JP2709558B2 - クランクシャフトの高周波焼入装置 - Google Patents

クランクシャフトの高周波焼入装置

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JP2709558B2
JP2709558B2 JP5031194A JP3119493A JP2709558B2 JP 2709558 B2 JP2709558 B2 JP 2709558B2 JP 5031194 A JP5031194 A JP 5031194A JP 3119493 A JP3119493 A JP 3119493A JP 2709558 B2 JP2709558 B2 JP 2709558B2
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日吉 渡邊
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    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はクランクシャフトの高周
波焼入装置に関し、特に、中品種のクランクシャフトを
中量生産するのに好適なクランクシャフトの高周波焼入
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、中品種のクランクシャフトを中量
生産するのに好適なクランクシャフトの焼入装置および
クランクシャフトの焼入方法は適当なものがなかった。
そして、大量のクランクシャフトを焼入する場合には、
一般的に以下のようにしている。即ち、クランクシャフ
トが例えば4気筒エンジン用である場合には、焼入装置
は、ピン焼入ステーションとジャーナル焼入ステーショ
ンとを備え、ピン焼入ステーションには各ピンに対応す
る4個のピン焼入コイルが、また、ジャーナル焼入ステ
ーションには各ジャーナルに対応する5個のジャーナル
焼入コイルが設けられる。
【0003】第1の種類のクランクシャフトを大量焼入
するには、クランクシャフトは1個ずつ、ピン焼入ステ
ーションに送られて全てのピンが同時に焼入されてか
ら、ジャーナル焼入ステーションに送られて全てのジャ
ーナルが同時に焼入されて後、次のステーションに送ら
れる。このようにして1つの種類の全数のクランクシャ
フトを焼入する。
【0004】次いで、第2の種類のクランクシャフトを
大量焼入するには、ピン焼入ステーションのピン焼入コ
イルおよびジャーナル焼入ステーションのジャーナル焼
入コイルを、それぞれ、第2の種類のクランクシャフト
のピンおよびジャーナルに対応したものに交換後、第1
の種類のクランクシャフトと同様に焼入する。第3の種
類のクランクシャフトについても同様である。
【0005】また、小量のクランクシャフトを焼入する
ときには、各クランクシャフトに対してピンを順次焼入
後、ジャーナルを順次焼入する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような大量のク
ランクシャフトを焼入する手段を中品種、中量生産のク
ランクシャフトの焼入に適用すると、(1)ピン焼入ス
テーションおよびジャーナル焼入ステーションの2つの
ステーションを備えるので、装置の寸法が大きくなり、
従って、装置のコストが大となる。(2)ピン焼入ステ
ーションでは、1つのクランクシャフトのピンの数だけ
のピン焼入コイルを設置し、また、ジャーナル焼入ステ
ーションでも1つのクランクシャフトのジャーナルの数
だけのジャーナル焼入コイルを設置しなければならない
ので、焼入コイル等のコストが大きくなる。(3)ピン
焼入ステーションでは全てのピンを同時に焼入し、ま
た、ジャーナル焼入ステーションでは全てのジャーナル
を同時に焼入するので、大きな焼入用電力を必要とし、
従って、焼入用電源設備のコストが大きくなる。(4)
クランクシャフトの種類が変わったときに、ピン焼入コ
イルおよびジャーナル焼入コイルを取り替えるのに時間
がかかる。
【0007】また、上記のような小量のクランクシャフ
トを焼入する方式を中品種、中量生産のクランクシャフ
トの焼入に適用すると、焼入のタクトタイムが長くなり
過ぎて焼入するクランクシャフトが中量であるといって
も、全体のクランクシャフトの焼入工程が極めて長くな
る。
【0008】本発明は上記事情に鑑みて創案されたもの
であって、中品種中量のクランクシャフトの全てのピン
およびジャーナルを焼入するのに、設備コスト面でも、
また、焼入コイルの交換に要する時間も含めた焼入工程
の長さにおいても好適なクランクシャフトの高周波焼入
装置を提供する事を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、請求項1記載のクランクシャフトの高周波焼入装置
は1個或いは複数の同形のピンと、必ずしも同形ではな
い複数のジャーナルとを有する複数種類のクランクシャ
フトの高周波焼入装置において、1つのステーションに
配設されたピン焼入装置及びジャーナル焼入装置と、ク
