JP3668433B2 - 高周波焼入方法とその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークの形状の異なる複数箇所の部位を、同時に高周波焼入を終了する高周波焼入方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7に示すように、例えば、ガソリンエンジン(又はジーゼルエンジン)用の4気筒(4L)のクランクシャフト100は、鍛造加工によりピン部4P(120),3P(140),2P(160),1P(180)とジャーナル部5J(110),4J(130),3J(150),2J(170),1J(190)とが一体成型されている。
従来、前記クランクシャフト100のピン部4P,3P,2P,1Pとジャーナル部5J,4J,3J,2J,1Jの高周波焼入れは、該クランクシャフト100を中心軸Xのまわりに回転させながら、該ピン部4P,3P,2P,1Pとジャーナル部5J,4J,3J,2J,1Jに、それぞれ高周波誘導加熱コイルを載置し、前記回転に追従して加熱、冷却を行い高周波焼入れを施工している。
【0003】
前記ジャーナル部1J,2J,3J,4J,5Jの形状は、該ジャーナル部同士は同じのため、該ジャーナル部5Jを例に説明する。
前記ジャーナル部5J(110)の形状は、図8に示すように円柱部111と、該円柱部111に続くR部112と、該R部112に続き前記クランクシャフト100の軸方向に直角に形成されたスラスト部113から成る。
図8に示す硬化層117は、前記円柱部111と、R部112と、スラスト部113が、連続して焼入れによって得られたものである。このような焼入れの仕方をフィレットR焼入れと称している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来、前記クランクシャフト100のフィレットR焼入れにおいて、通常の加工順序は、図7に示す前記クランクシャフト100、すなわち被加工物であるワーク100のジャーナル部2Jを焼入れ、次にジャーナル部4Jを焼入れし、その後、他のジャーナル部1J,3J,5Jの3箇所を同時に焼入れしている。従って、前記ジャーナル部1J〜5J全体の焼入工程は、3回となっている。前記ジャーナル部4Jは、前記クランクシャフト100の長手方向の基準になることから、図9(a)および図9(b)に示すように、他の前記ジャーナル部2J,3J,5Jと比べて、スラスト面(H)が高くなっている(H4>H2)。
【0005】
前記フィレットR焼入れにおける焼入れ範囲は、全スラスト面までが基準とされていることから、図10(a)および図10(b)に示すように、前記ジャーナル部4Jの焼入範囲は、他のジャーナル部2J,3J,5Jよりも長くなる(L4>L2)。従って、前記ジャーナル部4Jは、他のジャーナル部2J,3J,5Jよりも加熱容量が大きくなる。
このため、前記ジャーナル部2Jと4Jの加熱容量の違いから、1台の高周波発振機を使用して加熱する場合、前記ジャーナル部2Jと4Jの2工程に分けて、焼入加工を行っていた。
【0006】
しかしながら、前記ワーク1個を焼入加工する場合、現状の焼入工程では、前記ジャーナル部の3工程がサイクルタイムを長くし、生産効率を悪くするという問題点があった。
【0007】
また、他の方法として、2台の高周波発振機を使用して、前記ジャーナル部2Jと4Jのそれぞれに対応した個別の発振出力と加熱時間とすることで、加熱容量の異なる部位を1工程で焼入加工していた。同様に、3台の高周波発振機を使用して、前記ジャーナル部2Jと、4Jと、1J,3J,5Jとの3箇所を、1工程で焼入加工することも可能であるが、前記高周波発振機の数が増えるため、設備コストの上昇をまねくという問題点があった。
【0008】
更なる方法として、高周波加熱コイルの加熱導体の形状や磁性材料の挿入量により、そのインピーダンスを調整することで、前記ジャーナル部2Jと4Jとを1台の高周波発振機を使用して焼入れする方法も考えられるが、前記高周波加熱コイル単体だけの調整では、許容範囲が狭く、該ジャーナル部2Jと4Jの両方の焼入品質を十分に満足する条件を出すまでには、計り知れない試験が必要となるという問題点があった。
【0009】
【表1】
Figure 0003668433
【0010】
