JP5081429B2 - 軽油組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、軽油組成物に関し、特には低温流動性が良好な軽油組成物に関する。
軽油はディーゼルエンジン用燃料等として使用されるが、冬季に於ける低温環境下では、軽油中の重質な直鎖状パラフィンを主成分とするワックスが析出し、車両に搭載されているメインフィルター、ポンプフィルターなどの閉塞を誘発する可能性が報告されている(非特許文献1)。
また、析出するワックスの結晶径は冷却速度に影響を受け、急冷するときよりも徐冷するときにワックス結晶径が大きくなってフィルター閉塞を起こしやすいことが知られている(非特許文献2)。
低温流動性に影響を与える軽油の特性は主として流動点、目詰まり点、雲り点及びワックス量であり、従来これらの特性を改善して低温流動性を向上させる様々な研究がなされている。
軽油の低温流動性を向上させるための最も代表的な技術は、軽油に低温流動性向上剤(例えばエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)等)を添加する技術であり、すでに大きな市場を形成している。低温流動性向上剤は析出するワックスの結晶に作用して、凝固抑制による流動点降下やワックスの結晶径を小さくさせることによる目詰まり点降下といった効果を奏するものである。
但し、低温流動性向上剤は軽油の性状に効果の大小が左右されるという問題がある。例えば、ナローカットと呼ばれる沸点範囲の狭い軽油留分は、低温流動性向上剤の効果が小さい。また、パティキュレートや硫黄分の低減のために重質部分を除去すると、低温流動性向上剤の効果は得られにくいことが知られている。
また、通常の軽油留分に灯油留分を配合して低温特性を向上させることも従来行われているが、灯油は冬期に需要が多いため、充分な量の灯油留分を確保しにくいという問題がある。
そこで、低温流動性に関しては、軽油中のノルマルパラフィンに着目した研究も行われており、例えば以下の文献を参照することができる。
特開2005−220330号公報(特許文献1)には、軽油組成物中の炭素数18〜25のノルマルパラフィン含有量から求めた線形回帰直線の傾き(Y)が0.18以下であり、組成物中の炭素数18以上のノルマルパラフィンの含有量が3.4質量%以下である軽油組成物が記載されている。炭素数18以上のノルマルパラフィンの含有量が3.4質量%を超えると、ディーゼル自動車のメインフィルターの閉塞防止能が不十分となることから好ましくないとされている。
特開2006−37006号公報(特許文献2)には、ノルマルパラフィン含有量が15質量%以下である水素化分解油を5〜70容量%含有する軽油組成物が記載されており、水素化分解油のノルマルパラフィン含有量が15質量%を超えると軽油組成物の析出ワックスが増加する点で好ましくないとされている。
特開平8−183965号公報(特許文献3)は、軽油中のn−パラフィンの組成が特定の条件を満たす場合に良好な低温流動性が得られるとして、分解軽油留分を含有し、1平均分子当りの芳香族炭素数が3.0以下であり、かつ炭素数21以上のn−パラフィン含有重量(A)と炭素数14以下のn−パラフィン含有重量(B)との差(A−B)が5以下である軽油組成物を提案している。
特開平7−173474号公報(特許文献4)には、分解軽油の低芳香族化処理油であって、[芳香族性/密度]が0.28以下であり、かつ炭素数21以上のノルマルパラフィンの含有量が5重量%以下であることを特徴とする軽油組成物が記載されている。
特許第3594994号公報(特許文献5)には、高沸点部分を除去した軽油に炭素数26〜31のn−パラフィンを含む直留重質軽油などの留分とエチレン酢酸ビニル系低温流動性向上剤を添加することによって寒冷地での低温流動性を付与する技術が記載されている。
特開2005−220330号公報 特開2006−37006号公報 特開平8−183965号公報 特開平7−173474号公報 特許第3594994号公報 野村守、「軽油の低温性能」、エンジンテクノロジー、山海堂、2003年8月、Vol.5、No.4、p194〜199 瀬戸浩志等、「最新小型ディーゼル車の低温運転性に及ぼす燃料供給システムの影響」、学術講演会前刷集、社団法人自動車技術会、No.76−06、p1〜6、2006年5月
