JP2003073738A - 軸状部材の高周波焼入方法とその装置 - Google Patents

軸状部材の高周波焼入方法とその装置

Info

Publication number
JP2003073738A
JP2003073738A JP2001268497A JP2001268497A JP2003073738A JP 2003073738 A JP2003073738 A JP 2003073738A JP 2001268497 A JP2001268497 A JP 2001268497A JP 2001268497 A JP2001268497 A JP 2001268497A JP 2003073738 A JP2003073738 A JP 2003073738A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating coil
shaft
induction heating
shaped member
journal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001268497A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Nakajima
明 中島
Joji Kosakai
▲丈▼治 小坂井
Kenichiro Sasaki
賢一郎 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DKK Co Ltd
Original Assignee
Denki Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denki Kogyo Co Ltd filed Critical Denki Kogyo Co Ltd
Priority to JP2001268497A priority Critical patent/JP2003073738A/ja
Publication of JP2003073738A publication Critical patent/JP2003073738A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

Landscapes

  • Heat Treatment Of Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 設備コスト面、高周波加熱コイルの交換を含
む焼入工程に要する時間の面及び焼入品質面において
も、良好な棒状部材の高周波焼入を得る。 【解決手段】 棒状部材、特に、クランクシャフト10
0のジャーナル部110,130,‥‥に高周波誘導加
熱コイル2を載置し、クランクシャフト100をその中
心軸を中心に回転させて、高周波誘導加熱後、該ジャー
ナル部を冷却して、その表面を焼入れするに際し、前記
ジャーナル部と、高周波誘導加熱コイル2との間隔を所
定値に非接触で設定、配置し、前記ジャーナル部を高周
波加熱を開始するときは、その中心軸Xが、回転ととも
に前記軸状部材の両端面に設けられるセンタ穴間を結ぶ
中心線Hに対し、外側に広がる渦巻線を描く軌跡に追従
するように、高周波誘導加熱コイル2を中心線Hから離
れる方向に移動し、高周波加熱後、前記ジャーナル部を
冷却するときは、その逆方向に移動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸状部材の高周波
焼入方法とその装置に関し、特に、軸状部材として、多
品種少量生産するのに好適なクランクシャフトの高周波
焼入方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】軸状部材として、例えば図10に示すよ
うな直列4気筒(4L)エンジンのクランクシャフト1
00は、鍛造加工によりジャーナル部110(1J),
130(2J),150(3J),170(4J),1
90(5J)とピン部120,140,160,180
とが一体成型されている。従来、前記クランクシャフト
100のジャーナル部110,130,150,17
0,190の高周波焼入れは、該クランクシャフト10
0を、その中心軸Xのまわりに回転させながら、該ジャ
ーナル部110,130,150,170,190に、
それぞれ図12に示す高周波誘導加熱コイル(以下、単
に高周波加熱コイルという)40を載置して誘導加熱
後、冷却を行い高周波焼入れを行っている。
【0003】前記ジャーナル部110,130,15
0,170,190の形状は、該ジャーナル部同士はほ
ぼ同じのため、前記ジャーナル部150(3J)を例に
説明する。図11に前記クランクシャフト100の一部
断面を示すように、該ジャーナル部150(3J)の形
状は、円柱部151と、該円柱部151に続き前記クラ
ンクシャフト100の軸方向に直角に形成されたスラス
ト部152とから成る。
【0004】図11に示す硬化層153は、前記円柱部
151のみの焼入れによって得られるものである。この
ような焼入れの仕方を平焼入れと称している。前記クラ
ンクシャフト100に高周波焼入れを行い、図11に示
す硬化層153を得るためには、ジャーナル径及びジャ
ーナルスラスト幅に対応した高周波加熱コイル40を使
用する必要があり、該ジャーナル径が異なるクランクシ
ャフト100には、該ジャーナル径に対応した数の高周
波加熱コイルが必要であった。このため、焼入作業にお
いては、予め異なる焼入部位ごとに高周波加熱コイルを
製作し、焼入ごとに、それぞれ高周波加熱コイルを交換
して、対処していた。
【0005】ところで、従来、前記クランクシャフト1
00のジャーナル部、例えば150を高周波焼入する
際、図12に示すように、ジャーナル用高周波加熱コイ
ル40は、前記ジャーナル部150(3J)の外周面
(被加熱面)155に対向する半開放鞍型の加熱コイル
部41,41を備える。該加熱コイル部41,41
は、、前記ジャーナル部150の外周面155と、該外
周面155に対向する加熱コイル面42との間隔(隙
間)を、前記加熱コイル面42の全面にわたり均等な所
定の値に常に一定に保たれるとともに、図13に示すよ
