JP2003246991A - 流動性向上剤および燃料油組成物 - Google Patents
流動性向上剤および燃料油組成物Info
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Abstract
沸点範囲の狭い燃料油に対しても従来のものに比べ少量
の添加で低温流動性を大幅に向上でき、かつ基油への溶
解性が良好で通油性に問題のない流動性向上剤および燃
料油組成物を提供する。 【解決手段】 エチレン(a)および下記一般式(1)
〜(3)のいずれかで表される化合物からなる群から選
ばれる1種以上の単量体(b)から誘導される単位を必
須構成単位とする共重合体(A)からなることを特徴と
する流動性向上剤およびそれを含む燃料油組成物であ
る。 R1−COO−R2 (1) R2−COO−R1 (2) R3−(COOR1)2 (3) 式中、R1は炭素数5〜23の不飽和脂肪族炭化水素
基、R2は炭素数1〜4のアルケニル基、R3は炭素数1
〜4のアルケニレン基である。
Description
とりわけ燃料油の流動性および通油性を改良する流動性
向上剤に関する。
重油等)は冬期あるいは寒冷地において低温にさらされ
ると、その中に含まれるパラフィンワックスやワックス
状物質が析出し、燃料の配管系にあるフィルターを目詰
まりさせたり、配管系内で固化する等の問題が発生して
いる。
決するため、従来、エチレン−不飽和カルボン酸ビニル
エステル共重合体を燃料油に添加する方法が数多く提案
されている。例えば、特公昭39−20069号公報、
特公昭48−23165号公報、特開昭59−1363
91号公報などに記載されている。また、アルカントリ
オールのポリオキシアルキレンエーテルと直鎖飽和脂肪
酸との完全エステルおよびそれらエステルとエチレン−
酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共
重合体、長鎖アルキル基を含む(メタ)アクリル酸共重
合体等とを併用して添加する方法[特公平2−5147
7号公報]、ポリオキシアルキレングリコールの脂肪酸
エステルおよびこれらのエステルとエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体とを併用して添加する方法[特開昭57−1
77092号公報]、3価以上の多価アルコールまたは
その部分エステルのアルキレンオキサイド付加物と脂肪
酸との不完全エステルを添加する方法[特開昭61−1
81892号公報]が提案されている。
れているものの低温流動性向上効果はいまだ不十分であ
るため、基油中に多量の添加が必要である。その結果、
ワックス析出温度(CP)以上であってもフィルターで
目詰まりを起こすという問題点がある。さらに近年、中
間留出油に対する需要が増大しており、この需要に対応
した結果、ディーゼル燃料油およびA重油の蒸留性状は
蒸留沸点範囲の狭い、すなわちナローカットな中間留出
油になっている。また、軽油中の硫黄含量を低減するた
め水素化脱硫が行われることが多く、さらにナローな蒸
留性状になる傾向にある。これらの中間留出油ではより
多くの流動性向上剤の添加が必要であり、その問題はよ
り大きくなっている。
た結果,蒸留沸点範囲の広い燃料油のみならず、蒸留沸
点範囲の狭い燃料油に対しても従来のものに比べ少量の
添加で低温流動性を大幅に向上でき、かつ基油への溶解
性が良好で通油性に問題のない流動性向上剤を見いだし
本発明に至った。すなわち本発明は、エチレン(a)お
よび下記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される化
合物からなる群から選ばれる1種以上の単量体(b)か
ら誘導される単位を必須構成単位とする共重合体(A)
からなることを特徴とする流動性向上剤、該流動性向上
剤を含む燃料油添加剤組成物および燃料油組成物であ
る。 R1−COO−R2 (1) R2−COO−R1 (2) R3−(COOR1)2 (3) 式中、R1は炭素数5〜23の不飽和脂肪族炭化水素
基、R2は炭素数1〜4のアルケニル基、R3は炭素数1
〜4のアルケニレン基である。
(3)におけるR1は炭素数5〜23の不飽和脂肪族炭
化水素基であり、アルケニル基、アルカジエニル基、ア
ルカトリエニル基、シクロアルケニル基、シクロアルケ
ニルアルキル基、アルキルシクロアルケニル基、シクロ
アルカジエニル基、シクロアルカジエニルアルキル基お
よびアルキルシクロアルカジエニル基などが含まれる。
ケニル基(n−ペンテニル基、n−へキセニル基、n−
オクテニル基、n−ウンデセニル基、8−ヘプタデセニ
ル基、n−ヘニコセニル基など)および分岐アルケニル
基(2−メチルペンテニル基、テトラメチルオクテニル
基など);アルカジエニル基としては、例えば、直鎖ア
ルカジエニル基(1,4−ペンタジエニル基、1,5−
ヘキサジエニル基、ウンデカジエニル基、8,11−ヘ
プタデカジエニル基など)および分岐アルカジエニル基
(2−メチル1,5−ペンタジエニル基など);アルカ
トリエニル基としては、例えば、直鎖アルカトリエニル
基(1,3,5−オクタトリエニル基、8,11,14
−ヘプタトリエニル基など);シクロアルケニル基とし
ては、例えば、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル
基、シクロオクテニル基、ノルボルネニル基など;シク
ロアルケニルアルキル基としては、例えば、シクロペン
テニルエチル基、シクロヘキセニルエチル基、シクロヘ
キセニルブチル基など;アルキルシクロアルケニル基と
しては、例えば、2−メチルシクロペンテニル基、3−
ノニルシクロヘキセニル基など;シクロアルカジエニル
基としては、例えば、シクロペンタジエニル基、シクロ
ヘキサジエニル基、ジシクロペンタジエニル基、テトラ
ヒドロインデニル基など;シクロアルカジエニルアルキ
ル基としては、例えば、シクロペンタジエニルエチル
基、シクロヘキサジエニルメチル基など;アルキルシク