このように、ノルマルパラフィンに着目して低温流動性を向上させるための方策が検討されているが、軽油中に含まれるノルマルパラフィンと低温流動性の関係については未だ充分な解明がなされているとは言えず、特に、軽油中に含まれるノルマルパラフィンとワックス量の冷却速度依存性との関係については分かっていない。
本発明は、このような状況下で、徐冷時に析出する直鎖状パラフィンの量が少なく、且つ、低温流動性向上剤の効果が高い軽油組成物を提供することを課題の一つとする。また、本発明はそのような軽油組成物の調製方法を提供することを別の課題の一つとする。
軽油には主に炭素数10〜25程度の直鎖状パラフィン(ノルマルパラフィン)が含まれており、この直鎖状パラフィンの含有量(重量%)をY軸、炭素数をX軸としてプロットすると炭素数15〜18付近にピークを有する単峰(一モード)分布を示すのが通常である。本発明者は、鋭意研究を進めた結果、炭素数15〜18の直鎖状パラフィンも閉塞原因となる析出を発現していることを見出し、炭素数15〜18の直鎖状パラフィンの含有量を抑制することで、上記課題が解決できることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち本発明は、
(1)炭素数10〜14の直鎖状パラフィン全含有量に対する炭素数15〜18の直鎖状
パラフィン全含有量の重量比が0.5〜1.5であり、炭素数15〜18の直鎖状パラフィンの全含有量が6重量%以下であり、且つ、炭素数19〜25の直鎖状パラフィン全含有量に対する炭素数15〜18の直鎖状パラフィン全含有量の重量比が0.5〜1.5である軽油組成物である。
(2)直鎖状パラフィンを合計で10重量%以上含有する前記(1)記載の軽油組成物である。
(3)炭素数15〜18の直鎖状パラフィンの全含有量が5重量%以下である前記(1)又は(2)記載の軽油組成物である。
(4)炭素数19〜25の直鎖状パラフィン含有量(重量%)を炭素数に対して直線回帰した際の傾きは負の値をとり、その絶対値が0.2以上である前記(1)〜(3)何れか一項記載の軽油組成物である。
(5)+5℃から−14℃まで、10℃/hで冷却した際のワックス析出量(急冷ワックス析出量)に対する1℃/hで冷却した際のワックス析出量(徐冷ワックス析出量)の比が1.2以下である前記(1)〜(4)何れか一項記載の軽油組成物である。
(6)軽油組成物から沸点270〜320℃の中質留分を除去する工程を含む前記(1)〜(5)何れか一項記載の軽油組成物の調製方法である。
(7)前記中質留分を除去した軽油組成物に沸点270〜320℃の分解軽油を添加することを含む前記(6)記載の軽油組成物の調製方法である。
(8)軽油組成物から沸点270〜320℃の範囲にある中質留分を除去して、中質留分
X及び残りの留分Yを得る工程と、
該中質留分Xからn−パラフィンを除去する工程と、
n−パラフィンの除去された該中質留分を残りの留分Yに添加する工程と、
を含む前記(1)〜(5)何れか一項記載の軽油組成物の調製方法である。
本発明の軽油組成物は、徐冷時に析出する直鎖状パラフィンの量を減少させ、低温流動性の改善に用いる添加剤の効果を高めることができる。
本発明に係る軽油組成物においては、炭素数10〜14の直鎖状パラフィン全含有量(B1)に対する炭素数15〜18の直鎖状パラフィン全含有量(B2)の比B2/B1(重量比)が0.5〜1.5であり、好ましくは0.8〜1.2であり、より好ましくは0.9〜1.1である。B2/B1が0.5未満であるとセタン価或いはセタン指数を維持できなくなるため好ましくなく、また、1.5を越えると徐冷時に析出する直鎖パラフィンの量を充分に抑制できなくなるため好ましくない。
本発明に係る軽油組成物においては、炭素数19〜25の直鎖状パラフィン全含有量(B3)に対する炭素数15〜18の直鎖状パラフィン全含有量(B2)の重量比B2/B3が0.5〜1.5であり、好ましくは0.8〜1.2であり、より好ましくは0.9〜1.1である。B2/B3が0.5未満であるとセタン価或いはセタン指数を維持できなくなるため好ましくなく、また、1.5を越えると流動性向上剤の効果が減退し、また、徐冷時に析出する直鎖パラフィンの量を充分に抑制できないため好ましくない。
