JP3911061B2 - 燃料油組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は石油の中、重質留分と低温流動性向上剤から調製される低温流動性の良好な燃料油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のとおり原油を蒸留して得られる留分のなかで、中、重質留分とよばれる沸点が約150〜450℃の留分は、燈油、軽油、A重油など各種燃料源として大量に使用される。
なかでも特に軽油やA重油は、冬期等の低温度下において油に含有するワックス分の析出のために、流動性が著しく悪化して重大な問題を生ずることがある。例えば、冬期の寒冷条件において軽油中に含有するワックス分の析出のために、ディーゼル自動車における軽油タンクからエンジンに軽油を供給するラインの途中の設けられた夾雑物阻止用の濾過器に組み込まれた微細スクリーンが目詰まりを起こして、軽油の供給ができなくなり、エンジンが停止してしまう例や、さらに低温度下では軽油全体がゲル化状態に陥って流動性を失う例がある。
また漁船のエンジン駆動やハウス加温栽培用加温機、ビル暖房等に用いられるA重油の場合にも同様のワックス析出によって燃焼不良が起こり、人命や植物等に重大な影響を与えることがある。
【0003】
燃料油の低温下における流動性を保つ目的で、従来種々の対策がとられている。例えば、気温の低下が直接に燃料油の温度低下をきたさない様に保温するため温水や電気ヒーターにより加熱するなどの方法があるが、設備の改善や新たなエネルギーコストの負担が必要となり、現実的には有利な方法とは言い難い。
また比較的低温においても低温流動性のある灯油用留分によって希釈し、ワックスの析出量を低下させる方法もあるが、灯油用留分のごとき比較的軽質な燃料油は需要量が多く、付加価値が高いので、好ましい方法とは言い難い。
【0004】
燃料油の低温流動性を向上させる別の方法として、低温流動性向上剤を添加する方法が知られている。
低温流動性向上剤の作用は、燃料油からワックスが析出する際に影響を与え、ワックスの巨大成長化を妨げて微少結晶で安定化させるものである。
低温流動性向上剤には種々の化学合成品が提案されているが、対象とする燃料油の性状によって効果が極端に変わり、安定に品質管理できる燃料油性状の把握が急務であったが、数多くの原料種や複雑な蒸留装置の運転条件等の要因で困難を極めていた。
低温流動性向上剤による添加効果を有効に発現するために、対象燃料油の性状について幾つかの検討がなされてきた。
例えば、特開昭58−134188号は中質留分燃料油100重量部にエチレン共重合体と炭素数26ないし27のn−パラフィンを0.2ないし1.5重量部添加することにより、低温流動性を改良するものである。
しかしこの方法ではエチレン共重合体とn−パラフィンの双方を燃料油に添加する必要があり、設備や操作が複雑化するだけでなく、ワックス析出に伴なう低温流動性悪化の主原因物質たるn−パラフィンを積極的に添加するために、低温下でワックス析出量が増加する。その結果流動性向上剤が有効に作用しなくなる場合が多い。さらに、代表的用途であるディーゼル自動車用燃料として用いるにあたり、燃料供給ラインの途中にはストレーナーが設けられているが、多量のワックス析出により、ストレーナーへのワックス飽和時間が短縮され、早期に閉塞を起こすことになり、この方法は好ましい方法とは言えない。
また特開昭61−58116号には−20℃で析出するパラフィンワックス量が5.5〜12重量%に調整された軽油に流動点降下剤を用いた組成物が示されている。
しかしながら−20℃で析出するパラフィンワックス量が5.5〜12重量%の範囲に特定された軽油でも、流動点降下剤の添加によってCFPP(低温濾過目詰まり温度)が全く低下しない場合があり十分なものとは言えない。
