JP2670884B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2670884B2 JP11853290A JP11853290A JP2670884B2 JP 2670884 B2 JP2670884 B2 JP 2670884B2 JP 11853290 A JP11853290 A JP 11853290A JP 11853290 A JP11853290 A JP 11853290A JP 2670884 B2 JP2670884 B2 JP 2670884B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は電子写真感光体に関し、詳しくは静電特性、
耐湿性及び耐久性の優れた電子写真感光体に関する。
(従来の技術) 電子写真感光体には所定の特性を得るため、あるいは
適用される電子写真プロセスの種類に応じて種々の構成
をとる。
電子写真感光体の代表的なものとして、支持体上に光
導電層が形成されている感光体及び表面に絶縁層を備え
た感光体があり、広く用いられている。支持体と少なく
とも1層の光導電層から構成される感光体は、最も一般
的な電子写真プロセスによる、即ち、帯電、画像露光及
び現像、更に必要に応じて転写による画像形成に用いら
れる。
更には、ダイレクト製版用のオフセット原版として電
子写真感光体を用いる方法が広く実用されている。
電子写真感光体の光導電層を形成するために使用する
結合剤は、それ自体の成膜性および光導電性粉末の結合
剤中への分散能力が優れるとともに、形成された記録体
層の基材に対する接着性が良好であり、しかも記録体層
の光導電層は帯電能力に優れ、暗減衰が小さく、光減衰
が大きく、前露光疲労が少く、且つ、撮像時の湿度の変
化によってこれら特性を安定に保持していることが必要
である等の各種の静電特性および優れた撮像性を具備す
る必要がある。
更に、電子写真感光体を用いた平版印刷用原版の研究
が鋭意行なわれており、電子写真感光体としての静電特
性と印刷原版としての印刷特性を両立させた光導電層用
の結着樹脂が必要である。
しかしながら、従来公知の樹脂においては、特に帯電
性、暗電荷保持性、光感度の静電特性、光導電層の平滑
性等に多くの問題があり、実用上満足できるものではな
かった。
又、電子写真式平版印刷用原版として開発されたとす
る結着樹脂においても、現実に評価してみると前記の静
電特性、印刷物の地汚れ等に問題があった。
更に、これらの問題点を解決するために、結着樹脂と
して酸性基の重合体を側鎖に含有する共重合成分を0.05
〜10重量%含有する低分子量の樹脂又は酸性を重合体主
鎖の末端に結合する低分子量の樹脂(w103〜104)、
更には酸性基を重合体主鎖の末端に結合するクシ型ポリ
マーを用いることにより、光導電層の平滑性及び静電特
性を良好にし、しかも地汚れのない画質を得ることがそ
れぞれ特開昭63−217354号、特開昭64−70761号および
特開平2−67563号に記載されている。
また、結着樹脂として、酸性基を共重合体の側鎖に含
有し、又は重合体主鎖の末端に結合し、且つ熱及び/又
は光効果性官能基を含有する重合成分を含有する樹脂を
用いる技術が特開平1−100554号、特願昭63−39690号
に、酸性基を共重合体の側鎖に含有し、又は重合体主鎖
の末端に結合する樹脂を架橋剤と併用する技術が特開平
1−102573号、同2−874号にそれぞれ開示され、更に
該樹脂の低分子量体(重量平均分子量103〜104)を高分
子量(重量平均分子量104以上)の樹脂と組合せて用い
る技術が特開昭64−564号、同63−220149号、同63−220
140号、特開平1−280761号、同1−116643号及び同1
−169455号に、かかる低分子量体を熱及び/又は光硬化
性樹脂を組合せて用いる技術が特開平1−211766号及び
同2−23859号に、かかる低分子量体をクシ型ポリマー
と組合せて用いる技術が特開平2−53064号、同2−565
58号および特願昭63−254786号にそれぞれ開示されてい
る。これらの技術により、側鎖又は末端に酸性基を含有
する樹脂を用いたことによる上記特性を阻害せずにさら
に光導電層の膜強度を充分ならしめ、機械的強度が増大
されることが記載されている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、これらの樹脂を用いても、環境が高温
・高湿から低温・低湿まで著しく変動した場合における
安定した性能の維持においてはいまだ不充分であること
が判った。特に半導体レーザー光を用いたスキャニング
露光方式では、従来の可視光による全面同時露光方式に
比べ、露光時間が長くなり、また露光強度にも制約があ
ることから、静電特性、特に暗電荷保持特性、光感度に
対して、より高い性能が要求される。
更には、電子写真式平版印刷用原版において、半導体
レーザー光を用いたスキャニング露光方式を採用した場
合、従来の感光体で実際に試験してみると、上記の静電
特性が不満足であるとともに、特にE1/2とE1/10との
差が大きく複写画像の階調が軟調となり、更には露光後
の残留電位を小さくするのが困難となり、複写画像のカ
ブリが顕著となってしまい、又、オフセットマスターと
して印刷しても、印刷物に印刷原稿の貼り込み跡が出て
しまう等の重大な問題となって現われた。
本発明は、以上の様な従来の電子写真感光体の有する
課題を改良するものである。
本発明の目的は、複写画像形成時の環境が低温低湿あ
るいは高温高湿の如く変動した場合でも、安定して良好
な静電特性を維持し、鮮明で良質な画像を有する電子写
真感光体を提供することである。
本発明の他の目的は、静電特性に優れ且つ環境 本発明の他の目的は、静電特性に優れ且つ環境依存性
の小さいCPC電子写真感光体を提供することである。
本発明の他の目的は、半導体レーザー光を用いたスキ
ャニング露光方式に有効な電子写真感光体を提供するこ
とである。
本発明の他の目的は、電子写真式平版印刷原版とし
て、静電特性(特に暗電荷保持性及び光感度)に優れ、
原画に対して忠実な複写画像を再現し、且つ、印刷物の
全面一様な地汚れはもちろん点状の地汚れをも発生させ
ず、また耐刷性に優れ、貼り込み跡が生じない平版印刷
原版を提供することである。
(課題を解決するための手段) 上記目的は無機光導電体及び結着樹脂を少なくとも含
有する光導電層を有する電子写真感光体において、該結
着樹脂が、下記に示される樹脂〔A〕の少なくとも1種
と樹脂〔B〕の少なくとも1種とを含有して成る事を特
徴とする電子写真感光体により達成されることが見出さ
れた。
結着樹脂〔A〕; 下記一般式(II a)及び(II b)で示される重合体成
分のうちの少なくとも1種及び−COOH基、−PO3H2基、
−SO3H基、−OH基及び (R1は炭化水素基又は−OR2基(R2は炭化水素基を示
す)を表わす)基から選ばれる少なくとも1つの極性基
を含有する重合体成分のうちの少なくとも1種を各々含
有する重合体主鎖の一方の末端にのみ下記一般式(I)
で示される重合性二重結合基を結合して成る重量平均分
子量2×104 以下の一官能性マクロモノマー(MA)と、下記一般式
(III)で示されるモノマーとから少なくとも成る重量
平均分子量1.0×103〜2.0×104の共重合体。
一般式(I) 〔式(I)中、X0は−COO−、−OCO−、−CH2OCO−、−
CH2COO−、−O−、−SO2−、−CO−、−CONHCOO−、−
CONHCONH−、−CONHSO2−、 又は を表わす(ここでR11は水素原子又は炭化水素基を表わ
す)。
a1、a2は、互いに同じでも異なってもよく、各々水素
原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭化水素基、−COO−Z
1又は炭化水素を介した−COO−Z1(Z1は水素原子又は置
換されてもよい炭化水素基を示す)を表わす。〕 一般式(II a) 一般式(II b) 〔式(II a)又は(II b)中、X1は式(I)中のX0と同
一の内容を表わす。Q1は、炭素数1〜18の脂肪族基又は
炭素数6〜12の芳香族基を表わす。b1、b2は互いに同じ
でも、異なってもよく、式(I)中のa1、a2と同一の内
容を表わす。
Vは−CN、−CONH2又は を表わし、Yは水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、
アルコキシ基又は−COOZ2(Z2はアルキル基、アラルキ
ル基又はアリール基を示す)を表わす。〕 一般式(III) 〔式(III)中、X2は、式(I)中のX0と同一の内容を
表わし、Q2は式(II a)中のQ1と同一の内容を表わす。
c1、c2は互いに同じでも異なってもよく、式(I)中の
a1、a2と同一の内容を表わす。〕 結着樹脂〔B〕: −PO3H2基、−COOH基、−SO3H基、フェノール性OH
基、 (R4はR1と同一の内容を表わす)及び環状酸無水物含有
基から選択される少なくとも1つの酸性基を含有する重
合体成分を少なくとも1種含有するAブロックと、下記
一般式(IV)で示される重合体成分を少なくとも含有す
るBブロックとから構成されるA・Bブロック共重合体
のBブロックの重合体主鎖の末端に重合性二重結合基を
結合して成る重量平均分子量1×103〜2×104の一官能
性マクロモノマー(MB)を少なくとも1種共重合成分と
して含有して成る重量平均分子量3×104〜1×106のグ
ラフト型共重合体。
一般式(IV) 〔式(IV)中、d1及びd2は各々水素原子、ハロゲン原
子、シアノ基又は炭化水素基を表わす。X4は−COO−、
−OCO−、CH2 l3OCO−、CH2 l4COO−(l3、l4
1〜3の整数を表わす)、−O−、−SO2−、−CO−、 −CONHCOO−、−CONHCONH−又は を表わす(ここでR23は水素原子又は炭化水素基を表わ
す)。
R21は炭化水素基を表わす。但しX4を表わす場合、R21は水素原子又は炭化水素基を表わ
す。〕 即ち、本発明に供される結着樹脂は、一官能性マクロ
モノマー(MA)と一般式(III)で表わされる単量体と
を少なくとも含有する低分子量のグラフト型共重合体
〔A〕と、上記特定の酸性基含有成分を含有するAブロ
ックと上記の式(IV)で示される重合体成分を含有する
BブロックとのAB型共重合体のBブロックの重合体主鎖
末端に重合性二重結合基を結合して成る一官能性マクロ
モノマー(MB)を共重合成分として少なくとも1種含有
するグラフト型共重合体から成る高分子量の樹脂〔B〕
とから少なくとも構成される。
本発明の樹脂〔A〕に用いられるグラフト型共重合体
は、重合主鎖の片末端に−PO3H2基、−SO3H基、−COOH
基、−OH基及び (R3はR1と同一の内容を表わす)から選ばれる極性基を
1つ以上有していてもよい(以下この樹脂〔A〕を、特
に樹脂[A′]と称することもある。) 更に、高分子量の樹脂〔B〕としては、上記のマクロ
モノマー(MB)のうちの少なくとも1種を含み、且つ下
記一般式(V)で表わされる重合体成分を含有して成る
グラフト型共重合体であることが好ましい。
一般式(V) 〔式(V)中、d3、d4、X5及びR22は式(IV)のd1
d2、X4及びR21とそれぞれ同様の内容を表わす。〕 前述の如き従来公知の酸性基含有結着樹脂は主として
オフセットマスター用であって、膜強度保持による耐刷
性向上のためにその分子量は大きいものであり(例えば
5×104以上)、且つこれらの共重合体はランダム共重
合体であり酸性基含有の共重合体成分は、重合体主鎖に
ランダムに存在しているものであった。
これに対し、本発明の結着樹脂で用いられる樹脂
〔A〕は、グラフト型共重合体であり、且つ樹脂中に含
有される極性基が、重合体主鎖中にランダムに存在する
ものでなく、重合体のグラフト部に含有された共重合体
である。
従って、重合体の主鎖から離れた特定の位置に存在す
る極性基の部分が無機光導電体の化学量論的な欠陥に吸
着し、重合体の主鎖部分は、光導電体の表面をゆるやか
に且つ充分に被覆していると推定される。その事によ
り、光導電体のトラップを補償すると共に湿度特性を向
上させる一方、光導電体の分散が充分に行なわれ、凝集
を抑制するとともに、高温・高湿から低温・低湿まで環
境変化が著しく変動しても安定した高性能の電子写真特
性を維持することが判った。そして樹脂〔B〕は、樹脂
〔A〕を用いたことによる上記電子写真特性の高性能を
全く阻害せずに、樹脂〔A〕のみでは不充分な光導電層
の機械的強度を充分ならしめるものである。特に半導体
レーザーを用いたスキャニング露光方式を用いる場合に
有効である。
即ち、無機光導電体の結着樹脂として、樹脂〔A〕と
樹脂〔B〕を各々樹脂の重量平均分子量及びグラフト部
の構造、更には樹脂中に特定に含有された極性基の含有
量を特定化する事で、無機光導電体と樹脂との相互作用
の強さを変え、且つ樹脂〔A〕と樹脂〔B〕のパリマー
分子鎖の相互作用のし易さをも変える事ができる。その
ことにより低分子量で結果として極性基含有が多く、相
互作用のより強い樹脂〔A〕が選択的に無機光導電体に
適切に吸着し、且つ樹脂〔A〕のマクロモノマー(MA)
成分(グラフト部)及び式(III)のモノマー成分(主
鎖部)の分子鎖が樹脂〔B〕の主鎖部の成分の分子鎖と
十分に相互作用し、更に樹脂〔B〕のマクロモノマー
(MB)成分(グラフト部)の分子鎖同志が十分に相互作
用し、いわゆるアンカー効果を示す。その結果、主とし
て樹脂〔A〕の作用で電子写真特性が著しく向上し、樹
脂〔B〕の作用で、更に光導電層の機械的強度が向上す
るものと推定される。樹脂〔B〕においては重合体主鎖
の特性の位置に結合した酸性基が電子写真特性を疎外し
ない程度に無機光導電体とゆるやかに相互作用すると推
定される。
また、本発明では、光導電層表面の平滑性が滑らかと
なる。電子写真式平版印刷原版として光導電層表面の平
