JP2684433B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2684433B2
JP2684433B2 JP92690A JP92690A JP2684433B2 JP 2684433 B2 JP2684433 B2 JP 2684433B2 JP 92690 A JP92690 A JP 92690A JP 92690 A JP92690 A JP 92690A JP 2684433 B2 JP2684433 B2 JP 2684433B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電子写真感光体に関し、詳しくは静電特性及
び耐湿性に優れた電子写真感光体に関する。特にCPC感
光体として性能の優れたものに関する。
〔従来の技術〕
電子写真感光体は、所定の特性を得るため、あるいは
適用される電子写真プロセスの種類に応じて、種々の構
成をとる。
電子写真感光体の代表的なものとして、支持体上に光
導電層が形成されている感光体及び表面に絶縁層を備え
た感光体があり、広く用いられている。
支持体と少なくとも1つの光導電層から構成される感
光体は、最も一般的な電子写真プロセスによる、即ち帯
電、画像露光及び現像、更に必要に応じて転写による画
像形成に用いられる。
更には、ダイレクト製版用のオフセット原版として電
子写真感光体を用いる方法が広く実用されている。特に
近年、ダイレクト電子写真平版は数百枚から数千枚程度
の印刷枚数で高画質の印刷物を印刷する方式として重要
となってきている。
電子写真感光体の光導電層を形成するために使用する
結着樹脂は、それ自体の成膜性および光導電性粉体の結
着樹脂への分散能力が優れるとともに、形成された記録
体層の基材に対する接着性が良好であり、しかも記録体
層の光導電層は帯電能力に優れ、暗減衰が小さく、光減
衰が大きく、前露光疲労が少なく、且つ、撮影時の湿度
の変化によってこれら特性を安定に保持していることが
必要である等の各種の静電特性および優れた撮像性を具
備する必要がある。
更に、電子写真感光体を用いた平版印刷用原版の研究
が鋭意行なわれており、電子写真感光体としての静電特
性と印刷原版としての印刷特性を両立させた光導電層用
の結着樹脂が必要である。
しかしながら従来公知の結着樹脂には、特に帯電性、
暗電荷保持性、光感度の如き静電特性、光導電層の平滑
性等に多くの問題があった。
これらの問題を解決するために、結着樹脂として、酸
性基を重合体の側鎖にランダムに含有する重量平均分子
量103〜104の樹脂を用いる技術及び酸性基を重合体主鎖
の末端に含有する重量平均分子量103〜5×105の樹脂を
用いる技術が特開昭63−217354号及び特開昭64−70761
号にそれぞれ開示されており、これにより光導電層の平
滑性及び静電特性が良好となり、しかも地汚れのない画
質が得られることが記載されている。
また、結着樹脂として、酸性基を共重合体の側鎖に含
有し、又は重合体主鎖の末端に結合し、且つ熱及び/又
は光硬化性官能基を含有する重合成分を含有する樹脂を
用いる技術が特開平1−100554号、特願昭63−39690号
に、酸性基を共重合体の側鎖に含有し又は重合体主鎖の
末端に結合する樹脂を架橋剤と併用する技術が特開平1
−102573号、特願昭63−39691号にそれぞれ開示され、
更に該低分子量体(重量平均分子量103〜104)を高分子
量(重量平均分子量104以上)の樹脂と組合せて用いる
技術が特開昭64−564号、同63−220149号、同63−22014
0号、特願昭62−273547号、特開平1−116643号及び特
開平1−169455号に、かかる低分子量体を熱及び/又は
光硬化性樹脂と組合せて用いる技術が特開平1−211766
号及び特願昭63−26561号にそれぞれ開示されている。
これらの技術により、側鎖又は末端に酸性基を含有する
樹脂を用いたことによる上記特性を阻害せずにさらに光
導電層の膜強度を充分ならしめ、機械的強度が増大され
ることが記載されている。
(発明が解決しようとする課題) 通常、電子写真感光体の静電特性を評価するものとし
て、表面電位が1/2又は1/10に減衰するまでの時間に対
応する露光量からそれぞれ求められるE1/2及びE1/10
の値があり、この両者の値は実際の撮像性において原画
の再現性に対応するものとして重要である。即ち、この
1/2とE1/10の値が小さく、かつ差が小さい程、ボケ
のない鮮明な複写画像を再現できる。さらに、E1/10
値が小さい程これを満足するのが一般的である。
これに加えて、撮像時に問題となるのは、露光後の露
光部(即ち非画像部)の電位の残留の程度であり、この
残留電位が大きいと撮像時に複写画像の非画像部の地カ
ブリとなって現われる。
これに対応する静電特性としてE1/100の値が重要で
あり、これが小さい程、優良な撮像性を示すことにな
る。
特に近年の半導体レーザー光スキャニング露光方式で
は、該レーザー光の出力に制約があることから、従来の
帯電性(V10)、暗減衰保持率(D.R.R.)、E1/10の評
価に加えて、E1/100の値が重要なこととなってきた。
しかしながら、上記の公知技術のように、低分子量の
酸性基含有樹脂に高分子量の樹脂あるいは熱及び/又は
光硬化性樹脂等を組合せて用いた場合には、上記の
V10、D.R.R.及びE1/10については実際上満足できるレ
ベルに到達できるが、環境が変動したり、低出力のレー
ザー光を使用したりする場合に、得られるE1/100の値
が十分に満足できる領域になく、複写画像の地カブリの
発生を引き起こすという問題のあることが判明した。
本発明は、以上の様な従来の電子写真感光体の有する
課題を改良するものである。
本発明の目的は、複写画像形成時の環境が低温低湿あ
るいは高温高湿の如く変動した場合でも、安定して良好
な静電特性を維持し、鮮明で良質な画像を有する電子写
真感光体を提供することである。
本発明の他の目的は、静電特性に優れ且つ環境依存性
の小さいCPC電子写真感光体を提供することである。
本発明の他の目的は、半導体レーザー光を用いたスキ
ャニング露光方式に有効な電子写真感光体を提供するこ
とである。
本発明の他の目的は、電子写真式平版印刷原版とし
て、印刷物に地汚れの発生が見られず、且つ貼り込み跡
が生じない平版印刷原版を提供することである。
(課題を解決するための手段) 上記目的は、無機光導電体及び結着樹脂を少なくとも
含有する光導電層を有する電子写真感光体において、該
結着樹脂が、下記で表わされる結着樹脂〔A〕の少なく
とも1種及び結着樹脂〔B〕の少なくとも1種を含有す
る事を特徴とする電子写真感光体により達成されること
が見出された。
結着樹脂〔A〕: 1×103〜2×104の重量平均分子量を有し、下記一般
式(I)で示される共重合成分を30重量%以上並びに−
PO3H2基、−SO3H基、−COOH基、−OH基、 {Rは炭化水素基又は−OR′基(R′は炭化水素基を示
す)を示す}及び環状酸無水物含有基から選択される少
なくとも1種の酸性基を含有する共重合成分を0.5〜20
重量%含有する樹脂。
一般式(I) 〔式(I)中、a1、a2は各々、水素原子、ハロゲン原
子、シアノ基又は炭化水素基を表わす。
R1は炭化水素基を表わす。〕 結着樹脂〔B〕: −PO3H2基、−COOH基、−SO3H基、フエノール性OH
基、 {Rは炭化水素基又は−OR′基(R′は炭化水素基)を
示す}及び環状酸無水物含有基から選択される少なくと
も1つの酸性基を含有する重合体成分を少なくとも1種
含有するAブロックと、下記一般式(II)で示される重
合体成分を少なくとも含有するBブロックとから構成さ
れるA・Bブロック共重合体のBブロックの重合体主鎖
の末端に重合性二重結合基を結合して成る重量平均分子
量1×103〜2×104の一官能性マクロモノマー(M)を
少なくとも1種共重合成分として含有して成る重量平均
分子量3×104〜1×106のグラフト型共重合体。
一般式(II) 〔式(II)中、b1及びb2は各々水素原子、ハロゲン原
子、シアノ基又は炭化水素基を表わす。X1は−COO−、
−OCO−、CH2 l1OCO−、CH2 l2COO−(l1、l2
1〜3の整数を表わす)、−O−、−SO2−、−CO−、 −CONHCOO−、−CONHCONH−又は を表わす(ここでR22は水素原子又は炭化水素基を表わ
す)。
R21は炭化水素基を表わす。但しX1を表わす場合、R21は水素原子又は炭化水素基を表わ
す。〕 即ち、本発明に供される結着樹脂は、特定の繰り返し
単位の重合体成分と酸性基(以下本明細書中では特にこ
とわらない限り酸性基の語の中に環状無水物含有基も含
むものとする)含有の共重合成分とを含有する低分子量
の樹脂〔A〕と、上記特定の酸性基含有成分を含有する
Aブロックと上記の式(II)で示される重合体成分を含
有するBブロックとのAB型共重合体のBブロックの重合
体主鎖末端に重合性二重結合基を結合して成る一官能性
マクロモノマー(M)を共重合成分として少なくとも1
種含有するグラフト型共重合体から成る高分子量の樹脂
〔B〕とから少なくとも構成される。
更には、低分子量の樹脂〔A〕としては、下記一般式
(I a)及び一般式(I b)で示される、2位に、及び/
又は2位と6位に特定の置換基を有するベンゼン環又は
無置換のナフタレン環を含有する、特定の置換基をもつ
メタクリレート成分と酸性基成分とを含有する樹脂
〔A〕(以降この低分子量体をとくに樹脂〔A′〕と称
する)であることが好ましい。
一般式(I a) 一般式(I b) 〔式(I a)および(I b)中、A1及びA2は互いに独立に
各々水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、塩素原子、
臭素原子、−COD1又は−COOD2(D1及びD2は各々炭素数
1〜10の炭化水素基を示す)を表わす。但し、A1とA2
共に水素原子を表わすことはない。
B1及びB2は各々−COO−とベンゼン環を結合する、単
結合又は連結原子数1〜4個の連結基を表わす。〕 更に、高分子量の樹脂〔B〕としては、上記のマクロ
モノマー(M)のうちの少なくとも1種を含み、且つ下
記一般式(III)で表わされる重合体成分を含有して成
るグラフト型共重合体であることが好ましい。
一般式(III) 〔式(III)中、b3、b4、X2及びR22は式(II)のb1
b2、X1及びR21とそれぞれ同様の内容を表わす。〕 本発明では、特定の共重合成分を含有する低分子量の
酸性基含有樹脂(A)は、樹脂中に含有される酸性基が
無機光導電体の化学量論的な欠陥に吸着し、且つ低分子
量であることから、光導電体の表面の被覆性を向上させ
ることで光導電体のトラップを補償すると共に湿度特性
を飛躍的に向上させる一方、光導電体の分散が充分に行
なわれ、凝集を抑制する。そして樹脂〔B〕は、樹脂
〔A〕を用いたことによる電子写真特性の高性能を全く
阻害せずに、樹脂〔A〕のみでは不充分な光導電層の機
械的強度を充分ならしめるとともに前記の如き環境が変
動したり、低出力のレーザー光を用いたりした場合でも
十分に良好な撮像性を得ることができることが判った。
本発明によれば、無機光導電体の結着樹脂として、樹
脂〔A〕と樹脂〔B〕を各々樹脂の重量平均分子量並び
に樹脂中の酸性基の含有量及び結合位置を特定化するこ
とで、無機光導電体と樹脂との相互作用の強さを適度に
変えることができたことによると推定される。即ち、相
互作用のより強い樹脂〔A〕が選択的に無機光導電体に
適切に吸着し、一方で樹脂〔A〕に比べて相互作用の弱
い樹脂〔B〕においては、樹脂中の重合体の主鎖に対し
