JP2002241840A - 高周波焼入方法とその装置 - Google Patents

高周波焼入方法とその装置

Info

Publication number
JP2002241840A
JP2002241840A JP2001041088A JP2001041088A JP2002241840A JP 2002241840 A JP2002241840 A JP 2002241840A JP 2001041088 A JP2001041088 A JP 2001041088A JP 2001041088 A JP2001041088 A JP 2001041088A JP 2002241840 A JP2002241840 A JP 2002241840A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating
frequency
portions
predetermined time
lapse
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001041088A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3668433B2 (ja
Inventor
Hideaki Katanuma
秀明 片沼
Toshihiro Yokoo
横尾  敏浩
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DKK Co Ltd
Original Assignee
Denki Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denki Kogyo Co Ltd filed Critical Denki Kogyo Co Ltd
Priority to JP2001041088A priority Critical patent/JP3668433B2/ja
Publication of JP2002241840A publication Critical patent/JP2002241840A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3668433B2 publication Critical patent/JP3668433B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

Landscapes

  • General Induction Heating (AREA)
  • Heat Treatment Of Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】設備コストを抑えるとともに、ワークの形状の
異なる複数箇所の部位を同時に高周波焼入れして、焼入
工程を少なくする。 【解決手段】 1台の発振機6で、ワーク100の形状
の異なる複数箇所の部位(ジャーナル部2J,4J)
を、同時に高周波焼入れするに際し、加熱容量の大きな
部位4Jを先に高周波加熱し、所定時間経過後、該加熱
を瞬時停止し、続けて次に加熱容量の小さな部位2Jと
同時に、前記加熱容量の大きな部位4Jを同時に加熱
し、所定時間経過後、該同時の加熱を停止し、しかる後
に前記加熱した部位2J,4Jを同時に冷却することに
より、前記ワーク100の熱容量の異なる前記部位2
J,4Jを同時に焼入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワークの形状の異
なる複数箇所の部位を、同時に高周波焼入を終了する高
周波焼入方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図7に示すように、例えば、ガソリンエ
ンジン(又はジーゼルエンジン)用の4気筒(4L)の
クランクシャフト100は、鍛造加工によりピン部4P
(120),3P(140),2P(160),1P
(180)とジャーナル部5J(110),4J(13
0),3J(150),2J(170),1J(19
0)とが一体成型されている。従来、前記クランクシャ
フト100のピン部4P,3P,2P,1Pとジャーナ
ル部5J,4J,3J,2J,1Jの高周波焼入れは、
該クランクシャフト100を中心軸Xのまわりに回転さ
せながら、該ピン部4P,3P,2P,1Pとジャーナ
ル部5J,4J,3J,2J,1Jに、それぞれ高周波
誘導加熱コイルを載置し、前記回転に追従して加熱、冷
却を行い高周波焼入れを施工している。
【0003】前記ジャーナル部1J,2J,3J,4
J,5Jの形状は、該ジャーナル部同士は同じのため、
該ジャーナル部5Jを例に説明する。前記ジャーナル部
5J(110)の形状は、図8に示すように円柱部11
1と、該円柱部111に続くR部112と、該R部11
2に続き前記クランクシャフト100の軸方向に直角に
形成されたスラスト部113から成る。図8に示す硬化
層117は、前記円柱部111と、R部112と、スラ
スト部113が、連続して焼入れによって得られたもの
である。このような焼入れの仕方をフィレットR焼入れ
と称している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来、前記
クランクシャフト100のフィレットR焼入れにおい
て、通常の加工順序は、図7に示す前記クランクシャフ
ト100、すなわち被加工物であるワーク100のジャ
ーナル部2Jを焼入れ、次にジャーナル部4Jを焼入れ
し、その後、他のジャーナル部1J,3J,5Jの3箇
所を同時に焼入れしている。従って、前記ジャーナル部
1J〜5J全体の焼入工程は、3回となっている。前記
ジャーナル部4Jは、前記クランクシャフト100の長
