JP2002348582A - 流動性向上剤 - Google Patents

流動性向上剤

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JP2002348582A JP2001156973A JP2001156973A JP2002348582A JP 2002348582 A JP2002348582 A JP 2002348582A JP 2001156973 A JP2001156973 A JP 2001156973A JP 2001156973 A JP2001156973 A JP 2001156973A JP 2002348582 A JP2002348582 A JP 2002348582A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蒸留沸点範囲の狭い燃料油に対しても従来の
ものに比べ少量の添加で低温流動性を大幅に向上でき、
かつ基油への溶解性が良好で通油性に問題のない流動性
向上剤を提供する。 【解決手段】 エチレン(a)並びに脂環基およびエス
テル基を含有するビニル単量体(b)から誘導される単
位を必須構成単位とする共重合体(A)からなる流動性
向上剤

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワックス含有基油
とりわけ燃料油の流動性および通油性を改良する流動性
向上剤に関する。
【0002】
【従来の技術】石油中間留出油、例えばディーゼル燃料
油、A重油等は冬期あるいは寒冷地において低温にさら
されると、その中に含まれるパラフィンワックスやワッ
クス状物質が析出し、燃料の配管系にあるフィルターを
目詰まりさせたり、また、燃料が配管系内で固化するこ
とによりエンジンや燃焼装置を始動できなくなったり、
エンジンが停止したり等の問題が発生する。
【0003】これらの低温での流動性に関する問題を解
決するため、従来、エチレン−不飽和カルボン酸ビニル
エステル共重合体を燃料油に添加する方法が数多く提案
されている。例えば、特公昭39−20069号公報、
特公昭48−23165号公報、特開昭59−1363
91号公報などに記載されている。また、アルカントリ
オールのポリオキシアルキレンエーテルと直鎖飽和脂肪
酸との完全エステルおよびそれらエステルとエチレン−
酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共
重合体、長鎖アルキル基を含む(メタ)アクリル酸共重
合体等とを併用して添加する方法[特公平2−5147
7号公報]、ポリオキシアルキレングリコールの脂肪酸
エステルおよびこれらのエステルとエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体とを併用して添加する方法[特開昭57−1
77092号公報]、3価以上の多価アルコールまたは
その部分エステルのアルキレンオキサイド付加物と脂肪
酸との不完全エステルを添加する方法[特開昭61−1
81892号公報]が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記に開示さ
れているものの低温流動性向上効果はいまだ不十分であ
り、基油中に多量の添加が必要である。その結果、ワッ
クス析出温度(CP)以上であってもフィルターで目詰
まりを起こすという問題点がある。さらに、近年、中間
留出油に対する需要が増大しており、この需要に対応し
た結果、ディーゼル燃料油およびA重油の蒸留性状は蒸
留沸点範囲の狭い、すなわちナローカットな中間留出油
になっている。また、軽油中の硫黄含量を低減するため
水素化脱硫が行われることが多く、さらにナロー蒸留性
状になる傾向にある。これらの中間留出油ではより多く
の流動性向上剤の添加が必要であり、その問題はより大
きくなっている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果,蒸留沸点範囲の狭い燃料油に対しても従来のも
のに比べ少量の添加で低温流動性を大幅に向上でき、か
つ基油への溶解性が良好で通油性に問題のない流動性向
上剤を見いだし本発明に至った。すなわち本発明は、エ
チレン(a)並びに脂環基およびエステル基を含有する
ビニル単量体(b)から誘導される単位を必須構成単位
とする共重合体(A)からなる流動性向上剤である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明における脂環基とは環状飽
和炭化水素基であり、単環であっても縮合環であっても
よい。好ましくは4〜10員環、さらに好ましくは5〜
7員環、およびそれらの縮合環である。本発明に用いら
れる脂環基およびエステル基含有ビニル単量体(b)と
しては、下記一般式(1)〜(3)で示される化合物が
含まれる。 R1−COO−R2 (1) R2−COO−R1 (2) R3−COO−R4 (3) 式中、R1は脂環基を有する炭素数4〜30(脂環基の
炭素も含む)の炭化水素基または置換炭化水素基であ
り、R2はビニル重合性不飽和基を有する炭素数2〜2
4の炭化水素基である。また、R3またはR4のうちの少
なくとも一方は脂環基およびビニル重合性不飽和基を有