うに、前記ジャーナル部150の軸方向の焼入長さb部
分と、該焼入長さb部分に対向する該加熱コイル部4
1,41の軸方向の長さd部分との位置を常に一定に保
つために、前記高周波加熱コイル40と一体的に形成さ
れ、前記外周面(被加熱面)155に当接する複数個の
セラミック製又は超硬材のスペーサ43,43を備えて
いる。なお、44,44は冷却液噴射ジャケット、T
は、前記加熱コイル部41,41に高周波電流を供給す
る変成器である。
【0006】前記半開放鞍型の加熱コイル部41,41
は、前記ジャーナル部150の外径寸法より所定の寸法
だけ内径が大きく形成され、かつ、該加熱コイル部4
1,41のクランクシャフト100の軸方向の長さd部
分は、前記ジャーナル部150の焼入長さb部分に相当
する長さを有するものである。
【0007】前記ジャーナル部150の焼入について
は、まず、前記高周波加熱コイル40を前記ジャーナル
部150の円柱部151の外周上に載置し、前記クラン
クシャフト100の中心軸Xを中心として該クランクシ
ャフト100を回転させ、前記スペーサ43を介して前
記高周波加熱コイル40を前記ジャーナル部150に追
従させながら、該高周波加熱コイル40に通電を開始す
る。次いで、前記外周面155を所定時間加熱後、前記
高周波加熱コイル40への通電を停止させる。同時に、
前記加熱コイル部41,41のそれぞれの下部に互いに
向き合うよう配設された一対の前記冷却液噴射ジャケッ
ト44,44より前記ジャーナル部被加熱面である外周
面155に向けて冷却液を噴射させ、該被外周面155
の冷却、焼入を開始し、所定時間後冷却を停止させ、該
クランクシャフト100の回転も停止させて焼入を終了
する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記ク
ランクシャフト100の前記ジャーナル部150を高周
波焼入するに際し、該クランクシャフト100の各ジャ
ーナル部は、図10に示すようにジャーナル部外径寸法
D、ジャーナル部110(1J)の軸方向のジャーナル
幅L1及び焼入長さL1′、他のジャーナル部130(2
J),150(3J),170(4J),190(5
J)のジャーナル幅Lは、クランクシャフトの種類ごと
にそれぞれ異なるため、数多くの各ジャーナル部専用の
高周波加熱コイルを準備する必要があった。このため、
前記専用の高周波加熱コイルのコストが嵩むという問題
点があった。また、それ以外にも、前記高周波加熱コイ
ルを交換するための手間も必要とするので、全体の焼入
工程に要する時間が極めて長くなるという問題点もあっ
た。
【0009】さらに、前記高周波加熱コイル40に一体
的に形成される前記スペーサ43,43により、前記高
周波加熟コイル40を前記ジャーナル部の外周面に追従
させながら加熱を行うため、該外周面155上に前記ス
ペーサ43,43による傷が発生し、場合によっては研
磨代以上の深さの傷を生じると、焼入加工後の該ジャー
ナル部の研磨工程で前記スペーサ43,43による傷が
残り、不良品が発生するという問題点があった。
【0010】本発明はかかる点を鑑みなされたもので、
その目的は前記問題点を解消し、特にクランクシャフト
を含む棒状部材を高周波焼入するに際し、軸状部材の予
め決められた部位、又はクランクシャフトのジャーナル
部の軸方向の焼入長さが同じであり、かつ前記ジャーナ
ル部外径寸法が所定範囲内であれば、該ジャーナル部の
軸方向の幅寸法に関係なく同一の高周波加熱コイルが使
用できるように、設備コスト面においても、高周波加熱
コイルの交換に要する時間を含む、焼入工程に要する時
間の長さにおいても、また、焼入品質面においても、良
好、かつ好適な軸状部材の高周波焼入方法とその装置を
提供することにある。
【0011】本発明の他の目的は、ジャーナル径の異な
るクランクシャフトを1台のジャーナル用高周波誘導加
熱コイルで加熱後冷却することにより、ジャーナル部の
高周波誘導加熱コイルの段取り交換をなくして、サイク
ルタイムの短縮及び設備コストの削減を図る軸状部材の
高周波焼入方法とその装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明の構成は、次のとおりである。
【0013】軸状部材の予め決められた部位の円柱部の
外周上に高周波誘導加熱コイルを載置し、前記軸状部材
をその中心軸を中心に回転せしめて、前記円柱部を高周
波誘導加熱し、しかる後に前記円柱部を冷却して、前記
円柱部の表面を焼入れするに方法において、前記予め決
められた部位の前記円柱部と、該円柱部外周面に対向す
る前記高周波誘導加熱コイルとの間隔を所定値に非接触
で設定し、前記円柱部を高周波誘導加熱するときは、前
記円柱部の中心軸が、回転とともに前記軸状部材の両端
面に設けられるセンタ穴間を結ぶ中心線に対し、外側に
広がる渦巻線を描く軌跡に追従するように、前記高周波
誘導加熱コイルを前記中心線から離れる(直角)方向に
移動しながら前記円柱部の表面を加熱し、高周波誘導加
熱後、前記円柱部を冷却するときは、前記円柱部の中心
軸が、回転とともに前記中心線に向かって、内側に集束
する渦巻線を描く軌跡に追従するように、前記高周波誘
導加熱コイルを前記中心線に向かう(直角)方向に移動
しながら前記円柱部の表面を冷却する軸状部材の高周波
焼入方法である。
【0014】前記軸状部材がクランクシャフトであり、
前記予め決められた部位がジャーナル部である軸状部材
の高周波焼入方法である。
【0015】前記高周波誘導加熱コイルを、前記軸状部
材又は前記クランクシャフトの回転に同期する所定速度
で移動させる軸状部材の高周波焼入方法である。
【0016】前記円柱部の外径がそれぞれ異なる、前記
軸状部材の前記部位の円柱部又は前記クランクシャフト
の前記ジャーナル部の円柱部をそれぞれ平焼入れするに
際し、前記高周波誘導加熱コイルの適用できる許容範囲
は、前記円柱部最大径から該最大径の約70%までの円
柱部外径である軸状部材の高周波焼入方法である。
【0017】軸状部材の予め決められた部位の円柱部の
外周上に高周波誘導加熱コイルを載置し、前記軸状部材
をその中心軸を中心に回転せしめて、前記円柱部を高周
波誘導加熱し、しかる後に前記円柱部を冷却して、前記