手方向の基準になることから、図9(a)および図9
(b)に示すように、他の前記ジャーナル部2J,3
J,5Jと比べて、スラスト面(H)が高くなっている
(H4>H2)。
【0005】前記フィレットR焼入れにおける焼入れ範
囲は、全スラスト面までが基準とされていることから、
図10(a)および図10(b)に示すように、前記ジ
ャーナル部4Jの焼入範囲は、他のジャーナル部2J,
3J,5Jよりも長くなる(L4>L2)。従って、前記
ジャーナル部4Jは、他のジャーナル部2J,3J,5J
よりも加熱容量が大きくなる。このため、前記ジャーナ
ル部2Jと4Jの加熱容量の違いから、1台の高周波発
振機を使用して加熱する場合、前記ジャーナル部2Jと
4Jの2工程に分けて、焼入加工を行っていた。
【0006】しかしながら、前記ワーク1個を焼入加工
する場合、現状の焼入工程では、前記ジャーナル部の3
工程がサイクルタイムを長くし、生産効率を悪くすると
いう問題点があった。
【0007】また、他の方法として、2台の高周波発振
機を使用して、前記ジャーナル部2Jと4Jのそれぞれ
に対応した個別の発振出力と加熱時間とすることで、加
熱容量の異なる部位を1工程で焼入加工していた。同様
に、3台の高周波発振機を使用して、前記ジャーナル部
2Jと、4Jと、1J,3J,5Jとの3箇所を、1工
程で焼入加工することも可能であるが、前記高周波発振
機の数が増えるため、設備コストの上昇をまねくという
問題点があった。
【0008】更なる方法として、高周波加熱コイルの加
熱導体の形状や磁性材料の挿入量により、そのインピー
ダンスを調整することで、前記ジャーナル部2Jと4J
とを1台の高周波発振機を使用して焼入れする方法も考
えられるが、前記高周波加熱コイル単体だけの調整で
は、許容範囲が狭く、該ジャーナル部2Jと4Jの両方
の焼入品質を十分に満足する条件を出すまでには、計り
知れない試験が必要となるという問題点があった。
【0009】
【表1】
【0010】すなわち、表1に、従来の前記ジャーナル
部2Jと4Jの焼入時の発振出力と加熱時間を示すよう
に、該ジャーナル部2J,4Jはともに、発振出力は6
4kWであるが、加熱時間が異なっている。前記発振出
力と加熱時間が同一であれば、1台の高周波発振機で焼
入れが可能であるが、該ジャーナル部2Jと4Jでは、
加熱時間が異なることから、1台の発振機では同時焼入
れができない。冷却液(この場合、冷却水)の飛散を防
ぐことから、ワーク加熱後の冷却を同時にするために、
前記ジャーナル部4J側を先に発振させながら、前記ジ
ャーナル部2J側を後から発振することが考えられる。
【0011】しかしながら、負荷部の同調および無効電
力補償を行うため、共振回路を使用した高周波発振を行
っていることから、前記ジャーナル部4J側を先に発振
させながら、後から単純に前記ジャーナル部2J側を発
振させるような切替器等を使用して接続することは、該
ジャーナル部2J側の発振投入時のタイミングによって
共振状態が崩れ、発振不良を起こすことが多いという問
題点があった。
【0012】本発明はかかる点を鑑みなされたもので、
その目的は前記問題点を解消し、1台の高周波発振機を
使用することで、設備コストを抑えるとともに、ワーク
の形状の異なる複数箇所の部位を同時に高周波焼入れし
て、前記部位の焼入品質を十分に満足しながら焼入工程
を少なくする高周波焼入方法とその装置を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明の構成は、1台の発振機で、ワーク形状の異な
るn(nは、2以上の整数)箇所の部位を、同時に高周
波焼入れするに際し、加熱容量の最も大きな第1の部位
を先に高周波加熱し、所定時間経過後、該加熱を瞬時停
止し、続けて次に加熱容量の大きい第2の部位と同時
に、前記第1の部位を同時に高周波加熱し、所定時間経
過後、該同時の加熱を瞬時停止し、続けてその次に加熱
容量の大きい第3の部位と同時に、前記第1,第2の部
位を同時に高周波加熱し、所定時間経過後、該同時の加
熱を瞬時停止し、以下同様に、続けて加熱容量の最も小
さな第nの部位と同時に、前記第1,第2,‥‥,第n
−1の部位を同時に高周波加熱し、所定時間経過後、該
同時の加熱を停止し、しかる後に前記第1,第2,‥
‥,第nの部位を同時に冷却することにより、前記ワー
ク形状の熱容量の異なる前記n箇所の部位を、同時に焼
入する方法である。
【0014】1台の発振機で、ワーク形状の異なるn
(nは、2以上の整数)箇所の部位を、該ワークを回転
しながら、同時に高周波焼入れするに際し、加熱容量の
最も大きな第1の部位を先に高周波加熱し、前記ワーク
の回動角度位置または回転数を検知しながら、焼入に最
適なワーク回動角度位置または回転数となったときに、
該加熱を瞬時停止し、続けて次に加熱容量の大きい第2
の部位と同時に、前記第1の部位を同時に高周波加熱
し、所定時間経過後、該同時の加熱を瞬時停止し、続け
てその次に加熱容量の大きい第3の部位と同時に、前記
第1,第2の部位を同時に高周波加熱し、所定時間経過
後、該同時の加熱を瞬時停止し、以下同様に、続けて加
熱容量の最も小さな第nの部位と同時に、前記第1,第
2,‥‥,第n−1の部位を同時に高周波加熱し、所定
時間経過後、該同時の加熱を停止し、しかる後に前記第
1,第2,‥‥,第nの部位を同時に冷却することによ
り、前記ワーク形状の熱容量の異なる前記n箇所の部位
を、同時に焼入する方法である。
【0015】前記瞬時停止する時間、すなわち前記熱容
量の大きな部位の加熱を停止し、続けて前記次に加熱容
量の大きい部位と同時に加熱し始めるまでの切替時間
が、0.3秒以内である方法である。
【0016】本発明の構成は、1台の発振機で、ワーク
の形状の異なるn(nは、2以上の整数)箇所の部位