ロアルカジエニル基としては、例えば、3メチルシクロ
ペンタジエニル基、4−メチルシクロヘキサジエニル基
など;が挙げられる。R1のうち、好ましいのはアルケ
ニル基、アルカジエニル基、アルカトリエニル基および
シクロアルケニル基であり、さらに好ましいのは、アル
ケニル基、アルカジエニル基およびアルカトリエニル基
である。また、R1の炭素数は好ましくは10〜24、
さらに12〜20、特に18が好ましく、直鎖が好まし
い。
り、例えば、ビニル基、アリル基、メタリル基、プロペ
ニル基およびイソプロペニル基などが含まれる。R2の
うち好ましいのはビニル基およびアリル基、特にビニル
基である。
り、例えば、ビニレン基、1,3−プロペニレン基、
1、2−プロペニレン基およびイソプロペニレン基など
があげられ、好ましいものはビニレン基およびイソプロ
ペニレン基、特にビニレン基である。
うち、R2がビニル基のものの具体例としては、炭素数
6〜24の不飽和脂肪族カルボン酸(炭素数はカルボニ
ル炭素も含む:以下同様)のビニルエステル(b11)
[例えば、デセン酸ビニル、ドデセン酸ビニル、テトラ
デセン酸ビニル、ヘキサデセン酸ビニル、オレイン酸ビ
ニルおよびエイコセン酸ビニルなどR1がアルケニル基
のもの;ドデカジエン酸ビニルおよびリノール酸ビニル
などR1がアルカジエニル基のもの、リノレン酸ビニル
などR1がアルカトリエニル基のものなど]、並びにR2
がその他のアルケニル基のものの具体例としては、炭素
数6〜24の不飽和脂肪族カルボン酸のアルケニルエス
テル(b12)[例えば、オレイン酸アリル、オレイン酸
プロペニルおよびオレイン酸イソプロペニルなどR1が
アルケニル基のもの;リノール酸アリル、リノール酸プ
ロペニルおよびリノール酸イソプロペニルなどR1がア
ルカジエニル基のもの;リノレン酸アリル、リノレン酸
プロペニルおよびリノレン酸イソプロペニルなどR1が
アルカトリエニル基のもの]などが挙げられ、これら単
独でもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
うち、R2がビニル基のもの(b21)の具体例としては、ア
クリル酸の不飽和脂肪族炭化水素基エステル[例えば、
アクリル酸ヘキセニル、アクリル酸オクテニル、アクリ
ル酸デセニル、アクリル酸ドデセニルおよびアクリル酸
オレイルなどR1がアルケニル基のもの;アクリル酸リ
ノレイルなどR1がアルカジエニル基もしくはアルカト
リエニル基のもの];R2がイソプロペニル基のもの(b2
2)の具体例としては、メタクリル酸の不飽和脂肪族炭化
水素エステル[例えば、メタクリル酸ヘキセニル、メタ
クリル酸オクテニル、メタクリル酸デセニル、メタクリ
ル酸ドデセニルおよびメタクリル酸オレイルなどR1が
アルケニル基のもの;メタクリル酸リノレイルなどR1
がアルカジエニル基もしくはアルカトリエニル基のも
の];R2がその他のアルケニル基のもの(b23)の具体例
としては、クロトン酸アルケニルエステル[例えば、ク
ロトン酸デセニル、クロトン酸ドデセニルおよびクロト
ン酸オレイルなどR1がアルケニル基のものなど];が
挙げられる。
うち、R3がビニレン基のもの(b31)の具体例としては、
マレイン酸もしくはフマル酸の不飽和脂肪族炭化水素基
ジエステル[例えば、マレイン酸ジヘキセニル、マレイ
ン酸酸ジオクテニル、マレイン酸ジデセニル、フマル酸
ドデセニルおよびマレイン酸オレイルなどR1がアルケ
ニル基のもの;マレイン酸ジリノレイルなどR1がアル
カジエニル基もしくはアルカトリエニル基のもの];R
3がイソプロペニレン基のもの(b32)の具体例としては、
例えば、イタコン酸ジヘキセニル、イタコン酸ジオクテ
ニル、イタコン酸ジデセニル、イタコン酸ドデセニルお
よびイタコン酸ジオレイルなどR1がアルケニル基のも
の;イタコン酸ジリノレイルなどR1がアルカジエニル
基もしくはアルカトリエニル基のもの];が挙げられ
る。
1)であり、さらに好ましいものは(b11)、特に好まし
いものは炭素数18の不飽和脂肪族カルボン酸のビニル
エステルであり、とりわけオレイン酸ビニル、リノール
酸ビニル、リノレン酸ビニルおよびその混合物が好まし
い。
(b)から誘導される単位の他に必要により1種以上の
他の単量体(c)から誘導される単位を構成単位として
含んでいてもよい。(c)としては以下の、飽和脂肪族
カルボン酸または芳香族カルボン酸のアルケニルエステ
ル(c1)、飽和脂肪族アルコールまたは芳香族アルコー
ルなどの不飽和カルボン酸エステル(c2)並びにその他
の単量体(c3)が挙げられる。
ン酸(好ましくは炭素数1〜30の直鎖または分岐アル
キル基を有するカルボン酸)のアルケニル(ビニル、ア
リル、イソプロペニルなど)エステル[酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、2
-エチルヘキサン酸ビニル、ネオデカン酸ビニル、デカ
ン酸ビニル、ドデカン酸ビニル、酢酸アリル、プロピオ
ン酸アリル、酪酸アリル、ヘキサン酸アリル、2-エチ
ルヘキサン酸アリル、ネオデカン酸アリル、デカン酸ア
リル、ドデカン酸アリル、酢酸イソプロペニル、プロピ
オン酸イソプロペニル、酪酸イソプロペニル、ヘキサン
酸イソプロペニル、2-エチルヘキサン酸イソプロペニ
ル、ネオデカン酸イソプロペニル、デカン酸イソプロペ
ニル、ドデカン酸イソプロペニルなど];(c12)シク
ロアルキルカルボン酸のアルケニル(ビニル、アリル、
イソプロペニルなど)エステル[シクロヘキサン酸ビニ
ル、シクロオクタン酸ビニル、デカヒドロナフチル酸ビ
ニル、ビシクロペンチル酸プロペニルなど];(c13)
芳香族カルボン酸のアルケニル(ビニル、アリル、イソ
プロペニルなど)エステル[安息香酸ビニル、安息香酸
アリルなど]などが挙げられる。
ール(好ましくは炭素数1〜30の直鎖または分岐アル
キルアルコール)の不飽和カルボン酸[(メタ)アクリ
ル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸
など]エステル[(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メ
タ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エ
チルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)
アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデ
シル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アク
リル酸ベヘニル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モ
ノエチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノ2-
エチルヘキシル、マレイン酸モノドデシル、マレイン酸
ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、
マレイン酸ビス2-エチルヘキシル、マレイン酸ジドデ
シル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノブチル、フマ
ル酸モノ2-エチルヘキシル、フマル酸ジメチル、フマ
ル酸ジエチル、フマル酸ジブチル、フマル酸ビス2-エ
チルヘキシル、フマル酸ジドデシルイタコン酸モノメチ
ル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノブチル、イ
タコン酸モノ2-エチルヘキシル、イタコン酸モノドデ
シル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタ
コン酸ジブチル、イタコン酸ビス2-エチルヘキシル、
イタコン酸ジドデシルなど];(c22)脂環アルコール
の不飽和カルボン酸エステル[(メタ)アクリル酸シク
ロヘキシルおよび(メタ)アクリル酸デカヒドロナフチ
ル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルエチルなど];
(c23)芳香族アルコールの不飽和カルボン酸エステル
[(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベ
ンジル、マレイン酸モノベンジル、マレイン酸ジフェニ
ル、フマル酸ジベンジル、フマル酸モノベンジル、フマ
ル酸ジフェニル、フマル酸ジベンジル、イタコン酸モノ
ベンジル、イタコン酸ジフェニル、イタコン酸ジベンジ
ルなど];(c24)多価アルコール類の不飽和カルボン
酸エステル[エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネ
オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレートおよび(ポ
リ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ジ(メタ)
アクリレートなど]などが挙げられる。
50の直鎖または分岐の1-オレフィン[プロピレン、1
-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチルペンテン-
1、1-オクテン、1-ドデセン、1-テトラデセンおよび1-
オクタデセンおよびその他のα−オレフィンなど];脂
環式炭化水素系ビニル単量体[シクロヘキセン、(ジ)
シクロペンタジエン、ノルボルネン、ピネン、インデ
ン、ビニルシクロヘキセンなど];炭素数2〜4のアル
ケニル基を有するアルキルアルケニルエーテル[炭素数
1〜12の直鎖又は分岐アルキル基を有するアルキルア
ルケニルエーテル(メチルビニルエーテル、エチルビニ
ルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエ
ーテル、ドデシルビニルエーテル、メチルアリルエーテ
ル、エチルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、オ
クチルアリルエーテル、ドデシルアリルエーテルな
ど)、アリールビニルエーテル(フェニルビニルエーテ
ルなど)];芳香族炭化水素系ビニル単量体[スチレ
ン、ビニルトルエンなど];炭素数4〜12のアルカジ
エン[ブタジエン、イソプレン、1,4-ペンタジエン、1,
7-オクタジエンなど];ビニルケトン類[メチルビニル
ケトン、ブチルビニルケトン、フェニルビニルケトンな
ど];ハロゲン原子含有ビニル単量体[塩化ビニル、塩
化ビニリデン、臭化ビニルなど];アミド基もしくはイ
ミド基含有ビニル単量体{非置換もしくはアルキル(炭
素数1〜4)置換(メタ)アクリルアミド[(メタ)ア
クリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-i-
プロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メ
タ)アクリルアミドなど]、N-ビニルカルボン酸アミド
[N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビ
ニルピロリドンなど]、および非置換もしくは置換マレ
イミド[マレイミド、フェニルマレイミド、エチルマレ
イミド、ドデシルマレイミドなど]など};ヒドロキシ
ル基含有ビニル単量体{ヒドロキシル基含有芳香族ビニ
ル単量体[p-ヒドロキシスチレンなど]、ヒドロキシア
ルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリレート[2-ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレートなど]、および炭素
数2〜12のアルケノール[ビニルアルコール(カルボ
ン酸ビニル単位の加水分解により形成される)、(メ
