JP2597161B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2597161B2 JP22148688A JP22148688A JP2597161B2 JP 2597161 B2 JP2597161 B2 JP 2597161B2 JP 22148688 A JP22148688 A JP 22148688A JP 22148688 A JP22148688 A JP 22148688A JP 2597161 B2 JP2597161 B2 JP 2597161B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は電子写真感光体に関し、詳しくは静電特性及
び耐湿性に優れた電子写真感光体に関する。特にCPC感
光体として性能の優れたものに関する。
(従来の技術) 電子写真感光体は、所定の特性を得るため、あるいは
適用される電子写真プロセスの種類に応じて、種々の構
成をとる。
電子写真感光体の代表的なものとして、支持体上に光
導電層が形成されている感光体及び表面に絶縁層を備え
た感光体があり、広く用いられている。
支持体と少なくとも1つの光導電層から構成される感
光体は、最も一般的な電子写真プロセスによる、即ち帯
電、画像露光及び現像、更に必要に応じて転写による画
像形成に用いられる。
更には、ダイレクト製版用のオフセット原版として電
子写真感光体を用いる方法が広く実用されている。特に
近年、ダイレクト電子写真平版は数百枚から数千枚程度
の印刷枚数で高画質の印刷物を印刷する方式として重要
となってきている。
電子写真感光体の光導電層を形成するために使用する
結合剤は、それ自体の成膜性および光導電性粉体の結合
剤中への分散能力が優れるとともに、形成された記録体
層の基材に対する接着性が良好であり、しかも記録体層
の光導電層は帯電能力に優れ、暗減衰が小さく、光減衰
が大きく、前露光疲労が少なく、且つ、撮像時の湿度の
変化によってこれら特性を安定に保持していることが必
要である等の各種の静電特性および優れた撮像性を具備
する必要がある。
古くから公知の樹脂として、例えばシリコーン樹脂
(特公昭34−6670号)、スチレン−ブタジエン樹脂(特
公昭35−1960号)、アルキッド樹脂、マレイン酸樹脂、
ポリアミド(特公昭35−11219号)、酢酸ビニル樹脂
(特公昭41−2425号)、酢酸ビニル共重合体(特公昭41
−2426号)、アクリル樹脂(特公昭35−11216号)、ア
クリル酸エステル共重合体(例えば特公昭35−11219
号、特公昭36−8510号、特公昭41−13946号等)等が知
られている。
しかし、これらの樹脂を用いた電子写真感光材料にお
いては、1)光導電性粉体との親和性が不足し、塗工液
の分散性が不良となる、2)光導電層の帯電性が低い、
3)複写画像の画像部(特に網点再現性・解像力)の品
質が悪い、4)複写画像作成時の環境(例えば高温高
湿、低温低湿等)にその画質が影響されやすい、等のい
ずれかの問題があった。
光導電層の静電特性の改良方法として種々の方法が提
案されており、その1つの方法として、例えば、芳香族
環又はフラン環にカルボキシル基又はニトロ基を含有す
る化合物、あるいはジカルボン酸の無水物を更に組合せ
て、光導電層に共存させる方法が特公昭42−6878号及び
特公昭45−3073号に開示されている。しかし、これらの
方法によって改良された感光材料でもその静電特性は充
分でなく、特に光減衰特性の優れたものは得られていな
い。そこでこの感光材料の感度不足を改良するために、
光導電層中に増感色素を多量に加える方法が従来とられ
てきたが、このような方法によって作製された感光材料
は、白色度が著しく劣化し、記録体としての品質低下を
生じ、場合によっては感光材料の暗減衰の劣化を起こ
し、充分な複写画像が得られなくなってしまうという問
題を有していた。
一方、光導電層に用いる結着樹脂として樹脂の平均分
子量を調節して用いる方法が特開昭60−10254号に開示
されている。即ち、酸価4〜50のアクリル樹脂で平均分
子量が103〜104の分布の成分のものと、104〜2×105
分布の成分のものを併用することにより、静電特性(特
にPPC感光体としての繰り返し再現性)、耐湿性等を改
良する技術が記載されている。
更に、電子写真感光体を用いた平版印刷用原版の研究
が鋭意行なわれており、電子写真感光体としての静電特
性と印刷原版としての印刷特性を両立させた光導電層用
の結着樹脂として、例えば、特公昭50−31011号では、
フマル酸存在下で(メタ)アクリレート系モノマーと他
のモノマーと共重合させた、Mw1.8〜10×104でTg10〜80
℃の樹脂と、(メタ)アクリレート系モノマーとフマル
酸以外の他のモノマーとから成る共重合体とを作用した
もの、又特開昭53−54027号では、カルボン酸基をエス
テル結合から少なくとも原子数7個離れて有する置換基
をもつ(メタ)アクリル酸エステルを含む三元共重合体
を用いるもの、又特開昭54−20735号・特開昭57−20254
4号では、アクリル酸及びヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレートを含む4元又は5元共重合体を用いるもの、
又特開昭58−68046号では、炭素数6〜12のアルキル基
を置換基とする(メタ)アクリル酸エステル及びカルボ
ン酸含有のビニルモノマーを含む3元共重合体を用いる
もの等が光導電層の不感脂化性の向上に効果があると記
載されている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記した静電特性、耐湿特性に効果が
あるとされる樹脂であっても、現実に評価してみると特
に帯電性、暗電荷保持性、光感度の如き静電特性、光導
電層の平滑性等に問題があり、実用上満足できるもので
はなかった。
又、電子写真式平版印刷用原版として開発されたとす
る結着樹脂においても、現実に評価してみると前記の静
電特性、印刷物の地汚れ、等に問題があった。
本発明は、以上の様な従来の電子写真感光体の有する
課題を改良するものである。
本発明の目的は、静電特性(特に暗電荷保持性及び光
感度)が向上し、原画に対し忠実な複写画像を再現する
高画質の電子写真感光体を提供することである。
本発明の他の目的は、複写画像形成時の環境が低温低
湿あるいは高温高湿の如く変動した場合でも、鮮明で良
質な画像を有する電子写真感光体を提供することであ
る。
本発明の他の目的は、静電特性に優れ且つ環境依存度
の小さいCPC電子写真感光体を提供することである。
本発明の他の目的は、電子写真式平版印刷原版として
地汚れの発生を全く生じさせない印刷物を与える平版印
刷版を提供することである。
本発明の他の目的は併用し得る増感色素の種類による
影響をうけにくい電子写真感光体を提供することにあ
る。
(課題を解決するための手段) 前記の課題は、無機光導電材料及び結着樹脂を少なく
とも含有する光導電層を有する電子写真感光体におい
て、該結着樹脂が下記樹脂〔A〕の少なくとも1種及び
下記樹脂〔B〕の少なくとも1種を含有することを特徴
とする電子写真感光体により解決されることが見出され
た。
樹脂〔A〕 1×103〜2×104の重量平均分子量を有し、且つ、下
記(i)及び(ii)の繰り返し単位を共重合成分として
含有する樹脂。
(i)式(I)又は式(II)で示される少なくとも1
つの繰り返し単位30重量%以上 (式中、X1及びX2は互いに独立に、それぞれ水素原子、
炭素数1〜10の炭化水素基、塩素原子、臭素原子、−CO
Y1又は−COOY2(Y1及びY2は各々炭素数1〜10の炭化水
素基を示す)を表わす。但し、X1とX2がともに水素原子
を表わすことはない。
W1及びW2はそれぞれ−COO−とベンゼン環を結合す
る、直接結合又は連結原子数1〜4個の連結基を表わ
す。) (ii)−PO3H2基、−SO3H基、−COOH基及び {Rは炭素数1〜10の炭化水素基又はOR′基(R′は炭
素数1〜10の炭化水素基を示す)を示す}の酸性基並び
に環状酸無水物含有基のうちの少なくとも1つの置換基
を含有する少なくとも1つの繰り返し単位0.5〜15重量
% 樹脂〔B〕 下記一般式(IV a)及び(IV b)で示される重合体成
分のうちの少なくとも1種を含有する重合体主鎖の一方
の末端にのみ下記一般式(III)で示される重合性二重
