JP2002338975A - 流動性向上剤 - Google Patents

流動性向上剤

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JP2002338975A
JP2002338975A JP2001147288A JP2001147288A JP2002338975A JP 2002338975 A JP2002338975 A JP 2002338975A JP 2001147288 A JP2001147288 A JP 2001147288A JP 2001147288 A JP2001147288 A JP 2001147288A JP 2002338975 A JP2002338975 A JP 2002338975A
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carbon atoms
copolymer
fluidity improver
acid
vinyl
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Application number
JP2001147288A
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English (en)
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Hideo Nakanishi
秀男 中西
Nobuhiro Ao
信博 阿尾
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Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワックスの析出温度がシャープな低硫黄燃料
油に対しても、少量の添加で低温流動性を大幅に向上で
き、且つ、通油性に優れた流動性向上剤を提供する。 【解決手段】 不飽和カルボン酸のエステル、アミドお
よびイミドから選ばれる1種以上の単量体(1)並びに
炭素数が28以上の1-アルケン(2)から誘導される
単位を必須構成単位とする共重合体(A1)、または該
共重合体からなるポリマー鎖と、エチレンから誘導され
る単位を必須構成単位とするポリマー鎖が、グラフト状
および/またはブロック状に結合した共重合体(A2)
からなることを特徴とする流動性向上剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流動性向上剤に関
する。詳しくは、ワックス含有基油、とりわけ燃料油に
有用な流動性向上剤に関する。
【0002】
【従来の技術】石油中間留出油、例えば、潤滑油用基
油、ディーゼル燃料油、A重油等は、冬期あるいは寒冷
地において低温にさらされると、その中に含まれるワッ
クスが析出し、配管系のフィルターを目詰まらせたり、
又、配管系内にて固化することにより不具合が発生して
いる。
【0003】これらの低温での流動性に関する問題点を
解決するために、従来、エチレン−飽和カルボン酸ビ
ニルエステル系共重合体を基油に添加する方法が数多く
提案されている。例えば、特公昭39−200692号
公報、特公昭48−23165号公報、特開昭59−1
36391号公報などに記載されている。また、これら
の低温流動性をより向上させるものとして、エステル
比率の異なる2種以上のエチレン−不飽和エステル共重
合体を併用して添加する方法[特表平7−508776
号公報など]、およびエステル鎖の異なる2種以上のエ
チレン−不飽和エステル共重合体を併用して添加する方
法[特表平7−508300号公報など]、およびエ
チレンーカルボン酸ビニル重合体の不飽和ジカルボン酸
エステルグラフト付加物及びそれら付加物とエチレン−
酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共
重合体を併用して添加する方法[特公昭58−3947
2公報、特開平10−245574号公報]などが提案
されている。しかし、これら〜に開示されているも
のは、ワックスの析出温度がブロードな従来の硫黄含量
が高い燃料油に対しては低温流動性を向上させる効果を
有しているものの、ワックスの析出温度がシャープな低
硫黄燃料油に対しては低温流動性を向上させるのに必要
な添加量が著しく増大し、その結果基油への溶解性が不
十分になり、常温でフィルターの目詰まりを起こす問題
(通油性)が生じる。近年、環境問題から燃料油中の硫
黄含量の低減が望まれており、この低硫黄燃料油に対し
て少量の添加で低温流動性向上効果を発現し、かつ通油
性の問題のない流動性向上剤の開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは鋭意検討
した結果、ワックスの析出温度がブロードな燃料油のみ
ならずワックスの析出温度がシャープな低硫黄燃料油に
対しても、少量の添加で低温流動性を大幅に向上でき、
且つ、通油性に優れた流動性向上剤を見いだし本発明に
至った。すなわち本発明は、不飽和カルボン酸のエステ
ル、アミドおよびイミドから選ばれる1種以上の単量体
(1)および炭素数が28以上の1-アルケン(2)か
ら誘導される単位を必須構成単位とする共重合体(A
1)からなることを特徴とする流動性向上剤;並びに、
上記単量体(1)並びに炭素数が28以上の1-アルケ
ン(2)から誘導される単位を必須構成単位とするポリ
