JP2002348614A - クランクシャフトの高周波焼入方法とその装置 - Google Patents

クランクシャフトの高周波焼入方法とその装置

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JP2002348614A
JP2002348614A JP2001156320A JP2001156320A JP2002348614A JP 2002348614 A JP2002348614 A JP 2002348614A JP 2001156320 A JP2001156320 A JP 2001156320A JP 2001156320 A JP2001156320 A JP 2001156320A JP 2002348614 A JP2002348614 A JP 2002348614A
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pin
journal
heating coil
crankshaft
diameter
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JP2001156320A
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Hideaki Katanuma
秀明 片沼
Takayuki Onozawa
隆幸 小野澤
Haruo Fujimaki
春雄 藤巻
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DKK Co Ltd
Original Assignee
Denki Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピン径又はジャーナル径の異なるクランクシ
ャフトを、それぞれ1台のピン用又はジャーナル用高周
波誘導加熱コイルで加熱後、冷却する。 【解決手段】 クランクシャフト(被加工物:ワーク)
100のピン部120,140,‥‥及びジャーナル部
110,130,‥‥(例えば、ピン部180)に高周
波誘導加熱コイル2を載置し、ワーク100をその中心
軸を中心に回転させて、高周波誘導加熱コイル2を該ピ
ン部等に追従させつつ、高周波誘導加熱後、該ピン部等
を冷却して、その表面を焼入れするに際し、前記ピン部
等のピン径が異なるワーク100を、1台のピン用高周
波加熱コイル2により加熱、冷却し、前記ジャーナル部
のジャーナル径が異なるワーク100を、1台のジャー
ナル用高周波加熱コイル200により加熱、冷却する高
周波焼入方法である。ピン部等の高周波誘導加熱コイル
の段取り交換をなくし、サイクルタイムの短縮を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガソリンエンジン
又はジーゼルエンジン用のクランクシャフトのピン部と
ジャーナル部を高周波焼入れする高周波焼入方法及びそ
の装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図5に示すように、この種の4気筒(4
L)のクランクシャフト100は、鍛造加工によりピン
部120,140,160,180とジャーナル部11
0,130,150,170,190とが一体成型され
ている。従来、前記クランクシャフト100のピン部1
20,140,160,180とジャーナル部110,
130,150,170,190の高周波焼入れは、該
クランクシャフト100を、その中心軸Xのまわりに回
転させながら、該ピン部120,140,160,18
0とジャーナル部110,130,150,170,1
90に、それぞれ高周波誘導加熱コイル(以下、単に高
周波加熱コイルという)を載置し、前記回転に追従して
誘導加熱後、冷却を行い高周波焼入れを施工している。
【0003】前記ピン部120,140,160,18
0の形状は、該ピン部同士は同じのため、前記ピン部1
80を例に説明する。図6に前記クランクシャフト10
0の一部断面を示すように、該ピン部180の形状は、
円柱部181と、該円柱部181に続くR部182と、
該R部182に続き前記クランクシャフト100の軸方
向に直角に形成されたスラスト部183から成る。
【0004】図6(a)に示す硬化層187は、前記円
柱部181のみの焼入れによって得られたものである。
このような焼入れの仕方を平焼入れと称している。他
方、図6(b)に示す硬化層187は、前記円柱部18
1とR部182とスラスト部183が連続して焼入れに
よって得られたものである。このような焼入れの仕方を
フィレットR焼入れと称している。通常、前記クランク
シャフト100は、エンジンの排気量により多種のクラ
ンクシャフトがあり、そのピン部及びジャーナル部の形
状も多種異なっている。
【0005】前記クランクシャフト100に高周波焼入
れを行い、図6(a)及び図6(b)に示す硬化層18
7を得るためには、ピン径及びピンスラスト幅に対応し