本発明に係る軽油組成物は一実施形態において、直鎖状パラフィンの含有量(重量%)をY軸、炭素数をX軸としてプロットすると双峰(二モード)分布を示す。本発明に係る軽油組成物の典型的な実施形態では、炭素数13〜16の何れかと炭素数17〜20の何れかにピークを有し、より典型的な実施形態では炭素数14〜16の何れかと炭素数18〜20の何れかにピークを有し、例えば炭素数15と炭素数19にピークを有する双峰(二モード)分布を示す。
本発明に係る軽油組成物は、直鎖状パラフィンを10重量%以上含有することが好ましい。10重量%未満であると、軽油組成物の必要なセタン価を確保することができなくなるため好ましくない。直鎖状パラフィンの含有量は好ましくは13重量%以上、特には15重量%以上である。また、本発明の軽油組成物は、直鎖状パラフィンを40重量%以下含有することが好ましい。これにより、軽油組成物の自己着火性を高めることができる。直鎖状パラフィンの含有量は好ましくは30重量%以下、特には20重量%以下である。
本発明に係る軽油組成物は更に別の一実施形態において、炭素数15〜18の直鎖状パラフィン全含有量が6重量%以下であり、好ましくは5重量%以下、特には4重量%以下である。炭素数15〜18の直鎖状パラフィンを6重量%以下とすることにより、炭素数19以上の直鎖状パラフィンが徐冷条件で析出する際に巻き込まれる形で共に析出するのを効果的に防ぐことができる。本発明に係る軽油組成物は更に別の一実施形態において、炭素数15〜18の直鎖状パラフィン含有量が1重量%以上であり、好ましくは2重量%以上、特には3重量%以上である。これにより、軽油組成物の必要なセタン価を確保することができる。
本発明に係る軽油組成物は更に別の一実施形態において、炭素数19〜25の直鎖状パラフィン含有量(重量%)を炭素数に対して直線回帰した際の傾きは負の値であり、その絶対値Aが0.2以上、好ましくは0.25以上である。絶対値Aが高くなることは炭素数19及び20付近のn−パラフィンが多くなることを意味し、セタン価向上に寄与する直鎖状パラフィンの含有量を多くすることができる。しかしながら、絶対値Aをあまり高くすると低温で析出する重質のn−パラフィンが多くなってしまう。そこで、本発明に係る軽油組成物は更に別の一実施形態において、絶対値Aが1.0以下、好ましくは0.7以下、特には0.4以下である。絶対値Aを上記範囲とすることにより、実用的なセタン価と徐冷時に析出する直鎖パラフィンの量の制御を同時に達成することができる。
ここで、炭素数19〜25の直鎖状パラフィン含有量(重量%)を炭素数に対して直線回帰した際の傾きの絶対値について説明する。直鎖状パラフィンの含有量は、JIS K2536の成分試験法のガスクロによる全成分試験方法によって測定される。次いでこれらの各含有量をY軸に、X軸には炭素数をプロットし、これらのプロットに対する線形回帰直線を最小二乗法により求めることにより、その直線回帰した際の傾きの絶対値(A)を特定することができる。
本発明の軽油組成物は更に別の一実施形態において、10℃/hで冷却した際のワックス析出量(急冷ワックス析出量:C1)に対する1℃/hで冷却した際のワックス析出量(徐冷ワックス析出量:C2)の比C(=C2/C1)が1.5以下、好ましくは1.2以下、より好ましくは1.1以下である。ここで、ワックス析出量とは次の方法で測定する値を指す。
試料20mLを+5℃から−14℃まで所定の速度で冷却し、−14℃の温度で所定時間保持した。冷却開始から濾過開示までの時間は21時間とした。析出したワックスは、全自動恒温ろ過試験器 AF-301(コスモトレードアンドサービス社製)を用い、5μmのメンブランフィルターで試料を濾過して、ワックス析出量を測定した。ここで、冷却速度が10℃/hの場合を急冷と、1℃/hの場合を徐冷と称す。
徐冷ワックス析出量(C2)と急冷ワックス析出量(C1)の比C(=C2/C1)が1.2以下であるということは、実際の気候に即した1℃/h程度の冷却条件でワックスの析出が抑えられ、実車でのトラブルの可能性が低くなることを意味する。比Cが1.0未満であるということは、急冷よりも徐冷の方がワックスの析出が少ないことを意味し、特に好ましいと言えるが、本発明の軽油組成物が達成可能なのはせいぜい0.5〜0.6程度までである。