ランクシャフトを水平且つ回転自在に支持するクランク
シャフト支持回転装置とを備え、前記ピン焼入装置は、
各種類のクランクシャフトに対して1個ずつ設けたピン
焼入コイルと、焼入位置近傍に設けられピン焼入コイル
を出入自在に格納するピン焼入コィルストッカと、前記
ピン焼入コイルに高周波電流を供給するピン焼入トラン
スにピン焼入コイルを接離自在に接続する電気接続手段
と、焼入液供給源に接離自在な焼入液供給手段と、1つ
の種類のピン焼入コイルを前記ピン焼入コイルストッカ
から取出し前記電気接続手段を介して接続されたピン焼
入トランスをクランクシャフト支持回転装置で支持され
たクランクシャフト上に移動しピン焼入コイルを載置す
る移動手段とを具備している。
【0010】また前記ジャーナル焼入装置は、各種類の
クランクシャフトごとに設けられ、同形でないジャーナ
ルに、それぞれ対応した複数個のジャーナル焼入コイル
と、同形のジャーナルに対応した1個のジャーナル焼入
コイルとを一体的にアセンブルしてなるジャーナル焼入
コイルセットと、焼入装置近傍に設けられジャーナル焼
入コイルセットを出入自在に格納するジャーナル焼入コ
イルセットストッカと、前記ジャーナル焼入コイルに高
周波電流を供給するジャーナル焼入トランスにジャーナ
ル焼入コイルセットを接離自在に接続する電気接続手段
と、焼入液供給源に接離自在な焼入液供給手段と、1つ
の種類のジャーナル焼入コイルセットを前記ジャーナル
焼入コイルセットストッカから取り出し前記電気接続手
段を介して接続されたジャーナル焼入トランスを前記支
持されたクランクシャフト上に移動してジャーナル焼入
コイルセットを載置する移動手段とを具備している。
【0011】そして、焼入位置でクランクシャフト回転
装置にしじされたクランクシャフトを移動させることな
く、前記各コイルストッカから取り出したクランクシャ
フトのピン又はジャーナルに対応するピン焼入コイル又
はジャーナル焼入コイルセットのジャーナル焼入コイル
でピン及びジャーナルを順次又は交互に焼入するように
している。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して本発明のクランクシャ
フトの高周波焼入装置の一実施例を説明する。図1〜図
9は本実施例を説明するための図面であって、図1は図
3のA矢視正面説明図、図2は図3のB矢視側面説明
図、図3は平面説明図、図4はジャーナル焼入コイルセ
ットの電気および焼入液回路図、図5はジャーナル焼入
コイルの端部の正面説明図、図6は本実施例の焼入装置
によるクランクシャフトのピンとジャーナルとの第1の
焼入方法の動作説明図、図7は図6に示す動作の一部の
詳細説明図、図8は本実施例の焼入装置によるクランク
シャフトのピンとジャーナルとの第2の焼入方法の動作
説明図、図9はワークとして採り上げた4気筒エンジン
用のクランクシャフトの正面図である。
【0013】本実施例のクランクシャフトの高周波焼入
装置は、4種類のクランクシャフトWに対して、それぞ
れ、全てのピンおよびジャーナルを、順次焼入してゆく
高周波焼入装置である。クランクシャフトWは、図9
示すように、4個のピンP1〜P4、5個のジャーナル
J1〜J5、および一端部分に形成されたフランジFと
を備えている。なお、各種類のクランクシャフトWとも
に、ピンP1〜P4は全て同形であるが、ジャーナルJ
1〜J5は必ずしも同形ではないようなクランクシャフ
トWに対する焼入装置である場合を説明する。
【0014】本実施例の高周波焼入装置は、ピン焼入装
置100 、ジャーナル焼入装置200 、およびクランクシャ
フトWを1個ずつ水平且つ回転自在に支持すると共にク
ランクシャフトを回転させるクランクシャフト支持回転
装置300 とを備えている。
【0015】ピン焼入装置100は、各種類のクランク
シャフトに対して1個ずつ設けた合計4個のピン焼入コ
イル11〜14と、前記4種類のうちの1つの種類のク
ランクシャフトのピン焼入コイルを取り付け、取り付け
たピン焼入コイルに高周波電流を供給する1個の、ピン
焼入トランス15と、ピン焼入トランスを昇降させるピ
ン焼入トランス昇降装置16と、ピン焼入トランス15
をクランクシャフト支持回転装置300に取り付けたク
ランクシャフトWの軸W1の方向に進退させる焼入トラ
ンス水平移動装置17とを備えていることを基本的な構
成としている。
【0016】ジャーナル焼入装置200 は、各種類のクラ
ンクシャフトWごとに設けられ、各ジャーナルに対応し
たジャーナル焼入コイルを一体的にアセンブルしたジャ
ーナル焼入コイルセット21〜24と、1つの種類のクラン
クシャフトWのジャーナル焼入コイルセットを取り付
け、取り付けたジャーナル焼入コイルセットの5個のジ
ャーナル焼入コイルに順次高周波電流を供給する1個の
ジャーナル焼入トランス25と、ジャーナル焼入トランス
25を昇降させるジャーナル焼入トランス昇降装置26と、
ジャーナル焼入トランス25を前記軸W1の方向と直角方向
且つ水平方向に前後進させるジャーナル焼入トランス前
後進装置27と、ジャーナル焼入トランス25を前記軸W1の
