良好であるための地汚れも発生せず、光導
電層の平滑性及び静電特性が良好であり、更に耐刷力が
優れているという利点を有する。
更に、本発明の平版印刷用原版は製版処理時の環境に
左右されず、また処理前の保存性に優れているという特
徴を有する。
平版印刷版としては、非画像部の表面部分が充分に親
水化されている事が重要であるのに対して、前記の分解
反応により親水性基を生成する型の公知の樹脂は、光導
電層の全体に均一に分散されたものである。従って、該
公知の樹脂において表面を充分に親水化するためには光
導電層全体に且つ多くの存在割合で親水性基生成官能基
が存在してしまうため、その結果として、光導電性酸化
亜鉛と結着樹脂との適切な相互作用の維持が充分でなく
なり、環境変動や、スキャニング露光方式の場合に電子
写真特性の低下が生じてしまうものと考えられる。
これに対して、本発明に係る結着樹脂は、フッ素原子
及び/またケイ素原子を含有する保護基で親水性基を保
護し且つ分解して親水基を生成する官能基を含む重合体
成分:セグメントA部と、一官能性マクロモノマーに相
当する重合体成分:セグメントB部とから成るグラフト
型共重合体であることを特徴とする。本発明の樹脂は従
来公知のランダム共重合体と異なり、光導電層中で特異
的な挙動を有する。即ち、結着樹脂として本発明の樹脂
を用いると、セグメントB部と光導電性酸化亜鉛とが適
切に相互作用し、電子写真特性を良好に維持できるとと
もに、セグメントA部とセグメントB部との相溶性の違
いによりミクロ相分離構造を形成していると推定され、
更に、表面層部分に後に親水性基を生成するセグメント
A部が多く存在する傾向にあることから、非画像部の親
水性の向上効果がより高められ、印刷時の地汚れ防止の
効果となって現われるものと考えられる。
更には、不感脂化処理により親水性基を生成した本発
明の樹脂は、親水性であるセグメントA部が表面側に向
き、他方親油性であるセグメントB部が表面の反対側に
向き、他の結着樹脂及び/又は酸化亜鉛と相互作用して
アンカー効果を発揮することで、該樹脂のエッチング液
及び/又は印刷時の湿し水の中への溶出を抑制すること
から、非画像部の良好な親水性の維持が可能となり多数
枚の良好な画質の印刷物を得ることが可能となった。
以下に、本発明において用いられる分解して少なくと
も1個の該親水性基を生成するフッ素原子及び/又はケ
イ素原子含有の官能基(以下、単に親水性基生成官能基
と称することもある)について詳しく説明する。
本発明の親水性基生成官能基は、分解によって親水性
基を生成するが、1つの官能基から生成する親水性基は
1個でも2個以上でもよい。
本発明の1つの好ましい態様によれば、親水性基生成
官能基含有のグラフト共重合体は、一般式(II)〜
(V)で示される官能基を少なくとも1種含有する樹脂
である。
本発明の親水性基生成官能基の好ましい態様の1つと
して−COOH基、−SO3H基又−PO3H2基を生成する官能基
について説明する。
一般式(II) −V−O−L1 又はCH22SO2P8を表わす。
L1の場合において、P1は、水素原子、−CN基、−CF3基、
−COR11基又は−COOR11基を表わす。但しR11は炭素数1
〜6のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、炭素数
7〜12の置換されてもよいアラルキル基(具体的にはベ
ンジル基、フェネチル基、クロロベンジル基、メトキシ
ベンジル基、クロロフェネチル基、メチルフェネチル基
等)、芳香族基(例えば置換基を含有してもよいフェニ
ル基又はナフチル基:具体的には、フェニル基、クロロ
フェニル基、ジクロロフェニル基、メチルフェニル基、
メトキシフェニル基、アセチルフェニル基、アセトアミ
ドフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、ナフチ
ル基等)、CH2 n1CF2 m1CF2H(ここでn1は1又は
2の整数及びm1は1〜8の整数を表わす)、CH2 n2C
m2H2m2+1(ここでn2は0、1又は2の整数及びm2は1〜
8の整数を表わす)又は 〔n3は1〜6の整数及びm3は1〜4の整数を表わし、Z
は単結合又は−O−を表わす。
R12及びR13は同じでも異なってもよく、各々水素原子
又は炭素数1〜4のアルキル基(具体的にはメチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基等)を表わす。
R14、R15及びR16は各々同じでも異なってもよく、炭
素数1〜12の置換されてもよい炭化水素基又は−OR17
(R17は炭化水素基を示す)を表わす。ここで炭化水素
基及びR17の炭化水素基の具体的内容は、前記したR11
炭化水素基とそれぞれ同一の内容を表わす〕を表わす。
P2は−CF3基、−COR11基又は−COOR11基を表わす(但
し、R11は上記と同一の記号を表わす)。
更に、P1及びP2において少なくともいずれか一方にフ
ッ素原子又はケイ素原子含有の置換基が選ばれる必要が
ある。
L1を表わす場合、P3、P4及びP5は前記R14、R15及びR16
同一の内容を表わす。
L1の場合、P6及びP7は同じでも異なってもよく、各々R11
と同一の内容を表わす。但し、P6とP7のいずれか一方に
は、少なくともフッ素原子又はケイ素原子含有の置換基
が選ばれる。
L1が−(CH22SO2P8の場合、P8は CH2 n1CF2 m1CF2H基、CH2n2Cm2H2m2+1基又は を表わし、その内容は前記したR11におけるそれぞれ相
応する内容と同様の内容を表わす。
L1の場合、V1は、フッ素原子及び/又はケイ素原子を含む
置換基を含有する、環状イミド基を形成する有機残基を
表わす。具体的には、形成される環状イミド環残基とし
て、マレイン酸イミド基、グルタコン酸イミド基、コハ
ク酸イミド基、フタル酸イミド基等が挙げられる。又、
フッ素原子及び/又はケイ素原子を含む置換基として
は、上記P8で示される炭化水素基、及び−S−P9基(P9
はP8と同一の内容を表わす)等が挙げられる。
本発明の好ましい態様の1つとして、ヒドロキシル基
生成官能基が挙げられ具体的には下記一般式(III)〜
(V)が挙げられる。
一般式(III) −O−L2 式(III)中、L2を表わす。P3、P4、P5は前記の記号と同一のものと表わ
す。
式(IV)中、R3、R4は、互に同一でも異なってもよ
く、水素原子又はR11と同一の内容の基を表わす。但
し、R3とR4の少なくともいずれか一方は、フッ素原子及
び/又はケイ素原子含有の置換基から選ばれる。
V2はヘテロ原子を介してもよい炭素−炭素結合を表わ
す(但し、酸素原子間の原子数は5個以内である)。
式(V)中、V2、R3、R4は上記定義通りである。
本発明の一般式(II)〜(V)で表わされる官能基に
ついて具体例を以下に述べる。但し本発明の範囲は、こ
れらに限定されるものではない。
(14)−SO2−O−CF3 (15)−SO2−OCH22SO2CF3 (16)−SO2−OCH22SO2CH2CF3 (17)−SO2−OCH22SO2(CH22C3F7 (24)−O−Si(C2H53 前記した如く、重合反応で所望の樹脂を製造する方法
において用いられる一般式(II)〜(V)の官能基を含
有する共重合体成分について更に具体的に述べると、例
えば下記一般式(VI)の如き成分が挙げられる。但しこ
れの共重合体成分に限定されるものではない。
式(VI)中、X′は、−O−、−CO−、−COO−、−O
CO−、 −CH2COO−、−CH2OCO−、 芳香族基、又はヘテロ環基を示す〔但し、e1、e2、e3
e4は、各々水素原子、炭化水素基、又は式(VI)中の
Y′−W〕を表わし、f1、f2は同じでも異なっていても
よく、水素原子、炭化水素基、又は式(VI)中のY′
−W〕を表わし、lは0〜18の整数を示す〕。
Y′は、結合基X′と結合基〔W〕を連結する、ヘテ
ロ原子を介していてもよい炭素−炭素結合を表わし(ヘ
テロ原子としては、酸素原子、イオウ原子、窒素原子を
示す。)、 例えば CH=CH、−O−、−S−、 −COO−、CONH−、−SO2−、−SO2NH−、NHCOO−、NHCO
NH−等の結合単位の単独又は組合せの構成より成るもの
である(但しf3、f4、f5は、各々前記f1、f2と同義であ
る)。
Wは式(II)〜(V)で表わされる官能基を表わす。
c1、c2は同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハ
ロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子等)、シアノ
基、炭化水素基(例えば、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキ
シカルボニルメチル基、ブトキシカルボニルメチル基等
の置換されてもよい炭素数1〜12のアルキル基、ベンジ
ル基、フェネチル基等のアラルキル基、フェニル基、ト
リル基、キシリル基、クロロフェニル基等のアリール基
等)、又は−COOZ0(Z0は式(VI)中の−W基を含む置
換基で置換されていてもよい、炭素数1〜18のアルキル
基、アルケニル基、アラルキル基、脂環式基、芳香族基
を示す)を表す。
又、式(VI)中の〔−X′−Y′−〕結合残基が存在
せず 部と−Wを直接連結させてもよい。
次に本発明のグラフト型共重合体の他の共重合成分を
構成する一官能性マクロモノマー(M)について説明す
る。
マクロモノマー(M)のA−ブロックを構成する成分
中に含有される酸性基としては、−PO3H2基、−COOH
基、−SO3H基、−OH基、 {R0は炭化水素基又は−OR′基(R′は炭化水素基を示
す)を表す}又は環状酸無水物含有基が挙げられ、好ま
しくは−COOH基、−SO3H基、−OH、又は である。
該酸性基における において、R0は炭化水素基又はOR′基(R′は炭化水素
基を表わす)を表わし、R0及びR′は好ましくは炭素数
1〜22の脂肪族基(例えば、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル
基、ドデシル基、オクタデシル基、2−クロロエチル
基、2−メトキシエチル基、3−エトキシプロピル基、
アリル基、クロトニル基、ブテニル基、シクロヘキシル
基、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル
基、メチルベンジル基、クロロベンジル基、フロロベン
ジル基、メトキシベンジル基等)、又は置換されてもよ
いアリール基(例えば、フェニル基、トリル基、エチル
フェニル基、プロピルフェニル基、クロロフェニル基、
フロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロ−メチル
−フェニル基、ジクロロフェニル基、メトキシフェニル
基、シアノフェニル基、アセトアミドフェニル基、アセ
チルフェニル基、ブトキシフェニル基等)等を表わす。
また、環状酸無水物含有基とは、少なくとも1つの環
状酸無水物を含有する基であり、含有される環状酸無水
物としては、脂肪族ジカルボン酸無水物、芳香族ジカル
ボン酸無水物が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸無水物の例としては、コハク酸無
水物環、グルタコン酸無水物環、マレイン酸無水物環、
シクロペンタン−1,2−ジカルボン酸無水物環、シクロ
ヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物環、シクロヘキセ
ン−1,2−ジカルボン酸無水物環、2,3−ビシクロ〔2.2.