円柱部の表面を焼入れするに装置において、前記予め決
められた部位の前記円柱部と、該円柱部外周面に対向す
る前記高周波誘導加熱コイルとの間隔を所定値に非接触
で設定するために、前記高周波誘導加熱コイルを位置決
めするとともに、前記円柱部の中心軸が、回転とともに
前記軸状部材の両端面に設けられるセンタ穴間を結ぶ中
心線に対し、外側に広がる渦巻線を描く軌跡に追従する
ように、前記高周波誘導加熱コイルを前記中心線から離
れる(直角)方向に移動し、また、前記円柱部の中心軸
が、回転とともに前記中心線に向かって、内側に集束す
る渦巻線を描く軌跡に追従するように、前記高周波誘導
加熱コイルを前記中心線に向かう(直角)方向に移動す
る設定追従手段を備え、前記設定追従手段により、焼入
開始前に、前記高周波誘導加熱コイルを、所定の前記間
隔に設定するとともに、前記間隔を保持しながら、前記
円柱部を高周波誘導加熱するときは、前記高周波誘導加
熱コイルを前記中心線から離れる(直角)方向に移動さ
せ、前記円柱部を冷却するときは、前記高周波誘導加熱
コイルを前記中心線に向かう(直角)方向に移動させる
軸状部材の高周波焼入装置である。
【0018】前記軸状部材がクランクシャフトであり、
前記予め決められた部位がジャーナル部である軸状部材
の高周波焼入装置である。
【0019】前記設定追従手段は、前記高周波誘導加熱
コイルを、前記軸状部材又は前記クランクシャフトの回
転に同期する所定速度で移動させる軸状部材の高周波焼
入装置である。
【0020】前記円柱部の外径がそれぞれ異なる、前記
軸状部材の前記部位の円柱部又は前記クランクシャフト
の前記ジャーナル部の円柱部をそれぞれ平焼入れする装
置であって、前記高周波誘導加熱コイルは、適用できる
許容範囲が前記円柱部最大径から該最大径の約70%ま
での円柱部外径である軸状部材の高周波焼入装置であ
る。
【0021】本発明の棒状部材の高周波焼入方法とその
装置に使用される、予め決められた部位、又はジャーナ
ル部用の高周波加熱コイルは、軸方向が水平に配置され
て回転される、棒状部材の予め決められた部位、又はク
ランクシャフトのジャーナル部の外径寸法より所定の範
囲内で内径寸法が大きく、かつ該予め決められた部位、
又はジャーナル部の軸方向の長さが焼入長さに相当す
る、半開放鞍型の高周波加熱コイルである。
【0022】前記ジャーナル部の円柱部の外周面である
被加熱面と、該被加熱面に対向する前記半開放鞍型の高
周波加熱コイルの加熱コイル部の面との間隔(隙間)に
ついては、前記ジャーナル部の断面中心を通る垂直線
が、該ジャーナル部外周面と交差する2点のうちの上側
に位置する点と、前記ジャーナル部の外周面に対向する
前記高周波加熱コイルの加熱コイル面と前記垂直線が交
差する点との間隔であり、該間隔を所定の値になるよう
に、前記高周波加熱コイルを非接触で配置する。
【0023】高周波焼入に際し、前記クランクシャフト
の中心軸を中心として該クランクシャフトを回転させ、
前記高周波加熱コイルと前記ジャーナル部外周面(被加
熱面)とを接触させることなく、前記所定の間隔で設定
し、保持して、前記高周波加熱コイルへの通電を開始
し、前記ジャーナル部の外周面を含む円柱部を加熱し始
める。前記間隔を保持しながら、前記ジャーナル部を加
熱すると、該ジャーナル部は軸方向に熱膨張するので、
該ジャーナル部の中心軸が、回転とともに前記クランク
シャフトの両端面に設けられるセンタ穴間を結ぶ中心線
に対し、外側に広がる渦巻形状の軌跡を描く。このた
め、前記軌跡に追従するように、前記高周波加熱コイル
を移動させる。
【0024】前記外周面を所定時間加熱後、前記高周波
加熱コイルへの通電を停止する。次いで、前記被加熱面
の冷却を開始するとともに、前記間隔を保持しながら、
前記高周波加熱コイルを、加熱時とは逆方向、すなわち
前記ジャーナル部の中心軸が、回転とともに前記中心線
に向かって、内側に集束する渦巻形状を描く軌跡に追従
するように、移動させる。
【0025】前記外周面を所定時間冷却後、前記冷却を
停止するとともに、前記クランクシャフトの回転も停止
して、前記高周波焼入を終了する。この場合、前記ジャ
ーナル部の焼入長さが同じであり、かつ該ジャーナル部
の外径寸法が所定の範囲内の内径寸法であれば、前記ジ
ャーナル部の軸方向の幅寸法に関係なく同一のジャーナ
ル部用高周波加熱コイルにより、前記棒状部材の予め決
められた部位、又は前記クランクシャフトのジャーナル
部の高周波焼入を行うことができる。
【0026】本発明は、複数種類のクランクシャフトの
ジャーナル径を1台の高周波加熱コイルで、加熱後、冷
却することにより、前記ジャーナル部のそれぞれの高周
波加熱コイルの段取り交換をなくして、サイクルタイム
の短縮及ぴ設備コストの削減を図ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の棒
状部材の高周波焼入方法とその装置の好適な実施の形態
を例示的に詳しく説明する。 図1ないし図5は、本発
明の前記高周波焼入方法を実施する前記高周波焼入装置
の一実施例を示すもので、図1は棒状部材としてのクラ
ンクシャフトの高周波焼入装置の正面説明図、図2は、
図1の高周波誘導加熱コイル(以下、単に高周波加熱コ
イルという)を含む右側面説明図、図3は、高周波加熱
コイルとクランクシャフトのジャーナル部(例えば15
0(3J))との加熱開始時の側面位置関係図、図4
は、図3の正面位置関係図、図5は、加熱中のジャーナ
ル部150(3J)の熱膨張による該ジャーナル部の中
心軸Xと中心線(クランクシャフトの両端面におけるセ
ンタ間の中心線)Hとの関係説明図である。なお、図1
0および図11に記載された構成要素と同一要素には、
同一符号を付してその説明を省略する。
【0028】本実施例は、高周波焼入装置1により、前
記棒状部材として、図10に示す4気筒エンジンの前記
クランクシャフト(被加工物としてのワーク)100の
ジャーナル部150(3J)を焼入する場合を説明す
る。この場合、他のジャーナル部110(1J),13
0(2J),170(4J),190(5J)を焼入す
る場合についても同様である。
【0029】図1及び図2において、前記高周波焼入装
置1は、被加工物である、材質が鋼材または炭素鋼材か