すなわち、表1に、従来の前記ジャーナル部2Jと4Jの焼入時の発振出力と加熱時間を示すように、該ジャーナル部2J,4Jはともに、発振出力は64kWであるが、加熱時間が異なっている。前記発振出力と加熱時間が同一であれば、1台の高周波発振機で焼入れが可能であるが、該ジャーナル部2Jと4Jでは、加熱時間が異なることから、1台の発振機では同時焼入れができない。冷却液(この場合、冷却水)の飛散を防ぐことから、ワーク加熱後の冷却を同時にするために、前記ジャーナル部4J側を先に発振させながら、前記ジャーナル部2J側を後から発振することが考えられる。
【0011】
しかしながら、負荷部の同調および無効電力補償を行うため、共振回路を使用した高周波発振を行っていることから、前記ジャーナル部4J側を先に発振させながら、後から単純に前記ジャーナル部2J側を発振させるような切替器等を使用して接続することは、該ジャーナル部2J側の発振投入時のタイミングによって共振状態が崩れ、発振不良を起こすことが多いという問題点があった。
【0012】
本発明はかかる点を鑑みなされたもので、その目的は前記問題点を解消し、1台の高周波発振機を使用することで、設備コストを抑えるとともに、ワークの形状の異なる複数箇所の部位を同時に高周波焼入れして、前記部位の焼入品質を十分に満足しながら焼入工程を少なくする高周波焼入方法とその装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明の構成は、1台の発振機で、ワーク形状の異なるn(nは、2以上の整数)箇所の部位を、同時に高周波焼入れするに際し、加熱容量の最も大きな第1の部位を先に高周波加熱し、所定時間経過後、該加熱を瞬時停止し、続けて次に加熱容量の大きい第2の部位と同時に、前記第1の部位を同時に高周波加熱し、所定時間経過後、該同時の加熱を瞬時停止し、続けてその次に加熱容量の大きい第3の部位と同時に、前記第1,第2の部位を同時に高周波加熱し、所定時間経過後、該同時の加熱を瞬時停止し、以下同様に、続けて加熱容量の最も小さな第nの部位と同時に、前記第1,第2,‥‥,第n−1の部位を同時に高周波加熱し、所定時間経過後、該同時の加熱を停止し、しかる後に前記第1,第2,‥‥,第nの部位を同時に冷却することにより、前記ワークの熱容量の異なる前記n箇所の部位を、同時に焼入する方法である。
【0014】
1台の発振機で、ワーク形状の異なるn(nは、2以上の整数)箇所の部位を、該ワークを回転しながら、同時に高周波焼入れするに際し、加熱容量の最も大きな第1の部位を先に高周波加熱し、前記ワークの回動角度位置または回転数を検知しながら、焼入に最適なワーク回動角度位置または回転数となったときに、該加熱を瞬時停止し、続けて次に加熱容量の大きい第2の部位と同時に、前記第1の部位を同時に高周波加熱し、所定時間経過後、該同時の加熱を瞬時停止し、続けてその次に加熱容量の大きい第3の部位と同時に、前記第1,第2の部位を同時に高周波加熱し、所定時間経過後、該同時の加熱を瞬時停止し、以下同様に、続けて加熱容量の最も小さな第nの部位と同時に、前記第1,第2,‥‥,第n−1の部位を同時に高周波加熱し、所定時間経過後、該同時の加熱を停止し、しかる後に前記第1,第2,‥‥,第nの部位を同時に冷却することにより、前記ワークの熱容量の異なる前記n箇所の部位を、同時に焼入する方法である。
【0015】
前記瞬時停止する時間、すなわち前記熱容量の大きな部位の加熱を停止し、続けて前記次に加熱容量の大きい部位と同時に加熱し始めるまでの切替時間が、0.3秒以内である方法である。
【0016】
本発明の構成は、1台の発振機で、ワークの形状の異なるn(nは、2以上の整数)箇所の部位を、同時に高周波焼入れする装置において、次のとおりである。
【0017】
前記ワークの形状の異なる前記n箇所の部位に、それぞれ、または選択的に高周波誘導加熱コイルを載置し、制御手段により、前記ワークの加熱容量の最も大きな第1の部位を先に高周波加熱し、所定時間経過後、該加熱を瞬時停止し、続けて次に加熱容量の大きい第2の部位と同時に、前記第1の部位を同時に高周波加熱し、所定時間経過後、該同時の加熱を瞬時停止し、続けてその次に加熱容量の大きい第3の部位と同時に、前記第1,第2の部位を同時に高周波加熱し、所定時間経過後、該同時の加熱を瞬時停止し、以下同様に、続けて加熱容量の最も小さな第nの部位と同時に、前記第1,第2,‥‥,第n−1の部位を同時に高周波加熱し、所定時間経過後、該同時の加熱を停止し、しかる後に前記第1,第2,‥‥,第nの部位を同時に冷却手段で冷却することにより、前記ワークの熱容量の異なる前記n箇所の部位を、同時に焼入する装置である。
【0018】
