JP3954480B2 - クランクシャフトの高周波焼入方法及び装置 - Google Patents

クランクシャフトの高周波焼入方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガソリンエンジン或いはディーゼルエンジン用クランクシャフトのピン部又はジャーナル部を高周波焼入する高周波焼入方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は、4気筒ガソリンエンジン或いはディーゼルエンジン用のクランクシャフト1を示している。このクランクシャフト1にあっては、図6に示すように、鍛造加工によりピン部12,14,16,18及びジャーナル部11,13,15,17,19が一体成形されている。
【0003】
従来、クランクシャフト1のピン部12,14,16,18(又はジャーナル部11,13,15,17,19)を高周波焼入するに際しては、図7に示すように、ピン部12,14,16,18(又はジャーナル部11,13,15,17,19)の上に半開放鞍型の高周波誘導加熱コイル20を所定の僅かな隙間を隔てて載置すると共に、この高周波誘導加熱コイル20に高周波電流を流し、この状態の下で、クランクシャフト1をその中心軸Xのまわりに回転させながら、ピン部12,14,16,18(又はジャーナル部11,13,15,17,19)の回転に高周波誘導加熱コイル20を追従させてこれらの円筒状外周面を高周波誘導加熱し、しかる後に焼入冷却液を噴射して冷却することにより高周波焼入を施すようにしている。
【0004】
一般に、高周波誘導加熱コイル20には、被加熱部への磁束密度を増大せしめて加熱効率を上げる目的のために磁性材(珪素鋼板やダストコア等)が装着され、磁性材が装着された状態の下で高周波誘導加熱コイルが使用されている。しかし、磁性材は、誘導電流による抵抗損や、変位電流による鉄損により発熱し、更に、焼入冷却液による腐食にても劣化する。かくして、磁性材の劣化に伴って被加熱部への投入電力が減少し、被加熱部の焼入硬化層パターンに変化を及ぼし、焼入硬化層不良を生じることがある。こうした懸念を振り払うには、被加熱部の加熱温度を正確に管理することができる高周波焼入方法及び装置が必要となるが、その方法及び装置の一例が特開昭64-15324号公報において提案されている。なお、この特開昭64-15324号公報において提案されているクランクシャフトの高周波焼入方法及び装置は、例えばピン部等の焼入予定部を有限個の区域に分けて各区域毎に実際の温度を温度計21で検出し(図7参照)、この検出温度とヒートマスとの双方の関数として磁束密度を変化させるようにしたものである。
【0005】
【特許文献1】
特開昭64-15324公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の如き焼入品質管理方法及び装置では、図7に示すように半開放鞍型の半円形状の高周波誘導加熱コイル20を被加熱部の直上位置に載置すると共に、この高周波誘導加熱コイル20の下方位置に固定配置された温度計21にて被加熱部の各区域における温度測定を行なうようにているため、次のような問題点がある。
(1) 被焼入体であるクランクシャフト1を保持して上昇及び下降移動させるようないわゆるリフト・アンド・キャリー機構を用いたワーク搬送方式では、ワークであるクランクシャフト1と温度計21とが干渉するという不具合がある。
(2) 焼入冷却液が温度計21に飛散するので、ワーク保持治具へのクランクシャフト1の装着時や焼入冷却液噴射時に温度計21を別位置に移動させる必要があり、この移動機能を備えることに起因して、サイクルタイム(1つ当たりのクランクシャフト1を焼入処理するのに要する時間)の増加並びに焼入設備費の増加を招くという不具合がある。
【0007】