結合基を結合して成る重量平均分子量2×104以下の一
官能性マクロモノマーと下記一般式(V)で示されるモ
ノマーとから少なくとも成る共重合体である樹脂。
一般式(III) 〔式(III)中、Vは−COO−、−OCO−,−CH2OCO−,
−CH2COO−,−O−,−SO2−,−CO−, 又は を表わす。(R1は水素原子又は炭化水素基を表わす)。
a1,a2は、互いに同じでも異なってもよく、水素原子、
ハロゲン原子、シアノ基、炭化水素基、−COO−Z、又
は炭化水素を介した−COO−Z(Zは水素原子又は置換
されてもよい炭化水素基を示す)を表わす。〕 一般式(IV a) 一般式(IV b) 〔式(IV a)又は(IV b)中、X0は、式(III)中のV
と同一の内容を表わす。
Q0は、炭素数1〜18の脂肪族基又は炭素数6〜12の芳
香族基を表わす。b1、b2は互いに同じでも異なってもよ
く、式(III)中のa1、a2と同一の内容を表わす。
Qは−CN、−CONH2又は を表わし、ここでYは水素原子、ハロゲン原子、アルコ
キシ基又は−COOZ′(Z′はアルキル基、アラルキル基
又はアリール基を示す)を表わす。〕 一般式(V) (式(V)中、X1は、式(IV a)中のX0と同一の内容を
表わし、Q1は、式(IV a)中のQ0と同一の内容を表わ
す。c1,c2は互いに同じでも異なってもよく、式(III)
中のa1,a2と同一の内容を表わす。) 即ち、本発明に供される結着樹脂は、特定の置換基を
もつメタクリレート共重合成分及び酸性基及び/又は環
状酸無水物含有基含有の(以下本明細書中では特にこと
わらない限り酸性基の語の中に環状酸無水物含有基も含
むものとする)共重合成分を含有する低分子量の樹脂
〔A〕と、上記マクロモノマー(M)及び一般式(II
I)で示されるモノマーを各々少なくとも1種含むクシ
型共重合体から成る樹脂〔B〕とから少なくとも構成さ
れる。
本発明では、特定の置換基をもつメタクリレート共重
合成分を含有する酸性基含有樹脂〔A〕は、樹脂中に含
有される酸性基が無機光導電体の化学量論的な欠陥に吸
着し、且つ低分子量体であることから、光導電体の表面
の被覆性を向上させることで光導電体のトラップを補償
すると共に湿度特性を飛躍的に向上させる一方、光導電
体の分散が充分に行なわれ、凝集を抑制することが判っ
た。そして樹脂〔B〕は、樹脂〔A〕を用いたことによ
る電子写真特性の高性能を全く阻害せずに、樹脂〔A〕
のみでは不充分な光導電層の機械的強度を充分ならしめ
るものである。
また、本発明では、光導電体表面の平滑性が滑らかと
なる。電子写真式平版印刷原版として光導電層表面の平
滑性の粗い感光体を用いると、光導電体である無機粒子
と結着樹脂の分散状態が適切でなく、凝集物が存在する
状態で光導電層が形成されるため、不感脂化処理液によ
る不感脂化処理をしても非画像部の親水化が均一に充分
に行なわれず、印刷時に印刷インキの付着を引き起こ
し、結果として印刷物の非画像部の地汚れを生じてしま
う。
本発明における低分子量体の樹脂〔A〕のみを結着樹
脂として用いる場合にも、光導電体と結着樹脂が充分に
吸着し、粒子表面を被覆し得るため、光導電層の平滑性
及び静電特性において良好で、しかも地汚れのない画質
が得られ得るが、その膜強度がいまだ充分ではなく、耐
久性において満足すべき結果が得られない。
本発明の樹脂を用いた場合に無機光導電体と結着樹脂
の吸着・被覆の相互作用が適切に行なわれ、且つ光導電
層の膜強度が保持されるものである。
更に、樹脂〔B〕は、該クシ型共重合体主鎖の片末端
にのみ−PO3H2基、−SO3H基、−COOH基、−OH基、−SH
基及び (R″は炭化水素基を表わす)から選ばれる少なくとも
1つの酸性基を更に結合して成る樹脂(以下樹脂
〔B′〕と称することもある)であることが好ましい。
樹脂〔B′〕を用いると、静電特性、特にD.R.R及び
1/10がより良好となり、樹脂〔A〕を用いたことによ
る優れた特性を全く妨げず、その効果は特に高温・高
湿、低温低湿等の如き環境変化においても変動が殆んど
なく好ましい。更に、膜強度よりも良好となり、耐刷性
が向上する。
樹脂〔A〕において、重量平均分子量は1×103〜2
×104、好ましくは3×103〜1×104、式(I)又は式
(II)の繰り返し単位(i)に相当する共重合成分の存
在割合は30重量%以上、好ましくは50〜97重量%、酸性
基を含有する共重合成分の存在割合は0.5〜15重量%、
好ましくは1〜10重量%である。また、樹脂〔A〕のガ
ラス転移点は好ましくは−10℃〜100℃、より好ましく
は−5℃〜80℃である。
樹脂〔A〕の分子量が1×103より小さくなると、皮
膜形成能が低下し十分な膜強度が保てない。一方分子量
が2×104より大きくなると電子写真特性(特に初期電
位、暗減衰保持率)が劣化するため好ましくない。特に
かかる高分子量体の場合に酸性基含有量が3%を越える
とかかる電子写真特性の劣化が著しく、オフセットマス
ターとして用いたときに地汚れが顕著となる。
樹脂〔A〕における酸性基含有量が0.5重量%より少
ないと、初期電位が低くて充分な画像濃度を得ることが
できない。一方該酸性基含有量が15重量%よりも多い
と、分散性が低下し、膜平滑度及び電子写真特性の高湿
特性が低下し、更にオフセットマスターとして用いると
きに地汚れが増大する。
本発明の樹脂〔A〕は、式(I)又は式(II)で示さ
れる繰り返し単位(i)及び酸性基を含有する繰り返し
単位(ii)を共重合成分として含有する。(i)及び
(ii)の各繰り返し単位は、樹脂〔A〕中にそれぞれ2
種以上含有されていてもよい。
式(I)において、好ましいX1及びX2として、それぞ
れ、水素原子、塩素原子及び臭素原子のほかに、好まし
い炭化水素基として、炭素数1〜4のアルキル基(例え
ばメチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基等)、炭
素数7〜9のアラルキル基(例えばベンジル基,フェネ
チル基,3−フェニルプロピル基,クロロベンジル基、ジ
クロロベンジル基、ブロモベンジル基,メチルベンジル
基,メトキシベンジル基,クロロ−メチル−ベンジル基
等)及びアリール基(例えばフェニル基,トリル基,キ
シリル基,ブロモフェニル基,メトキシフェニル基,ク
ロロフェニル基、ジクロロフェニル基等)、並びに−CO
Y1及び−COOY2(好ましいY1及びY2としては上記好まし
い炭化水素基として記載したものを挙げることができ
る)を挙げることができる。但し、X1とX2がともに水素
原子を表わすことはない。
式(I)において、W1は−COO−とベンゼン環を結合
する直接結合又は CH2 (nは1〜3の整数を表わす)、−CH2CH2O
CO−、 CH2O(mは1又は2の整数を表わす)、−CH2C
H2O−、 等の如き連結原子数1〜4個の連結基を表わす。
式(II)におけるW2はW1と同一の内容を表わす。
本発明の樹脂〔A〕で用いられる式(I)又は(II)
で示される繰り返し単位(i)の具体例を以下に挙げ
る。しかし、本発明の範囲はこれらに限定されるもので
はない。
また、本発明の樹脂〔A〕における「酸性基を含有す
る繰り返し単位(ii)」において、好ましい酸性基は−
PO3H2基、−SO3H基、−COOH基、 、環状酸無水物含有基を挙げることができる。
において、Rは炭化水素基又はOR′(R′は炭化水素基
を表わす)を表わし、R及びR′は好ましくは炭素数1
〜22の脂肪族基(例えば、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、
ドデシル基、オクタデシル基、2−クロロエチル基、2
−メトキシエチル基、3−エトキシプロピル基、アリル
基、クロトニル基、ブテニル基、シクロヘキシル基、ベ
ンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、メ
チルベンジル基、クロロベンジル基、フロロベンジル
基、メトキシベンジル基等)、又は置換されてもよいア
リール基(例えば、フェニル基、トリル基、エチルフェ
ニル基、プロピルフェニル基、クロロフェニル基、フロ
ロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロ−メチル−フ
ェニル基、ジクロロフェニル基、メトキシフェニル基、
シアノフェニル基、アセトアミドフェニル基、アセチル
フェニル基、ブトキシフェニル基等)等を表わす。