て特定の位置に結合した酸性基が電子写真特性を疎外し
ない程度に無機光導電体とゆるやかに相互作用し、且つ
樹脂〔B〕間においては長い分子鎖長及びグラフト部鎖
長の分子鎖同志が相互作用をすることで、上記した如く
電子写真特性及び膜の機械的強度をともに著しく向上さ
せることができたと推定される。
また、樹脂〔A′〕を用いると樹脂〔A〕の場合より
も、より一層電子写真特性(特にV10,D.R.R,E1/10)の
向上が達成できる。
この事の理由は不明であるが、一つの理由として、メ
タクリレートのエステル成分である、オルト位に置換基
を有する平面性のベンゼン環、又はナフタレン環の効果
により、膜中の酸化亜鉛界面でのこれらポリマー分子鎖
の配列が適切に行なわれることによるものと考えられ
る。
また、本発明では、光導電体表面の平滑性が滑らかと
なる。電子写真式平版印刷原版として光導電層表面の平
滑性の粗い感光体を用いると、光導電体である無機粒子
と結着樹脂の分散状態が適切でなく、凝集物が存在する
状態で光導電層が形成されるため、不感脂化処理液によ
る不感脂化処理をしても非画像部の親水化が均一に充分
に行なわれず、印刷時に印刷インキの付着を引き起こ
し、結果として印刷物の非画像部の地汚れを生じてしま
う。
本発明の樹脂を用いた場合に無機光導電体と結着樹脂
の吸着・被覆の相互作用が適切に行なわれ、且つ光導電
層の膜強度が保持されるものである。
樹脂〔A〕において、重量平均分子量は1×103〜2
×104、好ましくは3×103〜1×104、式(I)の繰り
返し単位に相当する共重合成分の存在割合は30重量%以
上、好ましくは50〜97重量%、酸性基を含有する共重合
成分の存在割合は0.5〜20重量%、好ましくは1〜10重
量%である。
樹脂〔A′〕における、式(I a)及び/又は(I b)
の繰り返し単位に相当するメタクリレートの共重合成分
の存在割合に、30重量%以上、好ましくは50〜97重量
%、酸性基を含有する共重合成分の存在割合は0.5〜20
重量%、好ましくは1〜10重量%である。
樹脂〔A〕のガラス転移点は好ましくは−20℃〜110
℃、より好ましくは−10℃〜90℃である。
樹脂〔B〕において重量平均分子量3×104〜1×1
06、好ましくは5×104〜5×105である。
A−B型ブロック共重合体成分からなる一官能性マク
ロモノマーの重合体中における存在割合は、好ましく
は、1〜40重量%で、より好ましくは5〜50重量%であ
る。更に、一般式(III)で示される重合体成分の存在
割合は、好ましくは60〜99重量%で、より好ましくは50
〜95重量%である。
樹脂〔B〕のガラス転移点は、好ましくは0℃〜110
℃で、より好ましくは、20℃〜90℃である。
結着樹脂〔A〕の分子量が1×103より小さくなる
と、皮膜形成能が低下した充分な膜強度が保てず、一方
分子量が2×104より大きくなると本発明の樹脂であっ
ても近赤外〜赤外光分光増感色素を用いた感光体におい
て高温・高湿、低温・低湿の過酷な条件下での電子写真
特性(暗減衰保持率及び光感度E1/10)の変動が多少大
きくなり、安定した複写画像が得られるという本発明の
効果が薄れてしまう。
結着樹脂〔A〕における酸性基含有量が0.5重量%よ
り少ないと、初期電位が低くて充分な画像濃度を得るこ
とができない。一方該酸性基含有量が20重量%よりも多
いと、いかに低分子量体といえども分散性が低下し、膜
平滑度及び電子写真特性の高湿特性が低下し、更にオフ
セットマスターとして用いるときに地汚れが増大する。
又、結着樹脂〔B〕の分子量が3×104より小さくな
ると、膜強度が充分に保てず、一方分子量が1×106
り大きくなると、分散性が低下し膜平滑度が劣化し、複
写画像の画質(特に、細線・文字の再現性が悪くなる)
が悪化し、更にオフセットマスターとして用いる時に地
汚れが著しくなってしまう。
又結着樹脂〔B〕におけるマクロモノマー含有量が1
重量%より少ないと電子写真特性(特に暗減衰率、光感
度)が低下し、又環境条件での電子写真特性の変動が特
に近赤外〜赤外光分光増感色素との組み合わせにおい
て、大きくなる。これはグラフト部となるマクロモノマ
ーが微かとなることで結果として従来のホモポリマーあ
るいはランダム共重合体と殆んど同じ組成になってしま
うことによると考えられる。
一方マクロモノマーの含有量が40重量%を越えると、
他の共重合成分に相当する単量体と本発明に従うマクロ
モノマーとの共重合性が充分でなくなり、結着樹脂とし
て用いても充分な電子写真特性が得られなくなってしま
う。
次に本発明に供される結着樹脂〔A〕及び結着樹脂
〔B〕の詳細について説明する。
本発明の樹脂〔A〕は、式(I)で示される繰り返し
単位及び酸性基を含有する繰り返し単位をランダムに共
重合成分として含有する。各繰り返し単位は、樹脂
〔A〕中にそれぞれ2種以上含有されていてもよい。
一般式(I)において、a1、a2は、水素原子、ハロゲ
ン原子(例えば塩素原子、臭素原子)、シアノ基又は炭
化水素基、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基(例え
ばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)、−
COO−R2又は炭化水素を介したCOOR2(R2は、水素原子又
は炭素数1〜18のアルキル基、アルケニル基、アラルキ
ル基、脂環式基またはアリール基を表わし、これらは置
換されていてもよく、具体的には下記R1で説明するもの
と同様の内容を表わす。)を表わす。R1は、好ましくは
炭素数1〜18の置換されていてもよいアルキル基(例え
ばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチ
ル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル
基、トリデシル基、テトラデシル基、2−クロロエチル
基、2−ブロモエチル基、2−シアノエチル基、2−ヒ
ドロキシエチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキ
シエチル基、3−ヒドロキシプロピル基等)、炭素数2
〜18の置換されていてもよいアルケニル基(例えばビニ
ル基、アリル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキ
セニル基、ヘプテニル基、オクテニル基等)、炭素数7
〜12の置換されていてもよいアラルキル基(例えばベン
ジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、2−ナフチ
ルエチル基、メトキシベンジル基、エトキシベンジル
基、メチルベンジル基等)、炭素数5〜8の置換されて
いてもよいシクロアルキル基(例えばシクロペンチル
基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等)、置換さ
れていてもよいアリール基(例えばフェニル基、トリル
基、キシル基、メシチル基、ナフチル基、メトキシフェ
ニル基、エトキシフェニル基、フロロフェニル基、ジフ
ロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロフェニル
基、ジクロロフェニル基、ヨードフェニル基、メトキシ
カルボニルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル
基、シアノフェニル基、ニトロフェニル基等)等が挙げ
られる。更に、好ましくは一般式(I)の繰り返し単位
に相当する共重合体成分は、一般式(I a)及び/又は
(I b)で示される特定のアリール基を含有するメタク
リレート成分で表わされる(樹脂〔A′〕)。
一般式(I a) 一般式(I b) 式(I a)において、好ましいA1及びA2として、それ
ぞれ、水素原子、塩素原子及び臭素原子のほかに、好ま
しい炭化水素基として、炭素数1〜4のアルキル基(例
えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)、
炭素数7〜9のアラルキル基(例えばベンジル基、フェ
ネチル基、3−フェニルプロピル基、クロロベンジル
基、ジクロロベンジル基、ブロモベンジル基、メチルベ
ンジル基、メトキシベンジル基、クロロ−メチル−ベン
ジル基等)及びアリール基(例えばフェニル基、トリル
基、キシリル基、ブロモフェニル基、メトキシフェニル
基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基等)、並び
に−COD1及び−COOD2(好ましいD1及びD2としては上記
好ましい炭化水素基として記載したものを挙げることが
できる)を挙げることができる。但し、A1、A2がともに
水素原子を表わすことはない。
式(I a)において、B1は−COO−とベンゼン環を結合
する単結合又は (n1は1〜3の整数を表わす)、−CH2OCO−、−CH2CH2
OCO−、 (n2は1または2の整数を表わす)、−CH2CH2O−、等
の如き連結原子数1〜4個の連結基を表わす。
式(I b)におけるB2はB1と同一の内容を表わす。
本発明の樹脂〔A′〕で用いられる式(I a)または
(I b)で示される繰り返し単位に相当する共重合成分
の具体例を以下に挙げる。しかし、本発明の範囲はこれ
らに限定されるものではない。
また、以下の各例において、T1及びT2は各々Cl、Br又
はIを示し、R11はCaH2a+1又は を示し、aは1〜4の整数を示し、bは0又は1〜3の
整数を示し、cは1〜3の整数を示す。
また、本発明の樹脂〔A〕における酸性基を含有する
共重合成分において、好ましい酸性基としては、−PO3H
2基、−SO3H基、−COOH基、 環状酸無水物含有基を挙げることができる。
において、Rは炭化水素基又はOR′基(R′は炭化水素
基を表わす)を表わし、R及びR′は好ましくは炭素数
1〜22の脂肪族基(例えば、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル
基、ドデシル基、オクタデシル基、2−クロロエチル
基、2−メトキシエチル基、3−エトキシプロピル基、
アリル基、クロトニル基、ブテニル基、シクロヘキシル
基、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル
基、メチルベンジル基、クロロベンジル基、フロロベン
ジル基、メトキシベンジル基等)、又は置換されてもよ
いアリール基(例えば、フェニル基、トリル基、エチル
フェニル基、プロピルフェニル基、クロロフェニル基、
フロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロ−メチル
−フェニル基、ジクロロフェニル基、メトキシフェニル
基、シアノフェニル基、アセトアミドフェニル基、アセ
チルフェニル基、ブトキシフェニル基等)等を表わす。
また、環状酸無水物含有基とは、少なくとも1つの環
状酸無水物を含有する基であり、含有される環状酸無水
物としては、脂肪族ジカルボン酸無水物、芳香族ジカル
ボン酸無水物が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸無水物の例としては、コハク酸無
水物環、グルタコン酸無水物環、マレイン酸無水物環、
シクロペンタン−1,2−ジカルボン酸無水物環、シクロ
ヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物環、シクロヘキセ
ン−1,2−ジカルボン酸無水物環、2,3−ビシクロ〔2.2.