する炭素数6〜30の炭化水素基であり、残りの基はR
1もしくはR2と同様の基または炭素数1〜24の飽和炭
化水素基である。
【0007】R1としては以下の炭化水素基または置換
炭化水素基が挙げられる。 (1)炭化水素基; (b1)シクロアルキル基:例えば、シクロブチル基、
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル
基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル
基、デカヒドロナフチル基、ビシクロペンチル基等が挙
げられる。 (b2)アルキルシクロアルキル基:例えば、4−メチ
ル−シクロヘキシル基など、 (b3)シクロアルキルアルキル基:例えば、シクロブ
チルメチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシ
ルエチル基などが挙げられる。 (b4)芳香環含有シクロアルキル基:例えば,フェニ
ルシクロヘキシル基など, (2)置換炭化水素基(炭化水素基の一部が炭化水素以
外の基で置換されたもの); (b5)ヒドロキシル基置換シクロアルキル基:例え
ば、ヒドロキシシクロヘキシル基、ジヒドロキシシクロ
ヘキシル基など、 (b6)アミノ基置換シクロアルキル基:例えば,アミ
ノシクロヘキシル基、アミノメチルシクロヘキシル基な
ど、 (b7)ポリオキシアルキレングリコール(アルキレン
基の炭素数2〜6、重合度2〜50)置換シクロアルキ
ル基:例えば、ポリオキシエチレンシクロヘキシル基、
ポリオキシプロピレンシクロヘキシル基など。 R1のうち、好ましくは(1)の炭化水素基であり、さ
らに好ましくは(b1)のシクロアルキル基および(b
3)のシクロアルキルアルキル基である。
【0008】R2としては例えば、ビニル基、アリル
基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ペ
ンテニル基、オクテニル基、デセニル基、ドデセニル基
などが挙げられる。R2のうち、好ましくはビニル基、
アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基であり、さ
らに好ましくはビニル基およびイソプロペニル基であ
る。
【0009】R3またはR4が脂環基およびビニル重合性
不飽和基を有する炭化水素基である場合、例えば,シク
ロヘキシルビニル基、シクロヘキシルアリル基、シクロ
ヘキシルプロペニル基などが挙げられる。
【0010】R3またはR4が飽和炭化水素基の場合、
例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デ
シル基、ドデシル基、ネオデシル基などが挙げられる。
【0011】一般式(1)で示されるビニル単量体の具
体例としては、シクロヘキサン酸ビニル、シクロオクタ
ン酸ビニルおよびデカヒドロナフチル酸ビニルなどのシ
クロアルキルカルボン酸ビニルエステル、並びにビシク
ロペンチル酸プロペニルなどのシクロアルキルカルボン
酸プロペニルエステルなどが挙げられる。一般式(2)
で示されるビニル単量体の具体例としては、(メタ)ア
クリル酸シクロヘキシルおよび(メタ)アクリル酸デカ
ヒドロナフチルなどの(メタ)アクリル酸シクロアルキ
ルエステル、並びに(メタ)アクリル酸シクロヘキシル
エチルなどの(メタ)アクリル酸シクロアルキルアルキ
ルエステルなどが挙げられる。一般式(3)で示される
ビニル単量体の具体例としては、シクロヘキシル(メ
タ)アクリル酸メチル、シクロヘプチル(メタ)アクリ
ル酸エチルなどが挙げられる。
【0012】また、共重合体(A)は(a)から誘導さ
れる単位および(b)から誘導される単位の他に、必要
により1種以上の他のビニル単量体(c)から誘導され
る単位を構成単位として含んでいてもよく、(c)とし
ては、脂環基およびエステル基のいずれかまたは両方を
1分子中に含有しないビニル単量体であり、以下のもの
が挙げられる。
【0013】(c1)ビニル系炭化水素; (c1-1)脂肪族ビニル系炭化水素:例えば、炭素数
3〜30のアルケン[例えば、プロピレン、1−ブテ
ン、イソブチレン、1−ペンテン、1−ヘプテン、4-
メチルペンテン−1,1−ヘキセン、ジイソブチレン、
1−オクテン、1−ドデセン、1−オクタデセンおよび
その他のα−オレフィンなど]、炭素数4〜18のアル
カジエン[好ましくは炭素数4〜5のブタジエン、イソ
プレン、その他1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサ
ジエンおよび1,7−オクタジエンなど]。 (c1-2)脂環式ビニル系炭化水素(炭素数5〜2
4):例えば、シクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジ
エン、ビニルシクロヘキセン、エチリデンビシクロヘプ
テン、その他ピネン、リモネン、インデンなど。 (c1-3)芳香族ビニル系炭化水素:例えば、スチレ
ン、その他置換スチレン(置換基の炭素数1〜18)
[アルキル置換スチレン(好ましくはα−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、その他2,4−ジメチルスチレ