方向に進退させるジャーナル焼入トランス水平移動装置
28とを備えていることを基本的な構成としている。
【0017】クランクシャフト支持回転装置300 は、水
平に配設されたクランクシャフトWの一端部分のフラン
ジFを把持するチャック31と、他端部分を回転自在に支
持するセンタ32と、チャック31を保持するヘッドストッ
ク33と、センタ32を保持するテールストック34と、チャ
ック31による把持の制御とチャック31の回転とを行うチ
ャック制御回転装置35と、ヘッドストック33を前記軸W1
の方向に進退させるシリンダ36と、テールストック34を
同じく前記軸W1の方向に進退させるシリンダ37とを備え
ている。
【0018】次に、ピン焼入装置100 の詳細を説明す
る。100aは、図示しない高周波電源から電力を受け、ピ
ン焼入トランス15に供給する電力整合盤であって、本実
施例の高周波焼入装置の設置面500 上に水平に取り付け
られたレール171 上に載置されている。この電力整合盤
100aの例えば下部に取り付けた図示しないボールネジ
を、ピン焼入トランス水平移動装置17で回転させること
等によってピン焼入トランス15をクランクシャフトWの
軸W1の方向に進退させることができる。
【0019】電力整合盤100aの前面に垂直方向に取り付
けられた1対のレール161 の上で昇降可能に1個のトラ
ンス支持部材154 が配設されている。このトランス支持
部材154 の先端部分には、パンタグラフ153 を介してト
ランス台152 が吊り下げされている。トランス台152 に
載置固定されているピン焼入トランス15の下部の出力部
150 には、ピン焼入コイルが、ピン焼入コイルの入力部
110 を介して接離自在に接続されている。なお、図では
第1の種類のクランクシャフトWに対応するピン焼入コ
イル11が出力部150 に接続されている場合を示す。
【0020】トランス支持部材154 の上面に形成された
突起161 には、電力整合盤100aの上面から支持されてい
るスプロケット162 に巻回されたチェイン163 の一端が
接続されており、チェイン163 の他端はバネ164 を介し
て電力整合盤100aの頂面に固定されている。ピン焼入ト
ランス昇降装置16は、一端が前記突起161 に、また、他
端が電力整合盤100aに、それぞれ、回動自在に取り付け
られた連結棒165 と、連結棒165 の両端間を下方から支
持しているロッド166 と、ロッド166 を進退させるシリ
ンダ167 とを備えている。
【0021】ピン焼入トランス15に取り付けられていな
いピン焼入コイル12〜14は、図示しない適当なピン焼入
コイルストッカ内に垂直状態で保管されている。
【0022】次に、ジャーナル焼入装置200 の詳細を説
明する。200aは、図示しない高周波電源から電力を受
け、ジャーナル焼入トランス25に供給する電力整合盤で
あって、前記の設置面500 上に水平に取り付けられたレ
ール271 上に載置されている。この電力整合盤200aは、
電力整合盤100aを水平に移動させると同様な機構のジャ
ーナル焼入トランス前後進装置27によって、クランクシ
ャフトWの軸W1の方向と直角方向に前後進することがで
きる。
【0023】電力整合盤200aの前面に垂直方向に取り付
けた1対のレール261 上で昇降可能にトランス支持部材
256 が配設されている。このトランス支持部材256 の先
端部分には、1個のジャーナル焼入トランス25が載置固
定されている。トランス支持部材256 は、ジャーナル焼
入トランス前後進装置27と同様な機構のジャーナル焼入
トランス昇降装置26によって昇降される。
【0024】ジャーナル焼入トランス25の出力側は、ト
ランス支持部材256 の上面に固定された同軸母線252 に
接続されており、同軸母線252 の出力側は、図1および
図4に示すように、トランス支持部材256 の下面に固定
されたスイッチ部251 を介して出力部220 に接続固定さ
れている。出力部220 には、ジャーナル焼入コイルセッ
トが、このジャーナル焼入コイルセットの入力部210 を
介して接離自在に接続されている。図では第1の種類の
クランクシャフトWに対応するジャーナル焼入コイルセ
ット21が接続されている場合を示す。
【0025】同軸母線252 の出力側は、5個のジャーナ
ルJ1〜J5にそれぞれ対応した5回路に分岐されており、
分岐された各回路は、出力部220 に設けた1対ずつの接
触片203 に接続されている。スイッチ部251 では、各回
路ともに、片側のリードにスイッチ207 が設けられてい
る。また、1対ずつの接触片203 の近辺には、焼入液用
プラグ204 が配設されており、各プラグ204 は、それぞ
れ、スイッチ部251 に設けた5個の電磁弁205 を介して
図外の焼入液供給源に接続されている。
【0026】前記入力部210 には、接触片203 にそれぞ
れ対応して接離自在に接続される接触片201 と、焼入液
用プラグ204 にそれぞれ対応して接離自在に接続される
焼入液用レセプタクル202 とが設けられている。5対の
