JP2710439B2 - 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法

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JP2710439B2
JP2710439B2 JP2061817A JP6181790A JP2710439B2 JP 2710439 B2 JP2710439 B2 JP 2710439B2 JP 2061817 A JP2061817 A JP 2061817A JP 6181790 A JP6181790 A JP 6181790A JP 2710439 B2 JP2710439 B2 JP 2710439B2
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    • G11B5/31Structure or manufacture of heads, e.g. inductive using thin films
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    • G11B5/3116Shaping of layers, poles or gaps for improving the form of the electrical signal transduced, e.g. for shielding, contour effect, equalizing, side flux fringing, cross talk reduction between heads or between heads and information tracks

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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、コンピュータ用の固定磁気ディスク装置等
に適用される薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法に関す
るものである。
「従来の技術」 第4図〜第6図に薄膜磁気ヘッドの一例を示す。この
薄膜磁気ヘッドは、底面1a(第4図においては上面とし
て示されている)を磁気ディスク等の媒体に向けて配さ
れるスライダ1の前面部に、フォトリソグラフィ技術に
より薄膜磁気ヘッド素子2を設けてなるものである。そ
の薄膜磁気ヘッド素子2は、上記スライダ1の前面1bを
基板としてその表面に、第5図に示すように、非磁性体
の絶縁層3、下部磁極層(下部コア)4、ギャップ層
5、絶縁層6で被包されたコイル導体7、上部磁極層
(上部コア)8を順次積層してなるものであって、各磁
極層4,8の先端部をギャップ層5を介して重ね合わせる
ことで、それら磁極層4,8の先端部を対の磁極(ボー
ル)9,10となしてそれらの相互間にギャップ11を形成す
るとともに、各磁極9,10の先端面をスライダ1の底面1a
側に露出させた構成とされている。
「発明が解決しようとする課題」 ところで、上記のような薄膜磁気ヘッドは、フェライ
トヘッド等に比して磁極9,10のサイズが極めて小さく、
それらのポール長P1,P2が記録波長と同程度となるもの
であり、また、コア端12,13すなわち各磁極9,10のギャ
ップ11と反対側の縁がギャップ11と平行となっているの
で、それらコア端12,13が疑似ギャップとなってしまっ
て第7図に示すように再生波形の両側にディップが発生
するという、いわゆるコア端部効果(コンター効果)が
顕著に生じ、その結果、出力特性が第8図に示すように
波打ってしまう、という問題を生じることがある。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、磁極の
最先端部に特殊な形状の磁極突部を設けてコンター効果
を抑制し得るとともに、磁極突部の付け根部分の磁極の
厚さを大きくすることで磁極突部のポール長を磁極層の