滑性の粗らい感光体を用いると、光導電体である酸化亜
鉛粒子と結着樹脂の分散状態が適切でなく、凝集物が存
在する状態で光導電層が形成されるため、不感脂化処理
液による不感脂化処理をしても非画像部の親水化が均一
に充分に行なわれず、印刷時に印刷インキの付着を引き
起こし、結果として印刷物の非画像部の地汚れが生じて
しまう。
本発明の樹脂を用いた場合無機光導電体と結着樹脂の
吸着・被覆の相互作用が適切に行われ、且つ光導電層の
膜強度が保持されるものである。
更に酸性基を重合体主鎖に連結する側鎖に含有するラ
ンダム共重合体樹脂に比べて光感度が良好であることが
判った。
通常可視光〜赤外光域に光感度を保有させるために用
いる分光増感色素は、光導電体に吸着することでその分
光増感作用が充分機能するものであることから、本発明
の共重合体を含有する結着樹脂は、分光増感色素の吸着
を阻害しないで光導電体と適切に相互作用するものと推
定される。この作用は、近赤外〜赤外光の分光増感用色
素として特に有効なシアニン色素あるいはフタロシアニ
ン系顔料で特に顕著な効果を示した。
本発明における低分子量体の樹脂〔A〕のみを結着樹
脂として用いる場合にも、光導電体と結着樹脂が充分に
吸着し、粒子表面を被覆し得るため、光導電層の平滑性
及び静電特性においても良好で、しかも地汚れのない画
質が得られ、更に、CPC感光体あるいは数千枚の印刷枚
数のオフセット原版としては充分な膜強度が保有され
る。しかし、ここで本発明の如く樹脂〔B〕を共存させ
ることで、樹脂〔A〕の機能を何ら疎外することなく樹
脂〔A〕のみではいまだ不充分な光導電層の機械的強度
をより向上させることができた。従って、本発明の感光
体は、環境条件が変動しても優れた静電特性を有し且
つ、膜強度も充分であり、過酷な印刷条件下(例えば大
型印刷機で印圧が強くなる場合など)でも最低7000枚の
印刷枚数が可能となった。
更に、膜強度もより良好となり、耐刷性が向上する。
樹脂〔A〕において、グラフト型共重合体の重量平均
分子量は1×103〜2×104、好ましくは3×103〜1×1
04、該マクロモノマー(MA)の共重合成分の存在割合は
1〜80重量%、好ましくは5〜70重量%、共重合体主鎖
の末端に極性基が結合する場合における該極性基の共重
合体中における存在の割合は0.5〜15重量%、好ましく
は1〜10重量%である。また、樹脂〔A〕のガラス転移
点は好ましくは−20℃〜120℃、より好ましくは−10℃
〜90℃である。
さらに、樹脂〔A〕の分子量が1×103より小さくな
ると、皮膜形成能が低下し充分な膜強度が保てず、分子
量が2×104より大きくなると本発明の樹脂であっても
電子写真特性(特に初期電位、暗減衰保持率)が劣化す
るため好ましくない。特にかかる高分子量体の場合に極
性基含有量が3重量%を越えるとかかる電子写真特性の
劣化が著しく、オフセットマスターとして用いたときに
地汚れが顕著となる。
結着樹脂〔A〕における任意の極性基(任意の主鎖末
端極性基)含有量が0.5重量%より少ないと、初期電位
が低くて充分な画像濃度を得ることができない。一方該
酸性基含有量が15重量%よりも多いと、分散性が低下
し、膜平滑度及び電子写真特性の高湿特性が低下し、更
にオフセットマスターとして用いるときに地汚れが増大
する。
本発明のグラフト型共重合体の樹脂〔A〕の共重合成
分として供せられる、一官能性マクロモノマー(MA)に
ついて更に具体的に説明する。一官能性マクロモノマー
(MA)は、一般式(I)で示される重合性二重結合基
を、一般式(II a)及び(II b)で示される重合体成分
のうちの少なくとも1種と特定と極性基(−COOH基、−
PO3H2基、−SO3H基、−OH基及び/又は )を含有する重合体成分のうちの少なくとも1種とを含
有する重合体主鎖の一方の末端にのみ結合して成る、重
量平均分子量2×104以下のものである。
一般式(I)、(II a)及び(II b)において、a1
a2、X0、b1、b2、X1、Q1及びVに含まれる炭化水素基は
各々示された炭素数(未置換の炭化水素基としての)を
有するが、これら炭化水素基は置換基を有していてもよ
い。
一般式(I)において、X0は、−COO−、−OCO−、−
CH2OCO−、−CH2COO−、−O−、−SO2−、−CO−、−C
ONHCOO−、−CONHCONH−、−CONHSO2−、 を表わす。ここで、R11は水素原子のほか、好ましい炭
化水素基としては、炭素数1〜18の置換されてもよいア
ルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシ
ル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、
2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−シアノ
エチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−メト
キシエチル基、3−ブロモプロピル基等)、炭素数4〜
18の置換されてもよいアルケニル基(例えば、2−メチ
ル−1−プロペニル基、2−ブテニル基、2−ペンテニ
ル基、3−メチル−2−ペンテニル基、1−ペンテニル
基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、4−メチル
−2−ヘキセニル基等)、炭素数7〜12の置換されても
よいアラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル
基、3−フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、2−
ナフチルエチル基、クロロベンジル基、ブロモベンジル
基、メチルベンジル基、エチルベンジル基、メトキシベ
ンジル基、ジメチルベンジル基、ジメトキシベンジル基
等)、炭素数5〜8の置換されてもよい脂環式基(例え
ば、シクロヘキシル基、2−シクロヘキシルエチル基、
2−シクロペンチルエチル基等)又は炭素数6〜12の置
換されてもよい芳香族基(例えば、フェニル基、ナフチ
ル基、トリル基、キシリル基、プロピルフェニル基、ブ
チルフェニル基、オクチルフェニル基、ドデシルフェニ
ル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ブト
キシフェニル基、デシルオキシフェニル基、クロロフェ
ニル基、ジクロロフェニル基、ブロモフェニル基、シア
ノフェニル基、アセチルフェニル基、メトキシカルボニ
ルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル基、ブトキ
シカルボニルフェニル基、アセトアミドフェニル基、プ
ロピオアミドフェニル基、ドデシロイルアミドフェニル
基等)があげられる。
X0を表わす場合、ベンゼン環は置換基を有してもよい。置
換基としては、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原
子等)、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、クロロメチル基、メトキシメチル基
等)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、
プロピオキシ基、ブトキシ基等)等が挙げられる。
a1及びa2は、互いに同じでも異なっていてもよく、好
ましくは水素原子、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、
臭素原子等)、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基
(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
等)、−COO−Z1又は炭化水素を介したCOOZ1(Z1は、好
ましくは水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基、アル
ケニル基、アラルキル基、脂環式基またはアリール基を
表わし、これらは置換されていてもよく、具体的には、
上記R11について説明したものと同様の内容を表わす)
を表わす。
上記炭化水素を介した−COO−Z1基における炭化水素
としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が
挙げられる。
更に好ましくは、一般式(I)について、X0は−COO
−、−OCO−、−CH2OCO−、−CH2COO−、−O−、−CON
HCOO−、−CONHCONH−、−CONH−、−SO2NH−又は を表わし、a1,a2は互いに同じでも異なってもよく、各
々水素原子、メチル基、−COOZ1又は−CH2COOZ1{Z
1は、より好ましくは水素原子又は炭素数1〜6のアル
キル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、ヘキシル基等)を表わす。}を表わす。更により
好ましくは、a1、a2においていずれか一方が水素原子を
表わす。
即ち、一般式(I)で表わされる重合性二重結合基と
して、具体的には、 CH2=CH−CONH−、 等が挙げられる。
一般式(II a)又は(II b)において、X1は式(I)
中のX0と同一の内容を表わす。b1、b2は互いに同じでも
異なってもよく、式(I)中のa1、a2と同一の内容を表
わす。
Q1は、炭素数1〜18の脂肪族基又は炭素数6〜12の芳
香族基を表わす。
具体的には、炭素数1〜18の置換されてもよいアルキ
ル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ヘプチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、
ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデ
シル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2
−ヒドロキシルエチル基、2−メトキシエチル基、2−
エトキシエチル基、2−シアノエチル基、3−クロロプ
ロピル基、2−(トリメトキシシリル)エチル基、2−
テトラヒドロフリル基、2−チエニルエチル基、2−N,
N−ジメチルアミノエチル基、2−N,N−ジエチルアミノ
エチル基等)、炭素数5〜8のシクロアルキル基(例え
ばシクロヘプチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチ
ル基等)、炭素数7〜12の置換されてもよいアラルキル
基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニル
プロピル基、ナフチルメチル基、2−ナフチルエチル
基、クロロベンジル基、ブロモベンジル基、ジクロロベ
ンジル基、メチルベンジル基、クロロ−メチル−ベンジ
ル基、ジメチルベンジル基、トリメチルベンジル基、メ
トキシベンジル基等)等の脂肪族基、更に炭素数6〜12
の置換されてもよいアリール基(例えば、フェニル基、
トリル基、キシリル基、クロロフェニル基、ブロモフェ
ニル基、ジクロロフェニル基、クロロ−メチル−フェニ
ル基、メトキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニ
ル基、ナフチル基、クロロナフチル基等)等の芳香族基
が挙げられる。
式(II a)において、好ましくはX1は−COO−、−OCO
−、−CH2COO−、−CH2OCO−、−O−、−CO−、−CONH
COO−、−CONHCONH−、−CONH−、−SO2NH−又は を表わす。
b1、b2の好ましい例は、前記したa1、a2と同様の内容
を表わす。
一般式(II b)において、Vは−CN−、−CONH2又は を表わし、Yは水素原子、ハロゲン原子(例えば塩素原
子、臭素原子等)、炭化水素基(例えばメチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、クロロメチル基、フエニ
ル基等)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ
基、プロピオキシ基、ブトキシ基等)又は−COOZ2(Z2
は好ましくは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数7〜12
のアラルキル基又はアリール基を表わす)を表わす。
マクロモノマー(MA)は、式(II a)及び/又は(II
b)で示される重合体成分を2種以上含有していてもよ
い。又、Q1が脂肪族基の場合、炭素数6〜12の脂肪族基
は、マクロモノマー(MA)中の全重合体成分中の20重量
%を越えない範囲で用いる事が好ましい。
更には、一般式(II a)におけるX1が−COO−である
場合には、マクロモノマー(MA)中の全重合体成分中、
式(II a)で示される重合体成分が少なくとも30重量%
以上含有されることが好ましい。
さらに、マクロモノマー(MA)において、式(II a)
及び/又は(II b)で示される共重合体成分とともにさ
らなる成分として共重合する、極性基(−COOH基、−PO
3H2基、−SO3H基、−OH基、 を含有する成分としては、前記のマクロモノマー(MA)
と共重合し得る上記極性基を含有するビニル系化合物で
あればいずれでも用いることができる。例えば、高分子
学会編「高分子データ・ハンドブック〔基礎編〕」培風
館(1986刊)等に記載されている。具体的には、アクリ
ル酸、α及び/又はβ置換アクリル酸(例えばα−アセ
トキシ体、α−アセトキシメチル体、α(2−アミノ)
エチル体、α−クロロ体、α−ブロモ体、α−フルオロ
体、α−トリブチルシリル体、α−シアノ体、β−クロ
ロ体、β−ブロモ体、β−フロロ体、β−メトキシ体、