接触片201 は、それぞれ、1対ずつのリード205 を介し
てジャーナル焼入コイルセット21の備えるジャーナル焼
入コイル211 〜215 のそれぞれの高周波加熱コイル(以
下高周波加熱コイルを単に加熱コイルともいう)211a〜
215aに接続されている。また、5個の焼入液用レセプタ
クル202 はそれぞれ焼入液噴射用のジャケット211b〜21
5bに配管206 によって接続されている。
【0027】ここで、ピン焼入コイル11〜14およびジャ
ーナル焼入コイル211 〜215 の先端部分の詳細を、図5
に示すジャーナル焼入コイル211 の例を採って説明す
る。ジャーナル焼入コイル211 の先端部分には、1対の
コイル側板208 (図上で一方が手前側、他方が奥側)間
に図示しない部材によって支持されている半開放鞍型の
加熱コイル211aと、加熱コイル211aを前記接触片201 に
接続する1対のリード205 と、1対のジャケット211b
と、これらジャケット211bに接続されて焼入液Lを供給
し、前記焼入液用レセプタクル202 に至る配管206 と、
加熱コイル211aとジャーナルJ1との空隙距離を一定に保
つための3対のスペーサ209 とが設けられている。ジャ
ーナル焼入コイル212 〜215 の先端部分には、それぞ
れ、加熱コイル212a〜215aおよびジャケット212b〜215b
が設けられている。同様に、ジャーナル焼入コイルセッ
ト22〜24の各ジャーナル焼入コイルの先端部分にも加熱
コイルとジャケットとが設けられている。また、ピン焼
入コイル11〜14のそれぞれの先端部分にも、加熱コイル
211aとジャケット211bに類似した加熱コイルとジャケッ
トとが設けられている。
【0028】ジャーナル焼入トランス25の出力部220 の
下方には、4種類のクランクシャフトWに対応する4個
のジャーナル焼入コイルセット21〜24を格納できるジャ
ーナル焼入コイルセットストッカ29が設けられている。
このストッカ29では、水平な軸292 の両端に設けられた
1対の垂直な円盤状のドラム291 の間に、ジャーナル焼
入コイルセット保管台293 が回動自在に懸架されてい
る。そして、ジャーナル焼入コイルセット21〜24は、1
個ずつジャーナル焼入コイルセット保管台293 上に着脱
自在に載置されている。なお、ドラム291 は、軸292 に
結合されたストッカ回転装置294 によって回転される。
【0029】次に、本実施例の高周波焼入装置によって
クランクシャフトWのピンP1〜P4およびジャーナルJ1〜
J5を焼入する方法について、第1の種類のクランクシャ
フトWを焼入する場合を、図6および図7を用いて説明
する。これらの図で、幅の広い横線および斜線は動作を
示し、これらの線の傍に記載されている数値、および矢
線の途中に記載されている数値は、動作時間の例を秒で
示している。幅の狭い横線は前の動作の終了状態が保持
されていることを示す。点線は、1つの動作から他の動
作へ移ることを示し、幅の狭い縦線は参考線である。
【0030】まず、第1の方法を図6を参照して説明す
る。図示しない搬送装置によって焼入位置に移動される
クランクシャフトWは、例えば焼入位置の手前で、図示
しないシャフト種類検出器によって、第1の種類のクラ
ンクシャフトWであることが検知される。
【0031】前記搬送装置によって焼入位置へ水平状態
で移動された第1の種類のクランクシャフトWの支持に
適した距離だけ、シリンダ36および37が動作してチャッ
ク31とセンタ32とを前進せしめ、チャック31でクランク
シャフトWの一端のフランジFを把持し、センタ32で他
端を支持する。
【0032】図6中の点Aから点Bまでの動作は、ま
ず、クランクシャフトWの種類が第1の種類であること
が検知されると、直ちに、ストッカ回転装置294 が動作
してジャーナル焼入コイルセットストッカ29のドラム29
1 が回転し、ジャーナル焼入コイルセット21を最上位置
まで移動してジャーナル焼入コイルセットストッカ29の
位置割り出しを終える。次いで、ジャーナル焼入トラン
ス昇降装置26によって、待機位置にあったジャーナル焼
入トランス25を降下させて出力部220 をジャーナル焼入
コイルセット21の入力部210 に接続(クランプ)してジ
ャーナル焼入コイルセット21をジャーナル焼入トランス
25と一体的に移動可能とする。
【0033】次いで、ジャーナル焼入トランス25を上昇
させてジャーナル焼入コイルセット21をジャーナルコイ
ルストッカ29から取り外して待機位置に戻る。この後、
ジャーナル焼入トランス水平移動装置27によってジャー
ナル焼入トランス25を前進させ、ジャーナル焼入コイル
211 〜215 をクランクシャフトWの上方まで水平移動し
てから、ジャーナル焼入トランス25を降下させ、ジャー
ナル焼入コイル211 〜215 の加熱コイル211a〜215aをそ
れぞれジャーナルJ1〜J5に載置し、この状態を保つ。
【0034】点Aから点Cまでの動作を説明する。ジャ
ーナル焼入コイルセットストッカ29の位置割り出しの開
始と共に、ピン焼入トランス15は、ピン焼入トランス水
