JPH05214436A - 高周波焼入方法および装置 - Google Patents

高周波焼入方法および装置

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JPH05214436A
JPH05214436A JP4048048A JP4804892A JPH05214436A JP H05214436 A JPH05214436 A JP H05214436A JP 4048048 A JP4048048 A JP 4048048A JP 4804892 A JP4804892 A JP 4804892A JP H05214436 A JPH05214436 A JP H05214436A
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JP
Japan
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heating coil
work
hardened
heating
quenching
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Application number
JP4048048A
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English (en)
Inventor
Hiyoshi Watanabe
日吉 渡邊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electronics Industry Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electronics Industry Co Ltd
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Filing date
Publication date
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Publication of JPH05214436A publication Critical patent/JPH05214436A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 1つのワークの複数の被焼入面を同時に焼入
して焼入工程を短縮する。 【構成】 ワーク900 を、ワーク900 を貫通する直線軸
を中心とする回転を開始後、一部の被焼入面を加熱コイ
ル体210 、310 、410 によって移動焼入し、また、他部
の被焼入面を加熱コイル体110 および510 によって一発
焼入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1つのワークの複数個
所にほぼ同時に焼入を行う高周波焼入方法および装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】以下、例えば図7に示す軸状のワーク
に、図8に示す硬化層を形成する場合を例にとって従来
の技術を説明する。軸状のワーク900 は、一体的に形成
されている軸部901 〜907 を備えており、軸部901 から
順次径が小さくなっている。軸部904 のみが緩やかなテ
ーパー状であって、その他の軸部901 〜903 、905 〜90
7は円柱状である。そして、図8に示すように、軸部903
〜906 の周面903a〜906aに、それぞれ、硬化層903f〜9
06fが形成されている。また、軸部901 から902 にわた
って硬化層902fが形成されているが、この硬化層902f
は、軸部902 の周面902aの一部と、この一部に引き続く
R部902bと、軸部901 と902 との径差による段差部901c
(ワーク900 の軸方向と直角方向の環状面) の一部とに
わたって連続的に形成されている。
【0003】このような硬化層902f〜906fを形成する場
合には、従来においては、まず、ワーク900 をその長手
方向の直線軸910 を中心として回転させながら、一発焼
入によって硬化層902fを形成する。或いは、一発焼入に
よって硬化層902fと906fとを同時に形成する。次いで、
ワーク900 を回転させながら、移動焼入によって硬化層
903fを形成してから、同じく移動焼入によって硬化層90
4fを、更に硬化層905fを形成している。硬化層902fと90
6fの形成には、別個の高周波加熱コイルが用いられ、ま
た、硬化層903f〜905fの形成には、別個の、或いは、共
通の高周波加熱コイルが用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、1つのワ
ークに複数の硬化層を形成しようとするには、複数の工
程を必要とするので、焼入工程が長くなる。また、ワー
クの被焼入面ごとに焼入条件の設定を変更する必要があ