2〕オクタンジカルボン酸無水物環等が挙げられ、これ
らの環は、例えば塩素原子、臭素原子等のハロゲン原
子、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基等のア
ルキル基等が置換されていてもよい。
又、芳香族ジカルボン酸無水物の例としては、フタル
酸無水物環、ナフタレン−ジカルボン酸無水物環、ピリ
ジン−ジカルボン酸無水物環、チオフェン−ジカルボン
酸無水物環等が挙げられ、これらの環は、例えば、塩素
原子、臭素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、ヒドロキシ
ル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基
(アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキ
シ基等)等が置換されていてもよい。
酸性基含有の共重合成分について例示する。ここで、
P1はH又はCH3を示し、P2はH、CH3又はCH2COOCH3を示
し、R12は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R13は炭素
数1〜6のアルキル基、ベンジル基又はフェニル基を示
し、cは1〜3の整数を示し、dは2〜11の整数を示
し、eは1〜11の整数を示し、fは2〜4の整数を示
し、gは2〜10の整数を示す。
OH基としては、ビニル基又はアリル基含有のアルコー
ル類(例えばアリルアルコール、メタクリル酸エステ
ル、アクリルアミド等のエステル置換基、N−置換基中
に、−OH基を含有する化合物等)、ヒドロキシフェノー
ル又はヒドロキシフェニル基を置換基として含有するメ
タクリル酸エステルもしくはアミド類を挙げることがで
きる。
上記の如き特定の酸性基を含有する重合成分は該ブロ
ック中に2種以上含有されていてもよく、その場合にお
ける該2種以上の酸性基含有成分は該ブロック中におい
てランダム共重合又はブロック共重合のいずれの態様で
含有されていてもよい。
また、該酸性基を含有しない成分がAブロック中に含
まれていてもよく、該成分の例としては後述の一般式
(I)で示される成分等があげられる。かかる酸性基非
含有成分の含有量はAブロック中好ましくは0〜50重量
%、より好ましくは0〜20重量%であり、最も好ましく
は、かかる酸性基非含有成分はAブロック中に含まれな
い。
次にグラフト型共重合体の一官能性マクロモノマーに
おいて、Bブロック成分を構成する重合成分について詳
しく説明する。
本発明では、B−ブロックを構成する成分として、少
なくとも前記一般式(I)で表わされる繰り返し単位が
含まれる。
一般式(I)において、X1は−COO−、−OCO−、CH
2 OCO−、(CH2l2COO−(l1、l2は1〜3の整数
を表わす)、−O−、−SO2−、−CO−、 −CONHCOO−、−CONHCONH−又は を表わす。
ここで、R22は水素原子のほか、好ましい炭化水素基
としては、炭素数1〜18の置換されてもよいアルキル基
(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ヘプチル基、ヘキシル基、オクチル基、デジル基、
ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、2−ク
ロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−シアノエチル
基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−メトキシエ
チル基、3−ブロモプロピル基等)、炭素数4〜18の置
換されてもよいアルケニル基(例えば、2−メチル−1
−プロペニル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、
3−メチル−2−ペンテニル基、1−ペンテニル基、1
−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、4−メチル−2−
ヘキセニル基、等)、炭素数7〜12の置換されてもよい
アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、3
−フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、2−ナフチ
ルエチル基、クロロベンジル基、ブロモベンジル基、メ
チルベンジル基、エチルベンジル基、メトキシベンジル
基、ジメチルベンジル基、ジメトキシベンジル基等)、
炭素数5〜8の置換されてもよい脂環式基(例えば、シ
クロヘキシル基、2−シクロヘキシルエチル基、2−シ
クロペンチルエチル基等)又は炭素数6〜12の置換され
たもよい芳香族基(例えば、フェニル基、ナフチル基、
トリル基、キシリル基、プロピルフェニル基、ブチルフ
ェニル基、オクチルフェニル基、ドデシルフェニル基、
メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ブトキシフ
ェニル基、デシルオキシフェニル基、クロロフェニル
基、ジクロロフェニル基、ブロモフェニル基、シアノフ
ェニル基、アセチルフェニル基、メトキシカルボニルフ
ェニル基、エトキシカルボニルフェニル基、ブトキシカ
ルボニルフェニル基、アセトアミドフェニル基、プロピ
ルアミドフェニル基、ドデシロイルアミドフェニル基
等)があげられる。
R21は炭化水素基を表わし、その好ましい具体例はR22
について説明したものと同様の内容を示す。但し、一般
式(I)中のX1を表わす場合、R21は水素原子又は炭化水素基を表わ
す。
X1を表わす場合、ベンゼン環は置換基を有してもよい。置
換基としては、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原
子等)、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、クロロメチル基、メトキシメチル基
等)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、
プロピオキシ基、ブトキシ基等)等が挙げられる。
a1及びa2は、互いに同じでも異なっていてもよく、好
ましくは水素原子、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、
臭素原子等)、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基
(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
等)、−COO−R23又は炭化水素を介した−COO−R23(R
23は、水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基、アルケ
ニル基、アラルキル基、脂環式基またはアリール基を表
わし、これらは置換されていてもよく、具体的には、上
記R22について説明したものと同様の内容を表わす)を
表わす。
上記炭化水素を介した−COO−R23における炭化水素と
しては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が挙
げられる。
更に好ましくは、一般式(I)において、X1は−COO
−、−OCO−、−CH2OCO−、CH2COO−、−O−、−CONH
−、−SO2NH−又は を表わし、a1、a2は互いに同じでも異なってもよく、水
素原子、メチル基、−COOR23又は−CH2COOR23{R23は好
ましくは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基(例え
ばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシ
ル基等)を表わす}を表わす。更により好ましくは、
a1、a2においていずれか一方が水素原子を表わす。
前記の特定の酸性基を含有する重合成分から成るAブ
ロックとは別に構成されるBブロックにおいて、前記式
(I)で示される繰り返し単位は2種以上含有されてい
てもよく、更にこれら以外の他の重合成分を含有してい
てもよい。酸性基を含有しないBブロックにおいて2種
以上の重合成分が含有される場合には、該共重合成分は
該Bブロック中においてランダム共重合又はブロック共
重合のいずれの態様で含有されていてもよいが、ランダ
ムに含有されることが好ましい。
前記した式(I)で示される繰り返し単位から選ばれ
た重合成分とともに他のブロック中に含有され得る他の
重合成分は、これらと共重合する成分であればいずれで
もよい。
該B−ブロック中に含有される重合体成分として、式
(I)に示される重合体成分とともに共重合しうる他の
繰り返し単位に相当する単量体として、例えばアクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、複素環ビニル類(例え
ばビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ビニルピロリ
ドン、ビニルチオフェン、ビニルピラゾール、ビニルジ
オキサン、ビニルオキサジン等)等が挙げられる。これ
ら他の単量体はB−ブロックの全重合体成分100重量部
中20重量部を越えない範囲で用いられる。又、該Bブロ
ック中には、該A−ブロックの構成成分である酸性基を
含有する重合体成分を含有しない事が好ましい。
次に本発明のマクロモノマー(M)において、上記し
た酸性基を含有する成分から成るA−ブロックと一般式
(I)で示される重合体成分から成るB−ブロックをA
−B型で連結し且つA−ブロックと連結するB−ブロッ
クの他の末端に連結される重合性二重結合基について説
明する。
具体的には下記一般式(VII)で示される重合性二重
結合基が挙げられる。
式(VII)中、X2は式(I)中のX1と同一の内容を表
わす。
a3、a4は、お互いに異なってもよく、式(I)中の
a1、a2と同一の内容を表わす。
即ち、一般式(VII)で示される重合性二重結合基と
して、より具体的には、 CH2=CHCH2 COO−、CH2=CH−CO−、 が挙げられる。
本発明において供されるマクロモノマー(M)は上述
の如きB−ブロックの片末端に、一般式(VII)で示さ
れる重合性二重結合基が、直接結合するか、あるいは、
任意の連結基で結合された化学構造を有するものであ
る。連結する基としては、炭素−炭素結合(一重結合あ
るいは二重結合)、炭素−ヘテロ原子結合(ヘテロ原子
としては例えば、酸素原子、イオウ原子、窒素原子、ケ
イ素原子等)、ヘテロ原子−ヘテロ原子結合の原子団の
任意の組合せで構成されるものである。
即ち具体的には単なる結合または、 〔R24、R25は水素原子、ハロゲン原子(例えばフッ素原
子、塩素原子、臭素原子等)、シアノ基、ヒドロキシル
基、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル
基等)等を示す〕、CH=CH−、 〔R26、R27は各々水素原子、前記式(I)におけるR21
と同様の内容を表わす炭化水素基等を示す〕等の原子団
から選ばれた単独の連結基もしくは任意の組合せで構成
された連結基を表わす。
本発明のマクロモノマー(M)の重量平均分子量は、
1×103〜2×104であり、好ましくは3×103〜1.5×10
4である。
マクロモノマー(M)の重量平均分子量が2×104
超えると、他の単量体との共重合性が低下するため好ま
しくない。他方、重量平均分子量が小さすぎると、感光
層の電子写真特性の向上効果が小さくなるため、1×10
3以上であることが好ましい。
本発明のマクロモノマー(M)は、従来公知の合成方
法によって製造することができる。例えば、該特定の酸
性基を含有する重合体成分に相当する単量体において、
酸性基を予め保護した官能基としておき、有機金属化合
物(例えばアルキルリチウム類、リチウムジイソプロピ
ルアミド類、アルキルマグネシウムハライド類等)ある
いはヨウ化水素/ヨウ素系等によるイオン重合反応、ポ
ルフィリン金属錯体を触媒とする光重合反応、あるいは
グループ移動重合反応等の公知のいわゆるリビング重合
反応でA−B−ブロック共重合体を合成した後、このリ
ビングポリマーの末端に種々の試薬を反応させて重合性
二重結合基を導入する。
この後、酸性基を保護した官能基を加水分解反応、加
水素分解反応、酸化分解反応あるいは光分解反応等によ
って脱保護反応を行ない、酸性基を形成させる方法が挙
げられる。その1つの例を下記の反応スキーム(1)に
示した。
例えば、P.Lutz,P.Masson et al,Polym.Bull,12,79
(1984),B.C.Anderson,G.D.Andrews et al,Macromolec
ules,14,1601(1981),K.Hatada,K.Ute,et al,Polym.J.
17,977(1985),18,1037(1986),右手浩一、畑田耕
一、高分子加工、36,366(1987),東村敏延、沢本光
男、高分子論文集、46,189(1989),M.Kuroki,T.Aida,
J.Am.Chem.Sic,109,4737(1987),相田卓三、井上祥
平、有機合成化学、43,300(1985),D.Y.Sogoh,W.R.Her
tler et al,Macromolecules,20,1473(1987)等に記載
の合成方法に従って容易にリビングポリマーを合成する
ことができる。又、該リビングポリマーの末端に重合性
二重結合基を導入する方法としては、従来公知のマクロ
モノマーの合成法に従って容易に本発明のマクロモノマ
ーとすることができる。
具体的には、P.Dreyfuss & R.P.Quirk,Encycl.Poply
m.Sci.Eng.,7,551(1987),P.F.Rempp,E.Franta,Adv.,P
olym.Sci.58,1(1984),V.Percec,Appl.,Polym.Sci.,28
5,95(1984),R.Asami,M.Takaki,Makromol.Chem.Suppl.
12,163(1985),P.Rempp.et al,Makromol.Chem.Suppl.
8,3(1984),川上雄資、化学工業、38,56(1987),山
下雄也、高分子、31,988(1982),小林四郎、高分子、
30,625(1981)、東村敏延、日本接着協会誌18,536(19
82)、伊藤浩一、高分子加工、35,262(1986)、東貫四
郎、津田隆、機能材料、1987No.10,5等の総説及びそれ
に引例の文献・特許等に記載の方法に従って合成するこ
とができる。
又、本発明の特定の酸性基を保護する保護基及びその
保護基の脱離(脱保護反応)については、従来公知の知
見を利用して容易に行なうことができる。例えば、前記
した引用文献にも種々記載されており、更には、岩倉義
男、栗田恵輔、「反応性高分子」(株)講談社刊(1977
年)、T.W.Greene,「Protective Groups in Organic Sy
nthesis」,John Wiley & Sons(1981年),J.F.W.McOmi
e,「Protective Groups in Organic Chemistry」,Plenu
m Press,(1973年)等の総説に詳細に記載されている方
法を適宜選択して行なうことができる。
A−B−ブロックマクロモノマーの他の合成法として
は、ジチオカーバメート化合物を開始剤とした光イニフ
ァーター重合法によって合成することもできる。例え
ば、大津隆行、高分子、37,248(1988),檜森俊一、大
津隆一、Polym.Rep.Jap.37,3508(1988)、特開昭64−1
11号、特開昭64−26619号等に記載の合成方法に従って
合成され。これを上記したマクロモノマー合成法を利用
して本発明のマクロモノマーを得ることができる。
本発明のマクロモノマー(M)は、具体的には、下記
の化合物を例として挙げることができる。但し、本発明
の範囲は、これらに限定されるものではない。
以下の各例において、Q1、Q2及びQ3は各々−H、−CH
3又は−CH2COOCH3を示し、Q4は−H又は−CH3を示し、R
31は−CnH2n+1(nは1〜18の整数を示す)、CH2 mC
6H5(mは1〜3の整数を示す)、 (Xは−H、−Cl、−Br,−CH3、−OCH3又は−COCH3
示す)又は (pは0又は1〜3の整数を示す)を示し、R32はCqH
2q+1(qは1〜8の整数を示す)又は(CH2mC6H5を示
し、Y1は−OH、−COOH、−SO3H、 を示し、Y2は、−COOH、−SO3H、 を示し、rは2〜12の整数を示し、sは2〜6の整数を
示す。
更に、重合体主鎖では、分解により親水性基を生成す
る官能基を含有する一官能性単量体に加えて、および/
又はA・Bブロック共重合体より成るマクロモノマー
(M)では、上記一般式(I)で示される共重合成分お
よび酸性基を含有する共重合成分に加えて、各々更に、
熱及び/又は光硬化性官能基を含有する共重合成分を1
〜20重量%含有することが、より大きな機械的強度を得
る上で好ましい。
「熱及び/又は光硬化性官能基」とは、熱及び光のう
ちの少なくともいずれかにより樹脂の硬化反応を行なう
官能基をいう。
光硬化性官能基として具体的には、乾英夫、永松元太
郎、「感光性高分子」(講談社、1977年刊)、角田隆
弘、「新感光性樹脂」(印刷学会出版部、1981年刊)、
G.E.Green and B.P.Strak,J.Macro.Sci.Reas.Macro Che
m.,C21(2),187〜273(1981〜82)、C.G.Rattey,「Ph
otopolymerzation of Surface Cootings」(A.Wiley In
terScience Pub.1982年刊)、等の総説に引例された光
硬化性樹脂として従来公知の感光性樹脂等に用いられる
官能基が用いられる。
また本発明における「熱硬化性官能基」は、前記の酸
