JP3733614B2 - 高周波焼入方法およびその装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、例えば内燃機関用のシリンダブロックのボア内面を高周波液中焼入れするような高周波焼入方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に鋼材等の焼入れが可能な金属の表面に沿わせた誘導加熱コイルを有する焼入れヘッドにおいて、上述の誘導加熱コイルに高周波電流を流すと、誘導渦電流が金属表面層に集中して発生し、この電流のジュール熱によって金属表面層を急熱し、焼入温度に達した時、同金属を急冷すると焼入硬化により、金属表面に高周波焼入れを行なうことができる。
【0003】
従来、このような原理を応用して、ワークの円筒内面を焼入れヘッドにより高周波液中焼入する方法およびその装置としては、例えば、特開昭58−37117号公報に記載の構成がある。
【0004】
すなわち冷却液としての冷却水を貯溜した水槽を設け、この水槽を仕切板により冷却水の移動が可能なように左右に区画し、一方の区画部には高周波電源に導体を介して取付けた焼入れヘッドを配置し、この焼入れヘッドに対して受台に支持させたワークの円筒内面を位置させる一方、他方の区画部には槽外の昇降装置により駆動されるプランジャを配設して、このプランシャの下降により水槽の水位を上昇させて上述のワークを冷却水中に没して、冷却水中にて高周波焼入れを行なうものである。
【0005】
この従来構成によれば、上述の焼入れヘッドに高周波電流を通電すると、被焼入物体としてのワークの円筒内面における表面部位に誘導高周波電流が流れて所定の焼入温度に急加熱され、焼入れヘッドへの高周波電流をしゃ断すると、ワークの加熱部が冷却水中にて急冷却されるので、熱ロスを僅少にしつつ焼入れを行なうことができる。
【0006】
ところで、ワークにおける焼入れすべき総面積が大きい場合には、この面積が大きい被焼入部位を一度に焼入れすると、加熱抵抗の増加により加熱速度がおそくなって、加熱に時間がかかるのみならず、誘導加熱コイルを有する焼入れヘッドの製作費がコスト高となるので、このように焼入れすべき総面積が大きい場合には所定量のみ順次焼入れ処理する方法がとられている。
【0007】
そこで、冷却液中において焼入れヘッドを所定間隔置きに移動させてワークの複数箇所に順次高周波焼入れを行なう場合、単なる冷却液中での焼入れ処理では前回焼入れした箇所の熱(焼入熱)が液中およびワーク内を介して今回の焼入れ箇所に伝達され、この熱影響により焼入れ毎の各焼入れパターンの均一化を図ることが困難で、焼入れ箇所によって焼入れ品質、ワークの表面硬度および形成された焼入斑の寸法にばらつきが生ずる問題点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の請求項1記載の発明は、上記ワークの貫通孔の内周面と対峙させた焼入れヘッドに高周波誘導加熱エネルギを供給し、1回目の焼入れ工程により上記ワークの貫通孔の内周面には円周方向に1列に独立した焼入れ部が形成され、次に、焼入れヘッドをワークの上部から下部の位置に相対移動させた後、高周波誘導加熱エネルギを供給して次の焼入れ工程を行なうことにより当該ワークの貫通孔の内周面の円周方向及び貫通孔の軸線方向に独立した所定領域を順次焼入れし、上記ワークの上部から下部に向けての焼入れ回数が重なるに従い焼入れヘッドに供給する高周波誘導加熱エネルギの量を小さくするとともに、上記焼入れヘッドの移動方向とは逆のワーク下部方向からワークの貫通孔の内周面に沿わせて冷却水を送給することで、焼入れパターンの均一化、表面硬度を含む焼入れ品質の安定化、形成される焼入れ斑の寸法ばらつきの低減を図ると共に、ワークの偏摩耗を防止することができる高周波焼入方法の提供を目的とする。
【0009】