本発明の軽油組成物に当業者に知られた任意の低温流動性向上剤を添加することができ、充分な低温流動性を得るためには軽油組成物中に低温流動性向上剤を50〜500mg/L含有することが好ましい。低温流動性向上剤としては特に制限はなく、例えばエチレン−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−プロピオン酸ビニル系共重合体、エチレン−酪酸ビニル系共重合体に代表されるポリマー型であっても、長鎖ジカルボン酸アミド系の油溶性分散剤タイプであっても使用できる。
また、本発明の軽油組成物には、本発明で規定する性状を逸脱しない範囲で、潤滑性向上剤、清浄分散剤、酸化防止剤等の各種添加剤を適宜配合することができる。これらの添加剤は、単独または数種類を組み合わせて添加することができる。添加量も任意であるが、その他の添加剤全量で、軽油組成物全量基準で0.5質量%以下、好ましくは0.2質量%以下であるのが通常である。
本発明に係る軽油組成物の調製方法は特に制限されることはないが、基材として市販の軽油組成物を任意に使用することができる。例えばJIS規格でいう特1号軽油、1号軽油、2号軽油、3号軽油、特3号軽油等が挙げられる。但し、低温環境下での使用を考えた場合には、2号軽油、3号軽油、特3号軽油を使用環境に応じて選択するのが好ましい。
本発明の一実施形態では、上記の軽油組成物から沸点270〜320℃の範囲の中質留分(これを「留分X」とする。)を除去する工程を含む。これによって、炭素数15〜18の直鎖状パラフィンの含有量を調節することができる。中質留分Xの沸点範囲、除去の程度等の条件は、当業者であれば、元の軽油組成物の性状及び目的とする軽油組成物の性状等に応じて適宜設定することができると考えられる。
中質留分を除去され、相対的に重質留分と軽質留分が多くなった残りの軽油組成物(これを「留分Y」とする。)は沸点範囲が大きく変化しており、特に軽油組成物中の重質パラフィンの割合が増加するため、低温流動性向上剤の添加効果が制限される可能性がある。従って、本発明の好ましい一実施形態では、留分Yに、除去した中質留分Xの沸点と同程度の範囲にあるパラフィンを殆ど含まない分解軽油を添加して補う。これにより、沸点範囲の変化を抑制し、及び低温流動性向上剤の添加効果を向上させることができる。分解軽油の性状や添加量等の条件については、当業者であれば、使用する分解軽油の性状及び目的とする軽油組成物の性状等に応じて適宜設定することができると考えられる。
また、アイソシーブ法、モレックス法、尿素アダクト法、ニューレックス法等により中質留分Xからn−パラフィンを除去する操作を行い、その後、このn−パラフィンの除去された中質留分Xを、留分Yに戻すことによって本発明に係る軽油組成物を調製することもできる。この場合、上記のように当初の軽油組成物中に含まれない外因性留分としての分解軽油を添加する必要がないため、性状の予期せぬ変動がないという利点がある。中質留分Xからn−パラフィンを除去する程度、留分Yへの戻し量等の条件については、当業者であれば、中質留分Xの性状及び目的とする軽油組成物の性状等に応じて適宜設定することができると考えられる。
尚、本発明に用いる物性測定方法及び評価方法は、次に示した方法で測定されるものである。
1)密度:JIS K2249「原油及び石油製品密度試験方法」に規定された方法。
2)蒸留性状:JIS K2254「蒸留試験方法」に規定された方法。
3)直鎖状パラフィン含有量:JIS K2536「成分試験法」のガスクロによる全成分試験方法。
4)ワックス析出量:試料20mLを+5℃から−14℃まで所定の速度で冷却し、−14℃の温度で保持した。冷却開始から濾過開始までの時間は21時間とした。冷却した試料は、全自動恒温ろ過試験器 AF-301(コスモトレードアンドサービス社製)を用い、メンブランフィルター(孔径5μm)で試料を濾過して、ワックス析出量を測定した。
急冷:10℃/hで冷却
徐冷: 1℃/hで冷却
5)目詰まり点:JIS K2288「目詰まり点試験方法」に規定された方法。