た高周波加熱コイルを使用する必要があり、該ピン径及
びジャーナル径が異なるクランクシャフトには、該ピン
径及びジャーナル径に対応した数の高周波加熱コイルが
必要であった。このため、焼入作業においては、予め異
なる焼入部位ごとに高周波加熱コイルを製作し、それぞ
れ高周波加熱コイルを交換することで対処していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図7に、追
従ユニット30ヘの高周波加熱コイル2の取付を示す。
図7に示すように、薄型変成器31は、追従ユニット3
0内のべース板32に固定されている。前記薄型変成器
31は、前記べース板32を介して、追従アーム33
a,33bにより吊り下げられている。該べース板32
には、前記薄型変成器31と高周波加熱コイル2との接
続操作が容易に行えるように、該高周波加熱コイル2を
固定するための固定アーム34が取り付られている。前
記高周波加熱コイル2の取り外しは、前記アーム固定ピ
ン35を緩めてD方向に倒し、前記固定アーム34をE
方向に下げ、該高周波加熱コイル2をF方向に前記固定
アーム34上で引き出して、該高周波加熱コイル2を前
記追従ユニット30から外すことができる構造になって
いる。前記追従ユニット30は、1台の薄型変成器31
に前記高周波加熱コイル2を1台を取り付ける構造にな
っている。
【0007】しかしながら、前記クランクシャフト10
0が多種となると、高周波焼入装置として、以下のよう
な問題点があった。 1)高周波加熱コイル2の台数が増えることにより、コ
ストが増大する。 2)クランクシャフト100の機種切り替えに伴う高周
波加熱コイル2の交換時間及び品質確認のための時間が
増大する。 3)自動段取りの場合は、前記高周波加熱コイル2の台
数に合わせた、追従機構及び電源系統の増加により、高
周波焼入装置のスペースが拡大するとともに、コストが
増大る。
【0008】次いで、前記ビン部120,140,16
0,180及び前記ジャーナル部110,130,15
0,170,190の円柱部と前記高周波加熱コイル2
との関係について述べる。前記ピン部と前記ジャーナル
部は、共に円柱形状であるから、以下については、前記
ピン部を例にとり説明する。
【0009】図8(a)に、Aワーク(クランクシャフ
ト)用高周波加熱コイル頭部4とAワークのビン径の位
置関係を示し、図8(b)に、Aワーク用高周波加熱コ
イル頭部4とBワーク(クランクシャフト)のピン径の
位置関係を示す。(この場合、Aワークピン径>Bワー
クピン径)
【0010】図8(a)は、従来の位置関係である。前
記Aワークと前記Bワークの装置のビン径に共用して、
1台の高周波加熱コイル2で焼入れするには、ピン径が
大きいAワーク用高周波誘導加熱コイル2で、ピン径の
小さいBワークを焼入れすることになる。ここで、接触
子10a,10b,10cは、前記ワークA又はBの誘
導加熱される円柱部と前記高周波加熱コイル頭部4との
間を、僅かな隙間で保つための3箇所(3箇所とは、前
記高周波加熱コイル頭部4のほぼ真上の中央部分と、そ
れらの両端部分)に添うように装着される、セラミック
製又は超硬製の部材である。
【0011】図8(a)に示すように、Aワークが図で
時計方向に回転することにより該Aワーク(円柱部)
は、接触子10bと接触子10cとで接触することにな
る。
【0012】その理由は、前記高周波加熱コイル2を前
記ピン部円柱部に載置させて前記ワークAを、その中心
軸を中心に回転させた場合、前記追従ユニット30全体
の荷重が前記接触子10bからピン部円柱部にかかるの
で、該接触子10bと該ピン部円柱部に摩擦抵抗が生じ
る。前記ピン部の、時計方向の回転に伴い前記接触子1
0bは、摩擦抵抗力によりY方向へ移動する。前記接触
子10a,10b,10cは前記高周波加熱コイル2内
で固定されていることから、3個の前記接触子10a,
10b,10cがY右向に移動する。
【0013】したがって、前記ピン部円柱部と前記高周
波誘熱コイル2との接触は、2個の接触子10b,10
cとなる。つまり、前記高周波加熱コイル2からみて、
前記Aワークの回転方向のIN側の前記接触子10cと
中央部分接触子10bとで、該ピン部円柱部と接触す
る。このため、前記一方のIN側のクリアランス(G
1)が他方のOUT側のクリアランス(G2)より小さく
なる。
【0014】図8(b)に示すように、前記Bワークの
場合、従来のAワーク用高周波加熱コイル2では、高周
波加熱コイル頭部4の2個の加熱導体の中で、前記一方
のIN側の1個の加熱導体とピン径のクリアランス(G
3)が、前記他方のOUT側のクリアランス(G4)より
狭くなりすぎて、高周波焼入れに使用できる範囲ではな
い。該クリアランスが狭くなりすぎると、該Bワークと
加熱導体の接触及び該ワークBに溶解を引き起こすとい
う問題点があった。
【0015】また、別の方法として、高周波加熱コイル
頭部4について、2個の加熱導体のワーク対向面の曲率
を大きくし、ピン径とのクリアランスを広くすること
で、ピン径と加熱導体の接触及び焼入ワークの溶解を防