平移動装置17によって水平移動後、ピン焼入トランス昇
降装置16のシリンダ167 が動作してロッド166 が後退す
る事によって降下し、出力部150 が図示しない前記ピン
焼入コイルストッカに格納されている第1の種類のクラ
ンクシャフトWに対応したピン焼入コイル11の入力部11
0 に接離可能に接続(クランプ)してピン焼入コイル11
をピン焼入トランス15と一体的に移動可能とする。次い
でシリンダ167が動作してピン焼入トランス15は上昇
し、上昇した位置を保つ。一方、ピン焼入トランス15が
水平移動を開始すると、クランクシャフト支持回転装置
300 のチャック制御回転装置35によってクランクシャフ
トWの回転が開始され、ピンP1が上死点に至って停止
(ピンP1の位置割り出し)している。
【0035】点Bから点Dまでの動作は以下の通り。ジ
ャーナル焼入コイルセット21がクランクシャフトWのジ
ャーナルJ1〜J5に載置されると、直ちにピン焼入トラン
ス15が水平移動して、上死点にあるピンP1の上方へきて
停止後、降下してピン焼入コイル11がピンP1に載置され
る。
【0036】点Dから点Eまでの動作を説明する。クラ
ンクシャフトWの回転が開始され、ピン焼入コイル11に
よってピンP1の加熱後、ピン焼入コイル11から焼入液が
ピンP1に噴射されてピンP1を冷却してピンP1の焼入を終
える。図7に示すように、ピンP1の冷却期間の終期に、
ピンP1の位置割り出しが行われる。即ち、ピンP1の冷却
開始後8秒経過したときに、ピンP1の位置割り出しが開
始され、ピンP1は上死点に至ってクランクシャフトWの
回転が停止されて位置割り出しが終了する。クランクシ
ャフトWの回転数を例えば30rpm とすると、この位置割
り出しは最大2秒で終わる。なお、ピンP1の位置割り出
し終了まで冷却液の噴射は続行される。
【0037】次いで、ピン焼入トランス15を上昇させて
から、ピンP2の位置割り出しを行って後、ピン焼入トラ
ンス15をピンP2の上方まで水平移動させ、次いで降下さ
せてピン焼入コイル11をピンP2に載置する。そして、ク
ランクシャフトWの回転を開始してピンP1と同様にピン
P2を焼入する。ピンP2の冷却期間の終期に図7で説明し
たのと同様にピンP2の位置割り出しが行われてクランク
シャフトWの回転が停止される。以下、同様にしてピン
P4までの焼入を終了してクランクシャフトWの回転を停
止し、ピン焼入トランス15を上昇させる。
【0038】点Eから点Fに至る動作としては、ピン焼
入コイル11を水平移動させ、ピン焼入コイル11が格納し
てあった場所の真上で停止させてから、降下させ、ピン
焼入コイル11の入力部110 とピン焼入トランス15の出力
部150 との接続を解除(アンクランプ)する。そして、
ピン焼入トランス15を上昇させて元の待機位置に静止さ
せて次のクランクシャフトWのピンP1〜P4の焼入に備え
る。
【0039】点Eから点Gまでの動作は以下の通り。ま
ず、クランクシャフトWの回転を開始後、ジャーナルJ1
焼入用のジャーナル焼入コイル211 用のスイッチ207 を
オンとし、ジャーナルJ1用のジャーナル焼入コイル211
によってジャーナルJ1を所定時間加熱してから焼入液を
噴射してジャーナルJ1の焼入を終える。この際、ジャー
ナルJ1の加熱終了後直ちにジャーナル焼入コイル212 用
のスイッチ207 をオンにしてジャーナルJ2の加熱を開始
する。従って、ジャーナルJ1の冷却中にジャーナルJ2の
加熱が開始される。
【0040】同様に、ジャーナルJ2の冷却中にジャーナ
ルJ3の加熱を開始する。以下同様にしてジャーナルJ3の
冷却、ジャーナルJ4、J5の加熱、冷却を行ってクランク
シャフトWの焼入を終え、ジャーナル焼入トランス25を
上昇させてから、後進させて待機位置まで戻し、次い
で、降下させてジャーナル焼入コイルセット21をジャー
ナル焼入コイルセット保管台293 上に載置する。そし
て、ジャーナル焼入コイルセット21の入力部210 と、ジ
ャーナル焼入トランス25の出力部220 との接続を解除
(アンクランプ)後、ジャーナル焼入トランス25を上昇
させて待機位置にもどして静止させ、次のクランクシャ
フトWのジャーナルJ1〜J5の焼入に備える。
【0041】次に、第2の焼入方法を図8を参照して説
明する。点Hから点Iまでの動作、点Hから点Jまでの
動作、および点Iから点Kまでの動作は、それぞれ、第
1の焼入方法として図6で説明した点Aから点Bまでの
動作、点Aから点Cまでの動作、および点Bから点Dま
での動作と同じであるので説明を省略する。
【0042】点Kから点Lまでの動作を説明する。クラ
ンクシャフトWの回転を開始するとともに、ピン焼入コ
イル11によってピンP1を加熱後冷却して焼入を終える。
この際、ピンP1の加熱終了後、ジャーナル焼入コイル21
1 のスイッチ207 をオンにしてジャーナル焼入コイル21
1 によるジャーナルJ1の加熱を開始する。即ち、ピンP1
の冷却中にジャーナルJ1の加熱が開始され、次いで冷却
が行われてジャーナルJ1の焼入が終了する。ジャーナル