2〕オクタンジカルボン酸無水物環等が挙げられ、これ
らの環は、例えば塩素原子、臭素原子等のハロゲン原
子、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基等のア
ルキル基等が置換されていてもよい。
又、芳香族ジカルボン酸無水物の例としては、フタル
酸無水物環、ナフタレン−ジカルボン酸無水物環、ピリ
ジン−ジカルボン酸無水物環、チオフェン−ジカルボン
酸無水物環等が挙げられ、これらの環は、例えば、塩素
原子、臭素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、ヒドロキシ
ル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基
(アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキ
シ基等)等が置換されていてもよい。
OH基としては、ビニル基又はアリル基含有のアルコー
ル類(例えばアリルアルコール、メタクリル酸エステ
ル、アクリルアミド等のエステル置換基、N−置換基中
に、−OH基を含有する化合物等)、ヒドロキシフェノー
ル又はヒドロキシフェニル基を置換基として含有するメ
タクリル酸エステルもしくはアミノ類を挙げることがで
きる。
本発明の酸性基を含有する共重合成分は、例えば一般
式(I)〔一般式(I a)、(I b)も含む)で示される
繰り返し単位に相当する単量体と共重合し得る該酸性基
を含有するビニル系化合物であればいずれでもよく、例
えば、高分子学会編「高分子データ・ハンドブック〔基
礎編〕」培風館(1986年)等に記載されている。具体的
には、アクリル酸、α及び/又はβ置換アクリル酸(例
えばα−アセトキシ体、α−アセトキシメチル体、α−
(2−アミノ)メチル体、α−クロロ体、α−ブロモ
体、α−フロロ体、α−トリブチルシリル体、α−シア
ノ体、β−クロロ体、β−ブロモ体、α−クロロ−β−
メトキシ体、α,β−ジクロロ体等)、メタクリル酸、
イタコン酸、イタコン酸半エステル類、イタコン酸半ア
ミド類、クロトン酸、2−アルケニルカルボン酸類(例
えば2−ペンテン酸、2−メチル−2−ヘキセン酸、2
−オクテン酸、4−メチル−2−ヘキセン酸、4−エチ
ル−2−オクテン酸等)、マレイン酸、マレイン酸半エ
ステル類、マレイン酸半アミド類、ビニルベンゼンカル
ボン酸、ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルスルホン
酸、ビニルホスホン酸、ジカルボン酸類のビニル基又は
アリル基の半エステル誘導体、及びこれらのカルボン酸
又はスルホン酸のエステル誘導体、アミド誘導体の置換
基中に該酸性基を含有する化合物等が挙げられる。
酸性基含有の共重合成分について例示する。ここで、
P1はH又はCH3を示し、P2はH、CH3又はCH2COOCH3を示
し、R12は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R13は炭素
数1〜6のアルキル基、ベンジル基又はフェニル基を示
し、cは1〜3の整数を示し、dは2〜11の整数を示
し、eは1〜11の整数を示し、fは2〜4の整数を示
し、gは2〜10の整数を示す。
更に、結着樹脂〔A〕では、上記一般式(I)で示さ
れる共重合成分(一般式(I a)又は(I b)で示される
ものも含む)および酸性基を含有する共重合成分に加え
て、更に、熱及び/又は光硬化性官能基を含有する共重
合成分を1〜20重量%含有することが、より大きな機械
的強度を得る上で好ましい。
「熱及び/又は光硬化性官能基」とは、熱及び光のう
ちの少なくともいずれかにより樹脂の硬化反応を行なう
官能基をいう。
光硬化性官能基として具体的には、乾英夫、永松元太
郎、「感光性高分子」(講談社、1977年刊)、角田隆
弘、「新感光性樹脂」(印刷学会出版部、1981年刊)、
G.E.Green and B.P.Strak,J.Macro.Sci.Reas.Macro Che
m.,C21(2),187〜273(1981〜82)、C.G.Rattey.「Ph
otopolymiriza−tion of Surface Cootings」(A.Wiley
InterScience Pub.1982年刊)、等の総説に引例された
光硬化性樹脂として従来公知の感光性樹脂等に用いられ
る官能基が用いられる。
また本発明における「熱硬化性官能基」は、前記の酸
性基以外の官能基であって、例えば、遠藤剛、「熱硬化
性高分子の精密化」(C.M.C(株)、1986年刊)、原崎
勇次「最新バインダー技術便覧」第II−I章(総合技術
センター、1985年刊)、大津隆行「アクリル樹脂の合成
・設計と新用途開発」(中部経営開発センター出版部、
1985年刊)、大森英三「機能性アクリル系樹脂」(テク
ノシステム、1985年刊)等の総説に引例の官能基を用い
ることができる。
例えば−OH基、−SH基、−NH2基、−NHR3基〔R3は炭
化水素基を表わし、例えば炭素数1〜10の置換されても
よいアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、2
−クロロエチル基、2−メトキシエチル基、2−シアノ
エチル基等)、炭素数4〜8の置換されてもよいシクロ
アルキル基(例えばシクロヘプチル基、シクロヘキシル
基等)、炭素数7〜12の置換されてもよいアラルキル基
(例えばベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロ
ピル基、クロロベンジル基、メチルベンジル基、メトキ
シベンジル基等)、置換されてもよいアリール基(例え
ばフェニル基、トリル基、キシリル基、クロロフェニル
基、ブロモフェニル基、メトキシフェニル基、ナフチル
基等)等が挙げられる〕、 −CONHCH2OR4〔R4は水素原子又は炭素数1〜8のアルキ
ル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、ヘキシル基、オクチル基等)を表わす〕、−N=
C=O基及び {a3、a4は、各々水素原子、ハロゲン原子(例えば塩素
原子、臭素原子等)又は炭素数1〜4のアルキル基(例
えばメチル基、エチル基等)を表わす}等を挙げること
ができる。又該重合性二重結合基として、具体的にはCH
2=CH−、CH2=CH−CH2−、 CH2=CH−CH2−、NHCO−、CH2=CH−SO2−、CH2=CH−C
O、CH2=CH−O、CH2=CH−S−等を挙げることができ
る。
本発明において、結着樹脂に該硬化性官能基の群から
選択される官能基を少なくとも1種含有させる方法とし
て、重合体に高分子反応で導入する方法、又は該官能基
を1種又はそれ以上含有する1種又はそれ以上の単量体
と前記した一般式(I)(一般式(I a)又は(I b)も
含む)の繰り返し単位に相当する単量体及び「酸性基含
有の共重合体成分」に相当する単量体と共重合反応する
方法等により得られる。
高分子反応は、従来公知の低分子合成反応の方法をそ
のまま用いることができ、例えば、日本化学会編、「新
実験化学講座14巻、有機化合物の合成と反応〔I〕〜
〔V〕」、(丸善株式会社刊)、岩倉義男、栗田恵輔
「反応性高分子」等の総説引例の公知文献等に詳細に記
載されている。
一方、該「光及び/又は熱硬化反応を行なう官能基」
を含有する単量体の例としては、例えば一般式(I)の
繰り返し単位に相当する単量体と共重合し得る、該官能
性を含有するビニル系化合物を挙げることができる。具
体的には、前記した「酸性基含有の化合物」と同様の化
合物の置換基中に該官能基を含有するもの等が挙げられ
る。
「熱/光硬化性官能基」含有の繰り返し単位について
例示する。ここで、R11、a、b、eは前記と同様の内
容を示し、P1およびP3は各々H又はCH3を示し、R14は−
CH=CH2又は−CH2CH=CH2を示し、R15は−CH=CH2又は−CH=CHCH3を示し、R16は−CH=CH2、−CH2CH=CH
2又は を示し、ZはS又はOを示し、T3はOH又はNH2を示し、
hは1〜11の整数を示し、iは1〜10の整数を示す。
更に、本発明の樹脂〔A〕は、前記した一般式(I)
の単量体(一般式(I a)及び(I b)も含む)及び該酸
性基を含有した単量体とともに、これら以外の他の単量
体を共重合体成分として含有してもよい。例えば、一般
式(I)で説明した以外の置換基を含有するメタクリル
酸エステル類、アクリル酸エステル類、クロトン酸エス
テル類に加え、α−オレフィン類、カルボン酸ビニル又
はアリルエステル類(例えばカルボン酸として、酢酸プ
ロピオン酸、酪酸、吉草酸、安息香酸、ナフタレンカル
ボン酸等)、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
ビニルエーテル類、イタコン酸エステル類(例えばジメ
チルエステル、ジエチルエステル等)、アクリルアミド
類、メタクリルアミド類、スチレン類(例えばスチレ
ン、ビニルトルエン、クロロスチレン、ヒドロキシスチ
レン、N,N−ジメチルアミノメチルスチレン、メトキシ
カルボニルスチレン、メタンスルホニルオキシスチレ
ン、ビニルナフタレン等)、ビニルスルホン含有化合
物、ビニルケトン含有化合物、複素環ビニル類(例えば
ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾー
ル、ビニルチオフェン、ビニルイミダゾリン、ビニルピ
ラゾール、ビニルジオキサン、ビニルキノリン、ビニル
テトラゾール、ビニルオキサジン等)等が挙げられる。
これら樹脂〔A〕の共重合体に含有され得る他の共重
合成分は20重量%を超えないことが好ましい。
次に樹脂〔B〕の好ましい態様について以下説明す
る。
本発明の樹脂〔B〕に供される一官能性マクロモノマ
ー(M)について更に具体的に説明する。
マクロモノマー(M)のA−ブロックを構成する成分
中に含有される酸性基としては、−PO3H2基、−COOH
基、−SO3H基、フエノール性OH基又は {Rは炭化水素基又は−OR′基(R′は炭化水素基)を
示す}が挙げられ、好ましくは−COOH基、−SO3H基、フ
ェノール性OH基、又は である。
の場合、具体的には樹脂〔A〕において説明したと同様
の内容を表わす。
更に上記特定の酸性基を含有する重合成分の具体例と
しては、前記樹脂〔A〕のものと同様のものが挙げられ
る。
上記の如き特定の酸性基を含有する重合成分は該ブロ
ック中に2種以上含有されていてもよく、その場合にお
