JP4121280B2 - 高周波加熱方法および高周波加熱コイル - Google Patents

高周波加熱方法および高周波加熱コイル Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波加熱方法および高周波加熱コイルに関し、一層詳細には、エンジンバルブ等のように異なった半径を有する複数の円形状ワークの周縁を加熱して焼入れ処理する際に、単一の高周波加熱コイルによって加熱することを可能とする高周波加熱方法および高周波加熱コイルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、異なった半径を有する複数の円形状ワークの周縁を加熱する際には、該円形状ワークの種類に応じて、すなわち、異なる半径を有するワークに対し、それぞれ同心状に対応させた加熱導体部を有する高周波加熱コイルが用いられている。
【0003】
この種の高周波加熱コイルとして、例えば、実開平3−99753号公報に開示された従来技術を挙げることができる。
【0004】
図5に示されるように、この従来技術に係る高周波加熱コイル1は、異なった半径R2、R3を有する円形状ワーク2、3のそれぞれの周縁2a、3aに同心状に対応させた円弧状の加熱導体部4、5を備えている。
【0005】
前記加熱導体部4と5とは直列的に一体化され、リード線6を介して制御手段を含む高周波電源7に接続されている。そして、加熱導体部4が小径な円形状ワーク2の周縁2aに対して所定の位置に位置決めされるか、または、加熱導体部5が大径な円形状ワーク3の周縁3aに対して所定の位置に位置決めされ、前記高周波電源7から加熱導体部4および5へ電流を通電することによって前記周縁2aまたは3aが加熱される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術に係る高周波加熱コイル1では、加熱すべき円形状ワーク2、3の半径、すなわち前記半径R2、R3のそれぞれに対応させた加熱導体部4、5を備える必要がある。
【0007】
一方、前記円形状ワーク2、3とは、さらに異なった半径を有する円形状ワークを加熱する場合には、該異なった半径の加熱導体部を前記高周波加熱コイル1に追加して設けた高周波加熱コイルを製作するか、あるいは、新たに別の高周波加熱コイルを製作しなければならない。
【0008】
このように、異なる半径寸法を有する多種の円形状ワークが増加してくると、前記従来技術に係る高周波加熱コイル1だけでは、必要なすべての種類のワークには対応することができない。このため、該円形状ワークのそれぞれの半径に対応させた高周波加熱コイルをいくつも製作する必要があり、その結果、高周波加熱コイルの製作費用が増大するという問題がある。
【0009】
また、円形状ワーク2、3の製造工程において、加熱して焼入れ処理する工程では、円形状ワークの種類替えに伴って、前記高周波加熱コイル1をその種類用の高周波加熱コイルに取り替える必要があり、このため、生産を一時停止しなければならない。且つ、この取り替えのための作業時間が必要になるので、円形状ワークの生産性が著しく阻害される。
【0010】
本発明は、前記課題に鑑みなされたものであり、異なった半径を有する複数の円形状ワークを加熱して加工する際に、高周波加熱コイルの製作費用を低減することが可能であり、且つ円形状ワークの種類に対応する高周波加熱コイルの取り替えを不要とし、その結果、円形状ワークの生産性を向上させることが可能な高周波加熱方法および高周波加熱コイルを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る高周波加熱方法は、異なった半径を有する複数の円形状ワークの高周波加熱方法であって、最小半径の円形状ワークを加熱するために、該円形状ワークの周縁に対して所定の間隙を有して形成される第1の円弧状加熱導体部と、最大半径の円形状ワークを加熱するために、該円形状ワークの周縁に対して所定の間隙を有して形成される第2の円弧状加熱導体部と、前記最小半径の円形状ワークと前記最大半径の円形状ワークの間の半径を有する円形状ワークを加熱するために、前記第1と第2の円弧状加熱導体部の間に形成される