らなる前記ワーク100を、高周波誘導加熱、冷却の工
程のうちで、前記ワーク100の前記ジャーナル部のそ
れぞれの円柱部を、図2に示す1台の前記高周波加熱コ
イル2を使用して、順次、平焼入れする装置である。
【0030】前記高周波焼入装置1は、前記高周波加熱
コイル2と、高周波電源6として、10kHz〜40k
Hzの高周波電力を前記高周波加熱コイル2に供給する
高周波発振機と、前記ワーク100の支持回転装置10
と、前記高周波加熱コイル2を、前記ワーク100のジ
ャーナル部150(3J)に位置決め、設定し、焼入工
程中、前記高周波加熱コイル2を前記ジャーナル部15
0(3J)の運動に追従させる設定追従装置20と、前
記ワーク100又は前記高周波加熱コイル2のいずれか
一方(本実施例では、前記ワーク100側)を、該ワー
ク100の軸方向Zに、移動させるため、前記支持回転
装置10に連結される往復駆動装置30とからなる。
【0031】前記支持回転装置10は、水平に配設され
る前記ワーク100の一端を回転自在に把持するチャッ
ク11と、その他端を回転自在に支持するセンタ部材1
2と、前記チャック11と前記センタ部材12とをそれ
ぞれ保持するヘッドストック13とテールストック14
と、前記ヘッドストック13の前記チャック11と反対
側に取り付けられ、前記ワーク100の取り付け、取り
外しのため、前記チャック11を操作するとともに、該
チャック11を介して、前記ワーク100を回転させる
チャック回転装置15と、前記チャック11の回転角度
を検出する回転角度検出器16と、前記ヘッドストック
13と前記テールストック14とを相互に連結するべー
ス板17とを備えている。
【0032】なお、前記ヘッドストック13、テールス
トック14は、前記べース板17上をそれぞれ図示しな
いシリンダ等によって、前記ワーク100の軸方向のZ
方向に移動可能であるとともに、前記支持回転装置10
は、前記往復駆動装置30の図示しないサーボモータや
ボールねじ等により前記Z方向に往復動される。
【0033】前記設定追従装置20は、前記ワーク10
0のジャーナル部150(3J)の被加熱面である円柱
部151の外周面155と、該外周面155に対向する
前記高周波加熱コイル2の加熱コイル部4,4の加熱コ
イル面4aとの間隔aを所定値に位置決め、設定すると
ともに、焼入工程中は、前記間隔aを保持しながら前記
高周波加熱コイル2を前記ジャーナル部150(3J)
の熱膨張又は収縮による公転運動に追従させるものであ
る。
【0034】前記設定追従装置20は、設定追従制御器
21と設定追従機構22とからなっている。前記設定追
従制御器21は、前記加熱コイル面4aと前記外周面1
55との間隔aを、予め決められた所定値にするため、
前記高周波加熱コイル2を位置決め、設定させる電気信
号を出力するとともに、焼入工程中は、前記間隔aを保
持する電気信号を出力しながら、該高周波加熱コイル2
を前記ジャーナル部150(3J)の前記公転運動に追
従させる電気信号を出力する。
【0035】前記設定追従機構22は、図1及び図2に
示すように前記支持回転装置10の上方に、図示しない
支持機構により、配設されている。前記設定追従機構2
2は、その保持部材23により、前記ジャーナル部15
0(3J)を高周波加熱する半開放鞍型の前記高周波加
熱コイル2を保持するとともに、高周波電力供給用の変
成器Tを載置しながら、前記高周波加熱コイル2を、前
記ワーク100に向けて垂下方向に移動可能になってい
る。
【0036】また、前記設定追従機構22は、前記間隔
aの所定値が設定された前記設定追従制御器21からの
電気信号により、該保持部材23に取り付けられたエン
コーダ又は位置検出器付きのサーボモータ24,25を
駆動し、ボールねじ、ガイド等を介して、前記間隔aが
所定値になるように前記高周波加熱コイル2を、X方向
に移動させるとともに、垂直方向のY方向に降下させ
て、非接触でその位置を決め、配置する。このとき、前
記高周波加熱コイル2が前記ジャーナル部150に跨る
ように、前記加熱コイル部4,4を配置する。そして、
焼入工程中は、前記サーボモータ24,25により、図
2でX方向及びY方向に前記高周波加熱コイル2を移動
させて、前記間隔aを保持しながら前記高周波加熱コイ
ル2を前記ジャーナル部150(3J)の前記公転運動
に追従させている。
【0037】さらに、前記高周波加熱コイル2は、前記
ワーク100の前記ジャーナル部110,130,15
0,170,190のそれぞれに対応するように、順
次、前記往復駆動装置30により、選択的に配置される
とともに、前記設定追従装置20の前記追従制御器21
と前記設定追従機構22とにより、位置決め、設定さ
れ、かつ追従される。そして、前記ジャーナル径の異な
るそれぞれの円柱部を平焼入れする。
【0038】前記高周波加熱コイル2は、図2に示すよ
うに、黄銅製の一対の側板(コイル保持板)3a,3b
と、この側板3a,3b間に取付けられた半開放鞍型の
高周波加熱コイル部4,4(手前側と奥側)と、該高周
波加熱コイル部4,4に接続する給電線5,5と、前記
側板3a,3bの下端に取付られて前記高周波加熱コイ
ル部4,4の下方位置に配置され、互いに対向する焼入
冷却用の一対の冷却液噴射ジャケット(噴射環)7,7
と、前記給電線5,5の上端に設けられた入力端子8,
8とがそれぞれ備えられ、さらに、前記高周波加熱コイ
ル部4,4に給電線5,5を介して、前記高周波電源
(高周波発振機)6から高周波電力を供給するための変
成器Tが設けられている。なお、前記入力端子8,8
は、前記変成器Tの下部に突設された出力端子9,9に
接離可能に接続されている。この場合、前記ジャーナル
部の高周波加熱される外周面(例えば、前記ジャーナル
部150の外周面155)と前記高周波加熱コイル部
4,4との間の間隔を保つ、従来の前記スペーサ43,
43は配設されていない。
【0039】次いで、前記間隔aは、詳しくは、図3に
示すように、前記ジャーナル部150(3J)の断面中
心Xを通る垂直線V−Vが前記ジャーナル部150の円
柱部外周面155と交差する2点26,27のうち、上
側の点26と、該円柱部外周面155と対向する前記加
熱コイル部4の加熱コイル面4aと前記垂直線V−Vが