本発明は、このような不具合を解消すべくなされたものであって、その目的は、設備費の増加を抑えることができると共に、被加熱部の温度管理を極めて容易にしかも高精度で行なうことができるようなクランクシャフトの高周波焼入方法及び装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明では、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の円柱部外周面上に半開放鞍型の高周波誘導加熱コイルを載置し、前記クランクシャフトをその中心軸を中心に回転せしめて前記高周波誘導加熱コイルをワーク追従機構により前記円柱部外周面に追従させつつ前記ピン部又はジャーナル部を高周波誘導加熱し、しかる後に、前記ワーク追従機構により前記円柱部外周面に追従される焼入冷却液噴射ジャケットから焼入冷却液を前記円柱部外周面の斜め下方部分に向けて噴射して前記ピン部又はジャーナル部を冷却することにより、前記ピン部及びジャーナル部の表面を焼入するクランクシャフトの高周波焼入方法において、前記高周波誘導加熱コイルによる高周波誘導加熱の前に前記高周波誘導加熱コイル及び前記焼入冷却液噴射ジャケットと共に移動配置される前記ワーク追従機構に、前記高周波誘導加熱コイルによる高周波誘導加熱又は焼入冷却を制御するための温度情報を検出する放射温度計を取付け、前記高周波誘導加熱コイルにて前記ピン部又はジャーナル部を高周波誘導加熱する際、又は焼入冷却の際に前記放射温度計を前記ピン部又はジャーナル部の側方位置であって、かつ、前記ピン部又はジャーナル部の円柱部外周面の斜め下方部分に対応配置される焼入冷却液噴射ジャケットの側方位置に移動配置して、前記焼入冷却液噴射ジャケットの壁に設けられた窓部を通して前記放射温度計により高周波誘導加熱時又は焼入冷却時の被焼入部の温度を測定し、この測定した温度に基づいて高周波誘導加熱又は焼入冷却を制御するようにしている。
また、本発明では、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の円柱部外周面上に載置される半開放鞍型の高周波誘導加熱コイル、並びに、焼入冷却液を前記ピン部又はジャーナル部の円柱部外周面の斜め下方部分に向けて噴射する焼入冷却液噴射ジャケットを保持するコイル支持体と、クランクシャフトをその中心軸を中心に回転させたときに前記高周波誘導加熱コイル及び焼入冷却液噴射ジャケットをクランクシャフトのピン部又はジャーナル部に追従させるべく前記コイル支持体を左右及び上下方向に移動自在に支持するワーク追従機構と、前記コイル支持体及びワーク追従機構の組合体を所定の待機位置から所定の設定位置まで移動させるためのコイル移動機構とを具備するクランクシャフトの高周波焼入装置において、前記ワーク追従機構に放射温度計を付設して、前記高周波誘導加熱コイルによる前記ピン部又はジャーナル部の高周波誘導加熱の際、又は焼入冷却の際に前記放射温度計が前記ピン部又はジャーナル部の側方位置であって、かつ、前記ピン部又はジャーナル部の円柱部外周面の斜め下方部分に対応配置される焼入冷却液噴射ジャケットの側方位置に配置されるように構成すると共に、前記高周波誘導加熱コイルにより所要温度に高周波誘導加熱された前記ピン部又はジャーナル部に焼入冷却液を噴射する前記焼入冷却液噴射ジャケットの壁に窓部を設け、この窓部を通して前記放射温度計による前記ピン部又はジャーナル部の温度検出を行なうように構成し、前記放射温度計にて検出された温度情報に基づいて高周波誘導加熱又は焼入冷却を制御するようにしている
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図1〜図5を参照して説明する。なお、図1〜図5において、図6及び図7と同様の部分には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0010】
図1は、本発明に係るクランクシャフト1のピン部12,14,16,18又はジャーナル部11,13,15,17,19をフィレットR焼入するために使用される高周波焼入装置2を示すものである。ここで、フィレットR焼入について説明すると、次の通りである。まず、ピン部12及び18とピン部14及び16とは図6に示すように位相が互いに180゜ずれた位置に配置されているが、これらの形状はそれぞれ同一に構成されている。以下において、ピン部12を例にとってその形状を説明すると、このピン部12は、図4に示すように、円筒状外周面を有する円柱部141と、この円柱部141に続くR部(角部若しくは隅部)142と、このR部142に続いて形成されかつクランクシャフト1の中心軸Xに対して直角に延びるように形成されたフィレット部143とから成る。かくして、円柱部141,R部142,及びフィレット部143をそれぞれ含む連続した部分の全てを焼入処理するような焼入に仕方を「フィレットR焼入」と称している。
【0011】
高周波焼入装置2は、高周波誘導加熱コイルを保持するコイル支持体3を備えている。このコイル支持体3は、図1及び図2に示すように、黄銅製の一対の側板(保持板)30と、これらの側板30の間に挟持状態で取付けられた半開放鞍型の高周波誘導加熱コイル31と、この高周波誘導加熱コイル31にリード32を介して電力を供給する高周波電源33と、側板30の下端に取付られて高周波誘導加熱コイル31の斜め下方位置に配置された焼入冷却用の一対の焼入冷却液噴射ジャケット34と、高周波電源33とリード32を互いに接続するための一対の接続端子35と、接続端子35及びリード32を保持するために側板30の上端に取付けられた絶縁性材料から成るブロック36と、被加熱部(例えば、ピン部12)と高周波誘導加熱コイル31との間の間隔を僅かな隙間で保つための3個のセラミック製若しくは超硬製の接触子(チップ部材)37とをそれぞれ具備している。
【0012】
また、上述のコイル支持体3は、図1に示す如く4辺リンク機構から成るワーク追従機構4の下部に垂直に吊り下げられた状態で保持され、ワーク追従機構4の機能により左右及び上下方向に移動自在に支持されている。そして、コイル支持体3及びワーク追従機構4の組合体がリフト・アンド・キャリー方式の移動機構(図示せず)によって上昇及び下降移動されるように構成されている。また、高周波誘導加熱コイル31は、クランクシャフト1の被加熱部(例えば、ピン部12)の半円弧形状上面部に対応するように配置されている。かくして、高周波誘導加熱時には、クランクシャフト1の被加熱部の円柱部外周面(例えば、ピン部12の外周面の上半分部分)に例えば3つの接触子37が当接され、これにより高周波誘導加熱コィル31と被加熱部の上半分部分の外周面とが僅かな所定間隔を隔てて被加熱部の円筒状外周面上に載置されると共に、クランクシャフト1がその中心軸Xを中心に回転されるのに伴い、ワーク追従機構4により、高周波誘導加熱コイル31がクランクシャフト1の被加熱部の上に載置された状態のまま、被加熱部の回転動作に追従して移動し得るように構成されている。さらに、本実施形態の高周波誘導加熱コイル31では、被加熱部へ磁束を集中させるために珪素鋼板等の磁性材38が適宜箇所に取付けられている(図2参照)。
【0013】
また、図1及び図2に示すように、ワーク追従機構4によりクランクシャフト1の被加熱部の円柱部外周面円柱部外周面に追従される上述の一対の焼入冷却液噴射ジャケット34には、冷却液供給用パイプ40がそれぞれ接続されており、冷却液供給装置41からこれらのパイプ40を通して焼入冷却液が焼入冷却液噴射ジャケット34に供給され、焼入冷却液噴射ジャケット34から所定のタイミングで焼入冷却液が所要の焼入温度に高周波誘導加熱された被加熱部の部外周面の斜め下方部分に向けて噴射されるように構成されている。
【0014】
更に、本実施形態の高周波焼入装置2では、ワーク追従機構4のベース板(下辺板)4aに垂下状態で固定された取付部材42の下端に、ピン部又はジャーナル部の側方位置であって、かつ、ピン部又はジャーナル部の円柱部外周面の斜め下方部分に対応配置される焼入冷却液噴射ジャケット34の側方位置に配置されるように構成された放射温度計(放射高温計)43が一体に付設されている。この放射温度計43は、高周波誘導加熱コイル31による加熱時に被加熱部の加熱温度を検出するために配設された赤外線温度計等の高温計(パイロメーター)であり、放射温度計43の温度検出部43aが、図2及び図3に示す如く焼入冷却液噴射ジャケット34の壁(ジャケット壁)34aに設けられた窓部44を通して、ピン部12等の被加熱部に対応配置されている。かくして、時間の経過と共に放射温度計43により測定された信号(すなわち、被加熱部の検出温度値)が放射温度計43から検出装置45を介して制御装置46に供給されるように構成されている。なお、この制御装置46は、既述の高周波電源33,ワーク追従機構4,及び冷却液供給装置41等の動作をそれぞれ制御するための装置である。
【0015】
以下に、本発明の具体的な実施例を示す。
実施例
(1) ワーク : 4気筒クランクシャフト
(a) 材質 : S37C
(b) ピン部寸法
直径 : 45mm
幅 : 20mm
(2) 高周波誘導加熱条件
(a) 周波数 : 20kHz
(b) 出力
トップ部 : 50kW
ボトム部 : 68kW
(c) 加熱時間 : 14sec
(d) 回転数 : 30rpm
(3) 冷却条件
(a) 冷却液 : ユーコンクェンチャントA(8%)
(b) 液温 : 30℃
(c) 流量 : 100L/min
(e) 冷却時間 : 20sec
【0016】
上記焼入条件の下で、前記放射温度計43から得られる温度情報をパラメータとして利用して高周波誘導加熱並びに焼入冷却の制御を適宜に行なうことにより、クランクシャフト1のピン部(例えば、ピン部12)をフィレットR焼入したところ、図4に示すような焼入硬化層パターンSを得ることができた。なお、高周波誘導加熱コイル31により高周波誘導加熱された被加熱部(ピン部12)の円柱部141を放射温度計43で測定したところ、図5に示すような結果であった。
【0017】
図4に示すように、ピン部12のトップ部(クランクシャフト1の中心軸Xに相対的に近い側の部分)αはピン部12のボトム部(クランクシャフト1の中心軸Xに相対的に遠い側の部分)βに比べてバランスウエイトWの形状によりスラスト高さが低い(スラスト部143の長さが短い)ので、上記実施例(2)(b)に記載の如く、トップ部αの加熱出力をボトム部βの加熱出力よりも少なくしてフィレットR部の焼入硬化層パターンがほぼ等しくなるように調整している。また、トップ部α及びボトム部βは、フィレットR部142の焼入硬化層をそろえるために、ピン部12の円柱部141の円筒状外周面においては焼入硬化層パターンSがトップ部αよりもボトム部βにおいて深くなる。因みに、トップ部αにおける焼入硬化層深さD1は3mmであり、ボトム部βにおける焼入硬化層深さD2は4mmである。
【0018】
図5に示すように、トップ部αとボトム部βとにおける加熱温度の差が温度カーブの「山」及び「谷」となって計測される。品質規格値の上下限値から時系列温度カーブの幅、或いは、最高温度の幅が求めてられて、その温度の範囲内で焼入品質が放射温度計43からの検出温度値に基づいて高精度で管理される。
【0019】
また、放射温度計43から得られる検出温度値を高周波電源33の制御装置46にフィードバックすることによって、加熱温度により加熱出力を調整することも可能である。
【0020】
以上、本発明の一実施形態について述べたが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。例えば、放射温度計43の取付数を変更する(1個から2個或いは3個等)、また、放射温度計43の取付角度を調整して、被加熱部であるピン部12の円柱部141のみならず、フィレットR部142やスラスト部143の温度を測定することが可能である。特に、放射温度計43をピン部12のオイル潤滑孔(図示せず)を除く位置に設置することによって、温度の測定精度を向上させることができる。また、既述の実施形態では、フィレットR焼入を行なう装置について述べたが、これに限らず、ピン部又はジャーナル部の円柱部の円柱状外周面のみを焼入するいわゆる「フラット焼入」を行なう装置にも本発明を適用可能である。
【0021】
【発明の効果】
以上の如く、本発明係るクランクシャフトの高周波焼入方法及び装置は、高周波誘導加熱コイルを被焼入体であるクランクシャフトのピン部又はジャーナル部に追従させるワーク追従機構に放射温度計を付設して、この放射温度計を高周波誘導加熱時又は焼入冷却時に前記ピン部又はジャーナル部の側方位置であって、かつ、ピン部又はジャーナル部の円柱部外周面の斜め下方部分に対応配置される焼入冷却液噴射ジャケットの側方位置に配置して、焼入冷却液噴射ジャケットの壁に設けられた窓部を通して放射温度計により高周波誘導加熱時又は焼入冷却時の被焼入部の温度を測定し、この測定した温度に基づいて高周波誘導加熱又は焼入冷却を制御するようにしたものであるから、被焼入体であるクランクシャフトと放射温度計とが干渉してクランクシャフトの搬送に支障を来たすような事態の発生を回避することができる。そのため、焼入処理前のクランクシャフトの搬送時に放射温度計を別の位置に移動させるための機構を設ける必要がなく、従って高周波焼入装置の設備費の増加を抑えることができると共に、サイクルタイム(1つ当たりのクランクシャフトを焼入処理するのに要する時間)を短縮することが可能となる。
【0022】
また、本発明においては、焼入冷却液噴射ジャケットの壁に窓部を設けて放射温度計を前記窓部を通してクランクシャフトのピン部又はジャーナル部(被焼入部)に対応配置するようにしているので、焼入冷却液が放射温度計に直接的に飛散するのを回避することができ、従って高周波誘導加熱及び焼入冷却時の被焼入部の温度を容易にかつ正確に測定して焼入品質を高精度で判定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクランクシャフトの高周波誘導加熱装置の構成図である。
【図2】図1の高周波誘導加熱装置に用いられるコイル支持体を拡大して示す側面図である。