ン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルス
チレンなど)、シクロアルキル置換スチレン(シクロヘ
キシルスチレンなど)、アリール置換スチレン(フェニ
ルスチレンなど)、アラルキル置換スチレン(ベンジル
スチレンなど)、アシル基置換スチレン(アセトキシス
チレンなど)、フェノキシ基置換スチレン(フェノキシ
スチレンなど)など]、ジビニル置換芳香族炭化水素
[好ましくはジビニルベンゼン、その他ジビニルトルエ
ンおよびジビニルキシレンなど]、ビニルナフタレンな
ど。
【0014】(c2)カルボキシル基含有ビニルモノマ
ーおよびこれらの塩;例えば、モノカルボキシル基含有
ビニルモノマー、例えば不飽和モノカルボン酸[(メ
タ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸など]、2個また
はそれ以上のカルボキシル基を有するビニルモノマー、
例えば不飽和ジカルボン酸およびその無水物[(無水)
マレイン酸、(無水)フマル酸および(無水)イタコン
酸など]など;3個または4個以上のカルボキシル基を
有するビニルモノマー、例えばシトラコン酸およびアコ
ニット酸などが挙げられる。
【0015】(c3)スルホン酸基含有ビニルモノマー
およびこれらの塩;例えば、スルホン酸基含有ビニルモ
ノマーとしては、炭素数2〜8のスルホン酸基置換アル
ケン系モノマー[ビニルスルホン酸、(メタ)アリルス
ルホン酸など]、スルホン酸基含有芳香族ビニルモノマ
ー[スチレンスルホン酸、α−メチルスチレンスルホン
酸など]、スルホン酸基含有(メタ)アクリル系モノマ
ー、例えばスルホン酸基含有(メタ)アクリル酸エステ
ル[スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピルスルホン
酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2、2−ジメチ
ルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシ
エタンスルホン酸など]、およびスルホン酸基含有(メ
タ)アクリルアミド系モノマー[2−(メタ)アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−(メタ)
アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸な
ど]、アルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク
酸エステルなど]:などが挙げられる。
【0016】(c4)燐酸基含有ビニルモノマー;例え
ば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル(炭素数2
〜8)燐酸モノエステル[2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリロイルホスフェートおよびフェニル−2−ア
クリロイロキシエチルホスフェートなど]、(メタ)ア
クリル酸アルキルホスホン酸[2−アクリロイルオキシ
エチルホスホン酸(塩)など]などが挙げられる。
【0017】上記(c2)〜(c4)における塩として
は、例えば、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム
塩など)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネ
シウム塩など)、アミン塩[モノ、ジおよびトリ−のヒ
ドロキシアルキル(炭素数2〜4)および/またはアル
キル(炭素数1〜4)アミン(例えば、モノエタノール
アミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、
トリメチルアミン、トリエチルアミンなど)]、アンモ
ニウム塩および4級アンモニウム塩[例えばテトラアル
キル(炭素数1〜18)アンモニウム塩など]が挙げら
れる。
【0018】(c5)ヒドロキシル基含有ビニルモノマ
ー;例えば、ヒドロキシル基置換アルケン系ビニルモノ
マー[(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコー
ル、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オー
ル、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジ
オールなど]、ヒドロキシル基置換アルキン系ビニルモ
ノマー[プロパギルアルコールなど]、ヒドロキシル基
含有不飽和芳香族ビニルモノマー[ヒドロキシスチレン
など]、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマ
ー[ヒドロキシアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アク
リレート、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなど]、
ヒドロキシル基含有エーテル系モノマー[2−ヒドロキ
シエチルプロペニルエーテルなど]、2〜8価またはそ