第3の加熱導体部と、を有し、前記第1と第2の円弧状加熱導体部の中心前記第1と第2の円弧の線対称の中心である同一の仮想中心線上に離間配置され、前記第3の加熱導体部は前記第1と第2の円弧状加熱導体部のそれぞれの円弧を結んだ2つの湾曲又は共通接線に沿って設けられて、前記各加熱導体部が一体に形成される高周波加熱コイルを用いて、前記各円形状ワークに対して前記高周波加熱コイルを位置決めする工程と、電圧または電流を調整して前記高周波加熱コイルに供給する工程と、を有することを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明に係る高周波加熱コイルは、最小半径の円形状ワークの周縁に対して所定の間隙を有して形成される第1の円弧状加熱導体部と、最大半径の円形状ワークの周縁に対して所定の間隙を有して形成される第2の円弧状加熱導体部と、前記最小半径の円形状ワークと前記最大半径の円形状ワークの間の半径を有する円形状ワークを加熱するために、前記第1と第2の円弧状加熱導体部の間に形成される第3の加熱導体部と、を有し、前記第1と第2の円弧状加熱導体部の中心前記第1と第2の円弧の線対称の中心である同一の仮想中心線上に離間配置され、前記第3の加熱導体部が、前記第1と第2の円弧状加熱導体部のそれぞれの円弧を結んだ2つの湾曲又は共通接線に沿って設けられ、前記各加熱導体部が一体に形成されることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、最小半径から最大半径に至る各種の半径を有する円形状ワークを、単一の高周波加熱コイルによって加熱するようにしたので、従来技術のように高周波加熱コイルをいくつも製作する必要がなく、その結果、高周波加熱コイルの製作費用を大幅に低減することができる。
【0014】
また、単一の高周波加熱コイルを用いて円形状ワークを加熱するようにしたので、円形状ワークの種類替えの際には、高周波加熱コイルの取り替えをする必要がなく、該円形状ワークの種類に合わせた高周波加熱コイルの位置調整および高周波加熱コイルに出力する電圧または電流を調整するのみでよいため、その結果、円形状ワークの生産性を著しく向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明に係る高周波加熱方法および高周波加熱コイルについて好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施の形態に係る高周波加熱コイル20の斜視図である。
【0017】
この高周波加熱コイル20は、第1の円弧状加熱導体部22と、第2の円弧状加熱導体部24と、該第1と第2の円弧状加熱導体部22、24との間に設けられた第3の加熱導体部26と、支持部材30とから一体的に構成される。さらに、該支持部材30は、第1支持体30aと第2支持体30bとから構成される。この第1支持体30aと第2支持体30bとの間に形成される間隙には、絶縁部材32が介挿され、また、これらの支持体30aと30bの端面にはボルト34等の締結手段によって絶縁部材36が固着される。なお、図1中、これらの加熱導体部22、24、26および支持部材30の内部には、冷却液を流通させるための流路(図示せず)が、前記第1支持体30aと第2支持体30bにそれぞれ備えられたカプラ38aから38bへと連通して設けられている。
【0018】
第1の円弧状加熱導体部22は、その半径方向内側に内周面40を有している。
【0019】
第2の円弧状加熱導体部24は、さらに、前記第1支持体30a側に連結される円弧状加熱導体部24aと、前記第2支持体30b側に連結される円弧状加熱導体部24bとから構成され、該円弧状加熱導体部24aと24bとは、前記絶縁部材32によって離間配置される。また、前記第2の円弧状加熱導体部24は、その半径方向内側に内周面42aと42bとを有している。
【0020】
第3の加熱導体部26は、さらに、前記第1の円弧状加熱導体部22と前記円弧状加熱導体部24aとの間に連結して形成される側方加熱導体部26aと、前記第1の円弧状加熱導体部22と前記円弧状加熱導体部24bと間に連結して形成される側方加熱導体部26bとから構成される。