J1の冷却期間の終期に、図7で説明したのと同様に、ピ
ンP1の位置割り出しが行われてクランクシャフトWの回
転が停止される。
【0043】次いで、ピン焼入トランス15が上昇後、直
ちにピンP2の位置割り出しを行ってピンP2を上死点に位
置させてクランクシャフトWの回転を停止する。次いで
ピン焼入トランス15はピンP2の上方へ水平移動してから
降下してピンP2上にピン焼入コイル11が載置される。そ
して、クランクシャフトWの回転を開始してピン焼入コ
イル11によってピンP2を加熱後、焼入液を噴射してピン
P2を冷却し焼入を終える。この際、ピンP2の加熱終了
後、直ちにジャーナル焼入コイル212 のスイッチ207 を
オンにしてジャーナル焼入コイル212 によるジャーナル
J2の加熱を開始する。即ち、ジャーナルJ2の加熱は、ピ
ンP2の冷却中に開始される。
【0044】ジャーナルJ2は加熱後冷却されて焼入が終
わる。ジャーナルJ2の冷却期間の終期にピンP3の位置割
り出しを行う。以下、ピンP1、P2と同様にピンP3の焼入
を行い、また、ピンP3の加熱終了後直ちにジャーナル焼
入コイル213 のスイッチ207をオンにする。この後は、
同様に順次、ジャーナルJ3の焼入、ピンP4の焼入、およ
びジャーナルJ4の焼入を行う。ピンP1〜P4の焼入は終了
したので、ピン焼入トランス15は上昇される。
【0045】点Lから点Mまでの動作は以下の通り。ピ
ン焼入トランス15は水平移動して、図示しない前記ピン
焼入コイルストッカの上方に至ってから、降下し、ピン
焼入コイル11を元の格納場所に設置してから、ピン焼入
コイル11とピン焼入トランス15との接続が絶たれる。そ
して、ピン焼入トランス15は上昇して静止し、次のクラ
ンクシャフトWのピンP1〜P4の焼入に備える。
【0046】点Lから点Nまでの動作は、まず、残って
いるジャーナルJ5の焼入を行ってから、ジャーナル焼入
トランス25を上昇させ、次いで後進させて待機位置まで
戻し、この後、降下させてジャーナル焼入コイルセット
21をジャーナル焼入コイルセット保管台293 上に載置す
る。そして、ジャーナル焼入コイルセット21の入力部21
0 と、ジャーナル焼入トランス25の出力部220 との接続
を解除(アンクランプ)後、ジャーナル焼入トランス25
を上昇させて待機位置にもどして静止させ、次のクラン
クシャフトWのジャーナルJ1〜J5の焼入に備える。
【0047】焼入位置へ搬入される次のクランクシャフ
トWが、例えば第2の種類のクランクシャフトWである
場合には、ピン焼入コイル12およびジャーナル焼入コイ
ルセット22が選定されて第1の種類のクランクシャフト
Wと同様に上記の要領で焼入が行われる。以下、第3、
第4の種類のクランクシャフトWに対しても同様に焼入
が行われる。
【0048】本実施例の高周波焼入装置は、各種類のク
ランクシャフトWとも、ピンP1〜P4は全て同形である
が、ジャーナルJ1〜J5は必ずしも同形ではないようなク
ランクシャフトWに対する焼入装置である場合を説明し
た。従って、各種類のクランクシャフトに対して、ピン
焼入コイルは1個ずつ設け、ジャーナル焼入コイルセッ
トの備えたジャーナル焼入コイルは、各ジャーナルJ1〜
J5に対応した5個ずつとしてあった。しかし、クランク
シャフトの形状は多岐にわたっており、例えば、ジャー
ナルJ1〜J5の内、ジャーナルJ2〜J4は互いに同形である
が、ジャーナルJ1およびJ5とは異なった形状であり、ま
た、ジャーナルJ1とJ5も互いにに異なった形状である場
合がある。
【0049】このような場合には、ジャーナル焼入コイ
ルセットに、ジャーナルJ1用の第1のジャーナル焼入コ
イルと、ジャーナルJ5用の第2のジャーナル焼入コイル
と、これら両焼入コイルの中間にジャーナルJ2〜J4用に
共通しジャーナルJ3に対応するように配設した第3のジ
ャーナル焼入コイルの合計3個の焼入コイルを設け、前
記実施例と同様にジャーナル焼入コイルセットをクラン
クシャフトに載置して第1、第2、および第3のジャー
ナル焼入コイルをそれぞれジャーナルJ1、J5、およびJ3
に載置する。
【0050】そして、まず、ピンP1〜P4を順次焼入し、
次いで、第1、第2、第3のジャーナル焼入コイルでジ
ャーナルJ1、J5、およびJ3を順次、前記第1の焼入方法
で述べた要領で焼入してから、ジャーナル焼入コイルセ
ットを一端上昇させてからジャーナル焼入トランス水平
移動装置28によってレール281 上を水平移動させた後降
下させて前記第3のジャーナル焼入コイルをジャーナル
J2上に載置してジャーナルJ2を焼入後、再びジャーナル
焼入コイルセットを上昇、水平移動、および降下をさせ
て前記第3のジャーナル焼入コイルをジャーナルJ4上に
載置して焼入する。この後は、ジャーナル焼入コイルセ
ットをストッカに格納後、待機位置に戻す。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載のク
ランクシャフトの高周波焼入装置は、1個或いは複数の
同形のピンと、必ずしも同形ではない複数のジャーナル