性基以外の官能基であって、例えば、遠藤剛、「熱硬化
性高分子の精密化」(C.M.C(株)、1986年刊)、原崎
勇次「最新バインダー技術便覧」第II−I章(総合技術
センター、1985年刊)、大津隆行「アクリル樹脂の合成
・設計と新用途開発」(中部経営開発センター出版部、
1985年刊)、大森英三「機能性アクリル系樹脂」(テク
ノシステム、1985年刊)等の総説に引例の官能基を用い
ることができる。
例えば−OH基、−SH基、−NH2基、−NHR9基〔R9は炭
化水素基を表わし、例えば炭素数1〜10の置換されても
よいアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、2
−クロロエチル基、2−メトキシエチル基、2−シアノ
エチル基等)、炭素数4〜8の置換されてもよいシクロ
アルキル基(例えばシクロヘプチル基、シクロヘキシル
基等)、炭素数7〜12の置換されてもよいアラルキル基
(例えばベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロ
ピル基、クロロベンジル基、メチルベンジル基、メトキ
シベンジル基等)、置換されてもよいアリール基(例え
ばフェニル基、トリル基、キシリル基、クロロフェニル
基、ブロモフェニル基、メトキシフェニル基、ナフチル
基等)等が挙げられる〕、 −CONHCH2OR4〔R4は水素原子又は炭素数1〜8のアルキ
ル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、ヘキシル基、オクチル基等)を表わす〕、−N=
C=O基及び {d9、d10は、各々水素原子、ハロゲン原子(例えば塩
素原子、臭素原子等)又は炭素数1〜4のアルキル基
(例えばメチル基、エチル基等)を表わす}等挙げるこ
とができる。又該重合性二重結合基として、具体的には
CH2=CH−、CH2=CH−CH2−、 CH2=CH−CH2−NHCO−、CH2=CH−SO2−、 CH2=CH−CO−、CH2=CH−O−、CH2=CH−S−等を挙
げることができる。
本発明において、結着樹脂に該硬化性官能基の群から
選択される官能基を少なくとも1種含有させる方法とし
て、重合体に高分子反応で導入する方法、又は該官能基
を1種又はそれ以上含有する1種又はそれ以上の単量体
と前記した主鎖部における一官能性単量体及び/又はマ
クロモノマー(M)における一般式(I)の繰り返し単
位に相当する単量体及び「酸性基含有の共重合体成分」
に相当する単量体と各々共重合反応する方法等により得
られる。
高分子反応は、従来公知の低分子合成反応の方法をそ
のまま用いることができ、例えば、日本化学会編、「新
実験化学講座14巻、有機化合物の合成と反応〔I〕〜
〔V〕」、(丸善株式会社刊)、岩倉義男、栗田恵輔著
「反応性高分子」等の総説引例の公知文献等に詳細に記
載されている。
更に、本発明のグラフト共重合体は、前記した親水性
基生成官能基含有の一官能性単量体及び前記したマクロ
モノマー(M)とともに、これら以外の他の単量体を共
重合成分として含有してもよい。
例えば、α−オレフィン類、アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、
スチレン、ビニル基含有ナフタレン化合物(例えばビニ
ル−ナフタレン、1−イソプロペニルナフタリン等)、
ビニル基含有複素環化合物(例えばビニルピリジン、ビ
ニルピロリドン、ビニルチオフェン、ビニルテトラヒド
ロフラン、ビニル−1,3−ジオキソラン、ビニルイミダ
ゾール、ビニルチアゾール、ビニルオキサゾリン等)等
の化合物が挙げられる。
本発明のグラフト共重合体における親水性基生成官能
基含有の単量体(A)に相当する重合体成分は、全重合
体中の30〜90重量%、特に40〜80重量%であることが好
ましい。又全重合体中における一官能性マクロモノマー
(M)に相当する重合体成分は、10〜70重量%、特に20
〜60重量%であることが好ましい。更に上記以外の他の
重合体成分は、多くても30重量%を越えない事が好まし
い。
又、該共重合体の重量平均分子量は103〜106、特に5
×103〜5×105である事が好ましい。
単量体(A)が30重量%以下あるいはマクロモノマー
(M)が70重量%以上となると、オフセット印刷用原版
として不感脂化処理し印刷した際の保水性向上効果が薄
れてしまう。
他方単量体(A)が90重量%以上あるいはマクロモノ
マー(M)が10重量%以下となると、印刷における印刷
枚数が多くなった時に保水性向上の効果が維持されなく
なってしまう。
本発明の平版印刷用原版における結着樹脂は、本発明
のグラフト共重合体単独でもよいし、他の従来公知の樹
脂と併用してもよい。
併用する樹脂としては、例えば前記で引例した如きア
ルキッド樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ス
チレン−ブタジエン樹脂、アクリル樹脂等があげられ、
具体的には、栗田隆治、石渡次郎、高分子、第17巻、第
278頁(1968年)、宮本晴視、武井秀彦、イメージン
グ、1973(No.8)第9頁等の総説引例の公知材料等が挙
げられる。
好ましくは、無機光導電体として光導電性酸化亜鉛を
用いる電子写真感光体の結着樹脂として知られるメタク
リレートを重合体成分として含有するランダム共重合体
群がその1つとして挙げられる。例えば特公昭50−2242
号、特公昭50−31011号、特開昭50−98324号、特開昭50
−98325号、特公昭54−13977号、特公昭59−35013号、
特開昭54−20735号、特開昭57−202544号等に記載の樹
脂が挙げられる。
更に重量平均分子量が2万以下でメタクリレートと酸
性分含有モノマーとのランダム共重合体と重量平均分子
量が3万以上の他の樹脂又は、熱及び/又は光で硬化す
る化合物との組み合せで構成される結着樹脂(例えば特
開昭63−220148号、特開昭63−220149号、特開平2−34
860号、特開平2−40660号、特開平2−53064号、特開
平1−102573号等)を併用してもよい。あるいは重量平
均分子量が2万以下でメタクリレート成分含有の重合体
であり且つその重合体主鎖の片末端に酸性基を含有して
成る重合体と、重量平均分子量3万以下の他の樹脂又は
熱及び/又は光で硬化する化合物との組み合せで構成さ
れる結着樹脂(例えば特開平1−169455号、同1−2807
61号、同1−214865号、同2−874号、特願昭63−22148
5号、特願昭63−220442号、特願昭63−220441号等)を
併用してもよい。
本発明のグラフト型共重合体と前記した他の結着樹脂
とを併用する場合その使用割合は任意の割合で用いるこ
とができるが、好ましくは全結着樹脂100重量部中、本
グラフト樹脂の含有割合は0.5重量%〜20重量%特に1
〜10重量%である。
特に、本発明の樹脂を他の結着樹脂(特に半導体レー
ザー光対応の電子写真特性を満足するもの)と併用した
場合には、本発明の樹脂が光導電層の表面部分に濃縮さ
れてくることが確認され、従って極く少量の使用量で足
りることが判った。
この事により、優れた電子写真特性を維持したまま、
不感脂化処理により親水性基を発現した本発明の樹脂が
表面部分に効率よく存在し、結着樹脂の親水化が有効に
達成され、印刷物の画質・地汚れが著しく改善されるこ
とが可能になった。
即ち、本発明のグラフト型共重合体は、フッ素原子及
び/又はケイ素原子を含有する重合体成分(:セグメン
トA部)とマクロモノマー(M)に相当する重合体成分
(:セグメントB部)とから構成されるが、光導電層を
形成した際に、セグメントA部が著しい親油性をもつこ
とから光導電層の表面部分に移行現象が起り、上記の様
な少量の使用割合にも拘わらず表面部分に本発明のグラ
フト共重合体が濃縮して存在できる様になると推定され
る。更に、本発明の親水性基生成官能基を含むセグメン
トA部を含む共重合体は不感脂化液あるいは印刷時用い
る湿し水により加水分解あるいは加水素分解、光分解さ
れて親水性基を生成する。
従って、前述の如く該共重合体を平版印刷用原版の結
着樹脂として用いると、不感脂化液により親水性化され
る非画像部の親水性が、樹脂中に生成される上記親水性
基を含有するセグメントA部が表面部分に濃縮して存在
することにより一層高められるため、画像部の親油性と
非画像部の親水性が明確となり、印刷時に非画像部に印
刷インキが付着するのを防止する。
一方、前記の如く、エッチング処理及び印刷機上での
印刷中の湿し水により分解して生成した親水性基含有の
本発明の樹脂はグラフト型共重合体であることから、マ
クロモノマー(M)部に相当するセグメントB部は、親
油性であり、光導電層中の酸化亜鉛及び/又は他の結着
樹脂との相互作用が著しく強くなることから、このセグ
メントB部がアンカーとして作用し、溶解して溶出する
ことを防止する効果を有する。従って、多数枚の印刷を
行なっても、非画像部の親水性が維持され、高耐刷が可
能となる。
より好ましい態様で言うならば、環境条件の変動によ
っても良好な電子写真特性を示すあるいは半導体レーザ