タ)アリルアルコール、(イソ)プロペニルアルコー
ル、1-オクテノールなど]など};1〜3級アミノ基含
有単量体{炭素数2〜6のアルケニルアミン[ビニルア
ミン、アリルアミン、クロチルアミンなど]、アミノア
ルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリレート[アミノ
エチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、モルホリノエチル(メタ)アクリレート
など]、アミノアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アク
リルアミド[アミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジ
メチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなど]、
アミノ基含有芳香族ビニル単量体[N,N-ジメチルアミノ
スチレンなど]、含窒素複素環含有ビニル単量体[ビニ
ルピリジン、ビニルカルバゾールなど]など};ニトリ
ル基またはニトロ基含有ビニル単量体[(メタ)アクロ
ロニトリル、シアノスチレン、ニトロスチレンなど];
エポキシ基含有ビニル単量体[グリシジル(メタ)アク
リレート、グリシジル(メタ)アリルエーテルなど];
カルボキシル基含有ビニルモノマー[(メタ)アクリル
酸、クロトン酸、桂皮酸、(無水)マレイン酸、(無
水)フマル酸および(無水)イタコン酸、シトラコン酸
およびアコニット酸など];ポリオキシアルキレン鎖を
有するビニルモノマー[(メタ)アクリル酸ポリオキシ
エチレン(重合度=2〜100)グリコールモノエステ
ル、(メタ)アクリル酸ポリオキシプロピレン(重合度
=2〜100)グリコールモノエステル、(メタ)アク
リル酸メトキシポリオキシエチレン(重合度=2〜10
0)グリコールエステル、(メタ)アクリル酸ラウロキ
シポリオキシエチレン(重合度=2〜100)グリコー
ルエステルなど];イソシアネート基含有ビニルモノマ
ー[イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イ
ソプロペニル−α,α−ジメチルメチルベンジルイソシ
アネートなど]などが挙げられる。
1)、(c2)およびこれらと少量の(c3)の併用であ
り、さらに好ましいものは(c11)およびこれらと少量
の他の単量体の併用であり、特に好ましいものは炭素数
2〜4の飽和脂肪族カルボン酸のビニルエステルおよび
これらと少量の他の単量体の併用であり、とりわけ好ま
しいものは酢酸ビニルである。
構成する単量体(a)、(b)および(c)そのものを
共重合してもよいが、(A)に誘導可能な他の単量体
を共重合した後、それをさらに反応せしめて目的の
(A)を得ることもできる。の方法のほうが、容易に
目的の(A)が得られる点で好ましい。の方法として
は、エチレン(a)および炭素数2〜4の直鎖または分
岐の飽和脂肪族カルボン酸のビニルエステル(d)[酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど]から
誘導される単位を必須構成単位とする共重合体(A0)
に、炭素数6〜24の不飽和脂肪族カルボン酸またはそ
のエステル形成性誘導体[酸無水物、酸ハライド、低級
アルコール(炭素数1〜4)エステル]を用いてエステ
ル交換反応させる方法などが挙げられる。
基(a)の割合は、好ましくは60〜98モル%、さら
に好ましくは70〜95モル%、とくに好ましくは80
〜92モル%であり、重量%としては好ましくは30〜
80重量%、さらに好ましくは40〜65、とくに好ま
しくは45〜60重量%である。エチレン基の割合が6
0モル%以上(または30重量%以上)であれば、流動
性向上効果に優れる点で好ましく、98モル%以下(ま
たは80重量%以下)であれば通油性に優れる点で好ま
しい。(b)の割合は、好ましくは1〜40モル%、さ
らに好ましくは2〜30モル%、とくに好ましくは5〜
15モル%であり、重量%としては好ましくは5〜70
重量%、さらに好ましくは10〜60重量%、とくに好
ましくは20〜50重量%である。(b)の割合を1〜
40モル%(または5〜70重量%)であれば、流動性
向上効果に優れる点で好ましい。また、必要により併用
される(c)の割合は、好ましくは全構成単位のうちの
30モル%以下であり、さらに好ましくは20モル%以
下、特に好ましくは3〜15モル%である。
は、低温流動性および溶解性の観点から、好ましくは
8.4〜9.7、さらに好ましくは8.6〜9.5、特
に好ましくは8.9〜9.3である。8.4以上にする
ことで流動性向上効果に優れる点で好ましく、9.7以
下にすることで基油に対する溶解性が向上する点で好ま
しい。なお、本発明のSP値は、Fedors法[Po
ym.Eng.Sci.14(2)152,(197
4)]によって算出される値である。
000〜100,000、さらに好ましくは3,000
〜50,000である。重量平均分子量は標準物質にポ
リスチレンを用いたゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(GPC)により、ポリスチレン換算分子量とし
て測定することが出来る。
さらに好ましくは3.5%以下、特に好ましくは3.0
%以下である。なお、分岐度とは(a)、(b)および
(c)のビニル基由来のメチレン基、メチン基の総和に
対する枝分かれによって生じたメチル基の比率であり、
エチレンおよびビニル基由来のメチレン基とメチン基の
総和100個に対する分岐由来のメチル基の個数であ
る。分岐度は1H-NMRによって求めることができる。
たとえばエチレンとオレイン酸ビニルの共重合体の場合
は、0.8〜0.9ppmのピーク強度[1](分岐メ
チル基およびオレイン酸のメチル基由来)と、1.0〜
1.9ppmのピーク強度[2](エチレンおよびオレ
イン酸ビニルのビニルメチレン由来)と、2.0〜2.