マー鎖(a)と、エチレンから誘導される単位を必須構
成単位とするポリマー鎖(b)が、グラフト状および/
またはブロック状に結合した共重合体(A2)からなる
ことを特徴とする流動性向上剤である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において共重合体(A1)
またはポリマー鎖(a)を構成する不飽和カルボン酸の
エステル、アミドおよびイミドから選ばれる1種以上の
単量体(1)としては、不飽和モノカルボン酸エステル
(1-1)、不飽和ジカルボン酸エステル(1-2)、不飽和
モノカルボン酸アミド(1-3)、不飽和ジカルボン酸ア
ミド(1-4)および不飽和ジカルボン酸イミド(1-5)な
どが挙げられる。
【0006】不飽和モノカルボン酸エステル(1-1)と
しては、不飽和モノカルボン酸アルキルエステル{非置
換アルキルエステル[例えば(メタ)アクリル酸の炭素
数1〜24の直鎖または分岐を含むアルキル(メチル、
エチル、イソプロピル、ブチル、2-ヘチルヘキシル、デ
シル、ドデシル、ステアリル、ベヘニルなど)エステル
など]および置換アルキルエステル[例えば上記非置換
アルキルエステルのアルキル基の水素原子の1つ以上が
ヒドロキシル基、アミノ基、モノアルキル(炭素数1〜
4)アミノ基、ジアルキル(炭素数1〜4)アミノ基ま
たはエポキシ基などで置換された置換アルキル(2-ヒ
ドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピル、アミノエチ
ル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、モ
ルホリノエチル、ジメチルアミノプロピル、およびグリ
シジル)エステルなど];不飽和モノカルボン酸アルケ
ニルエステル[例えば(メタ)アクリル酸の炭素数2〜
24の直鎖または分岐を含むアルケニル(ビニル、アリ
ル、イソプロペニル、ブテニル、デセニル、ドデセニル
など)エステルなど];不飽和モノカルボン酸アリール
エステル[(メタ)アクリル酸の炭素数6〜12のアリ
ール(フェニル、ナフチルなど)エステルなど];不飽
和モノカルボン酸アラルキルエステル[(メタ)アクリ
ル酸の炭素数7〜11のアラルキル(ベンジル、フェニ
ルエチルなど)エステルなど]などが挙げられる。
【0007】不飽和ジカルボン酸エステル(1-2)とし
ては、不飽和ジカルボン酸アルキルエステル[不飽和ジ
カルボン酸(フマル酸、マレイン酸、イタコン酸など)
の炭素数1〜24の直鎖または分岐を含むアルキル(メ
チル、エチル、イソプロピル、ブチル、2-ヘチルヘキシ
ル、デシル、ドデシル、ステアリル、ベヘニルなど)モ
ノもしくはジエステル];不飽和ジカルボン酸アリール
エステル[前述と同様の不飽和ジカルボン酸の炭素数6
〜12のアリール(フェニル、ナフチルなど)モノもし
くはジエステル];不飽和ジカルボン酸アラルキルエス
テル[前述と同様の不飽和カルボン酸の炭素数7〜11
のアラルキル(ベンジル、フェニルエチルなど)モノお
よびジエステル]などが挙げられる。
【0008】不飽和モノカルボン酸アミド(1-3)とし
ては、不飽和モノカルボン酸非置換アミド[(メタ)ア
クリルアミドなど];不飽和モノカルボン酸アルキルア
ミド{非置換アルキルアミド[例えば(メタ)アクリル
酸のモノもしくはジアルキル(炭素数1〜24の直鎖ま
たは分岐を含むアルキル:メチル、エチル、イソプロピ
ル、ブチル、2-ヘチルヘキシル、デシル、ドデシル、ス
テアリル、ベヘニルなど)アミドなど]および置換アル
キルアミド[例えば、上記非置換アルキルアミドのアル
キル基の水素原子の1つ以上がヒドロキシル基、アミノ
基、モノアルキル(炭素数1〜4)アミノ基、ジアルキ
ル(炭素数1〜4)アミノ基またはエポキシ基などで置
換された置換アルキル(2-ヒドロキシエチル、3-ヒド
ロキシプロピル、アミノエチル、ジメチルアミノエチ
ル、ジエチルアミノエチル、モルホリノエチル、ジメチ
ルアミノプロピル、およびグリシジル)アミドなど];
不飽和モノカルボン酸アリールアミド[(メタ)アクリ
ル酸のモノもしくはジアリール(炭素数6〜12のアリ
ール:フェニル、ナフチルなど)アミドなど];不飽和
モノカルボン酸アラルキルアミド[(メタ)アクリル酸
のモノもしくはジアラルキル(炭素数7〜11のアラル
キル:ベンジル、フェニルエチルなど)アミドなど]な
どが挙げられる。
【0009】不飽和ジカルボン酸アミド(1-4)として
は、不飽和ジカルボン酸無置換アミド[不飽和ジカルボ
ン酸(フマル酸、マレイン酸、イタコン酸など)のアミ
ド酸もしくはジアミド];不飽和ジカルボン酸アルキル
アミド[前述と同様の不飽和ジカルボン酸のモノもしく
はジアルキル(炭素数1〜24の直鎖または分岐を含む
アルキル:メチル、エチル、イソプロピル、ブチル、2-
ヘチルヘキシル、デシル、ドデシル、ステアリル、ベヘ
ニルなど)アミド酸もしくはジアミド];不飽和ジカル
ボン酸アリールアミド[前述と同様の不飽和ジカルボン
酸のモノもしくはジアリール(炭素数6〜12のアリー
ル:フェニル、ナフチルなど)アミド酸もしくはジアミ
ド];不飽和ジカルボン酸アラルキルアミド[前述と同
様の不飽和カルボン酸のモノもしくはジアラルキル(炭
素数7〜11のアラルキル:ベンジル、フェニルエチル
など)アミド酸もしくはジアミド]などが挙げられる。
【0010】不飽和ジカルボン酸イミド(1-5)として
は、不飽和ジカルボン酸無置換イミド[マレイミド、イ