とを有する複数種類のクランクシャフトの高周波焼入装
置において、1つのステーションに配設されたピン焼入
装置及びジャーナル焼入装置と、クランクシャフトを水
平且つ回転自在に支持するクランクシャフト支持回転装
置とを備え、前記ピン焼入装置は、各種類のクランクシ
ャフトに対して1個ずつ設けたピン焼入コイルと、焼入
位置近傍に設けられピン焼入コイルを出入自在に格納す
るピン焼入コイルストッカと、前記ピン焼入コイルに高
周波電流を供給するピン焼入トランスにピン焼入コイル
を接離自在に接続する電気接続手段と、焼入液供給源に
接離自在な焼入液供給手段と、1つの種類のピン焼入コ
イルを前記ピン焼入コイルストッカから取出し前記電気
接続手段を介して接続されたピン焼入トランスをクラン
クシャフト支持回転装置で支持されたクランクシャフト
上に移動しピン焼入コイルを載置する移動手段とを具備
しており、前記ジャーナル焼入装置は、各種類のクラン
クシャフトごとに設けられ、同形でないジャーナルに、
それぞれ対応した複数個のジャーナル焼入コイルと、同
形のジャーナルに対応した1個のジャーナル焼入コイル
とを一体的にアセンブルしてなるジャーナル焼入コイル
セットと、焼入装置近傍に設けられジャーナル焼入コイ
ルセットを出入自在に格納するジャーナル焼入コイルセ
ットストッカと、前記ジャーナル焼入コイルに高周波電
流を供給するジャーナル焼入トランスにジャーナル焼入
コイルセットを接離自在に接続する電気接続手段と、焼
入液供給源に接離自在な焼入液供給手段と、1つの種類
のジャーナル焼入コイルセットを前記ジャーナル焼入コ
イルセットストッカから取り出し前記電気接続手段を介
して接続されたジャーナル焼入トランスを前記支持され
たクランクシャフト上に移動してジャーナル焼入コイル
セットを載置する移動手段とを具備しており、焼入位置
でクランクシャフト回転装置に支持されたクランフシャ
フトを移動させることなく、前記各コイルストッカから
取り出したクランクシャフトのピン又はジャーナルに対
応するピン焼入コイル又はジャーナル焼入コイルセット
のジャーナル焼入コイルでピンおよびジャーナルを順次
又は交 互に焼入するようにしたことを特徴としている。
【0052】従って請求項1記載の本発明装置によると
次のような効果がある。 (1)ピン焼入ステーションとジャーナル焼入ステーシ
ョンの2つのステーションではなく、1つの焼入ステー
ションしか備えていないので、装置の寸法が小さくな
り、 従って、装置のコストが安くなる。 (2)クランクシャフトをピン焼入ステーションからジ
ャーナル焼入ステーションまで移動させる必要がないの
で、移動装置を要しない。また前記移動に要する時間お
よびクランクシャフトを同支持回転送話部装置に装脱す
るための時間が不要となるほか装脱の手間も要しない。 (3)各コイルストッカと焼入位置との間の距離が短い
ので、所望コイルをストッカから取り出し焼入位置まで
に要する移動時間が短縮できる。 (4)ピン焼入用には各種類のクランクシャフトに対し
て1個のみのピン焼入コイルを設けておけばよいので、
焼入コイルのコストが低減される。 (5)全てのピンおよびジャーナルは順次加熱されるの
で、加熱のための電力が小さくてすむから、焼入用電源
設備のコストが小さい。 (6)各ジャーナルにそれぞれの焼入コイルを載置した
ままで、順次各ジャーナルを焼入してゆくから、1つの
焼入コイルを移動して順次各ジャーナルに載置後焼入し
てゆく従来の少量のクランクシャフトの焼入方法と比べ
て、クランクシャフトの焼入時間を短くすることができ
る。 特に、ピン、ジャーナルの数の多いクランクシャフ
トの焼入を行う場合は全体として焼入時間を短縮するこ
とができる。 前記したように本装置によると、全焼入時
間が大幅に短縮されることになり、生産性向上に寄与す
ることが極めて大きいものである。
【0053】また、請求項1記載の高周波焼入装置およ
び請求項3記載の高周波焼入方法においては、焼入しよ
うとする1個のクランクシャフトを回転自在に配設後、
クランクシャフトに対応するジャーナル焼入コイルセッ
トを載置してこのジャーナル焼入コイルセットの各ジャ
ーナル焼入コイルを対応するジャーナルに載置してか
ら、クランクシャフトを回転させながら、ピン焼入コイ
ルとジャーナル焼入コイルセットの各ジャーナルに対応
するジャーナル焼入コイルとで、ピンおよびジャーナル
を順次交互に加熱し、また、ピンおよびジャーナルを順
次交互に冷却すると共に、ピンの冷却中にジャーナルの
加熱を開始するようにして全てのピンおよびジャーナル
を焼入することができる。
【0054】従って、請求項1記載の装置並びに請求項
2および請求項3記載の方法によると、(1)ピン焼入
ステーションとジャーナル焼入ステーションの2つのス
テーションではなく、1つの焼入ステーションしか備え
ていないので、装置の寸法が小さくなり、従って、装置
のコストが安くなる。(2)ピン焼入用には各種類のク
ランクシャフトに対して1個のみのピン焼入コイルを設
けておけばよいので、焼入コイルのコストが低減され
る。(3)全てのピンおよびジャーナルは順次加熱され