この発明の請求項2記載の発明は、上記ワークの貫通孔の内周面と対峙させた焼入れヘッドに高周波誘導加熱エネルギを供給し、1回目の焼入れ工程により上記ワークの貫通孔の内周面には円周方向に1列に独立した焼入れ部が形成され、次に、焼入れヘッドをワークの上部から下部の位置に相対移動させた後、高周波誘導加熱エネルギを供給して次の焼入れ工程を行なうことにより当該ワークの貫通孔の内周面の円周方向及び貫通孔の軸線方向に独立した所定領域を順次焼入れし、上記ワークの上部から下部に向けての焼入れ回数が重なるに従い焼入れヘッドに供給する高周波誘導加熱エネルギの量を小さくするとともに、上記焼入れヘッドの移動方向とは逆のワーク下部方向からワークの貫通孔の内周面に沿わせて冷却水を送給することで、焼入れパターンの均一化、表面硬度を含む焼入れ品質の安定化、形成される焼入れ斑の寸法ばらつきの低減を図ると共に、ワークの偏摩耗を防止することができる高周波焼入装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1記載の発明は、冷却液中に配置された断面円形状の貫通孔を有するワークの貫通孔の内周面に、焼入れ部が内周上で複数部位に分割されるように焼入れヘッドで順次高周波焼入れを行なう高周波焼入方法であって、上記ワークの貫通孔の内周面と対峙させた焼入れヘッドに高周波誘導加熱エネルギを供給し、1回目の焼入れ工程により上記ワークの貫通孔の内周面には円周方向に1列に独立した焼入れ部が形成され、次に、焼入れヘッドをワークの上部から下部の位置に相対移動させた後、高周波誘導加熱エネルギを供給して次の焼入れ工程を行なうことにより当該ワークの貫通孔の内周面の円周方向及び貫通孔の軸線方向に独立した所定領域を順次焼入れし、上記ワークの上部から下部に向けての焼入れ回数が重なるに従い焼入れヘッドに供給する高周波誘導加熱エネルギの量を小さくするとともに、上記焼入れヘッドの移動方向とは逆のワーク下部方向からワークの貫通孔の内周面に沿わせて冷却水を送給する高周波焼入方法であることを特徴とする。
【0011】
この発明の請求項2記載の発明は、冷却液中に配置された断面円形状の貫通孔を有するワークの貫通孔の内周面に、焼入れ部が内周上で複数部位に分割されるように順次高周波焼入れを行なう焼入れヘッドを備えた高周波焼入装置であって、上記焼入れヘッドを移動させる焼入れヘッド移動手段を備え、上記焼入れヘッドを、上記ワークの貫通孔の内周面と対峙させて、前記焼入れヘッドに高周波誘導加熱エネルギを供給し、1回の焼入れ時の上記ワークの貫通孔の内周面には円周方向に1列に独立した焼入れ部を形成するとともに、焼入れヘッドをワークの上部から下部の位置に相対移動させた後、高周波誘導加熱エネルギの供給により焼入れを行なうべく、当該ワークの貫通孔の内周面の円周方向及び貫通孔の軸線方向に独立した所定領域を順次焼入れするように上記焼入れヘッド移動手段を制御する移動位置制御手段と、上記ワークの上部から下部に向けての焼入れ回数が重なるに従い焼入れヘッドに供給する高周波誘導加熱エネルギの量を小さく設定するエネルギ制御手段と、上記焼入れヘッドの移動方向とは逆のワーク下部方向からワークの貫通孔の内周面に沿わせて冷却水を供給する冷却液送給手段とを備えた高周波焼入装置であることを特徴とする。
【0012】
【発明の作用及び効果】
この発明の請求項1記載の発明によれば、冷却液中に配置された断面円形状の貫通孔を有するワークの貫通孔の内周面に、焼入れ部が内周上で複数部位に分割されるように焼入れヘッドで順次高周波焼入れを行なう時、焼入れパターンの均一化、表面硬度を含む焼入れ品質の安定化、形成される焼入れ斑の寸法ばらつきの低減を図ることができると共に、ワークの偏摩耗を防止することができる効果がある。
【0013】
この発明の請求項2記載の発明によれば、冷却液中に配置された断面円形状の貫通孔を有するワークの貫通孔の内周面に、焼入れ部が内周上で複数部位に分割されるように焼入れヘッドで順次高周波焼入れを行なう時、移動位置制御手段は、上記焼入れヘッドを、上記ワークの貫通孔の内周面と対峙させて、前記焼入れヘッドに高周波誘導加熱エネルギを供給し、1回の焼入れ時の上記ワークの貫通孔の内周面には円周方向に1列に独立した焼入れ部を形成するとともに、焼入れヘッドをワークの上部から下部の位置に相対移動させた後、高周波誘導加熱エネルギの供給により焼入れを行なうべく、当該ワークの貫通孔の内周面の円周方向及び貫通孔の軸線方向に独立した所定領域を順次焼入れするように上記焼入れヘッド移動手段を制御する。
【0014】
エネルギ制御手段は、上記ワークの上部から下部に向けての焼入れ回数が重なるに従い焼入れヘッドに供給する高周波誘導加熱エネルギの量を小さく設定する。
【0015】
冷却液送給手段は、上記焼入れヘッドの移動方向とは逆のワーク下部方向からワークの貫通孔の内周面に沿わせて冷却水を供給する。
【0016】
このように、冷却液中に配置された断面円形状の貫通孔を有するワークの貫通孔の内周面に、焼入れ部が内周上で複数部位に分割されるように焼入れヘッドで順次高周波焼入れを行なう時、焼入れパターンの均一化、表面硬度を含む焼入れ品質の安定化、形成される焼入れ斑の寸法ばらつきの低減を図ることができると共に、ワークの偏摩耗を防止することができる効果がある。