α,β−ジクロロ体等)、メタクリル酸、イタコン酸、
イタコン酸半エステル類、イタコン酸半アミド類、クロ
トン酸、2−アルケニルカルボキシ酸類(例えば2−ペ
ンテン酸、2−メチル−2−ヘキサン酸、2−オクテン
酸、4−メチル−2−ヘキセン酸、4−エチル−2−オ
クテン酸等)、マレイン酸、マレイン酸半エステル類、
マレイン酸半アミド類、ビニルベンゼンカルボン酸、ビ
ニルベンゼンスルホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルホ
スホ酸、ジカルボン酸類、アルコール類のビニル基又は
アリル基の半エステル誘導体、及びこれらのカルボン酸
又はスルホン酸のエステル誘導体、アミド誘導体の置換
基中に該極性基を含有する化合物が挙げられる。
においてR1及びR2が示す炭化水素基としては、式(II
a)中のQ1にて前記したと同一の炭化水素基を挙げるこ
とができる。OH基としては、ビニル基又はアリル基含有
のアルコール類(例えばアリルアルコール、メタクリル
酸エステル、アクリルアミド等のエステル置換基、N−
置換基中に−OH基を含有する化合物等)、ヒドロキシフ
ェノール又はヒドロキシフェニル基を置換基として含有
するメタクリル酸エステルもしくはアミド類を挙げるこ
とができる。
例えば以下に挙げられる単量体が例として示される
が、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
ここで、以下の各例において、aは−H、−CH3、−C
l、−Br、−CN、−CH2COOCH3又は−CH2COOHを示し、b
は−H又は−CH3を示し、jは2〜18の整数を示し、k
は2〜5の整数を示し、hは1〜4の整数を示し、iは
1〜12の整数を示す。
(A−15) CH2=CH−CH2OCO(CH2jCOOH (A−16) CH2=CHCH2 hCOOH (A−49) CH2=CHCH2 hOH (A−52) CH2=CHCH2 hCOO(CH2 jOH マクロモノマー(MA)中の全重合体成分中、該極性基
を言有する共重合体成分として含有される量は、全重合
体成分100重量部当り好ましくは0.5〜50重量部、より好
ましくは1〜40重量部である。
これら極性基含有のランダム共重合体から構成される
一官能性マクロモノマーが共重合成分として樹脂〔A〕
中に含有された時に、樹脂〔A〕中の全グラフト部に含
有される該極性基の含有成分の総量は、樹脂〔A〕中の
全重合体成分100重量部当り0.1〜10重量部含有される事
が好ましい。更に好ましくは、−COOH基、−SO3H基及び
−PO3H2基から選ばれる極性基を含有する場合には、樹
脂〔A〕中、グラフト部に存在する総量は0.1〜5重量
%である。
マクロモノマー(MA)中の重合体成分として、これら
以外の他の重合体成分を含有してもよく、例えば重合し
うる他の繰り返し単位に相当する単量体として、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド類、
メタクリルアミド類、スチレン及びその誘導体(例えば
ビニルトルエン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、
ブロモスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、N,N−ジ
メチルアミノメチルスチレン等)、複素環ビニル類(例
えばビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ビニルピロ
リドン、ビニルチオフェン、ビニルピラゾール、ビニル
ジオキサン、ビニルオキサジン等)等が挙げられる。
これら他の単量体が含有される場合には、マクロモノ
マー(MA)の全重合体成分100重量部当り1〜20重量部
であることが好ましい。
本発明において供されるマクロモノマーは、上記の如
き、一般式(II a)及び/又は(II b)で示される繰返
し単位及び特定の極性基を含有する繰り返し単位から少
なくとも成るランダムな重合体主鎖の一方の末端にの
み、一般式(I)で示される重合体二重結合基が、直接
結合するか、あるいは、任意の連結基で結合された化学
構造を有するものである。式(I)成分と式(II a)も
しくは(II b)成分又は極性基含有成分とを連結する連
結基としては、炭素−炭素結合(一重結合あるいは二重
結合)、炭素−ヘテロ原子結合(ヘテロ原子としては例
えば、酸素原子、イオウ原子、窒素原子、ケイ素原子
等)、ヘテロ原子−ヘテロ原子結合の原子団の任意の組
合せで構成されるものである。
さらに具体的な連結基としては、 〔R12,R13は水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素
原子、塩素原子、臭素原子等)、シアノ基、ヒドロキシ
ル基、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピ
ル基等)等を示す〕、CH=CH、 −O−、−S−、 −COO−、−SO2−、 −NHCOO−、−NHCONH−、 〔R14は同一又は異なっており、水素原子、前記式(II
a)におけるQ1と同様の内容を表わす炭化水素基等を示
す〕等の原子団から選ばれた単独の連結基もしくは任意
の組合せで構成された2以上の連結基を表わす。
マクロモノマー(MA)の重量平均分子量が2×104
超えると、モノマーとの共重合性が低下するため好まし
くない。他方、重量平均分子量が小さすぎると、感光層
の電子写真特性の向上効果が小さくなるため、1×103
以上であることが好ましい。
本発明に供されるマクロモノマー(MA)は、従来公知
の合成方によって製造することができる。具体的には、
分子中に、カルボキシル基、カルボキシハライド基、ヒ
ドコリシル基、アミノ基、ハロゲン原子、エポキシ基等
の反応性基を含有した重合開始剤及び/又は連鎖移動剤
を用いて、ラジカル重合して得られる末端反応性基結合
のオリゴマーと種々の試薬を反応させて、マクロモノマ
ーにするラジカル重合法による方法等により合成され
る。
具体的には、P.Dreyfuss & R.P.Quirk、Encycl.Poly
m.Sci.Eng.、、551(1987)、P.F.Rempp、E.Franta、
Adu.Polym.Sci.58、1(1984)、川上雄資、化学工業、
38、56(1987)、山下雄也、高分子、31、988(198
2)、小林四郎、高分子、30、伊藤浩一、高分子加工、3
5、262(1986)、東貴四郎、津田隆、機能材料、1987
No.10、5等の総説及びそれに引例の文献・特許等に記
載の方法に従って合成することができる。
但し、本発明のマクロモノマー(MA)は、その繰り返
し単位の成立として該極性基を含有している事から、合
成上、例えば次の配慮をして合成される。
その1つの方法としては、例えば反応式(I)で示さ
れる様に、該極性基を保護した官能性の形で含有する単
量体を用いて上記の方法でラジカル重合及び末端反応性
基を導入するものである。
反応式(I) の保護基;例えば−C(C6H5 本発明に供せられるマクロモノマー(MA)中にランダ
ムに含有される該極性基(−SO3H基、−PO3H2基、−COO
H基、 −OH基)の保護基反応及び脱保護反応(例えば加水分解
反応、加水素分解反応、酸化分解反応等)については、
従来公知の方法により行なうことができる。具体的に
は、J.F.W.McOmie、“Protective Gvoups in Organic C
hemistry"、Plenum Press(1973年)、T.W.Greene、“P
rotective Gvoups in Organic Synthesis"、John Wiley
& Sous(1981年)、小田良平「高分子ファインケミカ
ル」講談社(1976年)、岩倉義男、栗田恵輔「反応性高
分子」講談社(1977年)、G.Berner etal、J.Radiation
Curing、1986、No.10、P10、特開昭62−212669号、特
開昭62−286064号、特開昭62−210475号、特開昭62−19
5684号、特開昭62−258476号、特開昭63−260439号、特
願昭62−220510号、特願昭62−226692号等に記載の方法
を用いて合成する事ができる。
他の1つの方法としては、例えば反応式(II)で示さ
れる様に、前記の様にしてオリゴマーを合成した後、オ
リゴマーの片末端に結合した「特定の反応性基」とオリ
ゴマー中にが有される該極性基との反応性の差を利用し
て、「特定の反応性」とのみ反応する重合二重結合性基
含有の試薬と反応させることで合成する方法である。
反応式(II) 反応式(II)に示した様に、各特定の官能基の組合せ
についての具体例を表−Aに示すと次の如くなる。しか
し、本発明はこれらに限定されるものでなく、重要なこ
とは通常の有機化学反応における反応の選択性を利用す
ることで、オリゴマー中の該極性基を保護することなく
マクロモノマー化が達成されればよいものである。
用いることのできる連鎖移動剤としては、例えば該極
性基あるいは、後に該極性基に誘導しうる置換基含有の
メルカプト化合物(例えばチオグリコール酸、チオリン
ゴ酸、チオサリチル酸、2−メルカプトプロピオン酸、
3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプト酪酸、N
−(2−メルカプトプロピオニル)グリシン、2−メル
カプトニコチン酸、3−〔N−(2−メルカプトエチ
ル)カルバモイル〕プロピオン酸、3−〔N−(2−メ
ルカプトエチル)アミノ〕プロピオン酸、N−(3−メ
ルカプトプロピオニル)アラニン、2−メルカプトエタ
ンスルホン酸、3−メルカプトプロパンスルホン酸、4
−メルカプトブタンスルホン酸、2−メルカプトエタノ
ール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、1−
メルカプト−2−プロパノール、3−メルカプト−2−
ブタノール、メルカプトフェノール、2−メルカプトエ
チルアミン、2−メルカプトイミダゾール、2−メルカ
プト−3−ピリジノール等)又はこれらメルカプト化合
物の酸化体であるジスルフィド化合物、あるいは上記極
性基又は置換基含有のヨード化アルキル化合物(例えば
ヨード酢酸、ヨードプロピオン酸、2−ヨードエタノー
ル、2−ヨードエタンスルホン酸、3−ヨードプロパン
スルホン酸等)等が挙げられる。好ましくはメルカプト
化合物が挙げられる。
用いることのできる特定の反応性基含有の重合開始剤
としては、例えば、2,2′−アゾビス(2−シアノプロ
パノール)、2,2′−アゾビス(2−シアノペンタノー
ル)、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、4,4′−
アゾビス(4−シアノ吉草酸クロライド)、2,2′−ア
ゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イ
ル)プロパン〕、2,2′−アゾビス〔2−(2−イミダ
ゾリン−2−イル)プロパン〕、2,2′−アゾビス〔2
−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プ
ロパン〕、2,2−アゾビス{2−〔1−(2−ヒドロキ
シエチル)−2−イミダゾリン−2−イル〕プロパ
ン}、2,2′−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒド
ロキシエチル)−プロピオンアミド〕等又はこれらの誘
導体等が挙げられる。
これら連鎖移動剤あるいは重合開始剤は、各々全単量
体100重量部にたいして0.1〜15重量%であり、好ましく
は0.5〜10重量%である。
本発明のマクロモノマー(MA)は、具体的には、下記
の化合物を例として挙げることができる。但し、本発明
の範囲は、これらに限定されるものではない。また、以
下の各例において、bは−H又はCH3を示し、dは−
H、−CH3又は−CH2COOCH3を示し、Rは−CnH2n+1(n
は1〜18の整数を示す)、−CH2C6H5(Y1、Y2は各々−H、−Cl、−Br、−CH3、−COCH3又は
−COOCH3を示す)、 を示し、W1は−CN、−OCOCH3、−CONH2又は−C6H5を示
し、W2は−Cl、−Br、−CN又は−OCH3を示し、eは2〜
18の整数を示し、fは2〜12の整数を示し、gは2〜4
の整数を示す。
他方、前記したマクロモノマー(MA)と共重合する単
量体は一般式(III)で示される。式(III)において、
c1、c2は互いに同じでも異なってもよく、式(I)の
a1、a2と同一の内容を表わす。X2は式(II a)中のX
1と、Q2は式(II a)中のQ1と各々同一の内容を表わ
す。
本発明の樹脂において、マクロモノマー(MA)を繰り
返し単位とする共重合成分と、一般式(III)で示され
る単量体を繰り返し単位とする共重合成分の組成比は、
好ましくは5〜70/95〜30(重量組成比)、より好まし
くは10〜60/90〜40重量組成比である。
又、重合体主鎖中には、−PO3H2基、−SO3H基、−COO
H基及び−PO3R1基の極性基を含有する共重合成分を含有
しないものが好ましい。
また、本発明の樹脂〔A〕は、前記したマクロモノマ
ー(MA)及び一般式(III)の単量体とともにこれら以
外の単量体を更なる共重合成分として含有してもよい。
例えば、α−オレフィン類、アルカン酸ビニル又はア
リルエステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、ビニルエーテル類、アクリルアミド類、メタクリル
アミド類、スチレン類、複素環ビニル類(例えば、ビニ
ルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、
ビニルチオフェン、ビニルイミダゾリン、ビニルピラゾ