【図3】焼入冷却液噴射ジャケットの壁に設けられた窓部を示す正面図である。
【図4】本発明に係るクランクシャフトの高周波誘導加熱方法及び装置を用いてクランクシャフトのピン部をフィレットR焼入した場合に得られる焼入硬化層パターンを示す断面図である。
【図5】高周波誘導加熱時において放射温度計で検出された温度を時間の経過とともに示すグラフである。
【図6】4気筒クランクシャフトの正面図である。
【図7】従来におけるクランクシャフトの高周波誘導加熱方法を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 クランクシャフト
2 高周波焼入装置
3 コイル支持体
4 ワーク追従機構
4a ベース板
11,13,15,17,19 ジャーナル部
12,14,16,18 ピン部
31 高周波誘導加熱コイル
33 高周波電源
34 焼入冷却液噴射ジャケット
34a ジャケット壁
42 取付部材
43 放射温度計
44 窓部
45 検出装置
46 制御装置

Claims (2)

  1. クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の円柱部外周面上に半開放鞍型の高周波誘導加熱コイルを載置し、前記クランクシャフトをその中心軸を中心に回転せしめて前記高周波誘導加熱コイルをワーク追従機構により前記円柱部外周面に追従させつつ前記ピン部又はジャーナル部を高周波誘導加熱し、しかる後に、前記ワーク追従機構により前記円柱部外周面に追従される焼入冷却液噴射ジャケットから焼入冷却液を前記円柱部外周面の斜め下方部分に向けて噴射して前記ピン部又はジャーナル部を冷却することにより、前記ピン部及びジャーナル部の表面を焼入するクランクシャフトの高周波焼入方法において、前記高周波誘導加熱コイルによる高周波誘導加熱の前に前記高周波誘導加熱コイル及び前記焼入冷却液噴射ジャケットと共に移動配置される前記ワーク追従機構に、前記高周波誘導加熱コイルによる高周波誘導加熱又は焼入冷却を制御するための温度情報を検出する放射温度計を取付け、前記高周波誘導加熱コイルにて前記ピン部又はジャーナル部を高周波誘導加熱する際、又は焼入冷却の際に前記放射温度計を前記ピン部又はジャーナル部の側方位置であって、かつ、前記ピン部又はジャーナル部の円柱部外周面の斜め下方部分に対応配置される焼入冷却液噴射ジャケットの側方位置に移動配置して、前記焼入冷却液噴射ジャケットの壁に設けられた窓部を通して前記放射温度計により高周波誘導加熱時又は焼入冷却時の被焼入部の温度を測定し、この測定した温度に基づいて高周波誘導加熱又は焼入冷却を制御するようにしたことを特徴とするクランクシャフトの高周波焼入方法。
  2. クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の円柱部外周面上に載置される半開放鞍型の高周波誘導加熱コイル、並びに、焼入冷却液を前記ピン部又はジャーナル部の円柱部外周面の斜め下方部分に向けて噴射する焼入冷却液噴射ジャケットを保持するコイル支持体と、クランクシャフトをその中心軸を中心に回転させたときに前記高周波誘導加熱コイル及び焼入冷却液噴射ジャケットをクランクシャフトのピン部又はジャーナル部に追従させるべく前記コイル支持体を左右及び上下方向に移動自在に支持するワーク追従機構と、前記コイル支持体及びワーク追従機構の組合体を所定の待機位置から所定の設定位置まで移動させるためのコイル移動機構とを具備するクランクシャフトの高周波焼入装置において、前記ワーク追従機構に放射温度計を付設して、前記高周波誘導加熱コイルによる前記ピン部又はジャーナル部の高周波誘導加熱の際、又は焼入冷却の際に前記放射温度計が前記ピン部又はジャーナル部の側方位置であって、かつ、前記ピン部又はジャーナル部の円柱部外周面の斜め下方部分に対応配置される焼入冷却液噴射ジャケットの側方位置に配置されるように構成すると共に、前記高周波誘導加熱コイルにより所要温度に高周波誘導加熱された前記ピン部又はジャーナル部に焼入冷却液を噴射する前記焼入冷却液噴射ジャケットの壁に窓部を設け、この窓部を通して前記放射温度計による前記ピン部又はジャーナル部の温度検出を行なうように構成し、前記放射温度計にて検出された温度情報に基づいて高周波誘導加熱又は焼入冷却を制御するようにしたことを特徴とするクランクシャフトの高周波焼入装置。
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