タコンイミドなど];不飽和ジカルボン酸アルキルイミ
ド[不飽和ジカルボン酸(マレイン酸、イタコン酸な
ど)の炭素数1〜24の直鎖または分岐を含むアルキル
(メチル、エチル、イソプロピル、ブチル、2-ヘチルヘ
キシル、デシル、ドデシル、ステアリル、ベヘニルな
ど)イミド];不飽和ジカルボン酸アリールイミド[前
述と同様の不飽和ジカルボン酸の炭素数6〜12のアリ
ール(フェニル、ナフチルなど)イミド];不飽和ジカ
ルボン酸アラルキルイミド[前述と同様の不飽和カルボ
ン酸の炭素数7〜11のアラルキル(ベンジル、フェニ
ルエチルなど)イミド]などが挙げられる。
【0011】これら単量体(1)のうち好ましいものは
(1-2)およびこれと少量の他の(1)の併用であり、
さらに好ましいものは不飽和ジカルボン酸ジアルキルエ
ステルおよびこれと少量の他の(1)の併用であり、特
に好ましいものはアルキル基の炭素数が1〜12の不飽
和ジカルボン酸ジアルキルエステルおよびこれと少量の
他の(1)の併用である。
【0012】炭素数28以上の1-アルケン(2)とし
ては、直鎖または分岐の1-オクタエイコセン、1-トリア
コンテン、1-ドトリアコンテン、1-テトラトリアコンテ
ン、1-ヘキサトリアコンテン、1-オクタトリアコンテ
ン、1-テトラコンテン、1-ドテトラコンテン、1-テ
トラテトラコンテン、1-ヘキサテトラコンテン、1-オ
クタテトラコンテン、1-ペンタコンテンおよびそれら
の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいものは炭
素数が28〜50の1-アルケンであり、さらに好まし
いものは炭素数が28〜42の1-アルケンおよびその
混合物である。(2)の融点は、好ましくは50〜10
0℃、さらに好ましくは60〜90℃、特に好ましくは
70〜85℃である。融点が50℃以上のものを用いる
ことで低温流動性が向上し、100℃以下のものを用い
ることで通油性が向上する点で好ましい。
【0013】本発明の共重合体(A1)またはポリマー
鎖(a)は、(1)、(2)と共に必要によりその他の
単量体(3)を共重合することもできる。
【0014】その他の単量体(3)としては、炭素数が
2〜27の直鎖または分岐の1-アルケン[例えばエチ
レン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセ
ン、4-メチルペンテン-1、1-オクテン、1-ドデセン、1-
テトラデセンおよび1-オクタデセンなど];脂環式炭化
水素系ビニル単量体[シクロヘキセン、(ジ)シクロペ
ンタジエン、ノルボルネン、ピネン、インデン、ビニル
シクロヘキセンなど];アルキルアルケニルエーテル
[炭素数1〜22の直鎖又は分岐アルキル基を有するア
ルキルアルケニル(アルケニル基の炭素数2〜6)エー
テル(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、
ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、ドデ
シルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル、メチ
ルアリルエーテル、エチルアリルエーテル、ブチルアリ
ルエーテル、オクチルアリルエーテル、ドデシルアリル
エーテルなど)、アリールビニルエーテル(フェニルビ
ニルエーテルなど)];芳香族炭化水素系ビニル単量体
[スチレン、ビニルトルエンなど];ビニルケトン類
[メチルビニルケトン、ブチルビニルケトン、フェニル
ビニルケトンなど];炭素数4〜12のアルカジエン
[ブタジエン、イソプレン、1,4-ペンタジエン、1,7-オ
クタジエンなど];ハロゲン原子含有ビニル単量体[塩
化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニルなど];アミド
基もしくはイミド基含有ビニル単量体[N-ビニルカルボ
ン酸アミド[N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトア
ミド、N-ビニルピロリドンなど];ヒドロキシル基含有
ビニル単量体{ヒドロキシル基含有芳香族ビニル単量体
[p-ヒドロキシスチレンなど]、およびビニルアルコー
ル(カルボン酸ビニル単位の加水分解により形成され
る)、炭素数3〜22のアルケノール[アリルアルコー
ル、(イソ)プロペニルアルコール、1-オクテノール、
1-オクタデセノールなど]など};1〜3級アミノ基
含有単量体{炭素数2〜6のアルケニルアミン[ビニル
アミン、アリルアミン、クロチルアミンなど]、アミノ
基含有芳香族ビニル単量体[N,N-ジメチルアミノスチレ
ンなど]、含窒素複素環含有ビニル単量体[ビニルピリ
ジン、ビニルカルバゾールなど]など};ニトリル基ま
たはニトロ基含有ビニル単量体[(メタ)アクロロニト
リル、シアノスチレン、ニトロスチレンなど];エポキ
シ基含有ビニル単量体[グリシジル(メタ)アリルエー
テルなど]などが挙げられる。
【0015】本発明の流動性向上剤は、(1)、(2)
および必要により用いる(3)から誘導される単位を構
成単位とするランダムまたは交互共重合体(A1)でも
よいが、(1)、(2)および必要により用いる(3)
から誘導される単位を構成単位とするポリマー鎖(a)
と、エチレンから誘導される単位を必須構成単位とする
ポリマー鎖(b)がグラフト状および/またはブロック
状に結合した共重合体(A2)とすることもできる。