厚み以上に大きくすることができる。薄膜磁気ヘッドお
よびその製造方法を提供することを目的としている。
「課題を解決するための手段」 請求項1の発明は、基板の表面にギャップ層を介して
積層した下部磁極層と上部磁極層のそれぞれの先端面を
前記基板の側面側に露出させることにより、それら下部
磁極層および上部磁極層の先端部をそれらの間にギャッ
プを有する対の磁極となした薄膜磁気ヘッドにおいて、
前記下部磁極層と上部磁極層との間にギャップ層に沿う
絶縁層を設け、この絶縁層よりも先端側に下部磁極層と
ギャップ層と上部磁極層を延在させて下部磁極層とギャ
ップ層と上部磁極層とによって対の磁極を形成するとと
もに、前記下部磁極層と上部磁極層の各々の最先端部に
前記基板の側面側に突出する磁極突部をギャップ層を挟
むように形成し、両磁極突部間に両磁極突部に挟まれる
ようにギャップ層を延在させ、前記両磁極突部のギャッ
プ層側と反対側のコア端を前記ギャップ層と非平行の形
状に形成し、両磁極突部の両端部と両磁極突部間に挟ま
れたギャップ層の両端部をギャップ層の厚さ方向に直線
状に一致させる一方、前記磁極突部の先端面を基板側面
とほぼ平行にして磁極突部の先端面位置を前記絶縁層の
先端近傍に設け、前記磁極突部の付け根部分の先端面を
磁極突部の先端面とほぼ平行にするとともに、前記磁極
突部の付け根部分の磁極の厚さを絶縁層に積層した磁極
層の層厚と絶縁層先端側に延在させた磁極層部分の層厚
の合計としたことを特徴とする。
また、請求項2の発明は、基板上に下部磁極層とギャ
ップ層と絶縁層と上部磁極層を積層する際に、基板側面
側に位置する絶縁層の先端側に下部磁極層とギャップ層
と上部磁極層を延在させ、絶縁層の先端側の下部磁極層
の先端部とギャップ層の先端部と上部磁極層の先端部を
絶縁層の先端部近傍位置まで切断または研磨して絶縁層
の先端側に下部磁極層の先端部と上部磁極層の先端部と
それらの間に介在されたギャップ層を具備する対の磁極
を形成し、前記基板側面側から前記両磁極の一部とギャ
ップ層の一部をエッチングすることで磁極最先端部に前
記基板の側面側に突出する磁極突部を一対、ギャップ層
を挟むように形成するとともに、前記エッチングの際に
前記両磁極突部のギャップ層側と反対側のコア端を前記
ギャップ層と非平行の形状にエッチングし、両磁極突部
の両端部と両磁極突部間に挟まれたギャップ層の両端部
をギャップ層の厚さ方向に直線状に一致させるようにエ
ッチングすると同時に、磁極突部の付け根の部分の磁極
の厚さを絶縁層に積層した磁極層の層厚と絶縁層の先端
側に延在させた磁極層の厚さの合計とすることを特徴と
する。
「作用」 請求項1の薄膜磁気ヘッドは、磁極の最先端部が基板
の側面側に突出しており、かつ、それら磁極のコア端が
ギャップと非平行の形状とされているので、コア端にお
いてアジマスロスが生じ、したがって、コア端がギャッ
プと平行となっている場合のようにそこに疑似ギャップ
が形成されることが防止され、コンター効果が抑制され
る。
次に、両磁極突部の両端部と両磁極突部間に挟まれた
ギャップ層の両端部をギャップ層の厚さ方向に直線状に
一致させたので、磁気記録時にトラック幅よりも外側部
分に余計な磁気漏れを生じない。更に、前記磁極突部の
先端面を基板側面とほぼ平行にして磁極突部の先端面位
置を前記絶縁層の先端近傍に設け、前記磁極突部の付け
根部分の先端面を磁極突部の先端面とほぼ平行にして、
前記磁極突部の付け根部分の磁極の厚さを絶縁層に積層
した磁極層の層厚と絶縁層先端側に延在させた磁極層部
分の層厚の合計としたので、磁極突部の付け根部分の磁
極の厚さを充分大きくすることができ、磁極の体積減少
を抑えた上で磁極突部を形成できるので、磁気回路の磁
気抵抗の上昇や飽和等が生じることがなく、ヘッド効率
が低下することもない。
また、請求項2の製造方法は、基板側面側から前記両
磁極の一部とギャップ層の一部をエッチングすることで
磁極最先端部に前記基板の側面側に突出する磁極突部を
一対、ギャップ層を挟むように形成するとともに、前記
エッチングの際に前記両磁極突部のギャップ層側と反対