ぐことが可能であるが、クリアランスが広くなることに
よる加熱効率の低下、及び加熱バランスの崩れによる焼
入れバターン(焼入幅と硬化深さ)の変形等の問題点が
あった。
【0016】本発明はかかる点を鑑みなされたもので、
その目的は前記問題点を解消し、ピン径の異なるクラン
クシャフトを1台のピン用高周波誘導加熱コイルで加熱
後冷却し、また、ジャーナル径の異なるクランクシャフ
トを1台のジャーナル用高周波誘導加熱コイルで加熱後
冷却することにより、ピン部及びジャーナル部の高周波
誘導加熱コイルの段取り交換をなくして、サイクルタイ
ムの短縮及び設備コストの削減を図るクランクシャフト
の高周波焼入方法とその装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明の構成は、クランクシャフトのピン部及びジャ
ーナル部の円柱部の外周上に高周波誘導加熱コイルを載
置し、前記クランクシャフトをその中心軸を中心に回転
せしめて前記高周波誘導加熱コイルを前記円柱部外周に
追従させつつ、前記円柱部、フィレットR部及びフィレ
ット部を高周波誘導加熱し、しかる後に前記ピン部及び
ジャーナル部を冷却して、前記ピン部及びジャーナル部
の表面を焼入れするに際し、前記ピン部のピン径が異な
る前記クランクシャフトの該ピン部を、1台のピン用高
周波誘導加熱コイルにより加熱、冷却し、前記ジャーナ
ル部のジャーナル径が異なる前記クランクシャフトの該
ジャーナル部を、1台のジャーナル用高周波誘導加熱コ
イルにより加熱、冷却するクランクシャフトの高周波焼
入方法である。
【0018】前記ピン径及び前記ジャーナル径がそれぞ
れ異なる前記クランクシャフトの前記ピン部及び前記ジ
ャーナル部をそれぞれ平焼入れするに際し、前記ピン用
高周波誘導加熱コイルの適用できる許容範囲は、ピン最
大径から該最大径の70%までのピン径に、また、前記
ジャーナル用高周波誘導加熱コイルの適用できる許容範
囲は、ジャーナル最大径から該最大径の70%までのジ
ャーナル径にするクランクシャフトの高周波焼入方法で
ある。
【0019】前記ピン径及び前記ジャーナル径がそれぞ
れ異なる前記クランクシャフトを前記ピン部及び前記ジ
ャーナル部をそれぞれフィレットR焼入れするに際し、
前記ピン用高周波誘導加熱コイルの適用できる許容範囲
は、ピン最大径から該最大径の85%までのピン径に、
また、前記ジャーナル用高周波誘導加熱コイルの適用で
きる許容範囲は、ジャーナル最大径から該最大径の85
%までのジャーナル径にするクランクシャフトの高周波
焼入方法である。
【0020】前記ピン用高周波誘導加熱コイル及び前記
ジャーナル用高周波誘導加熱コイルのそれぞれの頭部
は、2組の加熱導体から形成され、前記クランクシャフ
トの回転方向のIN側に配置される一方の1組の加熱導
体の、前記ピン及び前記ジャーナルのそれぞれの外周面
に対向する面の曲率が、該クランクシャフトの回転方向
のOUT側に配置される他方の1組の加熱導体の、前記
ピン及び前記ジャーナルのそれぞれの外周面に対向する
面の曲率より大きくされるクランクシャフトの高周波焼
入方法である。
【0021】クランクシャフトのピン部及びジャーナル
部の円柱部の外周上に高周波誘導加熱コイルを載置し、
前記クランクシャフトをその中心軸を中心に回転せしめ
て前記高周波誘導加熱コイルを前記円柱部外周に追従さ
せつつ、前記円柱部、フィレットR部及びフィレット部
を高周波誘導加熱し、しかる後に前記ピン部及びジャー
ナル部を冷却して、前記ピン部及びジャーナル部の表面
を焼入する装置において、前記ピン部のピン径が異なる
前記クランクシャフトの該ピン部を加熱、冷却する1台
のピン用高周波誘導加熱コイルと、前記ジャーナル部の
ジャーナル径が異なる前記クランクシャフトの前記ジャ
ーナル部を加熱、冷却する1台のジャーナル用高周波誘
導加熱コイルとが設けられるクランクシャフトの高周波
焼入装置である。
【0022】前記ピン径及び前記ジャーナル径がそれぞ
れ異なる前記クランクシャフトの前記ピン部及び前記ジ
ャーナル部をそれぞれ平焼入れする装置であり、前記ピ
ン用高周波誘導加熱コイルは、適用できる許容範囲がピ
ン最大径から該最大径の70%までのピン径で、また、
前記ジャーナル用高周波誘導加熱コイルは、適用できる
許容範囲がジャーナル最大径から該最大径の70%まで
のジャーナル径であるクランクシャフトの高周波焼入装
置である。
【0023】前記ピン径及び前記ジャーナル径がそれぞ
れ異なる前記クランクシャフトの前記ピン部及び前記ジ
ャーナル部をそれぞれフィレットR焼入れする装置であ
り、前記ピン用高周波誘導加熱コイルは、適用できる許
容範囲がピン最大径から該最大径の85%までのピン径
で、また、前記ジャーナル用高周波誘導加熱コイルは、
適用できる許容範囲がジャーナル最大径から該最大径の
85%までのジャーナル径であるクランクシャフトの高
周波焼入装置である。
【0024】前記ピン用高周波誘導加熱コイル及び前記
ジャーナル用高周波誘導加熱コイルのそれぞれの頭部
