JPH10265787A - 燃料油用低温流動性向上剤および燃料油 - Google Patents
燃料油用低温流動性向上剤および燃料油Info
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- JPH10265787A JPH10265787A JP9142697A JP9142697A JPH10265787A JP H10265787 A JPH10265787 A JP H10265787A JP 9142697 A JP9142697 A JP 9142697A JP 9142697 A JP9142697 A JP 9142697A JP H10265787 A JPH10265787 A JP H10265787A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 石油中間留分である、ディーゼル燃料油、蒸
発残査を残留炭素付与剤としたA重油、潤滑油精製工程
で生成するエキストラクト油等を残留炭素付与剤とした
淡色A重油のいずれにも効果を示す低温流動性向上剤を
提供する。 【解決手段】 エチレン−飽和カルボン酸ビニルエステ
ル共重合体と、エチレン−酢酸ビニル共重合体の不飽和
ジカルボン酸エステルグラフト付加物と、アルキル基の
炭素数が10〜22であるアルキル(メタ)アクリレー
ト共重合体からなる燃料油低温流動性向上剤。
発残査を残留炭素付与剤としたA重油、潤滑油精製工程
で生成するエキストラクト油等を残留炭素付与剤とした
淡色A重油のいずれにも効果を示す低温流動性向上剤を
提供する。 【解決手段】 エチレン−飽和カルボン酸ビニルエステ
ル共重合体と、エチレン−酢酸ビニル共重合体の不飽和
ジカルボン酸エステルグラフト付加物と、アルキル基の
炭素数が10〜22であるアルキル(メタ)アクリレー
ト共重合体からなる燃料油低温流動性向上剤。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料油用の流動性
を改良する添加剤および燃料油に関する。
を改良する添加剤および燃料油に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のとおり原油を蒸留して得られる留
分のなかで、石油中間留出油とよばれる沸点が約150
〜450℃の留分は、燈油、軽油、A重油など各種燃料
源として大量に使用される。これらのうちで、軽油、A
重油は冬期あるいは寒冷地において低温にさらされる
と、その中に含まれるパラフィンワックス、ワックス状
物質、残留炭素付与剤として少量添加される蒸留残査お
よび/または潤滑油精製工程で得られるエクストラクト
油等に含まれる成分が析出し、燃料の配管系にあるフィ
ルターを目詰まりさせたり、また、燃料が配管系内で固
化することにより、エンジンや燃焼装置を始動できなく
なったり、エンジンが停止したり等の、低温度下での流
動性悪化による重大な問題を生ずることがある。
分のなかで、石油中間留出油とよばれる沸点が約150
〜450℃の留分は、燈油、軽油、A重油など各種燃料
源として大量に使用される。これらのうちで、軽油、A
重油は冬期あるいは寒冷地において低温にさらされる
と、その中に含まれるパラフィンワックス、ワックス状
物質、残留炭素付与剤として少量添加される蒸留残査お
よび/または潤滑油精製工程で得られるエクストラクト
油等に含まれる成分が析出し、燃料の配管系にあるフィ
ルターを目詰まりさせたり、また、燃料が配管系内で固
化することにより、エンジンや燃焼装置を始動できなく
なったり、エンジンが停止したり等の、低温度下での流
動性悪化による重大な問題を生ずることがある。
【0003】燃料油の低温下における流動性を保つ目的
で、従来種々の対策がとられている。例えば、気温の低
下が直接に燃料油の温度低下をきたさないように温水や
電気ヒーターにより加熱・保温するなどの方法がある
が、設備の改善や新たなエネルギーコストの負担が必要
となり、現実的には有利な方法とは言い難い。また比較
的低温においても低温流動性のある灯油用留分によって
希釈し、ワックスの析出量を低下させる方法もあるが、
灯油用留分のごとき比較的軽質な燃料油は需要量が多
く、好ましい方法とは言い難い。
で、従来種々の対策がとられている。例えば、気温の低
下が直接に燃料油の温度低下をきたさないように温水や
電気ヒーターにより加熱・保温するなどの方法がある
が、設備の改善や新たなエネルギーコストの負担が必要
となり、現実的には有利な方法とは言い難い。また比較
的低温においても低温流動性のある灯油用留分によって
希釈し、ワックスの析出量を低下させる方法もあるが、
灯油用留分のごとき比較的軽質な燃料油は需要量が多
く、好ましい方法とは言い難い。
【0004】燃料油の低温流動性を向上させる別の方法
として、低温流動性向上剤を添加する方法が知られてお
り、エチレン−飽和カルボン酸のビニルエステル共重合
体を燃料油に添加する方法が数多く提案されている。例
えば、特公昭39−20069号、特公昭48−231
65号、特開昭59−136391号公報などに記載さ
れている。また、エチレン−飽和カルボン酸ビニル共重
合体の不飽和ジカルボン酸エステル付加物およびそれら
付加物と、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
アクリル酸エステル共重合体等の化合物を1種以上併用
して添加する方法[特公昭58−39472号公報]が
提案されている。さらには、エチレン−酢酸ビニル共重
合体と、側鎖炭素数が4〜16のアルキルメタクリレー
トを主成分とする油溶性ポリエステルとを併用して添加
する方法[特公平60−2354号公報]、エチレン−
イソブチルアクリレート共重合体と側鎖炭素数が4〜1
6のアルキルメタクリレートを主成分とする油溶性ポリ
エステルと併用して添加する方法[特公平60−235
3号公報]が提案されている。しかしながら、実用上十
分満足できる低温流動性を示すとは言い難い。