交差する点28との間隔をいう。なお、前記ジャーナル
部150(3J)の断面中心Xと、前記加熱コイル部4
の中心Oの関係は、前記ジャーナル部の断面中心Xが、
前記加熱コイル部の中心Oより上側に位置するか、又は
同じ位置である。
【0040】次に焼入時における動作を説明する。図1
に示すように、前記ワーク100を、前記支持回転装置
10の前記チャック11とセンタ部材12とでそれぞれ
保持し、前記往復駆動装置30の図示しないサーボモー
タ及びボールねじ等により前記べース板17を移動さ
せ、前記高周波加熱コイル2が焼入しようとするジャー
ナル部(例えば、150(3J))の加熱開始位置に対
向させる。
【0041】次いで、前記高周波加熱コイル2は、前記
設定追従装置20の前記設定追従制御器21と前記設定
追従機構22とにより、前記ジャーナル部150の円柱
部外周面155との前記間隔aが、予め設定された所定
値になるように位置決めされる。以上の操作により、前
記高周波加熱コイル2の加熱コイル部4,4は、垂直方
向のY方向には図3に示す位置に、位置決めされるとと
もに、前記ワーク100の軸方向のZ方向には、図4に
示す位置に位置決めされる。
【0042】次に、図5に示すように、前記ワーク10
0を水平に支持するため、その両端面に設けられるセン
タ穴間を結ぶ中心線をHとするとき、前記ワーク100
の前記ジャーナル部150(3J)を加熱すると、該ジ
ャーナル部150の熱膨張により、前記ジャーナル部1
50の中心軸Xは、たわみ曲線になる中心軸X′の形状
になる。そのため、前記ジャーナル部150の中心軸X
は、前記中心線Hに対して偏心回転運動を行い、その偏
心量eは加熱時間とともに増大する。
【0043】そして、前記ジャーナル部150(3J)
の中心軸Xが偏心回転することにより、該ジャーナル部
150の断面は、偏心量eを半径として公転しながら前
記中心線Hのまわりを回転する。このため、図6(a)
に示すように、前記ジャーナル部150の断面が公転す
る軌跡のうちの上死点における、前記高周波加熱コイル
2に最も接近する前記円柱部外周面155上の位置26
aと、前記加熱コイル面4aとの間隔をa1とすれば、
図6(b)に示すような前記ジャーナル部150の断面
の下死点における、前記高周波加熱コイル2から最も離
間する前記円柱部外周面155上の位置26bと、前記
加熱コイル面4aとの間隔a2は、次式のように、(a
2)=(a1)+2eとなる。
【0044】故に、前記外周面155と前記加熱コイル
面4aとの間隔aは、該外周面155の外周上で、2e
だけ異なり、前記ジャーナル部150の外周面155
は、均一な加熱温度にならないため、所定の焼入品質が
得られないことがある。
【0045】そこで、前記外周面155と前記加熱コイ
ル面4aとの間隔aの変動を、極力少なくする焼入方法
を、以下に説明する。まず、予め、前記ジャーナル部1
50(3J)の加熱工程と冷却工程とにおける、回転時
の前記ジャーナル部150の中心軸X′の前記中心線H
に対する偏心量を求めるため、前記ワーク100の前記
ジャーナル部150の高周波焼入を行う。すなわち、図
7に示すように前記ジャーナル部150の下部に接す
る、平板51を有するダイヤルゲージ50を配置する。
【0046】次いで、ワーク100の回転角度、すなわ
ち前記チャック11の回転角度を前記回転角度検出器1
6により検出しながら、該回転角度に対応する、前記ジ
ャーナル部150の中心軸X′の前記中心線Hに対する
偏心量eを、前記ダイヤルゲージ50の振れにより測定
する。同時に、図8に示すように、前記偏心量につい
て、前記高周波加熱コイル2への通電開始から通電停止
及び冷却開始から冷却停止までの、回転に同期する時間
に対する該偏心量eの変化を、前記ダイヤルゲージ50
に連動する図示しない記録計によって記録紙上に記録さ
せる。
【0047】前記記録計の前記記録紙からの前記ジャー
ナル部150の中心軸X′の180゜回転ごと、すなお
ち下死点と上死点における偏心量eを読み取り、C1,
C2,C3,‥‥,Cnの値を求める。前記C1,C2,C
3,‥‥,Cnは加熱時間が経過するとともに、値が増大
し、加熱終了時にて最大値となる。また、冷却が開始さ
れると偏心量Cnの値は徐々に減少し、冷却終了時には
Cnの値はある一定値になる。
【0048】実際の加熱中及び冷却中における前記高周
波加熱コイル2の移動軌跡を前述の方法により得られた
Cnの測定値を基に、前記設定追従装置20の前記設定
追従制御器21内に、プログラミングの手法である渦巻
き補間を用いたプログラムを、前記ジャーナル部150
(3J)を含む、焼入される全てのジャーナル部につい
て、予め設定しておく。さらに、前記設定追従制御器2
1について、その設定制御盤(又は、制御パネル)に設
定される項目は、前記高周波加熱コイル2の加熱コイル
面4aと前記ジャーナル部150(3J)の外周面との
間隔aのほか、1)加熱時間、2)冷却時間、3)前記
高周波加熱コイル2のY軸方向における上死点(C2,
C4,C6,‥‥)及び下死点(C1,C3,C5,‥‥)
等であり、前記ワーク100の回転数は、本実施の形態
では、30rpmで行ったため、1秒ごとに、前記Y軸
方向の上死点及び下死点が繰り返されることになる。
【0049】そして、前記高周波加熱コイル2の前記ジ
ャーナル部150(3J)の回転時の動きを、図1に示
すように、前記設定追従制御器21により制御される前
記設定追従機構22のサーボモータ24,25及ぴボー
ルねじ等にて、図2のX方向及びY方向に移動させなが
ら、前記回転に対して渦巻き軌跡に沿って移動させてい
る。このとき、前記高周波加熱コイル2は、前記ワーク
(軸状部材を含む)100の回転に同期する所定速度で
移動される。この場合、前記設定追従制御器21内に設
定される前記渦巻き補間を用いたプログラムには、予
め、前記ジャーナル部150の外周面155と前記加熱
コイル面4aとの隙間の相当する距離(間隔a)が付加
される。
【0050】このように、前記高周波加熱コイル2の中
心Oは、前記ワーク100の回転とともに、加熱時は図
9(a)に示すように外側に広がる渦巻き形状の軌跡に
なり、冷却時は図9(b)に示すように中心点に向かっ