3ppm付近のピーク強度[3](オレイン酸基のカル
ボニル基の隣の炭素に結合しているメチレン基由来)と
4.7〜5.0ppmのピーク強度[4](オレイン酸
ビニルのビニルメチン由来)から下式のように[1]お
よび[2]と重なっているオレイン酸基の吸収を減じて
算出する。 分岐度(%)=([1]/3−[4])÷([2]/2−
[4]×12+[1]/3)×100 オレイン酸ビニル以外のアルケニルエステルまたはα-
オレフィンなど1H-NMRでは分岐と単量体側鎖との区
別が困難な単量体から誘導される単位を構成単位として
含有する場合は、重合時の仕込量から各単量体の共重合
比を算出し、そのモル比から[1]および[2]と重な
っている単量体側鎖の吸収を減じて算出する。
は、例えばエチレン/オレイン酸ビニル共重合体、エチ
レン/オレイン酸ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン/オレイン酸ビニル/4−メチルペンテン−1共重合
体、エチレン/リノール酸ビニル共重合体、エチレン/
リノール酸ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/リ
ノレン酸ビニル共重合体などが挙げられる。
用でき、単量体を重合して直接製造する方法(P1)以
外に、既に製造された共重合体(A0)をさらに有機化
学反応させる方法(P2)も含まれる。
法:(a)、(b)、および必要により(c)を溶剤中
もしくは無溶剤下で重合触媒を使用してラジカル重合す
る方法である。重合温度は通常30〜150℃であり、
加圧下での反応が好ましい。溶剤としては、例えば、芳
香族炭化水素系溶剤(トルエン、キシレン、ベンゼンな
ど)、脂肪族炭化水素系溶剤(例えば、n−へキサン、
n−オクタンなど)、ケトン系溶剤(例えば、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、エステル
系溶剤(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)などが
挙げられる。重合触媒としては、アゾ系(例えば、アゾ
ビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリルな
ど)や過酸化物系(例えば、ベンゾイルパーオキシド、
クミルパーオキシド、ラウリルパーオキシドなど)を用
い、必要により、連鎖移動剤(例えば、アルキルメルカ
プタン、アルコール類、アルデヒド類など)を用いても
よい。重合反応後は必要により溶剤を留去してもよい。
有機化学反応させる方法:上記(P1)と同様にして、
(a)、(d)と必要により(c)を共重合し、重合体
(A0)を得る。次いで(A0)を、アルカリもしくは酸
触媒(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウム
メチラート、カリウム-t-ブトキシド、塩酸、硫酸、p-
トルエンスルホン酸など)の存在下、水もしくは低級ア
ルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、ブタノール)により加水分解する。さらにこれの加
水分解物に、炭素数6〜24の不飽和脂肪族カルボン酸
またはその誘導体(酸無水物、酸ハライド、低級アルコ
ール(炭素数1〜4)エステル)を加えて、エステル化
もしくはエステル交換反応させる方法などが挙げられ
る。
述の燃料油組成物の重量に基づいて好ましくは10〜
5,000ppm、さらに好ましくは20〜2,000
ppm、特に好ましくは20〜700ppm添加され
る。
に、エチレン(a)および(c)から誘導される単位を
必須構成単位とする共重合体(B)の1種以上を含有し
た燃料油用添加剤組成物とすることもできる。(B)を
併用することで、より少量の(A)で低温流動性が向上
できる点で好ましい。(B)を構成する(c)のうち、
好ましいものは前記と同様な炭素数2〜24の直鎖また
は分岐の飽和脂肪族カルボン酸ビニルエステル、および
炭素数3〜18の1−オレフィンであり、これらは単独
でもよく、2種以上を併用してもよい。(B)中の
(a)/(c)の構成比率(モル%)は、好ましくは8
0〜99/20〜1、さらに好ましくは85〜98/1
5〜2である。(a)が80モル%以上、あるいは98
モル%以下であれば流動性向上能が良好な点で好まし
い。また、(B)は、上記の(a)および(c)から構
成される共重合体にさらに(c)をグラフト共重合した
ものであってもよい。(c)をグラフト共重合すること
で基油への溶解性が向上する。グラフト共重合体のグラ
フト部分を構成する単量体としては、好ましいものは
(c2)、さらに好ましいものはフマル酸ジアルキルエス
テルおよびマレイン酸ジアルキルエステルである。
(A)とともに、他の添加剤として(B)を使用する場
合の(A)/(B)の重量比は、好ましくは100〜7
0/0〜30、さらに好ましくは95〜80/5〜2
0、特に好ましくは95〜90/5〜10である。
(A)が70以上であれば流動性向上効果が充分に発揮
できる。