ける該2種以上の酸性基含有成分は該ブロック中におい
てランダム共重合又はブロック共重合のいずれの態様で
含有されていてもよい。
また、該酸性基を含有しない成分がAブロック中に含
まれていてもよく、該成分の例としては後述の一般式
(II)で示される成分等があげられる。かかる酸性基非
含有成分の含有量はAブロック中好ましくは0〜50重量
%、より好ましくは0〜20重量%であり、最も好ましく
は、かかる酸性基非含有成分はAブロック中に含まれな
い。
次にグラフト型共重合体の一官能性マクロモノマーに
おいて、Bブロック成分を構成する重合成分について詳
しく説明する。
本発明では、B−ブロックを構成する成分として、少
なくとも前記一般式(II)で表わされる繰り返し単位が
含まれる。
一般式(II)において、X1は−COO−、−OCO−、CH
2 l1OCO−、(CH2 l2COO−(l1、l2は1〜3の整数を
表わす)、−O−、−SO2−、−CO−、 −CONHCOO−、CONHCONH−又は を表わす。
ここで、R23は水素原子のほか、好ましい炭化水素基
としては、炭素数1〜18の置換されてもよいアルキル基
(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ヘプチル基、ヘキシル基、オクチル基、デジル基、
ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、2−ク
ロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−シアノエチル
基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−メトキシエ
チル基、3−ブロモプロピル基等)、炭素数4〜18の置
換されてもよいアルケニル基(例えば、2−メチル−1
−プロペニル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、
3−メチル−2−ペンテニル基、1−ペンテニル基、1
−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、4−メチル−2−
ヘキセニル基、等)、炭素数7〜12の置換されてもよい
アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、3
−フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、2−ナフチ
ルエチル基、クロロベンジル基、ブロモベンジル基、メ
チルベンジル基、エチルベンジル基、メトキシベンジル
基、ジメチルベンジル基、ジメトキシベンジル基等)、
炭素数5〜8の置換されてもよい脂環式基(例えば、シ
クロヘキシル基、2−シクロヘキシルエチル基、2−シ
クロペンチルエチル基等)又は炭素数6〜12の置換され
てもよい芳香族基(例えば、フェニル基、ナフチル基、
トリル基、キシリル基、プロピルフェニル基、ブチルフ
ェニル基、オクチルフェニル基、ドデシルフェニル基、
メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ブトキシフ
ェニル基、デシルオキシフェニル基、クロロフェニル
基、ジクロロフェニル基、ブロモフェニル基、シアノフ
ェニル基、アセチルフェニル基、メトキシカルボニルフ
ェニル基、エトキシカルボニルフェニル基、ブトキシカ
ルボニルフェニル基、アセトアミドフェニル基、プロピ
オアミドフェニル基、ドデシロイルアミドフェニル基
等)があげられる。
R21は炭化水素基を表わし、その好ましい具体例はR23
について説明したものと同様の内容を示す。但し、一般
式(II)中のX1を表わす場合、R21は水素原子又は炭化水素基を表わ
す。
X1を表わす場合、ベンゼン環は置換基を有してもよい。置
換基としては、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原
子等)、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、クロロメチル基、メトキシメチル基
等)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、
プロピオキシ基、ブトキシ基等)等が挙げられる。
b1及びb2は、互いに同じでも異なっていてもよく、好
ましくは水素原子、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、
臭素原子等)、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基
(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
等)、−COO−R24又は炭化水素を介した−COO−R24(R
24は、水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基、アルケ
ニル基、アラルキル基、脂環式基またはアリール基を表
わし、これらは置換されていてもよく、具体的には、上
記R23について説明したものと同様の内容を表わす)を
表わす。
上記炭化水素を介して−COO−R24における炭化水素と
しては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が挙
げられる。
更に好ましくは、一般式(II)において、X1は−COO
−、−OCO−、−CH2OCO−、−CH2COO−、−O−、−CON
H−、−SO2NH−又は を表わし、b1、b2は互いに同じでも異なってもよく、水
素原子、メチル基、−COOR24又は−CH2COOR24、{R
24は、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基(例えば
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基等)を表わす}を表わす。更により好ましくは、b1
b2においていずれか一方が水素原子を表わす。
前記の特定の酸性基を含有する重合成分から成るAブ
ロックとは別に構成されるBブロックにおいて、前記式
(II)で示される繰り返し単位は2種以上含有されてい
てもよく、更にこれら以外の他の重合成分を含有してい
てもよい。酸性基を含有しないBブロックにおいて2種
以上の重合成分が含有される場合には、該共重合成分は
該Bブロック中においてランダム共重合又はブロック共
重合のいずれの態様で含有されていてもよいが、ランダ
ムに含有されることが好ましい。
前記した式(II)で示される繰り返し単位から選ばれ
た重合成分とともに他のブロック中に含有され得る他の
重合成分は、これらと共重合する成分であればいずれで
もよい。
該B−ブロック中に含有される重合体成分として、式
(II)に示される重合体成分とともに共重合しうる他の
繰り返し単位に相当する単量体として、例ればアクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、複素環ビニル類(例え
ばビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ビニルピロリ
ドン、ビニルチオフェン、ビニルピラゾール、ビニルジ
オキサン、ビニルオキサジン等)等が挙げられる。これ
ら他の単量体はB−ブロックの全重合体成分100重量部
中20重量部を越えない範囲で用いられる。又、該Bブロ
ック中には、該A−ブロックの構成成分である極性基を
含有する重合体成分を含有しない事が好ましい。
次に本発明のマクロモノマー(M)において、上記し
た極性基を含有する成分から成るA−ブロックと一般式
(II)で示される重合体成分から成るB−ブロックをA
−B型で連結し且つA−ブロックと連結するB−ブロッ
クの他の末端に連結される重合性二重結合基について説
明する。
具体的には下記一般式(IV)で示される重合性二重結
合基が挙げられる。
一般式(IV) 式(IV)中、X3は式(II)中のX1と同一の内容を表わ
す。
b5、b6は、お互いに異なってもよく、式(II)中の
b1、b2と同一の内容を表わす。
即ち、一般式(IV)で示される重合性二重結合基とし
て、より具体的には、 等が挙げられる。
本発明において供されるマクロモノマー(M)は上述
の如きB−ブロックの片末端に、一般式(IV)で示され
る重合性二重結合基が、直接結合するか、あるいは、任
意の連結基で結合された化学構造を有するものである。
連結する基としては、炭素−炭素結合(一重結合あるい
は二重結合)、炭素−ヘテロ原子結合(ヘテロ原子とし
ては例えば、酸素原子、イオン原子、窒素原子、ケイ素
原子等)、ヘテロ原子−ヘテロ原子結合の原子団の任意
の組合せで構成されるものである。
即ち具体的には単なる結合または、 〔R25、R26は水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素
原子、塩素原子、臭素原子等)、シアノ基、ヒドロキシ
ル基、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピ
ル基等)等を示す〕、CH=CH、 〔R27、R28は各々水素原子、前記式(II)におけるR21
と同様の内容を表わす炭化水素基等を示す〕等の原子団
から選ばれた単独の連結基もしくは任意の組合せで構成
された連結基を表わす。
マクロモノマー(M)の重量平均分子量が2×104
超えると、他の単量体との共重合性が低下するため好ま
しくない。他方、重量平均分子量が小さすぎると、感光
層の電子写真特性の向上効果が小さくなるため、1×10
3以上であることが好ましい。
本発明のマクロモノマー(M)は、従来公知の合成方
法によって製造することができる。例えば、該特定の酸
性基を含有する重合体成分に相当する単量体において、
酸性基を予め保護した官能基としておき、有機金属化合
物(例えばアルキルリチウム類、リチウムジイソプルア
ミド類、アルキルマグネシウムハライド類等)あるいは
ヨウ化水素/ヨウ素系等によるイオン重合反応、ポルフ
ィリン金属錯体を触媒とする光重合反応、あるいはグル
ープ移動重合反応等の公知のいわゆるリビング重合反応
でA−Bブロック共重合体を合成した後、このリビング
ポリマーの末端に種々の試薬を反応させて重合性二重結
合基を導入する。
この後、酸性基を保護した官能基を加水分解反応、加
水素分解反応、酸化分解反応あるいは光分解反応等によ