光を光源とするスキャニング露光方式のシステムでも良
好な電子写真特性を示す結着樹脂を用いて優れた電子写
真特性を示し且つ、複写画像の原画再現性が良好な光導
電層に、これらの性能を全く損なうことのない使用量で
本発明のグラフト型共重合体を用いることで親水性向上
の効果が変らず維持できること、あるいは印刷機の大型
化あるいは印圧の変動等印刷条件が厳しくなった場合で
も地汚れのない鮮明な画質の印刷物を多数枚印刷するこ
とが可能となる。
本発明に使用する無機光導電材料は、光導電性酸化亜
鉛であるが、更に他の無機光導体として酸化チタン、硫
化亜鉛、硫化カドミウム、炭酸カドミウム、セレン化亜
鉛、セレン化カドミウム、セレン化テルル、硫化鉛等を
併用してもよい。しかし、これら他の光導電材料は、光
導電性酸化亜鉛の40重量%以下であり、好ましくは20重
量%以下である。
他の光導電材料が40重量%を越えると、平版印刷用原
版としての非画像部の親水性向上の効果が薄れてしま
う。
無機光導電材料に対して用いる結着樹脂の総量は、光
導電体100重量部に対して、結着樹脂を10〜100重量部な
る割合、好ましくは15〜50重量部なる割合で使用する。
本発明では、必要に応じて各種の色素を分光増感剤と
して併用することができる。例えば、宮本晴視、武井秀
彦、イメージング1973(No.8)第12頁、C.J.Young等、R
CA Review15,469(1954)、清田航平等、電気通信学会
論文誌J63-C(No.2)、97(1980)、原崎勇次等、工業
化学雑誌6678及び188(1963)、谷忠昭、日本写真学会
35,208(1972)等の総説引例のカーボニウム系色素、
ジフェニルメタン色素、トリフェニルメタン色素、キサ
ンテン系色素、フタレイン系色素、ポリメチン色素(例
えば、オキソノール色素、メロシアニン色素、シアニン
色素、ロダシアニン色素、スチリル色素等)、フタロシ
アニン色素(金属含有してもよい)等が挙げられる。
更に具体的には、カーボニウム系色素、トリフェニル
メタン色素、キサンテン系色素、フタレイン系色素を中
心に用いたものとしては、特公昭51−452号、特開昭50
−90334号、特開昭50−114227号、特開昭53−39130号、
特開昭53−82353号、米国特許第3,052,540号、米国特許
第4,054,450号、特開昭57−16456号等に記載のものが挙
げられる。
オキソノール色素、メロシアニン色素、シアニン色
素、ロダシアニン色素等のポリメチン色素としては、F.
M.Hamer「The Cyanine Dyes and Related Compounds」
等に記載の色素類が使用可能であり、更に具体的には、
米国特許第3,047,384号、米国特許第3,110,591号、米国
特許第3,121,008号、米国特許第3,125,447号、米国特許
第3,128,179号、米国特許第3,132,942号、米国特許第3,
622,317号、英国特許第1,226,892号、英国特許第1,309,
274号、英国特許第1,405,898号、特公昭48−7814号、特
公昭55−18892号等に記載の色素が挙げられる。
更に、700nm以上の長波長の近赤外〜.赤外光域を分
光増感するポリメチン色素として、特開昭47−840号、
特開昭47−44180号、特公昭51−41061号、特開昭49−50
34号、特開昭49−45122号、特開昭57−46245号、特開昭
56−35141号、特開昭57−157254号、特開昭61−26044
号、特開昭61−27551号、米国特許第3,619,154号、米国
特許第4,175,956号、「Research Disclosure」1982年、
216、第117頁〜118頁等に記載のものが挙げられる。本
発明の感光体は種々の増感色素を併用させても、その性
能が増感色素により変動しにくい点において優れてい
る。更には、必要に応じて、化学増感剤等の従来知られ
ている電子写真感光層用各種添加剤を併用するこもでき
る。例えば、前記した総説:イメージング1973(No.8)
第12頁等の総説引例の電子受容性化合物(例えば、ハロ
ゲン、ベンゾキノン、クロラニル、酸無水物、有機カル
ボン酸等)、小門宏等、「最近の光導電材料と感光体の
開発・実用化」第4章〜第6章:日本科学情報(株)出
版部(1986年)の総説引例のポリアリールアルカン化合
物、ヒンダートフェノール化合物、p−フェニルジアミ
ン化合物等が挙げられる。
これら各種添加剤の添加量は、特に限定的ではない
が、通常光導電体100重部に対して0.0001〜2.0重量部で
ある。
光導電層の厚さは1〜100μm、特には10〜50μmが
好適である。
また、電荷発生層と電荷輸送層の積層型感光体の電荷
発生層として光導電層を使用する場合は電荷発生層の厚
さは0.01〜1μm、特には0.05〜0.5μmが好適であ
る。
積層型感光体の電荷輸送材料としてはポリビニルカル
バゾール、オキサゾール系色素、ピラゾリン系色素、ト
リフェニルメタン系色素などがある。電荷輸送層の厚さ
としては5〜40μm、特には10〜30μmが好適である。
電荷輸送層の形成に用いる樹脂としては、代表的なも
のは、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロー
ス樹脂、ポリエーテル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニ
ル樹脂、塩ビ−酸ビ共重合体樹脂、ポリアクリル樹脂、
ポリオレフィン樹脂、ウレンタ樹脂、エポキシ樹脂、メ
ラミン樹脂、シリコン樹脂の熱可塑性樹脂及び硬化性樹
脂が適宜用いられる。
本発明による光導電層は、従来公知の支持体上に設け
ることができる。一般に云って電子写真感光層の支持体
は、導電性であることが好ましく、導電性支持体として
は、従来と全く同様、例えば、金属、紙、プラスチック
シート等の基体に低抵抗性物質を含浸させるなどして導
電処理したもの、基体の裏面(感光層を設ける面と反対
面)に導電性を付与し、更にはカール防止を図る等の目
的で少なくとも1層以上をコートしたもの、前記支持体
の表面に耐水性接着層を設けたもの、前記支持体の表面
層に必要に応じて少なくとも1層以上のプレコート層が
設けられたもの、Al等を蒸着した基体導電化プラスチッ
クを紙にラミネートしたもの等が使用できる。
具体的には、導電性基体あるいは導電化材料の例とし
て、坂本幸男、電子写真、14,(No.1),p2〜11(197
5),森賀弘之,「入門特殊紙の化学」高分子刊行会(1
975),M.F.Hoover,J.Macromol.Sci.Chem.A−4(6),
第1327〜1417頁(1970)等に記載されているもの等を用
いる。
本発明の平版印刷用原版を用いた印刷版の作製は、上
記した構成から成る電子写真用原版に常法により複写画
像を形成後、非画像部を不感脂化処理する事で作製され
る。本発明に供される不感脂化処理は、酸化亜鉛の不感
脂化反応(以下A反応という)と、樹脂の不感脂化反応
(以下B反応という)の両者が進行する。不感脂化の方
法としては、例えばA反応処理をした後B反応処理す
る方法、B反応処理をした後A反応処理をする方法、
あるいはA反応とB反応を同時に処理する方法、があ
り、これらのいずれを用いても良い。
酸化亜鉛の不感脂化方法としては、従来公知の処理液
のいずれをも用いることができる。例えば、フェロシア
ン系化合物を不感脂化の主剤として用いた、特開昭62−
239158、同62−292492、同63−99993、同63−9994、特
公昭40−7334、同45−33683、特開昭57−107889、特公
昭46−21244、同44−9045、同47−32681、同55−9315、
特開昭52−101102各号公報等が挙げられる。
また、フィチン酸系化合物を主剤として用いた、特公
昭43−28408、同45−24609、特開昭51−103501、同54−
10003、同53−83805、同53−83806、同53−127002、同5
4−44901、同56−2189、同57−2796、同57−20394、同5
9−207290各号公報に記載のもの、金属キレート形成可
能な水溶性ポリマーを主剤として用いた、特公昭38−96
65、同39−22263、同40−763、同43−28404、同47−296
42、特開昭52−126302、同52−134501、同53−49506、
同53−59502、同53−104302各号公報等に記載のもの、
金属錯体系化合物を主剤として用いた、特開昭53−1043
01、特公昭55−15313、同54−41924各号公報等に記載の
もの、あるいは無機及び有機酸系化合物を主剤として用
いた、特公昭39−13702、同40−10308、同46−26124、
特開昭51−118501、同56−111695各号公報等に記載され
たもの等が挙げられる。
一方、本発明の分解により親水性基を生成する官能基
含有の本発明の樹脂を不感脂化する(即ち親水性の発
現)方法としては、処理液を通すことで加水分解する方
法あるいは光照射処理して分解する方法が挙げられる。