前記ワークの形状の異なる前記n箇所の部位の外周上に、それぞれ、または選択的に高周波誘導加熱コイルを載置し、前記ワークをその中心軸を中心に回転せしめて、前記高周波誘導加熱コイルを前記部位のそれぞれの外周に追従させ、回転検出手段により、前記ワークの回動角度位置または回転数を検知し、制御手段により、前記検出手段からの信号により、前記ワークの回動角度位置または回転数が、焼入に最適なワーク回動角度位置または回転数となったときに、前記ワークの加熱容量の最も大きな第1の部位を先に高周波加熱し、所定時間経過後、該加熱を瞬時停止し、続けて次に加熱容量の大きい第2の部位と同時に、前記第1の部位を同時に高周波加熱し、所定時間経過後、該同時の加熱を瞬時停止し、続けてその次に加熱容量の大きい第3の部位と同時に、前記第1,第2の部位を同時に高周波加熱し、所定時間経過後、該同時の加熱を瞬時停止し、以下同様に、続けて加熱容量の最も小さな第nの部位と同時に、前記第1,第2,‥‥,第n−1の部位を同時に高周波加熱し、所定時間経過後、該同時の加熱を停止し、しかる後に前記第1,第2,‥‥,第nの部位を同時に冷却することにより、前記ワークの熱容量の異なる前記n箇所の部位を、同時に焼入する装置である。
【0019】
前記1台の発振機と、前記高周波誘導加熱コイルとの間に、変成器が配設される装置である。
【0020】
前記制御手段は、前記加熱を瞬時停止するとき、すなわち前記熱容量の大きな部位の加熱を停止し、続けて前記次に加熱容量の大きい部位と同時に加熱し始める間に、前記発振機の出力をオフすると同時に、出力切替器を動作させるか、または該出力切替器の接続動作の完了直前に前記発振機の出力をオフし、該出力切替器の接続動作の完了後、直ちに前記発振機の出力をオンさせる装置である。
【0021】
本発明は、ワーク形状の異なる複数箇所の部位を、1台の高周波発振機で同時に焼入れする方法とその装置において、以上のように構成されているので、例えば、4気筒の前記クランクシャフトの場合、加熱容量の大きな部位を先に高周波加熱し、所定時間経過後、加熱を瞬間に切り、続けて加熱容量の小さな部位と同時に、前記加熱容量の大きな部位を同時に加熱し、所定時間経過後、同時に加熱を切り、しかる後に前記部位を同時に冷却することにより、ワークの熱容量の異なる複数箇所の部位を、1台の高周波発振機で、同時に焼入を完了するようにしたことにより、そのジャーナル部の焼入工程を3回から2回に減らすことが可能になる。
【0022】
このため、設備コストを抑えるとともに、ワークの形状の異なる複数箇所の部位を同時に高周波焼入れして、前記部位の焼入品質を十分に満足しながら焼入工程を少なくすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。
図1は、本発明の高周波焼入方法とその装置の一実施の形態を示す、高周波焼入装置の構成外観図、図2は、ワークであるクランクシャフトのピン部及びジャーナル部の円柱部をフィレットR焼入れするフィレットR焼入用半開放殼形高周波誘導加熱コイル(以下、単に高周波加熱コイルという)単体の構成図、図3は、前記装置に使用される、制御装置により、1台の発振機と3個の前記高周波加熱コイルとを制御する接続図、図4は、前記制御装置における、前記ワーク100のジャーナル部2J及び4Jへの焼入工程における高周波加熱制御プログラム図で、図4(a)は前記ジャーナル部4Jの時間に対するプログラム図、図4(b)は前記ジャーナル部2Jの時間に対するプログラム図、図5は、従来の高周波焼入工程を示す図で、図5(a)は前記ワーク100のジャーナル部2Jへの焼入工程、図5(b)はジャーナル部4Jへの焼入工程、図5(c)はジャーナル部1J,3J,5Jへの焼入工程をそれぞれ示す図、図6は、本実施の形態における高周波焼入工程を示す図で、図6(a)は前記ワーク100のジャーナル部2Jおよび4Jへの焼入工程、図6(b)は前記ワーク100のジャーナル部1J,3J,5Jへの焼入工程をそれぞれ示す図である。
【0024】
図1において、前記高周波焼入装置1は、被加工物で、材質が鋼材または炭素鋼材からなる4気筒エンジンのクランクシャフトである、前記ワーク100の各ジャーナル部1J,2J〜5Jを、高周波誘導加熱、冷却の工程を通して、焼入処理を行う装置である。
【0025】