【0017】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面はシリンダブロックのボア内面を高周波液中焼入れする高周波焼入方法およびその装置を示し、まず高周波焼入装置の構成について述べると、図1、図2、図3において、ベース部材としてのベッド1の一側(図1、図2の右側)にコラム2を立設すると共に、ベッド1の中間部分には門型の架構3を立設固定している。
【0018】
上述のベッド1の上面には2本の水平かつ並行なY軸レール4,4を取付け、このY軸レール4,4に沿って前後方向(Y軸方向)に移動可能なロアテーブル5を設けている。すなわち、該ロアテーブル5の下面に設けた複数のスライダ6を上述のY軸レール4に摺動可能に装着する一方、ベッド1の一側端部に取付けたY軸モータM1にボールねじを連結し、このボールねじにボールを介して配設されるボールガイドナットを上述のロアテーブル5に連結することで、Y軸モータM1の正逆回転によりロアテーブル5を前後方向(図1、図2の左右方向)に移動すべく構成している。
【0019】
上述のロアテーブル5の上面には2本の水平かつ並行なX軸レール7,7を取付け、このX軸レール7,7に沿って左右方向(X軸方向)に移動可能なアッパテーブル8を設けている。すなわち該アッパテーブル8の下面に設けた複数のスライダ9を上述のX軸レール7に摺動可能に装着する一方、ロアテーブル5上に取付けたX軸モータM2にボールねじ10を連結し、このボールねじ10にボールを介して配設されるボールガイドナットを上述のアッパテーブル8に連結することで、X軸モータM2の正逆回転によりアッパテーブル8を左右方向に移動すべく構成している。
【0020】
而して、上述のロアテーブル5とアッパテーブル8との両者5,8によりワークテーブル11(いわゆるX−Yテーブルもしくはクロステーブル)を構成し、このワークテーブル11の上面には、上方が開放された箱状の水中焼入れ用の水槽(以下単にタンクと略記する)12を取付けている。
このタンク12はその内部に冷却液体としての冷却水Wが貯留および排出されるもので、このタンク12の内部には支持部材13を介して被焼入れ部材としてのシリンダブロック14(いわゆるワーク)が着脱可能に位置決め固定されている。
【0021】
上述のシリンダブロック14は高周波焼入れが可能な鋳鉄等の金属材料で構成され、気筒相当数(図面では直列4気筒を例示)のシリンダボア14aを有する。
【0022】
一方、上述のコラム2の立設面には上下方向に延びる2本の並行なZ軸レール15,15を取付け、このZ軸レール15,15に沿って上下方向(Z軸方向)に移動可能な昇降ユニット16を設けている。すなわち該昇降ユニット16の背面(図1、図2で右側面)に設けた平板部材17に対して複数のスライダ18を取付け、該スライダ18を上述のZ軸レール15に摺動可能に装着する一方、コラム2の上部に取付けたZ軸モータM3にボールねじ19を連結し、このボールねじ19にボールを介して配設されるボールガイドナット20を上述の平板部材17に連結することで、Z軸モータM3の正逆回転により昇降ユニット16を上下方向に移動すべく構成している。
【0023】
ここで、上述の昇降ユニット16は平板部材17と、この平板部材17の前面に一体的に取付けた昇降台21とを含み、この昇降台21には高周波誘導加熱用のトランス22を搭載すると共に、昇降台21の下面には上記トランス22の2次側に電気接続された焼入れヘッド23を垂設している。つまり、この焼入れヘッド23は上述のZ軸モータM3により上下動するように構成されている。
【0024】
また上述の昇降台21の台面上部には円盤受け部材24を介して円盤25を取付け、図2に示すように、この円盤25の一部にギヤ26を部分的に一体形成する一方、焼入れ位置変更用モータM4の回転軸27にはピニオン28を取付け、このピニオン28を上述のギヤ26と噛合わせている。
【0025】
而して、上述のモータM4の正逆回転によりピニオン28、ギヤ26および円盤25を介して上述のトランス22と焼入れヘッド23とを一体的に仮想水平面内において該焼入れヘッド23のセンタ部(センタリングポイント)を中心として所定角度捻回すべく構成している。
【0026】
さらに上述の昇降ユニット16の下面と対向するように前述のベッド1の左右両側にはバランス用エアシリンダ29を立設固定し、このエアシリンダ29のピストンロッド30でアタッチメント31を介して昇降ユニット16のブラケット32に対して昇降ユニット16およびトランス22等を含む昇降部の重量に対向する圧力を付加することで、上述のZ軸モータM3の移転負荷を軽減すべく構成している。