として、低温流動性向上剤を添加する方法が知られてお
り、エチレン−飽和カルボン酸のビニルエステル共重合
体を燃料油に添加する方法が数多く提案されている。例
えば、特公昭39−20069号、特公昭48−231
65号、特開昭59−136391号公報などに記載さ
れている。また、エチレン−飽和カルボン酸ビニル共重
合体の不飽和ジカルボン酸エステル付加物およびそれら
付加物と、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
アクリル酸エステル共重合体等の化合物を1種以上併用
して添加する方法[特公昭58−39472号公報]が
提案されている。さらには、エチレン−酢酸ビニル共重
合体と、側鎖炭素数が4〜16のアルキルメタクリレー
トを主成分とする油溶性ポリエステルとを併用して添加
する方法[特公平60−2354号公報]、エチレン−
イソブチルアクリレート共重合体と側鎖炭素数が4〜1
6のアルキルメタクリレートを主成分とする油溶性ポリ
エステルと併用して添加する方法[特公平60−235
3号公報]が提案されている。しかしながら、実用上十
分満足できる低温流動性を示すとは言い難い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】また、従来の技術で
は、石油中間留分である、ディーゼル燃料油、蒸発残査
を残留炭素付与剤としたA重油、潤滑油精製工程で生成
するエキストラクト油等を残留炭素付与剤とした淡色A
重油のいずれにも効果を示す低温流動性向上剤が無く、
油種により低温流動性向上剤を使い分けする必要があっ
た。さらには、蒸発残査を残留炭素付与剤としたA重油
と、潤滑油精製工程で生成するエキストラクト油等を残
留炭素付与剤とした淡色A重油がタンク内で混合された
場合、添加されている低温流動性向上剤の組み合わせに
よっては相乗的に低温流動性が悪化する場合があった。
は、石油中間留分である、ディーゼル燃料油、蒸発残査
を残留炭素付与剤としたA重油、潤滑油精製工程で生成
するエキストラクト油等を残留炭素付与剤とした淡色A
重油のいずれにも効果を示す低温流動性向上剤が無く、
油種により低温流動性向上剤を使い分けする必要があっ
た。さらには、蒸発残査を残留炭素付与剤としたA重油
と、潤滑油精製工程で生成するエキストラクト油等を残
留炭素付与剤とした淡色A重油がタンク内で混合された
場合、添加されている低温流動性向上剤の組み合わせに
よっては相乗的に低温流動性が悪化する場合があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者はかかる課題を
解決すべく鋭意検討した結果、エチレン−飽和カルボン
酸ビニルエステル共重合体と、エチレン−酢酸ビニル共
重合体の不飽和ジカルボン酸エステル付加物と、アルキ
ル基の炭素数が10〜22であるアルキル(メタ)アク
リレート共重合体からなる燃料油用低温流動性向上剤
は、ディーゼル燃料油、蒸発残査を残留炭素付与剤とし
たA重油、潤滑油精製工程で生成するエキストラクト油
等を残留炭素付与剤とした淡色A重油のいずれにも低温
流動性向上効果を示すこと、および、本発明の流動性向
上剤を添加した蒸発残査を残留炭素付与剤としたA重油
と潤滑油精製工程で生成するエキストラクト油等を残留
炭素付与剤とした淡色A重油が、タンク内で混合されて
も流動性が悪化しないことを見いだした。
解決すべく鋭意検討した結果、エチレン−飽和カルボン
酸ビニルエステル共重合体と、エチレン−酢酸ビニル共
重合体の不飽和ジカルボン酸エステル付加物と、アルキ
ル基の炭素数が10〜22であるアルキル(メタ)アク
リレート共重合体からなる燃料油用低温流動性向上剤
は、ディーゼル燃料油、蒸発残査を残留炭素付与剤とし
たA重油、潤滑油精製工程で生成するエキストラクト油
等を残留炭素付与剤とした淡色A重油のいずれにも低温
流動性向上効果を示すこと、および、本発明の流動性向
上剤を添加した蒸発残査を残留炭素付与剤としたA重油
と潤滑油精製工程で生成するエキストラクト油等を残留
炭素付与剤とした淡色A重油が、タンク内で混合されて
も流動性が悪化しないことを見いだした。
【0007】すなわち、本発明は、エチレン−飽和カル
ボン酸ビニルエステル共重合体(A)と、エチレン−酢
酸ビニル共重合体(b1)の不飽和ジカルボン酸エステ
ル(b2)付加物(B)と、アルキル基の炭素数が10
〜22であるアルキル(メタ)アクリレート共重合体
(C)からなる燃料油用低温流動性向上剤;エチレン−
飽和カルボン酸ビニルエステル共重合体(A)と、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体(b1)の不飽和ジカルボン
酸エステル(b2)付加物(B)からなり、該(A)
が、50〜75重量%のエチレンと5〜40重量%の酢
酸ビニルと1〜25重量%のネオノナン酸ビニルおよび
/またはネオデカン酸ビニルとの共重合体であり、該共
重合体の数平均分子量が500〜5,000、分子量分
布が4.0以下である燃料油用低温流動性向上剤;エチ
レン−飽和カルボン酸ビニルエステル共重合体(A)
と、エチレン−酢酸ビニル共重合体(b1)の不飽和ジ
カルボン酸エステル(b2)付加物(B)と、アルキル
基の炭素数が10〜22であるアルキル(メタ)アクリ
レート共重合体(C)と基油からなる燃料油;及びエチ
レン−飽和カルボン酸ビニルエステル共重合体(A)
と、エチレン−酢酸ビニル共重合体(b1)の不飽和ジ
カルボン酸エステル(b2)付加物(B)と基油からな
り、該(A)が、50〜75重量%のエチレンと5〜4
0重量%の酢酸ビニルと1〜25重量%のネオノナン酸
ビニルおよび/またはネオデカン酸ビニルとの共重合体
であり、該共重合体の数平均分子量が500〜5,00
0、分子量分布が4.0以下である燃料油である。
ボン酸ビニルエステル共重合体(A)と、エチレン−酢
酸ビニル共重合体(b1)の不飽和ジカルボン酸エステ
ル(b2)付加物(B)と、アルキル基の炭素数が10