(a)と(b)がグラフト状および/またはブロック状
に結合した共重合体(A2)とすることで、後述の共重
合体(B)と併用した際の貯蔵安定性が向上し、流動性
向上剤の保管時に分離しなくなる点で好ましい。
【0016】ポリマー鎖(b)は、エチレンから誘導さ
れる単位のみから構成されていてもよいが、好ましく
は、さらにエチレン以外のビニル単量体から誘導される
単位を構成単位とするポリマー鎖である。エチレン以外
のビニル単量体(4)としてはエステル基含有ビニル単
量体(4-1)、炭素数3以上の1-アルケン(4-2)、および
その他のビニル単量体(4-3)などが挙げられる。これら
のうち好ましいものは(4-1)、(4-2)、(4-1)と(4-2)の併
用、およびこれらと少量の(4-3)の併用であり、特に好
ましいものは(4-1)および(4-1)と(4-2)の併用である。
【0017】エステル基含有ビニル単量体(4-1)として
は、飽和もしくは不飽和カルボン酸のアルケニル(炭素
数2〜6)エステル(4-11)および不飽和カルボン酸のア
ルキル、アリールもしくはアラルキルエステル(4-12)な
どが挙げられる。(4-11)としては、飽和脂肪族カルボン
酸アルケニルエステル[直鎖または分岐の炭素数2〜2
4(炭素数はカルボニル炭素を含む。以下同じ)の飽和
脂肪族カルボン酸(酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、
2-エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、デカン酸、ドデカ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸など)の
ビニルエステル、アリルエステル、イソプロペニルエス
テルなど];不飽和脂肪族カルボン酸アルケニルエステ
ル[炭素数3〜22の不飽和脂肪族カルボン酸(オレイ
ン酸、リノール酸、リノレイン酸など)のビニルエステ
ル、アリルエステル、イソプロペニルエステルなど];
芳香族カルボン酸アルケニルエステル[炭素数6〜12
の芳香族カルボン酸(安息香酸、フェニル酢酸、ナフタ
レンカルボン酸など)のビニルエステル、アリルエステ
ル、イソプロペニルエステルなど];脂環式カルボン酸
アルケニルエステル[炭素数4〜12の脂環式カルボン
酸(シクロヘキサンカルボン酸、デカヒドロナフタレン
カルボン酸など)のビニルエステル、アリルエステル、
イソプロペニルエステルなど]などが挙げられる。(4-1
2)としては、前述の(1-1)および(1-2)と同様なものが挙
げられる。これら(4-1)のうち好ましいものは、(4-11)
であり、さらに好ましいものは、飽和脂肪族カルボン酸
ビニルエステルであり、特に好ましいものは、酢酸ビニ
ルおよび酢酸ビニルと炭素数3〜12の飽和脂肪族カル
ボン酸ビニルエステルの併用である。
【0018】炭素数3以上の1-アルケン(4-2)として
は、炭素数が2〜27の直鎖または分岐の1-アルケ
ン、例えばプロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキ
セン、4-メチルペンテン-1、1-オクテン、1-ドデセン、
1-テトラデセンおよび1-オクタデセンなどが挙げられ
る。これらのうち好ましいものは炭素数3〜14の1-
アルケンであり、特に好ましいものはプロピレン、1-ブ
テン、1-ヘキセンおよび4-メチルペンテン-1である。そ
の他のビニル単量体(4-3)としては、前記(3)の1-ア
ルケン以外と同様なものなどが挙げられる。
【0019】(A1)または(a)を構成する単量体に
おける(1)と(2)のモル比は、低温流動性の観点か
ら、好ましくは80:20〜20:80、さらに好まし
くは75:25〜25:75、特に好ましくは70:3
0〜40:60である。その他の単量体(3)のモル%
は、(1)と(2)の総和に対して、好ましくは50%
以下、さらに好ましくは30%以下、特に好ましくは2
0%以下である。(b)を構成する単量体におけるエチ
レンと他のビニル単量体(4)のモル比は、好ましくは
70:30〜95:5、さらに好ましくは80:20〜
90:10、特に好ましくは82:18〜88:12で
ある。低温流動性と共重合体(B)と併用した際の貯蔵
安定性の観点から上記範囲が好ましい。
【0020】ポリマー鎖(a)とポリマー鎖(b)の結
合の様式としては、(a)に(b)がグラフト状に結合
したもの、(b)に(a)がグラフト状に結合したも
の、(a)と(b)がブロック状に結合したものなどが
挙げられる。これらのうち好ましいものは、(b)に
(a)がグラフト状に結合したものである。ポリマー鎖
(a)とポリマー鎖(b)の重量比は、好ましくは9
5:5〜20:80、さらに好ましくは80:20〜3
0:70である。低温流動性の観点から(a)が20以
上が好ましく、共重合体(B)と併用した際の貯蔵安定
性の観点から(a)が95以下が好ましい。ポリマー鎖
(a)とポリマー鎖(b)のそれぞれの数平均分子量
は、好ましくは500〜200,000である。
【0021】本発明の共重合体(A1)または(A2)
の5%ケロシン溶液の曇点は、好ましくは0〜60℃、
さらに好ましくは15〜50℃、特に好ましくは17〜
40℃である。低温流動性の観点から0℃以上が好まし
く、通油性の観点から60℃以下が好ましい。なお、
(A1)または(A2)の曇点は、(A1)または(A
2)を5重量%の濃度になるようにケロシンに溶解(必