側のコア端を前記ギャップ層と非平行の形状にエッチン
グし、両磁極突部の両端部と両磁極突部間に挟まれたギ
ャップ層の両端部をギャップ層の厚さ方向に直線状に一
致させるようにエッチングするものであるので、磁極最
先端部に磁極突部を形成できる。更に、基板上に下部磁
極層とギャップ層と絶縁層と上部磁極層を積層する際
に、基板側面側に位置する絶縁層の先端側に下部磁極層
とギャップ層と上部磁極層を延在させ、絶縁層の先端側
に下部磁極層の先端部と上部磁極層の先端部とそれらの
間に介在されたギャップ層を具備する対の磁極を形成
し、前記基板側面側から前記両磁極の一部とギャップ層
の一部をエッチングすることで磁極最先端部に前記基板
の側面側に突出する磁極突部を一対、ギャップ層を挟む
ように形成するので、請求項1に記載の構造と作用を奏
する薄膜磁気ヘッドを提供できる。
「実施例」 以下、本発明の実施例に先立ち、本発明の基本構成例
を図面を参照しながら説明する。なお、以下の基本構成
例と実施例における薄膜磁気ヘッドにおいて上記従来の
薄膜磁気ヘッドと同一構成要素については同一符号を付
している。
まず、第1図を参照して基本構成例の薄膜磁気ヘッド
をその製造方法とともに説明する。
この基本構成例の薄膜磁気ヘッドは、従来のものと同
様にスライダ1の前面部に薄膜磁気ヘッド素子2を設け
てなるものであって、これを製造するには、まず、
(イ)に示すように、スライダ1の前面1bを基板として
その上面に絶縁層3を形成するとともに、その表面上の
所定位置にリフト部20を形成し、ついで、それら絶縁層
3およびリフト部20の表面上に(ロ)に示すように下部
磁極層4を積層し、さらに、その表面上にギャップ層5
を形成する。
次に、(ハ)に示すようにコイル導体7を絶縁層6で
被包する状態で形成し、その表面上にさらに上部磁極層
8を積層して両磁極層4,8の基部どうしを重ね合わせる
とともに先端部どうしのギャップ層5を介して重ね合わ
せる。これにより、両磁極層4,8の先端部が対の磁極9,1
0となってそれらの間にギャップ11が形成され、それら
磁極9,10の先端面が(ニ)に示されるようにスライダ1
の底面1a側(基板の側面側)に露出する。
以上の手順は、従来の薄膜磁気ヘッドの製造手順と変
わるところはなく、したがって、以上の手順により製造
されたものは基本的に従来の薄膜磁気ヘッドと変わると
ころはないが、基本構成例においては下部磁極層4およ
び上部磁極層8の厚みが従来のものに比して厚くなるよ
うにされている。これは、磁極9,10のポール長を一旦大
きく確保した上で、次工程において磁極9,10先端面の周
縁部に対してエッチングを行ってそれらのポール長を調
節するためである。
すなわち、上記で形成された各磁極9,10の先端面の一
部に(ホ)に示すようにレジスト21により略平行四辺形
状のマスキングを施した後、スライダ1の底面1aに対し
てエッチングを行う。これにより、マスキングのなされ
ていない部分のみがエッチングされ、磁極9,10はそれら
の最先端部が(ヘ)に示すように他の部分より突出した
形態となって(ト)に示すようにマスキングの形状に合
致する台形状に加工されて、磁極9の最先端側に磁極突
部9Aが、磁極10の最先端側に磁極突部10Aがそれぞれ形
成され、磁極突部9Aと磁極突部10Aとの間にギャップ層
5が介在され、以上で本基本構成例の薄膜磁気ヘッドが
完成する。
上記のようにして製造された薄膜磁気ヘッドにおいて
は、磁極9,10の最先端側の磁極突部9A、10Aの形状がそ
れぞれ台形状とされることでそれらのコア端12,13がギ
ャップ11と非平行となっている、つまり、各磁極9,10の
磁極突部9A,10Aのポール長が磁極の幅方向に変化するも
のとなっているので、コア端12,13においてはアジマス
ロスが生じ、したがって、コア端12,13がギャップ11と
平行となっている従来の薄膜磁気ヘッドにおいて生じる
コンター効果が抑制され、その結果、出力特性が波打つ
ようなことが防止される。
なお、第1図(ト)に示すように、磁極突部9Aの最大
ポール長P1maxと最小ポール長P1minとの差の寸法ΔP1