は、2組の加熱導体から形成され、前記クランクシャフ
トの回転方向のIN側に配置される一方の1組の加熱導
体の、前記ピン及び前記ジャーナルのそれぞれの外周面
に対向する面の曲率が、該クランクシャフトの回転方向
のOUT側に配置される他方の1組の加熱導体の、前記
ピン及び前記ジャーナルのそれぞれの外周面に対向する
面の曲率より大きく形成されるクランクシャフトの高周
波焼入装置である。
【0025】前記高周波誘導加熱コイルは、前記ピン部
及び前記ジャーナル部のそれぞれの円柱部を跨ぐよう
に、半開放殼形状に形成されるとともに、前記ピン部又
は前記ジャーナル部のそれぞれを跨いだ状態で、前記ク
ランクシャフトの回転運動に対して、追従機構により遊
動可能に配設されるクランクシャフトの高周波焼入装置
である。
【0026】本発明のクランクシャフトの高周波焼入方
法とその装置は、以上のように構成されているので、前
記高周波加熱コイル頭部のワーク回転方向のIN側であ
る1組の加熱導体を、他方の1組であるワーク回転方向
のOUT側の加熱導体よりワーク対向面の曲率を大きく
することで、ピン径とIN側の前記1組の加熱コイル導
体のクリアランス(G3)を所定の隙間とし、1台の高
周波加熱コイルでピン部の高周波誘導加熱を可能にす
る。また、前記ジャーナル部についても、同様にして、
1台の高周波加熱コイルでジャーナル部の高周波誘導加
熱を可能にしている。
【0027】本発明は、ピン径の異なるクランクシャフ
トを1台の高周波加熱コイルで、加熱後、冷却すること
により、前記ピン部及び前記ジャーナル部のそれぞれの
高周波誘導加熱コイルの段取り交換をなくして、サイク
ルタイムの短縮及ぴ設備コストの削減を図ることができ
る。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の好
適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。図1は、本
発明のクランクシャフトの高周波焼入方法とその装置の
一実施の形態を示す、高周波焼入装置の構成外観図、図
2は、前記クランクシャフトのピン部又はジャーナル部
の円柱部を平焼入れするために使用される半開放殼形の
高周波誘導加熱コイル(以下、単に高周波加熱コイルと
いう)の構成図、図3は、前記クランクシャフトのピン
部又はジャーナル部の円柱部をフィレットR焼入れする
ために使用される半開放殼形の高周波加熱コイルの構成
図であり、図5ないし図7に記載された構成要素と同一
要素には、同一符号を付してその説明を省略する。
【0029】本実施の形態に示す高周波焼入装置1によ
り、4気筒エンジンのクランクシャフト(被加工物とし
てのワーク)100の全ピン部及びジャーナル部の高周
波焼入処理を行う。
【0030】図1において、前記高周波焼入装置1は、
被加工物である、材質が鋼材または炭素鋼材からなる前
記ワーク100を、高周波誘導加熱、冷却の工程の内
で、前記ワーク100の前記ピン部及び前記ジャーナル
部のそれぞれの円柱部を、図2に示す1台の前記高周波
加熱コイル2を使用して、順次、平焼入れするととも
に、前記それぞれの円柱部を、図3に示す1台の前記高
周波加熱コイル200を使用して、順次、フィレットR
焼入れする装置である。ここでは、主として、前記ピン
部の平焼入れする場合について説明する。前記ワーク1
00の前記ジャーナル部の円柱部の平焼入れや、前記ピ
ン部及び前記ジャーナル部のそれぞれの円柱部のフィレ
ットR焼入れについては、前記ピン部の平焼入れする場
合と同様であるので、その説明を省略する。
【0031】該高周波焼入装置1は、前記ワーク100
の全ピン部120,140,160,180のそれぞれ
を平焼入するため、図2又は図3に示す1台の高周波加
熱コイル2又は200と、高周波電源6として、1kH
z〜40kHzの高周波電力を前記高周波加熱コイル2
又は200に供給する1台の高周波発振機と、制御装置
11と、前記高周波加熱コイル2又は200を位置決め
する位置決め機構12と、該ワーク100を支持するチ
ャック機構13と、前記チャック機構13のチャック1
3a,13bを保持するとともに、該ワーク100の中
心軸Xを中心にある一定回転で回転駆動させる回転駆動
装置14と、その回転検出器15と、該ワーク100を
搬入し、所定位置に配置するとともに、焼入後、外部に
搬出する搬送装置16とから構成される。なお、17
は、該ワーク100の取付時などに使用される往復動機
構である。
【0032】前記構成のうち、前記高周波加熱コイル2
は、前記ワーク100の前記ピン部120,140,1
60,180のそれぞれに、順次、前記制御装置11の
指令に基づく前記位置決め機構12により、前記追従ユ
ニット30を介して選択的に載置されるとともに、ピン
径の異なるそれぞれの円柱部を平焼入れする。また、前
記高周波加熱コイル200は、同様に前記ワーク100
の前記ピン部120,140,160,180のそれぞ
れに、順次、前記制御装置11の指令に基づく前記位置
決め機構12により、前記追従ユニット30を介して選