って脱保護反応を行ない、酸性基を形成させる方法が挙
げられる。その1つの例を下記の反応スキーム(1)に
示した。
例えば、P.Lutz,P.Masson et al,Polym.BulL,12,79
(1984),B.C.Anderson,G.D.Andrews et al,Macromolec
ules,14,1601(1981),K.Hatda,K.Ute,et al,Polym.J.1
7,977(1985),18,1037(1986),右手浩一、畑田耕
一、高分子加工、36,366(1987),東村敏延、沢本光
男、高分子論文集、46,189(1989),M.Kuroki,T.Aida,
J.Am.Chem.Sic,109,4737(1987),相田卓三、井上祥
平、有機合成化学、43,300(1985),D.Y.Sogoh,W.R.Her
tler et al,Macromolecules,20,1473(1987)等に記載
の合成方法に従って容易にリビングポリマーを合成する
ことができる。又、該リビングポリマーの末端に重合性
二重結合基を導入する方法としては、従来公知のマクロ
モノマー法の合成法に従って容易に本発明のマクロモノ
マーとすることができる。
具体的には、P.Dreyfuss & R.P.Quirk,Encycl.Poply
m.Sci.Eng.,,551(1987),P.F.Rempp,E.Franta,Adu.,
Polym.Sci.58,1(1984),V.Percec,Appl.,Polym.Sci.,2
85,95(1984),R.Asami,M.TakaRi,Makvamol.Chem.Supp
l.12,163(1985),P.Rempp.et al,Makvamol.Chem.Supp
l.,3(1984),川上雄資、化学工業、38,56(198
7),山下雄也、高分子、31,988(1982),小林四郎、
高分子、30,625(1981)、東村敏延、日本接着協会誌1
8,536(1982)、伊藤浩一、高分子加工、35,262(198
6)、東貴四郎、津田隆、機能材料、1987No.10,5等の総
説及びそれに引例の文献・特許等に記載の方法に従って
合成することができる。
又、本発明の特定の酸性基を保護する保護基及びその
保護基の脱離(脱保護反応)については、従来公知の知
見を利用して容易に行なうことができる。例えば、前記
した引用文献にも種々記載されており、更には、岩倉義
男、栗田恵輔、「反応性高分子」(株)講談社刊(1977
年)、T.W.Greene,「Protective Groups in Organic Sy
nthesis」,John Wiley & Sons(1981年),J.F.W.McOmi
e,「Protective Groups in Organic Organic Chemistr
y」,Plenum Press,(1973年)等の総説に詳細に記載さ
れている方法を適宜選択して行なうことができる。
他のA−B型ブロック共重合体〔A〕の合成法として
は、ジシオカーバメント化合物を開始剤とした光イニフ
ァーター重合法によって合成することもできる。例え
ば、大津隆行、高分子、37,248(1988),桧森俊一、大
津隆一、Polym.Rep.Jap.37,3508(1988年)、特開昭64
−111号、特開昭64−26619号に記載の合成方法に従って
合成され。これを上記したマクロモノマー合成法を利用
して本発明のマクロモノマーを得ることができる。
本発明のマクロモノマー(M)は、具体的には、下記
の化合物を例として挙げることができる。但し、本発明
の範囲は、これらに限定されるものではない。
以下の各例において、Q1、Q2及びQ3は各々−H、−CH
3又は−CH2COOCH3を示し、Q4は−H又は−CH3を示し、R
31は−CnH2n+1(nは1〜18の整数を示す)、CH2 mC
6H5(mは1〜3の整数を示す)、 (Xは−H、−Cl、−Br、−CH3、−OCH3又は−COCH3
示す)又は (pは0又は1〜3の整数を示す)を示し、R32はCqH
2q+1(qは1〜8の整数を示す)又は(CH2mC6H5を示
し、Y1は−OH、−COOH、−SO3H、 を示し、Y2は−COOH、−SO3H、 又は を示し、rは2〜12の整数を示し、sは2〜6の整数を
示す。
前記したマクロモノマー(M)と共重合する単量体は
一般式(III)で示されるものが好ましい。式(III)に
おいて、b3、b4、X2及びR22は式(II)中のb1、b2、X1
及びR21とそれぞれ同一の内容を表わす。特に好ましく
はb3は水素原子を表わし、b4はメチルを表わし、X2は−
COO−を表わす。
本発明の樹脂〔B〕において、Aブロック/Bブロック
比は1〜30/99〜70(重量比)であることが好ましく、
また樹脂〔B〕中における酸性基含有成分の存在量は、
0.1〜20重量%、特に0.5〜10重量%であることが好まし
い。また、マクロモノマー(M)を繰り返し単位とする
共重合成分と、一般式(III)で示される単量体を繰り
返し単位とする共重合成分の組成比は、好ましくは1〜
60/99〜40(重量組成比)、より好ましくは5〜50/95〜
50(重量組成比)である。
又、重合体主鎖中には、−PO3H2基、−SO3H基、−COO
H基、−OH基、−SH基及び−PO3RH基の極性基を含有する
共重合成分を含有しないものが好ましい。
本発明の結着樹脂〔A〕及び〔B〕は、それぞれ相当
する一官能性重合性化合物を所望の割合で共重合させる
ことによって製造することができる。重合方法としては
溶液重合、懸濁重合、沈澱重合、乳化重合等の公知の方
法を用いることにより製造することができる。例えば溶
液重合ではベンゼン、トルエン等の溶媒中、単量体を所
定の割合で添加し、アゾビス系化合物、過酸化化合物、
ラジカル重合開始剤によって重合せしめ共重合体溶液を
得ることができる。これを乾燥または貧溶剤に添加する
ことにより所望の共重合体を得ることができる。また、
懸濁重合ではポリビニルアルコール、ポリビニルピロリ
ドン等の分散剤の存在下、単量体を懸濁させ、ラジカル
重合開始剤の存在下で共重合せしめ共重合体を得ること
ができる。
更には、本発明の結着樹脂において、好ましい態様で
ある、低分子量体である樹脂〔A〕及び高分子量体であ
る樹脂〔B〕の合成は、従来公知の如く、開始剤の種類
(温度により半減期が異なる)、開始剤の量、重合開始
温度あるいは連鎖移動剤の併用等の方法により容易に調
節することができる。
本発明の光導電層の結着樹脂として、本発明の結着樹
脂とともに、従来、電子写真溶結着樹脂として用いられ
ているものを組合せて使用することもできる。例えば、
宮原晴視、武井秀彦、「イメージング」1978No.8 9〜
12、栗田隆治、石渡次郎、「高分子」、17,278〜284(1
968)等の総説引用の材料が挙げられる。
具体的には、オレフィン重合体及び共重合体、塩化ビ
ニル共重合体、塩化ビニルデン共重合体、アルカン酸ビ
ニル重合体及び共重合体、アルカン酸アリル重合体及び
共重合体、スチレン及びその誘導体、重合体及び共重合
体、ブタジエン−スチレン共重合体、イソプレン−スチ
レン共重合体、ブタジエン−不飽和カルボン酸エステル
共重合体、アクリロニトリル共重合体、メタクリロニト
リル共重合体、アルキルビニルエーテル共重合体、アク
リル酸エステル重合体及び共重合体、メタクリル酸エス
テル重合体及び共重合体、スチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合
体、イタコン酸ジエステル重合体及び共重合体、無水マ
レイン酸共重合体、アクリルアミド共重合体、メタクリ
ルアミド共重合体、水酸基変性シリコン樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ケトン樹脂、アミド樹脂、水酸基及びカ
ルボキシル基変性ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、
ポリビニルアセタール樹脂、環化ゴム−メタアクリル酸
エステル共重合体、環化ゴム−アクリル酸エステル共重
合体、窒素原子を含有しない複素環を含有する共重合体
(複素環として例えば、フラン環、テトラヒドロフラン
環、チオフェン環、ジオキサン環、ジオキソラン環、ラ
クトン酸、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、1,3
−ジオキセタン環等)、エポキシ樹脂等が挙げられる。
しかし、これらの樹脂は、全粘着樹脂量の30重量%を
越えない範囲で用いる事が好ましい。
樹脂〔A〕及び〔B〕の使用する割合は特に制限はな
いが、樹脂〔A〕/〔B〕比5〜50/95〜50、特に10〜4
0/90〜60(重量比)であることが好ましい。
本発明に使用する無機光導電材料としては、酸化亜
鉛、酸化チタン、硫化亜鉛、硫化カドミウム、炭酸カド
ミウム、セレン化亜鉛、セレン化カドミウム、セレン化
テルル、硫化鉛、等が挙げられる。
無機光導電材料に対して用いる結着樹脂の総量は、光
導電体100重量部に対して、結着樹脂を10〜100重量部な
る割合、好ましくは15〜50重量部なる割合で使用する。
本発明では、必要に応じて各種の色素を分光増感剤と
して併用することができる。例えば、宮本晴視、武井秀
彦、イメージング1973(No.8)第12頁、C.J.Young等、R
CA Review15,469(1954),清田航平等、電気通信学会
論文誌J63−C(No.2),97(1980)、原崎勇次等、工業
化学雑誌66 78及び188(1963)、谷忠昭、日本写真学
会誌35、208(1972)、等の総説引例のカーボニウム系
色素、ジフェニルメタン色素、トリフェニルメタン色
素、キサンテン系色素、フタレイン系色素、ポリメチン
色素(例えば、オキソノール色素、メロシアニン色素、
シアニン色素、ロダシアニン色素、スチリル色素等)、
フタロシアニン色素(金属含有してもよい)等が挙げら
れる。
更に具体的には、カーボニウム系色素、トリフェニル
メタン色素、キサンテン系色素、フタレイン系色素を中
心に用いたものとしては、特公昭51−452号、特開昭50
−90334号、特開昭50−114227号、特開昭53−39130号、
特開昭53−82353号、米国特許第3,052,540号、米国特許
第4,054,450号、特開昭57−16456号等に記載のものが挙
げられる。
オキソノール色素、メロシアニン色素、シアニン色
素、ロダシアニン色素等のポリメチン色素としては、F.
