JP2714747B2 - 燃料油の低温流動性を改善する方法 - Google Patents

燃料油の低温流動性を改善する方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は石油の中、重質留分と低
温流動性向上剤から調製される燃料油の流動性を改善す
る方法に関する。周知のとおり原油を蒸留して得られる
留分のなかで、中、重質留分とよばれる沸点が約150
ないし450℃の留分は、燈油、軽油、A重油など各種
燃料源として大量に使用される。なかでも特に軽油やA
重油は、冬期等の低温度下において油に含有するワック
ス分の析出のために、流動性が著しく悪化して重大な問
題を生ずることがある。
【0002】例えば、冬期の寒冷条件下において軽油中
に含有するワックス分の析出のために、ディーゼル自動
車における軽油タンクからエンジンに軽油を供給するラ
インの途中に設けられた夾雑物阻止用のろ過器に組み込
まれた微細スクリーンが目詰まりを起こして、軽油の供
給ができなくなり、エンジンが停止してしまう例や、さ
らに低温度下では軽油全体がゲル化状態に陥って流動性
を失う例がある。また漁船のエンジン駆動やハウス加温
栽培用加温機、ビル暖房等に用いられるA重油の場合に
も同様のワックス析出によって燃焼不良が起こり、人命
や植物等に重大な影響を与えることがある。
【0003】
【従来の技術】燃料油の低温下における流動性を保つ目
的で、従来種々の対策がとられている。例えば、気温の
低下が直接に燃料油の温度低下をきたさない様に保温す
るため温水や電気ヒーターにより加熱するなどの方法が
あるが、設備の改善や新たなエネルギーコストの負担が
必要となり、現実的には有利な方法とは言い難い。また
比較的低温においても低温流動性にすぐれている、例え
ば灯油用留分によって希釈し、ワックスの析出量を低下
させる方法もあるが、灯油用留分のごとき比較的軽質な
燃料油は需要量が多く、付加価値が高いので、好ましい
方法とは言い難い。
【0004】燃料油の低温流動性を向上させる別の方法
として、低温流動性向上剤を添加する方法が知られてい
る。低温流動性向上剤の作用は、燃料油からワックスが
析出する際に影響を与え、ワックスの巨大成長化を妨げ
て微細結晶で安定化させるものである。低温流動性向上
剤には種々の化学合成品が提案されているが、対象とす
る燃料油の性状によって効果が極端に変わり、安定に品
質管理できる燃料油性状の把握が急務であったが、数多
くの原油種や複雑な蒸留装置の運転条件等の要因で困難
を極めていた。
【0005】低温流動性向上剤による添加効果を有効に
発現するために、対象燃料油の性状について幾つかの検
討がなされてきた。例えば、特開昭 58-134188号は中質
留分燃料油100重量部にエチレン共重合体と炭素数2
6ないし27のn−パラフィンを0.2 ないし1.5 重量部
添加することにより、低温流動性を改良するものであ
る。しかしこの方法ではエチレン共重合体とn−パラフ
ィンの双方を燃料油に添加する必要があり、設備や操作
が複雑化するだけでなく、ワックス析出に伴なう低温流
動性悪化の主原因物質たるn−パラフィンを積極的に添
加するために、低温下でのワックス析出量が増加する。
その結果流動性向上剤が有効に作用しなくなる場合が多
い。代表的用途であるディーゼル自動車用燃料として用
いるにあたり、燃料供給ラインの途中にはストレーナー
が設けられているが、多量のワックス析出により、スト
レーナーへのワックス飽和時間が短縮され、早期に閉塞
を起こすことになり、この方法は好ましい方法とは言え
ない。
【0006】また特開昭61-58116号には−20℃で析出
するパラフィンワックス量が5.5 ないし12重量%に調
整された軽油に流動点降下剤を用いた組成物が開示され
ている。しかしながら−20℃で析出するパラフィンワ
ックス量が5.5 ないし12重量%の範囲に特定された軽
油でも、流動点降下剤の添加によってCFPP(低温ろ
過目詰まり温度)が全く低下しない場合や、特定種の流
動点降下剤でしか低下できない場合があり十分なものと
は言えない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上に述べたように、
従来の技術では特定の性状の燃料油にしか低温流動性を
改良できる添加剤がなかったり、また添加剤の効果を発
現しやすくするために添加剤以外の特定の物質をかなり
多量に加える必要があり、低温流動性が安定的に改善さ
れた燃料油を提供することは困難を極めていた。本発明
の目的は、原油の中質および/または重質留出油を多割
合の基油とする低温流動性を改善した燃料油を提供する
にあたり、低温流動性を改善するために用いる低温流動
性向上剤の効果を十分に発揮させうるように原油の中質
および/または重質留出油に含有するn−パラフィンの
量を最適化することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる課題
を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達したもの
である。すなわち本発明は、 1)多割合の石油の中質および/または重質留出油から
なり、炭素数25以上のn−パラフィンを0.1 重量%以
上0.6 重量%未満含有し、かつ曇り点より10℃低い温
度において析出するワックスの量が4重量%未満である
燃料基油の低温流動性を改善する方法であって、(a)炭
素数25以上のn−パラフィンの量と前記曇り点より1
0℃低い温度において析出するワックスの量を測定する
工程、(b)必要な場合に、前記燃料基油中の炭素数25
以上のn−パラフィンの量を0.1 重量%以上0.6 重量%
未満に調整する工程、および(c)エチレン含有量60な
いし80重量%、数平均分子量 1,000ないし 5,000、分
子量分布が 4.0以下のエチレンと飽和カルボン酸のビニ
ルエステルとの共重合体で構成される低温流動性改善剤
を30ないし1,500 ppm添加する工程からなることを
特徴とする方法、
【0009】2)燃料基油に含有される炭素数25以上
のn−パラフィンの量が0.2 重量%以上、0.5 重量%未
満である前記1に記載の方法、 3)飽和カルボン酸のビニルエステルが酢酸ビニルであ
る前記1に記載の方法、および 4)エチレンと酢酸ビニルとの共重合体が、エチレン含
量60ないし75重量%、数平均分子量 1,000ないし4,
000 、分子量分布 4.0以下、アセチル基のメチル基以外
に主鎖メチレン基100個あたり6個以下のメチル末端
側鎖を有するものである前記3に記載の方法、に関する
ものである。
【0010】本発明において多割合の基油として用いら
れる石油の中質および/または重質留出油とは原油を蒸
留して得られる留出油であって、沸点が約150〜45
0℃程度の範囲にある炭化水素を主体とする数多くの成
分の混合物である。一般的な石油蒸留設備から得られる
留分としては、常圧蒸留装置から得られるライトガスオ
イル、ヘビーガスオイルもしくはこれらをユニファイナ
ーのごとき脱硫装置で水素添加したもの、あるいは常圧
蒸留装置の留出残油を減圧蒸留装置で減圧蒸留して得ら
れるバキュームガスオイルおよびその水素添加物などが
あり、これらは用途により適宜ブレンドされる場合もあ
る。
【0011】また必要により、石油精製設備から発生す
る中、重質油、例えば接触分解装置や水素化分解装置な
どで処理されたオイルあるいは潤滑油製造で脱ワックス
された残りのオイルなどを少量混合しても差し支えな
い。さらには、通常A重油の調整手法として一般的に行
なわれている常圧残渣油または減圧残渣油、あるいは潤
滑油精製工程で生成するエキストラクト油を少量混合し
てもよい。
【0012】本発明において、基油としての石油の中質
および/または重質留出油に含有される炭素数25以上
のn−パラフィン量は昇温式ガスクロマトグラフ装置を
用いて通常の方法で分析されるものである。すなわち、
極性の弱い分配剤と多孔質担体からなる充填剤を詰めた
カラムを用いて、水素炎イオン化方式の検出器によって
微量試料を分析し、分離された各成分よりなるクロマト
グラムからn−パラフィン含有量を求めるものである。
【0013】例えば、和光純薬工業(株)より市販され
ているカラム充填剤(シリコンGE SE-30,2%,60/
80メッシュ,Uniport HP担体)をステンレス製、直径
3mm、長さ4000mm管に詰めたカラムを用いて試料油
を注入し、70℃から5℃/minの速度で270℃に
昇温して水素炎イオン化方式で検出する。検出した電気
信号は外部出力として記録計またはデータ処理器によっ
て処理し、n−パラフィンピークを求めることによって
得られる。
【0014】本発明においては、基油である石油の中質
および/または重質留出油に含有される炭素数25以上
のn−パラフィン量は、0.1 重量%以上0.6 %重量%未
満の範囲が好ましい。炭素数25以上のn−パラフィン
の量が0.1 重量%より少ないと、低温流動性向上剤によ
る低温ろ過目詰まり温度の改良効果が乏しくなり、また
0.6 重量%より多いと極めて多量、例えば2,000 ppm
以上の低温流動性向上剤の添加によって低温ろ過目詰ま
り温度の改良が可能な場合もあるが、析出するワックス
の総量が増加し、実用に供し得ない燃料油となってしま
うことが多い。
【0015】低温流動性向上剤の添加効果をより一層発
揮し得る炭素数25以上のn−パラフィンの好ましい量
は0.2 重量%以上0.5 重量%未満である。この範囲内に
おいては比較的少ない添加量の低温流動性向上剤によっ
て十分な低温ろ過目詰まり温度の低下が可能である。
【0016】本発明において用いられる低温流動性向上
剤の例としては、「新版石油製品添加剤」(桜井俊男編
著,幸書房昭和61年7月発行)第 192頁〜第 195頁に
記載の物質が参考になるが、さらに具体的には特公昭48
-23165号、特公昭55-33480号、特公昭60-17399号、特開
昭 59-136391号などに開示されているエチレン共重合体
が挙げられる。
【0017】エチレン共重合体の例としては、コモノマ
ーとして酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル
などの飽和脂肪酸のビニルエステルを1種または2種以
上用いたものが挙げられ、これらは高分子量エチレン共
重合体として製造されたものの酸素、過酸化物、熱など
により分解された低分子量化物であってもよい。エチレ
ン共重合体においては、特にエチレン含有量が60ない
し80重量%、蒸気圧平衡法で測定した数平均分子量が
1,000ないし 5,000、分子量分布が4.0以下の範囲のも
のが好ましい。エチレン含有量が60重量%未満もしく
は80重量%以上、数平均分子量が 1,000未満もしくは
5,000以上であると、低温ろ過目詰まり温度の改良効果
がやや乏しくなり、多量の添加を必要とするので、経済
的に有利とは言い難い。エチレン共重合体は1種類でも
よく、また2種類以上の混合物を用いてもよい。エチレ
ン共重合体はそのまま燃料油に混合し溶解することが可
能であるが、工業的には炭化水素系の溶媒に溶解して、
10ないし90重量%の溶液として用いるのが好都合で
ある。
【0018】上記エチレン共重合体の中でも、工業的に
入手が容易であり、低温流動性の改良効果にすぐれてい
るエチレン−酢酸ビニル共重合体が特に好ましい。エチ
レン−酢酸ビニル共重合体においてさらに好ましいの
は、エチレン含有量が60ないし75重量%、数平均分
子量が 1,000ないし 4,000であり、分子量分布が4.0 以
下、アセチル基のメチル基以外に主鎖メチレン基100
個あたり6個以下のメチル末端側鎖を有するものであ
り、低温ろ過目詰まり温度の一段の低下を果すことがで
きる。
【0019】なお、分子量分布は、ゲル浸透クロマトグ
ラフィー(GPC)法[「高分子測定法,構造と物性
(上)」高分子学会編,培風館 昭和48年発行,第7
6〜89頁に記載の方法が参考となる。]によって標準
ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)/数平均分
子量(Mn)比から求められるものである。
【0020】さらに、本発明において分岐度は「アセト
キシ基のメチル基以外に主鎖メチレン基100個あたり
のメチル末端側鎖数」で表現し、核磁気共鳴( 1H−N
MR)法(「日本化学会誌」1980年,第1号,第74〜
78頁に記載の方法が参考となる。)によって求めた結
果を用いて計算される。すなわち、プロトン核磁気共鳴
スペクトルにおける、メチル基とメチレン基にもとづく
ピーク比を求め、ケン化法により求めた酢酸ビニル含有
量と、蒸気圧浸透圧法により求めた数平均分子量を用い
て計算されるものである。なお、主鎖メチレン基の両末
端はメチル基になっており、かつ側鎖は全てエチル基で
あるとして、該末端メチル基2個を差し引いて求めるも
のである。
【0021】本発明に用いる低温流動性向上剤の添加量
は、石油の中質および/または重質留分からなる基油に
対して、重量で30〜1,500 ppmの範囲が好ましく、
より好ましくは50ないし1,000 ppmの範囲である。
添加量が30ppm未満では、低温ろ過目詰まり温度の
低下はほとんど期待できず、添加量が1,500 ppmを超
える場合は、得られる効果に比較し経済的に不利になる
ので好ましくない。本発明による燃料油組成物に対し
て、防錆剤、酸化防止剤、静電気帯電防止剤、セタン価
向上剤あるいは防食剤などを併用してもよい。
【0022】
【実施例】以下、本発明の燃料油組成物を実施例によっ
て具体的に説明するが、本発明はこれらの記載によって
限定されるものではない。なお、用いた試料油の各種分
析、測定は次の方法により行なった。 比重 JIS K2249 (1986年)、 動粘度 JIS K2283 (1986年)、 蒸留試験 JIS K2254 (1986年)、 曇り点 JIS K2269 (1986年)、 流動点 JIS K2269 (1986年)、
【0023】CFPP(低温ろ過目詰まり温度) IP-309(1976年 英国)に示されるCold Filter Pluggi
ng Point of Distillate Fuelsに準拠して製作された自
動低温ろ過目詰まり点試験器[吉田科学器械(株)製A
4F2型]で測定。
【0024】ワックス析出量 試料油50gに住友化学工業(株)より市販されている
低温流動性向上剤「スタビノール(登録商標)FI−1
8」を200ppm溶解し、100mlメスシリンダー
中で室温より1℃/hrの速度で−5℃、−10℃、ま
たは曇り点より10℃低い温度まで冷却する。冷却した
試料油から析出したワックス分以外の油分を、5μmメ
ンブランフィルターを取り付けたろ過金具を通して減圧
排出し、残存ワックス分に冷エタノール/エチルエーテ
ル(2/1容量比)を50ml添加し、軽く撹拌の後再
び油分を減圧排出する。さらに残ワックス分に冷メタノ
ールを50ml添加し、11G4ガラスフィルターに全
量を流し込んで油分を減圧排出し、ガラスフィルターに
残存したワックス分を一昼夜風乾の後、ワックス分の重
量を測定してワックス析出量とする。
【0025】n−パラフィン含有量 島津製作所社製のガスクロマトグラフGC−9A型とク
ロマトパックC−R2AXデータ処理器により、試料油
中のn−パラフィン含有量を求めた。 なお定量の
ために内部標準物質として、n−トリアコンタンを用い
た。主 要操作条件を次に示す。 カラム:ステンレス製内径3mm,長さ4m、 カラム充填剤:和光純薬(株)製 シリコンGE SE
−30,2%,60/80メッシュ(Uniport HP 担
体)、 インジェクション温度:270℃、 キャリヤーガス:ヘリウム、 検出器:水素炎イオン化方式(FID)、 カラム昇温速度:5℃/min(70→270℃)。
【0026】実施例1 第1表および第2表に性状を示すディーゼル軽油試料 N
o.1から No.4に対して第3表に示す各種の低温流動性
改良物質をキシレンの50重量%溶液とした低温流動性
向上剤500ppmを添加し、CFPPを測定した。試料油
自身のCFPPからの降下温度(ΔCFPP)によって効果の有
効性を検討した結果を第3表に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】実施例2 第4表および第5表に示すディーゼル軽油試料 No.5と
No.9を容量比で75/25(試料 No.6)、50/5
0(試料 No.7)および25/75(試料 No.8)に混
合した。混合系の試料油の性状をも第4表および第5表
に示す。
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】この試料油に、酢酸ビニル含有量36.5重量
%、数平均分子量1,690 、分子量分布2.4 、メチル末端
側鎖3.8 個/100メチレンのエチレン−酢酸ビニル共
重合体の60重量%キシレン溶液(添加剤A)を300
または500ppm添加し、CFPPを測定した。試料油自
身からの降下温度(ΔCFPP)によって効果の有効性を検
討した結果を第6表および図2に示す。
【0034】
【表6】
【0035】実施例3 第7表に示す燃料油試料に、実施例2で用いた添加剤A
を500ppm添加し、CFPPを測定した。試料油自身の
CFPPからの降下温度(ΔCFPP)によって効果の有効性を
検討した結果を第7表に併記し、また図2に示す。さら
に、比較用として添加剤Bと添加剤Cを用いた結果を第
7表に併記するとともに、それぞれ図3および図4に示
す。なお、添加剤Bは酢酸ビニル含有量16.5wt%、数平
均分子量2,200 のエチレン−酢酸ビニル共重合体の60
重量%キシレン溶液であり、添加剤Cは酢酸ビニル含有
量44.6wt%、数平均分子量1,820 のエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体の60重量%キシレン溶液である。
【0036】
【表7】
【0037】
【表8】
【0038】
【発明の効果】以上の実施例により明らかなとおり、炭
素数25以上のn−パラフィン含有量が0.1 重量%未満
もしくは0.6 重量%以上含有し、かつ曇り点より10℃
低い温度において析出するワックスの量が4重量%以上
である試料油に対しては低温流動性向上剤の添加による
CFPPの降下を得ることができなかったが、n−パラフィ
ン含有量が0.1 重量%以上0.6 重量%未満含有し、かつ
曇り点より10℃低い温度において析出するワックスの
量が4重量%未満である試料油では降下することがで
き、特に0.2 重量%以上0.5 重量%未満の試料油に対し
て顕著な効果が得られた。また、低温流動性向上剤とし
て、特にエチレン含有量が60ないし75重量%、数平
均分子量が1,000 ないし4,000 のエチレン−酢酸ビニル
共重合体を用いるとCFPPが大幅に降下し、中でも分子量
分布4.0 以下、メチル末端側鎖6個/100メチレン以
下のものでより顕著な効果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例に示したガスクロマトグラフ法n−パ
ラフィン分析の手法によって得た試料油 No.5のガスク
ロマトグラムであり、n−パラフィンとして計算した部
分を斜線で示した。
【図2】 各種試料油中の炭素数25以上のn−パラフ
ィン含有量と、酢酸ビニル含有量36.5重量%、数平均分
子量1,690 のエチレン−酢酸ビニル共重合体のキシレン
60重量%溶液(添加剤A)500ppmを添加した際
の低温ろ過目詰まり温度の降下温度(ΔCFPP)との関係
を示す。
【図3】 各試料油中の炭素数25以上のn−パラフィ
ン含有量と、酢酸ビニル含有量16.5重量%、数平均分子
量2,200 のエチレン−酢酸ビニル共重合体のキシレン6
0重量%溶液(添加剤B)500ppmを添加した際の
低温ろ過目詰まり温度の降下温度(ΔCFPP)との関係を
示す。
【図4】 各試料油中の炭素数25以上のn−パラフィ
ン含有量と、酢酸ビニル含有量44.6重量%、数平均分子
量1,820 のエチレン−酢酸ビニル共重合体のキシレン6
0重量%溶液(添加剤C)500ppmを添加した際の
低温ろ過目詰まり温度の降下温度(ΔCFPP)との関係を
示す。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多割合の石油の中質および/または重質
    留出油からなり、炭素数25以上のn−パラフィンを0.
    1 重量%以上0.6 重量%未満含有し、かつ曇り点より1
    0℃低い温度において析出するワックスの量が4重量%
    未満である燃料基油の低温流動性を改善する方法であっ
    て、(a)炭素数25以上のn−パラフィンの量と前記曇
    り点より10℃低い温度において析出するワックスの量
    を測定する工程、(b)必要な場合に、前記燃料基油中の
    炭素数25以上のn−パラフィンの量を0.1 重量%以上
    0.6 重量%未満に調整する工程、および(c)エチレン含
    有量60ないし80重量%、数平均分子量 1,000ないし
    5,000、分子量分布が 4.0以下のエチレンと飽和カルボ
    ン酸のビニルエステルとの共重合体で構成される低温流
    動性改善剤を30ないし1,500 ppm添加する工程から
    なることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 燃料基油に含有される炭素数25以上の
    n−パラフィンの量が0.2 重量%以上、0.5 重量%未満
    である請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 飽和カルボン酸のビニルエステルが酢酸
    ビニルである請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 エチレンと酢酸ビニルとの共重合体が、
    エチレン含量60ないし75重量%、数平均分子量 1,0
    00ないし4,000 、分子量分布 4.0以下、アセチル基のメ
    チル基以外に主鎖メチレン基100個あたり6個以下の
    メチル末端側鎖を有するものである請求項3に記載の方
    法。
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