要により加温して溶解)した後、徐々に冷却(0.5℃
/分)し、溶液が白濁し始めるる温度をもって曇点とす
る。(A1)または(A2)の重量平均分子量は、好ま
しくは2,000〜500,000であり、さらに好ま
しくは2,500〜100,0000、特に好ましくは
3,000〜50,000、とりわけ好ましくは5,00
0〜20,000である。2,000以上にすることで
低温流動性が向上し、500,000以下にすることで
基油への溶解性が向上する。(A1)または(A2)の
数平均分子量は、好ましくは1,000〜200,00
0であり、さらに好ましくは1,500〜50,00
0、特に好ましくは2,000〜20,000、とりわ
け好ましくは2,500〜10,000である。1,00
0以上にすることで低温流動性が向上し、200,00
0以下にすることで基油への溶解性が向上する。尚、本
発明の数平均分子量および重量平均分子量は、ゲルパー
ミュエーションクロマトグラフィーによる測定値であ
り、ポリスチレン換算により測定した分子量である。
【0022】本発明における共重合体(A1)は、公知
の方法によって得ることができる。例えば、(1)と
(2)を溶剤中もしくは無溶剤下にラジカル重合するこ
とにより得られる。この場合、重合開始剤としては、ア
ゾ系開始剤(例えば、アゾビスイソブチロニトリル、ア
ゾビスバレロニトリルなど)や過酸化物系開始剤(例え
ば、ジイソプロピルパーカーボネート、ベンゾイルパー
オキシド、クミルパーオキシド、ラウリルパーオキシ
ド、ジt-ブチルパーオキサイドなど)を用いることがで
きる。重合溶剤としては、脂肪族炭化水素(ヘキサン、
ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンなど)、芳香族炭
化水素[トルエン、キシレン、エチルベンゼン、炭素数
9の芳香族混合溶剤(トリメチルベンゼン、エチルトル
エンなどの混合物)、炭素数10〜11の芳香族混合溶
剤など]、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトンなど)、基油などが挙げられる。
これらの重合溶剤は重合完了後留去することもできる
が、そのまま重合体(A)を溶液として使用することも
できる。また、本発明における(A2)は、公知の2段
重合法およびポリマー反応法で得ることができる。例え
ば(b)に(a)がグラフト状に結合した共重合体は以
下の方法で得ることができる。まず、(b)を構成する
ビニルモノマーを前述と同様な方法でラジカル重合す
る。次いで(b)の存在下に(a)を構成するビニルモ
ノマーを加え、溶剤中もしくは無溶剤下に過酸化物系開
始剤によりグラフト重合することにより、(b)に
(a)がグラフトした共重合体が得られる。グラフト重
合する際の溶剤および過酸化物系開始剤としては、前述
のものと同様なものが使用できる。
【0023】(A1)の具体例としては以下のものなど
が挙げられる。 (ア)炭素数28〜42の1-アルケンの混合物/マレイン
酸ジメチル(モル比50/50)共重合体 (イ)炭素数28〜42の1-アルケンの混合物/フマル酸
ジメチル(モル比50/50)共重合体 (ウ)炭素数28〜42の1-アルケンの混合物/フマル酸
ジブチル(モル比50/50)共重合体 (エ)炭素数28〜42の1-アルケンの混合物/フマル酸
ジブチル/フマル酸ジ2-エチルヘキシル(モル比50/25/2
5)共重合体 (オ)炭素数28〜42の1-アルケンの混合物/フマル酸
ジ2-エチルヘキシル(モル比50/50)共重合体 (カ)炭素数28〜42の1-アルケンの混合物/フマル酸
ジドデシル(モル比50/50)共重合体 (キ)炭素数28〜42の1-アルケンの混合物/フマル酸
ジステアリル(モル比50/50)共重合体 (ク)炭素数28〜42の1-アルケンの混合物/炭素数2
0〜28の1-アルケンの混合物/フマル酸ジ2-エチル
ヘキシル(モル比30/20/50)共重合体 また、(A2)の具体例としては、以下のものなどが挙
げられる。 (ケ)エチレン/酢酸ビニル(モル比84/16)共重合物に前記
(ア)〜(ク)のいずれかをグラフトしたもの (コ)エチレン/酢酸ビニル/ネオデカン酸ビニル(モル比84
/14/2)共重合物に前記(ア)〜(ク)のいずれかをグラフトし
たもの (サ)エチレン/酢酸ビニル/4-メチルペンテン-1(モル比84
/14/2)共重合物に前記(ア)〜(ク)のいずれかをグラフトし
たもの
【0024】本発明の流動性向上剤は、(A1)または
(A2)の少なくとも一方を含有しているものである
が、(A1)および(A2)が併用されてもよい。併用
の場合の(A1)と(A2)の重量比は、好ましくは9
9/1〜1/99、さらに好ましくは90/10〜10
/90である。
【0025】本発明の流動性向上剤においては、(A
1)および/または(A2)とともに、さらにエチレン
および脂肪族カルボン酸ビニルエステルから誘導される
単位を必須構成単位とする重合体(B)を含有させるこ
ともできる。(B)を用いることで、より低温流動性が
向上できる点で好ましい。(B)を構成する脂肪族カル
ボン酸ビニルエステルとしては、前述の(4-11)で挙げた
もののうち飽和もしくは不飽和脂肪族カルボン酸ビニル
エステルが挙げられ、好ましいものも同様である。
(B)においても、同様にエチレンおよび脂肪族カルボ
ン酸ビニルエステルとともに他のビニル単量体を共重合
することもできる。他のビニル単量体としては、前述の