いてもよい(B)以外の添加剤としては、フェノール系
酸化防止剤(C)、炭素数6〜24の不飽和脂肪族カル
ボン酸(D)およびその他の添加剤が挙げられる。フェ
ノール系酸化防止剤(C)としては、フェノール、クレ
ゾール、ハイドロキノン、カテコール、メトキシフェノ
ール、t-ブチルフェノール、ジt-ブチルフェノール、
トリt-ブチルフェノール、ジt-ブチルクレゾール、ス
チレン化フェノールなどが挙げられる。これらのうち好
ましいものは、ジt-ブチルフェノール、ジt-ブチルク
レゾールおよびスチレン化フェノールである。(C)を
含有させることで、(A)の保管安定性が向上するとと
もに、燃料油の色相の経日変化が小さくなる点で好まし
い。他の添加剤として(C)を使用する場合の(A)/
(C)の重量比は、好ましくは100〜95/0〜5、
さらに好ましくは99.99〜97/0.01〜3、特に
好ましくは99.98〜98/00.2〜2である。
(D)としては、デセン酸、ドデセン酸、ドデカジエン
酸、テトラデセン酸、ヘキサデセン酸、オレイン酸、リ
ノール酸、リノレン酸およびエイコセン酸などが挙げら
れる。これらのうち好ましいものは、オレイン酸、リノ
ール酸、リノレン酸およびそれらの混合物である。
(D)を含有させることで、燃料油の潤滑性が向上する
とともに、添加剤組成物中の後述の希釈剤の量を低減で
きる点で好ましい。(A)とともに、他の添加剤として
(D)を使用する場合の(A)/(D)の重量比は、好
ましくは100〜50/0〜50、さらに好ましくは9
5〜70/5〜30、特に好ましくは90〜75/10
〜25である。
クス分散剤(フマル酸ジアルキル/酢酸ビニル共重合
体、フマル酸ジアルキル/プロピレン共重合体など)、
腐食防止剤(ドデシルアミンのエチレンオキサイド付加
物、オクチルアミン、脂肪族アミンおよびその塩、有機
リン酸エステル、有機スルホン酸塩、アルケニルコハク
酸系防錆剤、アルケニルコハク酸のエステル系防錆剤な
ど)、清浄分散剤(ジブチルアミンのエチレンオキサイ
ド付加物、ブタノールのエチレンオキサイド付加物な
ど)、潤滑性向上剤(高級脂肪酸のグリセリンエステ
ル、ソルビタンモノオレート、グリセリンモノオレート
など)、セタン価向上剤(アルキル硝酸エステル類、ア
ミルナイトレート、イソプロピルナイトレートなど)、
酸化防止剤(サリチリデン誘導体など)、その他消泡
剤、燃焼性向上剤、導電性付与剤、および他の流動性向
上剤(ポリアルキルメタクリレート、ポリオールの脂肪
酸エステルなど)などが挙げられる。その他の添加剤の
使用量は、燃料油組成物の全重量に基づいて、通常0〜
10,000ppm、好ましくは10〜5,000pp
mになるような量である。
希釈剤で希釈されていてもよい。あらかじめ希釈剤に溶
解し、希釈しておくことで、燃料油などに添加する際に
容易に溶解するようになり、低温流動性が発現しやすく
なる点で好ましい。本発明の燃料油用添加剤組成物に含
まれてもよい希釈剤としては、以下の溶剤および後述の
燃料油などが挙げられる。溶剤としては、脂肪族溶剤
{炭素数6〜18の脂肪族炭化水素(ヘキサン、ヘプタ
ン、シクロヘキサン、オクタン、デカリン、灯油な
ど)};芳香族溶剤[炭素数7〜15の芳香族溶剤{ト
ルエン、キシレン、エチルベンゼン、炭素数9の芳香族
混合溶剤(トリメチルベンゼン、エチルトルエンなどの
混合物)、炭素数10〜11の芳香族混合溶剤(ジエチ
ルベンゼン、ジエチルトルエンなどの混合物)など}]
など挙げられる。これらのうち好ましいものは炭素数7
〜24の炭化水素、さらに炭素数7〜15の芳香族溶剤
であり、とりわけ好ましいものは炭素数9の芳香族混合
溶剤および炭素数10〜11の芳香族混合溶剤である。
含む場合の共重合体成分と希釈剤の重量割合は、共重合
体成分と希釈剤の合計重量に対して、好ましくは希釈剤
が10〜80重量%、さらに好ましくは25〜60重量
%、特に好ましくは30〜50重量%である。希釈剤の
割合が多いほうが燃料油などに容易に溶解する点で好ま
しいが、あまり多いのは経済的ではない。また、燃料油
組成物中の添加剤組成物の含量は、好ましくは15〜2
5,000ppm、さらに好ましくは25〜1000p
pmである。なお、本発明の添加剤組成物は、その成分
をそれぞれ別にして燃料油に添加することもでき、その
場合の添加する順序も特に限定されない。
における動粘度は、好ましくは100mm2/s以下、さら
に好ましくは5〜80mm2/s、特に好ましくは10〜6
0mm2/sである。動粘度を100mm2/s以下にすること
で、燃料油などの基油への溶解が容易になる。
ては、少なくとも炭素数17〜22のワックスを含有す
る燃料油であり、例えば、低硫黄原油(たとえば、ミナ
ス原油等南方系の原油)の通常の蒸留で得られるJIS
1号軽油、JIS2号軽油、JIS3号軽油、JIS特
3号軽油、A重油;通常の原油から水素化脱硫処理工程
を経て製造される脱硫軽油、A重油;この脱硫軽油と直
留軽油(水素化脱硫工程前の軽油)をブレンドして得ら
れる軽油留分から製造されるJIS1号軽油、JIS2
号軽油、JIS3号軽油、JIS特3号軽油、A重油が