また、環状酸無水物含有基とは、少なくとも1つの環
状酸無水物を含有する基であり、含有される環状酸無水
物としては、脂肪族ジカルボン酸無水物、芳香族ジカル
ボン酸無水物が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸無水物の例としては、コハク酸無
水物環グルタコン環無水物環、マレイン酸無水物質、シ
クロペンタン−1,2−ジカルボン酸無水物環、シクロヘ
キサン−1,2−ジカルボン酸無水物質、シクロヘキセン
−1,2−ジカルボン酸無水物環、2,3−ビシクロ[2,2,
2]オクタンジカルボン酸無水物環等が挙げられ、これ
らの環は、例えば塩素原子、臭素原子等のハロゲン原
子、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基等のア
ルキル基等が置換されていてもよい。
又芳香族ジカルボン酸無水物の例としては、フタル酸
無水物環、ナフタレンジカルボン酸無水物環、ピリジン
ジカルボン酸無水物環、チオフェンジカルボン酸無水物
環等が挙げられ、これらの環は、例えば、塩素原子、臭
素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基等のアルキル基、ヒドロキシル基、シア
ノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基(アルコキシ
基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基等)が置
換されていてもよい。
本発明の「酸性基を含有する繰り返し単位(ii)」に
相当する共重合成分は、例えば一般式(I)又は(II)
で示される繰り返し単位に相当するメタクリレート単量
体と共重合し得る、該酸性基を含有するビニル系化合物
であればいずれでもよく、例えば、高分子学会編「高分
子データ・ハンドブック〔基礎編〕」培風館(1986年)
等に記載されている。具体的には、アクリル酸、α及び
/又はβ置換アクリル酸(例えばα−アセトキシ体、α
−アセトキシメチル体、α−(2−アミノ)メチル体、
α−クロロ体、α−ブロモ体、α−フロロ体、α−トリ
ブチルシリル体、α−シアノ体、β−クロロ体、β−ブ
ロモ体、α−クロロ−β−メトキシ体、α,β−ジクロ
ロ体等)、メタクリル酸、イタコン酸、イタコン酸半エ
ステル類、イタコン酸半アミド類、クロトン酸、2−ア
ルケニルカルボン酸類(例えば2−ペンテン酸、2−メ
チル−2−ヘキセン酸、2−オクテン酸、4−メチル−
2−ヘキセン酸、4−エチル−2−オクテン酸等)、マ
レイン酸、マレイン酸半エステル類、マレイン酸半アミ
ド類、ビニルベンゼンカルボン酸、ビニルベンゼンスル
ホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸、ジカル
ボン酸類のビニル基又はアルリ基の半エステル誘導体、
及びこれらのカルボン酸又はスルホン酸のエステル誘導
体、アミド誘導体の置換基中に該酸性基を含有する化合
物等が挙げられる。
「酸性基含有の繰返し単位(ii)」について例示す
る。
更に、本発明の樹脂〔A〕は、前記した一般式(I)
又は(II)の繰り返し単位に相当する単量体及び該酸性
基を含有する単量体とともに、これら以外の他の単量体
を共重合成分として含有してもよい。
例えば、α−オレフィン類、アルカン酸ビニル又はア
リルエステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、ビニルエーテル類、アクリル酸エステル類、メタク
リル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミ
ド類、スチレン類、複素環ビニル類(例えばビニルピロ
リドン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ビニル
チオフェン、ビニルイミダゾリン、ビニルピラゾール、
ビニルジオキサン、ビニルキノリン、ビニルチアゾー
ル、ビニルオキサジン等)等が挙げられる。
樹脂〔B〕は、前記した物性を満たし、一官能性マク
ロモノマー(M)と一般式(V)で示される単量体とを
少なくとも含有するクシ型の共重合体から成る樹脂であ
る事を特徴とする。
樹脂〔B〕は、好ましくは重量平均分子量が2×104
以上の、クシ型共重合体樹脂である。より好ましくは重
量平均分子量が5×104〜3×105である。
樹脂〔B〕のガラス転移点は好ましくは0℃〜120℃
の範囲、より好ましくは10℃〜90℃である。
一官能性マクロモノマー(M)は、一般式(III)で
示される重合性二重結合基を、一般式(IV a)又は(IV
b)で示される重合体成分を少なくとも1種含有する重
合体主鎖の一方の末端にのみ結合して成る、重量平均分
子量2×104以下のものである。
一般式(III)、(IV a)及び(IV b)において、a1,
a2、V、b1,b2、X0、Q0及びQに含まれる炭化水素基は
各々示された炭素数(未置換の炭化水素基としての)を
有するが、これら炭化水素基は置換基を有していてもよ
い。
マクロモノマー(M)を示す一般式(III)におい
て、Vは−COO−,−OCO−,−CH2OCO−,−CH2COO−,
−O−,−SO2−,−CO−, を表わす。ここでR1は、水素原子のほか、好ましい炭化
水素基としては、炭素数1〜18の置換されてもよいアル
キル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、ヘプチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル
基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、2
−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−シアノエ
チル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−メトキ
シエチル基、3−ブロモプロピル基等)、炭素数4〜18
の置換されてもよいアルケニル基(例えば、2−メチル
−1−プロペニル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル
基、3−メチル−2−ペンテニル基、1−ペンテニル
基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、4−メチル
−2−ヘキセニル基等)、炭素数7〜12の置換されてい
てもよいアラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチ
ル基、3−フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、2
−ナフチルエチル基、クロロベンジル基、ブロモベンジ
ル基、メチルベンジル基、エチルベンジル基、メトキシ
ベンジル基、ジメチルベンジル基、ジメトキシベンジル
基等)、炭素数5〜8の置換されてもよい脂環式基(例
えば、シクロヘキシル基、2−シクロヘキシルエチル
基、2−シクロペンチルエチル基等)又は、炭素数6〜
12の置換されてもよい芳香族基(例えば、フェニル基、
ナフチル基、トリル基、キシリル基、プロピルフェニル
基、ブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ドデシル
フェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル
基、ブトキシフェニル基、デシルオキシフェニル基、ク
ロロフェニル基、ジクロロフェニル基、ブロモフェニル
基、シアノフェニル基、アセチルフェニル基、メトキシ
カルボニルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル
基、ブトキシカルボニルフェニル基、アセトアミドフェ
ニル基、プロピオアミドフェニル基、ドデシロイルアミ
ドフェニル基等)があげられる。
Vが を表わす場合、ベンゼン環は、置換基を有してもよい。
置換基としては、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素
原子等)、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、クロロメチル基、メトキシメチル