択的に載置され、ピン径の異なるそれぞれの円柱部をフ
ィレットR焼入れする。
【0033】図2に示す前記平焼入れ用高周波加熱コイ
ル及び図3に示す前記フィレットR焼入れ用高周波加熱
コイル200は、ともに、黄銅製の一対の側板(コイル
保持板)3a,3bと、この側板3a,3b間に取付け
られた半開放殼形の高周波加熱コイル頭部4,4と、該
高周波加熱コイル頭部4,4に給電線5,5を介して、
高周波電力を供給する高周波電源(高周波発振機)6
と、前記側板3a,3bの下端に取付られて前記高周波
加熱コイル頭部4,4の下方位置に配置された焼入冷却
用の一対の冷却液噴射ジャケット(噴射環)7,7と、
前記高周波電源6と前記給電線5とを接続するための一
対の接続端子8,8と、接続端子8,8および給電線
5,5を保持するために前記側板3a,3bの上端側に
取付けられた絶縁性材料からなるブロック9と、前記ワ
ーク100の誘導加熱される円柱部(例えば、前記ピン
部180)と前記高周波加熱コイル頭部4,4との間
を、僅かな隙間で保つための複数箇所(本実施の形態で
は、3箇所で、前記高周波加熱コイル頭部4,4のほぼ
真上の中央部分と、それらの両端部分)に添うように装
着される、セラミック製又は超硬製の接触子10a,1
0b,10cとをそれぞれ具備している。
【0034】ここで、前記高周波加熱コイル2又は20
0は、それぞれの上方で、前記追従ユニット30によっ
て直下状態で保持されている。そして、前記ワーク10
0の中心軸Xを中心に回転されるのに伴い、前記追従ユ
ニット30により、前記高周波加熱コイル頭部4,4
が、前記ワーク100の誘導加熱される円柱部、例え
ば、前記ピン部180の円柱部上に載置された状態のま
ま、前記高周波加熱コイル2又は200が該ピン部18
0の円柱部に追従して移動し得るように構成されてい
る。(以下、代表的に、前記ピン部180について説明
する)
【0035】なお、前記ワーク100の回転時には、前
記ビン部180の円柱部外周面に、例えば2個の接触子
10b,10cが当接され、これにより前記高周波加熱
コイル頭部4の半円状部と前記ピン部180の外周面と
が、僅かな所定間隔を隔てて前記ピン部180上に載置
された状態で、該ピン部180が高周波加熱コイル頭部
にて高周波誘導加熱されるようになっている。
【0036】また、前記一対の冷却液噴射ジャケット
7,7には、冷却液供給用パイプ20がそれぞれ接続さ
れており、冷却液が、図示しない冷却液供給源から、こ
れらのパイプ20を通して前記冷却液噴射ジャケット
7,7に供給されるので、この冷却液噴射ジャケット
7,7から所定のタイミングで冷却液が前記ピン部18
0に向けて噴射されるように構成されている。
【0037】なお、前記制御装置11は、前記ワーク1
00の前記ピン部120,140,160,180を、
順次、選択して、前記位置決め機構12に指令する。前
記位置決め機構12は、前記制御装置11からの指令に
より、前記選択された前記ピン部に対応する位置に、前
記追従ユニット30を介して前記高周波加熱コイル2又
は200を位置決めして、選択された該ピン部上に載置
する。前記制御装置11は、さらに、内蔵される高周波
加熱制御プログラムにしたがって、前記高周波電源6か
ら、前記高周波加熱コイル2又は200に加熱電力を切
替、制御する。なお、同時に、前記制御装置11には、
前記回転検出器15から、前記ワーク100がその中心
軸Xを中心として回転するとき、その回動角度位置信号
または回転数信号が入力されている。
【0038】前記チャック機構13は、チャック13
a,13bからなり、前記ワーク100は、その長手方
向の両端を、前記チャック13a,13bにより、固
定、支持される。そして、前記一方のチャック13a
は、回転駆動装置14のヘッドセンタユニット14a
に、前記他方のチャック13bは、前記回転駆動装置1
4のテールセンタユニット14bにそれぞれ回転自在に
保持される。前記回転駆動装置14により、該ワーク1
00の中心軸Xを中心にある一定回転で回転駆動させる
とき、前記回転検出器15により、その回動角度位置ま
たは回転数を検知して、その検出信号を前記制御装置1
1に出力する。
【0039】また、前記回転駆動装置14のヘッドセン
タユニット14aとテールセンタユニット14bは、前
記ワーク100の取付けのため、その長手方向に、往復
動機構17のそれぞれの流体圧シリンダ装置(流体圧に
よりピストンを駆動させる)17a,17bにより駆動
可能になっている。
【0040】図4(a)及び図4(b)に、本実施の形
態に係るA,Bワーク共用の高周波加熱コイル頭部4,
4とAワークのピン径、及ぴA,Bワーク共用の高周波
加熱コイル頭部4,4とBワークのピン径の位置関係を
示す。図4(a)に示すように、A,Bワーク共用高周
波加熱コイル2又は200は、両側の接触子間(10a
と10cとの間)の距離を、ピン径が大きい前記Aワー
クのピン径より大きくし、該ピン部180の円柱部が中
央部分接触子10bと接触する配置とする。さらに、ワ
ーク回転方向のIN側に位置する1組の加熱導体と前記
ピン部180の円柱部とのクリアランス(G5)を、ワ
ーク回転方向のOUT側に位置する前記ピン部180の
円柱部とのクリアランス(G6)より大きくする。
【0041】その理由は、図4(b)に示すように、前
記ピン径が小さいBワークの場合、ワーク回転方向のI
N側に位置する1組の加熱導体と、前記ピン部の円柱部
とのクリアランス(G7)を所定の範曲とするためであ
る。前記一方のIN側の1組の加熱導体のワーク対向面
の曲率(曲率半径の逆数)を、前記他方のOUT側より
大きくすることで、該加熱導体と前記ピン部の円柱部と
のクリアランス(G7)を所定の範囲とすることができ
る。
【0042】前記他方のOUT側の1組の加熱導体のワ
ーク対向面と、前記ピン部の円柱部とのクリアランス
(G8)は、該ピン部の円柱部の外径が小さくなるほど
大きくなる。前記クリアランス(G8)が大きくなりす
ぎると、高周波誘導加熱範囲を特定することが困難であ
り、所定の焼入硬化層パターンを満足できなくなるの
で、前記ピン部の円柱部の外径を限定することで、前記
クリアランス(G8)を所定の範囲にすることができ
る。これにより、前記Bワークとコイル加熱導体の接触
及びワークに溶解がなく、前記高周波加熱コイル2又は
200で、ピン径の異なるワークを焼入れすることが可
能となる。
【0043】なお、前記ピン径及び前記ジャーナル径が
それぞれ異なる前記クランクシャフトの前記ピン部及び
前記ジャーナル部をそれぞれ平焼入れする場合において
は、前記ピン用高周波誘導加熱コイルの適用又は使用で
きる許容範囲は、ピン最大径から該最大径の70%まで
のピン径に、また、前記ジャーナル用高周波誘導加熱コ
イルの適用又は使用できる許容範囲は、ジャーナル最大
径から該最大径の70%までのジャーナル径にするのが
よい。
【0044】また、前記ピン径及び前記ジャーナル径が
それぞれ異なる前記クランクシャフトを前記ピン部及び
前記ジャーナル部をそれぞれフィレットR焼入れするば
あいにおいては、前記ピン用高周波誘導加熱コイルの適
用又は使用できる許容範囲は、ピン最大径から該最大径
の85%までのピン径に、また、前記ジャーナル用高周
波誘導加熱コイルの適用又は使用できる許容範囲は、ジ
ャーナル最大径から該最大径の85%までのジャーナル
径にするのがよい。
【0045】前記高周波加熱コイル2又は200を用い
て、前記ピン部の円柱部の平焼入れ及びフィレットR焼
入れを、下記実施例により実施したところ、表面硬さ及
ぴ硬化深さの熱処理品質は、従来と同程度であった。
【0046】[実施例] 以下に、本実施の形態に係わ
る具体的な実施例を示す。 I)平焼入れ (1)ワーク:6気筒クランクシャフト (a)材質S40C (b)ピン部寸法:Aワークのピン径φ53mm、ピン
幅21mm Bワークのピン径φ50mm、ピン幅21mm (2)高周波誘導加熱条件 Aワーク(ビン径φ53mm、ピン幅21mm) (a)周波数:20kHz (b)出力:45kW (c)加熱時間:8秒 (d)回転数:30rpm Bワーク(ピン径φ50mm、ピン幅21mm) (a)周波数:20kHz (b)出力:42kW (c)加熱時間:8秒 (d)回転数:30rpm (3)冷却条件 (a)冷却液:ユーコンクェンチャントA(8%) (b)液温:30℃ (c)流量:各ピン部50L/min (d)冷却時間:10秒
【0047】前記加工条件により前記ピン部の円柱部を
平焼入れを行った。焼入部の硬化層パターンは、図6
(a)に示す形状となり、円柱部中央の硬化層の深さ
は、ピントップ部及びボトム部で、2.0mmをを確保
し、表面硬度は、Hv650以上となり、熱処理品質を
満足した。
【0048】II)フィレットR焼入れ (1)ワーク:4気筒クランクシャフト (a)材質S37C (b)ピン部寸法:Aワークのピン径φ48mm、ピン
幅20mm Bワークのピン径φ45mm、ピン幅20mm (2)高周波誘導加熱条件 Aワーク(ビン径φ48mm、ピン幅20mm) (a)周波数:20kHz (b)出力:81〜59kW (c)加熱時間:14秒 (d)回転数:30rpm Bワーク(ピン径φ45mm、ピン幅20mm) (a)周波数:20kHz (b)出力:76〜56kW (c)加熱時間:14秒 (d)回転数:30rpm (3)冷却条件 (a)冷却液:ユーコンクェンチャントA(8%) (b)液温:30℃ (c)流量:各ピン部80L/min (d)冷却時間:20秒
【0049】前記加工条件により前記ピン部にフィレッ
トR焼入れを行った。焼入部の硬化層パターンは、図6
(b)に示す形状となり、フィレットR部の硬化層の深
さは、ピントップ部及びボトム部で、2.0mmを確保
し、表面硬度は、Hv600以上となり、熱処理品質を
満足した。本実施例の方法により、ピン径の異なる部位
を、それぞれ1台の高周波加熱コイルで、平焼入れ及び
フィレットR焼入れにすることがか可能となった。
【0050】なお、本発明の技術は前記実施の形態にお
ける技術に限定されるものではなく、同様な機能を果た