さらに、特公平4−59356号には、多割合の石油の中質および/または重油留出油からなり、炭素数25以上のn−パラフィンを0.1重量%以上0.6重量%未満含有し、かつ曇り点より10℃低い温度において析出するワックスの量が4重量%未満である燃料基油に、エチレン含有量60〜75重量%、数平均分子量1,000〜4,000、分子量分布が4.0以下、アセチル基のメチル基以外に主鎖メチレン基100個あたり6個以下のメチル末端側鎖を有するエチレンと酢酸ビニルとの共重合体を添加してなることを特徴とするとする燃料油組成物が示されている。しかしながら、実用上十分満足できる低温流動性を示すとは言い難い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上に述べたように、従来の技術では特定の性状の燃料油にしか低温流動性を改良できる添加剤がなかったり、また添加剤の効果を発現しやすくするために添加剤以外の特定物質をかなり多量に加える必要があり、低温流動性が安定的に改善された燃料油を提供することは困難を極めている。
本発明の目的は、原油の中質および/または重質留出油を多割合の基油とする低温流動性を改善した燃料油を提供するにあたり、低温流動性を改善するために用いる低温流動性向上剤の効果を十分発揮させうるように原油の中質および/または重質留出油に含有するn−パラフィンの量を最適化するとともに、低温流動性向上剤を最適化することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者はかかる課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達したものである。
【0007】
すなわち、本発明は、多割合の石油の中質および/または重量留出油からなり、炭素数25以上のn−パラフィンを0.05重量%以上0.8重量%未満含有し、かつ曇り点より10℃低い温度において析出するワックスの量が6重量%未満である燃料基油に、数平均分子量500〜5,000、分子量分布が4.0以下の、50〜75重量%のエチレンと5〜40重量%の酢酸ビニルと1〜25重量%のネオノナン酸ビニルおよび/またはネオデカン酸ビニルとの共重合体(A)を添加してなり、さらにエチレン−酢酸ビニル共重合体(b1)の不飽和ジカルボン酸エステル(b2)グラフト付加物(B)を含有させてなることを特徴とする燃料油組成物に関するものである。
【0008】
本発明において多割合の基油として用いられる石油中質および/または重量留出油とは原油を蒸留して得られる留出油であって、沸点が約150〜450℃程度の範囲にある炭化水素を主体とする数多くの成分の混合物である。
一般的な石油蒸留設備から得られる留分としては、常圧蒸留装置から得られるライトガスオイル、ヘビーガスオイルもしくはこれらをユニフアイナーのごとき脱硫装置で水素添加した物、あるいは常圧蒸留装置の留出残油を減圧蒸留装置で減圧蒸留して得られるバキュームガスオイルおよびその水素添加物などがあり、これらは用途により適宜ブレンドされる場合もある。
また必要により、石油精製設備から発生する中、重質油、例えば接触分解装置などで処理されたオイルあるいは潤滑油製造で脱ワックスされた残りのオイルなどを少量混合しても差し支えない。
さらには、通常A重油の調整手段として一般的に行われている常圧残渣油、あるいは潤滑油精製工程で生成するエキストラクト油を少量混合してもよい。
【0009】
本発明において、基油としての石油中質および/または重質留出油に含有される炭素数25以上のn−パラフィン量は昇温式ガスクロマトグラフ装置を用いて通常の方法で分析されるものである。
すなわち、極性の弱い分配剤と多孔質担体からなる充填剤を詰めたカラムを用いて、水素炎イオン化方式の検出器によって微量試料を分析し、分離された各成分よりなるクロマトグラムからn−パラフィン含有量を求めるものである。
例えば、和光純薬工業(株)より市販されいるカラム充填剤(シリコンGE SE−30、2%、60/80メッシュ、Uniport HP担体)をステンレス製、直径3mm、長さ4,000mmの管に詰めたカラムを用いて試料油を注入し、70℃から5℃/minの速度で270℃まで昇温して水素炎イオン化方式で検出する。検出した電気信号は外部出力として記録計またはデーター処理器によって処理し、n−パラフィンピークを求めることによって得られる。