基等)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ
基、プロピオキシ基、ブトキシ基等)等が挙げられる。
a1及びa2は、互いに同じでも異なっていてもよく、好
ましくは水素原子、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、
臭素原子等)、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基
(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
等)、−COO−Z又は炭化水素を介したCOOZ(Zは、水
素原子又は炭素数1〜18のアルキル基、アルケニル基、
アラルキル基、脂環式基又はアリール基を表わし、これ
らは置換されていてもよく、具体的には、上記R1につい
て説明したものと同様の内容を表わす)を表わす。
上記炭化水素を介した−COO−Z基における炭化水素
としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が
挙げられる。
更に好ましくは、一般式(I)において、Vは、−CO
O−,−OCO−,−CH2OCO−,−CH2COO−,−O−,−CO
NH−,−SO2NH−又は を表わす。a1,a2は互いに同じでも異なってもよく、水
素原子、メチル基、−COOZ又は−CH2COOZ(Zは、水素
原子又は炭素数1〜6のアルキル基(例えばメチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等)を表
わす。更により好ましくはa1,a2においていずれか一方
が必ず水素原子を表わす。
即ち、一般式(III)で表わされる重合性二重結合基
として、具体的には、 等が挙げられる。
一般式(IV a)において、X0は式(III)中のVと同
一の内容を表わす。
b1,b2は互いに同じでも異なってもよく、式(III)中
のa1,a2と同一の内容を表わす。
Q0は、炭素数1〜18の脂肪族基又は炭素数6〜12の芳
香族基を表わす。
具体的には、炭素数1〜18の置換されてもよいアルキ
ル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ヘプチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、
ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデ
シル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2
−ヒドロキシルエチル基、2−メトキシエチル基、2−
エトキシエチル基、2−シアノエチル基、3−クロロプ
ロピル基、2−(トリメトキシシリル)エチル基、2−
テトラヒドロフリル基、2−チエニルエチル基、2−N,
N−ジメチルアミノエチル基、2−N,N−ジエチルアミノ
エチル基等)、炭素数5〜8のシクロアルキル基(例え
ばシクロヘプチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチ
ル基等)、炭素数7〜12の置換されてもよいアラルキル
基(例えばベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプ
ロピル基、ナフチルメチル基、2−ナフチルエチル基、
クロロベンジル基、ブロモベンジル基、ジクロロベンジ
ル基、メチルベンジル基、クロロ−メチル−ベンジル
基、ジメチルベンジル基、トリメチルベンジル基、メト
キシベンジル基等)等の脂肪族基が挙げられる。
更に炭素数6〜12の置換されてもよいアリール基(例
えばフェニル基、トリル基、キシリル基、クロロフェニ
ル基、ブロモフェニル基、ジクロロフェニル基、クロロ
−メチル−フェニル基、メトキシフェニル基、メトキシ
カルボニルフェニル基、ナフチル基、クロロナフチル基
等)等の芳香族基が挙げられる。
式(IV a)において好ましくは、X0は−COO−,−OCO
−,−CH2COO−,−CH2OCO−,−O−,−CO−,−CONH
−,−SO2NH−又は を表わす。
b1,b2の好ましい例は、前記したa1,a2と同様の内容を
表わす。
式(IV b)において、Qは−CN,−CONH2又は を表わし、Yは水素原子、ハロゲン原子(例えば塩素原
子、臭素原子等)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、
エトキシ基等)又は−COOZ′(Z′は好ましくは炭素数
1〜8のアルキル基、炭素数7〜12のアラルキル基、又
はアリール基を表わす)を表わす。
マクロモノマー(M)は、式(IV a)又は(IV b)で
示される重合体成分を2種以上含有していてもよい。又
式(IV a)においてQ0が脂肪族基の場合、炭素数6〜12
の脂肪族基は、マクロモノマー(M)中の全重合体成分
中の20重量%を越えない範囲で用いることが好ましい。
更には、一般式(IV a)におけるX0が−COO−である
場合には、マクロモノマー(M)中の全重合体成分中、
式(IV a)で示される重合体成分が少なくとも30重量%
以上含有されることが好ましい。
又、マクロモノマー(M)において、式(IV a)及び
/又は(IV b)で示される重合体成分とともに共重合さ
れうる繰り返し単位に相当する単量体として、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド類、メ
タクリルアミド類、スチレン及びその誘導体(例えばビ
ニルトルエン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブ
ロモスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、N,N−ジメ
チルアミノメチルスチレン等)、複素環ビニル類(例え
ばビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ビニルピロリ
ドン、ビニルチオフェン、ビニルピラゾール、ビニルジ
オキサン、ビニルオキサジン等)等が挙げられる。
本発明において供されるマクロモノマーは、上述の如
き、一般式(IV a)及び/又は(IV b)で示される繰返
し単位から成る重合体主鎖の一方の末端にのみ、一般式
(III)で示される重合性二重結合基が、直接結合する
か、あるいは、任意の連結基で結合された化学構造を有
するものである。式(III)成分と式(IV a)又は(IV
b)成分を連結する基としては、炭素−炭素結合(一重
結合あるいは二重結合)、炭素−ヘテロ原子結合(ヘテ
ロ原子としては例えば、酸素原子、イオウ原子、窒素原
子、ケイ素原子等)、ヘテロ原子−ヘテロ原子結合の原
子団の任意の組合せで構成されるものである。
本発明のマクロモノマー(M)のうち好ましいものは
式(VI a)又は(VI b)で示される如きものである。
式(VI a) 式(VI b) 式(VI a)又は(VI b)中、a1,a2,b1,b2,V,X0,Q0,Q
は各々、式(III)、式(IV a)及び式(IV b)におい
て説明したものと同一の内容を表わす。
Wは、単なる結合または、 〔R2,R3は、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素
原子、塩素原子、臭素原子等)、シアノ基、ヒドロキシ
ル基、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピ
ル基等)等を示す〕、 CH=CH, −O−,−S−, −COO−,−SO2−, −NHCOO−,−NHCONH−, [R4は、水素原子、前記式(IV a)におけるQ0と同様の
内容を表わす炭化水素基を示す]等の原子団から選ばれ
た単独の連結基もしくは任意の組合せで構成された連結
基を表わす。
マクロモノマー(M)の重量平均分子量が2×104
超えると、式(V)で示されるモノマーとの共重合性が
低下する。他方、分子量が小さすぎると感光層の電子写
真特性の向上効果が小さくなるので、1×103以上であ
ることが好ましい。
本発明のマクロモノマー(M)は、従来公知の合成方
法によって製造することができる。例えば、アニオン重
合あるいはカチオン重合によって得られるリビングポリ