該高周波焼入装置1は、該ワーク100の全ジャーナル部1J,2J〜5Jのそれぞれを高周波焼入するため、図2に高周波加熱コイル群2のうちの単体としての高周波加熱コイル2aを示す、3個の前記高周波加熱コイル2a,2b,2cをそれぞれ含む、高周波加熱コイルユニット30a,30b,30cからなる高周波加熱コイルユニット群30と、高周波電源として、1kHz〜40kHzの高周波電力を前記高周波加熱コイルユニット群30に供給する1台の高周波発振機6と、制御装置11と、前記高周波加熱コイルユニット30a,30b,30cのそれぞれを位置決めする位置決め機構12と、該ワーク100を支持するチャック機構13と、前記チャック機構13のチャック13a,13bを保持するとともに、該ワーク100の中心軸を中心にある一定回転で回転駆動させる回転駆動装置14と、その回転検出器15と、該ワーク100を搬入し、所定位置に配置するとともに、焼入後、外部に搬出する搬送装置16とから構成される。なお、17は、該ワーク100の取付時などに使用される往復動機構である。
【0026】
前記構成のうち、前記高周波加熱コイルユニット群30のうち、前記高周波加熱コイルユニット30aは、前記ワーク100のジャーナル部1J,2Jのいずれかに、前記加熱コイルユニット30bは、前記ジャーナル部3J,4Jのいずれかに、前記加熱コイルユニット30cは、前記ジャーナル部5Jに、前記制御装置11の指令に基づく前記位置決め機構12により選択的に、または直接に載置されるとともに、前記加熱コイル2a,2b,2cは、前記ジャーナル部1J,2J〜5Jのそれぞれ形状の異なる円柱部をフィレットR焼入れする。
【0027】
それぞれ単体としての該高周波加熱コイル2a(2b,2cも同様)は、図2に示すように、黄銅製の一対の側板(コイル保持板)3a,3bと、この側板3a,3b間に取付けられた半開放殼形の高周波加熱コイル頭部4,4と、該高周波加熱コイル頭部4,4に前記高周波発振機6からの高周波電力を供給するため、給電線5を介して接続される図示しないディスク型変成器Tと、前記側板3a,3bの下端に取付られて前記高周波加熱コイル頭部4,4の下方位置に配置された焼入冷却用の一対の冷却液噴射環7,7と、前記高周波発振機6と前記給電線5とを接続するための一対の接続端子8,8と、接続端子8,8および給電線5,5を保持するために前記側板3a,3bの上端側に取付けられた絶縁性材料からなるブロック9と、前記ワーク100の誘導加熱される円柱部(例えば、前記ジャーナル部5J(110)の111)と前記高周波加熱コイル頭部4,4との間を、僅かな隙間で保つための複数箇所(本実施の形態では、3箇所で、前記高周波加熱コイル頭部4,4のほぼ真上の中央部分と、それらの両端部分)に添うように装着される、セラミック製又は超硬製の接触部10,10とをそれぞれ具備している。
【0028】
ここで、前記高周波加熱コイル2a,2b,2cは、それぞれ前記ディスク型変成器Tに接続されて、前記高周波加熱コイルユニット30a,30b,30cとなる。この高周波加熱コイルユニット30a,30b,30cは、それぞれの上方で、前記位置決め機構12の支持機構によって直下状態で保持されている。そして、前記ワーク100の中心軸Xを中心に回転されるのに伴い、図示しないワーク追従機構により、前記高周波加熱コイル頭部4,4が、前記誘導加熱される円柱部、例えば、前記ジャーナル部5J(110)の円柱部111上に載置された状態のまま、前記高周波加熱コイル(ここでは2c)が該円柱部111に追従して移動し得るように構成されている。(以下、代表的に、前記ジャーナル部5Jについて説明する)
【0029】
なお、前記誘導加熱される前記ジャーナル部5Jの円柱部111の外周面には、前記3箇所に前記接触子10,10が当接され、これにより高周波加熱コイル頭部4,4の半円状部と、前記円柱部111の外周面とが、僅かな所定間隔を隔てられており、この状態で、該円柱部111が前記高周波誘導加熱コイル頭部4,4により高周波誘導加熱されるようになっている。
【0030】
また、前記一対の冷却液噴射環7,7には、冷却液供給用バイブ20がそれぞれ接続されており、図示しない冷却供給源から、これらの前記パイプ20を通してそれぞれの冷却液噴射環7,7に供給されるので、前記円柱部111を誘導加熱後、前記冷却液噴射環7,7から所定のタイミングで冷却液が、加熱された前記ジャーナル部5Jに向けて噴射され、これを冷却するように構成されている。
【0031】
前記制御装置11は、前記ワーク100の前記ジャーナル部1J,2J〜5Jのうち、形状の異なる、すなわち加熱容量の異なるジャーナル部を選択して、前記位置決め機構12に指令する。