磁極突部10Aの最大ポール長P2maxと最小ポール長P2min
との差の寸法ΔP2が、それぞれ記録波長の1/3程度から
2倍程度の範囲内となるようにコア端12,13の形状を設
定しておくと、コンター効果をより顕著に低減させるこ
とができ、そのようにすることが好ましい。
そして、上記のように、磁極9,10の先端面側からエッ
チングを行うことでそれらの形状を加工することによ
り、磁極突部9A,10Aの形状をマスキング21の形状しだい
で自由にかつ容易に設定することができるばかりでな
く、そのような加工を行うことによる磁極9,10の体積減
少は最少限で済み、したがって、磁気回路の磁気抵抗の
上昇や飽和等が生じてヘッド効率が低下してしまうとい
うような問題が生じることはない。
なお、上記のような手順によらず、上部磁極層8を表
面側からエッチングすることによって磁極10先端面の形
状を加工することも考えられようが、そのようにした場
合にあっては、磁極10の先端部の表面が全体にわたって
エッチングされてしまうことになり、したがって磁極10
の体積が大きく減少してしまって上記のようなヘッド効
率の低下を招くという問題を生じてしまい、好ましくな
い。
以上で基本構成例を説明したが、次に第2図を参照し
て本発明の第1実施例を説明する。
この第1実施例の薄膜磁気ヘッドは、下部磁極層4お
よび上部磁極層8の厚みが従来の薄膜磁気ヘッドと同等
程度の薄いものとされ、かつ、磁極9,10の最先端側の磁
極突部9A、10Aの形状が略五角形とされたものである。
この第1実施例の薄膜実施例ヘッドを製造するには、
まず(イ)に示すように基板1の前面1bを基板としてそ
の上面に絶縁層3を形成するとともに、その表面上にリ
フト部20,22を下部磁極層4の基部および先端部に位置
させてそれぞれ形成し、その表面上に(ロ)に示すよう
に下部磁極層4を積層する。これにより、下部磁極層4
の先端部にはリフト部22により上方に向かって傾斜する
傾斜部4aが形成される。
次に、(ハ)に示すように上記で形成された下部磁極
層4の先端部を傾斜部4aの先端(上端)付近で除去した
後、その表面にギャップ層5を積層し、(ニ)に示すよ
うに導体コイル7を絶縁層6で被包した状態で形成した
後、その表面上に上部磁極層8を積層し、両磁極層4,8
の基部どうしを重ね合わせるとともに先端部どうしをギ
ャップ層5を介して重ね合わせる。この際、上部磁極層
8の先端部は絶縁層6により自ずと下方に向かって傾斜
することになるので、その上部磁極層8の傾斜部8aの先
端(下端)と下部磁極層4の傾斜部4aの先端(上端)ど
うしをギャップ層5を介して重ね合わせるようにする。
次に、重ね合わせた両磁極層4,8の先端部を、(ニ)
中に鎖線で示すように傾斜部4a,8aの位置で切断または
その位置まで研摩して(ホ)の状態となす。これによ
り、各磁極層4,8の先端部が磁極9,10となってその先端
面が(ヘ)に示すようにスライダ1の底面1aに露出す
る。
このように、各磁極層4,8の先端部を傾斜部4a,8aにお
いてその厚みに対して斜めに切断または研摩することに
より、両磁極層4,8の露出面における厚み、すなわちこ
の段階における磁極9,10のポール長は各磁極層4,8自体
の厚みより大きくなり、したがって、各磁極層9,10の厚
みを従来と同等程度に薄くした場合であってもポール長
を第1実施例の場合と同等程度に厚いものとできるし、
傾斜部4a,8aの傾斜角度や切断位置を調節することのみ
でポール長を調節できることになる。
そこで、(ト)に示すように、磁極9,10の先端面にレ
ジスト23によりマスキングを施した後、スライダ1の底
面1aに対してエッチングを行うと、基本構成例の場合と
同様に、磁極9,10はそれらの最先端部が(チ)に示すよ
うに他の部分より突出した形態となって、(リ)に示す
ようにマスキングの形状に合致する略五角形状の磁極突
部9A、10Aに加工される。
この第1実施例の薄膜磁気ヘッドは、磁極9,10のコア
端12,13の形状が山形とされていてギャップ11と非平行
となっているので、基本構成例の場合と同様にアジマス