(4-2)、(4-3)と同様なものが挙げられる。
【0026】(B)を構成する単量体におけるエチレン
の含量は、好ましくは70〜95モル%、さらに好まし
くは80〜90モル%、特に好ましくは82〜88モル
%である。脂肪族カルボン酸ビニルエステルの含量は、
好ましくは5〜30モル%、さらに好ましくは5〜20
モル%、特に好ましくは10〜18モル%である。他の
ビニル単量体(4)の含量は、好ましくは0〜10モル
%、さらに好ましくは0〜5モル%である。低温流動性
の観点から上記範囲が好ましい。
【0027】共重合体(B)の5%ケロシン溶液の曇点
は、低温流動性の観点から、好ましくは−30〜30
℃、さらに好ましくは−20〜25℃、特に好ましくは
−10〜20℃である。また、(B)の曇点は(A1)
または(A2)の曇点よりも、2℃以上低いことが好ま
しく、3〜30℃低いことが特に好ましい。(B)の重
量平均分子量は、好ましくは2,000〜500,00
0であり、さらに好ましくは2,500〜100,000
0、特に好ましくは3,000〜50,000、とりわけ
好ましくは5,000〜20,000である。2,000
以上にすることで低温流動性が向上し、500,000
以下にすることで基油への溶解性が向上する。(B)の
数平均分子量は、好ましくは1,000〜200,00
0であり、さらに好ましくは1,500〜50,00
0、特に好ましくは2,000〜20,000、とりわ
け好ましくは2,500〜10,000である。1,00
0以上にすることで低温流動性が向上し、200,00
0以下にすることで基油への溶解性が向上する。
【0028】共重合体(B)を併用する際の、共重合体
(A1)および/または(A2)と(B)の重量比は、
好ましくは1:99〜40:60、さらに好ましくは
5:95〜30:70、特に好ましくは7:93〜2
0:80である。上記範囲とすることで低温流動性が向
上するとともに、通油性への影響も少なくなる点で好ま
しい。
【0029】(B)の具体例としては、以下のものなど
が挙げられる。 エチレン/酢酸ビニル(モル比84/16)共重合体 エチレン/酢酸ビニル/ネオデカン酸ビニル(モル比
84/14/2)共重合体 エチレン/酢酸ビニル/4-メチルペンテン-1(モル比
84/14/2)共重合体
【0030】本発明の流動性向上剤は、これを溶剤で希
釈することもできる。あらかじめ溶剤で希釈しておくこ
とで、燃料油などに添加する際に容易に溶解するように
なり、低温流動性が発現しやすくなる点で好ましい。溶
剤としては、脂肪族溶剤[通常、炭素数6〜18の脂肪
族炭化水素(ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、オ
クタン、デカリン、灯油など)];芳香族溶剤(C)
{通常、炭素数7〜15の芳香族溶剤[トルエン、キシ
レン、エチルベンゼン、炭素数9の芳香族混合溶剤(ト
リメチルベンゼン、エチルトルエンなどの混合物)、炭
素数10〜11の芳香族混合溶剤など]};基油などが
挙げられる。これらのうち好ましいものは炭素数7〜1
5の芳香族溶剤であり、特に好ましいものは炭素数9の
芳香族混合溶剤および炭素数10〜11の芳香族混合溶
剤である。本発明の流動性向上剤を溶剤で希釈する場合
の溶剤の比率は、希釈後の流動性向上剤の全重量のうち
の好ましくは10〜80重量%、さらに好ましくは20
〜60重量%、特にに好ましくは30〜50重量%であ
る。溶剤の比率が高いほうが燃料油などに容易に溶解す
る点で好ましいが、あまり多いのは経済的ではない。
【0031】該流動性向上剤の曇点は、好ましくは80
℃以下、さらに好ましくは−20〜75℃、特に好まし
くは0〜70℃、とりわけ好ましくは20〜65℃であ
る。曇点を80℃以下にすることで、燃料油などの基油
への溶解が容易になる。なお、本流動性向上剤の曇点
は、流動性向上剤を加温して均一溶解した後、徐々に冷
却(0.5℃/分)し、溶液が白濁し始めるる温度をも
って曇点とする。また、該流動性向上剤の100℃にお
ける動粘度は、通常100mm2/s以下、好ましくは5〜
80mm2/s、さらに好ましくは10〜60mm2/sである。
動粘度を100mm2/s以下にすることで、燃料油などの
基油への溶解が容易になる。
【0032】本発明の流動性向上剤は、低温での流動性
および低温でのフィルター通油性を向上させるため、石
油中間留出油、燃料油(ディーゼル燃料油、A重油等)
に有用であり、特に炭素数17〜22のワックスを含有
する燃料油(該ワックスの含有量は通常1〜10重量
%)に有用である。該燃料油としては、低硫黄原油(た
とえば、ミナス原油等南方系の原油)の通常の蒸留で得
られるJIS1号軽油、JIS2号軽油、JIS3号軽
油、JIS特3号軽油およびA重油;通常の原油から水
素化脱硫処理工程を経て製造される脱硫軽油およびA重
油;該脱硫軽油と直留軽油(水素化脱硫工程前の軽油)
をブレンドして得られる軽油留分から製造されるJIS
1号軽油、JIS2号軽油、JIS3号軽油、JIS特
3号軽油およびA重油が挙げられる。特に、水素化脱硫
処理工程を経て製造される脱硫軽油を50重量%以上使
用して製造される、硫黄含有量が0.05重量%以下の
JIS1号軽油、JIS2号軽油、JIS3号軽油およ
びJIS特3号軽油に有用であり、とりわけ、硫黄含有
量が0.005重量%以下のJIS1号軽油、JIS2
号軽油、JIS3号軽油およびJIS特3号軽油に有用
である。
【0033】本発明の流動性向上剤は、燃料油中に、好