を、同時に高周波焼入れする装置において、次のとおり
である。
【0017】前記ワークの形状の異なる前記n箇所の部
位に、それぞれ、または選択的に高周波誘導加熱コイル
を載置し、制御手段により、前記ワークの加熱容量の最
も大きな第1の部位を先に高周波加熱し、所定時間経過
後、該加熱を瞬時停止し、続けて次に加熱容量の大きい
第2の部位と同時に、前記第1の部位を同時に高周波加
熱し、所定時間経過後、該同時の加熱を瞬時停止し、続
けてその次に加熱容量の大きい第3の部位と同時に、前
記第1,第2の部位を同時に高周波加熱し、所定時間経
過後、該同時の加熱を瞬時停止し、以下同様に、続けて
加熱容量の最も小さな第nの部位と同時に、前記第1,
第2,‥‥,第n−1の部位を同時に高周波加熱し、所
定時間経過後、該同時の加熱を停止し、しかる後に前記
第1,第2,‥‥,第nの部位を同時に冷却手段で冷却
することにより、前記ワーク形状の熱容量の異なる前記
n箇所の部位を、同時に焼入する装置である。
【0018】前記ワークの形状の異なる前記n箇所の部
位の外周上に、それぞれ、または選択的に高周波誘導加
熱コイルを載置し、前記ワークをその中心軸を中心に回
転せしめて、前記高周波誘導加熱コイルを前記部位のそ
れぞれの外周に追従させ、回転検出手段により、前記ワ
ークの回動角度位置または回転数を検知し、制御手段に
より、前記検出手段からの信号により、前記ワークの回
動角度位置または回転数が、焼入に最適なワーク回動角
度位置または回転数となったときに、前記ワークの加熱
容量の最も大きな第1の部位を先に高周波加熱し、所定
時間経過後、該加熱を瞬時停止し、続けて次に加熱容量
の大きい第2の部位と同時に、前記第1の部位を同時に
高周波加熱し、所定時間経過後、該同時の加熱を瞬時停
止し、続けてその次に加熱容量の大きい第3の部位と同
時に、前記第1,第2の部位を同時に高周波加熱し、所
定時間経過後、該同時の加熱を瞬時停止し、以下同様
に、続けて加熱容量の最も小さな第nの部位と同時に、
前記第1,第2,‥‥,第n−1の部位を同時に高周波
加熱し、所定時間経過後、該同時の加熱を停止し、しか
る後に前記第1,第2,‥‥,第nの部位を同時に冷却
することにより、前記ワーク形状の熱容量の異なる前記
n箇所の部位を、同時に焼入する装置である。
【0019】前記1台の発振機と、前記高周波誘導加熱
コイルとの間に、変成器が配設される装置である。
【0020】前記制御手段は、前記加熱を瞬時停止する
とき、すなわち前記熱容量の大きな部位の加熱を停止
し、続けて前記次に加熱容量の大きい部位と同時に加熱
し始める間に、前記発振機の出力をオフすると同時に、
出力切替器を動作させるか、または該出力切替器の接続
動作の完了直前に前記発振機の出力をオフし、該出力切
替器の接続動作の完了後、直ちに前記発振機の出力をオ
ンさせる装置である。
【0021】本発明は、ワーク形状の異なる複数箇所の
部位を、1台の高周波発振機で同時に焼入れする方法と
その装置において、以上のように構成されているので、
例えば、4気筒の前記クランクシャフトの場合、加熱容
量の大きな部位を先に高周波加熱し、所定時間経過後、
加熱を瞬間に切り、続けて加熱容量の小さな部位と同時
に、前記加熱容量の大きな部位を同時に加熱し、所定時
間経過後、同時に加熱を切り、しかる後に前記部位を同
時に冷却することにより、熱容量の異なるワーク形状
を、1台の高周波発振機で、同時に焼入を完了するよう
にしたことにより、そのジャーナル部の焼入工程を3回
から2回に減らすことが可能になる。
【0022】このため、設備コストを抑えるとともに、
ワークの形状の異なる複数箇所の部位を同時に高周波焼
入れして、前記部位の焼入品質を十分に満足しながら焼
入工程を少なくすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の好
適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。図1は、本
発明の高周波焼入方法とその装置の一実施の形態を示
す、高周波焼入装置の構成外観図、図2は、ワークであ
るクランクシャフトのピン部及びジャーナル部の円柱部
をフィレットR焼入れするフィレットR焼入用半開放殼
形高周波誘導加熱コイル(以下、単に高周波加熱コイル
という)単体の構成図、図3は、前記装置に使用され
る、制御装置により、1台の発振機と3個の前記高周波
加熱コイルとを制御する接続図、図4は、前記制御装置
における、前記ワーク100のジャーナル部2J及び4
Jへの焼入工程における高周波加熱制御プログラム図
で、図4(a)は前記ジャーナル部4Jの時間に対する
プログラム図、図4(b)は前記ジャーナル部2Jの時
間に対するプログラム図、図5は、従来の高周波焼入工
程を示す図で、図5(a)は前記ワーク100のジャー
ナル部2Jへの焼入工程、図5(b)はジャーナル部4
Jへの焼入工程、図5(c)はジャーナル部1J,3
J,5Jへの焼入工程をそれぞれ示す図、図6は、本実
施の形態における高周波焼入工程を示す図で、図6
(a)は前記ワーク100のジャーナル部2Jおよび4
Jへの焼入工程、図6(b)は前記ワーク100のジャ
ーナル部1J,3J,5Jへの焼入工程をそれぞれ示す
図である。
【0024】図1において、前記高周波焼入装置1は、
被加工物で、材質が鋼材または炭素鋼材からなる4気筒
エンジンのクランクシャフトである、前記ワーク100
の各ジャーナル部1J,2J〜5Jを、高周波誘導加
熱、冷却の工程を通して、焼入処理を行う装置である。
【0025】該高周波焼入装置1は、該ワーク100の
全ジャーナル部1J,2J〜5Jのそれぞれを高周波焼
入するため、図2に高周波加熱コイル群2のうちの単体
としての高周波加熱コイル2aを示す、3個の前記高周