M.Harmmar「The Cyanine Dyes and Related Compound
s」等に記載の色素類が使用可能であり、更に具体的に
は、米国特許第3,047,384号、米国特許第3,110,591号、
米国特許第3,121,008号、米国特許第3,125,447号、米国
特許第3,128,179号、米国特許第3,132,942号、米国特許
第3,622,317号、英国特許第1,226,892号、英国特許第1,
309,274号、英国特許第1,405,898号、特公昭48−7814
号、特公昭55−18892号等に記載の色素が挙げられる。
更に、700nm以上の長波長の近赤外〜赤外光域を分光
増感するポリメチン色素として、特開昭47−840号、特
開昭47−44180号、特公昭51−41061号、特開昭49−5034
号、特開昭49−45122号、特開昭57−46245号、特開昭56
−35141号、特開昭57−157254号、特開昭61−26044号、
特開昭61−27551号、米国特許第3,619,154号、米国特許
第4,175,956号、「Research Disclosure」1982年、21
6、第117〜118頁等に記載のものが挙げられる。本発明
の感光体は種々の増感色素を併用させても、その性能が
増感色素により変動しにくい点において優れている。更
には、必要に応じて、化学増感剤等の従来知られている
電子写真感光層用各種添加剤を併用することもできる。
例えば、前記した総説:イメージング1973(No.8)第12
頁等の総説引例の電子受容性化合物(例えば、ハロゲ
ン、ベンゾキノン、クロラニル、酸無水物、有機カルボ
ン酸等)、小門宏等、「最近の光導電材料と感光体の開
発・実用化」第4章〜第6章:日本科学情報(株)出版
部(1986年)の総説引例のポリアリールアルカン化合
物、ヒンダートフェノール化合物、p−フェニレンジア
ミン化合物等が挙げられる。
これら各種添加剤の添加量は、特に限定的ではない
が、通常光導電体100重量部に対して0.0001〜2.0重量部
である。
光導電層の厚さは1〜100μ、特には10〜50μが好適
である。
また、電荷発生層と電荷輸送層の積層型感光体の電荷
発生層として光導電層を使用する場合は電荷発生層の厚
さは0.01〜1μ、特には0.05〜0.5μが好適である。
感光体の保護および耐久性、暗減衰特性の改善等を主
目的として絶縁層を付設させる場合もある。この時は絶
縁層は比較的薄く設定され、感光体を特定の電子写真プ
ロセスに用いる場合に設けられる絶縁層は比較的厚く設
定される。
後者の場合、絶縁層の厚さは、5〜70μ、特には、10
〜50μmに設定される。
積層型感光体の電荷輸送材料としてはポリビニルカル
バゾール、オキサゾール系色素、ピラゾリン系色素、ト
リフェニルメタン系色素などがある。電荷輸送層の厚さ
としては5〜40μ、特には10〜30μが好適である。
絶縁層あるいは電荷輸送層の形成に用いる樹脂として
は、代表的なものは、ポリスチレン樹脂、ポリエステル
樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、塩化ビニル
樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩ビ−酢ビ共重合体樹脂、ポリ
アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、エ
ポキシ樹脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂の熱可塑性樹
脂及び硬化性樹脂が適宜用いられる。
本発明による光導電層は、従来公知の支持体上に設け
ることができる。一般に云って電子写真感光層の支持体
は、導電性であることが好ましく、導電性支持体として
は、従来と全く同様、例えば、金属、紙、プラスチック
シート等の基体に低抵抗性物質を含浸させるなどして導
電処理したもの、基体の裏面(感光層を設ける面と反対
面)に導電性を付与し、更にはカール防止を図る等の目
的で少なくとも1層以上をコートしたもの、前記支持体
の表面に耐水性接着層を設けたもの、前記支持体の表面
層に必要に応じて少なくとも1層以上のプレコート層が
設けられたもの、Al等を蒸着した基体導電化プラスチッ
クを紙にラミネートしたもの等が使用できる。
具体的に、導電性基体あるいは導電化材料の例とし
て、坂本幸男、「電子写真」、14(No.1)、p2〜11(19
75)、森賀弘之、「入門特殊紙の化学」高分子刊行会
(1975),M.F.Hoover,J.Macromol.Sci.Chem.A−4
(6)、第1327〜第1417頁(1970)等に記載されている
もの等を用いる。
(実施例) 以下に本発明の実施例を例示するが、本発明の内容が
これらに限定されるものではない。
本発明の樹脂〔A〕の合成例1:〔A−1〕 ベンジルメタクリレート95g、アクリル酸5g及びトル
エン200gの混合溶液を窒素気流下90℃の温度に加温した
後、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(略称A.I.B.
N)6.0gを加え4時間反応させた。更にA.I.B.N.2gを加
2時間反応させた。得られた共重合体〔A−1〕の重量
平均分子量(略称||)は8500であった。
本発明の樹脂〔A〕の合成例2〜28:〔A−2〕〜〔A
−28〕 樹脂〔A〕の合成例1の重合条件と同様に操作して下
記表−1の各樹脂〔A〕を合成した。
本発明の樹脂〔A〕の合成例29:〔A−29〕 2,6−ジクロロフェニルメタクリレート95g、アクリル
酸5g、n−ドデシルメルカプタン2g及びトルエン200gの
混合溶液を窒素気流下80℃の温度に加温した後、A.I.B.