【0021】
そして、前記側方加熱導体部26aは、前記第1の円弧状加熱導体部22の内周面40の円弧と前記円弧状加熱導体部24aの内周面42aの円弧とを結び、且つこれらの円弧とともに外方へ湾曲した線を含む内壁面44aを有して形成される。なお、この内壁面44aは、例えば、前記内周面40の円弧と前記内周面42aの円弧との共通接線Q1に沿って形成されても勿論構わない。
【0022】
また、前記側方加熱導体部26bは、前記第1の円弧状加熱導体部22の内周面40の円弧と前記円弧状加熱導体部24bの内周面42bの円弧とを結び、且つこれらの円弧とともに外方へ湾曲した線を含む内壁面44bを有して形成される。なお、この内壁面44bは、前記内壁面44aの場合と同様に、前記内周面40の円弧と前記内周面42bの円弧との共通接線Q2に沿って形成されても勿論構わない。
【0023】
本発明の実施の形態に係る高周波加熱コイル20は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、この高周波加熱コイル20が適用される高周波誘導加熱装置48について説明する。
【0024】
図2は、本実施の形態に係る高周波誘導加熱装置48の一部省略斜視図である。なお、この図2において、図1に示す高周波加熱コイル20と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、参照符号Wは、本実施の形態に係る高周波誘導加熱装置48におけるワークを示し、この場合、エンジンバルブである。
【0025】
この高周波誘導加熱装置48は、コイル加熱部50と、ターンテーブル52と、高周波電源54を含む制御部56とから構成される。
【0026】
コイル加熱部50では、前記高周波加熱コイル20が、絶縁体58を介してボルト60を締め付けることによってコイル支持体62に固着される。さらに、前記制御部56に接続されたリード線64が、ターミナル66を介して前記高周波加熱コイル20の支持部材30に接続され、前記絶縁体58とともに固着される。なお、上側支持部材68は、コイル加熱部50の上方側に備えられ、別の支持体(図示せず)によって支持されて、エンジンバルブWの弁部V側から押さえるためのものである。
【0027】
ターンテーブル52では、下側支持部材70に備えられたクランプ72によってエンジンバルブWの軸部U側が支持される。そして、前記下側支持部材70は、上昇することによって該エンジンバルブWの周縁Waを、前記高周波加熱コイル20の各加熱導体部22、24および26に対して上下方向に位置決めさせ、且つ回転することによって前記周縁Waを全周にわたり一様に加熱させるためのものである。なお、前記ターンテーブル52において、参照符号74はエンジンバルブWが供給される第1ステーションを示し、参照符号76はエンジンバルブWが加熱され焼入れ処理される第2ステーションを示し、さらに、参照符号78はエンジンバルブWが取り上げられて次の処理工程へ移送される第3ステーションを示す。
【0028】
制御部56では、エンジンバルブWを加熱するための設定条件として、高周波電源54から供給される電圧または電流、および該電圧または電流の印加時間等の設定と、焼入れするための設定条件として、冷却時間および冷却流体の流量等の設定とを行い、且つ前記各設定値を記憶させ、表示させるものである。さらに、前記高周波加熱コイル20のスライド方向の位置条件、あるいは前記ターンテーブル52の横方向(回転方向)および前記下側支持部材70の上下方向の位置条件等を設定し、且つ前記各位置条件を記憶させ、表示させるものである。
【0029】
なお、図2において、参照符号80は、冷却液循環手段(図示せず)から、前記高周波加熱コイル20へ冷却液を流通させるためのホースを示す。
【0030】
本実施の形態に係る高周波誘導加熱装置48は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、この高周波誘導加熱装置48の動作および作用効果について高周波加熱方法との関係において説明する。
【0031】
ここで、この高周波誘導加熱装置48に供給されるまでのエンジンバルブWについて、図3を参照しながら説明する。