該処理液は所定のpHに調節するpH調整剤を含有する水
溶液であり、設定するpHは、本発明の親水性基生成官能
基の種類によって異なり、pH1〜13まで適宜用いること
ができる。
更に、他の化合物を含有してもよく、例えば水に可溶
性の有機溶媒を水100重量部中に1〜50重量部含有して
もよい。このような水に可溶性の有機溶媒としては、例
えばアルコール類(メタノール、エタノール、プロパノ
ール、プロパギルアルコール、ベンジルアルコール、フ
ェネチルアルコール等)、ケトン類(アセトン、メチル
エチルケトン、アセトフェノン等)、エーテル類(ジオ
キサン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、テトラヒドロピラン等)、アミド類(ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、エステ
ル類(酢酸メチル、酢酸エチル、ギ酸エチル等)等が挙
げられ、これらは単独又は2種以上を混合して用いても
よい。
また、界面活性剤を水100重量部中に0.1〜20重量部含
有してもよい。界面活性剤としては、従来公知のアニオ
ン性、カチオン性あるいはノニオン性の各界面活性剤が
挙げられる。例えば、堀口博「新界面活性剤」三共出版
(株)、(1975年刊)、小田良平、寺村一広、「界面活
性剤の合成とその応用」槙書店(1980年刊)等に記載さ
れる化合物を用いることができる。
本発明の範囲は、上記した具体的化合物例に限定され
るものではない。
処理の条件は、温度15〜60℃で浸漬時間は10秒〜5分
間が好ましい。
本発明の樹脂中の特定の官能基を光照射で分解する方
法としては、製版におけるトナー画像を得た後のいずれ
かの間で「化学的活性光線」で光照射する行程を入れる
様にすればよい。即ち、電子写真現像後、トナー画像の
定着時に定着を兼ねて光照射を行ってもよいし、或いは
従来公知の他の定着法、例えば加熱定着、圧力定着、溶
剤定着などにより定着した後、光照射を行うものであ
る。
本発明に用いられる「化学的活性光線」としては、可
視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線、γ線、α線
などいずれでもよいが、好ましくは紫外線が挙げられ
る。より好ましい波長310nmから波長500nmの範囲での光
線を発しうるのが好ましく、一般には高圧あるいは超高
圧の水銀ランプ等が用いられる。光照射の処理は通常5c
m〜50cmの距離から10秒〜10分間の照射で充分に行うこ
とができる。
(実施例) 以下に本発明の実施例を例示するが、本発明の内容が
これらに限定されるものではない。
マクロモノマー(M)の合成例1:(MM−1) トリフェニルメチルメタクリレート10g及びトルエン1
00gの混合溶液を窒素気流下に充分に脱気し−20℃に冷
却した。
1,1−ジフェニルブチルリチウム0.02gを加え10時間反
応した。
更にこの混合溶液に、エチルメタクリレート90g及び
トルエン100gの混合溶液を窒素気流下に充分に脱気した
後添加し、更に10時間反応した。この混合物を0℃にし
た後、炭酸ガスを60ml/minの流量で30分間通気し、重合
反応を停止させた。
得られた反応液を、攪拌下に、温度25℃とし、2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート6gを加え、更に、ジシク
ロヘキシルカルボジイミド10g、4−N,N−ジメチルアミ
ノピリジン0.2g及び塩化メチレン30gの混合溶液を30分
間で滴下し、そのまま3時間攪拌した。
析出した不溶物を濾別後、この混合溶液に30重量%塩
化水素・エタノール溶液10mlを加え1時間攪拌した。次
に減圧下に反応混合物を全体量が半分になるまで溶媒を
留去した後、石油エーテル1中に再沈した。
沈澱物を補集し、減圧乾燥して得られた重合体は、
w6.5×103で収量56gであった。
マクロモノマー(M)の合成例2:(MM−2) ベンジルメタクリレート5g、(テトラフェニルポルフ
ィナート)アルミニウムメチル0.01g及び塩化メチレン6
0gの混合溶液を窒素気流下に温度30℃とした。これに30
0W−キセノンランプ光をガラスフィルターを通して25cm
の距離から光照射し、12時間反応した。この混合物に更
にブチルメタクリレート45gを加え、同様に8時間光照
射した後、この反応混合物に4−ブロモメチルスチレン
5gを加え30分間攪拌し反応を停止させた。
次にこの反応混合物にPd−Cを加え、温度25℃で1時
間接触還元反応を行なった。
不溶物を濾別した後、石油エーテル500ml中に再沈
し、沈澱物を補集し乾燥した。得られた重合体は収量33
gでw7×103であった。
マクロモノマー(M)の合成例3:(MM−3) 4−ビニルフェニルオキシトリメチルシラン20g及び
トルエン100gの混合溶液を窒素気流下充分に脱気し、0
℃に冷却した。1,1−ジフェニル−3−、メチルペンチ
ルリチウム0.1gを加え、6時間攪拌した。更にこの混合
物に2−クロロ−6−メチルフェニルメタクリレート80
g及びトルエン100gの混合溶液を窒素気流下に充分脱気
した後添加して8時間反応した。この反応混合物に充分
に攪拌しながらエチレンオキサイド30ml/分の流量で30
分間通気した後、温度15℃に冷却しメタクリル酸クロラ
イド8gを30分間で滴下し、更にそのまま3時間攪拌し
た。
次にこの反応混合物に30重量%塩化水素エタノール溶
液10mlを加え、25℃で1時間攪拌した後、石油エーテル
1中に再沈し、補集した沈澱物をジエチルエーテル30
0mlで2回洗浄し乾燥した。
得られた重合体は、収量55gでw7.8×103であった。
マクロモノマー(M)の合成例4:(MM−4) トリフェニルメチルアクリレート15g及びトルエン100
gの混合溶液を窒素気流下に充分に脱気し−20℃に冷却
した。
sec−ブチルリチウム0.1gを加え、10時間反応した。
次に、この混合溶液にスチレン85g及びトルエン100g
の混合溶液を充分に窒素気流下で脱気した後添加し、12
時間反応した。この混合物を0℃にした後、ベンジルブ
ロマイド8gを加え1時間反応し、温度25℃で更に2時間
反応させた。
この反応混合物に30%塩化水素含有エタノール溶液10
mlを加え、2時間攪拌した。不溶物を濾別後、n−ヘキ
サン1中に再沈し、沈澱物を捕集して減圧乾燥した。
得られた重合体の収量は58gで、4.5×103であった。
マクロモノマー(M)の合成例5:(MM−5) フェニルメタクリレート80g、ベンジル−N−ヒドロ
キシルエチル−N−エチルジチオカーバメート4.8gの混
合物を、窒素気流下に容器に密閉し、温度60℃に加温し
た。
これに400Wの高圧水銀灯で10cmの距離からガラスフィ
ルターを通して10時間光照射し光重合した。
これにアクリル酸20g及びメチルエチルケトン180gを
加えた後、窒素置換し再び10時間光照射した。
得られた反応混合物に、2−イソシアナートエチルメ
タクリレート6gを温度30℃で1時間で滴下し、さらに2
時間攪拌した。
次に得られた反応物をヘキサン1.5lに再沈し、捕集し
乾燥した。得られた重合体は、68gでw6.0×103であっ
た。
マクロモノマー(M)の合成例6:(MM−6) メチルメタクリレート65g、メチルアクリレート35g、
2−カルボキシエチル−N,N−ジエチルジチオカーバメ
イト6g及びテトラヒドロフラン106gの混合溶液を窒素気
流下に充分に脱気し温度40℃に加温した。これに400Wの
高圧水銀灯を10cmの距離からガラスフィルターを通して
8時間光照射し、光重合した。この重合物をメタノール
1.5l中に再沈し、沈降物を補集し乾燥した。
上記の重合体90g、2−ピラニルメタクリレート10g及
びテトラヒドロフラン67gの混合物を窒素気流下に温度5
0℃に加温し溶解させた。この混合溶液を上記同様の光
照射条件で10時間光重合した。得られた重合体にテトラ
ヒドロフラン67gを加えて溶解後、メタノール1.5l中に
再沈し、沈降物を補集し、乾燥した。
次に、この重合体60g、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート10gをテトラヒドロフラン140gで溶解し、温度2
5℃とした。
これに、ジシクロヘキシルカルボジイミド12g、4−
(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン0.2g及び塩化メチレ
ン20gの混合溶液を攪拌下に1時間滴下した。更に3時
間攪拌した後、p−トルエンスルホン酸2g、エタノール
10g及び水5gの混合溶液を加え、温度30℃で1時間攪拌
した。
次に、この反応混合物の不溶物を別後、液をメタ
ノール1中に再沈し、沈降物を補集し、乾燥した収量
は42gであった。得られた重合体のは1×104であっ
た。
結着樹脂の製造例1:GP−1 下記化合物(A−1)90g、マクロモノマーの合成例
1のマクロモノマー(MM−1)10g及びトルエン200gの
混合溶液を窒素気流下温度75℃に加温した。これにA.I.