れ以上の多価アルコール(トリメチロールプロパン、蔗
糖など)の(モノ〜トリ)アリルエーテルなど。
【0019】(c6)含窒素ビニルモノマー; (c6-1)1〜3級アミノ基含有ビニルモノマー:例
えば、アミノアルキル(炭素数1〜8)(メタ)アクリ
レートもしくは(メタ)アクリルアミド[アミノエチル
(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリ
レート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミドな
ど]およびこれらのモノおよびジアルキル(炭素数1〜
6)置換体[ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−
ブチルアミノエチルメタクリレートなど]、複素環窒素
含有ビニルモノマー[モルホリノエチル(メタ)アクリ
レート、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、ビ
ニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N−ビニルチ
オピロリドン、アミノカルバゾール、アミノチアゾー
ル、アミノインドール、アミノピロール、アミノイミダ
ゾール、アミノメルカプトチアゾールおよびこれらの塩
など]、モノおよびジ(メタ)アリルアミンなどが挙げ
られる。 (c6-2)アミド基含有ビニルモノマー;例えば、
(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリル
アミド、N−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリ
ルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、
N,N′−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルピロリド
ン、N,N−ジベンジルアクリルアミド、その他N−メ
チルN−ビニルアセトアミド、桂皮酸アミド、N−ビニ
ルホルムアミド、メタクリルホルムアミドおよびN−ビ
ニルアセトアミドなどが挙げられる。 (c6-3)ニトリル基含有ビニルモノマー;例えば、
(メタ)アクリロニトリルおよびシアノスチレンなどが
挙げられる。 (c6-4)4級アンモニウムカチオン基含有ビニルモ
ノマー;例えば、ジアルキル(炭素数1〜4)アミノア
ルキル(炭素数2〜8)(メタ)アクリレートもしくは
(メタ)アクリルアミドの4級化物[ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルア
ミドなどの4級化物]、およびジアリルアミンなどの4
級化物が挙げられ、4級化剤としてメチルクロライド、
ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネ
ートなどの炭素数1〜12のアルキルもしくはアラルキ
ル基を有する化合物を用いて4級化したものが例示され
る。 (c6-5)ニトロ基含有ビニルモノマー;例えば、ニ
トロスチレンなどが挙げられる。
【0020】(c7)エポキシ基含有ビニルモノマー;
例えば、グルシジル(メタ)アクリレートおよびアリル
グリシジルエーテルなど。
【0021】(c8)ハロゲン含有ビニルモノマー;例
えば、塩化ビニル、フッ化ビニル、臭化ビニル、塩化ビ
ニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレ
ン、クロルスチレン、クロロメチルスチレン、クロロプ
レン、その他ブロムスチレン、ジクロルスチレン、テト
ラフルオロスチレンおよび塩化アリルなどが挙げられ
る。
【0022】(c9)脂肪酸アルケニルエステル、アル
キルビニルエーテル、ビニルケトン類;例えば、炭素数
2〜18の脂肪酸のビニルエステル[酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、2-
エチルヘキサン酸ビニル、ネオデカン酸ビニル、デカン
酸ビニル、ドデカン酸ビニル、オレイン酸ビニル、リノ
ール酸ビニルなど]、炭素数2〜18の脂肪酸のアリル
エステル[酢酸アリル、プロピオン酸アリル、酪酸アリ
ル、ヘキサン酸アリル、2-エチルヘキサン酸アリル、
ネオデカン酸アリル、デカン酸アリル、ドデカン酸アリ
ル、オレイン酸アリル、リノール酸アリルなど]、炭素
数2〜18の脂肪酸のイソプロペニルエステル[酢酸イ
ソプロペニル、プロピオン酸イソプロペニル、酪酸イソ
プロペニル、ヘキサン酸イソプロペニル、2-エチルヘ
キサン酸イソプロペニル、ネオデカン酸イソプロペニ
ル、デカン酸イソプロペニル、ドデカン酸イソプロペニ
ル、オレイン酸イソプロペニル、リノール酸イソプロペ
ニルなど]、炭素数1〜12のアルキル基を有するアル
キルビニルエーテル[好ましくはメチルビニルエーテ
ル、エチルビニルエーテル、n−およびiso−プロピ
ルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチル
ヘキシルビニルエーテル、その他ドデシルビニルエーテ
ルなど]、並びに炭素数1〜12のアルキル基または芳