〜22であるアルキル(メタ)アクリレート共重合体
(C)からなる燃料油用低温流動性向上剤;エチレン−
飽和カルボン酸ビニルエステル共重合体(A)と、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体(b1)の不飽和ジカルボン
酸エステル(b2)付加物(B)からなり、該(A)
が、50〜75重量%のエチレンと5〜40重量%の酢
酸ビニルと1〜25重量%のネオノナン酸ビニルおよび
/またはネオデカン酸ビニルとの共重合体であり、該共
重合体の数平均分子量が500〜5,000、分子量分
布が4.0以下である燃料油用低温流動性向上剤;エチ
レン−飽和カルボン酸ビニルエステル共重合体(A)
と、エチレン−酢酸ビニル共重合体(b1)の不飽和ジ
カルボン酸エステル(b2)付加物(B)と、アルキル
基の炭素数が10〜22であるアルキル(メタ)アクリ
レート共重合体(C)と基油からなる燃料油;及びエチ
レン−飽和カルボン酸ビニルエステル共重合体(A)
と、エチレン−酢酸ビニル共重合体(b1)の不飽和ジ
カルボン酸エステル(b2)付加物(B)と基油からな
り、該(A)が、50〜75重量%のエチレンと5〜4
0重量%の酢酸ビニルと1〜25重量%のネオノナン酸
ビニルおよび/またはネオデカン酸ビニルとの共重合体
であり、該共重合体の数平均分子量が500〜5,00
0、分子量分布が4.0以下である燃料油である。
【0008】本発明において、エチレン−飽和カルボン
酸ビニルエステル共重合体(A)は数平均分子量500
〜5,000、分子量分布が4.0以下、50〜75重
量%のエチレンと25〜50重量%の炭素数1以上の飽
和カルボン酸のビニルエステルとの共重合体であり、好
ましくは、50〜75重量%のエチレンと5〜40重量
%の酢酸ビニルと1〜25重量%のネオノナン酸ビニル
および/またはネオデカン酸ビニルとの共重合体(A)
である。さらに好ましくは、数平均分子量1,000〜
4,000、分子量分布が2.5以下、アセチル基のメ
チル基以外に主鎖メチレン基100個あたり10個以下
のメチル末端側鎖を有し、酢酸ビニルとネオノナン酸ビ
ニルおよび/またはネオデカン酸ビニルの合計量が35
重量%〜50重量%のエチレン−飽和カルボン酸ビニル
エステル共重合体である。なお、この分岐度は「日本化
学学会誌」1980年、第1号、第74〜78頁に記載
された核磁気共鳴法により測定できる。エチレンが50
重量%以下では低温流動性向上能が悪化する傾向にあ
り、75重量%以上では、石油中間留出油に溶解しない
場合がある。また、ネオノナン酸ビニルおよび/または
ネオデカン酸ビニルが1重量%以下の場合も石油中間留
出油への溶解性が悪化する傾向にあり、25重量%以上
では低温流動性向上能が悪化する傾向にある。
酸ビニルエステル共重合体(A)は数平均分子量500
〜5,000、分子量分布が4.0以下、50〜75重
量%のエチレンと25〜50重量%の炭素数1以上の飽
和カルボン酸のビニルエステルとの共重合体であり、好
ましくは、50〜75重量%のエチレンと5〜40重量
%の酢酸ビニルと1〜25重量%のネオノナン酸ビニル
および/またはネオデカン酸ビニルとの共重合体(A)
である。さらに好ましくは、数平均分子量1,000〜
4,000、分子量分布が2.5以下、アセチル基のメ
チル基以外に主鎖メチレン基100個あたり10個以下
のメチル末端側鎖を有し、酢酸ビニルとネオノナン酸ビ
ニルおよび/またはネオデカン酸ビニルの合計量が35
重量%〜50重量%のエチレン−飽和カルボン酸ビニル
エステル共重合体である。なお、この分岐度は「日本化
学学会誌」1980年、第1号、第74〜78頁に記載
された核磁気共鳴法により測定できる。エチレンが50
重量%以下では低温流動性向上能が悪化する傾向にあ
り、75重量%以上では、石油中間留出油に溶解しない
場合がある。また、ネオノナン酸ビニルおよび/または
ネオデカン酸ビニルが1重量%以下の場合も石油中間留
出油への溶解性が悪化する傾向にあり、25重量%以上
では低温流動性向上能が悪化する傾向にある。
【0009】本発明のエチレン−酢酸ビニル共重合体の
不飽和ジカルボン酸エステル付加物(B)を形成するエ
チレン−酢酸ビニル共重合体(b1)の具体例として
は、数平均分子量が500〜20,000、酢酸ビニル
エステルの含量が5〜30重量%のエチレン−酢酸ビニ
ルエステル共重合体が挙げられる。好ましくは酢酸ビニ
ルが10〜25重量%であり、数平均分子量が2,00
0〜10,000のエチレン−酢酸ビニル共重合体であ
る。酢酸ビニルエステル含量が5重量%より少ない場合
は石油中間留出油に対する溶解性が無くなり、30重量
%以上では低温流動性向上能が悪化する傾向にある。ま
た、数平均分子量が500より小さいと低温流動性向上
能が悪化する傾向にあり、数平均分子量が20,000
を越えると粘度が高くなり実用性が無くなる。
不飽和ジカルボン酸エステル付加物(B)を形成するエ
チレン−酢酸ビニル共重合体(b1)の具体例として
は、数平均分子量が500〜20,000、酢酸ビニル
エステルの含量が5〜30重量%のエチレン−酢酸ビニ
ルエステル共重合体が挙げられる。好ましくは酢酸ビニ
ルが10〜25重量%であり、数平均分子量が2,00
0〜10,000のエチレン−酢酸ビニル共重合体であ
る。酢酸ビニルエステル含量が5重量%より少ない場合
は石油中間留出油に対する溶解性が無くなり、30重量
%以上では低温流動性向上能が悪化する傾向にある。ま
た、数平均分子量が500より小さいと低温流動性向上
能が悪化する傾向にあり、数平均分子量が20,000
を越えると粘度が高くなり実用性が無くなる。
【0010】また、付加物(B)を形成する不飽和ジカ
ルボン酸エステル(b2)の具体例としては、マレイン
酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和
ジカルボン酸と炭素数が4〜22のアルコールとのモノ
エステルもしくはジエステルである。好ましくは、マレ
イン酸ジブチル、マレイン酸ジイソブチル、マレイン酸
ジオクチル、マレイン酸ジ−2−エチルヘキシル、マレ
イン酸ジオクタデシル、マレイン酸ジエイコシル、フマ
ル酸ジブチル、フマル酸ジイソブチル、フマル酸ジオク
チル、フマル酸ジ−2−エチルヘキシル、フマル酸ジオ
クタデシル、フマル酸ジエイコシルなどであり、特に好
ましくは、マレイン酸ジ−2−エチルヘキシル、フマル
酸ジ−2−エチルヘキシルである。アルコールの炭素数
が4以下では石油中間留出油に対する溶解性が悪化する
傾向にあり、また、22以上では石油中間留出油に対す
る溶解性が悪化すると共に、低温流動性向上能が悪化す
る場合がある。
ルボン酸エステル(b2)の具体例としては、マレイン
酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和
ジカルボン酸と炭素数が4〜22のアルコールとのモノ
エステルもしくはジエステルである。好ましくは、マレ
イン酸ジブチル、マレイン酸ジイソブチル、マレイン酸
ジオクチル、マレイン酸ジ−2−エチルヘキシル、マレ
イン酸ジオクタデシル、マレイン酸ジエイコシル、フマ
ル酸ジブチル、フマル酸ジイソブチル、フマル酸ジオク
チル、フマル酸ジ−2−エチルヘキシル、フマル酸ジオ
クタデシル、フマル酸ジエイコシルなどであり、特に好
ましくは、マレイン酸ジ−2−エチルヘキシル、フマル
酸ジ−2−エチルヘキシルである。アルコールの炭素数
が4以下では石油中間留出油に対する溶解性が悪化する
傾向にあり、また、22以上では石油中間留出油に対す
る溶解性が悪化すると共に、低温流動性向上能が悪化す
る場合がある。
【0011】付加物(B)は、エチレン−酢酸ビニルエ
ステル共重合体(b1)と不飽和ジカルボン酸エステル
(b2)と少量のラジカル発生触媒(有機または無機過
酸化物、アゾ系化合物)とを均一に混合し、通常100
℃以上に加熱することにより製造できる。(b1)と
(b2)の反応比は2/1〜1/50(重量比)であ
り、好ましくは、1/1〜1/3(重量比)である。
(b1)/(b2)の比で2/1より(b1)が多くな
ると溶解性が不足する傾向にある。また、1/5より
(b1)が少なくなると流動性改良効果が悪化する傾向
にある。
ステル共重合体(b1)と不飽和ジカルボン酸エステル
(b2)と少量のラジカル発生触媒(有機または無機過
酸化物、アゾ系化合物)とを均一に混合し、通常100
℃以上に加熱することにより製造できる。(b1)と
(b2)の反応比は2/1〜1/50(重量比)であ
り、好ましくは、1/1〜1/3(重量比)である。
(b1)/(b2)の比で2/1より(b1)が多くな
ると溶解性が不足する傾向にある。また、1/5より
(b1)が少なくなると流動性改良効果が悪化する傾向
にある。
【0012】アルキル基の炭素数が10〜22であるア
ルキル(メタ)アクリレート共重合体(C)の具体例と
しては、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メ
タ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、
セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アク
リレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル
(メタ)アクリレートの単量体を混合もしくは単独で、
有機ラジカル発生触媒を用いて重合した重合体である。
アルキル基は、上記に例示したように直鎖アルキルであ
っても、テトラプロペニル(メタ)アクリレート等の分
岐のあるアルキルでも良い。また、オレイル(メタ)ア
クリレートのような側鎖がアルケニル基である(メタ)
アクリレート、アルキル基の炭素数が9以下もしくは2
3以上のアルキル(メタ)アクリレート、ジエチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン等の
窒素原子を含有する官能基を側鎖に持つ単量体等から成
る群から選ばれる1種以上を合計量で10重量%以下含
有する共重合体であっても良い。好ましくは、アルキル
基の炭素数が18以上の直鎖アルキルを30〜90重量
%含有する(メタ)アクリレート共重合体である。
ルキル(メタ)アクリレート共重合体(C)の具体例と
しては、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メ
タ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、
セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アク
リレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル
(メタ)アクリレートの単量体を混合もしくは単独で、
有機ラジカル発生触媒を用いて重合した重合体である。
アルキル基は、上記に例示したように直鎖アルキルであ
っても、テトラプロペニル(メタ)アクリレート等の分
岐のあるアルキルでも良い。また、オレイル(メタ)ア
クリレートのような側鎖がアルケニル基である(メタ)
アクリレート、アルキル基の炭素数が9以下もしくは2
3以上のアルキル(メタ)アクリレート、ジエチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン等の
窒素原子を含有する官能基を側鎖に持つ単量体等から成
る群から選ばれる1種以上を合計量で10重量%以下含
有する共重合体であっても良い。好ましくは、アルキル
基の炭素数が18以上の直鎖アルキルを30〜90重量
%含有する(メタ)アクリレート共重合体である。
【0013】本発明において、エチレン−飽和カルボン
酸ビニルエステル共重合体(A)と、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(b1)の不飽和ジカルボン酸エステル
(b2)付加物(B)と、アルキル基の炭素数が10〜
22であるアルキル(メタ)アクリレート共重合体
(C)は任意の割合で混合しても良いが、好ましくは、
(A)、(B)、(C)の合計重量に対し、(A)が4
0〜95重量%、(B)が4〜50重量%、(C)が1
〜20重量%である。
酸ビニルエステル共重合体(A)と、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(b1)の不飽和ジカルボン酸エステル
(b2)付加物(B)と、アルキル基の炭素数が10〜
22であるアルキル(メタ)アクリレート共重合体
(C)は任意の割合で混合しても良いが、好ましくは、
(A)、(B)、(C)の合計重量に対し、(A)が4
0〜95重量%、(B)が4〜50重量%、(C)が1
〜20重量%である。
【0014】また、本発明においては、必要により、α
−オレフィン含量が20〜80モル%のエチレン−α−
オレフィン共重合体、グリセリンのアルキレンオキサイ
ド付加物と炭素数10〜22の脂肪酸との部分もしくは
完全エステル、トリメチロールプロパン、ペンタエリス
リトール、ソルビトール、ソルビタンなどの多価カルボ
ン酸と脂肪酸の部分もしくは完全エステル、塩素化パラ
フィン/ナフタリン縮合物、水酸基含有の含窒素化合物
と脂肪酸のエステルからなる群から選ばれる化合物1種
以上を併用することができる。
−オレフィン含量が20〜80モル%のエチレン−α−
オレフィン共重合体、グリセリンのアルキレンオキサイ
ド付加物と炭素数10〜22の脂肪酸との部分もしくは
完全エステル、トリメチロールプロパン、ペンタエリス
リトール、ソルビトール、ソルビタンなどの多価カルボ
ン酸と脂肪酸の部分もしくは完全エステル、塩素化パラ
フィン/ナフタリン縮合物、水酸基含有の含窒素化合物
と脂肪酸のエステルからなる群から選ばれる化合物1種
以上を併用することができる。
【0015】本発明の燃料油の具体例としては、通常の
蒸留で得られる、沸点範囲が150〜450℃の石油中
間留出油であり、JIS1号軽油、JIS2号軽油、J
IS3号軽油、JIS特3号軽油;通常の原油から水素
化脱硫工程を経て製造される脱硫軽油;この水素化脱硫
軽油と直留軽油(水素化脱硫工程前の軽油)をブレンド
して得られる軽油留分から得られるJIS1号軽油、J
IS2号軽油、JIS3号軽油、JIS特3号軽油があ
げられる。また、上記の各種軽油留分に蒸留残査、エク
ストラクト等を混合して製造されるA重油があげられ
る。本発明の流動性改良剤は上記燃料油に0.005〜
0.2wt%添加し使用される。
蒸留で得られる、沸点範囲が150〜450℃の石油中
間留出油であり、JIS1号軽油、JIS2号軽油、J
IS3号軽油、JIS特3号軽油;通常の原油から水素
化脱硫工程を経て製造される脱硫軽油;この水素化脱硫
軽油と直留軽油(水素化脱硫工程前の軽油)をブレンド
して得られる軽油留分から得られるJIS1号軽油、J
IS2号軽油、JIS3号軽油、JIS特3号軽油があ
げられる。また、上記の各種軽油留分に蒸留残査、エク
ストラクト等を混合して製造されるA重油があげられ
る。本発明の流動性改良剤は上記燃料油に0.005〜
0.2wt%添加し使用される。
【0016】また、本発明の燃料油は、他の公知の添加
剤を含有して良い。これらの公知の添加剤としては、清
浄剤(ブチルアミンのエチレンオキサイド付加物、ブタ
ノールのエチレンオキサイド付加物)、潤滑性向上剤
(グリセリンモノリノレート、ダイマー酸など)、酸化
防止剤が挙げられる。
剤を含有して良い。これらの公知の添加剤としては、清
浄剤(ブチルアミンのエチレンオキサイド付加物、ブタ
ノールのエチレンオキサイド付加物)、潤滑性向上剤
(グリセリンモノリノレート、ダイマー酸など)、酸化
防止剤が挙げられる。
【0017】以下実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。な
お、燃料油の低温での流動性は流動点(JIS K22
69)、およびフィルター目詰温度(JIS K228
8)で評価した。流動点およびフィルター目詰温度が低
いほど低温での流動性が優れている。また、エチレン−
酢酸ビニル−ネオノナン酸ビニルおよび/またはネオデ
カン酸ビニル共重合体、および、エチレン−酢酸ビニル
共重合体の数平均分子量は蒸気圧浸透法により、重量平
均分子量および分子量分布はポリスチレンを標準試料と
するゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測
定した。また、酢酸ビニルとネオノナン酸ビニルおよび
/またはネオデカン酸ビニルのそれぞれの含量および合
計含量はそれぞれ熱分解ガスクロマトグラフィーおよび
ケン化法により求めた。
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。な
お、燃料油の低温での流動性は流動点(JIS K22
69)、およびフィルター目詰温度(JIS K228
8)で評価した。流動点およびフィルター目詰温度が低
いほど低温での流動性が優れている。また、エチレン−
酢酸ビニル−ネオノナン酸ビニルおよび/またはネオデ
カン酸ビニル共重合体、および、エチレン−酢酸ビニル
共重合体の数平均分子量は蒸気圧浸透法により、重量平
均分子量および分子量分布はポリスチレンを標準試料と
するゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測
定した。また、酢酸ビニルとネオノナン酸ビニルおよび
/またはネオデカン酸ビニルのそれぞれの含量および合
計含量はそれぞれ熱分解ガスクロマトグラフィーおよび
ケン化法により求めた。
【0018】製造例1〜5、比較製造例1〜6 表−1に示すようにエチレン−飽和カルボン酸ビニルエ
ステル共重合体(EVAと略)と、付加物(G−EVA
と略)と、アルキル(メタ)アクリレート共重合体(P
MAと略)を混合し白灯油の50重量%溶液とした低温
流動性向上剤を作成した。エチレン−飽和カルボン酸ビ
ニル共重合体は、住友化学工業株式会社(スタビノール
R)、米国カンタム社、独国ヘキストAG社(ドジフロ
ーR)が市販しているものを購入し使用した。また、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体の不飽和ジカルボン酸エス
テルは、米国アライド社、日本ユニカー株式会社から市
販されているエチレン−酢酸ビニル共重合体にマレイン
酸ジ−2−エチルエキシル他をジクミルパーオキサイド
を触媒にグラフト付加させ作成した。さらに、アルキル
基の炭素数が10〜22であるアルキル(メタ)アクリ
レート共重合体は、石津製薬株式会社から販売されてい
る、アルキル(メタ)アクリレート単量体を、白灯油中
50重量%の単量体濃度で、アゾビスイソブチロニトリ
ルを有機ラジカル発生触媒として単量体量の0.5重量
%使用し、作成した。
ステル共重合体(EVAと略)と、付加物(G−EVA
と略)と、アルキル(メタ)アクリレート共重合体(P
MAと略)を混合し白灯油の50重量%溶液とした低温
流動性向上剤を作成した。エチレン−飽和カルボン酸ビ
ニル共重合体は、住友化学工業株式会社(スタビノール
R)、米国カンタム社、独国ヘキストAG社(ドジフロ
ーR)が市販しているものを購入し使用した。また、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体の不飽和ジカルボン酸エス
テルは、米国アライド社、日本ユニカー株式会社から市
販されているエチレン−酢酸ビニル共重合体にマレイン
酸ジ−2−エチルエキシル他をジクミルパーオキサイド
を触媒にグラフト付加させ作成した。さらに、アルキル
基の炭素数が10〜22であるアルキル(メタ)アクリ
レート共重合体は、石津製薬株式会社から販売されてい
る、アルキル(メタ)アクリレート単量体を、白灯油中
50重量%の単量体濃度で、アゾビスイソブチロニトリ
ルを有機ラジカル発生触媒として単量体量の0.5重量
%使用し、作成した。
【0019】
【表1】 EVA−1:エチレン−酢酸ビニル(33.1重量%)−ネオノナン酸ビニル (9.8重量%)共重合体、数平均分子量3,000、分子量分 布2.8、分岐度4.2、ケン化法によるビニルエステル含量3 9.2重量% EVA−2:エチレン−酢酸ビニル(34.4重量%)−ネオノナン酸ビニル (4.8重量%)共重合体、数平均分子量3,000、分子量分 布2.5、分岐度4.2、ケン化法によるビニルエステル含量3 7.5重量% EVA−3:エチレン−酢酸ビニル(33.0重量%)共重合体、数平均分子 量3,000、分子量分布3.2、分岐度6.2 G−EVA−1:酢酸ビニル含量13重量%、数平均分子量5,000のエチ レン酢酸ビニル共重合体のマレイン酸ジ−2−エチルヘキシ ル重量比1/1付加物 G−EVA−2:酢酸ビニル含量24重量%、数平均分子量5,000のエチ レン酢酸ビニル共重合体のマレイン酸ジブチル重量比2/1 付加物 G−EVA−3:酢酸ビニル含量7重量%、数平均分子量5,000のエチレ ン酢酸ビニル共重合体のマレイン酸ジ−2−エチルヘキシル 重量比1/3付加物 PMA−1:ドデシルメタクリレート10重量%、ミリスチルメタクリレート 20重量%、セチルメタクリレート30重量%、ステアリルメタ クリレート40重量%からなる共重合体、重量平均分子量100 ,000 PMA−2:セチルメタクリレート40重量%、ステアリルメタクリレート4 0重量%、エイコシルメタクリレート10重量%、ベヘニルメタ クリレート10重量%からなる共重合体、重量平均分子量90, 000 PMA−3:2−エチルヘキシルアクリレート2重量%、オレイルメタクリレ ート3重量%、セチルメタクリレート50重量%、ステアリルメ タクリレート40重量%、N−ビニルピロリドン5重量%からな る共重合体、重量平均分子量80,000
【0020】実施例1〜15 表−2〜表−4に製造例1〜5の低温流動性向上剤を溶
解した燃料油の低温特性(CFPP)を示す。
解した燃料油の低温特性(CFPP)を示す。
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】実施例16〜19 表−5に実施例2と実施例3で作成した燃料油を9/
1、1/1、1/9(容量比)で混合した燃料油のCF
PP測定結果、および、実施例8と実施例9で作成した
燃料油を1/1(容量比)で混合した燃料油のCFPP
測定結果を示す。
1、1/1、1/9(容量比)で混合した燃料油のCF
PP測定結果、および、実施例8と実施例9で作成した
燃料油を1/1(容量比)で混合した燃料油のCFPP
測定結果を示す。
【0025】
【表5】
【0026】比較例1〜10 比較製造例で作成した低温流動性向上剤を添加した燃料
油の低温特性(CFPP)を表−6および表−7に示
す。
油の低温特性(CFPP)を表−6および表−7に示
す。
【0027】
【表6】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 比較例番号 |比較例1|比較例2|比較例3|比較例4|比較例5 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 基|残留炭素付与剤 |なし |蒸留残査|エクストラクト |なし |蒸留残査 | | | | 等 | | |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− |蒸留試験 初留点| 202| 同左 | 同左 | 206| 同左 |(℃) 10%| 233| 同左 | 同左 | 246| 同左 | 90%| 342| 同左 | 同左 | 357| 同左 | 終点 | 371| 同左 | 同左 | 382| 同左 |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− |ワックス量(%)| | | | | | C25以上 |0.43| 同左 | 同左 |0.62| 同左 | 雲り点−10℃|1.52| 同左 | 同左 |2.95| 同左 |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− |雲り点(℃) | −0| − | −0| 2| − 油|PP (℃) |−5.0|−7.5|−5.0|−2.5|−10.0 |CFPP(℃) |−3 |−6 |−3 |−3 |−8 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 低温流動性向上剤 |R-FI4 |R-FI4 |R-FI4 |R-FI2 |R-FI2 添加量(ppm)| 300| 300| 300| 300| 300 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 低温特性 | | | | | CFPP(℃) |−10 |−6 |−4 |−11 |−8 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0028】
【表7】
【0029】比較例11〜14 表−8に比較例2と比較3で作成した燃料油を9/1、
1/1、1/9(容量比)で混合した燃料油のCFPP
測定結果、および、実施例8と実施例9で作成した燃料
油を1/1(容量比)で混合した燃料油のCFPP測定
結果を示す。
1/1、1/9(容量比)で混合した燃料油のCFPP
測定結果、および、実施例8と実施例9で作成した燃料
油を1/1(容量比)で混合した燃料油のCFPP測定
結果を示す。
【0030】
【表8】
【0031】
【発明の効果】以上の実施例および比較例から明らかな
とおり、ディーゼル軽油、残留炭素付与剤として蒸留残
査を利用したA重油および残留炭素付与剤としてエクス
トラクト等を利用した淡色A重油のいずれにも効果のあ
る低温流動性向上剤は無かったが、エチレン−飽和カル
ボン酸ビニルエステル共重合体と、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体の不飽和ジカルボン酸エステル付加物と、ア
ルキル基の炭素数が10〜22であるアルキル(メタ)
アクリレート共重合体からなる燃料油用低温流動性向上
剤は、いずれの評価油に対してもCFPPを有意に降下
させることができる。
とおり、ディーゼル軽油、残留炭素付与剤として蒸留残
査を利用したA重油および残留炭素付与剤としてエクス
トラクト等を利用した淡色A重油のいずれにも効果のあ
る低温流動性向上剤は無かったが、エチレン−飽和カル
ボン酸ビニルエステル共重合体と、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体の不飽和ジカルボン酸エステル付加物と、ア
ルキル基の炭素数が10〜22であるアルキル(メタ)
アクリレート共重合体からなる燃料油用低温流動性向上
剤は、いずれの評価油に対してもCFPPを有意に降下
させることができる。
Claims (12)
- 【請求項1】 エチレン−飽和カルボン酸ビニルエステ
ル共重合体(A)と、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(b1)の不飽和ジカルボン酸エステル(b2)付加物
(B)と、アルキル基の炭素数が10〜22であるアル
キル(メタ)アクリレート共重合体(C)からなる燃料
油用低温流動性向上剤。 - 【請求項2】 共重合体(A)が、50〜75重量%の
エチレンと5〜40重量%の酢酸ビニルと1〜25重量
%のネオノナン酸ビニルおよび/またはネオデカン酸ビ
ニルとの共重合体であり、該共重合体の数平均分子量が
500〜5,000、分子量分布が4.0以下である請
求項1記載の流動性向上剤。 - 【請求項3】 (C)が、アルキル基の炭素数が17以
上のアルキル(メタ)アクリレート単量体を構成単位と
して30重量%以上含有するものである請求項1または
2記載の流動性向上剤。 - 【請求項4】 (A)、(B)、(C)合計重量に対し
(A)が40〜95重量%、(B)が4〜50重量%、
(C)が1〜20重量%である請求項1〜3のいずれか
記載の流動性向上剤。 - 【請求項5】 エチレン−飽和カルボン酸ビニルエステ
ル共重合体(A)と、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(b1)の不飽和ジカルボン酸エステル(b2)付加物
(B)からなり、該(A)が、50〜75重量%のエチ
レンと5〜40重量%の酢酸ビニルと1〜25重量%の
ネオノナン酸ビニルおよび/またはネオデカン酸ビニル
との共重合体であり、該共重合体の数平均分子量が50
0〜5,000、分子量分布が4.0以下である燃料油
用低温流動性向上剤。 - 【請求項6】 共重合体(A)中の酢酸ビニルとネオノ
ナン酸ビニルおよび/またはネオデカン酸ビニルの合計
含量が35〜50重量%である請求項2〜5のいずれか
記載の流動性向上剤。 - 【請求項7】 共重合体(A)が数平均分子量1,00
0〜4,000、分子量分布が2.5以下、アセチル基
のメチル基以外に主鎖メチレン基100個あたり10個
以下のメチル末端側鎖を有する請求項2〜6のいずれか
記載の流動性向上剤。 - 【請求項8】 (b1)が、数平均分子量500〜1
0,000であり、酢酸ビニル含量が5〜30重量%の
エチレン−酢酸ビニル共重合体である請求項1〜7のい
ずれか記載の流動性向上剤。 - 【請求項9】 (b2)が、マレイン酸ジ−2−エチル
ヘキシルまたはフマル酸ジ−2−エチルヘキシルである
請求項1〜8のいずれか記載の流動性向上剤。 - 【請求項10】 (B)中の(b1)/(b2)の比が
2/1〜1/5(重量比)である請求項1〜9のいずれ
か記載の流動性向上剤。 - 【請求項11】 エチレン−飽和カルボン酸ビニルエス
テル共重合体(A)と、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(b1)の不飽和ジカルボン酸エステル(b2)付加物
(B)と、アルキル基の炭素数が10〜22であるアル
キル(メタ)アクリレート共重合体(C)と基油からな
る燃料油。 - 【請求項12】 エチレン−飽和カルボン酸ビニルエス
テル共重合体(A)と、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(b1)の不飽和ジカルボン酸エステル(b2)付加物
(B)と基油からなり、該(A)が、50〜75重量%
のエチレンと5〜40重量%の酢酸ビニルと1〜25重
量%のネオノナン酸ビニルおよび/またはネオデカン酸
ビニルとの共重合体であり、該共重合体の数平均分子量
が500〜5,000、分子量分布が4.0以下である
燃料油。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9142697A JPH10265787A (ja) | 1997-03-25 | 1997-03-25 | 燃料油用低温流動性向上剤および燃料油 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9142697A JPH10265787A (ja) | 1997-03-25 | 1997-03-25 | 燃料油用低温流動性向上剤および燃料油 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10265787A true JPH10265787A (ja) | 1998-10-06 |
Family
ID=14026058
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9142697A Pending JPH10265787A (ja) | 1997-03-25 | 1997-03-25 | 燃料油用低温流動性向上剤および燃料油 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10265787A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002090470A1 (fr) * | 2001-05-08 | 2002-11-14 | Sanyo Chemical Industries, Ltd. | Agent fluidifiant et composition de mazout |
JP2002348582A (ja) * | 2001-05-25 | 2002-12-04 | Sanyo Chem Ind Ltd | 流動性向上剤 |
JP2009542887A (ja) * | 2006-07-10 | 2009-12-03 | トータル・ラフィナージュ・マーケティング | 炭化水素留分におけるフィルター通過性添加剤の効率を向上させる化合物の使用、およびその化合物を含み共同作用を有する組成物 |
JP2010508412A (ja) * | 2006-11-07 | 2010-03-18 | チバ ホールディング インコーポレーテッド | メタクリレートコポリマーの流動点降下剤 |
JP2016511305A (ja) * | 2013-02-04 | 2016-04-14 | エボニック オイル アディティヴス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングEvonik Oil Additives GmbH | 鉱物ディーゼル、バイオディーゼル及びそれらのブレンドにおいて広い適用性を有する低温流動性向上剤 |
-
1997
- 1997-03-25 JP JP9142697A patent/JPH10265787A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002090470A1 (fr) * | 2001-05-08 | 2002-11-14 | Sanyo Chemical Industries, Ltd. | Agent fluidifiant et composition de mazout |
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JP2013076093A (ja) * | 2006-07-10 | 2013-04-25 | Total Raffinage Marketing | 炭化水素留分におけるフィルター通過性添加剤の効率を向上させる化合物の使用、およびその化合物を含み共同作用を有する組成物 |
JP2010508412A (ja) * | 2006-11-07 | 2010-03-18 | チバ ホールディング インコーポレーテッド | メタクリレートコポリマーの流動点降下剤 |
JP2016511305A (ja) * | 2013-02-04 | 2016-04-14 | エボニック オイル アディティヴス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングEvonik Oil Additives GmbH | 鉱物ディーゼル、バイオディーゼル及びそれらのブレンドにおいて広い適用性を有する低温流動性向上剤 |
US10604715B2 (en) | 2013-02-04 | 2020-03-31 | Evonik Operations Gmbh | Cold flow improver with broad applicability in mineral diesel, biodiesel and blends thereof |
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---|---|---|---|
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