挙げられる。好ましくは、水素化脱硫処理工程を経て製
造される脱硫軽油を50重量%以上使用して製造され
る、硫黄含有量0.05重量%以下のJIS1号軽油、
JIS2号軽油、JIS3号軽油、JIS特3号軽油で
あり、特に、硫黄含有量0.005重量%以下のJIS
1号軽油、JIS2号軽油、JIS3号軽油、JIS特
3号軽油が好ましい。
外のワックス分を含有する油対しても効果を示し、潤滑
油などにも有用である。また、石油留分含有のワックス
以外にも効果を示し、天然物(例えば動物油や植物油)
起因の、偶数のアルキル基を有するワックス、脂肪酸、
脂肪族アルコール、脂肪族アミン等にも効果を示す。
するが、本発明はこれに限定されるものではない。以
下、部はいずれも重量部を示す。
ラスコに、エチレン/酢酸ビニル共重合体(エチレン/
酢酸ビニル=85/15モル%、分岐度3.2%、Mn
3300、Mw8300)50部、イソプロピルアルコ
ール50部および水酸化カリウム3.7部を加え、75
℃にて撹拌下4時間反応させた。反応終了後、反応混合
物をビーカー中の1000部の水に撹拌下に加えた。沈
殿したポリマーをろ別、水洗した後、150℃にて減圧
乾燥し、部分加水分解物(a-1)を得た。温度計、環流冷
却管おおよび撹拌装置の付いたガラス製フラスコに、不
飽和脂肪酸混合物(オレイン酸/リノール酸/リノレン
酸=38/55/7重量%)100部と無水酢酸55部
を加え、無水酢酸の環流温度で2時間反応させた。次い
で、生成した酢酸および残存する無水酢酸を150℃ま
で昇温しながら常圧で留去し、その後150℃、減圧に
て留去することで、不飽和脂肪酸無水物(a-2)を得た。
温度計および撹拌装置の付いたガラス製フラスコに、部
分加水分解物(a-1)30部、不飽和脂肪酸無水物(a-2)2
2.3部を加え、150℃にて撹拌下4時間反応させ
た。反応終了後、80℃まで冷却し、これに水0.12
部、2,6-ジ-t-ブチル-4-クレゾール0.325部、およ
び希釈剤として炭素数10〜11の石油系芳香族混合溶
剤(初留点182℃〜終点204℃)12.2部を加え
溶解させることにより、本発明の添加剤組成物(T1)
を得た。添加剤組成物(T1)は、本発明の重合体(A
1)60重量%、不飽和脂肪酸20.7重量%、2,6-ジ-
t-ブチル-4-クレゾール0.5重量%、希釈剤18.8重
量%の混合物である。(A1)は、エチレン/酢酸ビニ
ル/炭素数18の不飽和カルボン酸のビニルエステル共
重合体であり、その共重合モル比は85/11/4、分
岐度は3.2%、Mnは3400、Mwは10700で
あった。なお、構成成分の比率および分岐度は1H−N
MRから求め、MnおよびMwはGPCを用いて測定し
た。
ガラス製反応器に、エチレン/酢酸ビニル共重合体(9
6.5/3.5モル%、分岐度3.4%、Mn260
0、Mw6600)500部およびジ2-エチルヘキシル
フマレート500部を加え、窒素雰囲気とし、155℃
に昇温した。これに155℃にてジータシャリーブチル
パーオキサイド20部およびラウリルメルカプタン1.
7部を2時間で滴下した。滴下終了後さらに2時間15
5℃で反応し、重合体(B1)を得た。(B1)は上記
エチレン/酢酸ビニル共重合体にジ2-エチルヘキシルフ
マレートがグラフトした共重合体であった。希釈剤を
9.0部に減らし、重合体(B1)3.2部を加える以外
は実施例1と同様にし、本発明の添加剤組成物(T2)
を得た。添加剤組成物(T2)は、本発明の重合体(A
1)60重量%、重合体(B1)4.9重量%、不飽和
脂肪酸20.7重量%、2,6-ジ-t-ブチル-4-クレゾール
0.5重量%、希釈剤13.9重量%の混合物である。
ン/酢酸ビニル=83/17モル%、分岐度1.0%、
Mn4300、Mw9100)に変え、水酸化カリウム
を3.6部に変える以外は実施例1と同様に加水分解反
応し、部分加水分解物(a-3)を得た。温度計および撹拌
装置の付いたガラス製フラスコに、部分加水分解物(a-
3)30部、オレイン酸無水物22部を加え、150℃に
て撹拌下4時間反応させた。反応終了後、反応混合物を
ビーカー中の500部のメタノールに撹拌下に加えた。
上澄みをデカンテーションにより捨てた後、再度500
部のメタノールを加え撹拌洗浄した後、デカンテーショ
ンにより上澄みを捨て、沈殿物を得た。沈殿物を150
℃にて減圧乾燥し、重合体(A2)を得た。(A2)
は、エチレン/酢酸ビニル/オレイン酸ビニル共重合体
であり、その共重合モル比は83/13/4、分岐度は
0.98%、Mnは4500、Mwは10100であっ
た。撹拌装置、加熱装置および温度計を備えたガラス製
容器に、重合体(A2)650部、2,6-ジ-t-ブチル-4-
クレゾール1部および炭素数10〜11の石油系芳香族
混合溶剤(初留点182℃〜終点204℃)349部を
加え、100℃にて均一に溶解し、本発明の添加剤組成
物(T3)を得た。
オデカン酸ビニル共重合体(X-1)[84/14/2モ
ル%、分岐度4.2%、Mn3200、Mw7500]
を使用した以外は実施例3と同様にして比較例の添加剤
組成物(U1)を得た。