なお、上述のバランス用エアシリンダ29のピストンロッド30は昇降ユニット16の昇降と対応して突没制御されることは勿論である。
【0027】
ところで、上述の架構3にはワーク円筒位置としてのシリンダブロック14のボア14a位置を計測するボア位置測定子33を取付けている。このボア位置測定子33としては本来、ワークの内径を測定するのに用いられる差動トランス型内径測定子いわゆるマーポスゲージ(商品名)を用い、この差動トランス型内径測定子でボア14aの中心位置を求めるように構成している。
【0028】
また前述のワークテーブル11、詳しくはアッパテーブル8には焼入れヘッド23の取付位置を測定する測定手段としての電気抵抗式のタッチ信号プローブ(以下単にタッチプローブと略記する)34と、テーブル基準部材としてその上部に凹状に窪んだ円筒部を有するマスタリング35とを離間させて立設固定している。
【0029】
上述のボア位置測定子33は上下方向(Z軸方向)に移動できるように構成されている。
すなわち、図4に示す如く測定子昇降台36に上述のボア位置測定子33を取付ける一方、架構3側の固定部材37には上下方向に延びる2本(但し、図4では一方のみを示す)のレール38を取付け、測定子昇降台36の背面に取付けた複数のスライダ39を該レール38に装着して昇降用モータM5の正逆回転によりボア位置測定子33を上下方向に移動すべく構成している。
【0030】
ここで、上述の昇降用モータM5にはカップリング40を介してボールねじ41を連結し、このボールねじ41にボールを介して配設されるボールガイドナット42を上述の測定子昇降台36に連結している。
一方、上述の焼入れヘッド23は図5乃至図7に示すように構成されている。
【0031】
すなわち、この焼入れヘッド23はトランス22の2次側に接続される接続フランジ部43と、シリンダブロック14のボア14aに対して焼入れを行なうCu製の誘導加熱コイル44と、これら両者43,44を接続するCu製のリード部45とを備え、必要箇所を四フッ化エチレン樹脂または雲母(マイカ)製の絶縁板46で絶縁している。
【0032】
また、この実施例ではシリンダブロック14のボア14aを円周上11等分にて同時に焼入れする目的で、上述の誘導加熱コイル44には11箇所の凸部47(図7参照)と11箇所の凹部48(図7参照)とを形成し、これらの各凸部47には磁束密度を集中および向上させる目的で磁気コア49を配設している。
【0033】
さらに上述の誘導加熱コイル44の下方部には、予め焼入れヘッド23に対して芯出しされた状態で合成樹脂、例えばNCナイロン製のヘッドセンタリング計測用の計測部50を組み付けている。
上述のNCナイロン製の計測部50、ボア位置測定子33、タッチプローブ34、マスタリング35およびワークテーブル11はワークとしてのシリンダブロック14のボア14aと、焼入れヘッド23とのセンタリング用および相対位置補正用に用いられる。つまり、タッチプローブ34でボア位置測定子33の位置と、焼入れヘッド23の位置を測定し、ボア位置測定子33の測定位置データから焼入れヘッド23の位置を割出す。
【0034】
またボア位置測定子33をマスタリング35内に挿入して、マスタリング35に位置を確認した後に座標のゼロイングを実行し、さらにボア位置測定子33でシリンダボア14aの位置を確認し、ボア位置が許容範囲内の時には前述の座標ゼロイング値に対して補正量を求め、焼入れ時においてワークテーブル11を介してボア位置の補正を実行することで、焼入れむらの発生を防止する。
【0035】
ところで、上述のタンク12に対して冷却水Wを供給、排出および循環させる冷却水系路は図8に示すように構成している。
すなわち、高周波焼入装置のベッド1(図1参照)底部に形成された底面スラント構造の冷却水リターン通路51と、この冷却水リターン通路51の傾斜下端部に連通形成された冷却水ドレンタンク52と、上述の冷却水リターン通路51の傾斜上端側に対して離間形成された冷却水供給タンク53とを備え、この冷却水供給タンク53内に配設したストレーナ54にサクションライン55を介して送液用の第1ポンプ56を接続し、この第1ポンプ56の吐出ライン57には流量調整弁58を介設している。
【0036】