て内側に集束する渦巻き形状の軌跡になる。同時に、前
記高周波加熱コイル2に対向する前記ジャーナル部15
0の外周面155と前記加熱コイル面4aとの隙間a
は、前記設定追従装置20により、常に一定に保持され
るようになっている。このため、前記ジャーナル部15
0の外周面155は、均一な加熱温度になり、安定した
焼入品質を得ることができる。
【0051】なお、前記ジャーナル径がそれぞれ異なる
前記ワーク100の前記ジャーナル部をそれぞれ平焼入
れする場合においては、前記ジャーナル用の高周波加熱
コイル2の適用又は使用できる許容範囲は、ジャーナル
最大径から該最大径の約70%までのジャーナル径にす
るのがよい。
【0052】また、本実施の形態は、棒状部材として、
クランクシャフト、特にそのジャーナル部の高周波焼入
方法及びその装置について説明したが、前記クランクシ
ャフトに限らずに、例えばカムシャフトのジャーナル部
についても、同様に本発明を実施できることは当然であ
る。
【0053】なお、本発明の技術は前記実施の形態にお
ける技術に限定されるものではなく、同様な機能を果た
す他の態様の手段によってもよく、また本発明の技術
は、前記構成の範囲内において、種々の変更、付加が可
能である。
【0054】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
軸状部材の高周波焼入方法とその装置によれば、軸状部
材、特にクランクシャフトを含み、設備コストが低減化
され、高周波加熱コイルの段取り交換をなくして、焼入
工程に要する時間が短縮化され、また、良好な焼入品質
が得られるという優れた効果を奏する。
【0055】また、本発明に係る棒状部材の高周波焼入
方法とその装置によれば、特にクランクシャフトを含む
棒状部材を高周波焼入するに際し、軸状部材の予め決め
られた部位、又はクランクシャフトのジャーナル部の軸
方向の焼入長さが同じであり、かつ前記ジャーナル部の
外径寸法が所定範囲内であれば、該ジャーナル部の軸方
向の長さに関係なく同一の高周波加熱コイルが使用でき
るため、設備コスト面が低減され、高周波加熱コイルの
段取り交換に要する時間を含む、焼入工程に要する時間
が短縮化され、また、良好な焼入品質面が得られるとい
う優れた効果がある。同時に、前記ジャーナル部の高周
波誘導加熱コイルの段取り交換をなくして、サイクルタ
イムの短縮及び設備コストの削減を図ることができる。
【0056】従って、多品種少量のクランクシャフトの
焼入を行う場合、従来は、ジャーナル部外径、ジャーナ
ル部軸方向の長さ及び焼入長さのどれか1つ異なれば、
高周波加熱コイルは共用化できなかったため、数多くの
高周波加熱コイルを準備する必要があり、該高周波加熱
コイルのコストが嵩むことになったが、本発明によれ
ば、ジャーナル部軸方向の焼入長さが同じであれば、該
ジャーナル部軸方向の長さには無関係であり、また、ジ
ャーナル部外径もある一定範囲内であれば、同一の高周
波加熱コイルを使用できるため、高周波加熱コイルの種
類を削減できるとともに、コストの削減になり、該高周
波加熱コイルを交換する手間も不要となるので、全体の
焼入工程にかかる時間も極めて短くなる。
【0057】また、従来は、高周波加熱コイル体と一体
的に形成されたセラミック製又は超硬製のスペーサによ
り、高周波加熱コイルを前記クランクシャフトの外周面
(被加熱面)に追従させながら高周波加熱を行うため、
外周面に前記スペーサによる傷が発生し、場合によって
は研磨代以上の深さの傷が生じると、焼入加工後のジャ
ーナル部の研磨工程でスペーサによる傷が残り、不良品
になるという問題が発生することもあったが、本発明で
は、前記スペーサーを使用することなく、外周面と高周
波加熱コイルとは非接触のため、外周面に傷が発生する
こともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の棒状部材の高周波焼入方法を実施する
高周波焼入装置の一実施例を示す、棒状部材としてのク
ランクシャフトの高周波焼入装置の正面説明図である。
【図2】図1の、高周波誘導加熱コイルを含む右側面説
明図である。
【図3】高周波加熱コイルとクランクシャフトのジャー
ナル部150(3J)との加熱開始時の側面位置関係図
である。
【図4】高周波加熱コイルとジャーナル部150(3
J)との加熱開始時の正面位置関係図である。
【図5】加熱中のジャーナル部150(3J)の熱膨張
による該ジャーナル部の中心軸Xと中心線(クランクシ
ャフトの両端面におけるセンタ間の中心線)Hとの関係
説明図である。
【図6】高周波加熱コイルとジャーナル部150(3
J)との側面位置関係図で、図6(a)は、該ジャーナ
ル部の加熱時における偏心回転の上死点時の側面位置関
係図、図6(b)は、該ジャーナル部の加熱時における
偏心回転の下死点時の側面位置関係図ある。
【図7】ジャーナル部の加熱、冷却時の該ジャーナル部
の中心軸Xの偏心量測定方法の説明図である。
【図8】本実施例におけるジャーナル部の加熱、冷却時
における、回転と同期する時間に対する、該ジャーナル
部中心軸Xの偏心量の変化を示す図である。
【図9】本実施例におけるジャーナル部の加熱、冷却時
における、該ジャーナル部の中心軸Xの軌跡を示す図
で、図9(a)は加熱時、図9(b)は冷却時のそれぞ
れの軌跡を示す。
【図10】直列4気筒のクランクシャフトの正面図であ
る。
【図11】図10のクランクシャフトのジャーナル部の
平焼入による、焼入部の形状と硬化層パターンを示す部
分断面図である。
【図12】図10のクランクシャフトのジャーナル部の
円柱部を平焼入する、従来の半開放鞍形の高周波加熱コ
イルの側面の構成説明図である。
【図13】図10のクランクシャフトのジャーナル部
と、従来の高周波加熱コイルの加熱コイル部との位置関
係を示す正面説明図である。
【符号の説明】