波加熱コイル2a,2b,2cをそれぞれ含む、高周波
加熱コイルユニット30a,30b,30cからなる高
周波加熱コイルユニット群30と、高周波電源として、
1kHz〜40kHzの高周波電力を前記高周波加熱コ
イルユニット群30に供給する1台の高周波発振機6
と、制御装置11と、前記高周波加熱コイルユニット3
0a,30b,30cのそれぞれを位置決めする位置決
め機構12と、該ワーク100を支持するチャック機構
13と、前記チャック機構13のチャック13a,13
bを保持するとともに、該ワーク100の中心軸を中心
にある一定回転で回転駆動させる回転駆動装置14と、
その回転検出器15と、該ワーク100を搬入し、所定
位置に配置するとともに、焼入後、外部に搬出する搬送
装置16とから構成される。なお、17は、該ワーク1
00の取付時などに使用される往復動機構である。
【0026】前記構成のうち、前記高周波加熱コイルユ
ニット群30のうち、前記高周波加熱コイルユニット3
0aは、前記ワーク100のジャーナル部1J,2Jの
いずれかに、前記加熱コイルユニット30bは、前記ジ
ャーナル部3J,4Jのいずれかに、前記加熱コイルユ
ニット30cは、前記ジャーナル部5Jに、前記制御装
置11の指令に基づく前記位置決め機構12により選択
的に、または直接に載置されるとともに、前記加熱コイ
ル2a,2b,2cは、前記ジャーナル部1J,2J〜
5Jのそれぞれ形状の異なる円柱部をフィレットR焼入
れする。
【0027】それぞれ単体としての該高周波加熱コイル
2a(2b,2cも同様)は、図2に示すように、黄銅
製の一対の側板(コイル保持板)3a,3bと、この側板
3a,3b間に取付けられた半開放殼形の高周波加熱コ
イル頭部4,4と、該高周波加熱コイル頭部4,4に前
記高周波発振機6からの高周波電力を供給するため、給
電線5を介して接続される図示しないディスク型変成器
Tと、前記側板3a,3bの下端に取付られて前記高周
波加熱コイル頭部4,4の下方位置に配置された焼入冷
却用の一対の冷却液噴射環7,7と、前記高周波発振機
6と前記給電線5とを接続するための一対の接続端子
8,8と、接続端子8,8および給電線5,5を保持す
るために前記側板3a,3bの上端側に取付けられた絶
縁性材料からなるブロック9と、前記ワーク100の誘
導加熱される円柱部(例えば、前記ジャーナル部5J
(110)の111)と前記高周波加熱コイル頭部4,
4との間を、僅かな隙間で保つための複数箇所(本実施
の形態では、3箇所で、前記高周波加熱コイル頭部4,
4のほぼ真上の中央部分と、それらの両端部分)に添う
ように装着される、セラミック製又は超硬製の接触部1
0,10とをそれぞれ具備している。
【0028】ここで、前記高周波加熱コイル2a,2
b,2cは、それぞれ前記ディスク型変成器Tに接続さ
れて、前記高周波加熱コイルユニット30a,30b,
30cとなる。この高周波加熱コイルユニット30a,
30b,30cは、それぞれの上方で、前記位置決め機
構12の支持機構によって直下状態で保持されている。
そして、前記ワーク100の中心軸Xを中心に回転され
るのに伴い、図示しないワーク追従機構により、前記高
周波加熱コイル頭部4,4が、前記誘導加熱される円柱
部、例えば、前記ジャーナル部5J(110)の円柱部
111上に載置された状態のまま、前記高周波加熱コイ
ル(ここでは2c)が該円柱部111に追従して移動し
得るように構成されている。(以下、代表的に、前記ジ
ャーナル部5Jについて説明する)
【0029】なお、前記誘導加熱される前記ジャーナル
部5Jの円柱部111の外周面には、前記3箇所に前記
接触子10,10が当接され、これにより高周波加熱コ
イル頭部4,4の半円状部と、前記円柱部111の外周
面とが、僅かな所定間隔を隔てられており、この状態
で、該円柱部111が前記高周波誘導加熱コイル頭部
4,4により高周波誘導加熱されるようになっている。
【0030】また、前記一対の冷却液噴射環7,7に
は、冷却液供給用バイブ20がそれぞれ接続されてお
り、図示しない冷却供給源から、これらの前記パイプ2
0を通してそれぞれの冷却液噴射環7,7に供給される
ので、前記円柱部111を誘導加熱後、前記冷却液噴射
環7,7から所定のタイミングで冷却液が、加熱された
前記ジャーナル部5Jに向けて噴射され、これを冷却す
るように構成されている。
【0031】前記制御装置11は、前記ワーク100の
前記ジャーナル部1J,2J〜5Jのうち、形状の異な
る、すなわち加熱容量の異なるジャーナル部を選択し
て、前記位置決め機構12に指令する。前記位置決め機
構12は、前記制御装置11からの指令により、前記選
択されたジャーナル部に対応する、前記高周波加熱コイ
ルユニット30a,30b,30cのそれぞれを位置決
めして、選択された該各ジャーナル部上に載置する。前
記制御装置11は、さらに、内蔵される高周波加熱制御
プログラムにしたがって、前記高周波発振機6から、前
記高周波加熱コイルユニット30a,30b,30cの
それぞれに加熱電力を切替、制御する。なお、同時に、
前記制御装置11には、前記回転検出器15から、前記
ワーク100がその中心軸Xを中心として回転すると
き、その回動角度位置信号または回転数信号が入力され
ている。
【0032】前記チャック機構13は、チャック13
a,13bからなり、前記ワーク100は、その長手方
向の両端を、前記チャック13a,13bにより、固
定、支持される。そして、前記一方のチャック13a
は、回転駆動装置14のヘッドセンタユニット14a
に、前記他方のチャック13bは、前記回転駆動装置1
4のテールセンタユニット14bにそれぞれ回転自在に
保持される。前記回転駆動装置14により、該ワーク1
00の中心軸Xを中心にある一定回転で回転駆動させる
とき、前記回転検出器15により、その回動角度位置ま