また上述の吐出ライン57の先端を3つの分岐ライン59,60,61に分岐し、第1分岐ライン59には第1バルブ62を介設すると共に、この第1分岐ライン59の先端をタンク12の左右両側(但し、図面では一側のみを示す)に形成したインレットポート63に連続接続している。同様に上述の第2分岐ライン60には第2バルブ64を介設すると共に、この第2分岐ライン60の先端をタンク12の底部複数箇所に形成したインレットポート65に連続接続している。ここで、上述の各ライン57,59,60,61は各タンク12がワークテーブル11に追従移動するのでその必要箇所をフレキシブル構成をなすことは勿論である。
【0037】
上述の第3分岐ライン61には第3バルブ66を介設すると共に、この第3分岐ライン61の先端は上述のタンク12の内底部に配設された連通パイプ67に連通接続し、この連通パイプ67にはシリンダブロック14の気筒相当数の各ボア14a下方部にそれぞれ位置する冷却液送給手段としての冷却水噴射ノズル68を連通接続している。
【0038】
ここで、上述の第1、第2、第3の各バルブ62,64,66および後述する第4バルブ76は電磁開閉弁単独または電磁開閉弁と流量制御弁との組合せにより構成される。また上述のタンク12内の冷却水Wは同タンク12の底部に取付けられたピンチバルブ69の開時に冷却水リターン通路51に一度に排出処理される一方、このタンク12からオーバフローした冷却水Wも上述の冷却水リターン通路51に流出される。
【0039】
さらに、冷却水ドレンタンク52内に配設したストレーナ70にサクションライン71を介して冷却水還流用の第2ポンプ72を接続し、この第2ポンプ72の吐出ライン73先端を冷却水供給タンク53に臨設すると共に、この吐出ライン73にはフィルタ74、冷却水を所定温度に降温冷却するための冷却器75および第4バルブ76を介設している。
【0040】
また上述の冷却水Wには予め所定量の防錆材が添加される一方、図8に示すような冷却水系路の構成により、冷却水供給タンク53から水槽としてのタンク12に供給され、ワークの冷却に供された冷却水Wは冷却水リターン通路51を介して冷却水ドレンタンク52に貯留された後に、第2ポンプ72の駆動によりその吐出ライン73を介して再び冷却水供給タンク53に至って循環使用される。
【0041】
上述の冷却液送給手段としての冷却水噴射ノズル68は図9、図10に示すように頂面外周部に環状傾斜面68aを有する円筒状に形成され、この環状傾斜面68aには多数の冷却水噴出口68bが形成されて、これらの各冷却水噴出口68bから噴出される冷却水をシリンダボア14aの内壁面に沿わせて、その下方から上方に向けて噴出して、多数の噴出流Aを形成するように構成している。
【0042】
図11は高周波焼入装置の制御回路ブロック図を示し、CPU80はボア位置測定子33、タッチプローブ34からの必要な各種信号入力に基づいて、ROM81に格納されたプログラムに従って、Y軸モータM1、X軸モータM2、Z軸モータM3、焼入れ位置変更用モータM4、ボア位置測定子昇降用モータM5、バランス用エアシリンダ29、ピンチバルブ69、各ポンプ56,72、各バルブ62,64,66,76、流量調整弁58、高周波出力可変装置82および加熱時間可変装置83を駆動制御し、またRAM84はボア位置測定子33で計測されたシリンダボア14aの計測位置データ、ボア位置測定子33で計測されたマスタリング35の計測位置データ、タッチプローブ34で測定された焼入れヘッド23の取付位置データ、タッチプローブ34で測定された焼入れヘッド23の取付位置データ、タッチプローブ34で測定されたボア位置測定子33の位置データなどの必要な各種データやマップを記憶する。
【0043】
上述のタッチプローブ34による焼入れヘッド23の取付位置測定に際しては、この焼入れヘッド23に予め芯出し固定されたNCナイロン製のヘッドセンタリング計測用の計測部50を利用して行なわれる。つまり図7において円周上90度の等間隔を隔てた計測部50外周にタッチプローブ34の先端球状部を接触させ、合計4箇所の位置から焼入れヘッド23のセンタリングポジションを割り出す。
【0044】
また上述の高周波出力可変装置82は高周波発振装置85を介してトランス22の1次側へ供給される電力を可変するもので、焼入順序の先後に対応して高周波誘導加熱エネルギを後の焼入部になる程小さく設定するエネルギ制御手段の1つである。
さらに上述の加熱時間可変装置83はトランス22の1次側へ供給される電力供給時間を可変するもので、焼入順序の先後に対応して高周波誘導加熱エネルギを後の焼入部になる程小さく設定するエネルギ制御手段の他の1つである。