マーの末端に種々の試薬を反応させてマクロマーとする
イオン重合法による方法、分子中に、カルボキシル基、
ヒドロキシ基、アミノ基等の反応性基を含有した重合開
始剤及び/又は連鎖移動剤を用いて、ラジカル重合して
得られる末端反応性基結合のオリゴマーと種々の試薬を
反応させてマクロマーにするラジカル重合法による方
法、重付加あるいは重縮合反応により得られたオリゴマ
ーに上記ラジカル重合方法と同様にして、重合性二重結
合基を導入する重付加縮合法による方法等が挙げられ
る。
具体的には、P.Dreyfuss & R.P.Quirk,Encycl,Poly
m.Sci.Eng.,,551(1987),P.F.Rempp E.Franta,Adu.,
Polym.Sci.58,1(1984),V.Percec,Appl.,Polym.Sci.,2
85,95(1984),R. Asami,M.TakaRi,Makvamol.Chem.Suppl.12,163(1985),
P.Rempp.etal,Makvamol,Chem.Sippl,,3(1984),川
上雄資、化学工業、38,56(1984)、山下雄也、高分
子、31,988(1982),小林四郎、高分子、30,625(198
1)、東村敏延、日本接着協会誌18,536(1982)、伊藤
浩一、高分子加工、35,262(1986)、東貴四郎、津田
隆、機能材料、1987 No.10,5等の総説及びそれに引例の
文献・特許等に記載の方法に従って合成することができ
る。
本発明のマクロモノマー(M)は、よく具体的には、
下記の化合物を例として挙げることができる。但し、本
発明の範囲は、これらに限定されるものではない。
前記したマクロモノマー(M)と共重合する単量体
は、一般式(V)で示される。式(V)において、c1,c
2は、互いに同じでも異なってもよく、式(III)のa1,a
2と同一の内容を表わす。X1は式(IV a)のX0と、Q1
式(IV a)のQ0と各々同一の内容を表わす。
更に、本発明の樹脂〔B〕は、前記したマクロモノマ
ー(M)及び一般式(V)の単量体とともに、これら以
外の他の単量体を共重合成分として含有してもよい。
例えば、樹脂〔A〕で前記した「酸性基を含有するビ
ニル系化合物」、α−オレフィン類、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリル
アミド、スチレン、ビニル基含有ナフタレン化合物(例
えばビニルナフタレン、1−イソペロペニルナフタリン
等)ビニル基含有複素環化合物(例えばビニルピリジ
ン、ビニルピロリドン、ビニルチオフェン、ビニルテト
ラヒドロフラン、ビニル−1,3−ジオキソラン、ビニル
イミダゾール、ビニルチアゾール、ビニルオキサゾリン
等)等の化合物が挙げられる。
樹脂〔B〕において、マクロマー(M)を繰り返し単
位とする共重合成分と、一般式(V)で示される単量体
を繰り返し単位とする共重合成分の組成比は、1〜90/9
9〜10(重量組成比)であり、好ましくは5〜60/95〜40
重量組成比である。
他の共重合成分として、「酸性基を含有するビニル系
化合物」を繰り返し単位として含有する場合、該酸性基
含有共重合成分は共重合体中の10重量%を越えない事が
好ましい。
該酸性基含有成分が10重量%を越えると、無機光導電
体粒子との相互作用が著しくなり、感光体表面の平滑性
が阻害され、結果として、電子写真特性(特に、帯電
性、暗中電荷保持性)が悪化してしまう。
更に、本発明の好ましい態様として用いることのでき
る樹脂〔B′〕は、一般式(V)で示される繰り返し単
位を少なくとも1種及びマクロモノマー(M)で示され
る繰り返し単位を少なくとも1種含有する重合体主鎖の
片末端にのみ、−PO3H2基、−SO3H基、−COOH基、−OH
基、SH基及びPO3R″H基から選ばれる少なくとも一つの
酸性基を結合して成る重合体である。
ここで、−PO3R″H基におけるR″は炭化水素基を表
わし、具体的には前記のRにて記載した炭化水素基を具
体例として挙げることができる。
又、上記酸性基を重合体主鎖の片末端に結合する場合
には、重合体主鎖中にカルボキシル基、スルホ基、ヒド
ロキシル基、ホスホノ基の極性基を含有する共重合成分
を含有しないことが好ましい。樹脂〔B′〕において、
上記酸性基は重合体主鎖の一方の末端に直接接合する
か、あるいは任意の連結基を介して結合した化学構造を
有する。
結合基としては炭素−炭素結合(一重結合あるいは二
重結合)、炭素−ヘテロ原子結合(ヘテロ原子としては
例えば、酸素原子、イオウ原子、窒素原子、ケイ素原子
等)、ヘテロ原子−ヘテロ原子結合の原子団の任意の組
合せで構成されるものである。例えば、 (R5、R6は前記のR2、R3と同一の内容を表わす)、 CH=CH, −O−、−S−、 −COO−、−SO2−、 −NHCOO−、−NHCONH−、 (R7は、前記のR4と同一の内容を表わす)等の原子団か
ら選ばれた単独の連結基又は任意の組合せで構成された
連結基等が挙げられる。
樹脂〔B′〕において重合体主鎖の片末端にのみに結
合する該酸性基の含有量は、樹脂〔B′〕100重量部当
り好ましくは0.1〜15重量%、より好ましくは0.5〜10重
量%である。0.1重量%未満では膜強度の向上効果が小
さくなり、15重量%以上では光導電体分散物の調整時に
光導電体が均一に分散されず、凝集が生じ、均一な塗膜
が形成されなくなる。
重合体主鎖の片末端にのみ特定の酸性基を結合して成
る本発明の樹脂〔B′〕は、従来公知のアニオン重合あ
るいはカチオン重合によって得られるリビングポリマー
の末端の種々の試薬を反応させる方法(イオン重合法に
よる方法)、分子中に特定の酸性基を含有した重合開始
剤及び/又は連鎖移動剤を用いてラジカル重合させる方
法(ラジカル重合法による方法)、あるいは以上の如き
イオン重合法もしくはラジカル重合法によって得られた
末端に反応性基含有の重合体を高分子反応によって本発
明の特定の酸性基に変換する方法等の合成法によって容
易に製造することができる。
具体的には、P.Dreyfuss,R.P.Quirk,Encycl.Polym.Sc
i.Eng,、551(1987)、中條善樹、山下雄也「染料と
薬品」、30、232(1985)、上田明、泳井進「科学と工
業」60、57(1986)等の総説及びそれに引用の文献等に
記載の方法によって製造することができる。
本発明に用いる樹脂〔A〕と樹脂〔B〕(〔B′〕も
含む)の使用量の割合は、使用する無機光導電材料の種
類、粒径、表面状態によって異なるが一般に樹脂〔A〕
と樹脂〔B〕の用いる割合は5〜80対95〜20(重量比)
であり、好ましくは10〜60対90〜40(重量比)である。
本発明に使用する無機光導電材料としては、酸化亜
鉛、酸化チタン、硫化亜鉛、硫化カドミウム、炭酸カド
ミウム、セレン化亜鉛、セレン化カドミウム、セレン化
テルル、硫化鉛、等が挙げられる。
無機光導電材料に対して用いる結着樹脂の総量は、光
導電体100重量部に対して、結着樹脂を10〜100重量部な
る割合、好ましくは15〜50重量部なる割合で使用する。
本発明では、必要に応じて各種の色素を分光増感剤と
して併用することができる。例えば、宮本晴視、武井秀
彦、イメージング1973(No.8)第12頁、C.J.Young等,RC
A Review15,469(1954),清田航平等、電気通信学会論
文誌J 63−C(No.2),97(1980)、原崎勇次等、工
業化学雑誌66 78 及び188(1963)、谷忠昭,日本写
真学会誌35,208(1972)等の総説引例のカーボニウム系
色素、ジフェニルメタン色素、トリフェニルメタン色
素、キサンテン系色素、フタレイン系色素、ポリメチン
色素(例えば、オキソノール色素、メロシアニン色素、
シアニン色素、ロダシアニン色素、スチリル色素等)、
フタロシアニン色素(金属含有してもよい)等が挙げら
れる。
更に具体的には、カーボニウム系色素、トリフェニル
メタン色素、キサンテン系色素、フタレイン系色素を中
心に用いたものとしては、特公昭51−452号、特開昭50
−90334号、特開昭50−114227号、特開昭53−39130号、
特開昭53−82353号、米国特許第3,052,540号、米国特許
第4,054,450号、特開昭57−16456号等に記載のものが挙
げられる。
オキソノール色素、メロシアニン色素、シアニン色
素、ロダシアニン色素等のポリメチン色素としては、F.
