JP3548518B2 - クランクシャフトの高周波加熱コイル体 - Google Patents

クランクシャフトの高周波加熱コイル体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、ガソリンエンジンまたはジーゼルエンジン用のクランクシャフトのピン部とジャーナル部を高周波焼入する高周波加熱コイル体に関し、特に、高周波誘導加熱時に前記ピン部やジャーナル部の外周面に傷が付かない高周波加熱コイル体に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5に示すように、この種の4気筒のクランクシャフト1は、鍛造加工によりジャーナル部11,13,15,17,19とピン部12,14,16,18とが一体成型されている。
従来、前記クランクシャフト1のジャーナル部11,13,15,17,19とピン部12,14,16,18の高周波焼入は、該クランクシャフト1を中心軸Xのまわりに回転させながら、該ジャーナル部11,13,15,17,19とピン部12,14,16,18に、それぞれ高周波加熱コイルを載置し、前記回転に追従して加熱後、冷却を行って高周波焼入を施工している。
【0003】
前記ジャーナル部11,13,15,17,19および前記ピン部12,14,16,18の形状は、該ジャーナル部同士および該ピン部同士は同じのため、前記ジャーナル部11とピン部12を例に説明する。該ジャーナル部11は、図6に示すように円柱部11aと、該円柱部11aに続くR部11bと、それに続き、該クランクシャフト1の軸方向に直角に形成されたスラスト部11cとから成り、該ピン部12は円柱部12aから成る。
そして、図6に示す硬化層11dは前記円柱部11aのみの焼入によって得られ、硬化層12dは前記円柱部12aのみの焼入によって得られる。このような焼入の仕方を平焼入と称している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来、前記クランクシャフト1の平焼入において、図7に示すように、接触部30を伴う図示しない高周波加熱コイル102の誘導により加熱される、例えば、前記ジャーナル部13の円柱部13a外周面における、該接触子3oa,30bとの接触面に、前記高周波加熱コイル102と薄型変成器等の追従機構の荷重による引っ掻き傷が、しばしば発生するという問題点があった。
【0005】
特に、前記ジャーナル部11,13,15,17,19は、ワークとしての該クランクシャフト1の中心軸Xであることから、前記ピン部12,14,16,18に比べて研磨代が少なく、研磨時間を極力削減している。このため、前記引っ掻き傷の大きいものは、焼入後の研磨工程でも前記円柱部外周表面に同傷が残り、品質上、製品として使用できないという問題点を生じていた。
【0006】
すなわち、図7に示すように、前記クランクシャフト1の平焼入用半開放殻型高周波加熱コイル102の接触部30は、接触子30aと接触子30bとで接触子固定板31を挟み、前記高周波加熱コイル102の側板3aと側板3bにねじ部材32により固定されている。
今、該クランクシャフト1のジャーナル部13において、その円柱部13aと前記接触部30との接触は、前記接触子30aの部位33と部位34および前記接触子30bの部位35と部位36である。
【0007】
また、図8に示すように該クランクシャフト1のジャーナル部13の円柱部13aは、前記高周波加熱コイル102により誘導加熱されると、前記円柱部13aの外周表面部位41,42,43が図で上方に膨張する。この膨張に伴い、前記接触部30は、接触子30a,30bの部位34,36のみとなる。
焼入前は、前記接触子30aの部位33,34の間と、接触子30bの部位35,36の間で囲まれる面で、前記円柱部13aの外周表面と接触していたが、加熱時は、接触子30aの部位34と、接触子30bの部位36との線で前記円柱部13aの外周表面とを接触することとなり、このため、前記部位34,36に対応する該ジャーナル部13の円柱部13aの外周表面への荷重が集中する。
【0008】
また、被加熱部の表面である、前記ジャーナル部13の円柱部13aの外周表面は、高周波誘導加熱により表面温度が950℃位になるため、フェライトおよびパーライト組織がオーステナイト組織に変わり柔らかくなる。このため、図9に示すように、焼入後の前記ジャーナル部13の円柱部13aの外周表面に引っ掻き傷51,52が発生する。
このクランクシャフト1の円柱部13aの引っ掻き傷51,52の位置は、前記接触子30a,30bの部位34,36と一致している。
【0009】
本発明はかかる点を鑑みなされたもので、その目的は前記問題点を解消し、高周波焼入をするとき、前記クランクシャフトのジャーナル部やピン部の焼入部に、接触子による引っ掻き傷が発生しないようなクランクシャフトの高周波加熱コイル体を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、前記クランクシャフトのジャーナル部やピン部の焼入後の表面の品質がよく、次の研磨工程に支障がなく作業性のよいクランクシャフトの高周波加熱コイル体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明の構成は、クランクシャフトのピン部とジャーナル部との円柱部を焼入するためのクランクシャフト平焼入用半開放殻型の高周波加熱コイルにおいて、前記高周波加熱コイルのコイル頭部と前記クランクシャフトの被加熱面との間の隙間を一定に保持するために前記円柱部の軸方向の両端側に載置される接触子を有し、前記接触子は、前記接触子と前記円柱部との接触箇所および前記円柱部の軸線を含む平面上での断面形状が曲面となされた部位で該円柱部外周面に接触するように構成するとともに、前記接触子の互いに対向する側において前記曲面が前記円柱部外周面から離れる角度を、前記円柱部外周面の直角方向から傾斜させ、前記接触子の、被加熱部たる前記円柱部の軸方向の接触幅を、前記円柱部の材質および加熱温度に応じて、加熱による前記円柱部の膨張が大きい部分を回避する幅に設定し、これにより、前記円柱部の加熱膨張時に、前記接触子が、前記円柱部の、加熱による膨張が大きい部分の外周面に少なく接触されるようにする。
【0012】
前記接触子の前記円柱部外周面から離れる角度が、前記円柱部外周面の直角方向から30゜〜45゜である。
【0013】
前記接触子の接触幅が、前記円柱部との軸方向の全幅に対して、それぞれ15〜20%である。
【0014】
本発明のクランクシャフトの高周波加熱コイル体は、以上のように構成されているので、該クランクシャフトのジャーナル部とピン部にそれぞれ高周波加熱コイルを載置し、クランクシャフトをその中心軸のまわりに回転させながら、誘導加熱するとき、該クランクシャフトの前記ジャーナル部とピン部の円柱部の外周表面と接触する接触子の接触幅が、高周波誘導加熱による円柱部の膨張が大きい部分で、少なく接触するような幅を有する形状にして、加熱による影響を受けにくくしている。このため、該クランクシャフトの回転中の加熱により生ずる、焼入部と前記接触子の接触や摩捧による引っ掻き傷の発生を皆無、または極めて少なくして、その表面品質の向上を図っている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。図1は、本発明のクランクシャフトの高周波加熱コイル体の一実施の形態を示すクランクシャフト平焼入用半開放殻型の高周波加熱コイルの構成図、図2は、接触子の形状を示す斜視図、図3は、前記接触子を接触部に組み込み、クランクシャフトのジャーナル部の円柱部を高周波誘導加熱した状態を示す断面図である。
【0016】
図1において、クランクシャフト1のジャーナル部11,13,15,17,19およびピン部12,14,16,18のそれぞれの円柱部11a,13a,‥‥,12a,14a,‥‥を高周波誘導加熱後、平焼入するために使用される高周波加熱(誘導加熱)コイル2は、黄銅製の一対の側板(コイル保持板)3a,3bと、この側板3a,3b間に取付けられた半開放殼型の高周波加熱コイル頭部4,4と、該高周波加熱コイル頭部4,4に給電線5,5を介して、高周波電力を供給する高周波電源6と、前記側板3a,3bの下端に取付られて前記高周波加熱コイル頭部4の下方位置に配置された焼入冷却用の一対の冷却液噴射環7,7と、前記高周波電源6と前記給電線5とを接続するための一対の接続端子8,8と、接続端子8,8および給電線5,5を保持するために前記側板3a,3bの上端側に取付けられた絶縁性材料から成るブロック9と、前記高周波加熱コイル頭部4,4の3箇所に添うように装着される接触部10とをそれぞれ具備している。
【0017】
前記接触部10は、前記高周波加熱コイル頭部4,4のほぼ真上の中央部分と、それらの両端部分の3箇所に配設され、各箇所ごとにそれぞれ2個、全体で6個のセラミック製または超硬製の接触子10aを有する。該接触子10aのそれぞれは、前記高周波加熱コイル頭部4,4を、ワークの例えば、前記ジャーナル部11,‥‥‥、ピン部12,‥‥の被加熱部上に載置したとき、該ジャーナル部11,‥‥、ピン部12,‥‥の円柱部11a,‥‥,12a,‥‥の外周面に当接され、該高周波加熱コイル頭部4,4の半円状部と前記ワークの該円柱部11a,‥‥,12a,‥‥との間の僅かな空隙を、所定の距離に保つためのものである。
【0018】
このような前記高周波加熱コイル2は、図示しない支持機構によって直下状態で保持される。そして、前記クランクシャフト1の中心軸Xを中心に回転されるのに伴い、図示しないのワーク追従機構により、前記高周波加熱コイル頭部4,4は前記ワークの前記ジャーナル部11,‥‥、ピン部12,‥‥の上に載置された状態のまま、前記高周波加熱コイル2が該ジャーナル部11,‥‥、ピン部12,‥‥に追従、移動しながら該ジャーナル部11,‥‥、ピン部12,‥‥を高周波誘導加熱し得るように構成されている。
【0019】
また、前記一対の冷却液噴射環7,7には、冷却液供給管20が接続されており、図示しない冷却液供給源から冷却液が供給され、この冷却液噴射環7,7から所定のタイミングで冷却液が前記誘導加熱された前記ジャーナル部11,‥‥、ピン部12,‥‥に向けて噴射され、該ジャーナル部11,‥‥、ピン部12,‥‥を焼入するようになっている。
【0020】
図2に、断面が爪形状の外形を示す前記接触子10a,10bは、装着箇所ごとに2個ずつ使用され、前記接触部10は、図3に示すように、前記接触子10aと接触子10bとの間に前記接触子固定板31を挟み、それぞれの穴10c,10cを介して、前記高周波加熱コイル2の側板3aと側板3bにねじ部材32により螺着、固定されている。
【0021】
前記高周波コイル2を前記クランクシャフト1のジャーナル部11,‥‥、ピン部12,‥‥の円柱部11a,‥‥,12a,‥‥に載置したとき、該円柱部11a,‥‥,12a,‥‥を誘導加熱する前では、それぞれの接触子10a,10bは、図2に示す部位10d,10eにおいて、前記円柱部11a,‥‥,12a,‥‥の外周面とそれぞれ接触する。
【0022】
該接触子10aの部位10d,10eで形成される形状は、前記円柱部11a,‥‥12a,‥…の軸線方向に断面が円弧または曲線形状をなす円柱面または曲面での接触が好ましく、該部位10d,10e間の長さは、誘導加熱される前記ジャーナル部11,‥‥、ピン部12,‥‥の円柱部11a,‥‥、12a,‥‥の材質及び加熱温度により適宜、決定している。すなわち、前記接触子10a,10bの接触幅が、前記円柱部との軸方向の全幅に対して、好ましくは、それぞれ該円柱部端から、15〜20%の範囲である。
また、部位10eと部位10fとの間の垂直方向となす角度は、30°〜45°が好ましい。
かくして、接触子10a,10bは、前記円柱部の軸方向の両端側に載置されるとともに、前記接触子と前記円柱部との接触箇所および前記円柱部の軸線を含む平面上での断面形状が曲面となされた部位(部位10dと部位10eとの間の曲面部)で該円柱部外周面に接触するようになっている。そして、前記接触子の互いに対向する側において前記曲面が前記円柱部外周面から離れる角度が、前記円柱部外周面の直角方向から傾斜され、前記接触子の、被加熱部たる前記円柱部の軸方向の接触幅が、前記円柱部の材質および加熱温度に応じて、加熱による前記円柱部の膨張が大きい部分を回避する幅に設定し、これにより、前記円柱部の加熱膨張時に、前記接触子が、前記円柱部の、加熱による膨張が大きい部分の外周面に少なく接触されるように構成されている。
【0023】
前記接触子10a,10bを使用することにより、図3に示すように、誘導加熱された前記円柱部11a,‥‥,12a,‥‥の部位41,42,43に示す部分が膨張しても、加熱温度が高く膨張が大きい部位42は、該接触子10a,10bとの接触がないので、該部位42には引っ掻き傷が発生しない。また、膨張が少なく表面の加熱温度の低い部位に、前記接触子10a,10bが円柱部11a,‥‥,12a,‥‥と接触部するので、引っ掻き傷が発生しないか、または極めて小さく、次の研磨工程にはほとんど支障がなくなった。
【0024】
[実施例] 本実施の形態における具体的な実施例を以下に示す。
(1)ワーク(被加工物):4気筒クランクシャフト
(a)材質:S45C
(b)ジャーナル部寸法:ジャーナル外径60mm、ジャーナル幅:28mm(2)高周波誘導加熱条件(ジャーナル部)
(a)周波数:20kHz
(b)出力:50kW
(c)加熱時間:10sec
(d)回転数:60rpm
(3)冷却条件
(a)冷却液:ユーコンクェンチャントA(5%)
(b)液温:30℃
(c)流量:50L/min
(d)冷却時間:6sec
【0025】
前記加工条件により、前記クランクシャフト1のピン部を平焼入れを施したときの、円柱部の引っ掻き傷の深さと高さを、従来の高周波加熱コイルと、本発明の高周波加熱コイルを使用したときの結果を比較すると図4のとおりである。図4は、従来の高周波加熱コイルと、本発明の高周波加熱コイルによる引っ掻き傷の程度を示す。「従来のもの」では、傷の深さは、0.055mm、高さは、0.086mmであり、「本発明によるもの」では、傷の深さは、0.014mm、高さは、0.022mmである。本実施例によれば、本発明の高周波加熱コイルを使用したときの傷の深さは、およそ75%減少し、傷の高さは、およそ74%減少したことになる。このため、該クランクシャフト1の次の研磨工程で研磨精度を向上させることができた。
【0026】
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明の技術は前記実施の形態における技術に限定されるものではなく、同様な技術的思想に基づいて各種の変更が可能である。例えば、前記接触子10a,10bの部位10d,10e,10fで形成される形状において、部位10d,10e間の長さ、部位10e,10f間の垂直方向となす角度、部位10e,10f間の長さを変えることや、部位10d,10e,10fをR形状とし、Rの寸法を変えることにより、前記円柱部11a,‥‥,12a,‥‥外周面の膨張が大きい部分を回避するような前記接触子により、その接触面を少なくすることができる。また、本発明の技術は前記構成の範囲内において種々の変更、付加が可能である。
【0027】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明のクランクシャフトの高周波加熱コイル体によれば、高周波加熱コイルのコイル頭部とクランクシャフトの被加熱面との間の隙間を一定に保持するために円柱部の軸方向の両端側に載置される接触子を有し、接触子は、接触子と円柱部との接触箇所および円柱部の軸線を含む平面上での断面形状が曲面となされた部位で該円柱部外周面に接触するように構成するとともに、接触子の互いに対向する側において前記曲面が円柱部外周面から離れる角度を、円柱部外周面の直角方向から傾斜させ、接触子の、被加熱部たる円柱部の軸方向の接触幅を、円柱部の材質および加熱温度に応じて、加熱による円柱部の膨張が大きい部分を回避する幅に設定し、これにより、円柱部の加熱膨張時に、接触子が、円柱部の、加熱による膨張が大きい部分の外周面に少なく接触されるようにしたものであるから、 高周波焼入をするとき、クランクシャフトのジャーナル部やピン部の焼入部に、接触子による引っ掻き傷が発生することなく、また、クランクシャフトのジャーナル部やピン部の焼入後の表面の品質がよく、次の研磨工程に支障がなく、その作業性をよくすることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクランクシャフトの高周波加熱コイル体の一実施の形態を示す、クランクシャフト平焼入用半開放殻型高周波コイルの構成図である。
【図2】図1のクランクシャフトの高周波加熱コイルに使用される接触部のなかの接触子の形状を示す斜視図である。
【図3】図2の接触子を、クランクシャフトの高周波加熱コイルに使用される接触部に組み込み、誘導加熱されるクランクシャフトのジャーナル部の膨張された円柱部に対し、該接触子の接触部位を示す断面図である。
【図4】本実施の形態におけるクランクシャフトの高周波加熱コイル体により、ジャーナル部の円柱部に発生した傷と、従来のものにより発生した傷との比較を示す図である。
【図5】クランクシャフトの正面図である。
【図6】図5のクランクシャフトの焼入部の形状と平焼入の硬化層パターンを示す図である。
【図7】従来の高周波加熱コイルとクランクシャフトのジャーナル部の円柱部との配置と、接触子の接触部位を示す断面図である。
【図8】従来の高周波加熱コイルにより、誘導加熱されるクランクシャフトのジャーナル部の円柱部の膨張と、接触子の接触部位を示す断面図である。
【図9】従来の高周波加熱コイルにより、クランクシャフトのジャーナル部の円柱部の焼入表面に発生した傷の例を示す図である。
【符号の説明】
1 カムシャフト(被加工物)
2,102 高周波加熱コイル
3a,3b3 側板(コイル保持板)
4 高周波加熱コイル頭部
5 給電線
6 高周波電源
7 冷却液噴射環
10,30 接触部
10a,10b,30a,30b 接触子
10d,10e,10f 部位
11,13,15,17,19 ジャーナル部
11a,13a,‥‥,12a,14a,‥‥ 円柱部
11d,12d 硬化層
12,14,16,18 ピン部
31 接触子固定板
33,34,35,36 接触部位
41,42,43 外周表面部位
51,52 引っ掻き傷

Claims (3)

  1. クランクシャフトのピン部とジャーナル部との円柱部を焼入するためのクランクシャフト平焼入用半開放殻型の高周波加熱コイルにおいて、
    前記高周波加熱コイルのコイル頭部と前記クランクシャフトの被加熱面との間の隙間を一定に保持するために前記円柱部の軸方向の両端側に載置される接触子を有し、
    前記接触子は、前記接触子と前記円柱部との接触箇所および前記円柱部の軸線を含む平面上での断面形状が曲面となされた部位で該円柱部外周面に接触するように構成するとともに、
    前記接触子の互いに対向する側において前記曲面が前記円柱部外周面から離れる角度を、前記円柱部外周面の直角方向から傾斜させ、
    前記接触子の、被加熱部たる前記円柱部の軸方向の接触幅を、前記円柱部の材質および加熱温度に応じて、加熱による前記円柱部の膨張が大きい部分を回避する幅に設定し、
    これにより、前記円柱部の加熱膨張時に、前記接触子が、前記円柱部の、加熱による膨張が大きい部分の外周面に少なく接触されるようにしたこと、
    を特徴とするクランクシャフトの高周波加熱コイル体。
  2. 前記接触子の前記円柱部外周面から離れる角度が、前記円柱部外周面の直角方向から30°〜45°であることを特徴とする請求項1に記載のクランクシャフトの高周波加熱コイル体。
  3. 前記接触子の接触幅が、前記円柱部との軸方向の全幅に対して、それぞれ15〜20%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のクランクシャフトの高周波加熱コイル体。
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