N.2gを加え、4時間反応し、次にA.I.B.N.0.5gを加え2
時間、更にA.I.B.N.0.5gを加え3時間反応した。冷却
後、メタノール/水(9/1)の混合溶液2中に再沈
し、沈澱物をデカンテーションで捕集し、減圧乾燥し
た。得られたワックス状の共重合体の収量は78gでw
は6.3×103であった。
マクロモノマー(M)の合成例:(M−1) トリフェニルメチルメタクレート10g及びトルエン100
gの混合溶液を窒素気流下に充分に脱気し−20℃に冷却
した。
1,1−ジフェニルブチルリチウム0.02gを加え10時間反
応した。
更にこの混合溶液に、エチルメタクリレート90g及び
トルエン100gの混合溶液を窒素気流下に充分に脱気した
後添加し、更に10時間反応した。この混合物を0℃にし
た後、炭酸ガスを60ml/minの流量で30分間通気し、重合
反応を停止させた。
得られた反応液を、撹拌下に、温度25℃とし、2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート6gを加え、更に、ジシク
ロヘキシルカルボジイミド10g、4−N,N−ジメチルアミ
ノピリジン0.2g及び塩化メチレン30gの混合溶液を30分
間で滴下し、そのまま3時間撹拌した。
析出した不溶物を濾別後、この混合溶液に30重量%塩
化水素・エタノール溶液10mlを加え1時間撹拌した。次
に減圧下に反応混合物を全体量が半分になるまで溶媒を
留去した後、石油エーテル1中に再沈した。
沈澱物を捕集し、減圧乾燥して得られた重合体は、
w6.5×103で収量56gであった。
マクロモノマー(M)の合成例2:(M−2) ベンジルメタクリレート5g、(テトラフェニルポルフ
ィナート)アルミニウムメチル0.01g及び塩化メチレン6
0gの混合溶液を窒素気流下に温度30℃とした。これに30
0W−キセノンランプ光をガラスフィルターを通して25cm
の距離から光照射し、12時間反応した。この混合物に更
にブチルメタクリレート45gを加え、同様に8時間光照
射した後、この反応混合物に4−ブロモメチルスチレン
5gを加え30分間撹拌し反応を停止させた。
次にこの反応混合物にPd−Cを加え、温度25℃で1時
間接触還元反応を行なった。
不溶物を濾別した後、石油エーテル500ml中に再沈
し、沈澱物を捕集し乾燥した。得られた重合体は収量33
gでw7×103であった。
マクロモノマー(M)の合成例3:(M−3) 4−ビニルフェニルオキシトリメチルシラン20g及び
トルエン100gの混合溶液を窒素気流下に充分に脱気し、
0℃に冷却した。1,1−ジフェニル−3−メチルペンチ
ルリチウム0.1gを加え、6時間撹拌した。更にこの混合
物に2−クロロ−6−メチルフェニルメタクリレート80
g及びトルエン100gの混合溶液を窒素気流下に充分脱気
した後添加して8時間反応した。この反応混合物に充分
に撹拌しながらエチレンオキサイドを30ml/分の流量で3
0分間通気した後、温度15℃に冷却しメタクリル酸クロ
ライド8gを30分間で滴下し、更にそのまま3時間撹拌し
た。
次にこの反応混合物に30重量%塩化水素エタノール溶
液10mlを加え、25℃で1時間撹拌した後、石油エーテル
1中に再沈し、捕集した沈澱物をジエチルエーテル30
0mlで2回洗浄し乾燥した。
得られた重合体は、収量55gでw7.8×103であった。
マクロモノマー(M)の合成例4:(M−4) トリフェニルメチルアクリレート15g及びトルエン100
gの混合溶液を窒素気流下に充分に脱気し−20℃に冷却
した。
sec−ブチルリチウム0.1gを加え、10時間反応した。
次に、この混合溶液にスチレン85g及びトルエン100g
の混合溶液を充分に窒素気流下で脱気した後添加し、12
時間反応した。この混合物を0℃にした後、ベンジルブ
ロマイド8gを加え1時間反応し、温度25℃更に2時間反
応させた。
この反応混合物に30%塩化水素含有エタノール溶液10
mlを加え、2時間撹拌した。不溶物を濾別後、n−ヘキ
サン1中に再沈し、沈澱物を捕集して減圧乾燥した。
得られた重合体の収量は58gで、w4.5×103であった。
マクロモノマー(M)の合成例5:(M−5) フェニルメタクリレート80g、ベンジル−N−ヒドロ
キシルエチル−N−エチルジチオカーバメート4.8gの混
合物を、窒素気流下に容器に密閉し、温度60℃に加温し
た。
これに400Wの高圧水銀灯で10cmの距離からガラスフィ
ルターを通して10時間光照射し光重合した。
これにアクリル酸20g及びメチルエチルケトン180gを
加えた後、窒素置換し再び10時間光照射した。
得られた反応混合物に、2−イソシアナートエチルメ
タクリレート6gを温度30℃で1時間で滴下し、さらに2
時間撹拌した。
次に得られた反応物をヘキサン1.5に再沈し、捕集
し乾燥した。得られた重合体は、68gでw6.0×103であ
った。
樹脂〔B〕の合成例1:〔B−1〕 エチルメタクリレート80g、マクロモノマー(M−
1)20g、トルエン150gの混合溶液を窒素気流下に温度8
5℃に加温した。1,1−アゾビス(シロクヘキサン−1−
カルボニトリル)(ABCC)0.8gを加え5時間反応し、更
にA.B.C.C0.5gを加え5時間反応した。
得られた共重合体のwは1.0×105であった。
樹脂〔B〕の合成例2:〔B−2〕 ブチルメタクリレート70g、マクロモノマー(M−
1)30g、トルエン150gの混合溶液を窒素気流下に温度7
0℃に加温した。
A.I.B.N.0.5gを加え6時間反応し、更に4時間毎にA.
I.B.N.0.3gを加え8時間反応した。
得られた共重合体のwは8.5×104であった。
樹脂〔B〕の合成例3〜9:〔B−3〕〜〔B−9〕 樹脂〔B〕の合成例2と同様の重合条件で、下記表−
2の共重合体を合成した。
得られた重合体のwは、各々7×104〜9×104であ
った。
樹脂〔B〕の合成例10〜20:〔B−10〕〜〔B−20〕 樹脂〔B〕の合成例1と同様の重合条件で、下記表−
3の共重合体を合成した。得られた重合体のwは、各
々9×104〜2×105であった。
実施例1及び比較例A〜B 樹脂〔A−7〕6g(固形分量として)、樹脂〔B−
1〕34g(固形分量として)、下記構造のシアニン色素
〔I〕0.018g、サリチル酸0.15g及びトルエン300gの混
合物をボールミル中で3時間分散して、感光層形成物を
調製し、これを導電処理した紙に、乾燥付着量が20g/m2
となる様に、ワイヤーバーで塗布し、110℃で30秒間乾
燥し、ついで暗所で20℃65%RHの条件下で24時間放置す
ることにより、電子写真感光材料を作製した。
比較例A: 実施例1において、結着樹脂として用いた樹脂〔B−
1〕34gの代わりに、ポリ(エチルメタクリレート)
{w2.4×105;樹脂〔R−1〕}34gを用いる以外は、
実施例1と同様の操作で、電子写真感光材料を作製し
た。
比較例B: 実施例1において、用いた結着樹脂〔B−1〕34gの
代わりに、〔(エチルメタクリレート/メタアクリル
酸)共重合体(99.5/0.5)重量比〕{w9×104;樹脂
〔R−2〕}34gを用いる以外は実施例1と同様の操作
で、電子写真感光材料を作製した。
これらの感光材料の皮膜性(表面の平滑度)、静電特
性、撮像性及び環境条件を30℃、80%RHとした時の撮像
性を調べた。更に、これらの感光材料をオフセットマス
ター用原版として用いた時の光導電性の不感脂化性(不
感脂化処理後の光導電層の水との接触角で表わす)及び
印刷性(地汚れ、耐刷性等)を調べた。
以上の結果をまとめて、表−4に示す。
表−4に示した評価項目の実施の態様は以下の通りで
ある。
注1)光導電層の平滑性: 得られた感光材料は、ベッタ平滑度試験機(熊谷理工
(株)製)を用い、空気容量1ccの条件にて、その平滑
度(sec/cc)を測定した。
注2)光導電層の機械的強度: 得られた感光材料面をヘイドン−14型表面性試験材
(新東化学(株)製)を用いて荷重60g/cm2のものでエ
メリー紙(#1000)で1000回繰り返し探り摩耗粉を取り
除き感光層の重量減少から残膜率(%)を求め機械的強
度とした。
注3)静電特性: 温度20℃、65%RHの暗室中で、各感光材料にペーパー
アナライザー(川口電機(株)製ペーパーアナライザー
SP−428型)を用いて−6kVで20秒間コロナ放電させた
後、10秒間放置し、この時の表面電位V10を測定した。
次いでそのまま暗中で180秒間静置させた後の電位V180
を測定し、180秒間暗減衰させた後の電位の保持性、即
ち、暗減衰保持率〔DRR(%)を(V180/V10)×100
(%)で求めた。
又コロナ放電により光導電層表面を−500Vに帯電させ
た後、波長785nmの単色光で照射し、表面電位(V10)が
1/10に減衰するまでの時間を求め、これから露光量E
1/10(erg/cm2)を算出する。更にE1/10測定と同様に
コロナ放電により−500Vに帯電させた後、波長785nmの
単色光で照射し、表面電位(V10)が1/100に減衰するま
での時間を求め、これから露光量E1/100(erg/cm2)を
算出する。
注4)撮像性: 各感光材料を以下の環境条件で1昼夜放置した。次に
−5kVで帯電し、光源として2.8mW出力のガリウム−アル
ミニウム−ヒ素、半導体レーザー(発振波長780nm)を
用いて、感光材料表面上で50erg/cm2の照射量下、ピッ
チ25μm及びスキャニング速度330m/secのスピード露光
後液体現像剤として、ELP−T(富士写真フイルム
(株)製)を用いて現像し、定着することで得られた複
写画像(カブリ、画像の画質)を目視評価した。
撮像時の環境条件は20℃65%RHと30℃80%RHで実施し
た。
注5)水との接触角: 各感光材料を不感脂化処理液EPL−EX(富士写真フイ
ルム(株)製)を蒸留水で2倍に希釈した溶液を用い
て、エッチングプロセッサーに1回通して光導電層面を
不感脂化処理した後、これに蒸留水2μの水滴を乗
せ、形成された水との接触角をゴニオメーターで測定す
る。
注6)耐刷性: 各感光材料を、上記注4)と同条件で、製版して、ト
ナー画像を形成し、上記注5)と同条件で不感脂化処理
し、これをオフセットマスターとして、オフセット印刷
機(桜井製作所(株)オリバー52型)にかけ、印刷物の
非画像部の地汚れ及び画像部の画質に問題が生じないで
印刷できる枚数を示す(印刷枚数が多い程、耐刷性が良
好なことを表わす)。
表−4に示す様に、本発明の感光材料は、光導電層の
平滑性膜の強度及び静電特性が良好で、実際の複写画像
も地カブリがなく複写画質も鮮明であった。このことは
光導電体と結着樹脂が充分に吸着し、且つ、粒子表面を
被覆していることによるものと推定される。同様の理由