ール、ビニルジオキサン、ビニルキノリン、ビニルチア
ゾール、ビニルオキサジン等)等が挙げられる。
ただし、マクロモノマー(MA)及び式(III)の単量
体以外のこれら他の単量体は、共重合体中20重量%を越
えることはない。
本発明のグラフト共重合体において、マクロモノマー
(MA)に相当する共重合成分が1重量%以下となると、
感光層塗布物としての分散が充分に行なわれなくなって
しまう。又80重量%を越えると、一般式(III)の単量
体との共重合が充分に進行しなくなり、所望のグラフト
共重合体以外に一般式(III)の単量体あるいは他の単
量体のみの重合体が形成してしまうため好ましくない。
更には、これらの樹脂を用いて分散すると、光導電体と
の凝集が発生してしまう。
更に、樹脂〔A〕は、一般式(III)で示される繰り
返し単位を少なくとも1種及びマクロモノマーで示され
る繰返し単位を少なくとも1種含有する重合体主鎖の片
末端にのみ、−PO3H2基、−SO3H基、及び−COOH基、−O
H基及び から選ばれる少なくとも一種の酸極基を結合して成る共
重合体(樹脂〔A′〕)であってもよい。また共重合体
〔A〕と〔A′〕を併用してもよい。ここで、OH基及び は樹脂〔A〕の極性基含有重合成分において前記したOH
基、 と同様の内容を表わす。また該極性基は重合体主鎖の一
方の末端に直接結合するか、あるいは任意の連結基を介
して結合した化学構造を有する。
結合基としては炭素−炭素結合(一重結合あるいは二
重結合)、炭素−ヘテロ原子結合(ヘテロ原子としては
例えば、酸素原子、イオウ原子、窒素原子、ケイ素原子
等)、ヘテロ原子−ヘテロ原子結合の原子団の任意の組
合わせで構成されるものである。例えば、 −(CH=CH、 −O−、−S−、 (R18〜R20は各々前記R12〜R14と同一の内容を示す)等
から選ばれる原子団の単独あるいは2以上の組合せで構
成される連結基である。
本発明に供される樹脂〔A〕において、重合体主鎖の
末端に該極性基を結合して成る樹脂〔A′〕を合成する
には、少なくとも前記したマクロモノマー(MA)と一般
式(III)で示される単量体との重合反応時に、該極性
基又はこれに誘導できる特定の反応基を分子中に含有し
た重合開始剤又は連鎖移動剤を併用することで達成され
る。
具体的には、マクロモノマーの合成において前記した
様に片末端反応基結合のオリゴマーの方法と同様にして
得ることができる。
本発明の結着樹脂は、上記の如き樹脂〔A〕(樹脂
〔A′〕を含む)を2種以上含有していてもよい。
一方、樹脂〔B〕において重量平均分子量3×104
1×106、好ましくは5×104〜5×105である。
A−B型ブロック共重合体成分からなる一官能性マク
ロモノマーの重合体中における存在割合は、好ましく
は、1〜60重量%で、より好ましくは5〜50重量%であ
る。更に、一般式(V)で示される重合体成分の存在割
合は、好ましくは40〜99重量%で、より好ましくは50〜
95重量%である。
樹脂〔B〕のガラス転移点は、好ましくは0℃〜110
℃、より好ましくは、20℃〜90℃である。
結着樹脂〔B〕の分子量が3×104より小さくなる
と、膜強度が充分に保てず、一方分子量が1×106より
大きくなると、分散性が低下し膜平滑度が劣化し、複写
画像の画質(特に、細線・文字の再現性が悪くなる)が
悪化し、更にオフセットマスターとして用いる時に地汚
れが著しくなってしまう。
又結着樹脂〔B〕におけるマクロモノマー含有量が1
重量%より少ないと電子写真特性(特に暗減衰率、光感
度)が低下し、又環境条件での電子写真特性の変動が特
に近赤外〜赤外光分光増感色素との組み合わせにおい
て、大きくなる。これはグラフト部となるマクロモノマ
ーが微かとなることで結果として従来のホモポリマーあ
るいはランダム共重合体と殆んど同じ組成になってしま
うことによると考えられる。
一方マクロモノマーの含有量が60重量%を越えると、
他の共重合成分に相当する単量体と本発明に従うマクロ
モノマーとの共重合性が充分でなくなり、結着樹脂とし
て用いても充分な電子写真特性が得られなくなってしま
う。
次に樹脂〔B〕の好ましい態様について以下説明す
る。
本発明の樹脂〔B〕に供される一官能性マクロモノマ
ー(MB)について更に具体的に説明する。
マクロモノマー(MB)のA−ブロックを構成する成分
中に含有される酸性基としては、−PO3H2基、−COOH
基、−SO3H基、フェノール性OH基、 (R4はR1と同一の内容を表わす)又は環状酸無水物含有
基が挙げられ、好ましくは−COOH基、−SO3H基、フェノ
ール性OH基、又は である。
の場合、具体的には樹脂〔A〕において説明したと同様
の内容を表わす。
更に上記特定の酸性基を含有する重合成分の具体例と
しては、前記樹脂〔A〕のものと同様のものが挙げられ
る。
フェノール性OH基としては、ヒドロキシフェノール又
はヒドロキシフェニル基を置換基として含有するメタク
リル酸エステルもしくはアミド類を挙げることができ
る。
また、環状酸無水物含有基とは、少なくとも1つの環
状酸無水物を含有する基であり、含有される環状酸無水
物としては、脂肪族ジカルボン酸無水物、芳香族ジカル
ボン酸無水物が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸無水物の例としては、コハク酸無
水物環、グルタコン酸無水物環、マレイン酸無水物環、
シロクペンタン−1,2−ジカルボン酸無水物環、シロク
ヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物環、シロクヘキセ
ン−1,2−ジカルボン酸無水物環、2,3−ビシクロ〔2.2.
2〕オクタンジカルボン酸無水物環等が挙げられ、これ
らの環は、例えば塩素原子、臭素原子等のハロゲン原
子、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基等のア
ルキル基等が置換されていてもよい。
又、芳香族ジカルボン酸無水物の例としては、フタル
酸無水物環、ナフタレン−ジカルボン酸無水物環、ピリ
ジン−ジカルボン酸無水物環、チオフェン−ジカルボン
酸無水物環等が挙げられ、これらの環は、例えば、塩素
原子、臭素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、ヒドロキシ
ル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基
(アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキ
シ基等)等が置換されていてもよい。
上記の如き特定の酸性基を含有する重合成分は該ブロ
ック中に2種以上含有されていてもよく、その場合にお
ける該2種以上の酸性基含有成分は該ブロック中におい
てランダム共重合又はブロック共重合のいずれの態様で
含有されていてもよい。
また、該酸性基を含有しない成分がAブロック中に含
まれていてもよく、該成分の例としては後述の一般式
(IV)で示される成分等があげられる。かかる酸性基非
含有成分の含有量はAブロック中好ましくは0〜50重量
%、より好ましくは0〜20重量%であり、最も好ましく
は、かかる酸性基非含有成分はAブロック中に含まれな
い。
次にグラフト型共重合体の一官能性マクロモノマーに
おいて、Bブロック成分を構成する重合成分について詳
しく説明する。
本発明では、B−ブロックを構成する成分として、少
なくとも前記一般式(IV)で表わされる繰り返し単位が
含まれる。
一般式(IV)において、X4は−COO−、−OCO−、CH
2 l3OCO−、CH2 l4COO−(l3、l4は1〜3の整数を
表わす)、−O−、−SO2−、−CO−、 −CONHCOO−、−CONHCONH−又は を表わす。
ここで、R23は水素原子のほか、好ましい炭化水素基
としては、炭素数1〜18の置換されてもよいアルキル基
(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ヘプチル基、ヘキシル基、オクチル基、デジル基、
オデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、2−ク
ロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−シアノエチル
基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−メトキシエ
チル基、3−ブロモプロピル基等)、炭素数4〜18の置
換されてもよいアルケニル基(例えば、2−メチル−1
−プロペニル基、2−ブテニル基、2−ぺンテニル基、
3−メチル−2−ペンテニル基、1−ペンテニル基、1
−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、4−メチル−2−
ヘキセニル基、等)、炭素数7〜12の置換されてもよい
アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、3
−フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、2−ナフチ
ルエチル基、クロロベンジル基、ブロモベンジル基、メ
チルベンジル基、エチルベンジル基、メトキシベンジル
基、ジメチルベンジル基、ジメトキシベンジル基等)、
炭素数5〜8の置換されてもよい脂環式基(例えば、シ
クロヘキシル基、2−シクロヘキシルエチル基、2−シ
クロペチルエチル基等)又は炭素数6〜12の置換されて
もよい芳香族基(例えば、フェニル基、ナフチル基、ト
リル基、キシリル基、プロピニルフェニル基、ブチルフ
ェニル基、オクチルフェニル基、ドデシルフェニル基、
メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ブトキシフ
ェニル基、デシルオキシフェニル基、クロロフェニル
基、ジクロロフェニル基、ブロモフェニル基、シアノフ
ェニル基、アセチルフェニル基、メトキシカルボニルフ
ェニル基、エトキシカルボニルフェニル基、ブトキシカ
ルボニルフェニル基、アセトアミドフェニル基、プロピ
オアミドフェニル基、ドデシロイルアミドフェニル基
等)があげられる。
R21は炭化水素基を表わし、その好ましい具体例はR23
について説明したものと同様の内容を示す。但し、一般
式(IV)中のX4を表わす場合、R21は水素原子又は炭化水素基を表わ
す。
X4を表わす場合、ベンゼン環は置換基を有してもよい。置
換基としては、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原
子等)、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、クロロメチル基、メトキシメチル基
等)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、
プロピオキシ基、ブトキシ基等)等が挙げられる。
d1及びd2は、互いに同じでも異なっていてもよく、好
ましくは水素原子、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、
臭素原子等)、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基
(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
等)、−COO−R24又は炭化水素を介した−COO−R24(R
24は、水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基、アルケ
ニル基、アラルキル基、脂環式基またはアリール基を表
わし、これらは置換されていてもよく、具体的には、上
記R23について説明したものと同様の内容を表わす)を
表わす。
上記炭化水素を介した−COO−R24における炭化水素と
しては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が挙
げられる。
更に好ましくは、一般式(IV)において、X4は−COO
−、−OCO−、−CH2OCO−、−CH2COO−、−O−、−CON
H−、−SO2NH−又は を表わし、d1、d2は互いに同じでも異なってもよく、水
素原子、メチル基、−COOR24又は−CH2COOR24{R24は、
水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基(例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等)
を表わす}を表わす。更により好ましくは、d1、d2にお
いていずれか一方が水素原子を表わす。
前記の特定の酸性基を含有する重合成分から成るAブ
ロックとは別に構成されるBブロックにおいて、前記式
(IV)で示される繰り返し単位は2種以上含有されてい
てもよく、更にこれら以外の他の重合成分を含有してい
てもよい。酸性基を含有しないBブロックにおいて2種
以上の重合成分が含有される場合には、該共重合成分は
該Bブロック中においてランダム共重合又はブロック共
重合のいずれの態様で含有されていてもよいが、ランダ
ムに含有されることが好ましい。
前記した式(IV)で示される繰り返し単位から選ばれ
た重合成分とともに他のブロック中に含有され得る他の
重合成分は、これらと共重合する成分であればいずれで
もよい。
該B−ブロック中に含有される重合体成分として、式
(IV)に示される重合体成分とともに共重合しうる他の
繰り返し単位に相当する単量体として、例えばアクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、複素環ビニル類(例え
ばビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ビニルピロリ