たは回転数を検知して、その検出信号を前記制御装置1
1に出力する。
【0033】なお、前記回転駆動装置14のヘッドセン
タユニット14aとテールセンタユニット14bは、前
記ワーク100の取付けのため、その長手方向に、往復
動機構17のそれぞれの流体圧シリンダ装置(流体圧に
よりピストンを駆動させる)17a,17bにより駆動
可能になっている。
【0034】図3の接続図は、前記制御装置11によ
り、前記高周波発振機6から出力される加熱電力を、前
記3個の前記高周波加熱コイルユニット30a,30
b,30cのそれぞれに、該制御装置11内の3個の出
力切替器11a,11b,11cを介して、あらかじめ
決められた高周波加熱制御プログラムにしたがって、供
給するように接続されている。前記3個の出力切替器1
1a,11b,11c以後は、前記ワーク100の選択
された前記ジャーナル部(例えば、2J,4J)を加熱
するため、それぞれ整合コンデンサC、前記ディスク型
変成器Tが付加された前記3個の前記高周波加熱コイル
ユニット30a,30b,30cが接続されている。そ
して、前記高周波加熱コイルユニット30aは、前記ジ
ャーナル部1J,2Jに共用、該加熱コイルユニット3
0bは、前記ジャーナル部3J,4Jに共用であり、該
加熱コイルユニット30cは前記ジャーナル部5単独に
使用される。
【0035】前記制御装置11の前記高周波加熱制御プ
ログラムとは、図4(a)および図4(b)に示すよう
に、加熱容量の最も大きな前記ジャーナル部4Jを先に
高周波加熱し、所定時間経過後、該加熱を瞬時停止し、
続けて次に加熱容量の大きい前記ジャーナル部2Jと同
時に、かつ前記ジャーナル部4Jを同時に高周波加熱
し、所定時間経過後、該同時加熱を停止する方法であ
る。すなわち、図4(a)は、ジャーナル部4Jを高周
波加熱する場合であり、図4(b)は、ジャーナル部2
Jを高周波加熱する場合である。まず、図4(a)によ
りジャーナル部4Jを、前記高周波発振機6からの加熱
電力(W)で加熱時間(H0)加熱する。その後、該ジ
ャーナル部4Jの加熱をいったんオフにする。短い時間
(瞬時の間、H1)、例えば0.3秒以内の後、前記ジ
ャーナル部4J,2Jを同時に加熱電力(W)で、時間
(H3)経過するまで同時加熱して停止する。
【0036】なお、前記制御装置11は、前記回転検出
器15からの出力信号に基づいて、前記ワーク100の
焼入に最適な回動角度位置または回転数となったとき
に、前記加熱電力(W)を前記高周波加熱コイルユニッ
ト30a,30b,30cのいずれか、若しくは同時に
供給し、または停止させることができる。
【0037】前記ワーク100の従来の高周波焼入方法
では、図5(a)〜図5(c)に示すように、前記高周
波発振機6からの出力は、ジャーナル部2Jと、4J
と、1J,3J,5Jとのそれぞれを、出力切替器S
1,S2,S3が1つずつ、各加熱時にオン状態とな
り、該状態の移行時には、前記高周波発振機6にて出力
がオフ状態後、出力切替器S1,S2,S3いずれかが
切り替わるようにして、出力切替完了後、前記高周波発
振機6が出力オン状態にする。この工程を3回繰り返し
て、はじめて該ワーク100の焼入が完了となってい
た。しかし、このような工程では、操作が煩雑で、しか
も、作業時間が長くかかっていた。
【0038】本実施の形態における前記ワーク100の
高周波焼入方法は、図6(a)に示すように、前記制御
装置11により、前記位置決め機構12を介して、前記
高周波加熱コイルユニット30bを、加熱容量の最も大
きな部位(この場合はジャーナル部4J)に、また、前
記高周波加熱コイルユニット30aを、次に加熱容量の
大きい部位(この場合はジャーナル部2J)にそれぞれ
載置する。加熱に際し、前記制御装置11は、最初に、
該加熱容量の最も大きい部位(ジャーナル部4J)を先
に高周波加熱するように、内蔵する出力切替器11bを
オンして、前記高周波発振機6から前記高周波加熱コイ
ル2bに加熱電力を出力させる。次に所定時間経過後、
該高周波発振機6の加熱出力を瞬時オフにすると同時
に、続けて次に加熱容量の大きい部位(ジャーナル部2
J)を高周波加熱するために、出力切替器11aをオン
動作させ、該出力切替器11aがオン状態になったと
き、再び前記高周波発振機6からの加熱電力を、前記ジ
ャーナル部4J,2Jに同時に出力させるように、前記
短時間で切替を行い、該加熱電力で、前記ジャーナル部
4J,2Jを同時に高周波加熱する。そして、所定時間
経過後、該高周波発振機6からの加熱出力をオフにす
る。
【0039】次いで、図6(b)に示すように、前記制
御装置11により、前記位置決め機構12を介して、前
記高周波加熱コイルユニット30a,30b,30c
を、該加熱容量の小さい部位(この場合はジャーナル部
1J,3J,5J)にそれぞれ移動させる。すなわち、
前記高周波加熱コイル2aはジャーナル部2J用から1
J用に、また、前記高周波加熱コイル2bはジャーナル
部4J用から3J用に位置換えが行われる。前記高周波
加熱コイルユニット30a,30b,30cを載置後、
前記制御装置11により、前記前記出力切替器11a,
11b,11cを同時にオン状態にさせた直後、前記高
周波発振機6から、再び加熱電力を出力させて、前記ジ
ャーナル部1J,3J,5Jを同時に高周波加熱し、所
定時間経過後、該高周波発振機6の加熱出力を停止する
とともに、前記全ジャーナル部1J,2J〜5Jに対し
て同時に、前記一対の冷却液噴射環7,7から冷却液を
噴射させて冷却して、焼入れする。
【0040】なお、前記出力切替器11a,11b,1
1cに、例えば近接スイッチ等を設けることで、該近接
スイッチが出力切替器11a,11b,11cの接続動
作を完了する直前に、前記高周波発振機6の加熱出力を