ロスによりコンター効果を抑制できるものであり、特
に、最大ポール長Pmaxと最小ポール長Pminの差ΔPを記
録波形の1/3〜2倍程度とすることでより顕著な効果が
得られるものとなる。
また、この第1実施例の製造方法は、基本構成例の場
合と同様の効果を奏することに加えて、下部磁極層4の
先端部に上方に向かう傾斜部4aを形成するとともに、下
部磁極層4および上部磁極層8をそれらの傾斜部4a,8a
において厚みに対して斜めに切断するようにしたので、
下部磁極層4および上部磁極層8の厚みが従来の薄膜磁
気ヘッドと同等程度の薄いものであっても、磁極突部9
A,10Aのポール長Pを磁極層4,8の厚み以上に大きくする
ことができる、という利点がある。
以上で基本構成例と第1実施例を説明したが、コンタ
ー効果を低減せしめるにはコア端12,13がギャップ11と
非平行であれば良く、したがって、磁極9,10の形状は上
記基本構成例、第1実施例に示すものに限らず、たとえ
ば第3図に示すようにコア端12,13を二連の円弧状とす
る等、適宜の形状が採用できる。
また、磁極突部9A,10Aを加工するためのエッチングは
スライダ1の底面1a全体に対して行う必要はなく、磁極
突部9A,10Aの周縁部を含むその周囲の部分に対してのみ
行うことで十分である。
「発明の効果」 以上で詳細に説明したように、請求項1の薄膜磁気ヘ
ッドは、磁極の最先端部が前記基板の側面側に突出し、
かつ、それら磁極のコア端がギャップと非平行の形状に
形成されてなるものであるから、コア端においてはアジ
マスロスが生じてそこに疑似ギャップが形成されてしま
うことがなく、その結果、コンター効果が抑制されて優
れた出力特性を得ることができる、という効果を奏す
る。
次に、両磁極突部の両端部と両磁極突部間に挟まれた
ギャップ層の両端部をギャップ層の厚さ方向に直線状に
一致させたので、磁気記録時にトラック幅よりも外側部
分に余計な磁気漏れを生じない。
更に、前記磁極突部の先端面を基板側面とほぼ平行に
して磁極突部の先端面位置を前記絶縁層の先端近傍に設
け、前記磁極突部の付け根部分の先端面を磁極突部の先
端面とほぼ平行にして、前記磁極突部の付け根部分の磁
極の厚さを絶縁層に積層した磁極層の層厚と絶縁層先端
側に延在させた磁極層部分の層厚の合計としたので、磁
極突部の付け根部分の磁極の厚さを磁極層の厚さよりも
大きくすることができ、磁極の体積減少を抑えた上で磁
極突部を形成できるので、磁気回路の磁気抵抗の上昇や
飽和等が生じることがなく、ヘッド効率が低下すること
もない。
また、請求項2の製造方法は、基板側面側から前記両
磁極の一部とギャップ層の一部をエッチングすることで
磁極最先端部に前記基板の側面側に突出する磁極突部を
一対、ギャップ層を挟むように形成するとともに、前記
エッチングの際に前記両磁極突部のギャップ層側と反対
側のコア端を前記ギャップ層と非平行の形状にエッチン
グし、両磁極突部の両端部と前記磁極突部間に挟まれた
ギャップ層の両端部をギャップ層の厚さ方向に直線状に
一致させるようにエッチングするものであるので、磁極
最先端部に磁極突部を形成できる。この磁極突部によれ
ば、コンター効果を防止できて優れた出力特性を得るこ
とができるとともに、磁気記録時にトラック幅よりも外
側部分に余計な磁気漏れを生じないように記録ができる
効果がある。
更に、基板上に下部磁極層とギャップ層と絶縁層と上
部磁極層を積層する際に、基板側面側に位置する絶縁層
の先端側に下部磁極層とギャップ層と上部磁極層を延在
させ、絶縁層の先端側に下部磁極層の先端部と上部磁極
層の先端部とそれらの間に介在されたギャップ層を具備
する対の磁極を形成し、前記基板側面側から前記両磁極
の一部とギャップ層の一部をエッチングすることで磁極
最先端部に前記基板の側面側に突出する磁極突部を一
対、ギャップ層を挟むように形成するので、請求項1に
記載の構造を有し、磁極突部の付け根部分の磁極の厚さ
を磁極層の厚さよりも大きくすることができる薄膜磁気
ヘッドを提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図(イ)〜(ト)は本発明の基本構成例の薄膜磁気