ましくは10〜5000ppm添加され、流動性、経済
性の観点から、さらに好ましくは20〜2000pp
m、特に好ましくは20〜700ppmである。
【0034】燃料油には、本発明の流動性向上剤と共
に、公知の他の添加剤たとえば、WAX分散剤(フマル
酸ジアルキル/酢酸ビニル共重合体、フマル酸ジアルキ
ル/プロピレン共重合体など)、潤滑性向上剤(オレイ
ン酸、リノール酸、リノレイン酸およびそのグリセリン
エステルなど)、防錆剤(脂肪族アミンおよびその塩、
有機リン酸エステル、有機スルホン酸塩など)、酸化防
止剤(ヒンダードフェノール類、サリチリデン誘導体な
ど)、セタン価向上剤(アルキル硝酸エステル類、アミ
ルナイトレート、イソプロピルナイトレートなど)、清
浄分散剤、燃焼性向上剤、導電性付与剤、および他の流
動性向上剤(ポリアルキルメタクリレート、ポリオール
の脂肪酸エステルなど)などを添加することもできる。
また、あらかじめ本発明の流動性向上剤と上記他の添加
剤を混合した添加剤組成物としたものを用いることもで
きる。
【0035】本発明の流動性向上剤は、燃料油以外のワ
ックス分を含有する油に対しても効果を示し、潤滑油な
どにも有用である。また、石油留分含有のワックス以外
にも効果を示し、天然物(例えば動物油や植物油)起因
の、偶数のアルキル基を有するワックス、脂肪酸、脂肪
族アルコール、脂肪族アミン等にも効果を示す。
【0036】
【実施例】以下に実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。なお、部
はいずれも重量部を表す。
【0037】製造例1 撹拌装置、加熱装置、温度計、窒素吹き込み管を備えた
反応器に、炭素数28以上の1-アルケンの混合物(三菱
化学(株)製ダイアレン30:融点78℃)762部およ
びマレイン酸ジメチル238部を加え、窒素雰囲気と
し、125℃に昇温した。これにt−ブチルパーベンゾ
エート40部を加え、125℃で4時間重合し、重合体
(A-1)を得た。(A-1)の5%ケロシン溶液の曇点は35
℃、重量平均分子量は9400であった。
【0038】製造例2 製造例1と同様にして、炭素数28以上の1-アルケンの
混合物(三菱化学(株)製ダイアレン30)575部とフ
マル酸ジ2-エチルヘキシル425部を共重合し、重合体
(A-2)を得た。(A-2)の5%ケロシン溶液の曇点は25
℃、重量平均分子量は8500であった。
【0039】製造例3 撹拌装置、加熱装置、温度計、窒素吹き込み管を備えた
反応器に、エチレン/酢酸ビニル/ネオデカン酸ビニル
共重合体(82/17/1モル比、数平均分子量400
0、重量平均分子量7300)250部、炭素数28以
上の1-アルケンの混合物(三菱化学(株)製ダイアレン3
0)571部およびマレイン酸ジメチル179部を加
え、窒素雰囲気とし、150℃に昇温した。これにジ−
t−ブチルパーオキサイド15部を加え、150℃で3
時間反応させることでグラフト重合し、重合体(A-3)を
得た。(A-3)の5%ケロシン溶液の曇点は32℃、重量
平均分子量は11300であった。
【0040】製造例4 製造例3と同様にして、エチレン/酢酸ビニル/ネオデ
カン酸ビニル共重合体(82/17/1モル比、数平均
分子量4000、重量平均分子量7300)500部の
存在下に、炭素数28以上の1-アルケンの混合物(三菱
化学(株)製ダイアレン30)334部とフマル酸ジブチ
ル166部をジ−t−ブチルパーオキサイド10部を開
始剤としてグラフト重合し、重合体(A-4)を得た。(A-4)
の5%ケロシン溶液の曇点は27℃、重量平均分子量は
12700であった。
【0041】製造例5 製造例3と同様にして、エチレン/酢酸ビニル/4-メチ
ルペンテン-1共重合体(83/16/1モル比、数平均
分子量4200、重量平均分子量8200)500部の
存在下に、炭素数28以上の1-アルケンの混合物(三菱
化学(株)製ダイアレン30)288部とフマル酸ジ2-エ
チルヘキシル213部をジ−t−ブチルパーオキサイド
10部を開始剤としてグラフト重合し、重合体(A-5)を
得た。(A-5)の5%ケロシン溶液の曇点は23℃、重量
平均分子量は12400であった。
【0042】製造例6(比較例) 製造例3と同様にして、エチレン/酢酸ビニル共重合体
(96.5/3.5モル比、数平均分子量2600、重
量平均分子量6600)500部にフマル酸ジ2-エチル
ヘキシル500部をジ−t−ブチルパーオキサイド20
部を開始剤としてグラフトし、重合体(A-6)を得た。(A-
6)の5%ケロシン溶液の曇点は32℃、重量平均分子量
は11800であった。
【0043】製造例7(比較例) 製造例3と同様にして、エチレン/酢酸ビニル/ネオデ
カン酸ビニル共重合体(82/17/1モル比、数平均
分子量4000、重量平均分子量7300)500部の
存在下に、オクタデセン263部とフマル酸ジブチル2
38部をジ−t−ブチルパーオキサイド10部を開始剤
としてグラフト重合し、重合体(A-7)を得た。(A-7)の5
%ケロシン溶液の曇点は12℃、重量平均分子量は13
200であった。
【0044】<流動性向上剤の製造> 実施例1〜5および比較例1、2 撹拌装置、加熱装置および温度計を備えた反応器に、下
表1の比率で各成分を加え、100℃にて均一溶解し
て、本発明の流動性向上剤(1)〜(5)および比較流動
性向上剤(C1)、(C2)を得た。
【0045】
【表1】
【0046】なお、重合体(B-1)、重合体(B-2)、溶剤(C