【0032】
先ず、円柱状の原材料から所定長さに切断された切断品82が得られる。次いで、該切断品82の一端が据え込み鍛造工法によって成形され、略球状に形成された先端部84を含む中間品86が得られる。続いて、該先端部84が熱間鍛造工法によって成形され、略傘状に形成された弁部Vを含むバルブ原形品88が得られる。このバルブ原形品88が軸部Uの接合加工と、該バルブ原形品88の研磨加工および熱処理等の工程を経て、エンジンバルブWが得られる。
【0033】
そして、前記エンジンバルブWが、図2に示される高周波誘導加熱装置48に供給される。
【0034】
先ず、制御部56において、当該エンジンバルブWの種類毎に設定され、記憶されている条件が読み出される。そして、作業開始指令によって、コイル加熱部50とともに高周波加熱コイル20が、矢印Aの方向(すなわち、ターンテーブル52の法線方向)にスライドして、所定の位置に位置決めされる。この所定の位置は、図4A〜図4Cに示されるように、エンジンバルブW(参照符号W1〜W3に相当)の周縁W1a〜W3aのいずれかに対応して、高周波加熱コイル20の各加熱導体部22、24および26の最適な位置条件を示すものであり、エンジンバルブWの種類毎に特定されるものである。
【0035】
すなわち、図4Aのケースでは、円弧径R22を有する第1の円弧状加熱導体部22が、半径R1aを有するエンジンバルブW1の周縁W1aに対して、所定の間隙を有して設定される。このエンジンバルブW1は、前記高周波加熱コイル20を用いて加熱すべき最小半径を有するものである。なお、図4Aにおいて、参照符号Lは前記内周面40との間隙を示す仮想線である。
【0036】
この周縁W1aを加熱する場合、前記間隙、すなわち前記円弧径R22と前記半径R1aとの寸法差は、1mmより大きく設定されることが望ましい。前記周縁W1aが過熱されることを回避するためである。
【0037】
また、図4Bのケースでは、円弧径R24を有する円弧状加熱導体部24aおよび24bが、半径R2aを有するエンジンバルブW2の周縁W2aに対して、所定の間隙(仮想線Lで示す。)を有して設定される。このエンジンバルブW2は、前記高周波加熱コイル20を用いて加熱すべき最大半径を有するものである。
【0038】
この周縁W2aを加熱する場合、前述した周縁W1aの場合と同様に、前記円弧径R24と前記半径R2aとの寸法差は、1mmより大きく設定されることが望ましい。
【0039】
なお、前記第1の円弧状加熱導体部22の円弧径R22の中心と、前記円弧状加熱導体部24aおよび24bの円弧径R24の中心は、仮想中心線P上に離間して配置される。
【0040】
さらに、図4Cのケースでは、側方加熱導体部26aおよび26bが、半径R3aを有するエンジンバルブW3の周縁W3aに対して、所定の間隙(仮想線Lで示す。)を有して設定される。この場合、前記エンジンバルブW3の半径R3aが、前記エンジンバルブW1の半径R1aと前記エンジンバルブW2の半径R2aの間にあるとき、すなわち、R1a<R3a<R2aの関係にあるときに適用される。
【0041】
なお、図4A〜図4Cにおいて、仮想線SはエンジンバルブW1〜W3の中心を通り、該エンジンバルブW1〜W3が前記ターンテーブル52によって移送される接線方向、あるいはコンベア等(図示せず)によって移送される移動方向に一致するものである。
【0042】
そして、第1ステーション74に供給された前記エンジンバルブWは、クランプ72によって軸部U側が支持される。次いで、ターンテーブル52が矢印Bの方向へ回転し、該エンジンバルブWが第2ステーション76に移送される。続いて、下側支持部材70が矢印Cの方向に上昇して、該エンジンバルブWが所定の位置まで上昇すると同時に、上側支持部材68が矢印Dの方向に下降して該エンジンバルブWの弁部V側が押さえられ、該エンジンバルブWが下側支持部材70上で上下方向に位置決めされる。なお、前記所定の位置は、前記高周波加熱コイル20の各加熱導体部22、24および26に対する最適な位置条件として制御部56において設定され、記憶されるものであり、エンジンバルブWの種類毎に特定されるものである。
【0043】