す他の態様の手段によってもよく、また本発明の技術
は、前記構成の範囲内において、種々の変更、付加が可
能である。
【0051】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
クランクシャフトの高周波焼入方法によれば、ピン部の
ピン径が異なる前記クランクシャフトの該ピン部を、1
台のピン用高周波誘導加熱コイルにより加熱、冷却し、
前記ジャーナル部のジャーナル径が異なる前記クランク
シャフトの該ジャーナル部を、1台のジャーナル用高周
波誘導加熱コイルにより加熱、冷却するので、前記ピン
部及び前記ジャーナル部の高周波誘導加熱コイルの段取
り交換をなくして、サイクルタイムの短縮及び設備コス
トの削減を図ることができる。
【0052】本発明のクランクシャフトの高周波焼入装
置によれば、ピン部のピン径が異なる前記クランクシャ
フトの該ピン部を加熱、冷却する1台のピン用高周波誘
導加熱コイルと、前記ジャーナル部のジャーナル径が異
なる前記クランクシャフトの前記ジャーナル部を加熱、
冷却する1台のジャーナル用高周波誘導加熱コイルとが
設けられるので、前記ピン部及び前記ジャーナル部の高
周波誘導加熱コイルの段取り交換をなくして、サイクル
タイムの短縮及び設備コストの削減を図ることができ
る。
【0053】そして、本発明によれば、前述のとおり、
前記クランクシャフトを品質の優れた高周波焼入を行う
ことができ、全体の作業性を向上させることができると
いう優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクランクシャフトの高周波焼入方法と
その装置の一実施の形態を示す、高周波焼入装置の構成
外観図である。
【図2】前記クランクシャフトのピン部又はジャーナル
部の円柱部を平焼入れするために使用される半開放殼形
の高周波誘導加熱コイルの構成図である。
【図3】前記クランクシャフトのピン部又はジャーナル
部の円柱部をフィレットR焼入れするために使用される
半開放殼形の高周波誘導加熱コイルの構成図である。
【図4】本実施の形態を説明する高周波加熱コイル頭部
とピン径が異なるワークとの位置関係を示す図で、図4
(a)は、A,Bワーク共用の高周波加熱コイル頭部と
ピン径の大きいAワークとの位置関係を示す図、図4
(b)は、A,Bワーク共用の高周波加熱コイル頭部と
ピン径の小さいBワークとの位置関係を示す図である。
【図5】4気筒エンジン用のクランクシャフトの正面図
である。
【図6】図5のクランクシャフトの従来の焼入部の形状
と硬化層パターンを示す部分断面図で、図6(a)は、
平焼入れを示す断面図、図6(b)は、フィレット焼入
れを示す断面図ある。
【図7】高周波誘導加熱コイルの、追従ユニットへの取
付を示す部分側面図である。
【図8】従来の方法に基づく、高周波加熱コイル頭部と
ピン径が異なるワークとの位置関係を示す図で、図8
(a)は、高周波加熱コイル頭部とピン径の大きいAワ
ークとの位置関係を示す図、図8(b)は、高周波加熱
コイル頭部とピン径の小さいBワークとの位置関係を示
す図である。
【符号の説明】
1 高周波焼入装置 2,200 高周波加熱コイル 4 高周波加熱コイル頭部 6 高周波電源(高周波発振機) 7 冷却液噴射ジャケット(冷却液噴射環) 10a,10b,10c 接触子 11 制御装置 12 位置決め機構 14 回転駆動装置 30 追従ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤巻 春雄 東京都千代田区丸の内3丁目3番1号 電 気興業株式会社内 Fターム(参考) 3K059 AA09 AB24 AD03 AD40 CD48 4K042 AA16 BA13 DA01 DB01 DD04 DF02 EA01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランクシャフトのピン部及びジャーナ
    ル部の円柱部の外周上に高周波誘導加熱コイルを載置
    し、前記クランクシャフトをその中心軸を中心に回転せ
    しめて前記高周波誘導加熱コイルを前記円柱部外周に追
    従させつつ、前記円柱部、フィレットR部及びフィレッ
    ト部を高周波誘導加熱し、しかる後に前記ピン部及びジ
    ャーナル部を冷却して、前記ピン部及びジャーナル部の
    表面を焼入れするに際し、 前記ピン部のピン径が異なる前記クランクシャフトの該
    ピン部を、1台のピン用高周波誘導加熱コイルにより加
    熱、冷却し、前記ジャーナル部のジャーナル径が異なる
    前記クランクシャフトの該ジャーナル部を、1台のジャ
    ーナル用高周波誘導加熱コイルにより加熱、冷却するこ
    とを特徴とするクランクシャフトの高周波焼入方法。
  2. 【請求項2】 前記ピン径及び前記ジャーナル径がそれ
    ぞれ異なる前記クランクシャフトの前記ピン部及び前記
    ジャーナル部をそれぞれ平焼入れするに際し、前記ピン
    用高周波誘導加熱コイルの適用できる許容範囲は、ピン