1 高周波焼入装置 2 高周波誘導加熱コイル(高周波加熱コイル) 4 加熱コイル部 6 高周波電源(高周波発振機) 7 冷却液噴射ジャケット(冷却液噴射環) 10 支持回転装置 11 チャック 12 センタ部材 15 チャック回転装置 16 回転角度検出器 20 設定追従装置 21 設定追従制御器 22 設定追従機構 23 保持部材 24,25 サーボモータ(位置検出器付き) 30 往復駆動装置 50 ダイヤルゲージ 51 平板 100 クランクシャフト(ワーク) 150 ジャーナル部 151 円柱部 155 外周面(被加熱面) H 中心線 T 変成器 X、X′中心軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 賢一郎 東京都千代田区丸の内3丁目3番1号 電 気興業株式会社内 Fターム(参考) 4K042 AA16 BA01 BA02 BA03 BA04 BA13 BA14 DA01 DB01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸状部材の予め決められた部位の円柱部
    の外周上に高周波誘導加熱コイルを載置し、前記軸状部
    材をその中心軸を中心に回転せしめて、前記円柱部を高
    周波誘導加熱し、しかる後に前記円柱部を冷却して、前
    記円柱部の表面を焼入れするに方法において、 前記予め決められた部位の前記円柱部と、該円柱部外周
    面に対向する前記高周波誘導加熱コイルとの間隔を所定
    値に非接触で設定し、 前記円柱部を高周波誘導加熱するときは、前記円柱部の
    中心軸が、回転とともに前記軸状部材の両端面に設けら
    れるセンタ穴間を結ぶ中心線に対し、外側に広がる渦巻
    線を描く軌跡に追従するように、前記高周波誘導加熱コ
    イルを前記中心線から離れる方向に移動しながら前記円
    柱部の表面を加熱し、 高周波誘導加熱後、前記円柱部を冷却するときは、前記
    円柱部の中心軸が、回転とともに前記中心線に向かっ
    て、内側に集束する渦巻線を描く軌跡に追従するよう
    に、前記高周波誘導加熱コイルを前記中心線に向かう方
    向に移動しながら前記円柱部の表面を冷却することを特
    徴とする軸状部材の高周波焼入方法。
  2. 【請求項2】 前記軸状部材がクランクシャフトであ
    り、前記予め決められた部位がジャーナル部であること
    を特徴とする請求項1に記載の軸状部材の高周波焼入方
    法。
  3. 【請求項3】 前記高周波誘導加熱コイルを、前記軸状
    部材又は前記クランクシャフトの回転に同期する所定速
    度で移動させることを特徴とする請求項1又は請求項2
    に記載の軸状部材の高周波焼入方法。
  4. 【請求項4】 前記円柱部の外径がそれぞれ異なる、前
    記軸状部材の前記部位の円柱部又は前記クランクシャフ
    トの前記ジャーナル部の円柱部をそれぞれ平焼入れする
    に際し、前記高周波誘導加熱コイルの適用できる許容範
    囲は、前記円柱部最大径から該最大径の約70%までの
    円柱部外径であることを特徴とする請求項1又は請求項
    2に記載の軸状部材の高周波焼入方法。
  5. 【請求項5】 軸状部材の予め決められた部位の円柱部
    の外周上に高周波誘導加熱コイルを載置し、前記軸状部
    材をその中心軸を中心に回転せしめて、前記円柱部を高
    周波誘導加熱し、しかる後に前記円柱部を冷却して、前
    記円柱部の表面を焼入れするに装置において、 前記予め決められた部位の前記円柱部と、該円柱部外周
    面に対向する前記高周波誘導加熱コイルとの間隔を所定
    値に非接触で設定するために、前記高周波誘導加熱コイ
    ルを位置決めするとともに、 前記円柱部の中心軸が、回転とともに前記軸状部材の両
    端面に設けられるセンタ穴間を結ぶ中心線に対し、外側
    に広がる渦巻線を描く軌跡に追従するように、前記高周
    波誘導加熱コイルを前記中心線から離れる方向に移動
    し、また、前記円柱部の中心軸が、回転とともに前記中
    心線に向かって、内側に集束する渦巻線を描く軌跡に追
    従するように、前記高周波誘導加熱コイルを前記中心線
    に向かう方向に移動する設定追従手段を備え、 前記設定追従手段により、焼入開始前に、前記高周波誘
    導加熱コイルを、所定の前記間隔に設定するとともに、
    前記間隔を保持しながら、 前記円柱部を高周波誘導加熱するときは、前記高周波誘
    導加熱コイルを前記中心線から離れる方向に移動させ、
    前記円柱部を冷却するときは、前記高周波誘導加熱コイ
    ルを前記中心線に向かう方向に移動させることを特徴と
    する軸状部材の高周波焼入装置。
  6. 【請求項6】 前記軸状部材がクランクシャフトであ
    り、前記予め決められた部位がジャーナル部であること
    を特徴とする請求項5に記載の軸状部材の高周波焼入装
    置。
  7. 【請求項7】 前記設定追従手段は、前記高周波誘導加
    熱コイルを、前記軸状部材又は前記クランクシャフトの
    回転に同期する所定速度で移動させることを特徴とする
    請求項5又は請求項6に記載の軸状部材の高周波焼入装
    置。
  8. 【請求項8】 前記円柱部の外径がそれぞれ異なる、前
    記軸状部材の前記部位の円柱部又は前記クランクシャフ
    トの前記ジャーナル部の円柱部をそれぞれ平焼入れする
    装置であって、前記高周波誘導加熱コイルは、適用でき
    る許容範囲が前記円柱部最大径から該最大径の約70%
    までの円柱部外径であることを特徴とする請求項5又は
    請求項6に記載の軸状部材の高周波焼入装置。
JP2001268497A 2001-09-05 2001-09-05 軸状部材の高周波焼入方法とその装置 Pending JP2003073738A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001268497A JP2003073738A (ja) 2001-09-05 2001-09-05 軸状部材の高周波焼入方法とその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001268497A JP2003073738A (ja) 2001-09-05 2001-09-05 軸状部材の高周波焼入方法とその装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003073738A true JP2003073738A (ja) 2003-03-12

Family

ID=19094465

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001268497A Pending JP2003073738A (ja) 2001-09-05 2001-09-05 軸状部材の高周波焼入方法とその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003073738A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009230961A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Fuji Electronics Industry Co Ltd 高周波加熱装置の加熱コイル駆動機構
CN102776348A (zh) * 2012-07-31 2012-11-14 重庆歇马机械曲轴有限公司 一种通用动力机曲轴键槽淬火装置及淬火工艺
CN112342346A (zh) * 2020-10-10 2021-02-09 浙江新哲模具有限公司 一种高效快捷的模具钢加工生产用退火设备
CN113118299A (zh) * 2020-04-27 2021-07-16 航宇智造(北京)工程技术有限公司 高强韧弯曲轴线异形截面薄壁构件成形与淬火装置及工艺

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009230961A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Fuji Electronics Industry Co Ltd 高周波加熱装置の加熱コイル駆動機構
CN102776348A (zh) * 2012-07-31 2012-11-14 重庆歇马机械曲轴有限公司 一种通用动力机曲轴键槽淬火装置及淬火工艺
CN102776348B (zh) * 2012-07-31 2013-09-25 重庆歇马机械曲轴有限公司 一种通用动力机曲轴键槽淬火装置及淬火工艺
CN113118299A (zh) * 2020-04-27 2021-07-16 航宇智造(北京)工程技术有限公司 高强韧弯曲轴线异形截面薄壁构件成形与淬火装置及工艺
CN113118299B (zh) * 2020-04-27 2023-11-10 航宇智造(北京)工程技术有限公司 高强韧弯曲轴线异形截面薄壁构件成形与淬火装置及工艺
CN112342346A (zh) * 2020-10-10 2021-02-09 浙江新哲模具有限公司 一种高效快捷的模具钢加工生产用退火设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8419323B2 (en) Method for fine-machining crankshafts and machining center therefor
US6555800B1 (en) Process and apparatus for the induction hardening of crankshafts
US6024913A (en) Precision quenching apparatus and method with induction heating
JP2003073738A (ja) 軸状部材の高周波焼入方法とその装置
CN101379203B (zh) 感应淬火方法
JP5329057B2 (ja) 誘導加熱装置の加熱コイル体偏心駆動装置
US6673304B2 (en) Apparatus for heat-treating a V-type cylinder block by induction heating
JP2003049224A (ja) 軸状部材の高周波焼入方法とその装置
JP2002348614A (ja) クランクシャフトの高周波焼入方法とその装置
RU2005798C1 (ru) Способ поверхностной индукционной закалки деталей
US4761192A (en) Method of and apparatus for remelting and hardening a shaft
JP3499486B2 (ja) 複数カム同時焼入装置
JP2002167620A (ja) カムシャフトの高周波焼入方法とその装置
JP4477989B2 (ja) クランクシャフトの高周波焼入装置
JP3537566B2 (ja) シリンダブロックの精密誘導焼入方法及び装置
JP3668433B2 (ja) 高周波焼入方法とその装置
CN216473327U (zh) 一种工件孔热处理旋转加工装置
JP2001115211A (ja) シャフト状ワークの高周波焼入装置及び高周波焼入方法
JP4055853B2 (ja) クランクシャフトの高周波焼入焼戻装置及びその装置に用いられる高周波焼戻コイル体
JP3949485B2 (ja) シリンダブロックの誘導加熱焼入装置と焼入方法
JP2008045162A (ja) カム焼入れ装置およびカム焼入れ方法
JP3681644B2 (ja) クランクシャフトの高周波焼入方法
JP3588447B2 (ja) クランクシャフトの高周波低歪み焼入方法
JP2001303136A (ja) クランクシャフトのピン部の高周波誘導加熱装置及びこの装置を備えた高周波焼入装置
JP2004277820A (ja) クランクシャフトの高周波誘導加熱方法及び装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041006

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050225

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050422

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050628