次いで、制御部56の指令信号に基づき、高周波電源54からリード線64およびターミナル66を介して、高周波加熱コイル20へ所定の電流が供給され(または所定の電圧が印加され)、該高周波加熱コイル20の各加熱導体部22、24および26によって、前記エンジンバルブWの周縁Waが所定の時間加熱される。このとき、該エンジンバルブWは、下側支持部材70とともに回転しており、これにより、該周縁Waが全周にわたり一様に加熱される。なお、これらの所定の電流(または所定の電圧)および所定の時間は、制御部56において設定され、記憶されるものであり、エンジンバルブWの種類毎に特定されるものである。
【0044】
前記所定の時間加熱された後、前記所定の電流の供給が停止される。そして、冷却ノズル等の冷却流体噴射手段(図示せず)から、冷却流体が該エンジンバルブWの周縁Waに向けて所定の冷却時間噴射される。このことによって、該周縁Waが急冷されて焼入れ処理される。なお、この所定の冷却時間は、制御部56において設定され、記憶されるものであり、エンジンバルブWの種類毎に特定されるものである。
【0045】
次いで、前述の上側支持部材68が上昇し、且つ下側支持部材70とともにエンジンバルブWが下降して、それぞれ当初の位置まで後退し、ターンテーブル52が再び矢印B方向へ回転する。そして、第3ステーション78に移送された該エンジンバルブWは、クランプ72による支持が解放され、ローダー等の移載手段(図示せず)によって次の工程に移送される。
【0046】
ここで、本実施の形態に係る高周波誘導加熱装置48の制御部56において設定される設定条件について説明する。
【0047】
エンジンバルブWの生産タクトタイムから鑑み、時間に関わる設定条件、すなわち、高周波電源54から供給される電圧または電流の印加時間、および焼入れ処理するための冷却時間を一定にして種々の実験を行った。
【0048】
そして、前記印加時間を2.5秒、前記冷却時間を1.5秒とし、図4AにおけるエンジンバルブW1では前記電圧が200Vであり、図4BにおけるエンジンバルブW2では前記電圧が160Vであり、また、図4CにおけるエンジンバルブW3では前記電圧が180Vであるとき、それぞれ該エンジンバルブW1、W2およびW3の周縁W1a、W2aおよびW3aの表面硬度および焼入れ深さに良好な結果が得られた。且つ、これらの周縁W1a、W2aおよびW3aの表面硬度および焼入れ深さはほぼ同じ結果となっている。
【0049】
このことから、前述したように電圧(または電流)の設定を変更することによって、前記エンジンバルブW1とW2の間の半径を有しているものであれば、前記エンジンバルブW3以外の種類でも対応可能である。
【0050】
なお、本実施の形態に係る高周波誘導加熱装置48では、コイル加熱部50とともに高周波加熱コイル20が一方向にスライドする方式を採用しているが、ワークの形状あるいは加熱して焼入れ処理される部位が部分的に特定される等、種々変則的に対応させる場合には、例えば、X−Yテーブル上に該コイル加熱部50を載置して二方向に移動させるようにしても勿論構わない。
【0051】
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る高周波加熱コイル20が適用される高周波誘導加熱装置48によれば、最小半径から最大半径に至るまでの異なった半径を有するエンジンバルブW1〜W3を、単一の高周波加熱コイル20によって加熱するようにしたので、従来技術のように高周波加熱コイル1をいくつも製作する必要がなく、その結果、高周波加熱コイル20の製作費用を大幅に低減することができる。
【0052】
また、単一の高周波加熱コイル20によって加熱するようにしたので、エンジンバルブWの種類替えの際には、高周波加熱コイル20の取り替えをする必要がなく、該エンジンバルブWの種類毎に設定された前記高周波加熱コイル20の位置調整および該高周波加熱コイル20に出力される電圧(または電流)を調整するのみでよいため、その結果、エンジンバルブWの生産性を著しく向上させることができる。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0054】
すなわち、最小半径から最大半径に至る各種の半径を有する円形状ワークを、単一の高周波加熱コイルによって加熱するようにしたので、従来技術のように高周波加熱コイルをいくつも製作する必要がなく、その結果、高周波加熱コイルの製作費用を大幅に低減することができる。
【0055】
また、単一の高周波加熱コイルを用いて円形状ワークを加熱するようにしたので、円形状ワークの種類替えの際には、高周波加熱コイルの取り替えをする必要がなく、該円形状ワークの種類に合わせた高周波加熱コイルの位置調整および高周波加熱コイルに出力する電圧または電流を調整するのみでよいため、その結果、円形状ワークの生産性を著しく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る高周波加熱コイルの斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る高周波加熱コイルが適用される高周波誘導加熱装置の一部省略斜視説明図である。
【図3】本実施の形態に係るエンジンバルブの説明図である。
【図4】図4Aは、本実施の形態に係る高周波加熱コイルと最小半径を有するエンジンバルブとの位置関係を示す平面説明図である。図4Bは、本実施の形態に係る高周波加熱コイルと最大半径を有するエンジンバルブとの位置関係を示す平面説明図である。図4Cは、本実施の形態に係る高周波加熱コイルと、最小半径と最大半径の間の半径を有するエンジンバルブとの位置関係を示す平面説明図である。
【図5】従来技術に係る高周波加熱コイルと円形状ワークとの位置関係を示す平面説明図である。
【符号の説明】
20…高周波加熱コイル 22…第1の円弧状加熱導体部
24…第2の円弧状加熱導体部 24a、24b…円弧状加熱導体部
26…第3の加熱導体部 26a、26b…側方加熱導体部
30…支持部材 L、S…仮想線
P…仮想中心線 Q1、Q2…共通接線
R22、R24…円弧径 R1a、R2a、R3a…半径
W、W1、W2、W3…エンジンバルブ(ワーク)
Wa、W1a、W2a、W3a…周縁

Claims (2)

  1. 異なった半径を有する複数の円形状ワークの高周波加熱方法であって、
    最小半径の円形状ワークを加熱するために、該円形状ワークの周縁に対して所定の間隙を有して形成される第1の円弧状加熱導体部と、
    最大半径の円形状ワークを加熱するために、該円形状ワークの周縁に対して所定の間隙を有して形成される第2の円弧状加熱導体部と、
    前記最小半径の円形状ワークと前記最大半径の円形状ワークの間の半径を有する円形状ワークを加熱するために、前記第1と第2の円弧状加熱導体部の間に形成される第3の加熱導体部と、を有し、
    前記第1と第2の円弧状加熱導体部の中心前記第1と第2の円弧の線対称の中心である同一の仮想中心線上に離間配置され、前記第3の加熱導体部は前記第1と第2の円弧状加熱導体部のそれぞれの円弧を結んだ2つの湾曲又は共通接線に沿って設けられて、前記各加熱導体部が一体に形成される高周波加熱コイルを用いて、
    前記各円形状ワークに対して前記高周波加熱コイルを位置決めする工程と、
    電圧または電流を調整して前記高周波加熱コイルに供給する工程と、
    を有することを特徴とする高周波加熱方法。
  2. 最小半径の円形状ワークの周縁に対して所定の間隙を有して形成される第1の円弧状加熱導体部と、
    最大半径の円形状ワークの周縁に対して所定の間隙を有して形成される第2の円弧状加熱導体部と、
    前記最小半径の円形状ワークと前記最大半径の円形状ワークの間の半径を有する円形状ワークを加熱するために、前記第1と第2の円弧状加熱導体部の間に形成される第3の加熱導体部と、
    を有し、
    前記第1と第2の円弧状加熱導体部の中心前記第1と第2の円弧の線対称の中心である同一の仮想中心線上に離間配置され、
    前記第3の加熱導体部が、前記第1と第2の円弧状加熱導体部のそれぞれの円弧を結んだ2つの湾曲又は共通接線に沿って設けられ、
    前記各加熱導体部が一体に形成されることを特徴とする高周波加熱コイル。
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