オフするような信号を出力し、該出力切替器11a,1
1b,11cの接続が完了した時点で、再ぴ前記高周波
発振機6から加熱電力を出力させる指令を出すようにし
て、極めて短時間に、次段目の加熱電力を供給すること
ができる。
【0041】[実施例] 本実施の形態における具体的
な実施例を、以下に示す。 (1)ワーク(被加工物):4気筒クランクシャフト (a)材質:S37C (b)ジャーナル部寸法 2J:ジャーナル径φ55mm、スラスト幅27mm、
スラスト高さ6mm 4J:ジャーナル径φ55mm、スラスト幅27mm、
スラスト高さ14mm (2)高周波誘導加熱条件(ジャーナル部2J,4Jの
同時焼入れ) (a)周波数:20kHz (b)出力:64kW(2J),64kW(4J) (c)第1加熱時間:4sec(4J) 第1加熱オフ:0.2sec(4J) 第2加熱時間:12sec(2J,4J) (d)回転数:60rpm (3)冷却条件 (a)冷却液:ユーコンクェンチャントA(7%) (b)液温:30℃ (c)流量:各100L/min (e)冷却時間:20sec
【0042】前記加工条件によりジャーナル部2J,4
JをフィレットR焼入れを施したときの表面硬さと硬化
層深さを表2に示す。
【0043】
【表2】 ただし、有効深さ(Hv400にて)
【0044】前記表2によれば、表面硬さ:Hv600
以上、有効深さ:2.0mm以上を確保し、焼入品質に
は、問題がない。さらに、前記ジャーナル部2J,4J
が同時に加工終了したことで、全ジャーナル部1J,2
J〜5Jを3工程から2工程に少なくすることが可能と
なり、生産効率を向上することができた。
【0045】以上、本発明の技術は、前記実施の形態に
おける技術に限定されるものではなく、同様な機能を果
たす他の態様の手段によってもよく、また、本発明の技
術は、前記構成の範囲内において、種々の変更、付加が
可能である。なお、前記ジャーナル部1J,2J〜5J
に対応する前記高周波加熱コイルユニットを5台使用
し、前記位置決め機構によりそれぞれを該ジャーナル部
1J,2J〜5J上に位置決めすれば、該ジャーナル部
1J,2J〜5Jの5箇所を、同時に焼入れすることが
できる。
【0046】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
高周波焼入方法とその装置によれば、1台の発振機で、
ワーク形状の異なる複数箇所の部位を、同時に高周波焼
入れするに際し、加熱容量の大きな部位を先に高周波加
熱し、所定時間経過後、該加熱を瞬間停止し、続けて加
熱容量の小さな部位と同時に、前記加熱容量の大きな部
位を同時に加熱し、所定時間経過後、該同時に加熱を停
止し、しかる後に前記加熱した部位を同時に冷却するこ
とにより、熱容量の異なる前記部位を、同時に焼入する
ことができるので、前記1台の高周波発振機を使用によ
り、設備コストを抑えるとともに、ワークの形状の異な
る複数箇所の部位を同時に高周波焼入れして、前記部位
の焼入品質を十分に満足しながら焼入工程を少なくする
ことができる。同時に、生産効率を向上させることがで
きるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波焼入方法とその装置の一実施の
形態を示す、高周波焼入装置の構成外観図である。
【図2】ワークであるクランクシャフトのピン部及びジ
ャーナル部の円柱部をフィレットR焼入れするフィレッ
トR焼入用半開放殼形高周波誘導加熱コイル単体の構成
図である。
【図3】前記装置に使用される、制御装置により、1台
の発振機と3個の前記高周波加熱コイルとを制御する接
続図である。
【図4】前記制御装置における、前記ワーク100のジ
ャーナル部2J及び4Jへの焼入工程における高周波加
熱制御プログラム図で、図4(a)は前記ジャーナル部
4Jの時間に対するプログラム図、図4(b)は前記ジ
ャーナル部2Jの時間に対するプログラム図である。
【図5】従来の高周波焼入工程を示す図で、図5(a)
は前記ワーク100のジャーナル部2Jへの焼入工程、
図5(b)はジャーナル部4Jへの焼入工程、図5
(c)はジャーナル部1J,3J,5Jへの焼入工程を
それぞれ示す図である。
【図6】本実施の形態における高周波焼入工程を示す図
で、図6(a)は前記ワーク100のジャーナル部2J
および4Jへの焼入工程、図6(b)は前記ワーク10
0のジャーナル部1J,3J,5Jへの焼入工程をそれ
ぞれ示す図である。
【図7】4気筒エンジン用のクランクシャフトの正面図
である。
【図8】図7のクランクシャフトの焼入部の形状とフィ
レットR焼入れの硬化層パターンを示す部分断面図であ
る。
【図9】図7のクランクシャフトのジャーナル部のスラ
スト高さを示す断面図で、図9(a)は、ジャーナル部
4Jのスラスト高さH4を示し、図9(b)は、ジャー
ナル部2J,3J,5Jのスラスト高さH2を示す。
【図10】図7のクランクシャフトのジャーナル部の焼
入範囲を示す断面図で、図10(a)は、ジャーナル部
4Jの焼入範囲L4を示し、図10(b)は、ジャーナ
ル部2J,3J,5Jの焼入範囲L2を示す。
【符号の説明】
1 高周波焼入装置 2 高周波加熱コイル群 2a,2b,2c 高周波加熱コイル 4 高周波加熱コイル頭部 6 高周波発振機 7 冷却液噴射環 10 接触部 11 制御装置 11a,11b,11c 出力切替器 12 位置決め機構 13 チャック機構 14 回転駆動装置 15 回転検出器 16 搬送装置 17 往復動機構 30 高周波加熱コイルユニット群 30a,30b,30c 高周波加熱コイルユニット C 整合コンデンサ T ディスク型変成器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 6/40 H05B 6/40 6/44 6/44