り作業ミスも増え、焼入品質も安定しない。本発明はこ
のような事情に鑑みて創案されたものであって、1つの
ワークの複数個所を同時に焼入することができる高周波
焼入方法および装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、請求項1記載の高周波焼入方法は、複数の被焼入面
を有するワークの高周波焼入方法において、ワークを貫
通する直線軸を中心とするワークの回転を開始後、一部
の被焼入面を移動焼入し、他部の被焼入面を一発焼入す
る。
【0006】請求項2記載の高周波焼入装置は、ワーク
を貫通する直線軸を中心とするワークの回転中に、ワー
クの複数の被焼入面をほぼ同時に焼入する高周波焼入装
置であって、一部の被焼入面の移動焼入装置と、他部の
被焼入面の一発焼入装置とを備えている。
【0007】請求項3記載の高周波焼入装置は、請求項
2記載の高周波焼入装置において、移動焼入装置は、高
周波加熱コイルと、このコイルと直列に接続されたルー
プと、擬似誘導負荷とを備え、前記コイルによる加熱終
了時に、擬似誘導負荷がループ内に挿入される。
【0008】請求項4記載の高周波焼入装置は、請求項
2記載の高周波焼入装置において、被焼入面ごとに設け
た加熱コイルと、加熱コイルごとに設けた加熱コイル給
電用のトランスと、第1半導体スイッチ素子によって高
周波電流を発生し全ての前記トランスに高周波電流を給
電する1個の高周波電源と、この高周波電源と各トラン
スとの間に設けた第2半導体スイッチ素子と、第1およ
び第2半導体スイッチ素子の点弧用ゲートに与える点弧
パルスを発生するパルス発生器と、このパルス発生器と
各第2半導体スイッチ素子の点弧用ゲートとの間に設け
た開閉装置とを備えている。
【0009】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1〜8は本発明の高周波焼入方法を実現するこ
とができる高周波焼入装置の第1実施例を説明するため
の図面であって、図1は正面説明図、図2は図1のA−
A線矢視断面説明図、図3は移動焼入用高周波加熱コイ
ル体の説明図、図4は移動焼入用ジャケットの斜視図、
図5は概略電気回路図、図6は他例の概略電気回路図、
図7はワークの正面図、図8はワークの縦断面図であ
る。図9、10は第2実施例を説明するための図面であっ
て、図9は第1実施例の図1のB−B線矢視対応断面説
明図、図10は電気回路図である。図11は第3実施例の電
気回路図である。
【0010】本実施例の高周波焼入装置が焼入するワー
クとしては、前述した軸状のワーク900 を採り上げ、こ
のワーク900 に同じく前述した硬化層902f〜906fを形成
する場合を説明する。
【0011】図1に示すように、第1実施例の高周波焼
入装置は、ワーク900 に形成しようとする硬化層902f〜
906fにそれぞれ対応して設けられた高周波加熱コイル体
(以下単に加熱コイル体とも記す) 110 、210 、310 、
410 および510 と、これら加熱コイル体をそれぞれ下部
に取り付けたディスクタイプ(薄型) のトランス101、2
01 、301 、401 および501 を備えている。
【0012】加熱コイル体を、加熱コイル体510 を例に
とり図2を参照して説明する。一発焼入を行う加熱コイ
ル体510 は、トランス501 の出力端子505 に接離可能に
接続されている1対のコイル入力端子513 (図2上で手
前側と、後側) と、これらコイル入力端子513 に接続さ
れた1対のリード導体512 (図2上で手前側と、後側)
と、これらリード導体512 の下部に接続された半開放型
の加熱コイル511 と、リード導体512 および加熱コイル
511 を両側から挟持しており且つ上端部分がコイル入力
端子513 の下部に固定された1対のコイル側板514 (図
2上で手前側と、後側) と、コイル側板514 の下部に対
向するように設けた冷却液噴射用の1対のジャケット51
5 とを備えている。そして、コイル側板514 に取り付け
た図示しない配管がジャケット515 に接続されており、
この配管には更に図示しない冷却液供給用ホースが接続
されている。
【0013】トランス501 は、トランス取付台504 上面
に固定されている。トランス取付台504 の下面両端部分
には、1対のスライダ505 が固定されており、これらス
ライダ505 は、高周波焼入装置の両端近辺に立設した1
対の壁601 、602 間に平行に橋架された1対のレール台
604 、605 上に設けた1対のレール603 に摺動自在に嵌
合している。
【0014】トランス501 の側面には、ナット506 が突
設されており、このナット506 は壁601 、602 間に水平
に橋架されたボールネジ502 に螺合している。503 はこ
のボールネジ502 を回転駆動し、ナット506 を介してト
ランス501 と加熱コイル体510 を水平に移動させるサー
ボモータである。
【0015】一発焼入を行う加熱コイル体110 は、加熱