ドン、ビニルチオフェン、ビニルピラゾール、ビニルジ
オキサン、ビニルオキサジン等)等が挙げられる。これ
ら他の単量体はB−ブロックの全重合体成分100重量部
中20重量部を越えない範囲で用いられる。又、該Bブロ
ック中には、該A−ブロックの構成成分である極性基を
含有する重合体成分を含有しない事が好ましい。
次に本発明のマクロモノマー(MB)において、上記し
た極性基を含有する成分から成るA−ブロックと一般式
(IV)で示される重合体成分から成るB−ブロックをA
−B型で連結し且つA−ブロックと連結するB−ブロッ
クの他の末端に連結される重合性二重結合基について説
明する。
具体的には下記一般式(VI)で示される重合性二重結
合基が挙げられる。
一般式(VI) 式(VI)中、X6は式(IV)中のX4と同一の内容を表わ
す。
d5、d6は、お互いに異なってもよく、式(IV)中の
d1、d2と同一の内容を表わす。
即ち、一般式(VI)で示される重合性二重結合基とし
て、より具体的には、 CH2=CH−O−、 CH2=CHCH2 2COO−、CH2=CH−CO−、 等が挙げられる。
本発明において供されるマクロモノマー(MB)は上述
の如きB−ブロックの片末端に、一般式(VI)で示され
る重合性二重結合基が、直接結合するか、あるいは、任
意の連絡基で結合された化学構造を有するものである。
連結する基としては、炭素−炭素結合(一重結合あるい
は二重結合)、炭素−ヘテロ原子結合(ヘテロ原子とし
ては例えば、酸素原子、イオウ原子、窒素原子、ケイ素
原子等)、ヘテロ原子−ヘテロ原子結合の原子団の任意
の組合せで構成されるものである。
即ち具体的には単なる結合または、 〔R25、R26は水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素
原子、塩素原子、臭素原子等)、シアノ基、ヒドロキシ
ル基、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピ
ル基等)等を示す〕、CH=CH、 −COO−、 −NHCOO−、−NHCONH−、 〔R27、R28は各々水素原子、前記式(IV)におけるR21
と同様の内容を表わす炭化水素基等を示す〕等の原子団
から選ばれた単独の連結基もしくは任意の組合せで構成
された連結基を表わす。
マクロモノマー(MB)の重量平均分子量が2×104
超えると、他の単量体との共重合性が低下するため好ま
しくない。他方、重量平均分子量が小さすぎると、感光
層の電子写真特性の向上効果が小さくなるため、1×10
3以上であることが好ましい。
本発明のマクロモノマー(MB)は、従来公知の合成方
法によって製造することができる。例えば、該特定の酸
性基を含有する重合体成分に相当する単量体において、
酸性基を予め保護した官能基としておき、有機金属化合
物(例えばアルキルリチウム類、リチウムジイソプルア
ミド類、アルキルマグネシウムハイライド類等)あるい
はヨウ化水素/ヨウ素系等によるイオン重合反応、ポリ
フィリン金属錯体を触媒とする光重合反応、あるいはグ
ループ移動重合反応等の公知のいわゆるリビング重合反
応でA−Bブロック共重合体を合成した後、このリビン
グポリマーの末端に種々の試薬を反応させて重合性二重
結合基を導入する。
この後、酸性基を保護した官能基を加水分解反応、加
水素分解反応、酸化分解反応あるいは光分解反応等によ
って脱保護反応を行ない、酸性基を形成させる方法が挙
げられる。その1つの例を下記の反応スキーム(1)に
示した。
例えば、P.Lutz,P.Masson et al,Polym.BulL,12,79
(1984),B.C.Anderson,G.D.Andrews et al,Macromolec
ules,14,1601(1981),K.Hatada,K.Ute,et al,Polym.J.
17,977(1985),18,1037(1986),右手浩一、畑田耕
一、高分子加工、36,366(1987),東村敏延、沢本光
男、高分子論文集、46,189(1989),M.Kuroki,T.Aida,
J.Am.Chem.Sic,109,4737(1987),相田卓三、井上祥
平、有機合成化学、43,300(1985),D.Y.Sogoh,W.R.Her
tler et al,Macromolecules,20,1473(1987)等に記載
の合成方法に従って容易にリビングポリマーを合成する
ことができる。又、該リビングポリマーの末端に重合性
二重結合基を導入する方法としては、従来公知のマクロ
モノマー法の合成法に従って容易に本発明のマクロモノ
マーとすることができる。
具体的には、P.Dreyfuss & R.P.Quirk,Encycl.Poply
m.Sci.Eng.,,551(1987),P.F.Rempp,E.Franta,Adu.,
Polym.Sci.58,1(1984),V.Percec,Appl.,Polym.Sci.,2
85,95(1984),R.Asami,M.TakaRi,Makvamol.Chem.Supp
l.12,163(1985),P.Rempp.et al,Makvamol.Chem.Supp
l.,3(1984),川上雄資、化学工業、38,56(198
7),山下雄也、高分子、31,988(1982),小林四郎、
高分子、30,625(1981)、東村敏延、日本接着協会誌1
8,536(1982)、伊藤浩一、高分子加工、35,262(198
6)、東貴四郎、津田隆、機能材料、1987 No.10,5等の
総説及びそれに引例の文献・特許等に記載の方法に従っ
て合成することができる。
又、本発明の特定の酸性基を保護する保護基及びその
保護基の脱離(脱保護反応)については、従来公知の知
見を利用して容易に行なうことができる。例えば、前記
した引用文献にも種々記載されており、更には、岩倉義
男、栗田恵輔、「反応性高分子」(株)講談社刊(1977
年)、T.W.Greene,「Protective Groups in Organic Sy
nthesis」,John Wiley & Son(1981年),J.F.W.McOmi
e,「Protective Groups in Organic Organic Chemistr
y」,Plenum Press,(1973年)等の総説に詳細に記載さ
れている方法を適宜選択して行なうことができる。
他のA−B型ブロック共重合体〔A〕の合成法として
は、ジシオカーバメント化合物を開始剤とした光イニフ
ァーター重合法によって合成することもできる。例え
ば、大津隆行、高分子、37,248(1988),桧森俊一、大
津隆一、Polym.Rep.Jap.37,3508(1988年)、特開昭64
−111号、特開昭64−26619号等に記載の合成方法に従っ
て合成され。これを上記したマクロモノマー合成法を利
用して本発明のマクロモノマーを得ることができる。
本発明のマクロモノマー(MB)は、具体的には、下記
の化合物を例として挙げることができる。但し、本発明
の範囲は、これらに限定されるものではない。
以下の各例において、Q1、Q2及びQ3は各々−H、−CH
3又は−CH2COOCH3を示し、Q4は−H又は−CH3を示し、R
31は−CnH2n+1(nは1〜18の整数を示す)、CH2 mC
6H5(mは1〜3の整数を示す)、 (Xは−H、−Cl、−Br、−CH3、−OCH3又は−COCH3
示す)又は (pは0又は1〜3の整数を示す)を示し、R32はCqH
2q+1(qは1〜8の整数を示す)又は(CH2mC6H5を示
し、T1は−OH、−COOH、−SO3H、 又は 又は を示し、rは2〜12の整数を示し、sは2〜6の整数を
示す。
前記したマクロモノマー(MB)と共重合する単量体は
一般式(V)で示されるものが好ましい。式(V)にお
いて、d3、d4、X5及びR22は式(IV)中のd1、d2、X4
びR21とそれぞれ同一の内容を表わす。特に好ましくはd
3は水素原子を表わし、d4はメチルを表わし、X5は−COO
−を表わす。
本発明の樹脂〔B〕において、Aブロック/Bブロック
比は1〜30/99〜70(重量比)であることが好ましく、
また樹脂〔B〕中における酸性基含有成分の存在量は、
0.1〜20重量%、特に0.5〜10重量%であることが好まし
い。また、マクロモノマー(MB)を繰り返し単位とする
共重合成分と、一般式(V)で示される単量体を繰り返
し単位とする共重合成分の組成比は、好ましくは1〜60
/99〜40(重量組成比)、より好ましくは5〜50/95〜50
(重量組成比)である。
又、重合体主鎖中には、−PO3H2基、−SO3H基、−COO
H基、−OH基、−SH基及び−PO3R4H基の極性基を含有す
る共重合成分を含有しないのもが好ましい。
本発明の結着樹脂〔A〕及び〔B〕は、それぞれ相当
する一官能性重合性化合物を所望の割合で共重合させる
ことによって製造することができる。重合方法としては
溶液重合、懸濁重合、沈澱重合、乳化重合等の公知の方
法を用いることにより製造することができる。例えば溶
液重合ではベンゼン、トルエン等の溶媒中の、単量体を
所定の割合で添加し、アゾビス系化合物、過酸化化合
物、ラジカル重合開始剤によって重合せしめ共重合体溶
液を得ることができる。これを乾燥または貧溶剤に添加
することにより所望の共重合体を得ることができる。ま
た、懸濁重合ではポリビニルアルコール、ポリビニルピ
ロリドン等の分散剤の存在下、単量体を懸濁させ、ラジ
カル重合開始剤の存在下で共重合せしめ共重合体を得る
ことができる。
更には、本発明の結着樹脂において、好ましい態様で
ある、低分子量体である樹脂〔A〕及び高分子量体であ
る樹脂〔B〕の合成は、従来公知の如く、開始剤の種類
(温度により半減期が異なる)、開始剤の量、重合開始
温度あるいは連鎖移動剤の併用等の方法により容易に調
節することができる。
本発明の光導電層の結着樹脂として、本発明の結着樹
脂とともに、従来、電子写真用結着樹脂として用いられ
ているものを組合せて使用することもできる。例えば、
宮本晴視、武井秀彦、「イメージング」1978 No.8 9
〜12、栗田隆治、石渡次郎、「高分子」、17,278〜284
(1968)等の総説引用の材料が挙げられる。
具体的には、オレフィン重合体及び共重合体、塩化ビ
ニル共重合体、塩化ビニリデン共重合体、アルカン酸ビ
ニル重合体及び共重合体、アルカン酸アリル重合体及び
共重合体、スチレン及びその誘導体、重合体及び共重合
体、ブタンジエン−スチレン共重合体、イソプレン−ス
チレン共重合体、ブタジエン−不飽和カルボン酸エステ
ル共重合体、アクリロニトリル共重合体、メタクリロニ
トリル共重合体、アルキルビニルエーテル共重合体、ア
クリル酸エステル重合体及び共重合体、メタクリル酸エ
ステル重合体及び共重合体、スチレン−アクリル酸エス
テル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合
体、イタコン酸ジエステル重合体及び共重合体、無水マ
レイン酸共重合体、アクリルアミド共重合体、メタクリ
ルアミド共重合体、水酸基変性シリコン樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ケトン樹脂、アミド樹脂、水酸基及びカ
ルボキシル基変性ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、
ポリビニルアセタール樹脂、環化ゴム−メタアクリル酸
エステル共重合体、環化ゴム−アクリル酸エステル共重
合体、窒素原子を含有しない複素環を含有する共重合体
(複素環としては例えば、フラン環、テトラヒドロフラ
ン環、チオフェン環、ジオキサン環、ジオキソラン環、
ラクトン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、1,
3−ジオキセタン環等)、エポキシ樹脂等が挙げられ
る。
しかし、これらの樹脂は、全結着樹脂量の30重量%を
越えない範囲で用いる事が好ましい。
樹脂〔A〕及び〔B〕の使用する割合は特に制限はな
いが、樹脂〔A〕/〔B〕比5〜50/95〜50、特に10〜4
0/90〜60(重量比)であることが好ましい。
本発明に使用する無機光導材料としては、酸化亜鉛、
酸化チタン、硫化亜鉛、硫化カドミウム、炭酸カドミウ
ム、セレン化亜鉛、セレン化カドミウム、セレン化テル
ル、硫化鉛、等が挙げられる。
無機光導電材料に対して用いる結着樹脂の総量は、光
導電体100重量部に対して、結着樹脂を10〜100重量部な
る割合、好ましくは15〜50重量部なる割合で使用する。
本発明では、必要に応じて各種の色素を分光増感剤と
して併用することができる。例えば、宮本晴視、武井秀
彦、イメージング1973(No.8)第12頁、C.J.Young等、R
CA Review15,469(1954),清田航平等、電気通信学会
論文誌J 63−C(No.2),97(1980)、原崎勇次等、工
業化学剤誌66 78及び188(1963)、谷忠昭、日本写真
学会誌35、208(1972)、等の総説引例のカーボニウム
系色素、ジフェニルメタン色素、トリフェニルメタン色
素、キサンテン系色素、フタレイン系色素、ポリメチン
色素(例えば、オキソノール色素、メロシアニン色素、
シアニン色素、ロダシアニン色素、スチリル色素等)、
フタロシアニン色素(金属含有してもよい)等が挙げら
れる。
更に具体的には、カーボニウム系色素、トリフェニル
メタン色素、キサンテン系色素、フタレイン系色素を中
心に用いたものとしては、特公昭51−452号、特開昭50
−90334号、特開昭50−114227号、特開昭53−39130号、
特開昭53−82353号、米国特許第3,052,540号、米国特許
第4,054,450号、特開昭57−16456号等に記載のものが挙
げられる。
オキソノール色素、メロシアニン色素、シアニン色
素、ロダシアニン色素等のポリメチン色素としては、F.