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1台の発振機で、ワーク形状の異なるn
    (nは、2以上の整数)箇所の部位を、同時に高周波焼
    入れするに際し、 加熱容量の最も大きな第1の部位を先に高周波加熱し、
    所定時間経過後、該加熱を瞬時停止し、続けて次に加熱
    容量の大きい第2の部位と同時に、前記第1の部位を同
    時に高周波加熱し、所定時間経過後、該同時の加熱を瞬
    時停止し、続けてその次に加熱容量の大きい第3の部位
    と同時に、前記第1,第2の部位を同時に高周波加熱
    し、所定時間経過後、該同時の加熱を瞬時停止し、以下
    同様に、続けて加熱容量の最も小さな第nの部位と同時
    に、前記第1,第2,‥‥,第n−1の部位を同時に高
    周波加熱し、所定時間経過後、該同時の加熱を停止し、
    しかる後に前記第1,第2,‥‥,第nの部位を同時に
    冷却することにより、前記ワーク形状の熱容量の異なる
    前記n箇所の部位を、同時に焼入することを特徴とする
    高周波焼入方法。
  2. 【請求項2】 1台の発振機で、ワーク形状の異なるn
    (nは、2以上の整数)箇所の部位を、該ワークを回転
    しながら、同時に高周波焼入れするに際し、 加熱容量の最も大きな第1の部位を先に高周波加熱し、
    前記ワークの回動角度位置または回転数を検知しなが
    ら、焼入に最適なワーク回動角度位置または回転数とな
    ったときに、該加熱を瞬時停止し、続けて次に加熱容量
    の大きい第2の部位と同時に、前記第1の部位を同時に
    高周波加熱し、所定時間経過後、該同時の加熱を瞬時停
    止し、続けてその次に加熱容量の大きい第3の部位と同
    時に、前記第1,第2の部位を同時に高周波加熱し、所
    定時間経過後、該同時の加熱を瞬時停止し、以下同様
    に、続けて加熱容量の最も小さな第nの部位と同時に、
    前記第1,第2,‥‥,第n−1の部位を同時に高周波
    加熱し、所定時間経過後、該同時の加熱を停止し、しか
    る後に前記第1,第2,‥‥,第nの部位を同時に冷却
    することにより、前記ワーク形状の熱容量の異なる前記
    n箇所の部位を、同時に焼入することを特徴とする高周
    波焼入方法。
  3. 【請求項3】 前記瞬時停止する時間、すなわち前記熱
    容量の大きな部位の加熱を停止し、続けて前記次に加熱
    容量の大きい部位と同時に加熱し始めるまでの切替時間
    が、0.3秒以内であることを特徴とする請求項1また
    は請求項2に記載の高周波焼入方法。
  4. 【請求項4】 1台の発振機で、ワークの形状の異なる
    n(nは、2以上の整数)箇所の部位を、同時に高周波
    焼入れする装置において、 前記ワークの形状の異なる前記n箇所の部位に、それぞ
    れ、または選択的に高周波誘導加熱コイルを載置し、 制御手段により、前記ワークの加熱容量の最も大きな第
    1の部位を先に高周波加熱し、所定時間経過後、該加熱
    を瞬時停止し、続けて次に加熱容量の大きい第2の部位
    と同時に、前記第1の部位を同時に高周波加熱し、所定
    時間経過後、該同時の加熱を瞬時停止し、続けてその次
    に加熱容量の大きい第3の部位と同時に、前記第1,第
    2の部位を同時に高周波加熱し、所定時間経過後、該同
    時の加熱を瞬時停止し、以下同様に、続けて加熱容量の
    最も小さな第nの部位と同時に、前記第1,第2,‥
    ‥,第n−1の部位を同時に高周波加熱し、所定時間経
    過後、該同時の加熱を停止し、しかる後に前記第1,第
    2,‥‥,第nの部位を同時に冷却手段で冷却すること
    により、前記ワーク形状の熱容量の異なる前記n箇所の
    部位を、同時に焼入することを特徴とする高周波焼入装
    置。
  5. 【請求項5】 1台の発振機で、ワークの形状の異なる
    n(nは、2以上の整数)箇所の部位を、同時に高周波
    焼入れする装置において、 前記ワークの形状の異なる前記n箇所の部位の外周上
    に、それぞれ、または選択的に高周波誘導加熱コイルを
    載置し、前記ワークをその中心軸を中心に回転せしめ
    て、前記高周波誘導加熱コイルを前記部位のそれぞれの
    外周に追従させ、 回転検出手段により、前記ワークの回動角度位置または
    回転数を検知し、 制御手段により、前記検出手段からの信号により、前記
    ワークの回動角度位置または回転数が、焼入に最適なワ
    ーク回動角度位置または回転数となったときに、前記ワ
    ークの加熱容量の最も大きな第1の部位を先に高周波加
    熱し、所定時間経過後、該加熱を瞬時停止し、続けて次
    に加熱容量の大きい第2の部位と同時に、前記第1の部
    位を同時に高周波加熱し、所定時間経過後、該同時の加
    熱を瞬時停止し、続けてその次に加熱容量の大きい第3
    の部位と同時に、前記第1,第2の部位を同時に高周波
    加熱し、所定時間経過後、該同時の加熱を瞬時停止し、
    以下同様に、続けて加熱容量の最も小さな第nの部位と
    同時に、前記第1,第2,‥‥,第n−1の部位を同時
    に高周波加熱し、所定時間経過後、該同時の加熱を停止
    し、しかる後に前記第1,第2,‥‥,第nの部位を同
    時に冷却することにより、前記ワーク形状の熱容量の異
    なる前記n箇所の部位を、同時に焼入することを特徴と
    する高周波焼入装置。
  6. 【請求項6】 前記1台の発振機と、前記高周波誘導加
    熱コイルとの間に、変成器が配設されることを特徴とす
    る請求項4または請求項5に記載の高周波焼入装置。
  7. 【請求項7】 前記制御手段は、前記加熱を瞬時停止す
    るとき、すなわち前記熱容量の大きな部位の加熱を停止
    し、続けて前記次に加熱容量の大きい部位と同時に加熱
    し始める間に、前記発振機の出力をオフすると同時に、
    出力切替器を動作させるか、または該出力切替器の接続
    動作の完了直前に前記発振機の出力をオフし、該出力切
    替器の接続動作の完了後、直ちに前記発振機の出力をオ
    ンさせることを特徴とする請求項4または請求項5に記
    載の高周波焼入装置。
JP2001041088A 2001-02-19 2001-02-19 高周波焼入方法とその装置 Expired - Fee Related JP3668433B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001041088A JP3668433B2 (ja) 2001-02-19 2001-02-19 高周波焼入方法とその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001041088A JP3668433B2 (ja) 2001-02-19 2001-02-19 高周波焼入方法とその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002241840A true JP2002241840A (ja) 2002-08-28
JP3668433B2 JP3668433B2 (ja) 2005-07-06