香族基を有するビニルケトン[好ましくはメチルビニル
ケトン、エチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、
その他ドデシルビニルケトンなど]などが挙げられる。
【0023】(c10)(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル;例えば、炭素数1〜50(好ましくは1〜2
0)のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル
エステル[好ましくは(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、
(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2
−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メ
タ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ヘプ
タデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル]などが挙げ
られる。
【0024】(c11)ジカルボン酸のモノもしくはジ
エステル;マレイン酸モノもしくはジアルキルエステル
(例えば、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチ
ル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノ2-エチル
ヘキシル、マレイン酸モノドデシル、マレイン酸ジメチ
ル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイ
ン酸ビス2-エチルヘキシル、マレイン酸ジドデシルな
ど)、マレイン酸モノもしくはジアリールエステル(例
えば、マレイン酸モノベンジル、マレイン酸ジフェニ
ル、フマル酸ジベンジルなど)、フマル酸モノもしくは
ジアルキルエステル(例えば、フマル酸モノメチル、フ
マル酸モノブチル、フマル酸モノ2-エチルヘキシル、
フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチ
ル、フマル酸ビス2-エチルヘキシル、フマル酸ジドデ
シルなど)、フマル酸モノもしくはジアリールエステル
(例えば、フマル酸モノベンジル、フマル酸ジフェニ
ル、フマル酸ジベンジルなど)、イタコン酸モノもしく
はジアルキルエステル(例えば、イタコン酸モノメチ
ル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノブチル、イ
タコン酸モノ2-エチルヘキシル、イタコン酸モノドデ
シル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタ
コン酸ジブチル、イタコン酸ビス2-エチルヘキシル、
イタコン酸ジドデシルなど)、イタコン酸モノもしくは
ジアリールエステル(例えば、イタコン酸モノベンジ
ル、イタコン酸ジフェニル、イタコン酸ジベンジルな
ど)が挙げられる。
【0025】(c12)ポリオキシアルキレン鎖を有す
るビニルモノマー;例えば、(メタ)アクリル酸ポリオ
キシエチレン(重合度=2〜100)グリコールモノエ
ステル、(メタ)アクリル酸ポリオキシプロピレン(重
合度=2〜100)グリコールモノエステル、(メタ)
アクリル酸メトキシポリオキシエチレン(重合度=2〜
100)グリコールエステル、(メタ)アクリル酸ラウ
ロキシポリオキシエチレン(重合度=2〜100)グリ
コールエステルなど。
【0026】(c13)多官能(メタ)アクリル酸エス
テル;多価アルコール類のポリ(メタ)アクリル酸エス
テル、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネ
オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレートおよび(ポ
リ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ジ(メタ)
アクリレートなど。
【0027】(c14)その他のビニルモノマー;例え
ば、イソシアネート基含有ビニルモノマー、例えばイソ
シアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペ
ニル−α,α−ジメチルメチルベンジルイソシアネート
など。
【0028】これらのうち好ましいものは、(c1-
1)脂肪族ビニル系炭化水素、(c9)のうちの脂肪酸
アルケニルエステル、(c10)(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルおよび(c11)ジカルボン酸のモノも
しくはジエステルであり、さらに好ましいものは、炭素
数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基を有する脂肪酸
ビニルエステル、炭素数1〜4の直鎖または分岐のアル
キル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、
炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基を有するフ
マル酸ジアルキルエステル、炭素数1〜4の直鎖または
分岐のアルキル基を有するマレイン酸ジアルキルエステ
ル、およびそれらの併用であり、特に好ましいものは、
酢酸ビニルである。(c1-1)のうちさらに好ましい
ものは炭素数3〜24のα-オレフィンであり、とくに
好ましいものは炭素数3〜12のα-オレフィンであ
り、とりわけ好ましいものはプロピレン、1-ブテン、
1-ヘキセンおよび4-メチルペンテン-1である。
【0029】(A)における構成単位のうち、エチレン
基(a)の割合は、好ましくは55〜95モル%、さら
に好ましくは70〜90モル%、とくに好ましくは82
〜88モル%であり、重量%としては好ましくは40〜
80重量%、さらに好ましくは45〜65、とくに好ま
しくは51〜61重量%である。エチレン基の割合が5
5モル%以上(または40重量%以上)であれば、適度
な結晶性を示す点で好ましく、95モル%以下(または
80重量%以下)であれば流動性が良好な点で好まし
い。
【0030】また、(A)における構成単位のうち
(b)の割合は、好ましくは3〜45モル%、さらに好
ましくは5〜30モル%、とくに好ましくは8〜18モ
ル%であり、重量%としては好ましくは20〜60重量
%、さらに好ましくは30〜55、とくに好ましくは3
5〜49重量%である。(b)の割合が45モル%以下
(または60重量%以下)であれば、適度な結晶性を示
す点で好ましく、3モル%以上(または20重量%以
上)であれば流動性が良好な点で好ましい。
【0031】また、必要により併用される(c)の割合
は、好ましくは全構成単位のうちの30モル%以下であ
り、さらに好ましくは15モル%以下、特に好ましくは
8モル%以下である。
【0032】(A)の数平均分子量は好ましくは500
〜8,000、さらに好ましくは1,000〜3,00
0である。数平均分子量が500以上であれば基油への
溶解性が安定する点で好ましく、8,000以下であれ
ば当該流動性向上剤自体が適度な流動性を示す点で好ま
しい。数平均分子量は標準物質にポリスチレンを用いた
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)に
より、ポリスチレン換算分子量として測定することが出
来る。
【0033】(A)の分岐度は、好ましくは4%以下、
さらに好ましくは3.5%以下、特に好ましくは3.0
%以下である。尚、分岐度とは(a)、(b)および
(c)のビニル基由来のメチレン基、メチン基の総和に
対する枝分かれによって生じたメチル基の比率であり、
エチレンおよびビニル基由来のメチレン基とメチン基の
総和100個に対する分岐由来のメチル基の個数であ
る。分岐度は1H-NMRによって求めることができる。
たとえばエチレンと酢酸ビニルの共重合体の場合は、
0.8〜0.9ppmのピーク強度[1](分岐メチル基
由来)と、1.0〜1.9ppmのピーク強度[2](エ
チレンおよび酢酸ビニルのビニルメチレン由来)と、
2.0ppm付近のピーク強度[3](酢酸ビニルのアセ
チルメチル基由来)と4.7〜5.0ppmのピーク強
度[4](酢酸ビニルのビニルメチン由来)から下式のよ
って算出する。 分岐度(%) = [1]/3÷{([2]−[1]/3)/2+
[1]/3+[4]}×100 酢酸ビニル以外の脂肪酸ビニルから誘導される単位を構
成単位として含有する場合は、脂肪酸基由来のピークが
[1]および[2]と重なる場合がある。その場合は脂肪酸基
のカルボニル基の隣の炭素に結合しているプロトンのピ
ークの強度[5](2.0〜2.3ppm)および4.7
〜5.0ppmのピーク強度[4](脂肪酸ビニルのビニ
ルメチン由来)から脂肪酸ビニルの含有量を求め、その
モル比から[1]および[2]と重なっている脂肪酸基の吸収
を減じて算出する。α-オレフィンから誘導される単位
を構成単位として含有している場合は、1H-NMRでは
分岐とα-オレフィンの区別が困難なので、重合時の仕
込量からα-オレフィンの共重合比を算出し、そのモル
比から[1]および[2]と重なっているα-オレフィン側鎖
の吸収を減じて算出する。
【0034】本発明の共重合体(A)の具体例として
は、例えばエチレン−シクロヘキシルカルボン酸ビニル
エステル共重合体、エチレン−シクロヘキシルカルボン
酸ビニルエステル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ア
クリル酸シクロヘキシル共重合体、エチレン−アクリル
酸シクロヘキシル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−フ
マル酸ジシクロヘキシル共重合体、エチレン−アクリル
酸デカヒドロナフチル共重合体などが挙げられる。
【0035】(A)の製造方法は、公知の重合方法が使
用でき、例えば前記したビニル系単量体を溶剤中で重合
触媒を使用してラジカル重合することにより得られる。
重合温度は通常30〜150℃であり、加圧下での反応
が適している。溶剤としては、例えば、芳香族炭化水素
系溶剤(トルエン、キシレン、ベンゼンなど)、脂肪族
炭化水素系溶剤(例えば、n−へキサン、n−オクタン