【0045】
なお、図9、図12におけるa〜jはシリンダボア14aの多数の焼入部を示し、図12はシリンダブロック14に置けるボア14aを展開し、かつ焼入部a〜jを図示の便宜上ハッチングを施して示す説明図であって、図12の上下方向がピストンのストローク方向と対応するものである。
このように構成した高周波焼入装置を用いて、シリンダブロック14のボア14aに対して高周波液中焼入れを行なう方法について、以下に詳述する。
【0046】
(請求項1,2,4に相当する高周波焼入方法の実施例)
まず、図1に示すワークテーブル11を同図の右方に移動して、タンク12内のシリンダブロック14におけるシリンダボア14aを焼入れヘッド23の直下に位置させる。この時点においてはタンク12内の所定レベルまで冷却水Wが貯溜されている。
【0047】
次にZ軸モータM3(焼入れヘッド移動手段)を駆動して、図9に示すようにシリンダボア14a内に焼入ヘッド23の誘導加熱コイル44を挿入し、シリンダボア14aの上部側の第1条目の焼入部a…に対して高周波液中焼入れを実行する。
【0048】
次にZ軸モータM3をさらに駆動して、シリンダボア14aの上側から第3条目の焼入部b…に対して高周波液中焼入れを実行する。この時、第1条目の焼入部aに対する高周波出力が例えば79KWであった場合、第3条目の焼入部bに対する高周波出力が例えば76KWとなるようにCPU80は高周波出力可変装置82を制御する。
【0049】
以下同様に各焼入部c,d,e,f.g.h,i,jをこの順に焼入れする時、焼入順序の先後に対応して高周波出力を後の焼入部になる程、順次小さくする。なお、焼入部eの焼入終了後において焼入部fに移行する場合には、Z軸モータM3の逆転により誘導加熱コイル44を第2条目まで上昇させ、次いで焼入れ位置変更モータM4の駆動により、誘導加熱コイル44の位置を所定角度捻回操作すればよい。
【0050】
このようにシリンダボア14aに対して焼入れヘッド23で焼入れを行なう時、シリダボア14aの上部(トップデッキ側)の焼入部aからシリンダボア14aの下方部(オイルパン側)の焼入部eにかけて高周波出力を小さくするので、省エネルギ化を図りつつ、焼入れパターンの均一化、表面硬度を含む焼入れ品質の安定化、形成される焼入れ斑の寸法ばらつきの低減を図ることができると共に、ピストンリングと摺接するシリンダボア14a内面の偏摩耗を防止することができる効果がある。
【0051】
また上述したように各焼入部a〜jを1条置きに焼入れすると、前回焼入れ時の入熱量の影響を可及的防止することができるが、焼入順序はa,b,c,d,e,f,g,h,i,jに代えて、a,f,b,g,c,h,d,i,e,jの順であってもよい。
【0052】
(請求項1,3,4に相当する高周焼入方法の実施例)
まず、図1に示すワークテーブル11を同図の右方に移動して、タンク12内のシリンダブロック14に置けるシリンダボア14aを焼入れヘッド23の直下に位置させる。この時点においてはタンク12内の所定レベルまで冷却水Wが貯溜されている。
【0053】
次にZ軸モータM3(焼入れヘッド移動手段)を駆動して、図9に示すようにシリンダボア14a内に焼入ヘッド23の誘導加熱コイル44を挿入し、シリンダボア14aの上部側の第1条目の焼入部a…に対して高周波液中焼入れを実行する。
【0054】
次にZ軸モータM3をさらに駆動して、シリンダボア14aの上側から第3条目の焼入部b…に対して高周波液中焼入れを実行する。この時、第1条目の焼入部aに対する高周波誘導加熱時間がt1であった場合、第3条目の焼入部bに対する高周波誘導加熱時間がt2 (但し、t2 <t1 )となるようにCPU80は加熱時間可変装置83を制御する。
【0055】
以下同様に各焼入部c,d,e,f.g.h,i,jをこの順に焼入れする時、焼入順序の先後に対応して高周波誘導加熱時間を後の焼入部になる程、順次短くする。なお、焼入部eの焼入終了後において焼入部fに移行する場合には、Z軸モータM3の逆転により誘導加熱コイル44を第2条目まで上昇させ、次いで焼入れ位置変更モータM4の駆動により、誘導加熱コイル44の位置を所定角度捻回操作すればよい。
【0056】
このようにシリンダボア14aに対して焼入れヘッド23で焼入れを行なう時、シリダボア14aの上部(トップデッキ側)の焼入部aからシリンダボア14aの下方部(オイルパン側)の焼入部eにかけて高周波誘導加熱時間を短くするので、焼入に要する時間短縮を図りつつ、焼入れパターンの均一化、表面硬度を含む焼入れ品質の安定化、形成される焼入れ斑の寸法ばらつきの低減を図ることができると共に、ピストンリングと摺接するシリンダボア14a内面の偏摩耗を防止することができる効果がある。