および(U1)を所定量(表2、表3に記載)加え均一
に混合し、低温流動性向上効果および潤滑性を評価し
た。低温流動性向上効果は、流動点(以下、PP)と低
温濾過器目詰まり点(以下、CFPP)を測定し評価し
た。潤滑性はHFRRの摩耗痕径を測定し評価した。P
P、CFPPおよびHFRRの評価方法を以下に示す。 流動点(PP):JIS K2269 3に記載の方法 低温濾過器目詰まり点(CFPP):JIS K228
8に記載の方法 潤滑性:石油学会規格PI−5S−50−98に記載の
方法
に、燃料油2に添加した場合の評価結果を表3にそれぞ
れ示す。これらから明らかなように本発明の流動性向上
剤は、いずれの軽油に対しても、非常に優れた低温流動
性を与える。また、本発明の不飽和脂肪族カルボン酸を
含有する添加剤組成物は、いずれの軽油に対しても優れ
た潤滑性(摩耗防止性)を示す。
加剤組成物は従来のものに比較し,燃料油の低温流動特
性をさらに向上させ、少量の添加でPPおよびCFPP
を向上させる。その結果、燃料油のフィルタ−通油性を
良好にするものである。とりわけ、従来の流動性向上剤
および添加剤組成物では低温流動性の向上が困難であっ
た沸点範囲が狭い低硫黄含量の軽油に対して有効であ
る。またさらに、燃料油のエンジン内での潤滑性も向上
する。
Claims (15)
- 【請求項1】 エチレン(a)および下記一般式(1)
〜(3)のいずれかで表される化合物からなる群から選
ばれる1種以上の単量体(b)から誘導される単位を必
須構成単位とする共重合体(A)からなることを特徴と
する流動性向上剤。 R1−COO−R2 (1) R2−COO−R1 (2) R3−(COOR1)2 (3) [式中、R1は炭素数5〜23の不飽和脂肪族炭化水素
基、R2は炭素数2〜4のアルケニル基、R3は炭素数2
〜4のアルケニレン基である。] - 【請求項2】 一般式(1)〜(3)におけるR1がア
ルケニル基、アルカジエニル基またはアルカトリエニル
基である請求項1記載の流動性向上剤。 - 【請求項3】 (b)が、一般式(1)で表され、R2
がビニル基である単量体(b11)である請求項1または2
記載の流動性向上剤。 - 【請求項4】 (A)が、エチレン(a)および炭素数
2〜4の飽和脂肪族カルボン酸のビニルエステルから誘
導される単位を必須構成単位とする共重合体(A0)
と、炭素数6〜24の不飽和脂肪族カルボン酸もしくは
そのエステル形成性誘導体とのエステル交換反応により
得られた共重合体である請求項1〜3のいずれか記載の
流動性向上剤。 - 【請求項5】 (A)が、さらに(a)および(b)以
外のビニル単量体から誘導される単位(c)を必須構成
単位とする共重合体である請求項1〜4のいずれか記載
の流動性向上剤。 - 【請求項6】 (c)が、飽和脂肪族カルボン酸のビニ
ルエステルである請求項5記載の流動性向上剤。 - 【請求項7】 (A)における構成単位のうち、エチレ
ンから誘導される単位の割合が60〜98モル%である
請求項1〜6のいずれか記載の流動性向上剤。 - 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか記載の流動性向
上剤、並びに他の添加剤および/または希釈剤からなる
燃料油用添加剤組成物。 - 【請求項9】 他の添加剤の少なくとも1種が、エチレ
ン(a)および(c)から誘導される単位から構成され
る共重合体(B)である請求項7記載の添加剤組成物。 - 【請求項10】 他の添加剤の少なくとも1種が、フェ
ノール系酸化防止剤(C)である請求項8または9記載
の添加剤組成物。 - 【請求項11】 他の添加剤の少なくとも1種が、炭素
数6〜24の不飽和脂肪族カルボン酸(D)である請求
項8〜10のいずれか記載の添加剤組成物。 - 【請求項12】 希釈剤が炭素数7〜24の炭化水素で
ある請求項8〜11のいずれか記載の添加剤組成物。 - 【請求項13】 炭素数17〜22の炭化水素からなる
ワックスを含有する燃料油に対して、請求項8〜12の
いずれか記載の添加剤組成物を含有する燃料油組成物。 - 【請求項14】 炭素数17〜22の炭化水素からなる
ワックスを含有する燃料油に対して、請求項1〜7のい
ずれか記載の流動性向上剤を10〜5,000ppm添
加してなる燃料油組成物。 - 【請求項15】 燃料油の硫黄含量が0.05重量%以
下である請求項13または14記載の燃料油組成物。
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JP2008255347A (ja) * | 2007-03-15 | 2008-10-23 | Cosmo Oil Co Ltd | 灯油組成物 |
WO2019163996A1 (ja) * | 2018-02-26 | 2019-08-29 | Jxtgエネルギー株式会社 | 潤滑油組成物 |
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2002
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