JP2572241B2 - 多チャンネル薄膜磁気ヘッド - Google Patents

多チャンネル薄膜磁気ヘッド

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JP2572241B2 JP62249919A JP24991987A JP2572241B2 JP 2572241 B2 JP2572241 B2 JP 2572241B2 JP 62249919 A JP62249919 A JP 62249919A JP 24991987 A JP24991987 A JP 24991987A JP 2572241 B2 JP2572241 B2 JP 2572241B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の分野〕 本発明はPCM(Pulse Code Modulation)記録再生装置
や電子スチルカメラ等に用いられる多チャンネル薄膜磁
気ヘッドに関し、特にフロントギャップ形成領域の改良
に関する。
〔従来技術〕
一般に、薄膜磁気ヘッドはヘッドを構成するコイル導
体、上部磁性体及び絶縁層等がスパッタリング等の真空
薄膜形成技術で形成されているため、量産的に優れ、か
つ特性の均一なヘッドが得られるとともにフォトリソグ
ラフィー技術でパターニングを行っているため狭トラッ
ク、狭ギャップ等の微小寸法化が容易である。
このため、この種の薄膜磁気ヘッドは、記録に関与す
るヘッド磁界が急峻となり、高密度記録が出来、さらに
小型化が可能である。
このような薄膜磁気ヘッドは、第5図〜第7図に示す
ように、磁性あるいは非磁性基板(10)上にアモルファ
ス、センダスト、パーマロイ等の軟磁性材料(11)が形
成され、その上にSiO2等からなる第一絶縁層(12)が形
成された後Cu等の金属導体よりなるコイル導体(13)が
形成され、その後第二絶縁層(14)が形成され、フロン
トギャップ部(19)とリアギャップ部(20)に形成され
た絶縁層(12)(14)をエッチングにより除き、その後
フロントギャップ部(20)にギャップ層(17)を形成し
た後、上部磁性体(18)をパターンエッチングして完成
する。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところが、上述した薄膜磁気ヘッドの製造工程におい
ては第6図(A)、第7図(A)に示すようにフロント
ギャップ部(19)をエッチングする場合に、それぞれチ
ャンネルの上部磁性体(18)が配設されるであろう位置
のみをエッチングしている。
この場合、エッチングするためのマスクとなるフォト
レジスト(15)を塗布し、露光現像した後ではフォトレ
ジストの側壁角度は約80〜85°位になっている。
このような形状であるフォトレジストをマスクとし
て、例えばイオンミリングで、イオンビーム入射角度θ
=30°(フォトレジスト(15)上面の法線方向の傾き)
でエッチングした場合には、エッチングされるべき絶縁
層(14)(12)が裾野をひいた形(第6図(C)の符号
(12a)で示す部分)が形成されてしまい、トラック巾
(Tw1)となるべき領域にわたりギャップ長のバラツキ
を生ずる。また、薄膜磁気ヘッドのトラック巾が狭い場
合には、当然マスクとなるフォトレジストのパターンニ
ングにおいても、エッチングされるべき領域は小さい形
状となる。このような状況で、例えばイオンビーム入射
角度を10°位にしてエッチングした場合には、フォトレ
ジスト近傍(第6図(D)の符号(12b)で示す部分)
のみが非常にエッチングが進み、トラック巾(Tw1)の
領域においてギャップ長が湾曲した形状となり、実際の
ヘッドではアジマスロスが大きくなりS/N比の低下を招
く。
そこで本発明は、上述の問題点に鑑み、下部磁性体上
に複数層のコイル導体、絶縁層、ギャップ層を介して上
部磁性体が積層形成されてなる多チャンネル薄膜磁気ヘ
ッドにおいて、ギャップ長の不安定やギャップの湾曲等
の問題を解決し、製品歩留りとS/N比の劣化のない薄膜
磁気ヘッドの提供を目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、下部磁性体上に、複数層のコイル導体及び
上部磁性体が絶縁層、ギャップ層を介して積層形成され
て成る多チャンネル薄膜磁気ヘッドにおいて、フロント
ギャップ形成領域を略長方形で、しかも磁気ヘッドのギ
ャップデプスよりも大きな幅で、かつ上部磁性体が配設
される領域と、各上部磁性体が配設される間の領域に存
在する前記絶縁層が同時にエッチングされていることを
特徴とする多チャンネル薄膜磁気ヘッドにより、上述の
問題点を解決せんとするものである。
〔作用〕
本発明の薄膜磁気ヘッドは、略長方形で、しかも磁気
ヘッドのギャップデプスよりも大きな幅で、かつ上部磁
性体形成領域並びに各上部磁性体形成領域の間に存在す
る絶縁層を除去して形成されるフロントギャップ部を備
えている。このため、ギャップ長の不安定やギャップ長
の湾曲を防止することが出来、製品歩留りが良好で、S/
N比の劣化のない薄膜磁気ヘッドが提供出来る。
〔実施例〕
本発明による一実施例を第1図〜第4図を参照しなが
ら詳細に説明する。
本発明の薄膜磁気ヘッドにおいては、下部磁性体(1
a)としてMn−Zn系フェライトやNi−Zn系フェライト等
の強磁性酸化物基板、またはセラミックス等の非磁性基
板上にCo−Nb−Zr合金(アモルファス)、Fe−Al−Si系
合金(センダスト)、Fe−Ni系合金(パーマロイ)等の
強磁性金属材料を積層した複合基板、あるいは上記強磁
性酸化物基板上にパーマロイやセンダスト等の強磁性金
属材料を積層した複合基板等が使用される。
上記基板(1)上に例えばSiO2等から成る第一絶縁層