前記位置決め機構12は、前記制御装置11からの指令により、前記選択されたジャーナル部に対応する、前記高周波加熱コイルユニット30a,30b,30cのそれぞれを位置決めして、選択された該各ジャーナル部上に載置する。
前記制御装置11は、さらに、内蔵される高周波加熱制御プログラムにしたがって、前記高周波発振機6から、前記高周波加熱コイルユニット30a,30b,30cのそれぞれに加熱電力を切替、制御する。なお、同時に、前記制御装置11には、前記回転検出器15から、前記ワーク100がその中心軸Xを中心として回転するとき、その回動角度位置信号または回転数信号が入力されている。
【0032】
前記チャック機構13は、チャック13a,13bからなり、前記ワーク100は、その長手方向の両端を、前記チャック13a,13bにより、固定、支持される。そして、前記一方のチャック13aは、回転駆動装置14のヘッドセンタユニット14aに、前記他方のチャック13bは、前記回転駆動装置14のテールセンタユニット14bにそれぞれ回転自在に保持される。
前記回転駆動装置14により、該ワーク100の中心軸Xを中心にある一定回転で回転駆動させるとき、前記回転検出器15により、その回動角度位置または回転数を検知して、その検出信号を前記制御装置11に出力する。
【0033】
なお、前記回転駆動装置14のヘッドセンタユニット14aとテールセンタユニット14bは、前記ワーク100の取付けのため、その長手方向に、往復動機構17のそれぞれの流体圧シリンダ装置(流体圧によりピストンを駆動させる)17a,17bにより駆動可能になっている。
【0034】
図3の接続図は、前記制御装置11により、前記高周波発振機6から出力される加熱電力を、前記3個の前記高周波加熱コイルユニット30a,30b,30cのそれぞれに、該制御装置11内の3個の出力切替器11a,11b,11cを介して、あらかじめ決められた高周波加熱制御プログラムにしたがって、供給するように接続されている。
前記3個の出力切替器11a,11b,11c以後は、前記ワーク100の選択された前記ジャーナル部(例えば、2J,4J)を加熱するため、それぞれ整合コンデンサC、前記ディスク型変成器Tが付加された前記3個の前記高周波加熱コイルユニット30a,30b,30cが接続されている。そして、前記高周波加熱コイルユニット30aは、前記ジャーナル部1J,2Jに共用、該加熱コイルユニット30bは、前記ジャーナル部3J,4Jに共用であり、該加熱コイルユニット30cは前記ジャーナル部5単独に使用される。
【0035】
前記制御装置11の前記高周波加熱制御プログラムとは、図4(a)および図4(b)に示すように、加熱容量の最も大きな前記ジャーナル部4Jを先に高周波加熱し、所定時間経過後、該加熱を瞬時停止し、続けて次に加熱容量の大きい前記ジャーナル部2Jと同時に、かつ前記ジャーナル部4Jを同時に高周波加熱し、所定時間経過後、該同時加熱を停止する方法である。
すなわち、図4(a)は、ジャーナル部4Jを高周波加熱する場合であり、図4(b)は、ジャーナル部2Jを高周波加熱する場合である。まず、図4(a)によりジャーナル部4Jを、前記高周波発振機6からの加熱電力(W)で加熱時間(H0)加熱する。その後、該ジャーナル部4Jの加熱をいったんオフにする。短い時間(瞬時の間、H1)、例えば0.3秒以内の後、前記ジャーナル部4J,2Jを同時に加熱電力(W)で、時間(H3)経過するまで同時加熱して停止する。
【0036】
なお、前記制御装置11は、前記回転検出器15からの出力信号に基づいて、前記ワーク100の焼入に最適な回動角度位置または回転数となったときに、前記加熱電力(W)を前記高周波加熱コイルユニット30a,30b,30cのいずれか、若しくは同時に供給し、または停止させることができる。
【0037】
前記ワーク100の従来の高周波焼入方法では、図5(a)〜図5(c)に示すように、前記高周波発振機6からの出力は、ジャーナル部2Jと、4Jと、1J,3J,5Jとのそれぞれを、出力切替器S1,S2,S3が1つずつ、各加熱時にオン状態となり、該状態の移行時には、前記高周波発振機6にて出力がオフ状態後、出力切替器S1,S2,S3いずれかが切り替わるようにして、出力切替完了後、前記高周波発振機6が出力オン状態にする。この工程を3回繰り返して、はじめて該ワーク100の焼入が完了となっていた。しかし、このような工程では、操作が煩雑で、しかも、作業時間が長くかかっていた。
【0038】