-1)は、以下の組成のものである。 (B-1):エチレン/酢酸ビニル/ネオデカン酸ビニル共
重合体(84/14/2モル比、数平均分子量390
0、重量平均分子量7100) (B-2):エチレン/酢酸ビニル/ネオデカン酸ビニル共
重合体(82/17/1モル比、数平均分子量400
0、重量平均分子量7300) (C-1):炭素数10〜11の芳香族混合溶剤
【0047】流動性向上剤の曇点、100℃における動
粘度および流動性向上剤の保管安定性評価結果を表2に
示す。
【0048】
【表2】
【0049】なお、流動性向上剤の保管安定性は以下の
方法で評価した。流動性向上剤100mLをガラス瓶中に
入れ、密栓する。これを50℃および60℃に恒温槽中
に入れ、その分離の有無を目視にて観察する。
【0050】<評価例>表3に示す性状のA重油および
軽油に、流動性向上剤(1)〜(5)および(C1)、(C2)を加
え均一に混合し、PP(流動点:JIS K2269
3に記載の方法)とCFPP(低温濾過器目詰まり点:
JIS K2288に記載の方法)を測定することによ
り低温流動性を評価した。また、下記の方法で通油性を
評価した。その結果を表4〜表6に示す。これから明ら
かなように本発明の流動性向上剤は、いずれのA重油お
よび軽油に対しても、非常に優れた低温流動性を与え、
かつ通油性に優れる。 通油性評価法:メンブランフィルター(孔径5μm、フィルタ
ー径13mmφ)を付した加圧ろ過器に、ポンプにて、5℃
に温調した評価油を毎分20mLの流量で送液し、ろ過す
る。そのろ過圧が0.1MPaに到達するまでの通油時
間をもって通油性とする。
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】
【表5】
【0054】
【表6】
【0055】
【発明の効果】本発明の流動性向上剤は、従来のもの
に比較して、燃料油の低温流動性の向上効果に優れ、少
量の添加でCFPP(低温濾過器目詰まり点)およびP
P(流動点)を低くすることができる。 本発明の流動性向上剤は、従来のものに比較して、燃
料油の通油性に優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 145/16 C10M 145/16 149/06 149/06 // C10N 20:00 C10N 20:00 A 30:02 30:02 30:08 30:08 40:25 40:25 Fターム(参考) 4H013 CC01 4H104 BA03C CB07C CB09C CE03C EA04C LA01 LA04 PA41 4J026 AA12 AA37 AA38 BA01 BA36 DB02 DB13 GA08

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和カルボン酸のエステル、アミドお
    よびイミドから選ばれる1種以上の単量体(1)並びに
    炭素数が28以上の1-アルケン(2)から誘導される
    単位を必須構成単位とする共重合体(A1)からなるこ
    とを特徴とする流動性向上剤。
  2. 【請求項2】 不飽和カルボン酸のエステル、アミドお
    よびイミドから選ばれる1種以上の単量体(1)並びに
    炭素数が28以上の1-アルケン(2)から誘導される
    単位を必須構成単位とするポリマー鎖(a)と、エチレ
    ンから誘導される単位を必須構成単位とするポリマー鎖
    (b)が、グラフト状および/またはブロック状に結合
    した共重合体(A2)からなることを特徴とする流動性
    向上剤。
  3. 【請求項3】 (b)が、さらにエステル基含有ビニル単
    量体(4-1)および/または炭素数3以上の1-アルケン(4
    -2)から誘導される単位を有するポリマー鎖である請求
    項2記載の流動性向上剤。
  4. 【請求項4】 (4-1)が脂肪族カルボン酸ビニルエステ
    ルである請求項3記載の流動性向上剤。
  5. 【請求項5】 (2)の融点が50〜100℃である請
    求項1〜4のいずれか記載の流動性向上剤。
  6. 【請求項6】 (1)が、不飽和ジカルボン酸エステル
    (1-2)である請求項1〜5のいずれか記載の流動性向上
    剤。
  7. 【請求項7】 (A1)または(A2)の5%ケロシン
    溶液の曇点が0〜60℃である請求項1〜6のいずれか
    記載の流動性向上剤。
  8. 【請求項8】 さらに、エチレンおよび脂肪族カルボ
    ン酸ビニルエステルから誘導される単位を必須構成単位
    とする共重合体(B)を含有する請求項1〜7のいずれ
    か記載の流動性向上剤。
  9. 【請求項9】 (B)の5%ケロシン溶液の曇点が−3
    0〜30℃である請求項8記載の流動性向上剤。
  10. 【請求項10】 (B)を、共重合体の合計重量に基づ
    いて60〜99%含有する請求項8または9記載の流動
    性向上剤。
  11. 【請求項11】 さらに、炭素数が7〜15の芳香族溶
    剤(C)を含有する請求項1〜10のいずれか記載の流
    動性向上剤。
  12. 【請求項12】 曇点が80℃以下であり、かつ100
    ℃における動粘度が100mm2/s以下である請求項1〜
    11のいずれか記載の流動性向上剤。
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