B.N1.0gを加え4時間反応し更にA.I.B.N0.6gを加えて4
時間反応した。
得られた重合体のwは4.5×104であった。
結着樹脂の製造例2:GP−2 下記化合物(A−2)85g、マクロモノマーの合成例
2のマクロモノマー(MM−2)15g及びテトラヒドロフ
ラン200gの混合溶液を窒素気流下温度60℃に加温した。
これに2,2′−アゾビスバレロニトリル(略称A.B.V.N)
1.5gを加え4時間反応し更にA.B.V.N0.8gを加えて4時
間反応した。
得られた重合体のwは5.0×104であった。
結着樹脂の製造例3:GP−3 下記化合物(A−3)70g、マクロモノマーの合成例
3のマクロモノマー(MM−3)30g及びトルエン200gの
混合溶液とし、以降は結着樹脂の製造例1と同様にして
重合反応を行なった。得られた重合体のwは5.3×104
であった。
結着樹脂の製造例4〜10:GP−4〜GP−10 結着樹脂の製造例3において、化合物(A−3)70g
及びマクロモノマー(MM−3)30gの代わりに、下記表
−1の各化合物を各々用いた他は、製造例3と同様に操
作して各重合体を製造した。各重合体のwは4.5×104
〜6×104であった。
実施例1 本発明の結着樹脂(GP−1)2g(固形分量として)、
下記構造の結着樹脂(B−1)38g、光導電性酸化亜鉛2
00g、ウラニン0.03g、ローズベンガル0.06g、テトラブ
ロムフェノールブルー0.02g、無水マレイン酸0.20g及び
トルエン300gの混合物を、ホモジナイザー(日本精機
(株)製)中で6×103r.p.m.の回転数で10分間分散し
た。この感光層形成用分散物を導電処理した紙に乾燥付
着量が20g/m2となるようにワイヤーバーで塗布し、100
℃で3分間乾燥した。ついで暗所で20℃、65%RHの条件
下で24時間放置することにより、電子写真感光材料を作
製した。
実施例2 実施例1において結着樹脂(B−1)38gの代わり
に、下記構造の結着樹脂(B−2)5.7g及び結着樹脂
(B−3)32.3gを用いた他は、実施例1と同様に操作
して電子写真感光材料を作製した。
上記実施例1において、感光層形成物を以下の共重合
体に代えて、比較用の感光材料A、Bの2種を作製し
た。
比較用感光材料A: 実施例1において、結着樹脂として樹脂(B−1)の
み40gを用いた他は実施例1と同様に操作して電子写真
感光材料を作製した。
比較用感光材料B: 結着樹脂として下記構造の結着樹脂(B−4)2g及び
前記樹脂(B−1)38gを用いた他は、実施例1と同様
に操作して電子写真感光材料を作製した。
これらの感光材料の皮膜性(表面の平滑度)、静電特
性、光導電層の不感脂化性(不感脂化処理後の光導電層
の水との接触角で表わす)及び印刷性を調べた。印刷性
は、全自動製版機ELP−404V(富士写真フイルム(株)
製)に現像剤ELP−Tを用いて、露光・現像処理して画
像を形成し、不感脂化処理をして得られた平版印刷版を
用いて調べた(なお、印刷機にはハマダスター(株)製
ハマダスター800SX型を用いた)。
以上の結果をまとめて表−2に示す。
表−2に記した評価項目の実施の態様は以下の通りで
ある。
注1)光導電層の平滑性: 得られた感光材料を、ベック平滑度試験機(熊谷理工
(株)製)を用い、空気容量1ccの条件にて、その平滑
度(sec/cc)を測定した。
注2)静電特性: 温度20℃、65%RHの暗室中で、各感光材料にペーパー
アナライザー(川口電機(株)製ペーパーアナライザー
SP−428型)を用いて−6KVで20秒間コロナ放電をさせた
後10秒間放置し、この時の表面電位V10を測定した。つ
いでそのまま暗中で60秒間静置した後の電位V70を測定
し60秒間暗減衰させた後の電位の保持性、即ち暗減衰保
持率〔D.R.R(%)を(V70/V10)×100(%)〕で求め
た。又、コロナ放電により光導電層表面を−400Vに帯電
させた後ついで光導電層表面を照度2.0ルックスの可視
光で照射し、表面電位V10が1/100に減衰するまでの時間
を求め、これから露光量E1/10(ルックス・秒)を算出
する。
同様にV10が1/100に減衰するまでの時間を求め、これ
から露光量1/100(lux・sec)を算出する。
注3)撮像性: 各感光材料及び全自動製版機ELP404V(富士写真フイ
ルム(株)製)を1昼夜常温・常湿(20℃、65%)に放
置した後、製版して複写画像を形成し、得られた複写原
版の画像(カブリ、画像の画質)を目視で観察する(こ
れをIとする)。複写画像の画質IIは、製版を高温・高
湿(30℃、80%)で行なう他は、前記Iと同様の方法で
試験する。
注4)生版保水性: 各感光材料そのものを(製版しない原版:即ち、生版
と略称)富士写真フイルム(株)製不感脂化液:ELP−EX
を蒸留水で2倍に希釈した水溶液を用いて、エッチング
マシーンを1回通した後、緩衝剤を用いてpH11.0に調整
した水溶液中に30秒間浸漬した。
次に、これらの版をハマダスター(株)製ハマダスタ
ー800SX型を用いて印刷し、刷り出しから50枚目の印刷
物の地汚れの有無を目視で評価した。
注5)印刷物の地汚れ: 各感光材料を、上記注3)と同一の操作で製版した
後、ELP−EXを用いて、エッチングマシーンを1回通し
た後、上記注4)で用いたpH11.0の水溶液中30秒間浸漬
した。
これら不感脂化処理したオフセットマスター用原版を
印刷し、印刷物の地汚れが目視で判別できるまでの印刷
枚数を調べた。
本発明及び比較例Aの静電持性は良好で、実際の撮像
性も複写画像はいずれも鮮明な画質であった。更に本発
明の実施例2の感光体は、静電持性及び撮像性ともにさ
らに良好な結果であった。比較例Bは環境条件が(30
℃、80%RH)変動した時に、劣化が見られた。
これら各感光体を不感脂化処理した、非画像部の親水
化の度合を評価した所、比較例A及びBは、ともに印刷
インキ付着による地汚れが著しく、非画像部の親水化が
充分に行なわれなかった。更に実際に製版した後不感脂
化処理して、印刷した所、本発明の平版は地汚れの発生
も見られず且つ鮮明な画像の印刷画質の印刷物が5000〜
6000枚得られた。
他方、比較例A及Bは、刷り出しから非画像部の地汚
れが著しくなった。
以上の様に、環境条件が変動しても良好な撮像性を与
え且つ非画像部の親水性が充分進行し、地カブリを発生
しない電子写真式平版印刷用原版は本発明のもののみで
あった。
実施例3〜11 実施例2において結着樹脂(GP−1)2gの代わりに下
記表−3の樹脂各2g(固形分量として)を用いた他は実
施例2と同様にして各感光材料を作製した。
静電特性及び印刷特性を実施例2と同様に操作して評
価した。
各感光材料とも、静電特性・撮像性ともに、実施例2
とほぼ同等の特性を示した。
又、不感脂化処理してオフセット平版原版の性能を評
価した所、いずれも生版保水性は良好で実際の製版後の
印刷結果でも6000枚印刷できた。
実施例12及び比較例C〜D 本発明の結着樹脂(GP−5)3g(固形分量として)、
下記構造の樹脂(B−5)4.6g、下記構造の樹脂(B−
6)32.4g、酸化亜鉛200g、下記構造のシアニン色素
〔A〕0.018g及びトルエン300gの混合物をホモジナイザ
ー中で6×103r.p.m.の回転数で10分間分散して、感光
層形成物を調製し、これを導電処理した紙に、乾燥付着
量が20g/m2となる様に、ワイヤーバーで塗布し、100℃
で3分間乾燥し、ついで暗所で20℃65%RHの条件下で24
時間放置することにより、電子写真感光材料を作製し
た。
比較例C: 実施例12において、樹脂(GP−1)3gの代わりに、前
記樹脂(B−4)3gを用いた他は、実施例12と同様に操
作して感光材料を作製した。
比較例D: 実施例12において結着樹脂(GP−1)3g、(B−5)
4.6g及び(B−6)32.4gの代わりに、樹脂(B−4)2
4g、(B−5)4.6g及び(B−6)11.4gを用いた他
は、実施例12と同様の方法で感光材料を作製した。
これらの感光材料の皮膜性(表面の平滑度)、静電特
性、撮像性及び環境条件を30℃、80%RHとした時の静電
特性撮像体を調べた。更に、これらの感光材料をオフセ
ットマスター用原版として用いた時の光導電層の不感脂