本実施の形態における前記ワーク100の高周波焼入方法は、図6(a)に示すように、前記制御装置11により、前記位置決め機構12を介して、前記高周波加熱コイルユニット30bを、加熱容量の最も大きな部位(この場合はジャーナル部4J)に、また、前記高周波加熱コイルユニット30aを、次に加熱容量の大きい部位(この場合はジャーナル部2J)にそれぞれ載置する。
加熱に際し、前記制御装置11は、最初に、該加熱容量の最も大きい部位(ジャーナル部4J)を先に高周波加熱するように、内蔵する出力切替器11bをオンして、前記高周波発振機6から前記高周波加熱コイル2bに加熱電力を出力させる。次に所定時間経過後、該高周波発振機6の加熱出力を瞬時オフにすると同時に、続けて次に加熱容量の大きい部位(ジャーナル部2J)を高周波加熱するために、出力切替器11aをオン動作させ、該出力切替器11aがオン状態になったとき、再び前記高周波発振機6からの加熱電力を、前記ジャーナル部4J,2Jに同時に出力させるように、前記短時間で切替を行い、該加熱電力で、前記ジャーナル部4J,2Jを同時に高周波加熱する。
そして、所定時間経過後、該高周波発振機6からの加熱出力をオフにする。
【0039】
次いで、図6(b)に示すように、前記制御装置11により、前記位置決め機構12を介して、前記高周波加熱コイルユニット30a,30b,30cを、該加熱容量の小さい部位(この場合はジャーナル部1J,3J,5J)にそれぞれ移動させる。すなわち、前記高周波加熱コイル2aはジャーナル部2J用から1J用に、また、前記高周波加熱コイル2bはジャーナル部4J用から3J用に位置換えが行われる。
前記高周波加熱コイルユニット30a,30b,30cを載置後、前記制御装置11により、前記前記出力切替器11a,11b,11cを同時にオン状態にさせた直後、前記高周波発振機6から、再び加熱電力を出力させて、前記ジャーナル部1J,3J,5Jを同時に高周波加熱し、所定時間経過後、該高周波発振機6の加熱出力を停止するとともに、前記全ジャーナル部1J,2J〜5Jに対して同時に、前記一対の冷却液噴射環7,7から冷却液を噴射させて冷却して、焼入れする。
【0040】
なお、前記出力切替器11a,11b,11cに、例えば近接スイッチ等を設けることで、該近接スイッチが出力切替器11a,11b,11cの接続動作を完了する直前に、前記高周波発振機6の加熱出力をオフするような信号を出力し、該出力切替器11a,11b,11cの接続が完了した時点で、再ぴ前記高周波発振機6から加熱電力を出力させる指令を出すようにして、極めて短時間に、次段目の加熱電力を供給することができる。
【0041】
[実施例] 本実施の形態における具体的な実施例を、以下に示す。
(1)ワーク(被加工物):4気筒クランクシャフト
(a)材質:S37C
(b)ジャーナル部寸法
2J:ジャーナル径φ55mm、スラスト幅27mm、スラスト高さ6mm
4J:ジャーナル径φ55mm、スラスト幅27mm、スラスト高さ14mm
(2)高周波誘導加熱条件(ジャーナル部2J,4Jの同時焼入れ)
(a)周波数:20kHz
(b)出力:64kW(2J),64kW(4J)
(c)第1加熱時間:4sec(4J)
第1加熱オフ:0.2sec(4J)
第2加熱時間:12sec(2J,4J)
(d)回転数:60rpm
(3)冷却条件
(a)冷却液:ユーコンクェンチャントA(7%)
(b)液温:30℃
(c)流量:各100L/min
(e)冷却時間:20sec
【0042】
前記加工条件によりジャーナル部2J,4JをフィレットR焼入れを施したときの表面硬さと硬化層深さを表2に示す。
【0043】
【表2】
Figure 0003668433
ただし、有効深さ(Hv400にて)
【0044】
前記表2によれば、表面硬さ:Hv600以上、有効深さ:2.0mm以上を確保し、焼入品質には、問題がない。さらに、前記ジャーナル部2J,4Jが同時に加工終了したことで、全ジャーナル部1J,2J〜5Jを3工程から2工程に少なくすることが可能となり、生産効率を向上することができた。
【0045】
以上、本発明の技術は、前記実施の形態における技術に限定されるものではなく、同様な機能を果たす他の態様の手段によってもよく、また、本発明の技術は、前記構成の範囲内において、種々の変更、付加が可能である。
なお、前記ジャーナル部1J,2J〜5Jに対応する前記高周波加熱コイルユニットを5台使用し、前記位置決め機構によりそれぞれを該ジャーナル部1J,2J〜5J上に位置決めすれば、該ジャーナル部1J,2J〜5Jの5箇所を、同時に焼入れすることができる。
【0046】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明の高周波焼入方法とその装置によれば、1台の発振機で、ワーク形状の異なる複数箇所の部位を、同時に高周波焼入れするに際し、加熱容量の大きな部位を先に高周波加熱し、所定時間経過後、該加熱を瞬間停止し、続けて加熱容量の小さな部位と同時に、前記加熱容量の大きな部位を同時に加熱し、所定時間経過後、該同時に加熱を停止し、しかる後に前記加熱した部位を同時に冷却することにより、熱容量の異なる前記部位を、同時に焼入することができるので、前記1台の高周波発振機を使用により、設備コストを抑えるとともに、ワークの形状の異なる複数箇所の部位を同時に高周波焼入れして、前記部位の焼入品質を十分に満足しながら焼入工程を少なくすることができる。同時に、生産効率を向上させることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波焼入方法とその装置の一実施の形態を示す、高周波焼入装置の構成外観図である。
【図2】ワークであるクランクシャフトのピン部及びジャーナル部の円柱部をフィレットR焼入れするフィレットR焼入用半開放殼形高周波誘導加熱コイル単体の構成図である。
【図3】前記装置に使用される、制御装置により、1台の発振機と3個の前記高周波加熱コイルとを制御する接続図である。
【図4】前記制御装置における、前記ワーク100のジャーナル部2J及び4Jへの焼入工程における高周波加熱制御プログラム図で、図4(a)は前記ジャーナル部4Jの時間に対するプログラム図、図4(b)は前記ジャーナル部2Jの時間に対するプログラム図である。
【図5】従来の高周波焼入工程を示す図で、図5(a)は前記ワーク100のジャーナル部2Jへの焼入工程、図5(b)はジャーナル部4Jへの焼入工程、図5(c)はジャーナル部1J,3J,5Jへの焼入工程をそれぞれ示す図である。
【図6】本実施の形態における高周波焼入工程を示す図で、図6(a)は前記ワーク100のジャーナル部2Jおよび4Jへの焼入工程、図6(b)は前記ワーク100のジャーナル部1J,3J,5Jへの焼入工程をそれぞれ示す図である。
【図7】4気筒エンジン用のクランクシャフトの正面図である。
【図8】図7のクランクシャフトの焼入部の形状とフィレットR焼入れの硬化層パターンを示す部分断面図である。
【図9】図7のクランクシャフトのジャーナル部のスラスト高さを示す断面図で、図9(a)は、ジャーナル部4Jのスラスト高さH4を示し、図9(b)は、ジャーナル部2J,3J,5Jのスラスト高さH2を示す。
【図10】図7のクランクシャフトのジャーナル部の焼入範囲を示す断面図で、図10(a)は、ジャーナル部4Jの焼入範囲L4を示し、図10(b)は、ジャーナル部2J,3J,5Jの焼入範囲L2を示す。
【符号の説明】
1 高周波焼入装置
2 高周波加熱コイル群
2a,2b,2c 高周波加熱コイル
4 高周波加熱コイル頭部
6 高周波発振機
7 冷却液噴射環
10 接触部
11 制御装置
11a,11b,11c 出力切替器
12 位置決め機構
13 チャック機構
14 回転駆動装置
15 回転検出器
16 搬送装置
17 往復動機構
30 高周波加熱コイルユニット群
30a,30b,30c 高周波加熱コイルユニット
C 整合コンデンサ
T ディスク型変成器

Claims (7)

  1. 1台の発振機で、ワーク形状の異なるn(nは、2以上の整数)箇所の部位を、同時に高周波焼入れするに際し、加熱容量の最も大きな第1の部位を先に高周波加熱し、所定時間経過後、該加熱を瞬時停止し、続けて次に加熱容量の大きい第2の部位と同時に、前記第1の部位を同時に高周波加熱し、所定時間経過後、該同時の加熱を瞬時停止し、続けてその次に加熱容量の大きい第3の部位と同時に、前記第1,第2の部位を同時に高周波加熱し、所定時間経過後、該同時の加熱を瞬時停止し、以下同様に、続けて加熱容量の最も小さな第nの部位と同時に、前記第1,第2,‥‥,第n−1の部位を同時に高周波加熱し、所定時間経過後、該同時の加熱を停止し、しかる後に前記第1,第2,‥‥,第nの部位を同時に冷却することにより、前記ワークの熱容量の異なる前記n箇所の部位を、同時に焼入することを特徴とする高周波焼入方法。
  2. 1台の発振機で、ワーク形状の異なるn(nは、2以上の整数)箇所の部位を、該ワークを回転しながら、同時に高周波焼入れするに際し、加熱容量の最も大きな第1の部位を先に高周波加熱し、前記ワークの回動角度位置または回転数を検知しながら、焼入に最適なワーク回動角度位置または回転数となったときに、該加熱を瞬時停止し、続けて次に加熱容量の大きい第2の部位と同時に、前記第1の部位を同時に高周波加熱し、所定時間経過後、該同時の加熱を瞬時停止し、続けてその次に加熱容量の大きい第3の部位と同時に、前記第1,第2の部位を同時に高周波加熱し、所定時間経過後、該同時の加熱を瞬時停止し、以下同様に、続けて加熱容量の最も小さな第nの部位と同時に、前記第1,第2,‥‥,第n−1の部位を同時に高周波加熱し、所定時間経過後、該同時の加熱を停止し、しかる後に前記第1,第2,‥‥,第nの部位を同時に冷却することにより、前記ワークの熱容量の異なる前記n箇所の部位を、同時に焼入することを特徴とする高周波焼入方法。
  3. 前記瞬時停止する時間、すなわち前記熱容量の大きな部位の加熱を停止し、続けて前記次に加熱容量の大きい部位と同時に加熱し始めるまでの切替時間が、0.3秒以内であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高周波焼入方法。
  4. 1台の発振機で、ワークの形状の異なるn(nは、2以上の整数)箇所の部位を、同時に高周波焼入れする装置において、
    前記ワークの形状の異なる前記n箇所の部位に、それぞれ、高周波誘導加熱コイルを載置し、
    制御手段により、前記ワークの加熱容量の最も大きな第1の部位を先に高周波加熱し、所定時間経過後、該加熱を瞬時停止し、続けて次に加熱容量の大きい第2の部位と同時に、前記第1の部位を同時に高周波加熱し、所定時間経過後、該同時の加熱を瞬時停止し、続けてその次に加熱容量の大きい第3の部位と同時に、前記第1,第2の部位を同時に高周波加熱し、所定時間経過後、該同時の加熱を瞬時停止し、以下同様に、続けて加熱容量の最も小さな第nの部位と同時に、前記第1,第2,‥‥,第n−1の部位を同時に高周波加熱し、所定時間経過後、該同時の加熱を停止し、しかる後に前記第1,第2,‥‥,第nの部位を同時に冷却手段で冷却することにより、前記ワークの熱容量の異なる前記n箇所の部位を、同時に焼入することを特徴とする高周波焼入装置。
  5. 1台の発振機で、ワークの形状の異なるn(nは、2以上の整数)箇所の部位を、同時に高周波焼入れする装置において、
    前記ワークの形状の異なる前記n箇所の部位の外周上に、それぞれ、高周波誘導加熱コイルを載置し、前記ワークをその中心軸を中心に回転せしめて、前記高周波誘導加熱コイルを前記部位のそれぞれの外周に追従させ、
    回転検出手段により、前記ワークの回動角度位置または回転数を検知し、
    制御手段により、前記検出手段からの信号により、前記ワークの回動角度位置または回転数が、焼入に最適なワーク回動角度位置または回転数となったときに、前記ワークの加熱容量の最も大きな第1の部位を先に高周波加熱し、所定時間経過後、該加熱を瞬時停止し、続けて次に加熱容量の大きい第2の部位と同時に、前記第1の部位を同時に高周波加熱し、所定時間経過後、該同時の加熱を瞬時停止し、続けてその次に加熱容量の大きい第3の部位と同時に、前記第1,第2の部位を同時に高周波加熱し、所定時間経過後、該同時の加熱を瞬時停止し、以下同様に、続けて加熱容量の最も小さな第nの部位と同時に、前記第1,第2,‥‥,第n−1の部位を同時に高周波加熱し、所定時間経過後、該同時の加熱を停止し、しかる後に前記第1,第2,‥‥,第nの部位を同時に冷却することにより、前記ワークの熱容量の異なる前記n箇所の部位を、同時に焼入することを特徴とする高周波焼入装置。
  6. 前記1台の発振機と、前記高周波誘導加熱コイルとの間に、変成器が配設されることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の高周波焼入装置。
  7. 前記制御手段は、前記加熱を瞬時停止するとき、すなわち前記熱容量の大きな部位の加熱を停止し、続けて前記次に加熱容量の大きい部位と同時に加熱し始める間に、前記発振機の出力をオフすると同時に、出力切替器を動作させるか、または該出力切替器の接続動作の完了直前に前記発振機の出力をオフし、該出力切替器の接続動作の完了後、直ちに前記発振機の出力をオンさせることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の高周波焼入装置。
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