るので、加熱のための電力が小さくてすむから、焼入用
電源設備のコストが小さい。
【0055】また、(4)ジャーナルの焼入の焼入に際
しては、1つのジャーナルの加熱後、或いは1つのピン
の加熱後、そのジャーナル、或いはそのピンの冷却中
に、次に焼入するジャーナルの加熱を開始するので、ク
ランクシャフトの焼入時間が短くなる。(5)各ジャー
ナルにそれぞれの焼入コイルを載置したままで、順次各
ジャーナルを焼入してゆくから、1つの焼入コイルを移
動して順次各ジャーナルに載置後焼入してゆく従来の小
量のクランクシャフトの焼入方法と比べて、クランクシ
ャフトの焼入時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図3のA矢視正面説明図である。
【図2】図3のB矢視側面説明図である。
【図3】本発明の方法を実現することができるクランク
シャフトの高周波焼入装置の一実施例の平面説明図であ
る。
【図4】ジャーナル焼入コイルセットの電気および焼入
液回路図である。
【図5】ジャーナル焼入コイルの端部の正面説明図であ
る。
【図6】図3に示す一実施例の高周波焼入装置によるク
ランクシャフトのピンとジャーナルとの第1の焼入方法
の動作説明図である。
【図7】図6に示す動作の一部の詳細説明図である。
【図8】図3に示す一実施例の高周波焼入装置によるク
ランクシャフトのピンとジャーナルとの第2の焼入方法
の動作説明図である。
【図9】ワークとして採り上げた4気筒エンジン用のク
ランクシャフトの正面図である。
【符号の説明】
11〜14 ピン焼入コイル 15 ピン焼入トランス 16 ピン焼入トランス昇降装置 17 ピン焼入トランス水平移動装置 21〜24 ジャーナル焼入コイルセット 26 ジャーナル焼入トランス昇降装置 27 ジャーナル焼入トランス前後進装置 28 ジャーナル焼入トランス水平移動装置 100 ピン焼入装置 200 ジャーナル焼入装置 211 〜215 ジャーナル焼入コイル 211a〜215a 加熱コイル 300 クランクシャフト支持回転装置 J1〜J5 ジャーナル P1〜P4 ピン W クランクシャフト W1 軸

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1個或いは複数の同形のピンと、必ずし
    も同形ではない複数のジャーナルとを有する複数種類の
    クランクシャフトの高周波焼入装置において、1つのス
    テーションに配設されたピン焼入装置及びジャーナル焼
    入装置と、クランクシャフトを水平且つ回転自在に支持
    するクランクシャフト支持回転装置とを備え、前記ピン
    焼入装置は、各種類のクランクシャフトに対して1個ず
    つ設けたピン焼入コイルと、焼入位置近傍に設けられピ
    ン焼入コイルを出入自在に格納するピン焼入コイルスト
    ッカと、前記ピン焼入コイルに高周波電流を供給するピ
    ン焼入トランスにピン焼入コイルを接離自在に接続する
    電気接続手段と、焼入液供給源に接離自在な焼入液供給
    手段と、1つの種類のピン焼入コイルを前記ピン焼入コ
    イルストッカから取出し前記電気接続手段を介して接続
    されたピン焼入トランスをクランクシャフト支持回転装
    置で支持されたクランクシャフト上に移動しピン焼入コ
    イルを載置する移動手段とを具備しており、前記ジャー
    ナル焼入装置は、各種類のクランクシャフトごとに設け
    られ、同形でないジャーナルに、それぞれ対応した複数
    個のジャーナル焼入コイルと、同形のジャーナルに対応
    した1個のジャーナル焼入コイルとを一体的にアセンブ
    ルしてなるジャーナル焼入コイルセットと、焼入装置近
    傍に設けられジャーナル焼入コイルセットを出入自在に
    格納するジャーナル焼入コイルセットストッカと、前記
    ジャーナル焼入コイルに高周波電流を供給するジャーナ
    ル焼入トランスにジャーナル焼入コイルセットを接離自
    在に接続する電気接続手段と、焼入液供給源に接離自在
    な焼入液供給手段と、1つの種類のジャーナル焼入コイ
    ルセットを前記ジャーナル焼入コイルセットストッカか
    ら取り出し前記電気接続手段を介して接続されたジャー
    ナル焼入トランスを前記支持されたクランクシャフト上
    に移動してジャーナル焼入コイルセットを載置する移動
    手段とを具備しており、焼入位置でクランクシャフト回
    転装置に支持されたクランフシャフトを移動させること
    なく、前記各コイルストッカから取り出したクランクシ
    ャフトのピン又はジャーナルに対応するピン焼入コイル
    又はジャーナル焼入コイルセットのジャーナル焼入コイ
    ルでピンおよびジャーナルを順次又は交互に焼入するよ
    うにしたことを特徴とするクランクシャフトの高周波焼
    入装置。
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