など)、ケトン系溶剤(例えば、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトンなど)、エステル系溶剤(例え
ば、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)などが挙げられる。
重合触媒としては、アゾ系(例えば、アゾビスイソブチ
ロニトリル、アゾビスバレロニトリルなど)や過酸化物
系(例えば、ベンゾイルパーオキシド、クミルパーオキ
シド、ラウリルパーオキシドなど)を用い、必要によ
り、連鎖移動剤(例えば、アルキルメルカプタン、アル
コール類など)を用いてもよい。重合反応後は必要によ
り溶剤を留去してもよい。
【0036】(A)の製造方法には、上記のように、単
量体を重合して直接製造する方法以外に、既に製造され
た共重合体を、以下のようにさらに有機化学反応させる
方法も含まれる。 エチレンと前記(c5)ヒドロキシル基含有ビニルモ
ノマーから製造された共重合体に、脂環基を有する炭素
数5〜31のカルボン酸を用いてエステル化反応させる
方法、 エチレンと前記(c2)カルボキシル基含有ビニルモ
ノマーおよびこれらの塩もしくは(c11)ジカルボン
酸のモノもしくはジエステルのうちのモノエステルから
製造された共重合体に、脂環基を有する炭素数4〜30
のアルコールを用いてエステル化反応させる方法。 エチレンと前記(c9)のうちの脂肪酸アルケニルエ
ステル(例えば酢酸ビニルなど)から製造された共重合
体に、脂環基を有する炭素数5〜31のカルボン酸の低
級アルコール(炭素数1〜4)エステルを用いてエステ
ル交換させる方法。 エチレンと前記(c10)(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルまたは(c11)から製造された共重合体
に、脂環基を有する炭素数4〜30のアルコールの低級
カルボン酸(炭素数2〜5)エステルを用いてエステル
交換させる方法。
【0037】本発明の流動性向上剤は、共重合体(A)
とともに、エチレン(a)と前述のビニル単量体(c)
から構成される共重合体(B)の1種以上を含有してい
てもよい。(B)を構成する(c)のうち、好ましいも
のは前述の(c9)および(c1-1)、さらに好まし
いものは(c9)のうちの酢酸ビニルおよび炭素数8〜
18のカルボン酸ビニルエステル、並びに(c1-1)
のうちの炭素数8〜18のα−オレフィンであり、これ
らは2種以上を併用してもよい。(B)中の(a)/
(c)の構成比率(モル%)は、好ましくは80〜99
/20〜1、さらに好ましくは85〜98/15〜2で
ある。(a)が80モル%以上、あるいは98モル%以
下であれば流動性向上能が著しい点で好ましい。また、
(B)は、上記の(a)および(c)から構成される共
重合体にさらに(c)をグラフト共重合したものであっ
てもよい。(c)をグラフト共重合することで基油への
溶解性が向上する。グラフト共重合体のグラフト部分を
構成する単量体としては、前述の(c)のうちエステル
基を含有している単量体、たとえば、(c9)のうちの
カルボン酸ビニルエステル 、(c10)および(c1
1)などが挙げられ、好ましいものは(c11)、さら
に好ましいものはフマル酸ジアルキルエステルおよびマ
レイン酸ジアルキルエステルである。
【0038】本発明において、(B)を併用する場合の
(A)/(B)の重量比は、好ましくは100〜70/
0〜30、さらに好ましくは95〜80/5〜20、特
に好ましくは95〜90/5〜10である。(A)が7
0以上であれば流動性向上効果が充分に発揮できる。
【0039】本発明の流動性向上剤は、これを溶剤に溶
解した形態とすることもできる。あらかじめ溶剤に溶解
しておくことで、燃料油などに添加する際に容易に溶解
するようになり、低温流動性が発現しやすくなる点で好
ましい。溶剤としては、脂肪族溶剤{炭素数6〜18の
脂肪族炭化水素(ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサ
ン、オクタン、デカリン、灯油など)};芳香族溶剤
[炭素数7〜15の芳香族溶剤{トルエン、キシレン、
エチルベンゼン、炭素数9の芳香族混合溶剤(トリメチ
ルベンゼン、エチルトルエンなどの混合物)、炭素数1
0〜11の芳香族混合溶剤(ジエチルベンゼン、ジエチ
ルトルエンなどの混合物)など}]など挙げられる。こ
れらのうち好ましいものは炭素数7〜15の芳香族溶剤
であり、さらに好ましいものは炭素数9の芳香族混合溶
剤および炭素数10〜11の芳香族混合溶剤である。
【0040】本発明の流動性向上剤が溶剤を含む場合の
共重合体成分と溶剤の重量比率は、共重合体成分と溶剤
の合計重量に対して、好ましくは溶剤が10〜80、さ
らに好ましくは25〜60、特に好ましくは30〜50
である。溶剤の比率が多いほうが燃料油などに容易に溶
解する点で好ましいが、あまり多いのは経済的ではな
い。また、該流動性向上剤の100℃における動粘度
は、好ましくは100mm2/s以下、さらに好ましくは5
〜80mm2/s、特に好ましくは10〜60mm2/sであ
る。動粘度を100mm2/s以下にすることで、燃料油な
どの基油への溶解が容易になる。
【0041】本発明における向上剤は、硫黄含量が0.
05重量%以下の低硫黄燃料油に対しても有効であり、
低硫黄燃料油の具体例としては、低硫黄原油(たとえ
ば、ミナス原油等南方系の原油)の通常の蒸留で得られ
るJIS1号軽油、JIS2号軽油、JIS3号軽油、
JIS特3号軽油;通常の原油から水素化脱硫処理工程
を経て製造される脱硫軽油;この脱硫軽油と直留軽油
(水素化脱硫工程前の軽油)をブレンドして得られる軽
油留分から製造されるJIS1号軽油、JIS2号軽
油、JIS3号軽油、JIS特3号軽油が挙げられる。
特に好ましくは、水素化脱硫処理工程を経て製造される
脱硫軽油を50重量%以上使用して製造されるJIS1
号軽油、JIS2号軽油、JIS3号軽油、JIS特3
号軽油である。
【0042】本発明の低温流動性向上剤を燃料油に添加
する場合の添加量としては、好ましくは0.001〜
0.50重量%、さらに好ましくは0.003〜0.1
0重量%、特に好ましくは0.005〜0.050重量
%である。0.001重量%未満では低温流動性が不十
分であり、0.50重量%を越えると添加効率が悪くな
り経済性が損なわれる。
【0043】また、本発明の低温流動性向上剤は、その
使用に際して必要とされる機能に応じて他の燃料油添加
剤を併用することに関して特に制限しない。例えばさら
に腐食防止性を付与する場合には腐食防止剤(例えばア
ルケニルコハク酸系防錆剤、アルケニルコハク酸のエス
テル系防錆剤)、防錆性を付与する場合には防錆剤(例
えば、ドデシルアミンのエチレンオキサイド付加物、オ
クチルアミン)を使用しても良い。清浄性を付与する場
合には清浄剤(例えば、ジブチルアミンのエチレンオキ
サイド付加物、ブタノールのエチレンオキサイド付加
物)、潤滑性を付与する場合には潤滑性向上剤(例え
ば、高級脂肪酸混合物、ソルビタンモノオレート、グリ
セリンモノオレート)、その他消泡剤、オクタン価向上
剤などの添加剤を任意の量使用してもよい。
【0044】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下
には、エステル基のメチル基以外にエチレン鎖のメチレ
ン基100個当りのメチル末端側鎖分岐をメチル分岐度
として示した。
【0045】実施例1 エチレン:シクロヘキサンカルボン酸ビニルエステル=
55:45重量%(87:13モル%)の共重合体を本
発明の流動性向上剤A1とした。A1の数平均分子量は
2200,メチル分岐度は5.2であった。A1を表1
に示す性状の燃料油(軽油)2種類に所定量(表2、表
3に記載)添加し、流動性向上効果を評価した。流動性
向上効果はPP(流動点:JIS K2269)とCF
PP(低温濾過器目詰まり点:JIS K2288)を
測定し評価した。燃料油1に添加した場合の評価結果を
表2に、燃料油2に添加した場合の評価結果を表3に示
す。
【0046】実施例2 エチレン:シクロヘキサンカルボン酸ビニルエステル:
酢酸ビニル=55:35:10重量%(85:10:5
モル%)の共重合体を本発明の流動性向上剤A2とし
た。A2の数平均分子量は1500,メチル分岐度は
4.0であった。流動性向上効果を実施例1と同様にし
て評価した。結果を表2、表3に示す。
【0047】比較例1 エチレン:酢酸ビニル=75:25(重量%)の共重合
体を比較例の流動性向上剤X1とした。X1の数平均分
子量は1700,メチル分岐度は7.9であった。流動
性向上効果を実施例1と同様にして評価した。結果を表
2、表3に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【発明の効果】本発明の流動性向上剤は従来のものに比
較し,燃料油の低温流動特性を更に向上させるものであ
ると同時に,燃料油のワックス分散性およびフィルタ−
通油性を良好にするものである。また,PP,CFPP
も相乗的に向上させることができ,さらに燃料油のエン
ジン内での潤滑性能の向上も期待できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 218:04) C08F 220:18 (C08F 210/02 C10N 20:00 Z 220:18) 20:04 C10N 20:00 30:02 20:04 40:25 30:02 40:25 Fターム(参考) 4H013 CC01 4H104 CB04C CB08C EA03C EA21C LA01 PA41 4J100 AA02P AG04R AG08Q AL08Q BC02Q BC03Q BC04Q BC12Q CA04 CA05 DA01 JA15

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン(a)並びに脂環基およびエステ
    ル基を含有するビニル単量体(b)から誘導される単位
    を必須構成単位とする共重合体(A)からなる流動性向
    上剤。
  2. 【請求項2】(b)がシクロアルキルカルボン酸ビニル
    エステル、シクロアルキルアルキルカルボン酸ビニルエ
    ステル、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルお
    よび(メタ)アクリル酸シクロアルキルアルキルエステ
    ルから選ばれる1種以上である請求項1記載の流動性向
    上剤。
  3. 【請求項3】(A)が,さらに酢酸ビニルから誘導され
    る単位を必須構成単位とする共重合体である請求項1ま
    たは2記載の流動性向上剤。
  4. 【請求項4】(A)における構成単位のうち,エチレン
    から誘導される単位の割合が55〜95モル%である請
    求項1〜3のいずれか記載の流動性向上剤。
  5. 【請求項5】(A)の数平均分子量が500〜8,00
    0である請求項1〜4のいずれか記載の流動性向上剤。
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