6)セタン指数:JIS K2280「セタン指数算出方法」に規定された方法。
本発明に係る軽油組成物は、実際の気候に即した1℃/h程度の冷却条件でワックスの析出が抑えられるので、低温時、特には寒冷地における車両搭載フィルターの閉塞等のトラブルを低減できる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(比較例1)
市販軽油(ジャパンエナジー製)を使用して、急冷時及び徐冷時のワックス析出量の測定を行った。また、低温流動性向上剤として三洋化成工業株式会社製MD336Kを200ppm添加して目詰まり点の測定を行った。表1に結果を示す。
(実施例1)
比較例に用いた市販の沸点290〜320℃までの中質留分Xを精密蒸留により分取した。分取した中質留分Xは20.5重量%であった。分取した中質留分以外の、軽質分と重質分を合わせて留分Yを調整した。別途、パラフィンを殆ど含まない分解軽油(LCO)を精密蒸留により分留し、沸点290〜320℃の留分Zを調整した。留分Y79.5重量部に対して、留分Z20.5重量部を加えて軽油組成物を調製し、ワックス析出量の測定を行った。また、比較例1と同様に低温流動性向上剤を添加して目詰まり点の測定を行った。表1に結果を示す。
Figure 0005081429
また、実施例1及び比較例1において、徐冷時に析出したワックスの直鎖状パラフィン含有量を測定した。その結果を図1に示す。比較例1の析出したワックスには、炭素数20以上の直鎖状パラフィンとともに、炭素数19以下の直鎖状パラフィンも析出していることが分かり、析出したワックス中の全直鎖状パラフィンに対する炭素数19以下の直鎖状パラフィンの比率は33%であった。一方、実施例1の析出したワックス中の全直鎖状パラフィンに対する炭素数19以下の直鎖状パラフィンの比率は20%であり、徐冷時において全析出ワックスに占める炭素数19以下の直鎖状パラフィンの析出量が低減しているばかりでなく、析出ワックス量も低減できることがわかる。
また、実施例1及び比較例1の目詰まり点を比べると、実施例1の方が低温流動性向上剤の効果が大きいことが分かる。
実施例1及び比較例1における、徐冷時に析出したワックス中の直鎖状パラフィン含有量の炭素数分布を示す図である。

Claims (8)

  1. 炭素数10〜14の直鎖状パラフィン全含有量に対する炭素数15〜18の直鎖状パラフィン全含有量の重量比が0.5〜1.5であり、炭素数15〜18の直鎖状パラフィンの全含有量が6重量%以下であり、且つ、炭素数19〜25の直鎖状パラフィン全含有量に対する炭素数15〜18の直鎖状パラフィン全含有量の重量比が0.5〜1.5である軽油組成物。
  2. 直鎖状パラフィンを合計で10重量%以上含有する請求項1記載の軽油組成物。
  3. 炭素数15〜18の直鎖状パラフィンの全含有量が5重量%以下である請求項1又は2記載の軽油組成物。
  4. 炭素数19〜25の直鎖状パラフィン含有量(重量%)を炭素数に対して直線回帰した際の傾きは負の値をとり、その絶対値が0.2以上である請求項1〜3何れか一項記載の軽油組成物。
  5. +5℃から−14℃まで、10℃/hで冷却した際のワックス析出量(急冷ワックス析出量)に対する1℃/hで冷却した際のワックス析出量(徐冷ワックス析出量)の比が1.2以下である請求項1〜4何れか一項記載の軽油組成物。
  6. 軽油組成物から沸点270〜320℃の範囲にある中質留分を除去する工程を含む請求項1〜5何れか一項記載の軽油組成物の調製方法。
  7. 前記中質留分を除去した軽油組成物に沸点270〜320℃の範囲にある分解軽油を添加することを含む請求項6記載の軽油組成物の調製方法。
  8. 軽油組成物から沸点270〜320℃の範囲にある中質留分を除去して、中質留分X及
    び残りの留分Yを得る工程と、
    該中質留分Xからn−パラフィンを除去する工程と、
    n−パラフィンの除去された該中質留分を残りの留分Yに添加する工程と、
    を含む請求項1〜5何れか一項記載の軽油組成物の調製方法。
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