で、オフセットマスター原版として用いた場合でも不感
脂化処理液による不感脂化処理が充分に進行し、非画像
部の水との接触角が10度以下と小さく、充分に親水化さ
れていることが判る。実際に診察して印刷物の地汚れを
観察しても地汚れは全く認められなかった。
又比較例A及び比較例Bは、常温・常湿の条件の静電
特性でV10、D.R.R.、E1/10はほぼ満足する値が得られ
た。しかし、E1/100を見ると、本発明の感光材料に比
べ倍以上の大きな値となってしまった。更に高温・高湿
の条件では、E1/100値は更に低下が大きくなった。E
1/100値は、実際の撮像性において、露光後、非画像部
(既に露光された部位)にどれだけの電位が残っている
かを示すものであり、この値が小さい程現像後の非画像
部の地汚れが生じなくなる事を示す。
具体的には−10V以下の残留電位にすることが必要と
なり、即ち実際にはVR−10V以下とするために、どれだ
け露光量が必要となるかということで、半導体レーザー
光によるスキャンニング露光方式では、小さい露光量で
VRを−10V以下にすることは、複写機の光学系の設計上
(装置のコスト、光学系光路の精度等)非常に重要なこ
とである。
以上の事より、露光照射量を少し少なくした装置で実
際に撮像すると、比較例A及び比較例Bの感光材料は、
画像部に細線等のカスレ部分又非画像部に地カブリが発
生してしまった。又、オフセットマスター原版として用
いた場合でも、本発明の感光材料が1万枚以上印刷でき
る印刷条件で、比較例Aは4000枚、比較例Bは8000枚止
まりであった。
以上のことより、本発明の樹脂を用いた場合にのみ静
電特性及び印刷適性を満足する電子写真感光体が得られ
る。
実施例2〜17 実施例1において、樹脂〔A−7〕及び樹脂〔B−
1〕に代えて、下記表−5の各樹脂〔A〕各樹脂〔B〕
に代えた他は、実施例1と同様に操作して、各電子写真
感光体を作製した。
又、オフセットマスター原版として用いて、実施例1
と同様にして印刷した所、いずれも1万枚以上印刷する
ことができた。
以上から、本発明の各感光材料は光導電層の平滑性、
膜強度、静電特性及び印刷性の全ての点において良好な
ものであった。
さらに、樹脂〔A′〕を用いることにより静電特性が
さらに向上することが判った。
実施例18〜17 実施例1において結着樹脂として下記表−6の樹脂
〔A〕7.6g及び樹脂〔B〕34gに代え、又、シアニン色
素〔I〕0.02gの代わりに下記構造の色素〔II〕0.019g
に代えた他は、実施例1と同様の条件で電子写真感光材
料を作製した。
本発明の感光材料は、いずれも帯電性、暗電荷保持
率、光感度に優れ、実際の複写画像も高温・高湿の(30
℃−80%RH)の過酷な条件においても、地カブリの発生
のない、鮮明な画像を与えた。
更に、これをオフセットマスターの原版として用いて
印刷した所、地カブリのない鮮明な画質の印刷物を1万
枚以上印刷できた。
実施例28及び29並びに比較例C 樹脂〔A−2〕(実施例28)又は樹脂〔A−10〕(実
施例29)のいずれか6.5g、樹脂〔B−2〕33.5g、酸化
亜鉛200g、ウラニン0.02g、ローズベンガル0.04g、ブロ
ムフェノールブルー0.03g、無水フタル酸0.20g及びトル
エン300gの混合物をボールミル中で3時間分散して感光
層形成物を調整し、これを導電処理した紙に、乾燥付着
量が20g/m2となる様にワイヤーバーで塗布し、110℃で
1分間乾燥した。次いで暗所で20℃、65%RHの条件下で
24時間放置することにより各電子写真感光体を作製し
た。
比較例C 実施例28において、樹脂〔B−2〕33.5gの代わり
に、前記樹脂〔R−2〕33.5gを用いた他は、実施例28
と同様にして、感光材料を作製した。
実施例1と同様に、各感光材料の各特性を調べた。そ
の結果を下記表−7にまとめた。
上記の測定において、静電特性及び撮像性については
下記の操作に従った他は、実施例1と同様の操作で行な
った。
注7)静電特性のE1/10及びE1/100の測定方法 コロナ放電により光導電層表面を−400Vに帯電させた
後、該光導電層表面を照度2.0ルックスの可視光で照射
し、表面電位(V10)が1/10又はE1/100に減衰するまで
の時間を求め、これから露光量E1/10又はE1/100(ル
ックス・秒)を算出する。
注8)撮像性 各感光材料を以下の環境条件で1昼夜放置した後、全
自動製版機EPL−404V(富士写真フイルム(株)製)でE
PL−Tをトナーとして用いて製版して得られた複写画像
(カブリ、画像の画質)を目視評価した。撮像時の環境
条件は、20℃65%RH(I)と30℃80%RH(II)で実施し
た。但し、複写用の原稿(即ち、版下原稿)には、ほか
の原稿を切り抜いて、貼り込みを行なって作成したもの
を用いた。
各感光材料において、光導電層の平滑性及び強度にお
いて、その差は認められなかった。しかし、静電特性に
おいて、比較例Cは、特に光感度E1/100の値が大き
く、これは高温、高湿になるとより一層助長され、劣化
してしまった。本発明の感光材料の静電特性は良好であ
り、更に、特定の置換基を有する樹脂〔A〕を用いた実
施例29は、非常に良好であり、特にE1/100の値が小さ
くなった。
実際の撮像性を調べて見ると、比較例Cは、複写画像
として原稿以外に、切り抜いて貼り込んだ部分の枠(即
ち、貼り込み跡)が非画像部の地汚れとして認められ
た。しかし、本発明のものは、いずれも、地汚れのな
い、鮮明な画像のものが得られた。
更に、これらをオフセット印刷用原版として不感脂化
処理して印刷した所、本発明のものはいずれも地汚れの
ない鮮明な画質の印刷物が1万枚得られた。しかし、比
較例Cは、上記の貼り込み跡が、不感脂化処理でも除去
されず、刷り出しの印刷物から発生してしまった。
以上のことより、本発明の感光材料のみが、良好な特
性を与えることができた。
実施例30〜41 実施例28において、樹脂〔A−2〕6.5g及び樹脂〔B
−2〕33.5gの代わりに、下記表−8の樹脂〔A〕6.5g
及び樹脂〔B〕33.5gを用いた他は、実施例28と同様に
して各感光材料を作製した。
本発明の感光材料はいずれも帯電性、暗電荷保持率、
光感度に優れ、実際の複写画像も高温高湿(30℃、80%
RH)の過酷な条件においても地カブリの発生や細線飛び
の発生等のない鮮明な画像を与えた。
更にオフセットマスター原版として印刷した所、1万
枚印刷しても地汚れの発生のない鮮明な画質の印刷物が
得られた。
(発明の効果) 本発明によれば、過酷な条件下においても優れた静電
特性と機械的強度を有する電子写真感光体を得ることが
できる。また、本発明の感光体は、半導体レーザー光を
用いたスキャンニング露光方式に有効である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機光導電体及び結着樹脂を少なくとも含
    有する光導電層を有する電子写真感光体において、該結
    着樹脂が、下記で表わされる結着樹脂〔A〕の少なくと
    も1種及び結着樹脂〔B〕の少なくとも1種を含有する
    事を特徴とする電子写真感光体。 結着樹脂〔A〕: 1×103〜2×104の重量平均分子量を有し、下記一般式
    (I)で示される共重合成分を30重量%以上並びに−PO
    3H2基、−SO3H基、−COOH基、−OH基、 {Rは炭化水素基又は−OR′基(R′は炭化水素基を示
    す)を示す}及び環状酸無水物含有基から選択される少
    なくとも1種の酸性基を含有する共重合成分を0.5〜20
    重量%含有する樹脂。 一般式(I) 〔式(I)中、a1及びa2は各々水素原子、ハロゲン原
    子、シアノ基又は炭化水素基を表わす。R1は炭化水素基
    を表わす。〕 結着樹脂〔B〕: −PO3H2基、−COOH基、−SO3H基、フエノール性OH基、 {Rは炭化水素基又は−OR′基(R′は炭化水素基)を
    示す}及び環状酸無水物含有基から選択される少なくと
    も1つの酸性基を含有する重合体成分を少なくとも1種
    含有するAブロックと、下記一般式(II)で示される重
    合体成分を少なくとも含有するBブロックとから構成さ
    れるA・Bブロック共重合体のBブロックの重合体主鎖
    の末端に重合性二重結合基を結合して成る重量平均分子
    量1×103〜2×104の一官能性マクロモノマー(M)を
    少なくとも1種共重合成分として含有して成る重量平均
    分子量3×104〜1×106のグラフト型共重合体。 一般式(II) 〔式(II)中、b1及びb2は各々水素原子、ハロゲン原
    子、シアノ基又は炭化水素基を表わす。X1は−COO−、
    −OCO−、CH2 l1OCO、CH2 l2COO−(l1、l2は1
    〜3の整数を表わす)、−O−、−SO2−、−CO−、 −CONHCOO−、−CONHCONH−又は を表わす(ここでR23は水素原子又は炭化水素基を表わ
    す)。 R21は炭化水素基を表わす。但しX1を表わす場合、R21は水素原子又は炭化水素基を表わ
    す。〕
  2. 【請求項2】該樹脂〔A〕において、一般式(I)で示
    される共重合成分として、下記一般式(I a)及び(I
    b)で示される、アリール基含有のメタクリレート成分
    のうちの少なくとも1つを含有することを特徴とする請
    求項(1)記載の電子写真感光体。 一般式(I a) 一般式(I b) 〔式(I a)および(I b)中、A1及びA2は互いに独立に
    各々水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、塩素原子、
    臭素原子、−COD1又は−COOD2(D1及びD2は各々炭素数
    1〜10の炭化水素基を示す)を表わす。但し、A1とA2
    共に水素原子を表わすことはない。 B1及びB2は各々−COO−とベンゼン環を結合する、単結
    合又は連結原子数1〜4個の連結基を表わす。〕
  3. 【請求項3】該樹脂〔B〕において、該マクロモノマー
    (A)とともに共重合体を構成する一官能性単量体とし
    て、下記一般式(III)で表わされる単量体を少なくと
    も1種含有する事を特徴とする請求項(1)及び(2)
    のいずれかに記載の電子写真感光体。 一般式(III) 〔式(III)中、b3、b4、X2及びR22は式(II)における
    b1、b2、X1及びR21とそれぞれ同様の内容を表わす。〕
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