    最大径から該最大径の70%までのピン径に、また、前
    記ジャーナル用高周波誘導加熱コイルの適用できる許容
    範囲は、ジャーナル最大径から該最大径の70%までの
    ジャーナル径にすることを特徴とする請求項1に記載の
    クランクシャフトの高周波焼入方法。
  3. 【請求項3】 前記ピン径及び前記ジャーナル径がそれ
    ぞれ異なる前記クランクシャフトを前記ピン部及び前記
    ジャーナル部をそれぞれフィレットR焼入れするに際
    し、前記ピン用高周波誘導加熱コイルの適用できる許容
    範囲は、ピン最大径から該最大径の85%までのピン径
    に、また、前記ジャーナル用高周波誘導加熱コイルの適
    用できる許容範囲は、ジャーナル最大径から該最大径の
    85%までのジャーナル径にすることを特徴とする請求
    項1に記載のクランクシャフトの高周波焼入方法。
  4. 【請求項4】 前記ピン用高周波誘導加熱コイル及び前
    記ジャーナル用高周波誘導加熱コイルのそれぞれの頭部
    は、2組の加熱導体から形成され、前記クランクシャフ
    トの回転方向のIN側に配置される一方の1組の加熱導
    体の、前記ピン及び前記ジャーナルのそれぞれの外周面
    に対向する面の曲率が、該クランクシャフトの回転方向
    のOUT側に配置される他方の1組の加熱導体の、前記
    ピン及び前記ジャーナルのそれぞれの外周面に対向する
    面の曲率より大きくされることを特徴とする請求項1に
    記載のクランクシャフトの高周波焼入方法。
  5. 【請求項5】 クランクシャフトのピン部及びジャーナ
    ル部の円柱部の外周上に高周波誘導加熱コイルを載置
    し、前記クランクシャフトをその中心軸を中心に回転せ
    しめて前記高周波誘導加熱コイルを前記円柱部外周に追
    従させつつ、前記円柱部、フィレットR部及びフィレッ
    ト部を高周波誘導加熱し、しかる後に前記ピン部及びジ
    ャーナル部を冷却して、前記ピン部及びジャーナル部の
    表面を焼入する装置において、 前記ピン部のピン径が異なる前記クランクシャフトの該
    ピン部を加熱、冷却する1台のピン用高周波誘導加熱コ
    イルと、前記ジャーナル部のジャーナル径が異なる前記
    クランクシャフトの前記ジャーナル部を加熱、冷却する
    1台のジャーナル用高周波誘導加熱コイルとが設けられ
    ることを特徴とするクランクシャフトの高周波焼入装
    置。
  6. 【請求項6】 前記ピン径及び前記ジャーナル径がそれ
    ぞれ異なる前記クランクシャフトの前記ピン部及び前記
    ジャーナル部をそれぞれ平焼入れする装置であり、前記
    ピン用高周波誘導加熱コイルは、適用できる許容範囲が
    ピン最大径から該最大径の70%までのピン径で、ま
    た、前記ジャーナル用高周波誘導加熱コイルは、適用で
    きる許容範囲がジャーナル最大径から該最大径の70%
    までのジャーナル径であることを特徴とする請求項5に
    記載のクランクシャフトの高周波焼入装置。
  7. 【請求項7】 前記ピン径及び前記ジャーナル径がそれ
    ぞれ異なる前記クランクシャフトの前記ピン部及び前記
    ジャーナル部をそれぞれフィレットR焼入れする装置で
    あり、前記ピン用高周波誘導加熱コイルは、適用できる
    許容範囲がピン最大径から該最大径の85%までのピン
    径で、また、前記ジャーナル用高周波誘導加熱コイル
    は、適用できる許容範囲がジャーナル最大径から該最大
    径の85%までのジャーナル径であることを特徴とする
    請求項5に記載のクランクシャフトの高周波焼入装置。
  8. 【請求項8】 前記ピン用高周波誘導加熱コイル及び前
    記ジャーナル用高周波誘導加熱コイルのそれぞれの頭部
    は、2組の加熱導体から形成され、前記クランクシャフ
    トの回転方向のIN側に配置される一方の1組の加熱導
    体の、前記ピン及び前記ジャーナルのそれぞれの外周面
    に対向する面の曲率が、該クランクシャフトの回転方向
    のOUT側に配置される他方の1組の加熱導体の、前記
    ピン及び前記ジャーナルのそれぞれの外周面に対向する
    面の曲率より大きく形成されることを特徴とする請求項
    5に記載のクランクシャフトの高周波焼入装置。
  9. 【請求項9】 前記高周波誘導加熱コイルは、前記ピン
    部及び前記ジャーナル部のそれぞれの円柱部を跨ぐよう
    に、半開放殼形状に形成されるとともに、前記ピン部又
    は前記ジャーナル部のそれぞれを跨いだ状態で、前記ク
    ランクシャフトの回転運動に対して、追従機構により遊
    動可能に配設されることを特徴とする請求項5ないし請
    求項8のいずれかに記載のクランクシャフトの高周波焼
    入装置。
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