【0057】
また上述したように各焼入部a〜jを1条置きに焼入れすると、前回焼入れ時の入熱量の影響を可及的防止することができるが、焼入順序はa,b,c,d,e,f,g,h,i,jに代えて、a,f,b,g,c,h,d,i,e,jの順であってもよい。
【0058】
(請求項5,6に相当する高周波焼入方法の実施例)
冷却水W中に配置されたシリンダブロック14の複数の焼入部に焼入ヘッド23の誘導加熱コイル44で順次高周波焼入れを行なう時、移動位置制御手段としてのCPU80はZ軸モータM3および焼入れ位置変更用モータM4(焼入れヘッド移動手段)を介して焼入れヘッド23の誘導加熱コイル44を図9、図12に示す各焼入部a,d,b.e,c,f,i,g,j,hの順に、シリンダボア軸芯線方向において前回焼入れ時の入熱量の影響が少ない焼入部をそれぞれ選定し、この焼入順序にて液中焼入れを実行する。
【0059】
このようにシリンダボア14aに対して焼入れヘッド23で焼入れを行なう時、シリンダボア軸芯方向(実施例では上下方向)に前回焼入れ時の入熱量の影響の少ない焼入部を順に選定して高周波焼入れするので、シリンダボア内面に均一化された複数の焼入れパターンを形成することができて、表面硬度を含む焼入れ品質の安定化、形成される焼入れ斑の寸法ばらつきの低減を図ることができると共に、ピストンリングと摺接するシリンダボア14a内面の偏摩耗を防止することができる効果がある。
(請求項5,7に相当する高周波焼入方法の実施例)
この実施例においては図5、図6、図7に示す焼入れヘッド23に代えて図13に示す焼入れヘッド86を用いる一方、図2に示す円盤25に代えて図14に示す大径ギヤ87を用いる。
【0060】
図13に示す焼入れヘッド86は、前述のトランス22の2次側に接続される接続フランジ部88と、シリンダブロック14のボア14aに対して焼入れを行なうCu製の誘導加熱コイル89と、これら両者88,89を接続するCu製のリード部90とを備え、必要箇所を四フッ化エチレン樹脂または雲母(マイカ)製の絶縁板91で絶縁している。
【0061】
また、この実施例ではシリンダボア14aの上下方向に合計5条分を同時焼入れする目的で、上述の誘導加熱コイル89に180度の開角で形成された2つの突部92,92には磁束密度を集中および向上させる目的で磁気コア93を配設している。
【0062】
さらに上述の誘導加熱コイル89の下方部には、予め焼入れヘッド86に対して芯出しされた状態で合成樹脂、例えばNCナイロン製のヘッドセンタリング計測用の計測部94を先の実施例と同様に組付けている。
【0063】
また図14において焼入れ位置変更用モータM4の回転軸27に取付けたピニオン28を設け、このピニオン28を上述の大径ギヤ87の外歯に常時噛み合わせている。なお、その他の装置および回路構成については先の実施例と同様であるので、その図示を省略している。
【0064】
而して、冷却水W中に配置されたシリンダブロック14の複数の焼入部m,n,p,r,s,u(図15の展開説明図参照)に図13に示す焼入れヘッド86の誘導加熱コイル89で順次高周波焼入れを行なう時、移動位置制御手段としてのCPU80はモータM4(焼入れヘッド移動手段)を介して焼入れヘッド86の誘導加熱コイル89を図15に示す各焼入部m,n,p,r,s,uの順にシリンダボア円周方向において前回焼入れ時の入熱量の影響が少ない焼入部をそれぞれ選定して、この焼入順序にて液中焼入れを実行する。
【0065】
このようにシリンダボア14aに対して焼入れヘッド86で焼入れを行なう時、シリンダボア円周方向に前回焼入れ時の入熱量の影響の少ない焼入部を順に選定して高周波焼入れするので、シリンダボア内面に均一化された複数の焼入れパターンを形成することができて、表面硬度を含む焼入れ品質の安定化、形成される焼入れ斑の寸法ばらつきの低減を図ることができると共に、ピストンリングと摺接するシリンダボア14a内面の偏摩耗を防止することができる効果がある。
【0066】
加えて、図15に示したようにシリンダボア14a円周方向の焼入部m,n,p,r,s,uを偶数に設定した場合には、焼入れヘッド86の構造の簡略化および焼入れヘッド製作コストの低減を図ることができる効果がある。
【0067】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の冷却液は、実施例の冷却水Wに対応し、