Family

ID=18903582

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001041088A Expired - Fee Related JP3668433B2 (ja) 2001-02-19 2001-02-19 高周波焼入方法とその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3668433B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011181217A (ja) * 2010-02-26 2011-09-15 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 誘導加熱方法および誘導加熱装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011181217A (ja) * 2010-02-26 2011-09-15 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 誘導加熱方法および誘導加熱装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3668433B2 (ja) 2005-07-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3524037B2 (ja) クランクシャフトの高周波焼戻方法及び装置
JP2002501981A (ja) クランクシャフト用誘導加熱焼入れ装置
JP5277545B2 (ja) 高周波熱処理方法、及び高周波熱処理装置
JP2004052013A (ja) 高周波誘導加熱コイル体
JP2002241840A (ja) 高周波焼入方法とその装置
JP2000087134A (ja) 段付き軸体の誘導加熱コイルおよび焼入装置
JP3932809B2 (ja) 低歪焼入装置と焼入方法
JP3676215B2 (ja) カムシャフトの低歪高周波焼入方法とその装置
JP4508473B2 (ja) カムシャフトの高周波焼入方法
JP2002167620A (ja) カムシャフトの高周波焼入方法とその装置
JP2002348614A (ja) クランクシャフトの高周波焼入方法とその装置
JP2709556B2 (ja) 薄肉リング状ワークの高周波焼入方法
JP2004131823A (ja) ラックバーの高周波焼入方法及び装置
JP4101722B2 (ja) カムシャフトの高周波誘導加熱装置
JP4477989B2 (ja) クランクシャフトの高周波焼入装置
JP2001131637A (ja) 歪形ワークの加熱装置
JP2008214698A (ja) 高周波焼き入れ装置及び方法
JP2003342640A (ja) 傘歯車の高周波焼入方法及び装置
JP2004315851A (ja) ラックバーの高周波焼入方法及び装置
JP4076801B2 (ja) リング部材の誘導加熱焼入方法及び装置
JP3878829B2 (ja) 段付き軸状ワーク用高周波加熱装置
JP2005330520A (ja) 高周波焼入方法および装置
JP2003073738A (ja) 軸状部材の高周波焼入方法とその装置
JP2006019230A (ja) 誘導加熱装置及び誘熱焼入装置
JP2001303132A (ja) クランクシャフトのピン部の高周波焼入方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041001

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050114

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050315

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050408

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090415

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100415

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100415

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110415

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120415

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130415

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140415

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees