JP5204956B2 - 燃料油組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、低温でワックス形成に感受性のある燃料油組成物に関する。
燃料油は、石油から誘導されるにしても植物源からにしても、燃料の流動する能力を消失させるゲル構造を形成するように低温でワックスのプレートのような大きな結晶又は球晶として沈殿させる傾向がある成分、例えば、n-アルカン又はメチルn-アルカノエートを含有する。燃料がなお流動する最低温度は流動点として知られる。
燃料の温度が降下し、流動点に近づくにつれて、ラインやポンプによって燃料を輸送するのに問題が生じる。更に、ワックスの結晶は、流動点よりも高い温度で、燃料パイプ、スクリーン、フィルターを詰まらせる傾向がある。これらの問題は、従来技術において十分認められており、種々の添加剤が提唱され、その多くは燃料油の流動点を低下させるために商業的に用いられている。同様に、他の添加剤も提唱され、サイズを減少させるために、また、形を与えるワックスの結晶の形状を変えるために商業的に用いられている。フィルターを詰まらせにくいので小さなサイズの結晶が望ましい。ディーゼル燃料からのワックスは、主にアルカンワックスであり、小板状物として結晶する。ある種の添加剤がこれを阻止し、ワックスを針晶にするようにさせ、得られた針晶はフィルターを通過しやすく、又は、小板状物であるよりはフィルタ上で結晶の多孔質層を形成する。添加剤は、また、燃料において懸濁液としてワックスの結晶を保持すること、沈降を減少させること、従って遮断の防止を援助することの効果を有することができる。中間留出(例えばジェット燃料、暖房用オイル又はディーゼル燃料)に用いられるこのようなワックス結晶変性添加剤は、中間留分流れ向上剤(MDFI)として既知である。
有効なワックス結晶変性(軽油ろ過目詰まり点(CFPP)や他の動作可能試験、また、模擬、現地性能で測定した)は、エチレン-酢酸ビニル(EVAC)又はプロピオン酸ビニルコポリマー系流れ向上剤によって達成することができる。
国際出願第96/07718号には、エチレン単位と異なるビニルエステル単位を含有する油溶性エチレンターポリマー、及び燃料油組成物の低温流れ特性を改善するための添加剤としてのそれらの使用が開示されている。ポリマー例1〜4は、種々の割合の2つの不飽和エステル、並びに異なる数平均分子量及び枝分れ特性を有するエチレン-酢酸ビニル-ビニル2-エチルヘキサノエートターポリマーである。国際出願第96/07718号に記載されたポリマーは、有効な低温流れ向上剤である。
上記流れ向上剤は非常に有効であるが、それらの適用における問題は、C17〜21 n-アルカン分布が上がり、C22より大きいものは下がるようにある種の燃料においてそれらの有効性が減少することである。本発明は、本明細書における例によって証明されたように、その中の単位のモルパーセントが注意深く制御されているエチレンポリマーを用いることによってこの問題を克服するものである。
従って、第1態様においては、本発明は、
(A)多量の燃料油であって、燃料油がn-アルカン炭素数分布曲線に対して質量%を有し、
ここで、n-アルカンは、
(i) 炭素数18から炭素数26までの勾配が-0.30未満、例えば、-0.35未満、例えば、-0.5未満であること; 及び
(ii) 炭素数22より大きいn-アルカンの質量と炭素数18〜炭素数21のn-アルカンの質量との比が0.25を超えない、例えば、0.20又は0.10を超えないこと
を特徴とするn-アルカンと同じ融点を有するあらゆるエステルを含む、前記燃料油; 及び(B) 少量の添加剤であって、前記添加剤が、エチレンから誘導される単位に加えて、下記式(I):
Figure 0005204956
を有する単位を含み、必要により下記式(II):
Figure 0005204956
を有する単位を含んでいてもよい少なくとも1つのエチレンポリマーを含み、
ここで、R1基とR2基は、各々独立して水素又はメチルであり;
R3基は、各々独立して炭素原子5個以上を有するアルキル基であり;
R4基は、各々独立して炭素原子1〜4個を有するアルキル基であり、
その又は各エチレンポリマーにおける式(I)の単位の割合が13モルパーセントより大きく20モルパーセント以下であり、
その又は各エチレンポリマーにおける式(I)と式(II)の単位の全割合が13モルパーセントより大きく25モルパーセント以下である、前記添加剤を含む燃料油組成物を提供する。
一実施態様においては、燃料油は、中間留出燃料を植物系燃料と、又はフィッシャー-トロプシュ合成燃料と、又は水素化分解植物燃料と混合して含んでいる。
他の実施態様においては、燃料油は、硫黄原子として表される10質量ppm以下の硫黄を有する中間留出燃料を含んでいる。
第2態様においては、本発明は、油の低温特性を改善するための、本発明の第1、第2又は第3態様のいずれかにおいて定義された、燃料油における本発明の第1態様において定義された、添加剤の使用を提供する。
本明細書において、以下の語句が使われる場合には、下記の通りの意味を有する。
“活性成分”又は“(a.i.)”は希釈剤又は溶媒でない添加剤材料を意味し;
“を含む”又はあらゆる同族語は、明示された特徴、工程、又は完全体又は成分の存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、工程、完全体、成分又はその群の存在又は付加を排除せず;
“からなる”又は“から本質的になる”という表現又は同族語は、“を含む”又は同族語の中に包含することができ、ここで、“から本質的になる”は、適用する組成物の特性に物質的に影響を及ぼさない物質を含むことを可能にし;
“多量”は、組成物の50質量%を超えていることを意味し;
“少量”は、組成物の50質量%未満を意味する。
また、不可欠に又は任意に若しくは通例に用いられる各種成分は、配合物、貯蔵又は使用の状態のもとで反応することができ、本発明は、このようなあらゆる反応の結果として入手できるか又は得られる生成物を得ることが理解される。
更に、本願明細書に示されるあらゆる上下の量、範囲、比の許容値を独立して組合わせることができることが理解される。
本発明の各態様や全ての態様に必要に応じて関係している本発明の特徴をここで以下の通り更に詳細に記載する。
燃料油
本発明が関係する燃料油は、本発明の種々の態様に関して上で定義した通りのものである。いかなる理論にも縛られたくないが、定義を以下に述べる。
燃料油の冷却時にワックスとして分離するN-アルカンの炭素数は、たいてい17より大きい。燃料油は、17より大きい炭素数のn-アルカンが急勾配になるために、n-アルカン炭素数プロット線、即ち、分布曲線に対する質量%の負の勾配として、CFPP試験によって示される場合、処理が更に困難になることが認められる。このような分布曲線は、例えば、蒸留塔におけるディーゼル留分の更に鋭く効率的な分留から生じることができる。上に述べられた燃料油の特性(i)、即ち、負の最大勾配は、炭素数18〜26を表している分布曲線の部分を第3次多項式にあてはめ、代表的な値として曲線のその部分の負の最大勾配、即ち、d(質量%)/d(炭素数)をとることにより求めることができる。
燃料油の特性(ii)は、高いn-アルカンの質量とワックスとして分離するn-アルカンのバルクの質量との比を表している。この比は、ワックス結晶のための核がワックスのバルクの燃料における多くのn-アルカンによって形成されることから重要である。従って、比が大きいほど、多くの核が更に小さな結晶を引き起こすことからワックス結晶が小さくなる。それ故、添加剤のある処理に対して、曇り点より低いCFPP低下は大きくなる。
多くの燃料に関する試験において、現在の市販の中間留分流れ向上剤(MDFI)で処理することが難しい燃料は、本発明の特性(i)と(ii)を特徴とするものに対応することが示された。
それらの特性を有する燃料油は、作業的に許容しうる最大処理速度を表す既存の添加剤技術を用いて、例えば、MDFIの500質量ppmを用いて、少なくとも10℃のCFPP低下で測定される場合、目標の低温流れ性能を容易に与えられることができない意味において処理するのが難しい。
処理するのが難しく、本発明が適用できる燃料油の例及び/又は他の例は以下の通りである。
・植物系燃料と混合した中間留出燃料を含む燃料油。このような植物系燃料の例は、脂肪酸メチルエステル(“FAME”)であり、法規制及び/又は税額控除の結果として、いわゆるバイオディーゼルを形成するために中間留出燃料に添加することができる。FAMEの例として、アブラナ種子メチルエステル(RME)やパーム油メチルエステル(PME)を挙げることができる。FAMEは、特定のエステル、例えば、ステアリン酸メチルやパルミチン酸メチルを含むことができ、その全てがディーゼル燃料ワックスと分離することがわかった。
・フィッシャー-トロプシュ合成燃料と混合した中間留出燃料を含む燃料油。フィッシャー-トロプシュ燃料は、最初に、シンガス(CO + H2)を生成し、次に、フィッシャー‐トロプシュ法によってシンガスをノルマルアルカンに変換することによって調製したものである。次に、フィッシャー-トロプシュ燃料を得るために、ノルマルアルカンを種々の炭化水素、例えば、イソパラフィン、シクロパラフィン、芳香族化合物を生じる接触分解/改質又は異性化)、水素化分解、水素異性化のような方法によって完全に又は部分的に改良することができる。フィッシャー-トロプシュ燃料の例として、ガスから液体に変換する燃料(GTL)、バイオマスから液体に変換する燃料(BTL)、石炭変換燃料を挙げることができる。
・水素化分解(又は水素処理)植物燃料(HRO)と混合した中間留出燃料、このような植物燃料は上記の通りである。
フィッシャー-トロプシュ合成燃料を含む燃料油の特性(i)と(ii)を測定するために、フィッシャー-トロプシュ燃料によって燃料油に関与したn-アルカンの質量%を、適切には加重された、中間留出燃料によって関与したn-アルカンの質量%に加える。FAMEを含む燃料油の特性(i)と(ii)を測定するために、脂肪酸の関与質量%を上記と同じ方法であるが、FAMEをFAMEと同じ融点を有するn-アルカンと相関させた後に加える。例として、メチルパルミテートは、n-C19H40と同じ融点(33℃)を有し、それ故、C19 n-アルカンであるかのように処理され; ステアリン酸メチルは、n-C21H44と同じ融点(41℃)を有し、それ故、C21 n-アルカンであるかのように処理される。これの根拠は、これらのエステル/n-アルカン対が同様の分子量とワックスの性質を有するので、同様の結晶化熱を有すると予想されるということであり; 従って、それらの溶解性はそれらの融点に関する。メチルオレエートは、n-C13H28と同じ融点(-5℃)を有するが、ワックスとして分離するにはあまりに可溶性であることから無視される。
一旦上記の調節がなされると、特性(i)と(ii)は、ブレンドされていない炭化水素燃料油のように算出することができる。
上で示した中間留出燃料油は、110〜500、例えば、150〜400又は170〜370℃の範囲内で通常沸騰する石油系燃料油である。大気中の留出油又は減圧留出油、又は直留と熱的に及び/又は触媒的に分解された又は水素化分解された留出油のあらゆる割合のブレンドを含むことができる。最も一般的な石油(中間留出)留出燃料は、灯油、ジェット燃料、ディーゼル燃料、暖房用油である。暖房用オイルは、直留大気中の留出油であってもよく、少量、例えば、35%質量までの減圧ガスオイル又は分離ガス油又はその双方を含有してもよい。低温フローの問題は、通常、ディーゼル燃料や暖房用オイルの使用において直面する。
好ましくは、中間留出燃料油の硫黄含量は、多くても0.2質量%、特に多くても0.5質量%である。低いレベルの硫黄、例えば、50質量ppm未満、好ましくは20質量ppm未満、好ましくは20質量ppm未満、例えば、10質量ppm以下を有する中間留出燃料油が適切である。
植物系燃料、フィッシャー-トロプシュ合成燃料又は水素化分解された植物燃料は、2〜80質量パーセント、例えば、5〜80質量パーセント、好ましくは5〜50質量パーセント、更に好ましくは5〜20質量パーセントの燃料油を構成することができる。
本発明が適用できる燃料油の例として、更に、上で用いた場合の又は少量又は偶然の量(例えば、2質量%以下)の他の燃料油、例えば、GTL又はFAMEと、上で示された、10質量ppm以下の硫黄を含有する中間留出燃料油を挙げることができる。超低硫黄燃料油と呼ばれるこのような燃料油は、350又は330℃より高い沸騰する留分に対する限度を必要とする脱硫方法によって調製することができる(このような留分は脱硫するのが難しいので)。
これにより、本明細書の意味において処理することを難しくするn-アルカン分布特性に対する限度が鋭くなる。
エチレンポリマー添加剤
式(I)と(II)において、R1とR2が各々水素であることが好ましい。式(I)において、R3は、炭素原子5〜15個を有するアルキル基、例えば、炭素原子7〜15個を有する分枝鎖アルキル基であることが好ましく、ここで、式(I)の特に好ましい単位は2-エチルヘキサノエート、ビニルネオデカノエート、ビニルオクタノエートのようなモノマーから誘導されるものである。式(II)において、R4はメチル基であることが好ましい。
好ましくは、その又は各エチレンポリマーにおける式(I)の単位の割合は、13モルパーセントより大きく19モルパーセントまで、例えば、14〜18モルパーセント、好ましくは15〜17モルパーセントである。
好ましくは、その又は各エチレンポリマーにおける式(I)と式(II)の単位の全割合は、15〜20モルパーセント、例えば、16〜18モルパーセントである。
明示された式(II)の単位は任意である。即ち、本発明は、エチレンポリマーが式(II)の単位を含有しない実施態様を含むことができる。その各エチレンポリマーにおける式(II)の単位の割合は、0〜15モルパーセント; 例えば0〜10モルパーセント、特に0〜5モルパーセント、更に特に2〜5モルパーセントであってもよい。
ポリマーは、少なくとも2つの異なる反復モノマー単位を有する。即ち、少なくとも2つの異なるモノマーから誘導できる。式(II)の単位が含まれる場合、ポリマーは、少なくとも3つの異なる反復モノマー単位を有する。また、4つ以上のモノマーから誘導できるポリマーも含まれる。例えば、ポリマーは、式(I)又は(II)の2つ以上の異なる単位を含有することができ、及び/又は下記式(III):
Figure 0005204956
(式中、R5は、R4で定義したもの以外の炭素原子5個以上を有するヒドロカルビル基である。)
の単位を含有することができる。
本明細書に用いらる“ヒドロカルビル”という用語は、炭素原子が分子の残りに直接結合し且つ炭化水素又は主に炭化水素特性を有する基を意味する。特に、脂肪族基(例えば、アルキル)、脂環式基(例えば、シクロアルキル)、芳香族、脂肪族、脂環式置換の芳香族基、芳香族置換の脂肪族、脂環式基を含む炭化水素基を挙げることができる。脂肪族基は、有利には飽和されている。これらの基は、それらの存在が基の主な炭化水素特性を変えななければ非炭化水素置換基を有してもよい。例としては、2-ケトプロピル、エトキシエチル、プロポキシプロピルが含まれる。基は、また、又は、或いは、炭素原子から構成される鎖又は環において炭素以外の原子を含有することができる。適切なヘテロ原子としては、例えば、窒素、硫黄、、好ましくは、酸素が含まれる。有利には、ヒドロカルビル基は、炭素原子を多くても30個、好ましくは多くても15個、更に好ましくは多くても10個、最も好ましくは多くても8個含有する。
ポリマーは、また、上述のもの以外の式の単位、例えば、下記式(IV)
-CH2CHR6- (IV)
(式中、R6は-OHである)
の単位又は下記式(V)
-CCH3(CH2R7)CHR8- (V)
(式中、R7とR8は各々の独立して水素又は炭素原子4個までを有するアルキル基である。)
の単位を有することができ、単位(V)はイソブチレン、2-メチルブタ-2-エン又は2-メチルペンタ-2-エンから有利には誘導されている。
少なくとも1つのエチレンポリマーの数平均分子量(Mn)は、好ましくは3000〜8000、更に好ましくは4000〜8000、最も好ましくは4000〜7000の範囲にある。ポリスチレン鎖と比較して、本明細書のMnはGPCで測定されるその値を意味する。
少なくとも1つのエチレンポリマーの枝分れ度は、100メチレン単位につき8メチル基未満、例えば、6メチル基未満、例えば、好ましくは2〜5メチル基、更に好ましくは2〜4メチル基、例えば、2〜3.5メチル基の範囲にある。ポリマーの枝分れ度は、NMRで測定され、R3基又はR4基におけるメチル基とメチレン基の数を修正した場合、100メチレン単位に対するメチル基の数である。枝分れ度の計算の例については欧州特許第1 007 606号の図1とその説明に言及されている。エチレンポリマーの枝分れ度のNMR定量に用いられる条件の詳細は、当業者に既知である。例えば、当業者は、十分に分割されないNMRスペクトルを避けなければならず且つ適切な条件を選ぶことを知っている。通常は、高周波NMR計測器から得られるNMRスペクトルが好ましい。適切なNMR溶媒は、双方の良好なシグナル分解能を確実にするとともに溶媒からのシグナルとポリマーからのシグナル間の妨害を最小にするように選ばれる。出願人は、重水素を含むクロロホルムの溶媒を用いて400Mhz以上で動作するNMR計測器から約40℃で得られるスペクトルが適切であることがわかった。1H NMR実験も13C NMR実験も所望により用いることができる。
また、本発明の第1態様に従って2つ以上のポリマーの混合物を含む組成物を提供することは本発明の範囲内である。
追加の低温流れ向上添加剤
本発明は、エチレンポリマーとビニルエステル、例えば、酢酸ビニルのような燃料油組成物において追加の低温流れ向上添加剤の存在を含むことができる。それらの存在により、CFPPで測定した場合、低温流れ性能が更に改善されることになる。
このような他の追加添加剤を以下に記述する。
櫛型ポリマーは、ヒドロカルビル基を有する枝分れがポリマー主鎖からペンダントであるポリマーであり、“Comb-Like Polymers. Structure and Properties", N. A. Plate and V. P. Shibaev, J. Poly. Sci. Macromolecular Revs., 8, p 117 to 253 (1974)に記載されている。
一般的には、櫛型ポリマーは、通常炭素原子10〜30個を有する1つ以上の長鎖ヒドロカルビル枝分れ、例えば、オキシヒドロカルビル枝分れ、ポリマー主鎖からペンダントを有し、前記枝分れが骨格鎖に直接又は間接に結合されている。間接結合の例は、間に置かれた原子又は基をによる結合を含み、結合が、塩におけるような共有結合及び/又はイオン結合を含むことができる。
有利には、櫛型ポリマーは、側鎖が少なくとも6原子、好ましくは少なくとも10原子を有する、少なくとも25モルパーセント、好ましくは少なくとも40モルパーセント、更に好ましくは少なくとも50モルパーセントの単位を有するホモポリマー又はコポリマーである。
好ましい櫛型ポリマーの例として、下記一般式
Figure 0005204956
(式中、D = R11、COOR11、OCOR11、R12COOR11又はOR11
E = H、CH3、D、又はR12
G = H又はD
J = H、R12、R12COOR11、又はアリール又は複素環基、
K = H 、COOR12、OCOR12、OR12又はCOOH、
L = H 、R12、COOR12、OCOR12、COOH、又はアリール、
R11 ≧C10ヒドロカルビル、
R12≧C1ヒドロカルビル又はヒドロカルビレン、
mとnは、モル分率であり、mは有限であり、好ましくは1.0〜0.4の範囲内にあり、nは1未満であり、好ましくは0〜0.6の範囲内にある。R11は、有利には炭素原子10〜30個を有するヒドロカルビル基であり、R12は、有利には炭素原子1〜30個を有するヒドロカルビル基又はヒドロカルビレン基である。)
を有するポリマーを挙げることができる。
櫛型ポリマーは、所望により又は必要とされる場合、他のモノマーから誘導される単位を含有することができる。
これらの櫛型ポリマーは、無水マレイン酸又はフマル酸又はイタコン酸と、スチレンを含む他のエチレン系不飽和のモノマー、例えば、α-オレフィン、又は不飽和エステル、例えば、酢酸ビニルのコポリマー又はフマル酸又はイタコン酸のホモポリマーであってもよい。等モル量のコモノマーを用いることが好ましいが不可欠でなく、2:1〜1:2の範囲のモル割合が適切である。例えば、マレイン酸無水物と共重合することができるオレフィンの例としては、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、及び1‐オクタデセンが含まれる。
櫛型ポリマーの酸基又は無水物基は、あらゆる適切な手法でエステル化することができ、マレイン酸無水物又はフマル酸が少なくとも50%エステル化されることが好ましいが不可欠でない。用いることができるアルコールの例としては、n-デカン-1-オール、n-ドデカン-1-オール、n-テトラデカン-1-オール、n-ヘキサデカン-1-オール、及びn-オクタデカン-1-オールが含まれる。アルコールは、また、1鎖につき1つまでのメチル分枝を含んでもよく、例えば、1-メチルペンタデカン-1-オール又は2-メチルトリデカン-1-オールを含むことができる。アルコールは、標準アルコールと単一メチル分枝アルコールの混合物であってもよい。市販のアルコール混合物よりむしろ純粋なアルコールを用いることが好ましいが、混合物が用いられる場合には、R12はアルキル基における平均炭素原子数を意味し; 1位又は2位に枝分れを有するアルコールが用いられる場合には、R12はアルコールの直鎖主鎖セグメントを意味する。
これらの櫛型ポリマーは、特に、例えば、欧州特許第153176号、欧州特許第153177号、欧州特許第225688号、国際出願第91/16407号に記載される、フマレート又はイタコネートポリマーやコポリマーであってもよい。
特に好ましいフマレート櫛型ポリマーは、例えば、フマル酸エステルと酢酸ビニルの等モル混合物を溶液共重合によって製造された、アルキル基が炭素原子10〜20個を有するアルキルフマレートと酢酸ビニルのコポリマー、特にアルキル基が炭素原子12個を有するか又はアルキル基がC12/C14アルキル基の混合物であるポリマーである。混合物が用いられる場合、有利には正常なC12とC14の標準アルコールの1:1質量混合物である。更にまた、C12エステルと混合C12/C14エステルとの混合物が、有利に用いることができる。このような混合物においては、C12とC12/C14との比は、質量で有利には1:1〜4:1、好ましくは2:1〜7:2、最も好ましくは約3:1の範囲にある。特に好ましい櫛型ポリマーは、気相浸透圧測定で測定した場合、数平均分子量が、1,000〜100,000、特に1,000〜30,000であるものである。
他の適切な櫛型ポリマーは、α-オレフィンのポリマーやコポリマー、スチレンとマレイン酸無水物のエステル化コポリマー、スチレンとフマル酸のエステル化コポリマーであり; 2つ以上の櫛型ポリマーの混合物は本発明に従って用いることができ、上記のように、このような使用は有利なものである。櫛型ポリマーの他の例は、炭化水素ポリマー、例えば、エチレンと少なくとも1つのα-オレフィンのコポリマーであり、α-オレフィンは好ましくは多くても炭素原子20個を有し、例はn-デセン-1、n-ドデセン-1である。好ましくは、このようなコポリマーの数平均分子量は、GPCで測定した少なくとも30,000である。炭化水素コポリマーは、当該技術において既知である方法によって、例えば、チーグラー触媒を用いて調製することができる。
好ましくは、添加剤組成物における櫛型ポリマーの量とエチレンポリマーの量との比は、1:99〜99:1の範囲、更に好ましくは1:10〜10:1の範囲、例えば、1:1である。
低温特性を改善するための他の添加剤としては、極性窒素化合物が含まれる。このような化合物は、1つ以上、好ましくは2つ以上の式>NR13の置換基を持っている油溶性の極性窒素化合物であり、ここで、R13は8〜40原子を有するヒドロカルビル基であり、置換基又は1つ以上の置換基はそこから誘導されたカチオンの形であってもよい。油溶性極性窒素化合物は、一般的には、燃料におけるワックス結晶成長抑制剤として作用することができるものである。例えば、以下の化合物:
少なくとも1モル割合のヒドロカルビル置換アミンと1〜4つのカルボン酸基又はその無水物を有する1モル割合のヒドロカルビル酸とを反応させることによって形成されたアミン塩及び/又はアミドの1つ以上を含み、式>NR13の置換基は式-N R13 R14を有し、ここで、R13は上で定義され、R14は水素又はR14であるが、R13とR14が同じでも異なってもよく、前記置換基は化合物のアミン塩及び/又はアミド基の部分を構成している。