本発明においては、基油である石油中質及び/または重質留出油に含有される炭素数25以上のn−パラフィン量は、0.05重量%以上0.8重量%未満の範囲が好ましい。
炭素数25以上のn−パラフィンの量が0.05重量%より少ないと、流動性向上剤による低温濾過目詰まり温度の改良効果が乏しくなり、また0.8重量%以上であると極めて多量、例えば3,000ppm以上の低温流動性向上剤の添加によって低温濾過目詰まり温度の改良が可能な場合もあるが、析出するワックスの総量が増加し、実用に供し得ない燃料油となってしまうことが多い。
低温流動性向上剤の添加効果が一層発揮し得る炭素数25以上のn−パラフィンの好ましい量は0.1重量%以上0.5重量%未満である。この範囲内においては比較的少ない添加量の低温流動性向上剤によって十分な低温濾過目詰まり温度(CFPP)の低下が可能になる。
【0010】
また、雲り点より10℃低い温度で析出するワックスは、試料油に三洋化成工業株式会社から市販されているフローインプルーバー「キャリオール(登録商標)MD−317」を200ppm溶解し、室温から1℃/時間の速度で雲り点より10℃低い温度まで冷却し、析出したワックス分である。このワックス量が試料油の4重量%を超えると、比較的少ない添加量の低温流動性向上剤によって十分な低温濾過目詰まり温度の低下が困難になる。
【0011】
本発明において用いられる低温流動性向上剤は数平均分子量500〜5,000、分子量分布が4.0以下の、エチレンと5〜40重量%の酢酸ビニルと1〜25重量%のネオノナン酸ビニルおよび/またはネオデカン酸ビニルとの共重合体(A)であり、また、(A)と、さらにエチレン−酢酸ビニル共重合体(b1)の不飽和ジカルボン酸エステル(b2)付加物(B)を併用したものである。
【0012】
(A)において酢酸ビニル含量は20〜38重量%が好ましく、ネオノナン酸ビニルおよび/またはネオデカン酸ビニルは3〜15重量%が好ましい。酢酸ビニルと、ネオノナン酸ビニルおよび/またはネオデカン酸ビニルとの合計の含量は30〜45重量%が好ましい。特に、分子量1,000〜4,000、酢酸ビニル含量30〜35重量%、ネオノナン酸ビニルおよび/またはネオデカン酸ビニル5〜10重量%、分子量分布2.5以下、アセチル基のメチル基以外に主鎖メチレン基100個あたり10個以下のメチル末端側鎖を有するエチレンと酢酸ビニルとネオノナン酸ビニルおよび/またはネオデカン酸ビニルとの共重合体である。この分岐度は「日本化学学会誌」1980年、第1号、第74〜78頁に記載された核磁気共鳴法により測定できる。
【0013】
通常流動性向上剤として(A)を30〜2,000ppm添加することにより実用上問題のない低温流動性を示すが、常圧残渣油、あるいは潤滑油精製工程で生成するエキストラクト油を少量混合したA重油にはエチレン−酢酸ビニル共重合体(b1)不飽和ジカルボン酸エステル(b2)付加物(B)を併用するのが好ましい。
本発明の(B)を形成するエチレン−酢酸ビニルエステル共重合体(b1)の具体例としては、数平均分子量が500〜20,000、飽和カルボン酸のビニルエステルの含量が5〜30重量%のエチレン−飽和カルボン酸ビニルエステル共重合体が挙げられる。飽和カルボン酸ビニルエステルの具体例としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ネオノナン酸ビニル、ネオデカン酸ビニルからなる群から選ばれる1種以上である。好ましくは酢酸ビニルが10〜25重量%であり、数平均分子量が2,000〜10,000のエチレン−酢酸ビニル共重合体である。飽和カルボン酸ビニルエステル含量が5重量%より少ない場合はディーゼル軽油等に対する溶解性が無くなり、30重量%を越えると析出ワックスが沈降しやすくなる傾向にある。また、数平均分子量が500より小さいと低温での流動性改善効果が悪化する傾向にあり、数平均分子量が20,000を越えると粘度が高くなり実用性が無くなる。
【0014】
また、グラフト付加物(B)を形成する不飽和ジカルボン酸エステル(b2)の具体例としては、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸と炭素数が4〜22のアルコールとのモノエステルもしくはジエステルである。好ましくは、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジイソブチル、マレイン酸ジオクチル、マレイン酸ジ−2−エチルヘキシル、マレイン酸ジオクタデシル、マレイン酸ジエイコシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジイソブチル、フマル酸ジオクチル、フマル酸ジ−2−エチルヘキシル、フマル酸ジオクタデシル、フマル酸ジエイコシルなどであり、特に好ましくは、マレイン酸ジ−2−エチルヘキシル、フマル酸ジ−2−エチルヘキシルである。アルコールの炭素数が4より少ないときは析出ワックスが沈降しやすくなる傾向にあり、また、22を超えるときは低温での流動性改善効果が悪化する傾向にある。
【0015】
グラフト付加物(B)を併用する場合、(A)/(B)が50/1から1/1(重量比)が好ましく、この比率より(B)が多くても、少なくても低温流動性改善効果は減少する傾向にある。
【0016】
グラフト付加物(B)は、エチレン−飽和カルボン酸ビニルエステル共重合体(b1)と不飽和ジカルボン酸エステル(b2)と少量のラジカル発生触媒(有機または無機過酸化物、アゾ系化合物)とを均一に混合し、通常100℃以上に加熱することにより製造できる。(b1)と(b2)の反応比は2/1〜1/50(重量比)であり、好ましくは、1/1〜1/3(重量比)である。(b1)/(b2)の比で2/1より(b1)が多くなると溶解性が不足する傾向にある。また、1/5より(b1)が少なくなると流動性改良効果が悪化する傾向にある。
【0017】
本発明においては、必要により、さらに、アルキル基の炭素数が12〜22であるアルキル(メタ)アクリレート重合体、α−オレフィン含量が20〜800モル%のエチレン−α−オレフィン共重合体、グリセリンのアルキレンオキサイド付加物と炭素数10から22の脂肪酸との部分もしくは完全エステル、トリメチロールプロパン、ペンタエイスリトール、ソルビトール、ソルビタンなどの多価カルボン酸と脂肪酸の部分もしくは完全エステル、塩素化パラフィン/ナフタリン縮合物、エチレンとメタクリル酸メチるとの共重合物、水酸基含有の含窒素化合物と脂肪酸のエステルからなる群から選ばれる化合物1種以上を併用することができる。
【0018】
本発明の燃料油は、他の公知の添加剤を含有して良い。これらの公知の添加剤としては、清浄剤(ブチルアミンのエチレンオキサイド付加物、ブタノールのエチレンオキサイド付加物)、潤滑性向上剤(グリセリンモノリノレート、ダイマー酸など)、酸化防止剤が挙げられる。
【0019】
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、燃料油の低温での流動性は流動点(JIS K2269)、およびフィルター目詰温度(JIS K2288)で評価した。流動点およびフィルター目詰温度が低いほど低温での流動性が優れている。また、エチレン−酢酸ビニル−ネオノナン酸ビニルおよび/またはネオデカン酸ビニル共重合体の数平均分子量は蒸気圧浸透法により、重量平均分子量はポリスチレンを標準試料とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した。また、酢酸ビニルとネオノナン酸ビニルおよび/またはネオデカン酸ビニルの合計含量はケン化法により求めた。
【0020】
雲り点以下10℃で析出ワックスおよびn−パラフィン含有量は特公平4−59356号公報に記載の方法に準じ測定した。
【0021】
製造例1〜5、比較製造例1、2
表1に示す低温流動性改良物質を白灯油の50重量%溶液とした低温流動性向上剤を作成した。
エチレン−酢酸ビニル−ネオノナン酸ビニル共重合体は、ヘキストAG社から入手した。またエチレン−酢酸ビニル共重合体の不飽和ジカルボン酸エステルは、市販のエチレン−酢酸ビニルにマレイン酸ジ−2−エチルエキシルをグラフト付加させ作成した。
【0022】
【表1】
(9.8重量%)共重合体、数平均分子量3,000、分子量分布2.8、分岐度4.2、ケン化法によるビニルエステル含量39.2重量%
EVA−2:エチレン−酢酸ビニル(34.4重量%)−ネオノナン酸ビニル(4.8重量%)共重合体、数平均分子量3,000、分子量分布2.5、分岐度4.2、ケン化法によるビニルエステル含量37.5重量%
G−EVA−1:酢酸ビニル含量13重量%、数平均分子量5,000のエチレン酢酸ビニル共重合体のマレイン酸ジ−2−エチルヘキシル重量比1/1グラフト付加物
G−EVA−1:酢酸ビニル含量24重量%、数平均分子量5,000のエチレン酢酸ビニル共重合体のマレイン酸ジブチル重量比1/1グラフト付加物
PMA:側鎖炭素数12〜18のポリメタクリレート重合体、重量平均分子量200,000
EVA−1:酢酸ビニル含量32重量%、数平均分子量3,500、分岐度4のエチレン−酢酸ビニル共重合体
EVAー2:酢酸ビニル含量42重量%、数平均分子量3,000、分岐度5.5のエチレン−酢酸ビニル共重合体
【0023】
実施例1〜10
表2〜表3に製造例1〜5を溶解した燃料油の低温特性(CFPP)を示す。
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
比較例1〜5
比較製造例で作成した低温流動性向上剤を添加した燃料油の低温特性(CFPP)等の比較例を表4に示す。
【0027】
【表4】
【0028】
【発明の効果】
以上の実施例および比較例から明らかなとおり、炭素数25以上のn−パラフィン含有量が0.05重量%未満または0.8重量%以上含有するか、もしくは雲り点より10℃低い温度において析出するワックスの量が6重量%以上である試料油に対しては低温流動性向上剤の添加によりCFPPを有意に降下させることはできなかったが、炭素数25以上のn−パラフィン含有量が0.05重量%以上0.8重量%未満含有し、かつ、雲り点より10℃低い温度において析出するワックスの量が6重量%以下である試料油に対してはCFPPを有意に降下させることができる。
Claims (7)
- 多割合の石油の中質および/または重質留出油からなり、炭素数25以上のn−パラフィンを0.05重量%以上0.8重量%未満含有し、かつ曇り点より10℃低い温度において析出するワックスの量が6重量%未満である燃料基油に、数平均分子量500〜5,000、分子量分布が4.0以下の、50〜75重量%のエチレンと5〜40重量%の酢酸ビニルと1〜25重量%のネオノナン酸ビニルおよび/またはネオデカン酸ビニルとの共重合体(A)を添加してなり、さらにエチレン−酢酸ビニル共重合体(b1)の不飽和ジカルボン酸エステル(b2)グラフト付加物(B)を含有させてなることを特徴とするとする燃料油組成物。
- 共重合体(A)の酢酸ビニルとネオノナン酸ビニルおよび/またはネオデカン酸ビニルの合計量が35〜50重量%である請求項1記載の燃料油組成物。
- 共重合体(A)が数平均分子量1,000〜4,000、分子量分布が2.5以下、アセチル基のメチル基以外に主鎖メチレン基100個あたり10個以下のメチル末端側鎖を有する請求項1または2記載の燃料油組成物 。
- (b1)が、数平均分子量500〜10000であり、酢酸ビニル含量が5〜30重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体である請求項1〜3のいずれか記載の燃料油組成物。
- (b2)が、マレイン酸ジ−2−エチルヘキシル、フマル酸ジ−2−エチルヘキシルである請求項1〜4のいずれか記載の燃料油組成物。
- (b1)/(b2)の重量比が2/1〜1/5である請求項1〜5のいずれか記載の燃料油組成物。
- (A)/(B)の重量比が50/1〜1/1である請求項1〜6のいずれか記載の燃料油組成物。
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