コイル体510 と同様な構造であって、前記した加熱コイ
ル体510 のコイル入力端子513 、リード導体512 、加熱
コイル511 、コイル側板514 およびジャケット515 に対
応するコイル入力端子(図示省略)、リード導体112
(図5) 、加熱コイル111 、コイル側板(図示省略)お
よびジャケット115 を備えている。但し、加熱コイル11
1 は、軸部902 のフラットな周面902aのみならず、R部
902bおよびR部902bに引き続く段差部901cをも焼入する
ので、R部902bおよび段差部901cに対しても磁束を交叉
させることができるような構造としてある。
【0016】また、移動焼入を行う加熱コイル体210
は、図3に示すように、加熱コイル体510 と類似の構造
であって、コイル入力端子213 、リード導体212 、加熱
コイル211 およびコイル側板214 を備えているが、ジャ
ケットとしては、図4に示す円弧状のジャケット215
が、図示しない接続部材によってコイル側板214 に固定
されている。このジャケット215 は、内面に複数の冷却
液噴射孔1 を有し、外面に設けた接続金物2 には、冷却
液供給用のホース3 が接続されている。
【0017】移動焼入を行う加熱コイル体310 、410 は
加熱コイル体210 と同様な構造であって、それぞれ、コ
イル入力端子(図示省略)、リード導体312 、412 (図
5)、加熱コイル311 、411 、側板(図示省略)および
ジャケット315 、415 を備えている。
【0018】トランス101 、201 、301 、401 には、そ
れぞれ、トランス501 のトランス取付台504 、スライダ
505 およびナット506 に対応するトランス取付台104 、
204、304 、404 、スライダ105 、205 、305 、405 、
およびナット106 、206 、306 、406 が備えられてい
る。そして、ナット106 、206 、306 、406 はそれぞれ
ボールネジ102 、202 、302 、402 に螺合しており、こ
れらボールネジ102 、202 、302 、402 はそれぞれサー
ボモータ103 、203 、303 、403 によって回転駆動され
る。
【0019】610 はワーク900 の軸部901 を掴むチャッ
クであって、このチャック610 は、チャック制御機構61
2 を介して、この制御機構の他端にオーバーハングされ
たワーク回転用モータ611 に結合されている。613 はチ
ャック制御機構612 をワーク900 の軸方向に水平移動さ
せるシリンダである。620 はワーク900 の軸部907 の端
部を支持するセンタであって、622 はこのセンタ620 を
弾力的に保持しているセンタ保持機構621 をワーク900
の軸方向に水平移動させるシリンダである。
【0020】701 は、チャック制御機構612 、シリンダ
613 、622 およびセンタ保持機構621 が4個のペデスタ
ル630 を介して取り付けられている設置板であって、こ
の設置板701 の下面に設けたスライダ702 は、高周波焼
入装置の設置面G 上に設けたベッド700 の頂部に設けた
レール707 に摺動自在に嵌合している。
【0021】設置板701 の下面ほぼ中央部分には、ベッ
ド700 に固定した1対の軸受706 によって水平に配設さ
れたボールネジ704 に螺合したナット703 が取り付けら
れており、ボールネジ704 の端部にサーボモータ705 の
出力軸が結合されている。711 は、設置板701 に垂直に
固定されたシリンダであって、シリンダロッド712 の先
端には、Vブロック713 が取り付けられている。
【0022】図5の概略電気回路図に示すように、トラ
ンス101 、201 、301 、401 および501 は、それぞれ、
高周波電源100 、200 、300 、400 および500 に接続さ
れている。この場合、各加熱コイルに通電する高周波電
流の大きさ、通電の開始、停止等の制御は、それぞれの
高周波電源で行う。
【0023】なお、このような電気回路とすることな
く、図6に示すように、トランス101、201 、301 、401
および501 に1個の高周波電源1000から給電する場合
には、高周波電源1000から給電される電力を、5個のト
ランス101 、201 、301 、401および501 に、それぞれ
のトランスが給電する加熱コイル111 、211 、311 、41
1 および511 の消費電力に見合うように分配することが
できる電力分配調整器1001を設け、この電力調整分配器
1001にトランス101 、201 、301 、401 および501 を接
続する。
【0024】次に、第1実施例の高周波焼入装置の動作
を説明する。図5に示す電気回路を採用したときには、
各加熱コイルごとにトランスと高周波電源を設けてある
ので、加熱コイルの通電時間を加熱コイルごとに設定で
きる。まず、ワーク900 を1対のVブロック713 で支持
した後、シリンダ711 を動作させてワーク900 を上昇さ
せてから、シリンダ613 、622 を動作させてワーク900
の両端をチャック610およびセンタ620 で支持する。次
いで、サーボモータ103 、203 、303 、403 および503
を動作させてトランス101 、201 、301 、401 および50
1 を所定の位置へ移動させて加熱コイル111 、211 、31
1 、411 および511 を、それぞれ、ワーク900 の軸部90
2 〜906 に接近対向するように配設する。
【0025】モータ611 によってワーク900 を直線軸91
0 を中心として回転させながら、加熱コイル111 、211
、311 、411 および511 に通電を開始すると共に、サ
ーボモータ203 、303 、403 を起動しボールネジ202 、
302 、402 の回転を開始して、加熱コイル体210 、310
および410 を矢印Pの方向に移動させる。また、ジャケ
ット215 、315 、415 から冷却液の噴射を開始する。加
熱コイル111 、511 にそれぞれ所定時間通電後、ジャケ
ット115 、515 から所定量の冷却液を軸部902 、906 に
噴射する。また、加熱コイル211 、311 、411 とジャケ
ット215 、315 、415 によって軸部903 〜905 の移動焼
入が終了すると、加熱コイル211 、311 、411 への電流
の供給を断ち、ジャケット215 、315 、415 から冷却液
の噴射を停止する。以上によってワーク900 に硬化層90
2f〜906fが形成された。本実施例の高周波焼入装置をこ
のように動作させる場合には、各一発焼入および各移動
焼入の終了時期を被焼入面ごとに設定できるし、また、
各移動焼入の速度を被焼入面ごとに設定できる。
【0026】上記は、移動焼入を行うに当たってワーク
900 を静止させておき、移動焼入を行う加熱コイル体21
0 、310 、410 を移動させたが、加熱コイル体210 、31
0 、410 を静止させておき、一発焼入を行う加熱コイル
体110 、550 とワーク900 とを矢印Pと反対方向に同期
して移動させる方法を採用することもできる。即ち、サ
ーボモータ705 によって設置板701 、即ち、ワーク900
を移動させると共に、この移動に加熱コイル体110 、55
0 が同期して移動するようにサーボモータ103、503 を
動作させる。本実施例の高周波焼入装置をこのように動
作させる場合には、移動焼入をする各加熱コイルの加熱
時間が同じであることを考慮して通電電流の大きさが決
定される。
【0027】図6に示す電気回路を採用したときには、
高周波電源が共通であるので、全ての加熱コイルの通電
の開始と終了をそれぞれ同時に行う必要があるから、通
電時間に見合った大きさの電流が各加熱コイルに流れる
ようにトランス101 、201 、301 、401 および501 のタ
ップを選定し、また電力分配器を調整しておく。
【0028】そして、移動焼入の速度は、サーボモータ
203 〜205 の回転速度 によって調節する。この実施例
では、加熱コイル体110 、550 を一発焼入に、加熱コイ
ル体210 、310 、410 を移動焼入に使用したが、これに
こだわるものではなく、ワークの被焼入面の形状等に応
じて、何れの加熱コイル体も一発焼入、移動焼入の何れ
にも使用することができる。
【0029】次に、第2実施例について説明する。図9
と10において、第1実施例で説明したものと同じ機能の
ものには同一の符号を付している。以下第1実施例と異
なっている部分のみを説明する。第1実施例において
は、全ての加熱コイルに対して1個の共通な高周波電源
1000を設けた場合には、移動焼入の加熱終了と一発焼入
の加熱終了がそれぞれ同時になるように、移動焼入の速
度を設定しなければならないが、第2実施例はこの不便
を解消するものである。
【0030】図9に示すように、移動焼入する加熱コイ
ル体210 とトランス201 とを例にとって説明する。加熱
コイル体210 の一方のリード導体212 は、コイル側板21
4 の側方へ引き出されてループ216 が形成されている。
そして、ループ216 の直ぐ上には、トランス取付台204
上に立設したシリンダによって上下方向に進退する擬似
誘導負荷217 が取り付けられている。移動焼入する他の
加熱コイル体310 、410 およびトランス301 、401 も同
様な構造としてあり、ループ316 、416 が形成されてい
ると共に、擬似誘導負荷317 、417 およびシリンダ318
、418 が設けられている(図10) 。
【0031】一方、トランス取付台204 の端部には、上
端部分と下端部分に1対のスライダ208 が固定されてい
る長尺状の部材207 が立設されている。スライダ208
は、長尺立方体形状のトランス支持ブロック220 の一方
の側面に設けたレール221 に摺動自在に嵌合している。
【0032】トランス支持ブロック220 の上端に突出形
成したひさし222 の上面にはシリンダ223 が取り付けら
れており、このシリンダ223 のシリンダロッド224 の下
端は前記部材207 の上端に固定されている。トランス支
持ブロック220 の他方の側面には、ナット206 が突設さ
れており、このナット206 はボールネジ202 に螺合して
いる。
【0033】トランス支持ブロック220 はトランス支持
台225 上に固定されており、トランス支持台225 の下面
には、ベッド700 上に設けた1対のレール227 に摺動自
在に嵌合している1対のスライダ226 が取り付けられて
いる。シリンダ223 は、加熱コイル体210 を待機位置へ
上昇させ、加熱位置へ降下させるものである。そして、
シリンダ223 を含む加熱コイル体210 の昇降機構は、他
の加熱コイル体110 、310 、410 および510 に対しても
設けられている。
【0034】第2実施例の動作を説明する。第2実施例
の高周波焼入装置においても、第1実施例と同じく、加
熱コイル体およびトランスを移動させる移動焼入とワー
クを移動させる移動焼入の何れでも採用することができ
る。そして、移動焼入を行う加熱コイル体210 が軸部90
3 の加熱を終了したときに、シリンダ218 を動作させて
前記ループ216 内に擬似誘導負荷217 が挿入されるの
で、加熱コイル211 は加熱を行っていないけれども、加
熱コイル211 が軸部903 を加熱していたときに消費した
のと同じ電力が擬似誘導負荷217 内で消費されるので、
高周波電源1000に衝撃を与えることがない。
【0035】加熱コイル311 、411 がそれぞれ軸部904
、905 を移動焼入する場合も軸部903 と同様に焼入が
行われ、焼入終了に際してループ316 、416 内に擬似誘
導負荷317 、417 がそれぞれ挿入されるので、高周波電
源1000に衝撃を与えない。そして、軸部902 〜906 の加
熱が全て終了したときに高周波電源1000を動作させて加
熱コイル111 、211 、311 、411 および511 の通電を一
斉に断つ。
【0036】従って、加熱コイル体を移動させる移動焼
入をするときは、被焼入面ごとに移動速度、加熱終了時
期を設定できる。また、ワークを移動させる移動焼入を
するときでも、加熱終了時期を被焼入面ごとに設定でき
る。
【0037】次に、第3実施例を説明する。第3実施例
も、第2実施例と同様に、全ての加熱コイルに対して1
個の共通な高周波電源を設けたときにおける移動焼入の
加熱終了と一発焼入の加熱終了とを同時に行わねばなら
ないという不便を解消するものである。図11において、
第1および第2実施例で説明したものと同じ機能のもの
には同一の符号を付している。以下、第1実施例と異な
っている部分と、第1実施例では言及しなかった部分の
みを説明する。
【0038】図11に示すように、電源線2004から商用交
流を受けて高周波電流を発生するサイリスタ装置2001
(第1半導体スイッチ素子) を備えた高周波電源2000
と、各トランス101 、201 、301 、401 、501 との間に
は、それぞれ、サイリスタ装置190 、290 、390 、490
および590 (第2半導体スイッチ素子) が設けられてい
る。2003はパルス発生器であって、このパルス発生器20
03が発生した点弧パルスは、電線2005を介してサイリス
タ装置2001の点弧用ゲート2002に与えられる。
【0039】180 、280 、380 、480 および580 は、そ
れぞれ、開閉装置(例えば半導体スイッチ素子を用いた
もの) であって、これら開閉装置180 、280 、380 、48
0 および580 の全ての入力側は、前記電線2005を介して
パルス発生器2003に接続されており、各出力側はそれぞ
れサイリスタ装置190 、290 、390 、490 および590の
各ゲート191 、291 、391 、491 および591 に接続され
ている。
【0040】次に本実施例の動作を説明する。開閉装置
180 、280 、380 、480 および580をオンにした状態
で、パルス発生器2003を動作させると、サイリスタ装置
2001と、サイリスタ装置190 、290 、390 、490 および
590 が点弧されて、高周波電源2000で発生した高周波電
流は、サイリスタ装置190 、290 、390 、490 および59
0 をそれぞれ経て加熱コイル111 、211 、311 、411 お
よび511 に流れる。
【0041】そして、例えば、加熱コイル111 の加熱が
最初に終了したときには、開閉装置180 をオフにすれば
よい。この後、その他の加熱コイルの加熱が終了したと
きにも、対応する開閉装置をオフにすればよい。本実施
例の高周波焼入装置では、各加熱コイル111 、211 、31
1 、411 および511 の通電の終了時期を任意に設定でき
るのみならず、各加熱コイル111 、211 、311 、411 お
よび511 への通電の開始も、他の加熱コイルの通電状態
の如何にかかわらず、任意の時期に行うことができる。
【0042】前記第1、第2および第3実施例では、硬
化層は全てワーク900 の外周面に形成される場合を説明
したが、例えば工作機械のスピンドルのように、筒形の
ワークの場合には、ワークをローラ上に回転自在に支持
すれば、内周面に加熱コイルを接近出来るので、内周面
に対しても、移動焼入および/或いは一発焼入を行うこ
とができる。また、前記第1、第2および第3実施例で
は、1個のワークの複数個所を同時に焼入する場合を説
明したが、このような焼入を複数個のワークに対して同
時に行うこともできる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の高周波焼
入方法および装置においては、ワークを、ワークを貫通
する直線軸を中心として回転自在であるように支持して
ワークの回転を開始後、一部の被焼入面を移動焼入する
と共に他部の被焼入面を一発焼入する。
【0044】従って、本発明の高周波焼入方法および装
置を採用した場合には、1つのワークの複数の被焼入面
を、ほぼ同時に焼入することができるから、焼入工程を
短くすることができる。また、1回の焼入条件の設定で
全ての焼入を完了できるので、作業ミスもなく、焼入品
質も安定する。更に、本発明の高周波焼入装置では、各
加熱コイルの加熱の終了時期を、擬似誘導負荷の導入、
或いは高周波電源と各トランス間に半導体スイッチ素子
を設けることによって、他の加熱コイルの加熱の終了時
期と関係なく設定できるようにすることができるので、
各加熱コイルへの通電時間を、各被焼入面の焼入仕様に
応じて適宜に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波焼入方法を実現することができ
る高周波焼入装置の第1実施例の正面図である。
【図2】図1のA−A線矢視断面説明図である。
【図3】第1実施例の移動焼入用高周波加熱コイル体の
説明図である。
【図4】第1実施例の移動焼入用ジャケットの斜視図で
ある。
【図5】第1実施例の概略電気回路図である。
【図6】第1実施例の他例の概略電気回路図である。
【図7】ワークの正面図である。
【図8】ワークの縦断面図である。
【図9】本発明の高周波焼入方法を実現することができ
る高周波焼入装置の第2実施例の図1のB−B線矢視対
応断面説明図である。
【図10】第2実施例の概略電気回路図である。
【図11】第3実施例の概略電気回路図である。
【符号の説明】
101 、201 、301 、401 、501 トランス 110 、210 、310 、410 、510 加熱コイル体 111 、211 、311 、411 、511 加熱コイル 216 、316 、416 ループ 217 、317 、417 擬似誘導負荷 180 、280 、380 、480 、580 開閉装置 190 、290 、390 、490 、590 サイリスタ装置 191 、291 、391 、491 、591 点弧用ゲート 610 チャック 620 センタ 900 ワーク 901c 段差部 902a〜906a 周面 902b R部 910 直線軸 2000 高周波電源 2001 サイリスタ装置 2002 点弧用ゲート 2003 パルス発生器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の被焼入面を有するワークの高周波
    焼入方法において、ワークを貫通する直線軸を中心とす
    るワークの回転を開始後、一部の被焼入面を移動焼入
    し、他部の被焼入面を一発焼入することを特徴とする高
    周波焼入方法。
  2. 【請求項2】 ワークを貫通する直線軸を中心とするワ
    ークの回転中に、ワークの複数の被焼入面をほぼ同時に
    焼入する高周波焼入装置であって、一部の被焼入面の移
    動焼入装置と、他部の被焼入面の一発焼入装置とを備え
    たことを特徴とする高周波焼入装置。
  3. 【請求項3】 移動焼入装置は、加熱コイルと、このコ
    イルと直列に接続されたループと、擬似誘導負荷とを備
    え、前記コイルによる加熱終了時に、擬似誘導負荷がル
    ープ内に挿入される請求項2記載の高周波焼入装置。
  4. 【請求項4】 被焼入面ごとに設けた加熱コイルと、加
    熱コイルごとに設けた加熱コイル給電用のトランスと、
    第1半導体スイッチ素子によって高周波電流を発生し全
    ての前記トランスに高周波電流を給電する1個の高周波
    電源と、この高周波電源と各トランスとの間に設けた第
    2半導体スイッチ素子と、第1および第2半導体スイッ
    チ素子の点弧用ゲートに与える点弧パルスを発生するパ
    ルス発生器と、このパルス発生器と各第2半導体スイッ
    チ素子の点弧用ゲートとの間に設けた開閉装置とを備え
    た請求項2記載の高周波焼入装置。
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