全炭素原子30〜300個、好ましくは50〜150個を有するエステル/アミドを用いることができる。これらの窒素化合物は、米国特許第4,211,534号に記載されている。適切なアミンは、主にC12〜C40第一級、第二級、第三級又は第四級アミン又はその混合物であるが、得られた窒素化合物が油溶性であれば、更に短鎖アミンを用いることができ、通常は約30〜300の全炭素原子を有する。窒素化合物は、少なくとも1つの直鎖C8〜C40、好ましくはC14〜C24アルキルセグメントを有することが好ましい。
適切なアミンは、第一級、第二級、第三級又は第四級を含むが、好ましくは第二級である。第三級と四級アミンのみがアミン塩を形成する。アミンの例としては、テトラデシルアミン、ココアミン、水素添加された獣脂アミンが含まれる。第二級アミンの例としては、ジオクタセジルアミンやメチルベヘニルアミンが含まれる。天然材料から誘導されるアミン混合物もまた適切である。好ましいアミンは、第二級水素添加獣脂アミンであり、アルキル基は約4%のC14、31%のC16、59%のC18から構成される水素添加された獣脂脂肪から誘導される。
窒素化合物を調製するのに適切なカルボン酸及びそれらの無水物の例としては、エチレンジアミン四酢酸、環状骨格に基づくカルボン酸、例えば、ジアルキルスピロビスラクトンを含むシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸、シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸、シクロペンタン-1,2-ジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、1,4-ジカルボン酸が含まれる。通常、これらの酸は、環状部分に炭素原子約5〜13個を有する。本発明において有効な好ましい酸は、ベンゼンジカルボン酸、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸である。フタル酸とその無水物が特に好ましい。特に好ましい化合物は、1モル部分の無水フタル酸と2モル部分の二水素添加された獣脂アミンとを反応させることによって形成されたアミド-アミン塩である。他の好ましい化合物は、このアミド-アミン塩を脱水することによって形成されたジアミドである。
他の例は、長鎖アルキル又はアルキレン置換ジカルボン酸誘導体、例えば、置換されたコハク酸のモノアミドのアミン塩であり、それらの例は、当該技術において既知であり、例えば、米国特許第4,147,520号に記載されている。適切なアミンは、上記のものであってもよい。
他の例は、縮合物、例えば、欧州特許出願第327423号に記載されるものである。
低温特性を改善するための添加剤は、更に環構造に下記の一般式
-A-N R15 R16
(式中、Aは1つ以上のヘテロ原子によって任意に中断された直鎖又は分枝鎖脂肪族ヒドロカルビレン基であり、R15、R16は、同じか又は異なり、各々独立して1つ以上のヘテロ原子によって任意に中断された9〜40原子を有するヒドロカルビル基である。)
を有する少なくとも2つの置換基を持っている環状の環構造を有する化合物であり、置換基は同じか又は異なり、化合物は任意にその塩の形にある。有利には、Aは炭素原子1〜20個有し、好ましくはメチレン基又はポリメチレン基である。このような化合物は、国際出願第93/04148号に記載されている。
炭化水素ポリマーも適切である。例は、一般式:
Figure 0005204956
(式中、T = H又はR21、ここで
R21 = C1〜C40ヒドロカルビル、
U = H、T、又はアリール、
vとwは、モル分率であり、vは1.0〜0.0の範囲にあり、wは0.0〜1.0の範囲にある。)
を有するものである。
炭化水素ポリマーは、直接モノエチレン系不飽和モノマーから又は間接的にポリ不飽和のモノマー、例えば、イソプレンやブタジエンからポリマーを水素添加することにより製造することができる。
炭化水素ポリマーの例は、国際出願第91/11488号に開示されている。
好ましいコポリマーは、数平均分子量が少なくとも1,000である、エチレンα-オレフィンコポリマーである。好ましくは、α-オレフィンは炭素原子を多くても28個有する。このようなオレフィンの例は、プロピレン、ブテン、イソブテン、n-オクテン-1、イソオクテン-1、n-デセン-1、n-ドデセン-1である。コポリマーは、また、少量の、例えば、10質量%までの、他の共重合性単量体、例えば、α-オレフィン、及び非共役ジエン以外のオレフィンを含むことができる。
エチレンα-オレフィンコポリマーの数平均分子量は、上記のように、ポリスチレン標準と相対してゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定された場合、好ましくは少なくとも1,000、有利には少なくとも1,500、好ましくは少なくとも2,000である。
有利には、コポリマーのモルエチレン含有量は、50〜85パーセントである。更に有利には、エチレン含有量は、60〜90%の範囲内にあり、好ましくは、65〜90%; 更に好ましくは75〜85%の範囲内にある。
コポリマーは、当該技術において既知の方法のいずれかによって、例えばチーグラー触媒又はメタロセン型触媒を用いて調製することができる。
或いはまた、炭化水素ポリマーは、最も好ましくは、線状ジエンと、少なくとも1つの非結晶性ブロックのエンドツーエンド重合によって得られる、少なくとも1つの結晶性ブロックを含む、油溶性水素添加ブロックジエンポリマーであってもよく、非結晶性ブロックは線状ジエンの1,2‐立体配置重合によって、分枝のジエンの重合によって、又はこのような重合の混合物によって得られる。いずれのタイプの炭化水素ポリマーも共に用いることができる。
有利には、水素添加の前のブロックコポリマーは、ブタジエンだけから、又はブタジエンと下記式
CH2=CR22−CR23=CH2
(式中、R22はC1〜C8アルキル基であり、R23は水素又はC1〜C8アルキル基である。)
を有する少なくとも1つのコモノマーから誘導される単位を含んでいる。有利には、コモノマーにおける全炭素原子数は5〜8であり、コモノマーは有利にはイソプレンである。有利には、コポリマーは、ブタジエンから誘導される少なくとも10質量%の単位を含有する。
一般に、1つ又は複数の結晶性ブロックは主にブタジエンの1,4-又はエンドツーエンド重合から得られた単位の水素添加生成物であり、1つ又は複数の非結晶性ブロックは、ブタジエンの1,2-重合から又はアルキル置換ブタジエンの1,4-重合から得られた単位の水素添加生成物である。
本発明の一実施態様においては、追加の低温流れ向上添加剤は、1つ以上のポリオキシアルキレン化合物を除外している。
添加剤を燃料油に組み込むための手段として適切な溶媒と混合した添加剤を含む濃縮物が便利であり、当該技術において既知の方法で組込むことができる。濃縮物は、また、必要に応じて他の添加剤を含有することができ、好ましくは、3〜75wt %、更に好ましくは3〜60wt %、最も好ましくは10〜50wt %の、好ましくは油に可溶性の添加剤を含有する。溶媒の例は、炭化水素溶媒、例えば、ナフサ、灯油、ディーゼル、暖房用オイルのような石油留分; 芳香族留分のような芳香族炭化水素、例えば、‘SOLVESSO’商品名として販売されているもの; アルコール及び/又はエステル; ヘキサン、ペンタン、イソパラフィンのようなパラフィン系炭化水素を含む有機溶媒である。溶媒が添加剤との適合性や油との適合性を考慮して選ばなければならないことは当然のことである。
油組成物
本発明の燃料油組成物は、燃料油の質量に基づいて0.0005〜1、有利には0.001〜0.1、好ましくは0.01〜0.06の質量による割合で本発明の添加剤を含有する。
ここで、本発明の特許請求の範囲を制限するものではない以下の実施例として本発明を記載する。
添加剤
当該技術において通常記載される方法によって、2つの添加剤を試験のために入手し又は調製した。添加剤は以下の通りである。
1: 2モルパーセントの酢酸ビニルと16モルパーセントのビニル2-エチルヘキサノエートを含有する、エチレン: 酢酸ビニル: ビニル2-エチルヘキサノエートターポリマー。
A: 3モルパーセントの酢酸ビニルと11モルパーセントのビニル2-エチルヘキサノエートを含有する、エチレン: 酢酸ビニル: ビニル2-エチルヘキサノエートターポリマー。
添加剤1は本発明に用いられるが、添加剤Aは比較のためである。
燃料油組成物及び試験
実施例1
添加剤1とAを種々の割合で、20質量%のフィッシャー-トロプシュ合成燃料と混合した硫黄量が10ppmの中間留出燃料から構成された燃料油にブレンドして一組の燃料油組成物を準備した。燃料油は、C18からC26までの勾配(“勾配”)が-0.60であり、C22より大きいn-アルカンとC18〜C21のn-アルカンとの比(“比”)が0.084であるn-アルカン分布曲線を有した。
各々の燃料油組成物の低温流れ特性を"Journal of the Institute of Petroleum", 52 (1996), 173に記載される軽油ろ過器目詰まり点(CFPP)試験で測定した。結果は、下記に纏められており、ここで、数字で示される欄の表題は、質量ppmでの添加剤処理速度であり、ここで、添加剤は、ポリマーの75質量%を含有する。
Figure 0005204956
上記の結果は℃で表され、ここで、低い値は良好な低温流れ性能を示すものである。結果は、低い処理速度で-20℃の目標CFPPを達成する点で、本発明である添加剤1の低温流れ性能が比較添加剤、添加剤Aよりかなり良好であることを示している。
実施例2
添加剤1とAの各々を種々の割合で、硫黄量が10質量ppmの中間留出燃料を含む燃料油にブレンドして一組の燃料油組成物を準備した。燃料油のn-アルカン分布曲線は、勾配が-0.46、比が0.110であった。
各組成物のCFPPを、実施例1に記載されたように測定した。結果は、下記に纏められており、ここで、数字で示される欄の表題は、質量ppmでの添加剤処理速度であり、ここで、添加剤は、ポリマーの75質量%を含有する。
Figure 0005204956
結果は、-20℃の目標CFPP温度を達成するのに、添加剤1が比較添加剤、添加剤Aより非常に効果的であることを示している。
実施例3
実施例2を繰り返したが、燃料油組成物が更に、150質量ppmの市販のワックス沈降防止添加剤を含有した。結果は、下記に纏められており、ここで、数字で示される欄の表題は、実施例2の通りである。
Figure 0005204956
燃料油組成物のための目標CFPP温度は、-25℃であった。
結果は、添加剤1がその目標を達成するのに比較添加剤、添加剤Aより非常にさらに効果的であることを示している。
実施例4
実施例2の手順を繰り返したが、燃料油として、5質量%のアブラナ種子メチルエステル(RME)と混合した中間留出燃料; 及び150ppmの市販のワックス沈降防止添加剤(WASA)を含有するその燃料油を用いた。燃料油のn-アルカン分布曲線は、勾配が-0.66で比が0.098であった。結果を以下に纏める。
Figure 0005204956
* 添加剤は、75質量%のポリマーを含有する。
結果は、
・RME含有燃料は、添加剤 1よりむしろ比較添加剤を用いて処理するのが難しかった
・添加剤1は、WASA含有燃料を処理するのに比較添加剤より効果的であった
ことを示している。

Claims (12)

  1. 燃料油組成物であって、
    (A) 多量の燃料油であって、燃料油がn-アルカン炭素数分布曲線に対して質量%を有し、ここで、n-アルカンは、
    (i) 炭素数18から炭素数26までの勾配が-0.30未満であること; 及び
    (ii) 炭素数22より大きいn-アルカンの質量の、炭素数18〜炭素数21のn-アルカンの質量に対する比が0.25を超えないこと
    を特徴とするn-アルカンと同じ融点を有する油においてあらゆるエステルを含む、前記燃料油; 及び
    (B) 少量の添加剤であって、添加剤が、エチレンから誘導される単位に加えて、下記式(I):
    Figure 0005204956
    を有する単位を含み、必要により下記式(II):
    Figure 0005204956
    を有する単位を含んでいてもよい少なくとも1つのエチレンポリマーを含み、
    ここで、R1基とR2基は、各々独立して水素又はメチルであり;
    R3基は、各々独立して炭素原子7〜15個を有する分枝鎖アルキル基であり;
    R4基は、各々独立して炭素原子1〜4個を有するアルキル基であり、
    各エチレンポリマーにおける式(I)の単位の割合が13モルパーセントより大きく、20モルパーセント以下であり、各エチレンポリマーにおける式(I)と式(II)の単位の全割合が13モルパーセントより大きく、25モルパーセント以下である、前記添加剤を含む、前記組成物。
  2. 燃料油が、植物系燃料、又はフィッシャー-トロプシュ合成燃料、又は水素化分解植物燃料と混合して中間留出燃料を含む、請求項1記載の組成物。
  3. 燃料油が、硫黄原子として表される10質量ppm以下の硫黄を有する中間留出燃料を含む、請求項1記載の組成物。
  4. 植物系燃料、フィッシャー-トロプシュ合成燃料又は水素化分解植物燃料が燃料油の2〜80質量パーセントを構成する、請求項2記載の組成物。
  5. R1が水素である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 各エチレンポリマーにおける式(I)の単位の割合が13モルパーセントより大きく19モルパーセント以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 式(I)の単位と式(II)の単位の全割合が15〜20モルパーセントである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 式(II)の単位の割合が0〜15モルパーセントである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
  9. エチレンポリマーの枝分れ度が、プロトンNMRで測定され、R3基とR4基におけるメチル基とメチレン基の数を修正した場合、100メチレン単位につき8メチル基を超えない、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. エチレンポリマーの数平均分子量が、2,000〜10,000の範囲にある、請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 1つ以上の追加の低温流れ向上添加剤を更に含み、必要により1つ以上のポリオキシアルキレン化合物を除外する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
  12. 油の低温特性を改善するための、請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料油における、請求項1〜10のいずれか1項に記載の添加剤の使用。
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