ヘッドの製造手順を説明するための図、第2図(イ)〜
(リ)は本発明の第1実施例の薄膜磁気ヘッドの製造手
順を説明するための図である。第3図は磁極の他の形状
例を示す図である。 第4図〜第8図は従来の薄膜磁気ヘッドの一例を示すも
ので、第4図は全体概略構成を示す斜視図、第5図は薄
膜磁気ヘッド素子の部分断面図、第6図は磁極の先端面
を示す図、第7図は出力波形を示す図、第8図は出力特
性を示す図である。 1……スライダ、1a……スライダの底面、1b……スライ
ダの前面(基板)、2……薄膜磁気ヘッド素子、3……
絶縁層、4……下部磁極層、4a……傾斜部、5……ギャ
ップ層、6……絶縁層、7……導体コイル、8……上部
磁極層、8a……傾斜部、9,10……磁極、11……ギャッ
プ、12,13……コア端、 P,P1,P2……ポール長。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板の表面にギャップ層を介して積層した
    下部磁極層と上部磁極層のそれぞれの先端面を前記基板
    の側面側に露出させることにより、それら下部磁極層お
    よび上部磁極層の先端部をそれらの間にギャップを有す
    る対の磁極となした薄膜磁気ヘッドにおいて、 前記下部磁極層と上部磁極層との間にギャップ層に沿う
    絶縁層を設け、この絶縁層よりも先端側に下部磁極層と
    ギャップ層と上部磁極層を延在させて下部磁極層とギャ
    ップ層と上部磁極層とによって対の磁極を形成するとと
    もに、 前記下部磁極層と上部磁極層の各々の最先端部に前記基
    板の側面側に突出する磁極突部をギャップ層を挟むよう
    に形成し、両磁極突部間に両磁極突部に挟まれるように
    ギャップ層を延在させ、前記両磁極突部のギャップ層側
    と反対側のコア端を前記ギャップ層と非平行の形状に形
    成し、両磁極突部の両端部と両磁極突部間に挟まれたギ
    ャップ層の両端部を各々ギャップ層の厚さ方向に直線状
    に一致させる一方、 前記磁極突部の先端面を基板側面とほぼ平行にして磁極
    突部の先端面位置を前記絶縁層の先端近傍に設け、前記
    磁極突部の付け根部分の先端面を磁極突部の先端面とほ
    ぼ平行にするとともに、前記磁極突部の付け根部分の磁
    極の厚さを絶縁層に積層した磁極層の層厚と絶縁層先端
    側に延在させた磁極層部分の層厚の合計としたことを特
    徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】基板上上に下部磁極層とギャップ層と絶縁
    層と上部磁極層を積層する際に、基板側面側に位置する
    絶縁層の先端側に下部磁極層とギャップ層と上部磁極層
    を延在させ、絶縁層の先端側の下部磁極層の先端部とギ
    ャップ層の先端部と上部磁極層の先端部を絶縁層の先端
    部近傍位置まで切断または研磨して絶縁層の先端側に下
    部磁極層の先端部と上部磁極層の先端部とそれらの間に
    介在されたギャップ層を具備する対の磁極を形成し、前
    記基板側面側から前記両磁極の一部とギャップ層の一部
    をエッチングすることで磁極最先端部に前記基板の側面
    側に突出する磁極突部を一対、ギャップ層を挟むように
    形成するとともに、前記エッチングの際に前記両磁極突
    部のギャップ層側と反対側のコア端を前記ギャップ層と
    非平行の形状にエッチングし、両磁極突部の両端部と両
    磁極突部間に挟まれたギャップ層の両端部を各々ギャッ
    プ層の厚さ方向に直線状に一致させるようにエッチング
    すると同時に、磁極突部の付け根の部分の磁極の厚さを
    絶縁層に積層した磁極層の層厚と絶縁層の先端側に延在
    させた磁極層の厚さの合計とすることを特徴とする薄膜
    磁気ヘッドの製造方法。
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