以下同様に、
ワークは、シリンダブロック14に対応し、
高周波誘導加熱エネルギは、高周波出力、加熱時間に対応し、
エネルギ制御手段は、高周波出力可変装置82、加熱時間可変装置83に対応し、
焼入れヘッド移動手段は、Z軸モータM3、焼入れ位置変更用モータM4に対応し、
移動位置制御手段は、CPU80に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0068】
例えば、上述の冷却液としては冷却水水Wに代えて焼入れ油を利用してもよく、また上述の焼入れヘッド23,86には自己冷却水を流通して、ヘッドの加熱を防止すべく構成してもよく、さらに、タンク12,53,70に水温センサを配設し、焼入れ条件や外部雰囲気等による冷却水Wの昇温時に、CPU80を介して冷却器75を駆動し、冷却水Wの水温を常時ほぼ一定に保つように水温制御してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の高周波焼入方法に用いる高周波焼入装置の側面視図。
【図2】 図1の平面図。
【図3】 図1の左側面視図。
【図4】 ボア位置測定子の昇降構造を示す説明図。
【図5】 焼入れヘッドの構成を示す正面図。
【図6】 図5の右側面図。
【図7】 図5の底面図。
【図8】 冷却水系路を示す系統図。
【図9】 焼入れヘッドとシリンダボアとの関連構造を示す断面図。
【図10】 冷却水噴射ノズルの斜視図。
【図11】 制御回路ブロック図。
【図12】 本発明の高周波焼入方法を示す説明図。
【図13】 焼入れヘッドの他の実施例を示す斜視図。
【図14】 焼入れヘッド移動手段の他の実施例を示す説明図。
【図15】 本発明の高周波焼入方法の他の実施例を示す説明図。
【符号の説明】
14…シリンダブロック(ワーク)
14a…ボア
23,86…焼入れヘッド
68…冷却水噴射ノズル(冷却液送給手段)
80…CPU(移動位置制御手段)
82…高周波出力可変装置(エネルギ制御手段)
83…加熱時間可変装置(エネルギ制御手段)
M3,M4…モータ(焼入れヘッド移動手段)
W…冷却水
a〜j,m,n,p,r.s,u…焼入部
Claims (2)
- 冷却液中に配置された断面円形状の貫通孔を有するワークの貫通孔の内周面に、焼入れ部が内周上で複数部位に分割されるように焼入れヘッドで順次高周波焼入れを行なう高周波焼入方法であって、
上記ワークの貫通孔の内周面と対峙させた焼入れヘッドに高周波誘導加熱エネルギを供給し、
1回目の焼入れ工程により上記ワークの貫通孔の内周面には円周方向に1列に独立した焼入れ部が形成され、
次に、焼入れヘッドをワークの上部から下部の位置に相対移動させた後、高周波誘導加熱エネルギを供給して次の焼入れ工程を行なうことにより当該ワークの貫通孔の内周面の円周方向及び貫通孔の軸線方向に独立した所定領域を順次焼入れし、
上記ワークの上部から下部に向けての焼入れ回数が重なるに従い焼入れヘッドに供給する高周波誘導加熱エネルギの量を小さくするとともに、
上記焼入れヘッドの移動方向とは逆のワーク下部方向からワークの貫通孔の内周面に沿わせて冷却水を送給する
高周波焼入れ方法。 - 冷却液中に配置された断面円形状の貫通孔を有するワークの貫通孔の内周面に、焼入れ部が内周上で複数部位に分割されるように順次高周波焼入れを行なう焼入れヘッドを備えた高周波焼入装置であって、
上記焼入れヘッドを移動させる焼入れヘッド移動手段を備え、
上記焼入れヘッドを、上記ワークの貫通孔の内周面と対峙させて、前記焼入れヘッドに高周波誘導加熱エネルギを供給し、
1回の焼入れ時の上記ワークの貫通孔の内周面には円周方向に1列に独立した焼入れ部を形成するとともに、
焼入れヘッドをワークの上部から下部の位置に相対移動させた後、高周波誘導加熱エネルギの供給により焼入れを行なうべく、当該ワークの貫通孔の内周面の円周方向及び貫通孔の軸線方向に独立した所定領域を順次焼入れするように上記焼入れヘッド移動手段を制御する移動位置制御手段と、
上記ワークの上部から下部に向けての焼入れ回数が重なるに従い焼入れヘッドに供給する高周波誘導加熱エネルギの量を小さく設定するエネルギ制御手段と、
上記焼入れヘッドの移動方向とは逆のワーク下部方向からワークの貫通孔の内周面に沿わせて冷却水を供給する冷却液送給手段とを備えた
高周波焼入装置。
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