M.Hamar「The Cyanine Dyes and Related Compounds」
等に記載の色素類が使用可能であり、更に具体的には、
米国特許第3,047,384号、米国特許第3,110,591号、米国
特許第3,121,008号、米国特許第3,125,447号、米国特許
第3,128,179号、米国特許第3,132,942号、米国特許第3,
622,317号、英国特許第1,226,892号、英国特許第1,309,
274号、英国特許第1,405,898号、特公昭48−7814号、特
公昭55−18892号等に記載の色素が挙げられる。
更に、700nm以上の長波長の近赤外〜赤外光域を分光
増感するポリメチン色素として、特開昭47−840号、特
開昭47−44180号、特公昭51−41061号、特開昭49−5034
号、特開昭49−45122号、特開昭57−46245号、特開昭56
−35141号、特開昭57−157254号、特開昭61−26044号、
特開昭61−27551号、米国特許第3,619,154号、米国特許
第4,175,956号、「Research Disclosure」1982年、21
6、第117〜118頁等に記載のものが挙げられる。本発明
の感光体は種々の増感色素を併用させても、その性能が
増感色素により変動しにくい点において優れている。更
には、必要に応じて、化学増感剤等の従来知られている
電子写真感光層用各種添加剤を併用することもできる。
例えば、前記した総説:イメージング1973(No.8)第12
頁等の総説引例の電子受容性化合物(例えば、ハロゲ
ン、ベンゾキノン、クロラニル、酸無水物、有機カルボ
ン酸等)、小門宏等、「最近の光導電材料と感光体の開
発・実用化」第4章〜第6章:日本科学情報(株)出版
部(1986年)の総説引例のポリアリールアルカン化合
物、ヒンダートフェノール化合物、p−フェニレンジア
ミン化合物等が挙げられる。
これら各種添加剤の添加量は、特に限定的ではない
が、通常光導電体100重量部に対して0.0001〜2.0重量部
である。
光導電層の厚さは1〜100μ、特に10〜50μが好適で
ある。
また、電荷発生層と電荷輸送層の積層型感光体の電荷
発生層として光導電層を使用する場合は電荷発生層の厚
さは0.01〜1μ、特には0.05〜0.5μが好適である。
感光体の保護および耐久性、暗減衰特性の改善等を主
目的として絶縁層を付設させる場合もある。この時は絶
縁層は比較的薄く設定され、感光体を特定の電子写真プ
ロセスに用いる場合に設けられる絶縁層は比較的厚く設
定される。
後者の場合、絶縁層の厚さは、5〜70μ、特には、10
〜50μに設定される。
積層型感光体の電荷輸送材料としてはポリビニルカル
バゾール、オキサゾール系色素、ピラゾリン系色素、ト
リフェニルメタン系色素などがある。電荷輸送層の厚さ
としては5〜40μ、特には10〜30μが好適である。
絶縁層あるいは電荷輸送層の形成に用いる樹脂とし
て、代表的なものは、ポリスチレン樹脂、ポリエステル
樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、塩化ビニル
樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩ビ−酢ビ共重合体樹脂、ポリ
アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、エ
ポキシ樹脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂の熱可塑性樹
脂及び硬化性樹脂が適宜用いられる。
本発明による光導電層は、従来公知の支持体上に設け
ることができる。一般に云って電子写真感光層の支持体
は、導電性であることが好ましく、導電性支持体として
は、従来と全く同様、例えば、金属、紙、プラスチック
シート等の基体に低抵抗性物質を含浸させるなどして導
電処理したもの、基体の裏面(感光層を設ける面と反対
面))に導電性を付与し、更にはカール防止を図る等の
目的で少なくとも1層以上をコートしたもの、前記支持
体の表面に耐水性接着層を設けたもの、前記支持体の表
面層に必要に応じて少なくとも1層以上のプレコート層
が設けられたもの、Al等を蒸着した基体導電化プラスチ
ックを紙にラミネートしたもの等が使用できる。
具体的に、導電性基体あるいは導電化材料の例とし
て、坂本幸男、「電子写真」、14(No.1)、p2〜11(19
75)、森賀弘之、「入門特殊紙の化学」高分子刊行会
(1975),M.F.Hoover,J.Macromol.Sci.Chem.A−4
(6)、第1327〜第1417頁(1970)等に記載されている
もの等を用いる。
(実施例) 以下に本発明の実施例を例示するが、本発明の内容が
これらに限定されるものではない。
マクロモノマー(MA)の製造例1:MM−1 エチルメタクリレート90g、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート10g、チオグリコール酸5g及びトルエン200
gの混合溶液を、窒素気流下撹拌しながら、温度75℃に
加温した。2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(略称
A.I.B.N.)1.0gを加え、8時間反応した。次にこの反応
溶液にグリシジルメタクリレート8g、N,N−ジメチルド
デシルアミン1.0g及びt−ブチルハイドロキノン0.5gを
加え、温度100℃にて12時間撹拌した。冷却後この反応
溶媒をn−ヘキサン2中に再沈し、白色粉末を82g得
た。マクロモノマーの重量平均分子量は3.8×103であっ
た。
(MM−1) マクロモノマー(MA)の製造例2:MM−2 ブチルメタクリレート90g、メタクリル酸10g、2−メ
ルカプトエタノール4g及びテトラヒドロフラン200gの混
合溶液を窒素気流下温度70℃に加温した。A.I.B.N.1.2g
を加え、8時間反応した。
次にこの反応溶液を水浴中で冷却して温度20℃とし、
トリエチルアミン10.2gを加え、メタクリル酸クロライ
ド14.5gを温度25℃以下で撹拌下して滴下した。滴下後
そのまま1時間更に撹拌した。その後、t−ブチルハイ
ドロキノン0.5gを加え温度60℃に加温し、4時間撹拌し
た。冷却後、水1中に撹拌しながら滴下し(約10分
間)、そのまま1時間撹拌して静置後、、水をデカンテ
ーションで除去した。水での洗浄を更に2回行なった
後、テトラヒドロフラン100mlに溶解し、石油エーテル
2中に再沈した。沈澱物をデカンテーションで補集
し、減圧下に乾燥した。得られた粘稠物の収量は65gで
重量平均分子量5.6×103であった。
(MM−2) マクロモノマー(MA)の製造例3:MM−3 ベンジルメタクリレート95g、2−ホスホノエチルメ
タクリレート5g、2−アミノエチルメルカプタン4g及び
テトラヒドロフラ200gの混合物を、窒素気流下撹拌下に
温度70℃に加温した。
A.I.B.N.1.5gを加え4時間反応させ、更にA.I.B.N.0.
5gを加えて4時間反応させた。次に、この反応溶液を温
度20℃に冷却し、アクリル酸無水物10gを加えて温度20
〜25℃で1時間撹拌した。次にt−ブチルハイドロキノ
ン1.0gを加え温度50〜60℃で4時間撹拌した。冷却後、
水1中に撹拌しながら、この反応混合物を約10分間で
滴下し、そのまま1時間撹拌した後静置して、水をデカ
ンテーションで除去した。水での洗浄を更に2回繰り返
した後、テトラヒドロフラン100mlに溶解し、石油エー
テル2中に再沈した。沈澱物をデカンテーションで補
集し、減圧下に乾燥した。得られた粘稠物の収量は70g
で重量平均分子量7.4×103であった。
(MM−3) マクロモノマー(MA)の製造例4:MM−4 2−クロロフェニルメタクリレート90g、下記構造
(I)の単量体10g、チオグリコール酸4g及びトルエン2
00gの混合溶液を、窒素気流下温度70℃に加温した。A.
I.B.N.1.5gを加え5時間反応し、更にA.I.B.N.0.5gを加
え4時間反応した。次にグリシジルメタクリレート12.4
g、N,N−ジメチルドデシルアミン1.0g及びt−ブチルハ
イドロキノ1.5gを加え温度110℃で8時間反応した。冷
却後この反応混合物をp−トルエンスルホン酸3g、90vo
l%テトラヒドロフラン水溶液100mlに溶液に加え、温度
30〜35℃で1時間撹拌した。水/エタノール〔(1/3)
容積比〕の混合溶液2中に、上記混合物を再沈し、デ
カンテーションで沈澱物を補集した。この沈澱物をテト
ラヒドロフラン200mlに溶解しn−ヘキサン2中に再
沈し、粉末58gを得た。重量平均分子量は7.6×103であ
った。
単量体(I) (MM−4) マクロモノマー(MA)の製造例5:MM−5 2,6−ジクロロフェニルメタクリレート95g、3−
(2′−ニトロベンジルオキシスルホニル)プロピルメ
タクリレート5g、トルエン150g及びイソプロピルアルコ
ール50gの混合溶液を窒素気流下に温度80℃に加温し
た。2,2′−アゾビス(2−シアノ吉草酸)(略称:A.C.
V.)5.0gを加え5時間反応し、更にA.C.V.1.0gを加えて
4時間反応した。冷却後、メタノール2中にこの反応
物を再沈し、粉末を凝集し、減圧乾燥した。
上記粉末50gグリシジルメタクリレート14g、N,N−ジ
メチルドシルアミン0.6g、t−ブチルハイドロキノン1.
0g及びトルエン100gの混合物を温度110℃で10時間撹拌
した。室温に冷却後80Wの高圧水銀灯にて、この混合物
を撹拌下に1時間光照射した。その後反応混合物をメタ
ノール1中に再沈し、粉末を凝集・減圧乾燥した。収
量34gで重量平均分子量7.3×103であった。
(MM−5) 樹脂〔A〕の製造例1:A−1 フェニルメタクリレート75g、マクロモノマー(MA)
の合成例2の化合物(MM−2)25g及びトルエン100gの
混合溶液を、窒素気流下に温度100℃に加温した。A.I.
B.N.,6gを加え4時間反応させ、更にA.I.B.N.3gを加え
3時間反応させた。得られた共重合体の重量平均分子量
は8.6×103であった。
(A−1) 樹脂〔A〕の製造例2:A−2 2−クロロフェニルメタクリレート70g、マクロモノ
マー(MA)の合成例1の化合物(MM−1)30g、β−メ
ルカプトプロピオン酸3.0g及びトルエン150gの混合溶液
を窒素気流下に温度80℃に加温した。A.I.B.N.1.0gを加
え4時間反応し、後A.I.B.N.0.5gを加え2時間、更にA.
I.B.N.0.3gを加え3時間反応した。
得られた共重合体の重量平均分子量は8.5×103であっ
た。
(A−2) 樹脂〔A〕の製造例3:A−3 2−クロロ−6−メチルフェニルメタクリレート60
g、マクロモノマー(MA)の合成例4の化合物:(MM−
4)25g、メチルアクリレート15g、トルエン100g及びイ
ソプロピルアルコール50gの混合溶液を窒素気流下温度8
0℃に加温した。A.C.V.,5gを加え5時間反応し更にA.C.
V.,1gを加え4時間反応した。得られた共重合体の重量
平均分子量は8.5×103であった。
(A−3) 樹脂〔A〕の製造例4〜13:A−4〜A−13 樹脂〔A〕の製造例1(A−1)と同様の方法で、下
表−1に示す各樹脂〔A〕を製造した。各樹脂〔A〕の
重量平均分子量は6.0×103〜9×103の範囲であった。
樹脂〔A〕の製造例14〜27:A−14〜A−27 樹脂〔A〕の製造例2(A−2)と同様の方法で下表
−2に示す各樹脂〔A〕を製造した。各重〔A〕の重量
平均分子量は5×103〜9×103の範囲であった。
マクロモノマー(MB)の合成例1:(M−1) トリフェニルメチルメタクリレート10g及びトルエン1
00gの混合溶液を窒素気流下に充分に脱気し−20℃に冷
却した。
1,1−ジフェニルブチルリチウム0.02gを加え10時間反
応した。
更にこの混合溶液に、エチルメタクリレート90g及び
トルエン100gの混合溶液を窒素気流下に充分に脱気した
後添加し、更に10時間反応した。この混合物を0℃にし
た後、炭酸ガスを60ml/minの流量で30分間通気し、重合
反応を停止させた。
得られた反応液を、撹拌下に、温度25℃とし、2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート6gを加え、更に、ジシク
ロヘキシルカルボジイミド10g、4−N,N−ジメチルアミ
ノピリジン0.2g及び塩化メチレン30gの混合溶液を30分
間で滴下し、そのまま3時間撹拌した。
析出した不溶物を濾別後、この混合溶液に30重量%塩
化水素・エタノール溶液10mlを加え1時間撹拌した。次
に減圧下に反応混合物を全体量が半分になるまで溶媒を
留去した後、石油エーテル1中に再沈した。
沈澱物を捕集し、減圧乾燥して得られたマクロモノマ
ーは、w6.5×103で収量56gであった。
(M−1) マクロモノマー(MB)の合成例2:(M−2) ベンジルメタクリレート5g、(テトラフェニルポルフ
ィナート)アルミニウムメチル0.01g及び塩化メチレン6
0gの混合溶液を窒素気流下に温度30℃とした。これに30
0W−キセノンランプ光をガラスフィルターを通して25cm
の距離から光照射し、12時間反応した。この混合物に更
にブチルメタクリレート45gを加え、同様に8時間光照
射した後、この反応混合物に4−ブロモメチルスチレン
5gを加え30分間撹拌し反応を停止させた。
次にこの反応混合物にPd−Cを加え、温度25℃で1時
間接触還元反応を行なった。
不溶物を濾別した後、石油エーテル500ml中に再沈
し、沈澱物を捕集し乾燥した。得られたマクロモノマー
は収量33gでw7×103であった。
(M−2) マクロモノマー(MB)の合成例3:(M−3) 4−ビニルフェニルオキシトリメチルシラン20g及び
トルエン100gの混合溶液を窒素気流下に充分に脱気し、
0℃に冷却した。1,1−ジフェニル−3−メチルペンチ
ルリチウム0.1gを加え、6時間撹拌した。更にこの混合
物に2−クロロ−6−メチルフェニルメタクリレート80
g及びトルエン100gの混合溶液を窒素気流下に充分脱気
した後添加して8時間反応した。この反応混合物に充分
に撹拌しながらエチレンオキサイドを30ml/分の流量で3
0分間通気した後、温度15℃に冷却しメタクリル酸クロ
ライド8gを30分間で滴下し、更にそのまま3時間撹拌し
た。
次にこの反応混合物に30重量%塩化水素エタノール溶
液10mlを加え、25℃で1時間撹拌した後、石油エーテル
1中に再沈し、捕集した沈澱物をジエチルエーテル30
0mlで2回洗浄し乾燥した。
得られたマクロモノマーは、収量55gでw7.8×103
あった。
マクロモノマー(MB)の合成例4:(M−4) トリフェニルメチルアクリレート15g及びトルエン100
gの混合溶液を窒素気流下に充分に脱気し−20℃に冷却
した。
sec−ブチルリチウム0.1gを加え、10時間反応した。
次に、この混合溶液にスチレン85g及びトルエン100g
の混合溶液を充分に窒素気流下で脱気した後添加し、12
時間反応した。この混合物を0℃にした後、ベンジルブ
ロマイド8gを加え1時間反応し、温度25℃で更に2時間
反応させた。
この反応混合物に30%塩化水素含有エタノール溶液10
mlを加え、2時間撹拌した。不溶物を濾別後、n−ヘキ
サン1中に再沈し、沈澱物を捕集して減圧乾燥した。
得られたマクロモノマーの収量は58gで、w4.5×103
あった。
(M−4) マクロモノマー(MB)の合成例5:(M−5) フェニルメタクリレート80g、ベンジル−N−ヒドロ
キエチル−N−エチルジチオカーバメート4.8gの混合物
を、窒素気流下に容器に密閉し、温度60℃に加温した。
これに400Wの高圧水銀灯で10cmの距離からガラスフィ
ルターを通して10時間光照射し光重合した。
これにアクリル酸20g及びメチルエチルケトン180gを
加えた後、窒素置換し再び10時間光照射した。
得られた反応混合物に、2−イソシアナートエチルメ
タクリレート6gを温度30℃で1時間で滴下し、さらに2
時間撹拌した。
次に得られた反応物をヘキサン1.5に再沈し、捕集
し乾燥した。得らてたマクロモノマーは、68gでw6.0
×103であった。
(M−5) 樹脂〔B〕の合成例1:〔B−1〕 エチルメタクリレート80g、マクロモノマー(M−
1)20g、トルエン150gの混合溶液を窒素気流下に温度8
5℃に加温した。1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−
カルボニトリル)(ABCC)0.8gを加え5時間反応し、更
にA.B.C.C0.5gを加え5時間反応した。
得られた共重合体のwは1.0×105であった。
〔B−1〕 樹脂〔B〕の合成例2:〔B−2〕 ブチルメタクリレート70g、マクロモノマー(M−
1)30g、トルエン150gの混合溶液を窒素気流下に温度7
0℃に加温した。
A.I.B.N.0.5gを加え6時間反応し、更に4時間毎にA.
I.B.N.0.3gを加え8時間反応した。
得られた共重合体のwは8.5×104であった。
〔B−2〕 樹脂〔B〕の合成例3〜9:〔B−3〕〜〔B〜9〕 樹脂〔B〕の合成例2と同様の重合条件で、下記表−
3の共重合体を合成した。
得られた重合体のwは、各々7×104〜9×104であ
った。
樹脂〔B〕の合成例10〜20:〔B−10〕〜〔B−20〕 樹脂〔B〕の合成例1と同様の重合条件で、下記表−
4の共重合体を合成した。得られた重合体のwは、各
々9×104〜2×105であった。
実施例1〜2及び比較例A〜D 実施例1 樹脂〔A〕の合成例8で製造した樹脂〔A−8〕6g
(固形分量として)、樹脂〔B〕の製造例1で製造した
樹脂〔B−1〕34g(固形分量として)、酸化亜鉛200
g、下記構造のシアニン色素〔A〕0.018g、サリチル酸
0.20g及びトルエン300gの混合物をボールミル中で4時
間分散して、感光層形成物を調製し、これを導電処理し
た紙に、乾燥付着量が25g/m2となる様に、ワイヤーバー
で塗布し、110℃で30秒間乾燥し、ついで暗所で20℃60
%RHの条件下で24時間放置することにより、電子写真感
光材料を作製した。
シアニン色素〔A〕 実施例2 実施例1において、樹脂〔A−8〕6gの代わりに樹脂
〔A−3〕6gを用いた他は、実施例1と同様に操作し
て、電子写真感光材料を作製した。
比較例A 結着樹脂として、下記樹脂〔R−1〕6g及びポリ(エ
チルメタクリレート)(w:2.6×105):樹脂〔R−
2〕34gを用いる以外は実施例1と同様の操作で電子写
真感光材料Aを製造した。
樹脂〔R−1〕 比較例B 結着樹脂として、下記樹脂〔R−3〕6g及び下記樹脂
〔R−4〕34gを用いる以外は実施例1と同様の操作で
電子写真感光材料Bを製造した。
これらの感光材料の皮膜性(表面の平滑性)、膜強
度、静電特性、撮像性及び環境条件を30℃,80%RHとし
た時の静電特性及び撮像性を調べた。更に、これらの感
光材料をオフセットマスター用原版として用いた時の光
導電性の不感脂化性(不感脂化処理後の光導電層と水と
の接触角で表わす)及び印刷性(地汚れ、耐刷性等)を
調べた。
以上の結果をまとめて、表−5に示す。
表−5に示した評価項目の実施の態様は以下の通りで
ある。
注1)光導電層の平滑性: 得られた感光材料は、ベック平滑度試験機(熊谷理工
(株)製)を用い、空気容量1ccの条件にて、その平滑
度(sec/cc)を測定した。
注2)光導電層の機械的強度: 得られた感光材料表面をヘイドン−14型表面性試験材
(新東化学(株)製)を用いて荷重60g/cm2のものでエ
メリー紙(#1000)で1000回繰り返し擦り摩耗粉を取り
除き感光層の重量減少から残膜率(%)を求め機械的強
度とした。
注3)静電特性: 温度20℃、65%RHの暗室中で、各感光材料のペーパー
アナライザー(川口電機(株)製ペーパーアナライザー
SP−428型)を用いて−6kVで20秒間コロナ放電をさせた
後、10秒間放置し、この時の表面電位V10を測定した。
次いでそのまま暗中で180秒間静置した後の電位V190
測定し、180秒間暗減衰させた後の電位の保持性、即
ち、暗減衰保持率〔DRR(%)を(V190/V10×100(%)
で求めた。
又コロナ放電により光導電層表面を−400Vに帯電させ
た後、波長780nmの単色光で照射し、表面電位(V10)が
1/10に減衰するまでの時間を求め、これから露光量E
1/10(erg/cm2)を算出する。
又表面電位(V10)が1/100に減衰するまでの時間を求
め、これから露光量E1/100(erg/cm2)を算出する。
4)撮像性: 各感光材料を以下の環境条件で1昼夜放置した。次に
−5kVで帯電し、光源として2.0mW出力のガリウム−アル
ミニウム−ヒ素半導体レーザー(発振波長780nm)を用
いて、感光材料表面上で、40erg/cm2の照射量下、ピッ
チ25μm及びスキャニング速度330m/secのスピード露光
後、液体現像剤として、ELP−T(富士写真フィルム
(株)製)を用いて現像し、定着することで得られた複
写画像(カブリ、画像の画質)を目視評価した。
撮像時の環境条件は20℃65%RHと30℃80%RHHで実施
した。
注5)水との接触角: 各感光材料を不感脂化処理液ELP−EX(富士写真フィ
ルム(株)製)を蒸留水で2倍に希釈した溶液を用い
て、エッチングプロセッサーに1回通して光導電層面を
不感脂化処理した後、これに蒸留水2μの水滴を乗
せ、形成された水との接触角をゴニオメーターで測定す
る。
注6)耐刷性 各感光材料を上記注4)と同条件で製版してトナー画
像を形成し、上記注5)と同条件で不感脂化処理し、こ
れをオフセットマスターとして、オフセット印刷機(桜
井製作所(株)製オリバー52型)にかけ、印刷物の非画
像部の地汚れ及び画像部の画質に問題が生じないで印刷
できる枚数を示す(印刷枚数が多い程、耐刷性が良好な
ことを表わす)。
表−5に示す様に従来公知の樹脂を用いた比較例A,B
は光同電層の機械的強度が不充分であった。又これらの
感光体の静電特性は、D.R.R.がやや不満足で高温・高湿
の条件になると、その変動が更に大きくなってしまっ
た。又、E1/100のE1/10からの変動が大きすぎた。
これにより、低出力の半導体レーザー光によるスキャ
ニング露光方式で撮像した場合の撮像性は、特に高温・
高湿条件下で複写画像の低下が見られた。
即ち、低出力の光源による光照射量の制約あるいはス
キャニング露光方式による露光時間の間中の未露光部
(画像部分)の電位減衰が、実際の複写画像の画質低下
(例えばDMの低下、細線・文字等のカスレ発生等)をも
たらした。又半導体レーザー光が低出力となり、光照射
量が制約されてくると露光後の残留電位が重要な問題と
なり、実際の撮像性において、非画像部の地カブリとな
って現われる。これは、静電特性のE1/100と対応し、
この地が小さい程好ましいことを表わす。比較例A〜D
は、未だ不充分であり、複写画像においても本撮像条件
の様な場合には、地カブリの発生が見られた。
しかし、本発明のいずれの感光材料も、静電特性、撮
像性ともに良好であった。更に、本発明の感光材料は比
較例A,Bと比らべ感光層の膜強度が向上した。
次にこれら製版後の感光体をオフセットマスター原版
として用いた場合は、不感脂化処理液による不感脂化
は、いずれの場合も地カブリのない非画像部分の水との
接触各が10度以下と小さく、充分に親水化されていた。
しかし、実際に大型の印刷機に相当する印刷条件で印刷
した場合、比較例A,Bは高温高湿の条件下で製版したオ
フセットマスター原版を用いた場合には、製版後の複写
画像の低下のために、印刷物の印刷画質にその欠点が反
映してしまい、結果として耐刷性が不充分となってしま
った。一方本発明の場合には、製版の環境条件にかかわ
らず、地汚れのない鮮明な画質の印刷物が8000枚以上得
られた。
又、本発明の感光材料において、結着樹脂〔A〕中の
主鎖末端に極性基を含有した実施例2の方が、実施例1
に比べ静電特性及び撮像性が良好であり、更にオフセッ
トマスター原版としての耐刷枚数において、更に特性が
向上した。
以上から、本発明の感光材料は、光導電層の平滑性、
膜強度、静電特性及び印刷性の全ての点において良好な
ものであった。
実施例3〜22 実施例1において樹脂〔A−8〕6g及び樹脂〔B−
1〕34gの代わりに下記表−6の樹脂〔A〕を各々6g、
樹脂〔B〕を各々34g用い、又、シアニン色素〔A〕0.0
18gの代わりに、下記構造のシアニン色素〔B〕0.018g
を用いた他は、実施例1と同様に操作して、各感光材料
を作製した。
シアニン色素〔B〕 表−6に示す様に、本発明では優れた結果が得られ
た。又、樹脂〔A〕が、末端極性基を含有する場合には
静電特性が更に向上する。又オフセットマスター原版と
して、印刷した所いずれも8000枚以上の耐刷性を示し
た。
実施例23〜34 実施例1において樹脂〔A−8〕6g及び樹脂〔B−
1〕34gの代わりに下記表−7の樹脂〔A〕を各々6g、
樹脂〔B〕を各々34g用い、又シアニン色素〔A〕0.018
gの代わりに、下記構造のメチン色素〔C〕0.016gを用
いた他は、実施例1と同様に操作して、各感光材料を作
製した。
メチン色素〔C〕 実施例1と同様にして各特性を測定した。
本発明の各感光材料は、いずれも帯電性、暗電荷保持
率、光感度に優れ、実際の複写画像も高温高湿の(30℃
80%RH)の過酷な条件においても、地カブリの発生のな
い鮮明な画像を得た。
実施例35〜38 結着樹脂として、下記表−8に記した樹脂〔A〕6.5g
及び樹脂〔B〕33.5g、酸化亜鉛200g、ローズベンガル
0.05g、ブロムフェノールブルー0.03g、ラウニン0.02
g、無水マレイン酸0.3g及びトルエン240gの混合物をボ
ールミル中で4時間分散した。これを導電処理した紙
に、乾燥付着量20g/m2となる様にワイヤーバーで塗布し
110℃で30秒間加熱した。次いで20℃、65%RHの条件下
で24時間放置することにより電子写真感光材料を作製し
た。
静電特性は、(30℃、80%RH)の条件下での測定値。
本発明の感光材料は、いずれも帯電性、暗電荷保持
率、光感度に優れ、実際の複写画像も高温・高湿の(30
℃−80%RH)の過酷な条件においても、地カブリの発生
のない、鮮明な画像を与えた。
更に、これをオフセットマスターの原版として用いて
印刷した所、表−8の耐刷枚数の所でも鮮明な画質の印
刷物を得た。
但し、静電特性における、E1/10はコロナ放電により
光導電層表面を−400Vに帯電させた後、該光導電層表面
を照度2.0ルックスの可視光で照射し、表面電位(V10
が1/10に減衰するまでの時間を求め、これから露光量E
1/10(ルックス・秒)を算出した。
又、感光材料の製版は、全自動製版機ELP404V(富士
写真フィルム(株)製)でELP−Tをトナーとして用い
て、トナー画像を形成した。
実施例39〜46 実施例35において、樹脂〔A−1〕6.5g及び樹脂〔B
−1〕33.5gの代わりに下記表−9の各樹脂〔A〕6g及
び樹脂〔B〕34gを用いた他は、実施例35と同様にして
各電子写真感光材料を作製した。
実施例35と同様にして各測定を行なった。
本発明の感光材料は、いずれも帯電性、暗電荷保持
率、光感度に優れ、実際の複写画像も高温・高湿の(30
℃,80%RH)の過酷な条件においても、地カブリの発生
のなに、鮮明な画像を与えた 更に、これをオフセットマスターの原版として用いて
印刷した所、いずれも8000名以上の印刷が可能であっ
た。
(発明の効果) 本発明によれば、環境条件の変動にかかわらず優れた
静電特性及び機械的強度を有する電子写真感光体を得る
ことができる。
又、オフセットマスター原版として、地汚れのない鮮
明な画像の印刷物を多数枚印刷することができる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機光導電材料及び結着樹脂を少なくとも
    含有する光導電層を有する電子写真感光体において、該
    結着樹脂が、下記に示される樹脂〔A〕の少なくとも1
    種と樹脂〔B〕の少なくとも1種とを含有して成る事を
    特徴とする電子写真感光体。 結着樹脂〔A〕; 下記一般式(II a)及び(II b)で示される重合体成分
    のうちの少なくとも1種及び−COOH基、−PO3H2基、−S
    O3H基、−OH基及び {R1は炭化水素基又は−OR2(R2は炭化水素基を示す)
    を表わす}基から選ばれる少なくとも1つの極性基を含
    有する重合体成分のうちの少なくとも1種を各々含有す
    る重合体主鎖の一方の末端にのみ下記一般式(I)で示
    される重合性二重結合基を結合して成る重量平均分子量
    2×104以下の一官能性マクロモノマー(MA)と、下記
    一般式(III)で示されるモノマーとから少なくとも成
    る重量平均分子量1.0×103〜2.0×104の共重合体。 一般式(I) 〔式(I)中、X0は−COO−、−OCO−、−CH2OCO−、−
    CH2COO−、−O−、−SO2−、−CO−、−CONHCOO−、−
    CONHCONH−、−CONHSO2−、 を表わす(ここでR11は水素原子又は炭化水素基を表わ
    す)。 a1、a2は、互いに同じでも異なってもよく、各々水素原
    子、ハロゲン原子、シアノ基、炭化水素基、−COO−Z1
    又は炭化水素を介した−COO−Z1(Z1は水素原子又は置
    換されてもよい炭化水素基を示す)を表わす。〕 一般式(II a) 一般式(II b) 〔式(II a)又は(II b)中、X1は式(I)中のX0と同
    一の内容を表わす。Q1は炭素数1〜18の脂肪族基又は炭
    素数6〜12の芳香族基を表わす。b1、b2は互いに同じで
    も異なってもよく、式(I)中のa1、a2と同一の内容を
    表わす。 Vは−CN、−CONH2又は を表わし、Yは水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、
    アルコキシ基又は−COOZ2(Z2はアルキル基、アラルキ
    ル基又はアリール基を示す)を表わす。〕 一般式(III) 〔式(III)中、X2は式(I)中のX0と同一の内容を表
    わし、Q2は式(II a)中のQ1と同一の内容を表わす。
    c1、c2は互いに同じでも異なってもよく、式(I)中の
    a1、a2と同一の内容を表わす。〕 結着樹脂〔B〕: −PO3H2基、−COOH基、−SO3H基、フェノール性OH基、 (R4はR1と同一の内容を表わす)及び環状酸無水物含有
    基から選択される少なくとも1つの酸性基を含有する重
    合体成分を少なくとも1種含有するAブロックと、下記
    一般式(IV)で示される重合体成分を少なくとも含有す
    るBブロックとから構成されるA・Bブロック共重合体
    のBブロックの重合体主鎖の末端に重合性二重結合基を
    結合して成る重量平均分子量1×103〜2×104の一官能
    性マクロモノマー(MB)を少なくとも1種共重合成分と
    して含有して成る重量平均分子量3×104〜1×106のグ
    ラフト型共重合体。 一般式(IV) 〔式(IV)中、d1及びd2は各々水素原子、ハロゲン原
    子、シアノ基又は炭化水素基を表わす。X4は−COO−、
    −OCO−、CH2 l3OCO−、CH2 l4COO−(l3、l4
    1〜3の整数を表わす)、−O−、−SO2−、−CO−、 −CONHCOO−、−CONHCONH−又は を表わす(ここでR23は水素原子又は炭化水素基を表わ
    す)。 R21は炭化水素基を表わす。但しX4を表わす場合、R21は水素原子又は炭化水素基を表わ
    す。〕
  2. 【請求項2】該樹脂〔A〕が、更に−PO3H2基、−SO3H
    基、−COOH基、−OH基及び (R3はR1と同一の内容を表わす)基から選択される少な
    くとも1種の極性基を該グラフト共重合体主鎖の片末端
    に結合して成ることを特徴とする請求項(1)記載の電
    子写真感光体。
  3. 【請求項3】該樹脂〔B〕において、該マクロモノマー
    (MB)とともに共重合体を構成する一官能性単量体とし
    て、下記一般式(V)で表わされる単量体を少なくとも
    1種含有する事を特徴とする請求項(1)及び(2)の
    いずれかに記載の電子写真感光体。 一般式(V) 〔式(V)中、d3、d4、X5及びR22は式(IV)におけるd
    1、d2、X4及びR21とそれぞれ同様の内容を表わす。〕
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