化性(不感脂化処理後の光導電層の水との接触角で表わ
す)及び印刷性(地汚れ、耐刷性等)を調べた。
以上の結果をまとめた、表−4に示す。
表−4に示した評価項目において光導電層の平滑性及
び印刷物の地汚れの項目については、実施例1と同様に
して行なった。
静電特性及び撮像性については以下の態様で実施し
た。
注5)静電特性: 温度20℃、65%RHの暗室中で、各感光材料にペーパー
アナライザー(川口電機(株)製ペーパーアナライザー
SP−428型)を用いて−6kVで20秒間コロナ放電をさせた
後、10秒間放置し、この時の表面電位V10を測定した。
次いでそのまま暗中で180秒間静置した後の電位V190
測定し、180秒間暗減衰させた後の電位の保持性、即
ち、暗減衰保持率DRR(%)を〔V190/V10)×100
(%)〕で求めた。
又はコロナ放電により光導電層表面を−400Vに帯電さ
せた後、波長780nmの単色光で照射し、表面電位(V10
が1/10に減衰するまでの時間を求め、これから露光量E
1/10(erg/cm2)を算出する。
又表面電位(V10が1/100に減衰するまでの時間を求
め、これから露光量E1/100(erg/cm2)を算出する。
注6)撮像性: 各感光材料を以下の環境条件で1昼夜放置した。次に
−5kVで帯電し、光源として2.0mW出力のガリウム−アル
ミニウム−ヒ素半導体レーザー(発振波長780nm)を用
いて、感光材料表面上で、45erg/cm2の照射量下、ピッ
チ25μm及びスキャニング速度330m/secのスピード露光
後、液体現像剤としてELP−T(富士写真フイルム
(株)製)を用いて現像し、定着することで得られた複
写画像(カブリ、画像の画質)を目視評価した。
本発明の感光体は、静電特性及び撮像性ともに良好で
あった。比較例Cは、静電特性において、E1/100がやや
低下した。しかし、撮像性は、複写する画質の種類(例
えば文字原稿あるいは白地の高い原稿に限定すれば)に
よっては、ほぼ実用に供し得るものであった。一方比較
例Dは、静電特性が低下し特に、環境条件が変動した時
にその影響を著しく受け、実際の複写画像でも、地ガブ
リや文字細線の切れが発生した。
一方、不感脂化処理した原版は、本発明のもののみ、
非画像部の親水化が充分で印刷インキ等の付着物が見ら
れず6000枚まで印刷できた。
比較例Cは、親水化が不充分であり、比較例Dは、生
版保水性は充分であったが、実際に製版後の原版では、
複写画像が劣化しているため、印刷物でも、その影響で
刷り出しから不充分な印刷物しか得られなかった。
実施例13 下記構造の本発明に結着樹脂(GP−11)4.0g、下記構
造の樹脂(B−7)6.0g、下記構造の樹脂(B−8)30
g、光導電性酸化亜鉛200g、下記構造のシアニン色素
〔B〕0.018g及びトルエン300gの混合物をボールミル中
で3時間分散して、感光層形成物を調製し、これを導電
処理した紙に、乾燥付着量が20g/m2となる様に、ワイヤ
ーバーで塗料し、100℃で3分間乾燥し、ついで暗所で2
0℃、65%RHの条件下で24時間放置することにより、電
子写真感光材料を作製した。
本発明の感光材料を、実施例12と同様の操作で静電特
性及び撮像性を評価した。その結果を下記に示した(30
℃、80%RH)。
V10:−570V D.R.R.:85% E1/10:28erg/cm2 E1/100:42erg/cm2 撮像性:◎:非常に良好 製版した原版を、300W高圧水銀灯照射下10cmの距離に
1分間静置した後、ELP−EXを蒸留水で2倍に希釈した
水溶液を用いてエッチングマシーンを1回通して印刷原
版とし、実施例1と同様に印刷した。地カブリのない鮮
明な画質の印刷物が6000枚印刷できた。
実施例14〜19 実施例12において、本発明の結着樹脂(GP−5)3gの
代わりに下記表−5の樹脂各3gを用いた他は、実施例12
と同様にして各感光材料を作製した。
表−5に示す様に、常温常湿(20℃、65%RH)のみな
らず、高温高湿(30℃、80%RH)下でも本発明では優れ
た静電特性が得られた。又撮像性及び保水性はいずれも
良好でオフセットマスター原版として用いて、印刷した
所、地汚れのない鮮明な画質の印刷物が6000枚以上得ら
れた。
実施例20 下記構造の本発明の樹脂(GP−12)6g、下記構造の結
着樹脂(B−9)34g、光導電性酸化亜鉛200g、ウラニ
ン0.03g、ローズベンガル0.075g、ブロムフェノールブ
ルー0.045g、無水フタノール酸0.1及びトルエン240gの
混合物をホモジナイザー中で1×104r.p.m.の回転数で
8分間分散した。これを導電処理した紙に、乾燥付着量
20g/m2となる様にワイヤーバーで塗布し100℃で3分間
加熱した。次いで20℃、65%RHの条件下で24時間放置す
ることにより電子写真感光材料を作製した。
得られた感光材料を実施例1と同様にして、静電特性
及び撮像性を調べた。その結果、静電特性は下記の様に
良好な結果を得た(30℃、80%RH)。
V10=−560V D.R.R=88% E1/10(lux−sec):11.5、E1/100(lux−sec):37 又実際の複写画像も、常温常湿及び高温高湿のいずれ
かの条件においても、この様な過酷な条件においても地
カブリの発生や細線飛びの発生等のない鮮明な画像を与
えた。
更に、この製版した版を、0.5モル、モノエタノール
アミンの60%メチルエチルケトン水溶液中に1分間浸漬
し、更にELP−EX蒸留水で2倍に希釈した水溶液を用い
て、エッチングマシーンを1回通して不感脂化処理した
後、実施例1と同様にして、印刷した所6000枚の印刷物
まで地汚れのない鮮明な画質の印刷物が得られた。
(発明の効果) 本発明によれば、電子写真式平版印刷用原版として静
電特性(特に暗電荷保持性及び光感度)に優れ、原画に
対して忠実な複写画像を再現し、且つ印刷物の全面一様
な地汚れはもちろん点状の地汚れをも発生させず又、耐
刷性の優れた平版印刷原版を得ることができる。
更には、半導体レーザー光を用いたスキャンニング露
光方式に有効な電子写真式平版印刷原版を得ることがで
きる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上に、少なくとも1層の光導
    電性酸化亜鉛と、結着樹脂とを含有することから成る光
    導電層を設けて成る電子写真感光体を利用した平版印刷
    用原版において、該結着樹脂が、フッ素原子及びケイ素
    原子のうちの少なくともいずれか一方を含有する、分解
    によりスルホ基、ホスホノ基、カルボキシル基及びヒド
    ロキシル基のうちの少なくとも1つの基を生成する官能
    基を含有する一官能性単量体と、−PO3H2基、−COOH
    基、−SO3H基、−OH基、 {R0は炭化水素基又は−OR′基(R′は炭化水素基を示
    す)を表わす}及び環状酸無水物含有基から選択される
    少なくとも1つの酸性基を含有する重合体成分を少なく
    とも1種含有するAブロックと、下記一般式(I)で示
    される重合体成分を少なくとも含有するBブロックとか
    ら構成されるA・Bブロック共重合体のBブロックの重
    合体主鎖の末端に重合性二重結合基を結合して成る重量
    平均分子量1×103〜2×104の一官能性マクロモノマー
    (M)とから少なくとも成るグラフト型共重合体を少な
    くとも1種含有することを特徴とする電子写真式平版印
    刷用原版。 〔式(I)中、a1及びa2は各々水素原子、ハロゲン原
    子、シアノ基又は炭化水素基を表わす。X1は−COO−、
    −OCO−、CH2l1−OCO−、CH2l2−COO−(l1、l
    2は1〜3の整数を表わす)、−O−,−SO2−、−CO
    −、 −CONHCOO−、−CONHCONH−又は を表わす(ここでR22は水素原子又は炭化水素基を表わ
    す)。 R21は炭化水素基を表わす。但しX1を表わす場合、R21は水素原子又は炭化水素基を表わ
    す。〕
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