M.Hamar 「The Cyanine Dyes and Related Compounds」
等に記載の色素類が使用可能であり、更に具体的には、
米国特許第3,047,384号、米国特許第3,110,591号、米国
特許第3,121,008号、米国特許第3,125,447号、米国特許
第3,128,179号、米国特許第3,132,942号、米国特許第3,
622,317号、英国特許第1,226,892号、英国特許第1,309,
274号、英国特許第1,405,898号、特公昭48−7814号、特
公昭55−18892号等に記載の色素が挙げられる。
更に、700nm以上の長波長の近赤外〜赤外光域を分光
増感するポリメチン色素として、特開昭47−840号、特
開昭47−44180号、特公昭51−41061号、特開昭49−5034
号、特開昭49−45122号、特開昭57−46245号、特開昭56
−35141号、特開昭57−157254号、特開昭61−26044号、
特開昭61−27551号、米国特許第3,619,154号、米国特許
第4,175,956号、「Research Disclosure」1982年、21
6、第117〜118頁等に記載のものが挙げられる。本発明
の感光体は種々の増感色素を併用させても、その性能が
増感色素により変動しにくい点において優れている。更
には、必要に応じて、化学増感剤等の従来知られている
電子写真感光層用各種添加剤の併用することもできる。
例えば、前記した総説:イメージング1973(No.8)第12
頁等の総説引例の電子受容性化合物(例えば、ハロゲ
ン、ベンゾキノン、クロラニル、酸無水物、有機カルボ
ン酸等)、小門宏等、「最近の光導電材料と感光体の開
発・実用化」第4章〜第6章:日本科学情報(株)出版
部(1986年)の総説引例のポリアリールアルカン化合
物、ヒンダートフェノール化合物、p−フェニレンジア
ミン化合物等が挙げられる。
これら各種添加剤の添加量は、特に限定的ではない
が、通常光導電体100重量部に対して0.0001〜2.0重量部
である。
光導電層の厚さは1〜100μm、特には10〜50μmが
好適である。
また、電荷発生層と電荷輸送層の積層型感光体の電荷
発生層として光導電層を使用する場合は電荷発生層の厚
さは0.01〜1μm、特には0.05〜0.5μmが好適であ
る。
感光体の保護および耐久性、暗減衰特性の改善等を主
目的として絶縁層を付設させる場合もある。この時は絶
縁層は比較的薄く設定され、感光体を特定の電子写真プ
ロセスに用いる場合に設けられる絶縁層は比較的厚く設
定される。
後者の場合、絶縁層の厚さは、5〜70μm、特には、
10〜50μmに設定される。
積層型感光体の電荷輸送材料としてはポリビニルカル
バゾール、オキサゾール系色素、ピラゾリン系色素、ト
リフェニルメタン系色素などがある。電荷輸送層の厚さ
としては5〜40μm、特には1〜30μmが好適である。
絶縁層あるいは電荷輸送層の形成に用いる樹脂として
は、代表的なものは、ポリスチレン樹脂、ポリエステル
樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、塩化ビニル
樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩ビ−酸ビ共重合体樹脂、ポリ
アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、エ
ポキシ樹脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂の熱可塑性樹
脂及び硬化性樹脂が適宜用いられる。
本発明による光導電層は、従来公知の支持体上に設け
ることができる。一般に云って電子写真感光層の支持体
は、導電性であることが好ましく、導電性支持体として
は、従来と全く同様、例えば、金属、紙、プラスチック
シート等の基体に低抵抗性物質を含浸させるなどして導
電処理したもの、基体の裏面(感光層を設ける面と反対
面)に導電性を付与し、更にはカール防止を図る等の目
的で少なくとも1層以上をコートしたもの、前記支持体
の表面に耐水性接着層を設けたもの、前記支持体の表面
層に必要に応じて少なくとも1層以上のプレコート層が
設けられたもの、Al等を蒸着した基体導電化プラスチッ
クを紙にラミネートしたもの等が使用できる。
具体的に、導電体基体あるいは導電化材料の例とし
て、坂本幸男,電子写真,14,(No.1),p2〜11(197
5)、森賀弘之,「入門特殊紙の化学」高分子刊行会(1
975),M.F.Hoover,J.Macromol.Sci.Chem.A−4(6),
第1327〜1417頁(1970)等に記載されているもの等を用
いる。
(実施例) 以下に本発明の実施例を例示するが、本発明の内容が
これらに限定されるものではない。
マクロモノマーの製造例1:M−1 メチルメタクリレート95g、チオグリコール酸5g及び
トルエン200gの混合溶液を、窒素気流下攪拌しながら、
温度75℃に加温した。2,2′−アゾビス(シアノ吉草
酸)(略称A.C.V.)1.0gを加え、8時間反応した。次に
この反応溶液にグリシジルメタクリレート8g、N,N−ジ
メチルドデシルアミン1.0g及びt−ブチルハイドロキノ
ン0.5gを加え、温度100℃にて、12時間攪拌した。冷却
後この反応溶液をメタノール2中に再沈し、白色粉末
を82g得た。重合体(M−1)の数平均分子量は6,500で
あった。
マクロモノマーの製造例2:M−2 メチルメタクリレート95g、チオグリコール酸5g及び
トルエン200gの混合溶液を窒素気流下攪拌しながら、温
度70℃に加温した。2,2′−アゾビス(イソブチルニト
リル)(略称A.I.B.N.)1.5gを加え、8時間反応した。
次にこの反応溶液に、グリシジルメタクリレート7.5g、
N,N−ジメチルドデシルアミン1.0g及びt−ブチルハイ
ドロキノン0.8gを加え、温度100℃にて、12時間攪拌し
た。冷却後、この反応溶液をメタノール2中に再沈
し、無色透明の粘稠物85gを得た。重合体(M−2)の
数平均分子量は2,400であった。
マクロモノマーの製造例3:M−3 プロピルメタクリレート94g、2−メルカプトエタノ
ール6g、トルエン200gの混合溶液を窒素気流下温度70℃
に加温した。A.I.B.N.1.2gを加え、8時間反応した。
次にこの反応溶液を水浴中で冷却して温度20℃とし、
トリエチルアミン10.2gを加え、メタクリル酸クロライ
ド14.5gを温度25℃以下で攪拌下して滴下した。滴下後
そのまま1時間更に攪拌した。その後、t−ブチルハイ
ドロキノン0.5gを加え温度60℃に加温し、4時間攪拌し
た。冷却後、メタノール2中に再沈し、無色透明な粘
稠物79gを得た。重合体(M−3)の数平均分子量は4,5
00であった。
マクロモノマーの製造例4:M−4 エチルメタクリレート95g及びトルエン200gの混合溶
液を窒素気流下に温度70℃に加温した。2,2′−アゾビ
ス(シアノヘプタノール)5gを加え、8時間反応した。
冷却後、この反応液を水浴中で温度20℃とし、トリエ
チルアミン1.0g及びメタクリル酸無水物21gを加え1時
間攪拌した後、温度60℃で6時間攪拌した。
得られた反応物を冷却した後メタノール2中に再沈
し、無色透明な粘稠物75gを得た。重合体(M−4)の
数平均分子量は6,200であった。
マクロモノマーの製造例5:M−5 ベンジルメタクリレート93g、3−メルカプトプロピ
オン酸7g、トルエン170g及びイソプロパノール30gの混
合物を窒素気流下に温度70℃に加温し、均一溶液とし
た。A.I.B.N.2.0gを加え、8時間反応した。冷却後、メ
タノール2中に再沈し、減圧下に温度50℃に加熱し
て、溶媒を留去した。得られた粘稠物をトルエン200gに
溶解し、この混合溶液にグリシジルメタクリレート16
g、N,N−ジメチルドデシルメタクリレート1.0g及びt−
ブチルハイドロキノン1.0gを加え温度110℃で10時間攪
拌した。この反応溶液を再びメタノール2中に再沈し
た。得られた淡黄色の粘稠物(M−5)の数平均分子量
は3,400であった。
マクロモノマーの製造例6:M−6 プロピルメタクリレート95g、チオグリコール酸5g及
びトルエン200gの混合溶液を窒素気流下攪拌しながら温
度70℃に加温した。A.I.B.N.1.0gを加え8時間反応し
た。次に反応溶液にグリシジルメタクリレート13g、N,N
−ジメチルドデシルアミン1.0g及びt−ブチルハイドロ
キノン1.0gを加え、温度110℃にて10時間攪拌した。冷
却後、この反応溶液をメタノール2中に再沈し、白色
粉末を86g得た。重合体(M−6)の数平均分子量は3,5
00であった。
マクロモノマーの製造例7:M−7 メチルメタクリレート40g、エチルメタクリレート54
g、2−メルカプトエチルアミン6g、トルエン150g及び
テトラヒドロフラン50gの混合物を窒素気流下攪拌しな
がら温度75℃に加温した。A.I.B.N.2.0gを加え8時間反
応した。次にこの反応溶液を水浴中温度20℃とし、これ
にメタクリル酸無水物23gを温度が25℃を越えない様に
して滴下し、その後そのまま更に1時間攪拌した。2,
2′−メチレンビス(6−t−ブチル−p−クレゾー
ル)0.5gを加え、温度40℃で3時間攪拌した。冷却後、
この溶液をメタノール2中に再沈し、粘稠物83gを得
た。重合体(M−7)の数平均分子量は2,200であっ
た。
マクロモノマーの製造例8:M−8 メチルメタクリレート95g、トルエン150g及びエタノ
ール150gの混合溶液を窒素気流下に温度75℃に加温し
た。A.C.V.5gを加え、8時間反応した。次に、グリシジ
ルアクリレート15g、N,N−ジメチルドデシルアミン1.0g
及び2,2′−メチレンビス−(6−t−ブチル−p−ク
レゾール)1.0gを加え温度100℃で15時間攪拌した。冷
却後、この反応液のメタノール2中に再沈し、透明の
粘稠物83gを得た。重合体(M−8)の数平均分子量は
3,600であった。
マクロモノマーの製造例9〜18:M−9〜M−18 マクロモノマーの製造例3において、メタクリル酸ク
ロライドの代わりに、表−1の酸ハライド化合物を用い
た他は、製造例3と同様に操作して、それぞれマクロモ
ノマーM−9〜M−18を製造した。
尚、M−9〜M−18のマクロモノマーの▲▼は4,
000〜5,000であった。
マクロモノマーの製造例19〜27:M−19〜M−27 マクロモノマーの製造例2において、メチルメタクリ
レートを代わりに、表−2の単量体をを用いた他は、製
造例2と同様に操作してマクロモノマー(M−19)〜
(M−27)を製造した。
樹脂〔A〕の製造例1:樹脂〔A〕−1 2,6−ジクロロフェニルメタクリレート95g、アクリル
酸5g及びトルエン200gの混合溶液を窒素気流下90℃の温
度に加温した後、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレ
ロニトリル)6gを加え、10時間反応させた。得られた共
重合体〔A〕−1の重量平均分子量(以下wと略称)
は7800であった。
樹脂〔A〕の製造例2〜17:樹脂〔A〕−2〜17 樹脂〔A〕の製造例1と同様の重合条件で下記表−3
の樹脂〔A〕を製造した。各樹脂のwは6000〜8000で
あった。
樹脂〔A〕の製造例25:樹脂〔A〕−25 2−クロロ−6−メチルフェニルメタクリレート95
g、メタクリル酸5g、n−ドデシルメルカプタン3g及び
トルエン200gの混合溶液を窒素気流下70℃に加温した。
後、2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)1.5gを加
え4時間反応させた。更に、2,2′−アゾビス(イソブ
チロニトリル)0.5gを加え4時間反応させた。得られた
共重合体〔A〕−25のwは8,500であった。
樹脂〔A〕の製造例26〜30:樹脂〔A〕−26〜30 樹脂〔A〕の製造例25と同様の重合条件で、下記表−
4の樹脂〔A〕を製造した。各樹脂のwは7000〜9000
であった。
樹脂〔B〕の製造例1:樹脂〔B〕−1 エチルメタクリレート70g、マクロモノマー(M−
1)30g及びトルエン150gの混合溶液を窒素気流下温度7
0℃に加温した。次に、A.I.B.N.0.5gを加え、4時間反
応し、更に、A.I.B.N.0.3gを加えて6時間反応させた。
得られた共重合体〔B〕−1の重量平均分子量は9.8×1
04でガラス転移点は72℃であった。
樹脂〔B〕の製造例2〜15:樹脂〔B〕−2〜15 樹脂〔B〕の製造例1と同様の重合条件で、下記表−
5の樹脂〔B〕を製造した。各樹脂のwは8×104
1.5×105の範囲であった。
樹脂〔B〕の製造例16:樹脂〔B〕−16 エチルメタクリレート70g、マクロモノマー(M−
2)30g及びトルエン150g及びイソプロパノール50gの混
合溶液を窒素気流下温度70℃に加温した。次に、4,4′
−アゾビフ(4−シアノ吉草酸0.8gを加え、10時間反応
させた。得られた共重合体の重量平均分子量(w)9.
8×104でガラス転移点は72℃であった。
〔B〕−16の組成式 樹脂〔B〕の製造例17〜24:樹脂〔B〕−17〜24 樹脂〔B〕の製造例16において、マクロモノマーM−
2の代わりに、下表−6のマクロモノマーを用いた他
は、該製造例16と同様に操作して、各樹脂〔B〕を製造
した。各樹脂のwは9×104〜1.2×105であった。
樹脂〔B〕の製造例25〜31:樹脂〔B〕−25〜31 樹脂〔B〕の製造例16において、A.C.V.の代わりに、
下表−7のアゾビス系化合物を用いた他は、該製造例16
と同様に操作して、重合体を各々製造した。
樹脂〔B〕の製造例32:〔B〕−32 ブチルメタクリレート80g、マクロモノマー(M−
8)20g、チオグリコール酸1.0g、トルエン100g及びイ
ソプロパノール50gの混合溶液を窒素気流下に温度80℃
に加温した。1,1′アゾビス(シクロヘキサン−1−カ
ルボニトリル)(略称A.C.H.N.)0.5gを加え4時間攪拌
し、更にA.C.H.N.0.3gを加え4時間攪拌した。得られた
重合体のwは、8.0×104で、ガラス転移点は41℃であ
った。
樹脂〔B〕−32の組成 樹脂〔B〕の製造例33〜39:〔B〕−33〜〔B〕−39 樹脂〔B〕の製造例32において、チオグリコール酸の
代わりに下記表−8の化合物を用いた他は製造例32と同
様に操作して重合体を製造した。
樹脂〔B〕の製造例40〜48:〔B〕−40〜48 樹脂〔B〕の製造例26と同様の重合条件で下記表−9
の共重合体を製造した。各樹脂のwは9.5×104〜1.2
×105の範囲であった。
樹脂〔B〕の製造例49〜56:〔B〕−49〜56 樹脂〔B〕の製造例16におけると同様の重合条件で、
下記表−10の各樹脂を製造した。得られた各樹脂〔B〕
のwは9.5×104〜1.1×105であった。
実施例1〜2及び比較例A〜D 実施例1 樹脂〔A〕の製造例1で製造した樹脂〔A〕−1を6g
(固形分量として)、樹脂〔B〕の製造例1で製造した
樹脂〔B〕−1を34g(固形分量として)、酸化亜鉛200
g、下記構造のシアニン色素〔A〕0.018g、無水フタル
酸0.05g及びトルエン300gの混合物をボールミル中で2
時間分散して、感光層形成物を調製し、これを導電処理
した紙に、乾燥付着量が22g/m2となる様に、ワイヤーバ
ーで塗布し、110℃で30秒間乾燥し、ついで暗所で20℃6
5%RHの条件下で24時間放置することにより、電子写真
感光材料を作製した。
シアニン色素〔A〕 実施例2 実施例1において、樹脂〔B〕−1、34gの代わりに
樹脂〔B〕−16、34gを用いた他は、実施例1と同様に
操作して、電子写真感光材料を作製した。
比較例A 実施例1において結着樹脂として用いた樹脂〔A〕−
1及び〔B〕−1の代わりに、樹脂〔A〕−1のみを40
g(固形分量として)用いる以外は実施例1と同様の操
作で電子写真感光材料Aを製造した。
比較例B 結着樹脂として、下記樹脂〔R〕−1のみを40g用い
る以外は実施例1と同様の操作で電子写真感光材料Bを
製造した。
樹脂〔R〕−1 比較例C 結着樹脂として樹脂〔R〕−1、6g及び樹脂〔B〕−
1 34g(固形分量として)用いる以外は実施例1と同
様の操作で電子写真感光材料Cを作製した。
比較例D 結着樹脂として下記構造の樹脂〔R〕−2のみを40g
用いる以外は実施例1と同様の操作で電子写真感光材料
Dを製造した。
樹脂〔R〕−2 これらの感光材料の皮膜性(表面の平滑度)、膜強
度、静電特性、撮像性及び環境条件を30℃,80%RHとし
た時の静電特性撮像体を調べた。更に、これらの感光材
料をオフセットマスター用原版として用いた時の光導電
性の不感脂化性(不感脂化処理後の光導電層の水との接
触角で表わす)及び印刷性(地汚れ、耐刷性等)を調べ
た。
以上の結果をまとめて、表−11に示す。
表−11に示した評価項目の実施の態様は以下の通りで
ある。
注1)光導電層の平滑性: 得られた感光材料は、ベック平滑度試験機(熊谷理工
(株)製)を用い、空気容量1ccの条件にて、その平滑
度(sec/cc)を測定した。
注2)光導電層の機械的強度: 得られた感光材料表面をヘイドン−14型表面性試験材
(新東化学(株)製)を用いて荷重50g/cm2のものでエ
メリー紙(#1000)で1000回繰り返し擦り摩耗粉を取り
除き感光層の重量減少から残膜率(%)を求め機械的強
度とした。
注3)静電特性: 温度20℃、65%RHの暗室中で、各感光材料にペーパー
アナライザー(川口電機(株)製ペーパーアナライザー
SP−428型)を用いて−6kVで20秒間コロナ放電をさせた
後、10秒間放置し、この時の表面電位V10を測定した。
次いでそのまま暗中で90秒間静置した後の電位V100を測
定し、90秒間暗減衰させた後の電位の保持性、即ち、暗
減衰保持率〔DRR(%)を(V90/V10)×100(%)で求
めた。
又コロナ放電により光導電層表面を−400Vに帯電させ
た後、波長780nmの単色光で照射し、表面電位(V10)が
1/10に減衰するまでの時間を求め、これから露光量E
1/10(erg/cm2)を算出する。
注4)撮像性: 各感光材料を以下の環境条件で1昼夜放置した。次に
−5kVで帯電し、光源として2.8mW出力のガリウム−アル
ミニウム−ヒ素半導体レーザー(発振波長750nm)を用
いて、感光材料表面上で、64erg/cm2の照射量下、ピッ
チ25μm及びスキャニング速度300m/secのスピード露光
後、液体現像剤として、ELP−T(富士写真フィルム
(株)製)を用いて現像し、定着することで得られた複
写画像(カブリ、画像の画質)を目視評価した。
撮像時の環境条件は20℃65%RH(条件I)と30℃80%
RH(条件II)で実施した。
注5)水との接触角: 各感光材料を不感脂化処理液ELP−EX(富士写真フィ
ルム(株)製)を用いて、エッチングプロセッサーに1
回通して光導電層面を不感脂化処理した後、これに蒸留
水2μの水滴を乗せ、形成された水との接触角をゴニ
オメーターで測定する。
注6)耐刷性 各感光材料を上記注4)と同条件で製版してトナー画
像を形成し、上記注5)と同条件で不感脂化処理し、こ
れをオフセットマスターとして、オフセット印刷機(桜
井製作所(株)性オリバー52型)にかけ、印刷物の非画
像部の地汚れ及び画像部の画質に問題が生じないで印刷
できる枚数を示す(印刷枚数が多い程、耐刷性が良好な
ことを表わす)。
表−11に示す様に従来公知の樹脂を用いた比較例Dの
みが感光層の平滑度、静電特性が著しく悪かった。
比較例B及びCは、環境条件が高温高湿(30度,80%R
H)となった場合に、静電特性が変動して低下し、特に9
0秒間のD.R.R.の悪化が著しくなった。これによりスキ
ャニング露光による実際の撮像性も複写画像の低下が見
られた。
比較例Aは比較例B,Cの様な環境条件の変化による静
電特性、撮像性の変化は殆んど見られず、更に常温常湿
時の静電特性を比較例Bと比べても優れていた。この事
は低出力の半導体レーザー光によるスキャニング露光方
式では極めて有効なものである。
本発明の感光材料は、比較例Aと同等の静電特性及び
撮像性を有し、更に感光層の膜強度が著しく向上した。
これをオフセットマスター原版として用いた場合で
も、不感脂化処理液による不感脂化処理が充分に進行
し、非画像部の水との接触角が15度以下と小さく充分に
親水化されている。実際に印刷して印刷物の地汚れを観
察しても、全く認められなかった。しかし、比較例Aの
場合は、光導電層の強度試験、及び耐刷試験を行なう
と、膜強度が充分でなく、耐久性に問題を生じた。
又、本発明の感光材料において、結着樹脂〔B〕中に
極性基を含有した実施例2の方が、実施例1に比べ膜強
度がオフセットマスター原版としての耐刷枚数におい
て、更に特性が向上した。
以上から、本発明の感光材料は、光導電層の平滑性、
膜強度、静電特性及び印刷性の全ての点において良好な
ものであった。
実施例3〜22 実施例1において樹脂〔A〕−1 6g及び樹脂〔B〕
−1 34gの代わりに下記表−12の樹脂〔A〕を各々6
g、樹脂〔B〕を各々34g用い、又、シアニン色素〔A〕
0.018gの代わりに、下記構造のシアニン色素〔B〕0.01
8gを用いた他は、実施例1と同様に操作して、各感光材
料を作製した。
シアニン色素〔B〕 実施例23〜36 実施例1において樹脂〔A〕−1、6g及び樹脂〔B〕
−1、34gの代わりに下記表−13の樹脂〔A〕を各々6
g、樹脂〔B〕を各々34g用い、又シアニン色素〔A〕0.
018gの代わりに、下記構造のメチン色素〔C〕0.016gを
用いた他は、実施例1と同様に操作して、各感光材料を
作製した。
メチン色素〔C〕 実施例1と同様にして各特性を測定した。各感光材料
の平滑性及び膜強度は実施例1の試料とほぼ同等の特性
を示した。
本発明の各感光材料は、いずれも帯電性、暗電荷保持
率、光感度に優れ、実際の複写画像も高温高湿の(30℃
80%RH)の過酷な条件においても、地カブリの発生のな
い鮮明な画像を得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 228/00 MNR C08F 228/00 MNR 230/02 MNS 230/02 MNS

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機光導電材料及び結着樹脂を少なくとも
    含有する光導電層を有する電子写真感光体において、該
    結着樹脂が下記樹脂〔A〕の少なくとも1種及び下記樹
    脂〔B〕の少なくとも1種を含有することを特徴とする
    電子写真感光体。 樹脂〔A〕 1×103〜2×104の重量平均分子量を有し、且つ、下記
    (i)及び(ii)の繰り返し単位を共重合成分として含
    有する樹脂。 (i)式(I)又は式(II)で示される少なくとも1つ
    の繰り返し単位30重量%以上 (式中、X1及びX2は互いに独立に、それぞれ水素原子、
    炭素数1〜10の炭化水素基、塩素原子、臭素原子、−CO
    Y1又は−COOY2(Y1及びY2は各々炭素数1〜10の炭化水
    素基を示す)を表わす。但し、X1とX2がともに水素原子
    を表わすことはない。 W1及びW2はそれぞれ−COO−とベンゼン環を結合する、
    直接結合又は連結原子数1〜4個の連結基を表わす。) (ii)−PO3H2基、−SO3H基、−COOH基及び {Rは炭素数1〜10の炭化水素基又はOR′基(R′は炭
    素数1〜10の炭化水素基を示す)を示す}の酸性基並び
    に環状酸無水物含有基のうちの少なくとも1つの置換基
    を含有する少なくとも1つの繰り返し単位0.5〜15重量
    % 樹脂〔B〕 下記一般式(IV a)及び(IV b)で示される重合体成分
    のうちの少なくとも1種を含有する重合体主鎖の一方の
    末端にのみ下記一般式(III)で示される重合性二重結
    合基を結合して成る重量平均分子量2×104以下の一官
    能性マクロモノマーと下記一般式(V)で示されるモノ
    マーとから少なくとも成る共重合体である樹脂。 一般式(III) 〔式(III)中、Vは−COO−、−OCO−、−CH2OCO−、
    −CH2COO−、−O−、−SO2−、−CO−、 を表わす(R1は、水素原子又は炭化水素基を表わす)。
    a1、a2は、互いに同じでも異なってもよく、水素原子、
    ハロゲン原子、シアノ基、炭化水素基、−COO−Z又は
    炭化水素を介した−COO−Z(Zは水素原子又は置換さ
    れてもよい炭化水素基を示す)を表わす。〕 一般式(IV a) 一般式(IV b) 〔式(IV a)又は(IV b)中、X0は式(III)中のVと
    同一の内容を表わす。 Q0は、炭素数1〜18の脂肪族基又は炭素数6〜12の芳香
    族基を表わす。b1、b2は互いに同じでも異なってもよ
    く、式(III)中のa1、a2と同一の内容を表わす。 Qは−CN、−CONH2又は を表し、ここでYは水素原子、ハロゲン原子、アルコキ
    シ基又は−COOZ′(Z′はアルキル基、アラルキル基又
    はアリール基を示す)を表わす。〕 一般式(V) 〔式(V)中、X1は式(IV a)中のX0と同一の内容を表
    わし、Q1は式(IV a)中のQ0と同一の内容を表わす。
    c1、c2は互いに同じでも異なってもよく、式(III)中
    のa1、a2と同一の内容を表わす。)
  2. 【請求項2】樹脂〔B〕が、更に該共重合体主鎖の片末
    端にのみ−PO3H2基、−SO3H基、−COOH基、−OH基、−S
    H基及び (R″は炭化水素基を表わす)から選ばれる少なくとも
    1つの酸性基を結合して成る樹脂である請求項(1)記
    載の電子写真感光体。
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