(2)をスパッタリング等の真空薄膜技術で形成した
後、Cu及びAl等の金属材料より成るコイル導体(3)を
形成する。さらに、前記コイル導体(3)を全て覆うよ
うに、絶縁層(4)が形成される。その後、フロントギ
ャップ部(5a)及びリアギャップ部(5b)をエッチング
するために、フォトレジスト(6)を全面に塗布した後
に露光、現像を加えてパターニングする。
このフォトレジストパターニングに際して、第3図
(A)及び第4図(A)に示されるように、フロントギ
ャップ部(5a)は略長方形で、しかも磁気ヘッドのギャ
ップデプス即ち上部磁性体(8)がフロントギャップ部
(5a)において該ヘッド先端側に延出する幅(第4図
(B)の符号7)よりも大きな幅で、かつ上部磁性体
(8)が配設される領域のみならず、2チャンネルを形
成する上部磁性体間の領域に存在する絶縁層(2)、
(4)も同時にエッチングされることにより形成され
る。
ところで、本実施例ではフロントギャップ部(5a)と
リアギャップ部(5b)とが同時にエッチングされるよう
にフォトレジストをパターン化しているが、前記フロン
トギャップ部(5a)とリアギャップ部(5b)を別々にエ
ッチングしてよい事は勿論である。
その後、イオンビーム入射角(フォトレジスト(6)
上面の法線方向の傾き)を例えば30°でエッチングす
る。この結果上部磁性体(8)間の絶縁層(2)、
(4)もエッチングされているため、この間で段差が無
くなり上部磁性体(8)のパターンエッチングに際して
マスクとなるフォトレジストの塗布層は非常に均一にな
り、厚膜上部磁性体(8)で支障なくエッチング出来
る。フロントギャップ部の両側(5c)部分では、エッチ
ングされた絶縁層(2)、(4)が裾野をひいたような
形となるが、上部磁性体(8)がギャップ層(7)を介
して配設される部分(8a)では平坦なエッチング面が得
られる。
この様な平坦にエッチングされたフロントギャップ部
(5a)上にギャップ層(7)をスパッタリング等で形成
した後、CoNbZr合金(アモルファス)、FeAlSi合金(セ
ンダスト)、FeNi合金(パーマロイ)等の軟磁性材料か
ら成る上部磁性体(8)がパターンエッチングされる。
以上のように、チャンネルを構成する上部磁性体
(8)が配設されるべき領域並びに前記領域の間に存在
する領域も広くエッチングしてフロントギャップ部(5
a)を形成しているため、上部磁性体(8)のパターン
エチングが良好に行われる。また、実効的なトラック巾
の変動やギャップ長の湾曲等も無くなり、製造歩留が良
く、再生時のアジマスロスのない、S/N比の優れたヘッ
ドが出来る。
本実施例では、フロントギャップ部(5a)に対応する
エッチング部分はヘッド最先端まで達していないが、ヘ
ッドを製造する場合、該ヘッドが一番外側に製造される
ヘッドでない場合には、隣接するヘッドの非エッチング
部分が該ヘッドの最先端部に隣接することになるから、
該ヘッドのエッチングはヘッド先端部まで行ってもよ
い。
また本実施例では2チャンネル薄膜磁気ヘッドについ
て述べたが、これ以上のチャンネル数をもつ薄膜磁気ヘ
ッドにも適応出来る事は勿論である。
〔発明の効果〕
本発明の多チャンネル薄膜磁気ヘッドは、略長方形
で、しかも磁気ヘッドのギャップデプスよりも大きな幅
で、かつ上部磁性体形成領域並びに各上部磁性体形成領
域の間に存在する絶縁層を除去して形成されるフロント
ギャップ部を備えているため、前記上部磁性体と下部磁
性層間のギャップ部の湾曲、あるいは実効的なトラック
巾の減少ということがなくなる。従って、アジマスロス
のない、S/N比の優れた磁気ヘッドが歩留良く製造出来
るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)、第2図(A)、第3図(A)、第4図
(A)は製造プロセスに準じて本発明による一実施例を
示す平面図、第1図(B)は第1図(A)のa−a断面
図、第2図(B)は第2図(A)のa−a断面図、第3
図(B)は第3図(A)のa−a断面図、第4図(B)
は第4図(A)のa−a断面図、第4図(C)は第4図
(A)のb−b断面図、第5図(A)、第6図(A)、
第7図(A)は、製造プロセスに準じて従来例を示す平
面図、第5図(B)は第5図(A)のa−a断面図、第
5図(C)は第5図(A)のb−b断面図、第6図
(B)は第6図(A)のa−a断面図、第6図(C)、
(D)は第6図(A)のb−b断面図、第7図(B)は
第7図(A)のa−a断面図、第7図(C)、(D)は
第7図(A)のb−b断面図である。 1……基板 1a……下部磁性体 2、4……絶縁層 4……コイル導体 5a……フロントギャップ部 5b……リアギャップ部 6……フォトレジスト 7……ギャップ層 8……上部磁性体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 敏 神奈川県足柄上郡開成町宮台798 富士 写真フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−50611(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下部磁性体上に、複数層のコイル導体及び
    上部磁性体が絶縁層、ギャップ層を介して積層形成され
    て成る多チャンネル薄膜磁気ヘッドにおいて、フロント
    ギャップ形成領域を略長方形で、しかも磁気ヘッドのギ
    ャップデプスよりも大きな幅で、かつ上部磁性体が配設
    される領域と、各上部磁性体が配設される間の領域に存
    在する前記絶縁層が同時にエッチングされていることを
    特徴とする多チャンネル薄膜磁気ヘッド。
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